JP2000254050A - 電気掃除機用吸込具並びに電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転ブラシの回転時に、回転ブラシを駆動す
る電動機内に微塵埃が入るのを防止して、微塵埃による
故障をなくし高品質で、長寿命の電気掃除機用吸込具並
びに電気掃除機を提供する。 【解決手段】 吸込具本体１９の下面に開口させた吸込
口２８に臨むように、吸込具本体１９内に回転ブラシ２
０を回転自在に設ける。回転ブラシ２０は電動機３２を
内蔵して中空軸４３により軸支するよう構成し、中空軸
４３を軸支する軸支部６２を吸込具本体１９の内側面部
に形成する。この軸支部６２にフィルタ５７を収容する
フィルタ収容空間部５８を形成し、このフィルタ収容空
間部５８を外気導入孔５９と連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電動機によって回
転される回転ブラシを具備した電気掃除機用吸込具並び
にこの電気掃除機用吸込具を接続する電気掃除機に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電気掃除機用吸込具は、
図６に示すように構成していた。以下、その構成につい
て説明する。

【０００３】図に示すように、吸込具本体１は、絨毯な
どの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ２
を内蔵し、底面に吸込口を設け、後部に掃除機本体（図
示せず）と連通される接続パイプ３を回転自在に具備し
ている。回転ブラシ２の外周面にブラシ毛４を植毛し、
内部に回転ブラシ２の駆動源である電動機５と、この電
動機５の軸に装着し、回転を減速して回転ブラシ２に伝
達する遊星歯車６と、この電動機５と遊星歯車６の間に
配設した支持部材７とを内蔵している。

【０００４】この支持部材７は複数のねじ８により電動
機５に固定され、電動機５と当接する端面には、電動機
５に設けた冷却孔からの換気をよくして放熱性を向上す
る溝９を形成し、他方の端面は遊星歯車６の内輪１０に
嵌合するとともに、遊星歯車６の表面をカバーしてい
る。また、回転ブラシ２の内周面には、キー溝（図示せ
ず）を設け、このキー溝に遊星歯車６の外輪に突設した
凸部（図示せず）を嵌合するとともに、凹部を軸方向に
設けて冷却気流の流路を形成している。回転ブラシ２の
両端の開口部には軸受１１を具備した蓋１２を装着して
いる。

【０００５】固定軸１３は中空に形成し、一端を回転ブ
ラシ２の側方に突出させ、軸受１１を介して回転ブラシ
２を回転自在に支持するとともに、電動機５に接続する
リード線１４を中空部に通し、他端は円筒状に形成して
回転ブラシ２の内部に配設し、電動機５の外周を支持し
ている。固定カバー１５は回転ブラシ２の両端に装着
し、回転ブラシ２や軸受１１の内部に塵埃が侵入しない
ようにしている。

【０００６】回転ブラシ２はこの固定カバー１５と固定
軸１３を介して、吸込具本体１に支持され、接続パイプ
３の吸気口１６と対向する回転ブラシ２の略中央部に
は、回転ブラシ２の内部と外部を連通する複数の通気孔
１７を形成している。洩らし穴１８は固定軸１３の中空
部を介して、回転ブラシ２の内部に電動機を冷却する外
気を連通させるもので、吸込具本体１の側面に形成して
いる。

【０００７】上記構成において動作を説明すると、吸込
具本体１と掃除機本体に通電すると電動機５が回転し、
遊星歯車６によって減速されながら回転トルクが増大さ
れて回転ブラシ２に伝達され、ブラシ毛４により絨毯な
どに付着した塵埃を掻き出すとともに、掻き出された塵
埃は掃除機本体に吸引される。このとき、電動機５によ
って回転されるのは、遊星歯車６と回転ブラシ２と蓋１
２と軸受１１の外輪のみで、電動機５と固定軸１３と固
定カバー１５とリード線１４は、吸込具本体１に固定保
持されている。

【０００８】また、掃除機本体を運転すると、吸込具本
体１と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、吸込具本体
１の外周より外気が流入して接続パイプ３の吸気口１６
に流れ込み、この気流により床面上の塵埃も一緒に吸気
口１６へ吸い込まれていく。

【０００９】このとき、吸気口１６と対向して設けた通
気孔１７を通じて回転ブラシ２内部の通気孔１７近傍に
も負圧が働くため、中空の固定軸１３と洩らし穴１８を
介して吸込具本体１の外部と連通された回転ブラシ２内
の側方部との間に圧力差が生じ、外気が洩らし穴１８よ
り固定軸１３の中空部を通って回転ブラシ２の内部に流
入し、回転ブラシ２の電動機５の周囲に設けた凹部２ａ
を通過して通気孔１７に向かって流れ、回転ブラシ２の
内部よりさらに気圧が低い吸気口１６に向かって通気孔
１７より流出する気流が生じる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、回転ブラシ２は固定カバー１５と固定軸１３を介
して、吸込具本体１に支持され、吸込具本体１の側面に
形成した洩らし穴１８より固定軸１３の中空部を介し
て、回転ブラシ２の内部に電動機を冷却する外気を連通
させているため、回転ブラシ２を回転させて掃除機本体
を運転したとき、掃除作業中に塵埃が舞い散り、塵埃を
含む外気が冷却風として漏らし孔１８から導入される
と、電動機５は冷却されると同時に、外気に含まれる塵
埃が電動機５内に入り、塵埃による故障が発生する危険
があるという問題を有していた。

【００１１】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、回転ブラシを回転させて掃除機本体を運転したと
き、塵埃を含む外気が冷却風として外気導入孔から導入
されてもフィルタにより塵埃を除去し、電動機内に微塵
埃が入るのを防止して微塵埃による故障をなくし高品質
で、長寿命とすることを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、吸込具本体の下面に開口させた吸込口に臨
むように、吸込具本体内に回転ブラシを回転自在に設
け、回転ブラシは電動機を内蔵して中空軸により軸支す
るよう構成し、中空軸を軸支する軸支部を吸込具本体の
内側面部に形成し、この軸支部にフィルタを収容するフ
ィルタ収容空間部を形成し、このフィルタ収容空間部を
外気導入孔と連通させた電気掃除機用吸込具である。

【００１３】これにより、回転ブラシを回転させて掃除
機本体を運転したとき、塵埃を含む外気が冷却風として
外気導入孔から導入されても、フィルタ収容空間部に収
容した防塵用のフィルタにより塵埃を除去することがで
き、電動機内に微塵埃が入るのを防止して微塵埃による
故障をなくすることができ、高品質で、長寿命とするこ
とができる。

【００１４】また、内部に塵埃を集塵する集塵室と電動
送風機を備えた電気掃除機本体に、上記電気掃除機用吸
込具と連通するように接続される接続口を備えた電気掃
除機である。

【００１５】これにより、回転ブラシを回転させて掃除
機本体を運転したとき、塵埃を含む外気が冷却風として
外気導入孔から導入されても、フィルタ収容空間部に収
容した防塵用のフィルタにより塵埃を除去することがで
き、電動機内に微塵埃が入るのを防止して微塵埃による
故障をなくすることができ、高品質で、長寿命の電気掃
除機を得ることができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込
口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回
転ブラシとを備え、前記回転ブラシは電動機を内蔵して
中空軸により軸支するよう構成し、前記中空軸を軸支す
る軸支部を吸込具本体の内側面部に形成し、この軸支部
にフィルタを収容するフィルタ収容空間部を形成し、こ
のフィルタ収容空間部を外気導入孔と連通させた電気掃
除機用吸込具であり、フィルタ収容空間部に防塵用のフ
ィルタを収容することにより、回転ブラシを回転させて
掃除機本体を運転したとき、掃除作業中に塵埃が舞い散
り、塵埃を含む外気が冷却風として外気導入孔から導入
されても、フィルタにより塵埃を除去することができ、
電動機内に微塵埃が入ることがなく、微塵埃による故障
をなくし高品質で、長寿命とすることができる。

【００１７】請求項２に記載の発明は、上記請求項１に
記載の発明において、フィルタ収容空間部と連通した外
気導入孔の面積を中空軸の孔面積以上とした電気掃除機
用吸込具であり、長期間の掃除作業中に外気導入孔およ
び防塵用のフィルタに塵埃が蓄積されても、中空軸の孔
面積より大なる通気面積を確保することができ、電動機
を充分冷却することができ、高品質で、長寿命とするこ
とができる。

【００１８】請求項３に記載の発明は、上記請求項１に
記載の発明において、吸込具本体は、下面に吸込口を開
口させた下ケースと、この下ケースの上部を覆う上ケー
スとで構成し、前記下ケースと上ケースの合わせ面で軸
支部を構成した電気掃除機用吸込具であり、吸込具本体
内に回転ブラシを組み込むと同時に、吸込具本体を組み
立てることができ、組立性を向上することができる。

【００１９】請求項４に記載の発明は、上記請求項１〜
３に記載の発明において、フィルタ収容空間部は、軸支
部で軸支した中空軸の上端より高くなるよう構成した電
気掃除機用吸込具であり、外気導入孔を被掃除面より高
い位置に設定することができ、掃除中の塵埃が外気導入
孔より侵入するのを防止することができ、電動機内に微
塵埃が入ることがなく、微塵埃による故障をなくし高品
質で、長寿命とすることができる。

【００２０】請求項５に記載の発明は、上記請求項１ま
たは３に記載の発明において、吸込具本体は、回転ブラ
シの中空軸と反対側の軸を軸支する軸支部を有し、この
軸支部にもフィルタを収容するフィルタ収容空間部を形
成し、このフィルタ収容空間部には吸込口に連通する孔
を設けた電気掃除機用吸込具であり、フィルタ収容空間
部に設けた吸込口に連通する孔より、軸支部の下面の被
掃除面へ外気を噴射させることができ、集塵性能を向上
することができる。また、軸支部の下面に常に吸込気流
が発生していることになり、軸支部への塵埃の侵入、ま
たは毛髪などの巻き付きを防止することができ、高品質
で、長寿命とすることができる。

【００２１】請求項６に記載の発明は、内部に塵埃を集
塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、
請求項１〜５のいずれか１項に記載の電気掃除機用吸込
具と連通するように接続される接続口を備えた電気掃除
機であり、回転ブラシを回転させて掃除機本体を運転し
たとき、塵埃を含む外気が冷却風として外気導入孔から
導入されても、フィルタ収容空間部に収容した防塵用の
フィルタにより塵埃を除去することができ、電動機内に
微塵埃が入るのを防止して微塵埃による故障をなくする
ことができ、高品質で、長寿命の電気掃除機を得ること
ができる。

【００２２】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。

【００２３】図５に示すように、吸込具本体１９は絨毯
などの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ
２０（図１参照）を内蔵し、後部に延長管２１と接続さ
れる連結体２２を回転自在に設けている。掃除機本体２
３は、内部に塵埃を集塵する集塵室２４と電動送風機２
５を備えており、この掃除機本体２３に設けた接続口２
６に、延長管２１に接続したホース２７を接続し、吸込
具本体１９の連結体２２を接続口２６に連通するように
構成している。

【００２４】ここで、まず、図１および図２を参照しな
がら回転ブラシ２０の構成について説明する。

【００２５】図１に示すように、回転ブラシ２０は、吸
込具本体１９の下面に開口した吸込口２８に臨むよう
に、吸込具本体１９の吸込室２９内に回転自在に設けて
いる。この回転ブラシ２０は、ＡＢＳ、ポリスチロー
ル、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で形成した略筒
状のブラシホルダー３０の外周面に塵埃掻き上げ部を構
成する複数のブラシ３１を設けている。

【００２６】なお、塵埃掻き上げ部は、ブラシ３１の
他、薄板状のブレード、拭き効果のある帯状体（例え
ば、布製の帯状体）などであってもよく、さらに、これ
らを適宜組み合わせたものであってもよい。

【００２７】このブラシホルダー３０の内部に、図２に
示すように、回転ブラシ２０を回転駆動する電動機３
２、電動機３２の回転数を減速する減速装置３３、減速
装置３３の出力をブラシホルダー３０に伝達するギヤ３
４などを内蔵している。ここで、回転ブラシ２０は、電
動機３２、減速装置３３などを内蔵するとともに、電動
機３２のトルクと、外周面のブラシ３１の先端での塵埃
の掻き上げ性能から、その直径を２６mm〜４３mmとして
いる。

【００２８】電動機３２は整流子電動機で構成し、商用
電源電圧を整流する整流器、雑音防止器などを実装した
電動機用基板３５を設け、この電動機用基板３５に連結
体２２を通して掃除機本体２３に接続したリード線３６
を接続し、商用電源電圧を整流した電圧により駆動する
ように構成している。ここで、電動機３２の回転数は、
減速装置３３を介してブラシホルダー３０に回転が伝え
られるため、３０００rpm〜１５０００rpmに設定してい
る。絨毯を掃除するときは、３０００rpm〜１２０００r
pmが好ましい。

【００２９】減速装置３３は遊星歯車により構成して電
動機３２の出力軸３７を連結し、電動機３２の回転数を
減速する。ここで、減速装置３３の減速比は、1/3〜1/9
（好ましくは、1/5〜1/7）としている。遮音筒３８は、
減速装置３３の外周を覆って遮音するもので、アルミニ
ウムダイカスト、またはプラスチック成型により形成し
ている。この遮音筒３８を介して電動機３２に保持固定
し、電動機３２と減速装置３３とを一体に連結して構成
し、出力軸３９にギヤ３４を嵌合している。軸受部４０
は電動機３２と一体に連結して構成した減速装置３３を
ブラシホルダー３０に支持するもので、内輪を減速装置
３３の径小部４１に固定し、外輪をブラシホルダー３０
の軸受支持部４２により支持している。

【００３０】電動機３２の整流子３２ａ側には、内径を
中空とし減速装置３３と一体に連結して構成した電動機
３２を軸支する中空軸４３を固定している。この中空軸
４３は、アルミニウム合金、炭素鋼（Ｓ４５Ｃ）、工業
用プラスチックなどの変形しにくい材料で形成し、内径
を１３mmとして冷却風をスムーズに導入できるように構
成している。この中空軸４３に軸受部４４の内輪を固定
し、外輪をブラシホルダー３０の端部に固定したキャッ
プ４５により支持している。

【００３１】ギヤ３４は、ポリアセタール、ポリアミド
などの工業用プラスチックで構成し、ブラシホルダー３
０の内面部に形成したギヤ部４６と噛み合い、ギヤ部４
６と噛み合う部分に、ゴム、エラストマーなどで形成し
た緩衝材４７を介在させ、ゴム、エラストマーなどの弾
力性により、歯形相互間で噛み合い音を緩衝させてい
る。

【００３２】ここで、ギヤ部４６は、ブラシホルダー３
０の軸方向における略中央部の内面部に形成し、ギヤ３
４をブラシホルダー３０の軸方向における略中央部でブ
ラシホルダー３０と連結させている。ギヤ部４６の外側
に冷却風の通路孔４８を設けており、この通路孔４８
は、中空軸４３から電動機３２および減速装置３３の外
側を通る冷却風通路４９に連通するとともに、ブラシホ
ルダー３０の外周面に設けた通気孔５０に連通してい
る。

【００３３】通気孔５０は連結体２２に対向する位置に
設け、ブラシホルダー３０の内面に防塵フィルタ５１を
設け、通気孔５０からブラシホルダー３０の内部に塵埃
が入るのを防止している。ギヤ部４６と通気孔５０との
間に隔壁５２をブラシホルダー３０に一体に設け、通気
孔５０側から減速装置３３側に塵埃が入るのを防止する
とともに、減速装置３３より発生する騒音、またはギヤ
３４とギヤ部４６との噛み合わせによる騒音が通気孔５
０から洩れるのを防止している。

【００３４】吸込具本体１９は、図３に示すように、下
面に吸込口２８を開口させた下ケース５３と、この下ケ
ース５３の上部を覆う上ケース５４とで構成している。
下ケース５３は、図４に示すように、上方に突出させて
側壁５５を形成し、この側壁５５に中空軸４３を軸支す
る下軸支部５６を設け、この下軸支部５６にフィルタ５
７を収容するフィルタ収容空間部５８を形成し、このフ
ィルタ収容空間部５８を外気導入孔５９と連通させてい
る。ここで、フィルタ収容空間部５８と連通した外気導
入孔５９の面積を中空軸４３の孔面積以上としている。
フィルタ５７は、通気性がある紙、不織布、織物、発泡
シート材などで構成し、空気を通すときの圧力損失を水
柱２mm程度に設定している。

【００３５】上ケース５４には、中空軸４３を軸支する
上軸支部６０を設けるとともに、下ケース５３の合わせ
面６１に当接可能な合わせ面（図示せず）を設け、下ケ
ース５３の合わせ面６１に設けた下軸支部５６と、上ケ
ース５４の合わせ面に設けた上軸支部６０とで軸支部６
２を構成し、緩衝部材６３を介して中空軸４３を軸支し
ている。緩衝部材６３は、ゴム、エラストマーなどの弾
力性が優れた材料で形成し、回転ブラシ２０の回転によ
る振動、びびりを吸収し、吸込具本体１９へ伝えにくく
している。なお、フィルタ収容空間部５８は、軸支部６
２で軸支した中空軸４３の上端より高くなるよう構成し
ている。

【００３６】吸込具本体１９には、回転ブラシ２０の中
空軸４３と反対側の軸６４を軸支する軸支部６５を有し
ている。軸受部材６６は軸６４を軸支する軸受６７を保
持するもので、この軸受部材６６を緩衝部材６３を介し
て、軸支部６５により支持している。この軸支部６５に
もフィルタ５７を収容するフィルタ収容空間部６８を形
成し、このフィルタ収容空間部６８には吸込口２８に連
通する孔６９を設けている。

【００３７】上記構成において動作を説明すると、吸込
具本体１９と掃除機本体２３に通電すると、回転ブラシ
２０に内蔵した電動機３２が回転し、減速装置３３によ
って減速され、回転トルクが増大されて回転ブラシ２０
に回転駆動する。回転ブラシ２０の回転により、ブラシ
ホルダー３０の外周面に設けたブラシ３１により絨毯な
どに付着した塵埃を掻き上げとともに、掻き上げた塵埃
は延長管２１、ホース２７を介して掃除機本体２３に吸
引される。

【００３８】ここで、回転ブラシ２０は電動機を内蔵す
ることによって、従来に比べて、その直径が大きくなる
が、直径が大きくなると、回転数を従来と同じとしたと
き、塵埃掻き上げ部の周速が速まり、被掃除面からの塵
埃の掻き上げ性能を向上することができる。

【００３９】このとき、吸込具本体１９と床面で囲まれ
た空間に負圧がかかり、吸込具本体１９の外周より外気
が流入し、この気流により床面上の塵埃も連結体２２を
通して一緒に吸い込まれていく。そして、連結体２２に
対向して設けた通気孔５０を通して、回転ブラシ２０内
部の通気孔５０の近傍にも負圧が働くため、外気が吸気
孔５５より中空軸４３の中空部を通って回転ブラシ２０
の内部に流入する。

【００４０】この流入した外気により、電動機３２およ
び減速装置３３の外側を通る冷却風通路４８、ギヤ部４
６の外側に設けた通路孔４８を通り、防塵フィルタ５１
を介して通気孔５０から流出する冷却風が生じ、電動機
３２、電動機用基板３５などを冷却する。

【００４１】一方、中空軸４３を軸支する軸支部６２を
吸込具本体１９の内側面部に形成し、この軸支部６２に
フィルタ５７を収容するフィルタ収容空間部５８を形成
し、このフィルタ収容空間部５８を外気導入孔５９と連
通させているので、フィルタ収容空間部５８に防塵用の
フィルタ５７を収容することにより、回転ブラシ２０を
回転させて掃除機本体２３を運転したとき、塵埃が舞い
散り、塵埃を含む外気が冷却風として外気導入孔５９か
ら導入されても、フィルタ５７により塵埃を除去するこ
とができ、電動機３２内に微塵埃が入ることがなく、微
塵埃による故障をなくし高品質で、長寿命とすることが
できる。

【００４２】また、中空軸４３の軸心方向より外気を導
き入れることになり、通気抵抗が少なくて済み、外気と
吸込具本体１９内の内気との気圧差が小さくても、外気
導入孔５９からフィルタ５７を通して冷却風を導入する
ことができ、掃除機本体２３の集塵袋が満杯になって吸
込力が低下しても、回転ブラシ２０に内蔵された電動機
３２を冷却することができる。

【００４３】ここで、フィルタ収容空間部５９と連通し
た外気導入孔５９の面積を中空軸５３の孔面積以上とし
ているので、長期間の掃除作業中に外気導入孔５９およ
びフィルタ５７に塵埃が蓄積されても、中空軸４３の孔
面積より大なる通気面積を確保することができ、回転ブ
ラシ２０を回転させたとき、電動機３２を充分冷却する
ことができる。

【００４４】また、フィルタ収容空間部５９は、軸支部
６２で軸支した中空軸４３の上端より高くなるよう構成
しているので、外気導入孔５９を被掃除面より高い位置
に設定することができ、掃除中の塵埃が外気導入孔５９
より侵入するのを防止することができ、電動機３２内に
微塵埃が入ることがなく、微塵埃による故障をなくする
ことができる。

【００４５】また、吸込具本体１９は、下面に吸込口２
８を開口させた下ケース５３と、この下ケース５３の上
部を覆う上ケース５４とで構成し、下ケース５３と上ケ
ース５４の合わせ面で軸支部６２を構成しているので、
中空軸４３、電動機３２などの回転ブラシ２０を構成す
る構成部品をユニット化して組み立て、中空軸４３を下
ケース５３の軸支部に組み付け、上ケース５４により上
部を覆うことにより、吸込具本体内１９に回転ブラシ２
０を組み込むと同時に、吸込具本体１９を組み立てるこ
とができ、組立性を向上することができる。また、回転
ブラシ２０を回転させたときに発生する回転振動は軸支
部６２より下ケース５３と上ケース５４とへ分散され、
振動音を低減することができる。

【００４６】また、回転ブラシ２０の中空軸４３と反対
側の軸６４を軸支する軸支部６５にフィルタ５７を収容
するフィルタ収容空間部６８を形成し、このフィルタ収
容空間部６８には吸込口２８に連通する孔６９を設けて
いるので、この孔６９より軸支部６５の下面の被掃除面
へ外気を噴射させることができ、この噴射させた外気に
より塵埃を吸込口２８の略中央へ吹き飛ばし、集塵性能
を向上することができる。また、軸支部６２の下面に常
に吸込気流が発生していることになり、軸支部６２への
塵埃の侵入、または毛髪などの巻き付きを防止すること
ができる。

【００４７】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、下面に吸込口を開口させた吸込具本体
と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自
在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは電動
機を内蔵して中空軸により軸支するよう構成し、前記中
空軸を軸支する軸支部を吸込具本体の内側面部に形成
し、この軸支部にフィルタを収容するフィルタ収容空間
部を形成し、このフィルタ収容空間部を外気導入孔と連
通させたから、フィルタ収容空間部に防塵用のフィルタ
を収容することにより、塵埃を含む外気が冷却風として
外気導入孔から導入されても、フィルタにより塵埃を除
去することができ、電動機内に微塵埃が入ることがな
く、微塵埃による故障をなくし高品質で、長寿命とする
ことができる。

【００４８】また、請求項２に記載の発明によれば、フ
ィルタ収容空間部と連通した外気導入孔の面積を中空軸
の孔面積以上としたから、長期間の掃除作業中に外気導
入孔および防塵用のフィルタに塵埃が蓄積されても、中
空軸の孔面積より大なる通気面積を確保することがで
き、電動機を充分冷却することができ、高品質で、長寿
命とすることができる。

【００４９】また、請求項３に記載の発明によれば、吸
込具本体は、下面に吸込口を開口させた下ケースと、こ
の下ケースの上部を覆う上ケースとで構成し、前記下ケ
ースと上ケースの合わせ面で軸支部を構成したから、組
立性を向上することができる。

【００５０】また、請求項４に記載の発明によれば、フ
ィルタ収容空間部は、軸支部で軸支した中空軸の上端よ
り高くなるよう構成したから、外気導入孔を被掃除面よ
り高い位置に設定することができ、掃除中の塵埃が外気
導入孔より侵入するのを防止することができ、電動機内
に微塵埃が入ることがなく、微塵埃による故障をなくし
高品質で、長寿命とすることができる。

【００５１】また、請求項５に記載の発明によれば、吸
込具本体は、回転ブラシの中空軸と反対側の軸を軸支す
る軸支部を有し、この軸支部にもフィルタを収容するフ
ィルタ収容空間部を形成し、このフィルタ収容空間部に
は吸込口に連通する孔を設けたから、吸込口に連通する
孔より、軸支部の下面の被掃除面へ外気を噴射させるこ
とができ、集塵性能を向上することができる。

【００５２】また、請求項６に記載の発明によれば、内
部に塵埃を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃
除機本体に、請求項１〜５のいずれか１項に記載の電気
掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備
えたから、回転ブラシを回転させて掃除機本体を運転し
たとき、塵埃を含む外気が冷却風として外気導入孔から
導入されても、フィルタ収容空間部に収容した防塵用の
フィルタにより塵埃を除去することができ、電動機内に
微塵埃が入るのを防止して微塵埃による故障をなくする
ことができ、高品質で、長寿命の電気掃除機を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の電気掃除機用吸込具の断面
図

【図２】同電気掃除機用吸込具の要部分解斜視図

【図３】同電気掃除機用吸込具のＡ−Ａ線断面図

【図４】同電気掃除機用吸込具の吸込具本体を構成する
下ケースの一部切欠した拡大斜視図

【図５】同電気掃除機用吸込具を備えた電気掃除機の斜
視図

【図６】従来の電気掃除機用吸込具の断面図

【符号の説明】

１９ 吸込具本体 ２０ 回転ブラシ ２８ 吸込口 ３２ 電動機 ４３ 中空軸 ５７ フィルタ ６２ 軸支部 ５８ フィルタ収容空間部 ５９ 外気導入孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 克孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3B061 AA41 AD05

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下面に吸込口を開口させた吸込具本体
   と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自
   在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは電動
   機を内蔵して中空軸により軸支するよう構成し、前記中
   空軸を軸支する軸支部を吸込具本体の内側面部に形成
   し、この軸支部にフィルタを収容するフィルタ収容空間
   部を形成し、このフィルタ収容空間部を外気導入孔と連
   通させた電気掃除機用吸込具。
2. 【請求項２】 フィルタ収容空間部と連通した外気導入
   孔の面積を中空軸の孔面積以上とした請求項１記載の電
   気掃除機用吸込具。
3. 【請求項３】 吸込具本体は、下面に吸込口を開口させ
   た下ケースと、この下ケースの上部を覆う上ケースとで
   構成し、前記下ケースと上ケースの合わせ面で軸支部を
   構成した請求項１記載の電気掃除機用吸込具。
4. 【請求項４】 フィルタ収容空間部は、軸支部で軸支し
   た中空軸の上端より高くなるよう構成した請求項１〜３
   のいずれか１項に記載の電気掃除機用吸込具。
5. 【請求項５】 吸込具本体は、回転ブラシの中空軸と反
   対側の軸を軸支する軸支部を有し、この軸支部にもフィ
   ルタを収容するフィルタ収容空間部を形成し、このフィ
   ルタ収容空間部には吸込口に連通する孔を設けた請求項
   １または３記載の電気掃除機用吸込具。
6. 【請求項６】 内部に塵埃を集塵する集塵室と電動送風
   機を備えた電気掃除機本体に、請求項１〜５のいずれか
   １項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続
   される接続口を備えた電気掃除機。