JP2000251812A - 電子レンズ - Google Patents

電子レンズ

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JP2000251812A
JP2000251812A JP11049603A JP4960399A JP2000251812A JP 2000251812 A JP2000251812 A JP 2000251812A JP 11049603 A JP11049603 A JP 11049603A JP 4960399 A JP4960399 A JP 4960399A JP 2000251812 A JP2000251812 A JP 2000251812A
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JP
Japan
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lens
supported
electron
cylindrical
optical axis
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JP11049603A
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Nobumasa Shibata
信正 柴田
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子レンズの光軸を調節する際、発生するカ
ジリを無くすること。 【解決手段】 多段に連結された複数のレンズR1〜R4
を有するとともに、下端部に電子が入射する電子入射口
R1aと、上端部に電子が出射する電子出射口18bと、
前記上端部の外側面に設けた上端部被支持面18aと、
上下方向の中間部の外側面に設けた中間部被支持面39
cとを有する円筒状レンズRと、前記上端部被支持面1
8aを回転可能且つ上下動可能に支持する上端部支持面
17bを有するレンズ上端支持部材17と、前記中間部
被支持面39cを回転可能且つ上下動不能に支持する中
間部支持面71a+73bを有し、前記光軸Lと垂直な水
平面内で移動可能な水平移動部材71+73と、前記水
平移動部材71+73の水平面内の位置を調節して保持
する位置調節部材保持装置43+61とから構成される
電子レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電子分光装置に
備えられた特定のエネルギを有する電子を選択する半球
面型アナライザにエネルギを調節した電子を入射させる
ための減速レンズ(電子レンズ)、および電子顕微鏡装
置、電子ビーム、イオンビームを用いた分析装置等の荷
電粒子線装置の電子レンズに関し、特に、光軸を調節す
るための機構を備えた電子レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】前記減速レンズとしては従来下記の技術
(J01)が知られている。 (J01)図9に示す技術 図9は従来の減速レンズを備えた光電子分光装置の概略
説明図である。図9において、光電子分光装置Kの超高
真空に保持された真空室K1内の下方には試料ステージ
01が配置されている。前記試料ステージ01の上面に
は試料Sが保持されており、試料ステージ01の斜め上
方には前記試料SにX線を照射するためのX線照射装置
02が配置されている。前記試料ステージ01の上方に
は、円筒状の減速レンズGが配置されており、前記減速
レンズGの上端には半球面型アナライザAが接続されて
いる。前記円筒状の減速レンズGは、略円筒状の外筒0
3と、前記外筒03の下端部に固定されたシールドカバ
ー04とを有している。前記外筒03およびシールドカ
バー04の内側には、上下方向に延びる光軸Lに沿って
多段に積み重ねられた複数のレンズ06が配置されてい
る。また、前記シールドカバー04の下端部には前記X
線の照射により前記試料Sから放出された電子が入射す
る電子入射口04aが形成されている。
【0003】前記減速レンズGの上端に接続されている
半球面型アナライザAは、180°半球形の外半球部材
07および内半球部材08を有している。前記外半球部
材07と前記内半球部材08との間には所定のエネルギ
を有する電子のみ選択して通過させる選択電子通過路0
9が形成されており、前記選択電子通過路09の前記減
速レンズG接続側には前記減速レンズGを通過した電子
が入射するアナライザ側電子入射口011が設けられて
おり、前記選択電子通過路09の前記減速レンズGが接
続されていない側には前記選択された電子が出射するア
ナライザ側電子出射口012が設けられている。前記ア
ナライザ側電子出射口012の下方には前記選択電子通
過路09を通過して選択された電子を検出するための検
出器013が配置されている。
【0004】前記X線照射装置02から出射されたX線
を前記試料ステージ01に保持された試料Sに照射す
る。前記X線の照射により前記試料Sから放出された速
度(運動エネルギ)の異なる複数の電子は前記減速レン
ズGの電子入射口04aに入射する。前記減速レンズG
内に入射した電子は、速度(運動エネルギ)が調整され
て、前記アナライザ側電子入射口011に入射する。前
記アナライザ側電子入射口011に入射した電子のうち
所定の運動エネルギを有する電子のみが前記アナライザ
側電子出射口012から出射して検出器013に検出さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】(前記(J01)の問題
点)前記来技術(J01)の減速レンズGは一般的に光軸
Lを調節する調節部材を設けて前記半球型アナライザA
の感度、分解能を最善の状態にすることが難しかった。
前記減速レンズGの光軸Lを調節する調節部材を設けて
前記半球型アナライザAの感度、分解能を最善の状態に
しようとしても超高真空下では前記調節部材のかじりの
発生により、経時的に動きの精度の低下や軸受けの寿命
が短いなどの問題点があり実用化にいたっていない。前
記問題点は減速レンズGの場合の問題点であるが、従来
の他の電子レンズにおいても精度の高い電子レンズの光
軸調節を行おうとすると前記減速レンズGの場合と同様
の問題があった。
【0006】本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載
内容を課題とする。 (O01)電子レンズの光軸を調節する際に移動する部材
間のカジリを無くすること。
【0007】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決し
た本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の
構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構
成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号であ
る。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対
応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするた
めであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではな
い。
【0008】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明の電子レンズは、下記の要件を備えた
ことを特徴とする、(A01)上下方向に延びる光軸
(L)に沿って多段に連結された複数のレンズ(R1〜
R4)を有するとともに、下端部に電子が入射する電子
入射口(R1a)と、上端部に電子が出射する電子出射口
(18b)と、前記上端部の外側面に設けた上端部被支
持面(18a,18a′)と、上下方向の中間部の外側面
に設けた中間部被支持面(39c)とを有する円筒状レ
ンズ(R)、(A02)前記上端部被支持面(18a,1
8a′)を回転可能且つ上下動可能に支持する上端部支
持面(17b,17b′)を有するレンズ上端支持部材
(17)、(A03)前記中間部被支持面(39c)を回
転可能且つ上下動不能に支持する中間部支持面(71a
+73b)を有し、前記光軸(L)と垂直な水平面内で
移動可能な水平移動部材(71+73)、(A04)前記
水平移動部材(71+73)の水平面内の位置を調節し
て保持する位置調節部材保持装置(43+61)。
【0009】(第1発明の作用)前記構成を備えた本出
願の第1発明の電子レンズでは、上下方向に延びる光軸
(L)に沿って多段に連結された複数のレンズ(R1〜
R4)を有する円筒状レンズ(R)は、前記上端部の外
側面に設けた上端部被支持面(18a,18a′)と、上
下方向の中間部の外側面に設けた中間部被支持面(39
c)とを有する。レンズ上端支持部材(17)の上端部
支持面(17b,17b′)は、前記上端部被支持面(1
8a,18a′)を回転可能且つ上下動可能に支持する。
前記光軸(L)と垂直な水平面内で移動可能な水平移動
部材(71+73)の中間部支持面(71a+73b)
は、前記中間部被支持面(39c)を回転可能且つ上下
動不能に支持する。位置調節部材保持装置(43+6
1)は、前記水平移動部材(71+73)の水平面内の
位置を調節して保持する。前記水平移動部材(71+7
3)の水平移動により前記円筒状レンズ(R)は、上端
部被支持面(18a,18a′)が上下動しながら回転し
て前記光軸(L)の向きが調節される。そして、円筒状
レンズ(R)の下端部の電子入射口(R1a)から入射し
た電子を円筒状レンズ(R)の上端部に有する電子出射
口(18b)から所定の方向に出射させることができ
る。また、上端部支持面(17b,17b′)は、前記上
端部被支持面(18a,18a′)を回転可能且つ上下動
可能に支持するので、前記光軸(L)の向きを調節する
際、円筒状レンズ(R)は滑らかに移動することができ
るので、カジリが発生しない。
【0010】(第2発明)前記課題を解決するために、
本出願の第2発明の電子レンズは、下記の要件を備えた
ことを特徴とする、(B01)上下方向に延びる光軸
(L)に沿って多段に連結された複数のレンズ(R1〜
R4)を有するとともに、下端部に電子が入射する電子
入射口(R1a)と、上端部に電子が出射する電子出射口
(18b)と、前記上端部の外側面に設けた上端部被支
持面(18a)と、上下方向の中間部の外側面に設けた
中間部被支持面(39c,92a)とを有する円筒状レン
ズ(R)、(B02)前記上端部被支持面(18a)を回
転可能且つ上下動不能に支持する上端部支持面(17
b″)を有するレンズ上端支持部材(17)、(B03)
前記中間部被支持面(39c,92a)を回転可能且つ上
下動可能に支持する中間部支持面(91a,93a)を有
し、前記光軸(L)と垂直な水平面内で移動可能な水平
移動部材(91)、(B04)前記水平移動部材(91,
93)の水平面内の位置を調節して保持する位置調節部
材保持装置(43+61)。
【0011】(第2発明の作用)前記構成を備えた本出
願の第2発明の電子レンズでは、上下方向に延びる光軸
(L)に沿って多段に連結された複数のレンズ(R1〜
R4)を有する円筒状レンズ(R)は、前記上端部の外
側面に設けた上端部被支持面(18a)と、上下方向の
中間部の外側面に設けた中間部被支持面(39c,92
a)とを有する。レンズ上端支持部材(17)の上端部
支持面(17b″)は、前記上端部被支持面(18a)を
回転可能且つ上下動不能に支持する。前記光軸(L)と
垂直な水平面内で移動可能な水平移動部材(91)の中
間部支持面(91a,93a)は、前記中間部被支持面
(39c,92a)を回転可能且つ上下動可能に支持す
る。位置調節部材保持装置(43+61)は、前記水平
移動部材(91,93)の水平面内の位置を調節して保
持する。前記水平移動部材(91,93)の水平移動に
より前記円筒状レンズ(R)は、中間部被支持面(39
c,92a)が上下動しながら回転して前記光軸(L)の
向きが調節される。そして、円筒状レンズ(R)の下端
部の電子入射口(R1a)から入射した電子を円筒状レン
ズ(R)の上端部に有する電子出射口(18b)から所
定の方向に出射させることができる。また、中間部支持
面(91a,93a)は、前記中間部被支持面(39c,
92a)を回転可能且つ上下動可能に支持するので、前
記光軸(L)の向きを調節する際、円筒状レンズ(R)
は滑らかに移動することができるので、カジリが発生す
ることがない。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1発明の実施の形態1)第1
発明の実施の形態1の電子レンズは、前記第1発明にお
いて下記の要件を備えたことを特徴とする、(A05)球
面により形成された前記中間部被支持面(39c)およ
び球面により形成された前記中間部支持面(71a+7
3b)。
【0013】(第1発明の実施の形態1の作用)前記構
成を備えた第1発明の実施の形態1の電子レンズでは、
球面により形成された前記中間部支持面(71a+73
b)は、球面により形成された前記中間部被支持面(3
9c)を回転可能且つ上下動不能に支持することができ
る。
【0014】(第1発明の実施の形態2)第1発明の実
施の形態2の電子レンズは、前記第1発明または第1発
明の実施の形態1において下記の要件を備えたことを特
徴とする、(A06)球面により形成された前記上端部被
支持面(18a)および円筒面により形成された前記上
端部支持面(17b)。
【0015】(第1発明の実施の形態2の作用)前記構
成を備えた第1発明の実施の形態2の電子レンズでは、
円筒面により形成された前記上端部支持面(17b)
は、球面により形成された前記上端部被支持面(18
a)を回転可能且つ上下動可能に支持することができ
る。
【0016】(第1発明の実施の形態3)第1発明の実
施の形態3の電子レンズは、前記第1発明または第1発
明の実施の形態1もしくは2において下記の要件を備え
たことを特徴とする、(A07)円筒面により形成された
前記上端部被支持面(18a′)および前記上端部被支
持面(18a′)に円周方向に沿って線接触して前記上
端部被支持面(18a′)を回転可能且つ上下動可能に
支持する曲面より形成された前記上端部支持面(17
b′)。
【0017】(第1発明の実施の形態3の作用)前記構
成を備えた第1発明の実施の形態3の電子レンズでは、
前記上端部被支持面(18a′)に円周方向に沿って線
接触する曲面より形成された前記上端部支持面(17
b′)は、円筒面により形成された前記上端部被支持面
(18a′)を回転可能且つ上下動可能に支持すること
ができる。
【0018】(第1発明の実施の形態4)第1発明の実
施の形態1の電子レンズは、前記第1発明または第1発
明の実施の形態1〜3のいずれかにおいて下記の要件を
備えたことを特徴とする、(A08)最下段に設けられた
第1レンズ(R1)とその上方に設けられた第2レンズ
(R2)とを有する前記円筒状レンズ(R)であって、
前記第2レンズ(R2)の外側を囲んで配置された磁気
シールドカバー(24)と一体的に構成された前記第1
レンズ(R1)を有する前記円筒状レンズ(R)。 (第1発明の実施の形態4の作用)前述の構成を備えた
第4発明の実施の形態1の電子レンズでは、前記円筒状
レンズ(R)は最下段に設けられた第1レンズ(R1)
とその上方に配置された第2レンズ(R2)とを有し、
前記第1レンズ(R1)は、前記第2レンズ(R2)の外
側を囲んで配置された磁気シールドカバー(24)と一
体的に構成される。このため、前記第1レンズ(R1)
に入射した電子が外部の磁気により曲げられるのを防ぐ
ことができるとともに、前記円筒状レンズ(R)の最下
段の構成が簡単になる。
【0019】(第1発明の実施の形態5)第1発明の実
施の形態5の電子レンズは、前記第1発明または前記第
1発明の実施の形態1〜4のいずれかにおいて下記の要
件を備えたことを特徴とする、(A09)前記第1レンズ
(R1)に固定された非磁性材料製の半球状のメッシュ
レンズ(R0)。 (第1発明の実施の形態5の作用)前述の構成を備えた
第1発明の実施の形態5の電子レンズでは、非磁性材料
製の半球状のメッシュレンズ(R0)は、前記第1レン
ズ(R1)に固定され、電子ビームを収束させる。
【0020】(第1発明の実施の形態6)第1発明の実
施の形態6の電子レンズは、前記第1発明の実施の形態
2もしくは5のいずれかにおいて下記の要件備えたこと
を特徴とする、(A010)前記球面状の中間部支持面
(71a+73b)の上側半分または下側半分のうちの一
方の支持面を形成する球面軸受け本体部材(71)と、
他方の支持面を形成するとともに前記球面軸受け本体部
材(71)に対して位置調節可能に結合され且つ、前記
位置調節により前記球面状の中間部支持面(71a+7
3b)と前記球面状の中間部被支持面(39c)との隙間
を調節可能な隙間調節用球面軸受け部材(73)とを有
する前記水平移動部材(71+73)。
【0021】(第1発明の実施の形態6の作用)前述の
構成を備えた第1発明の実施の形態2の電子レンズで
は、水平移動部材(71+73)の球面軸受け本体部材
(71)は、前記球面状の中間部支持面(71a+73
b)の上側半分または下側半分のうちの一方の支持面を
形成する。他方の支持面を形成する前記隙間調節用球面
軸受け部材(73)を前記球面軸受け本体部材(71)
に対して位置調節することにより、前記球面状の中間部
支持面(71a+73b)と前記球面状の中間部被支持面
(39c)との隙間を調節することができる。したがっ
て、球面状の中間部支持面(71a+73b)と中間部被
支持面(39c)との隙間を小さくすることができる。
前記隙間が小さい場合、前記水平移動部材(71+7
3)を前記水平面内に移動させるたとき前記円筒状レン
ズ(R)の光軸(L)の傾きを精度良く調節することが
できる。
【0022】(第2発明の実施の形態1)第2発明の実
施の形態1の電子レンズは、前記第2発明において下記
の要件を備えたことを特徴とする、(B05)球面により
形成された前記上端部被支持面(18a)および球面に
より形成された前記上端部支持面(17b″)。
【0023】(第2発明の実施の形態1の作用)前記構
成を備えた第2発明の実施の形態1の電子レンズでは、
球面により形成された前記上端部支持面(17b″)
は、球面により形成された前記上端部被支持面(18
a)を回転可能且つ上下動不能に支持することができ
る。
【0024】(第2発明の実施の形態2)第2発明の実
施の形態2の電子レンズは、前記第2発明または第2発
明の実施の形態1において下記の要件を備えたことを特
徴とする、(B06)球面により形成された前記中間部被
支持面(39c)および円筒面により形成された前記中
間部支持面(91a)。
【0025】(第2発明の実施の形態2の作用)前記構
成を備えた第2発明の実施の形態2の電子レンズでは、
円筒面により形成された前記中間部支持面(91a)
は、球面により形成された前記中間部被支持面(39
c)を回転可能且つ上下動可能に支持することができ
る。
【0026】(第2発明の実施の形態3)第2発明の実
施の形態3の電子レンズは、前記第2発明または第2発
明の実施の形態1もしくは2において下記の要件を備え
たことを特徴とする、(B07)円筒面により形成された
前記中間部被支持面(92a)および前記中間部被支持
面(92a)に円周方向に沿って線接触して前記中間部
被支持面(92a)を回転可能且つ上下動可能に支持す
る曲面より形成された前記中間部支持面(93a)。
【0027】(第2発明の実施の形態3の作用)前記構
成を備えた第2発明の実施の形態3の電子レンズでは、
前記中間部被支持面(92a)に円周方向に沿って線接
触する曲面より形成された前記中間部支持面(93a)
は、円筒面により形成された前記中間部被支持面(92
a)を回転可能且つ上下動可能に支持することができ
る。
【0028】なお、第2発明においても、前記第1発明
の実施の形態4〜5とほぼ同様の実施の形態が可能であ
る。
【0029】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施の形
態の例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。なお、以後の説明の理解を
容易にするために、図面において、前後方向をX軸方
向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢
印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す
側をそれぞれ、前方、後方、左方、右方、上方、下方、
または、前側、後側、左側、右側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙
面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に
「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印
を意味するものとする。
【0030】(実施例1)図1は本発明の実施例1の電
子レンズ(減速レンズ)が備えられた光電子分光装置の
全体説明図である。図2は実施例1の電子レンズ(減速
レンズ)の拡大説明図である。図3は実施例1の水平移
動部材および位置調節部材保持装置の拡大図である。図
4は前記図2のIV−IV線断面図である。図5は実施例
1の電子レンズ(減速レンズ)の下段部分の拡大図であ
る。
【0031】図1において、光電子分光装置Kの超高真
空に保持された真空室K1内の下方には試料ステージ1
が配置されている。前記試料ステージ1の上面には試料
Sが保持されており、試料ステージ1の斜め上方には前
記試料SにX線を照射するためのX線照射装置2が配置
されている。前記試料ステージ1の上方(Z方向)に
は、円筒状の減速レンズGが配置されており、前記減速
レンズGの上端には半球面型アナライザAが接続されて
いる。
【0032】図1、図2において、円筒状の減速レンズ
Gは、前記半球面型アナライザAの外壁に固定された外
筒3を有している。図2において、前記外筒3は、上方
(Z方向)に配置された前記半球面型アナライザAの外
壁に固定された外筒上部4を有している。前記外筒上部
4の下方(−Z方向)には、円筒状の外筒中間部6が配
置されており、前記外筒中間部6の下方には円筒状の外
筒下部7が配置されている。図1、図2において、前記
外筒上部4の下端部で外周面にはリング状の外筒上部連
結部材8が嵌合しており、前記外筒中間部6の上端部で
外周面にはリング状の外筒中間部被連結部材9が嵌合し
ている。前記外筒上部連結部材8と前記外筒中間部被連
結部材9とは植込みボルト11によって連結されてい
る。前記外筒中間部6の下端部および外筒下部7の上端
部にもリング状の外筒中間部連結部材12および外筒下
部被連結部材13がそれぞ嵌合しており、前記外筒中間
部連結部材12および外筒下部被連結部材13は複数の
ネジ14(図2、図5参照)によって連結されている。
また、図2、図4において、前記外筒中間部6の中間部
分には水平移動装置嵌合孔6aおよび前記水平移動装置
嵌合孔6aの反対側の位置に移動部材当接部材嵌合孔6b
が各3個つづ形成されている。
【0033】図2において、前記外筒3の上端部で内側
には支持部材嵌合孔16aが形成された上壁16が固定
されている。前記支持部材嵌合孔16aにはレンズ上端
支持部材17が嵌合して固定されている。前記レンズ上
端支持部材17の中央には、上端支持孔17aが形成さ
れており、前記上端支持孔17aの内周には円筒状の上
端部支持面17bが設けられている。前記上端支持孔1
7aには、円筒状レンズRの上端部が嵌合して回転可能
且つ上下動可能に支持されている。図2、図5におい
て、円筒状レンズRは、上下方向に延びる光軸Lに沿っ
て、前記外筒下部7の下方に延びており、前記円筒状レ
ンズRの下端部に設けられた第1レンズR1と、前記第
1レンズR1の上側に配置された第2レンズR2および前
記第2レンズR2上段の第3レンズR3と、前記第3レン
ズR3上段の第4レンズR4、第5レンズR5、第6レン
ズR6および第7レンズR7とによって構成されている。
【0034】図2において、前記最上段の第7レンズR
7の上端部には上端被支持部18が形成されており、前
記上端被支持部18の外周面には球面状の上端部被支持
面18aが設けられている。前記上端被支持部18は前
記レンズ上端支持部材17の上端支持孔17aに嵌合し
て回転可能且つ上下動可能に支持されている。前記上端
被支持部18の内周には前記円筒状レンズR内を通過し
て所定のエネルギに調節された電子が出射する電子出射
口18bが形成されている。前記第7レンズR7の下端部
分と下方の前記第6レンズR6の上端部分とは、絶縁部
材19を介して連結されており、前記第6、第5、第
4、第3の各レンズR6,R5,R4,R3もそれぞれ絶縁
部材20,21,22を介して連結されている。
【0035】図2、図5において、前記絶縁部材20,
22に支持された磁気シールドカバー23下端には下端
磁気シールドカバー24が連結されている。前記下端磁
気シールドカバー24は、下方(−Z方向)に行くに従
い外径が小さくなる形状をしており、その下端は第2レ
ンズR2よりも下方に延びている。前記下端磁気シール
ドカバー24の下端部であって前記第2レンズR2より
下方に配置された部分により前記第1レンズR1が構成
されている。すなわち、第1レンズR1および下端磁気
シールドカバー24は一体形成されている。前記第1レ
ンズR1下端の電子入射口R1aには、非磁性材であるT
MCV材(商品名)製のメッシュレンズR0が一体的に
連結されている。
【0036】前記下端磁気シールドカバー24の外側壁
には、給電用端子固定孔26,26が形成されており、
側壁の内周側で下端部には絶縁部材支持段部27および
その上方の部分に絶縁部材当接面28が形成されてい
る。前記絶縁部材当接面28に当接する絶縁部材29に
より前記下端磁気シールドカバー24、第2、第3の各
レンズR2,R3がそれぞれ接触しないようになってい
る。また、前記絶縁部材支持段部27に支持されている
絶縁部材31により、前記下端磁気シールドカバー24
の内側の第2レンズR2の外周面が前記下端磁気シール
ドカバー24の内周面に接触しないよう支持されてい
る。図5において、前記下端磁気シールドカバー24の
給電用端子固定孔26には、それぞれ絶縁部材で構成さ
れた給電用端子絶縁部材33を介して給電用端子34が
固定されており、前記給電用端子34,34には給電用
ケーブル36,36が接続されている。
【0037】図2、図3において、前記円筒状レンズR
の中間部分を構成する前記第4レンズR4は、上側レン
ズ部37および下側レンズ部38を有しており、前記上
側レンズ部37の下端部の嵌合部37aには、下側レン
ズ部38の上端部に形成された被嵌合部38aが嵌合し
ている。図2、図3において、前記上側レンズ部37の
嵌合部37aは、前記上側レンズ部37の上部側の外径
より小さな径に形成されており、前記嵌合部37aの中
心部には電子通過孔37a1(図2参照)が形成されてい
る。前記嵌合部37aの上端側には中間被支持部材固定
面37b(図3参照)が設けられている。また、図3に
示すように前記下側レンズ部38の被嵌合部38aの外
径も下側レンズ部38の下部側の径より小さく形成され
ている。前記被嵌合部38aの外周には中間被支持部材
嵌合面38bが設けられており、前記中間被支持部材嵌
合面38bの下端部側にはネジ螺合段部38cが形成され
ている。図2、図3において、前記中間被支持部材固定
面37bおよびネジ螺合段部38cにはリング状の中間被
支持部材39が固定されている。前記中間被支持部材3
9は、前記上側レンズ部37の中間被支持部材固定面3
7bに貫通して螺合するネジ41と前記下側レンズ部3
8のネジ螺合段部38cに螺合するネジ42とにより固
定されている。
【0038】図3において、前記リング状の中間被支持
部材39の上端部には前記ねじ41が貫通して螺合する
ネジ貫通部39aが形成されており、前記ネジ貫通部3
9aの下方で内周には前記ネジ42が上下方向に貫通し
て螺合する被固定部39bが形成されている。前記ネジ
貫通部39aの下方で外周には球面状の中間部被支持面
39cが形成されている。
【0039】図2、図3、図4において、前記リング状
の中間被支持部材39の外周側で前記外筒中間部6の各
水平移動装置嵌合孔6aには水平移動装置43の被嵌合
円筒部材44がそれぞれ嵌合する。図3において、前記
水平移動装置43の被嵌合円筒部材44の外端部にはフ
ランジ44aが形成されており、前記フランジ44aの外
端面にはリング状のガイド部材固定部材46が固定され
ている。前記ガイド部材固定部材46の中心部には移動
軸貫通孔46aが形成されている。前記移動軸貫通孔4
6aの内側には、略円筒状の外端側ベローズ固定部材4
7が嵌合しており、前記外端側ベローズ固定部材47の
外端部で内側にはガイド部材48の内側円筒部48aが
嵌合している。
【0040】前記ガイド部材48の内側円筒部48aの
外端部にはフランジ部48bが一体的に形成されてお
り、前記フランジ部48bの外端部には前記内側円筒部
48aの内径より内径の大きな外側円筒部48cが形成さ
れている。前記外側円筒部48cの内周側で前記前記フ
ランジ部48bの外端面にはばね当接面48dが設けられ
ている。前記外側円筒部48cの外周面には雄ネジが形
成されている。前記外側円筒部48cの外周面の雄ネジ
にはツマミ49の内周面に形成された雌ネジが螺合す
る。図3において、前記ツマミ49の円周の部分には空
気抜き孔49aが形成されており、前記ツマミ49の内
側で外端側の部分にはボール被当接部材51が埋め込ま
れている。
【0041】図3において、前記ツマミ49、ガイド部
材48、外端側ベローズ固定部材47および被嵌合円筒
部材44の内側には移動軸52が内外方向(左右方向)
に移動可能に支持されている。前記ツマミ49の内側に
配置されている前記移動軸52の外端部(右端部)に
は、大径部52aが形成されており、前記大径部52aの
内端には、先端部側が前記被嵌合円筒部材44の内側に
延びて前記大径部52aより外径の小さな軸部52bが形
成されている。前記大径部52aはガイド部材48の外
側円筒部48cの内周で上側および下側の部分に形成さ
れた溝により内外方向(左右方向)にガイドされてい
る。前記大径部52aの内端面側と前記ガイド部材48
のばね当接面48dとの間には圧縮バネ53が配置され
ており、前記圧縮バネ53は前記移動軸52を外方へ付
勢している。前記大径部52aの外端部にはボール54
が埋め込まれており、前記ボール54は前記ツマミ49
の内側で外端側の部分に埋め込まれた前記ボール被当接
部材51に当接している。
【0042】図3において、前記被嵌合円筒部材44の
内側に配置される前記移動軸52の軸部52bの先端側
の部分は軸側ベローズ固定部材56に貫通しており、前
記軸側ベローズ固定部材56はピン57によって前記軸
部52bに固定されている。前記軸側ベローズ固定部材
56の外端部および前記外端側ベローズ固定部材47の
内端部にはベローズ58の両端が接続されている。した
がって、図3において前記ツマミ49を軸回りに回転さ
せて前記ツマミ49の前記ボール被当接部材51が前記
移動軸56の外端に埋め込まれているボール54を内側
の方(左方、Y方向)へ押圧すると、前記移動軸56の
先端部が内側の方(左方、Y方向)に移動し、前記前記
ツマミ49を前記移動軸56の先端部が内側に移動する
方向と反対側に回転させると前記圧縮バネ53により前
記移動軸56の大径部52aが外側の方(右方、−Y方
向)へ押圧されて前記移動軸56の先端部が外側の方
(右方、−Y方向)へ移動するようになっている。
【0043】図2、図3、図4において、前記水平移動
装置43の嵌合している位置と反対側で前記外筒中間部
6の各移動部材当接部材嵌合孔6bには移動部材押圧装
置61の被嵌合円筒部材62がそれぞれ嵌合する。図
3、図4において、前記移動部材押圧装置61の被嵌合
円筒部材62の外端部にはフランジ部62aが形成され
ており、前記フランジ部62aの外端面には円板部材6
3が固定されていて、前記被嵌合円筒部材62内を密閉
している。前記円板部材63の内端側の部分で中心部に
は凹部63aが形成されており、凹部63aの中心には空
気抜き孔63bが形成されている。前記移動部材押圧装
置61の被嵌合円筒部材62の内側で前記円板部材63
の内端側には略円筒状のガイド部材64が配置されてお
り、前記ガイド部材64の外端部が前記円板部材63の
凹部63aに嵌合する。前記ガイド部材64の中間の部
分にはバネ被当接フランジ部64aが形成されており、
前記バネ被当接フランジ部64aの内端側で上側の部分
にはピンガイド溝64bが形成されている。前記ガイド
部材64には、その中心軸(図3においてY軸)に沿っ
て内端側が開口する当接部材ガイド孔64cが形成され
ている。
【0044】図3において、前記当接部材ガイド孔64
cには、当接部材66の外端部が内外(右左)方向にス
ライド可能に配置されている。前記当接部材66の先端
部(内端部)は前記球面軸受け本体部材71の当接部材
当接凹部71dに当接しており、前記当接部材66の中
間部分にはバネ被当接フランジ部66aが形成されてい
る。図3、図4において、前記ガイド部材64の当接部
材ガイド孔64cにスライド可能に支持されている前記
当接部材66の外端部には、ピン67が固定されてお
り、前記ピン67の上部は前記ガイド部材64のピンガ
イド溝64bを貫通している。図3において、前記当接
部材66のスライド移動により前記ピン67の上部が前
記ガイド部材64のピンガイド溝64bに沿って内外方
向にガイドされるようになっている。前記ガイド部材6
4のバネ被当接フランジ部64aと前記当接部材66の
バネ被当接フランジ部66aとの間には圧縮バネ68が
配置されており、前記当接部材66の先端部を前記外筒
中間部6の中心側(内側)へ付勢している。なお、前記
符号44〜58で示された要素から前記水平移動装置4
3が構成されており、前記符号62〜68で示された要
素から前記移動部材押圧装置61が構成されている。前
記水平移動装置43と前記移動部材押圧装置61とから
実施例1の位置調節部材保持装置(43+61)が構成
される。
【0045】図2、図3、図4において、前記水平移動
装置43の移動軸52および移動部材押圧装置61の当
接部材66の先端側で前記中間被支持部材39の球面状
の中間部被支持面39c外周には、リング状の球面軸受
け本体部材71が配置されている。図3において、前記
リング状の球面軸受け本体部材71の内周には前記中間
被支持部材39の球面状の中間部被支持面39cを前後
方向の軸(X軸)回りに回転可能に支持する球面状の軸
受け側中間部支持面71a(図3参照)が設けられてお
り、前記球面状の軸受け側中間部支持面71aの上端部
には隙間調節部材嵌合段部71b(図3参照)が形成さ
れている。
【0046】図3、図4において、前記リング状の球面
軸受け本体部材71の外周には移動軸被当接部材嵌合部
71cが合計3個形成されており、前記各移動軸被当接
部材嵌合部71cの直径方向反対側の外周の部分には当
接部材当接凹部71dが形成されている。前記各移動軸
被当接部材嵌合部71cには移動軸被当接部材72が嵌
合し、前記移動軸被当接部材72の外側面には前記磁気
シールドカバー23の孔を貫通した前記水平移動装置4
3の移動軸52の先端部が当接する。また、前記当接部
材当接凹部71dには、前記磁気シールドカバー23の
孔を貫通した前記移動部材押圧装置61の当接部材66
の先端部が当接する。
【0047】図3において、前記隙間調節部材嵌合段部
71bには隙間調節用球面軸受け部材73の円筒部73a
が嵌合しており、前記円筒部73aの内周には調節部材
側中間部支持面73bが設けられており、前記調節部材
側中間部支持面73bは前記中間被支持部材39の球面
状の中間部被支持面39cに当接する。図3において、
前記隙間調節用球面軸受け部材73の円筒部73aの上
端部にはフランジ部73cが一体的に形成されている。
前記フランジ部73cには合計4個の固定ネジ74(図
3、図4参照)が上下方向に貫通しており、前記固定ネ
ジ74の先端部は前記球面軸受け本体部材71の上側の
部分に螺合する。フランジ部73cの前記各固定ネジ7
4が螺合している位置の間には合計4個の調節ネジ76
(図3、図4参照)が上下方向に貫通して螺合してお
り、前記各調節ネジ76の先端は前記球面軸受け本体部
材71の上端面に当接する。前記各ネジ74,76を上
下することにより前記隙間調節用球面軸受け部材73の
円筒部73aを上下させて、前記球面軸受け本体部材7
1の球面状の軸受け側中間部支持面71aと前記中間被
支持部材39の球面状の中間部被支持面39cとの間の
隙間を小さくするようになっている。
【0048】したがって、図3において、前記水平移動
装置43の移動軸52の先端部が左方へ移動すると、前
記移動軸被当接部材72を介して前記球面軸受け本体部
材71の右側の部分が外筒中間6の中心方向(左方、Y
方向)に移動する。前記移動軸52の先端部が右方へ移
動すると、前記球面軸受け本体部材71の右側の部分を
外方へ移動させるようになっている。図4に示すように
前記球面軸受け本体部材71は円周方向に等間隔離れて
3個の水平移動装置43の移動軸52の先端部が3方向
から当接されるので、前記各移動軸52をそれぞれ内外
方向へ移動させて、前記球面軸受け本体部材71を前記
光軸Lと垂直な水平面内に移動するようになっている。
【0049】また、前記球面軸受け本体部材71は、図
4に示すように前記水平移動装置43の移動軸52の先
端部および前記移動部材押圧装置61の反対側の位置に
固定されている前記水平装置51の移動軸52の先端部
とにより押圧されて、所定の位置に保持されるようにな
っている。図2において、前記球面軸受け本体部材71
の前記水平面内の移動により前記球面軸受け本体部材7
1の内側の中間被支持部材39が回転して、前記中間被
支持部材39を固定している円筒状レンズRの下端部が
前記円筒状レンズRの上端部を支点にして左右方向(Y
軸方向)に移動するようになっている。なお、前記球面
軸受け本体部材71と隙間調節用球面軸受け部材73と
から水平移動部材(71+73)が構成され、前記球面
軸受け本体部材71の軸受け側中間部支持面71aと隙
間調節用球面軸受け部材73の調節部材側中間部支持面
73bとから水平移動部材(71+73)の中間部支持
面(71a+73b)が構成される。
【0050】図1において、前記減速レンズGの上端に
接続されている半球面型アナライザAは、180°半球
形の外半球部材81および内半球部材82を有してい
る。前記外半球部材81と前記内半球部材82との間に
は所定のエネルギを有する電子のみ選択して通過させる
選択電子通過路83が形成されており、前記選択電子通
過路83の前記減速レンズG接続側には前記減速レンズ
Gを通過した電子が入射するアナライザ側電子入射口8
4が設けられており、前記選択電子通過路83の前記減
速レンズG接続されていない側には前記選択された電子
が出射するアナライザ側電子出射口86が設けられてい
る。前記アナライザ側電子出射口86の下方には前記選
択電子通過路83を通過して選択された電子を検出する
ための検出器87が配置されている。
【0051】(実施例1の作用)図2、図3において、
各水平移動装置43のツマミ49を回転させて、前記移
動軸52を内外方向に移動させる。前記移動軸52の先
端部が球面軸受け本体部材71の外側面を押圧して、前
記球面軸受け本体部材71が前記光軸Lと垂直な水平面
内で移動する。前記球面軸受け本体部材71の球面状の
軸受け側中間部支持面71aに支持された中間被支持部
材39の球面状の中間部被支持面39cが回転する。こ
のとき、球面軸受け本体部材71の隙間調節部材嵌合段
部71bに嵌合している隙間調節用球面軸受け部材73
により、前記球面軸受け本体部材71の軸受け側中間部
支持面71aと前記中間被支持部材39の中間部被支持
面39cとの間の隙間が小さくなっているので、前記球
面軸受け本体部材71のわずかな動きでも前記中間被支
持部材39が回転する。このため、前記中間被支持部材
39を精度良く回転させることができる。
【0052】前記円筒状レンズRに固定されている中間
被支持部材39の中間部被支持面39cの回転により、
前記レンズ上端支持部材17の円筒状の上端部支持面1
7bに支持された円筒状レンズRの上端部被支持面18a
が回転且つ上下動し、前記円筒状レンズRの下部が前記
水平面内に移動する。前記移動部材押圧装置61の当接
部材66の先端部は球面軸受け本体部材71の当接部材
当接凹部71dに当接して前記水平移動装置43の移動
軸52とともに前記球面軸受け本体部材71を所定の位
置に保持する。したがって、円筒状レンズRの下端部に
有する電子入射口R1aおよび円筒状レンズRの上端部に
有する電子出射口18aの各中心に光軸Lが通過するよ
うに調節することができる。
【0053】前記円筒状レンズRに固定されている中間
被支持部材39の球面状の中間部被支持面39cは前記
球面軸受け本体部材71の軸受け側中間部支持面71a
である球面状の面に支持され、且つ前記円筒状レンズR
の球面状の上端部被支持面18aはレンズ上端支持部材
17の上端部支持面17bである円筒状の面に支持され
ているので、前記円筒状レンズRは滑らかに移動し、カ
ジリが発生しない。このため、長期間にわたり超高真空
下でも前記円筒状レンズRの動きの精度がよく精度の高
い前記光軸Lの調節が行うことが可能となる。また、円
筒状レンズR最下段の第1レンズR1は前記下端磁気シ
ールドカバー24と一体的に構成されており、前記メッ
シュレンズR0は、前記下端磁気シールドカバー24と
一体的に連結されているので、前記減速レンズGの下端
部の構成が簡単になる。
【0054】(実施例2)図6は本発明の実施例2の電
子レンズ(減速レンズ)が備えられた光電子分光装置の
要部拡大説明図である。なお、この実施例2の説明にお
いて、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には
同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この
実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違している
が、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
前記実施例1では、前記上端部被支持面18aが球面に
より形成され且つ前記上端部支持面17bが円筒面によ
り形成されていたのに対し、本実施例2では、円筒面に
より形成された前記上端部被支持面18a′および前記
上端部被支持面18a′に円周方向に沿って線接触して
前記上端部被支持面18a′を回転可能且つ上下動可能
に支持する曲面より形成された前記上端部支持面17
b′が設けられている。この実施例2の作用は前記実施
例1と同様である。
【0055】(実施例3)図7は本発明の実施例3の電
子レンズ(減速レンズ)が備えられた光電子分光装置の
要部拡大説明図である。なお、この実施例3の説明にお
いて、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には
同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この
実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違している
が、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
この実施例3では、前記円筒状レンズR上方の前記レン
ズ上端支持部材17の球面状の上端部支持面17b″が
円筒状レンズRの上端部被支持面18aに回転可能支持
している。また、この実施例3では、前記実施例1の球
面軸受け本体部材71の代わりに内周面に円筒状の中間
部支持面91aが設けられた円筒面軸受け本体部材91
(実施例3の水平移動部材)が前記中間被支持部材39
の球面状の中間部被支持面39cを回転可能且つ上下動
可能に支持している。前記円筒面軸受け本体部材91の
外周には移動軸被当接部材嵌合部91bが合計3個形成
されており、前記各移動軸被当接部材嵌合部91bの直
径方向反対側の外周の部分には当接部材当接凹部91c
が形成されている。前記各移動軸被当接部材嵌合部91
bには前記移動軸被当接部材72が嵌合し、前記移動軸
被当接部材72の外側面には前記水平移動装置43の移
動軸52の先端部が当接する。前記当接部材当接凹部9
1cには、前記移動部材押圧装置61の当接部材66の
先端部が当接する。また、この実施例3では前記実施例
1の隙間調節用球面軸受け部材73は省略されている。
【0056】この実施例3においても水平移動装置43
により前記円筒面軸受け本体部材91を水平面内に移動
させて前記中間被支持部材39の球面状の中間部被支持
面39cを回転且つ上下動させる。前記円筒状レンズR
に固定されている前記中間被支持部材39の中間部被支
持面39cの回転且つ上下動により、前記円筒状レンズ
R上方のレンズ上端支持部材17の球面状の上端部支持
面17b″に支持された円筒状レンズRの上端部被支持
面18aが回転する。円筒状レンズRの上端部被支持面
18aの回転により、前記円筒状レンズRの下部が前記
水平面内に移動し、円筒状レンズRの下端部に有する電
子入射口R1aおよび円筒状レンズRの上端部に有する電
子出射口18aの各中心に光軸Lが通過するように調節
することができる。
【0057】また、前記円筒状レンズRに固定されてい
る中間被支持部材39の球面状の中間部被支持面39c
は前記円筒面軸受け本体部材91の中間部支持面91a
である円筒状の面に支持され、且つ前記円筒状レンズR
の球面状の上端部被支持面18aはレンズ上端支持部材
17の上端部支持面17b″である球面状の面に支持さ
れているので、前記円筒状レンズRは滑らかに移動し、
カジリが発生しない。このため、長期間にわたり超高真
空下でも前記円筒状レンズRの動きの精度がよく精度の
高い前記光軸Lの調節が行うことが可能である。
【0058】(実施例4)図8は本発明の実施例4の電
子レンズ(減速レンズ)が備えられた光電子分光装置の
要部拡大説明図である。なお、この実施例4の説明にお
いて、前記実施例3の構成要素に対応する構成要素には
同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この
実施例4は、下記の点で前記実施例3と相違している
が、他の点では前記実施例3と同様に構成されている。
【0059】この実施例4では円筒状レンズRの中間部
分に固定されている中間被支持部材92の外周は円筒状
の中間部被支持面92aが設けてある。前記中間被支持
部材92の上端部には前記ねじ41が貫通して螺合する
ネジ貫通部92bが形成されており、前記ネジ貫通部9
2bの下方で内周には前記ネジ42が上下方向に貫通し
て螺合する被固定部92cが形成されている。前記中間
被支持部材92の円筒状の中間部被支持面92aの外周
には、曲面軸受け本体部材93(実施例4の水平移動部
材)が配置されており、前記曲面軸受け本体部材93の
内周には前記円筒状の中間部被支持面92aの円周方向
に沿って線接触して回転可能且つ上下動可能に支持する
曲面である中間部支持面93aが設けられている。前記
曲面軸受け本体部材93の外周には移動軸被当接部材嵌
合部93bが形成されており、前記移動軸被当接部材嵌
合部93bの直径方向反対側の外周の部分には当接部材
当接凹部93cが形成されている。前記移動軸被当接部
材嵌合部93bには移動軸被当接部材72が嵌合し、前
記移動軸被当接部材72の外側面には水平移動装置43
の移動軸52の先端部が当接する。また、前記当接部材
当接凹部93bには、移動部材押圧装置61の当接部材
66の先端部が当接する。
【0060】この実施例4においても水平移動装置43
により前記曲面軸受け本体部材93を水平面内に移動さ
せて前記中間被支持部材39の球面状の中間部被支持面
39cが回転且つ上下動させる。前記円筒状レンズRに
固定されている中間被支持部材92の中間部被支持面9
2aの回転且つ上下動により、前記円筒状レンズR上方
のレンズ上端支持部材17の球面状の上端部支持面17
b″に支持された円筒状レンズRの上端部被支持面18a
が回転する。円筒状レンズRの上端部被支持面18aの
回転により、前記円筒状レンズRの下端部が前記水平面
内に移動し、円筒状レンズRの下端部に有する電子入射
口R1aおよび円筒状レンズRの上端部に有する電子出射
口18aの各中心に光軸Lが通過するように調節するこ
とができる。
【0061】また、前記円筒状レンズRに固定されてい
る中間被支持部材92の円筒状の中間部被支持面92a
は前記曲面軸受け本体部材93の中間部支持面93aで
ある前記曲面に支持され、且つ前記円筒状レンズRの球
面状の上端部被支持面18aはレンズ上端支持部材17
の上端部支持面17b″である球面状の面に支持されて
いるので、前記円筒状レンズRは滑らかに移動し、カジ
リが発生しない。このため、長期間にわたり超高真空下
でも前記円筒状レンズRの動きの精度がよく精度の高い
前記光軸Lの調節が行うことが可能である。
【0062】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変
更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記
に例示する。 (H01)前記各実施例では本発明の電子レンズが減速レ
ンズの場合を例示したが、本発明の電子レンズは減速レ
ンズ以外の他の荷電粒子線装置の電子レンズにも採用可
能である。 (H02)前記中間被支持部材39,92の中間部被支持
面39c,92aは円筒状レンズRの外周面に形成するこ
とも可能である。
【0063】
【発明の効果】前述の本発明の電子レンズは、下記の効
果を奏することができる。 (E01)電子レンズの光軸を調節する際に移動する部材
間にカジリが無いので、長期間にわたり精度良く調節す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1の電子レンズ(減速
レンズ)が備えられた光電子分光装置の全体説明図であ
る。
【図2】 図2は実施例1の電子レンズ(減速レンズ)
の拡大説明図である。
【図3】 図3は実施例1の水平移動部材および位置調
節部材保持装置の拡大図である。
【図4】 図4は前記図2のIV−IV線断面図である。
【図5】 図5は実施例1の電子レンズ(減速レンズ)
の下段部分の拡大図である。
【図6】 図6は本発明の実施例2の電子レンズ(減速
レンズ)が備えられた光電子分光装置の要部拡大説明図
である。
【図7】 図7は本発明の実施例3の電子レンズ(減速
レンズ)が備えられた光電子分光装置の要部拡大説明図
である。
【図8】 図8は本発明の実施例4の電子レンズ(減速
レンズ)が備えられた光電子分光装置の要部拡大説明図
である。
【図9】 図9は従来の減速レンズを備えた光電子分光
装置の概略説明図である。
【符号の説明】
L…光軸、R…円筒状レンズ、R0…メッシュレンズ、
R1〜R4…複数のレンズ、R1…第1レンズ、R1a…電
子入射口、R2…第2レンズ、17…レンズ支持部材、
17b,17b′,17b″…上端部支持面、18a,18
a′…上端部被支持面、18b…電子出射口、39c…中
間部被支持面、43+61…位置調節部材保持装置、7
1+73;91;93…水平移動部材、71a+73b,
91a,92a,93a…中間部支持面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする電
    子レンズ、(A01)上下方向に延びる光軸に沿って多段
    に連結された複数のレンズを有するとともに、下端部に
    電子が入射する電子入射口と、上端部に電子が出射する
    電子出射口と、前記上端部の外側面に設けた上端部被支
    持面と、上下方向の中間部の外側面に設けた中間部被支
    持面とを有する円筒状レンズ、(A02)前記上端部被支
    持面を回転可能且つ上下動可能に支持する上端部支持面
    を有するレンズ上端支持部材、(A03)前記中間部被支
    持面を回転可能且つ上下動不能に支持する中間部支持面
    を有し、前記光軸と垂直な水平面内で移動可能な水平移
    動部材、(A04)前記水平移動部材の水平面内の位置を
    調節して保持する位置調節部材保持装置。
  2. 【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とする電
    子レンズ、(B01)上下方向に延びる光軸に沿って多段
    に連結された複数のレンズを有するとともに、下端部に
    電子が入射する電子入射口と、上端部に電子が出射する
    電子出射口と、前記上端部の外側面に設けた上端部被支
    持面と、上下方向の中間部の外側面に設けた中間部被支
    持面とを有する円筒状レンズ、(B02)前記上端部被支
    持面を回転可能且つ上下動不能に支持する上端部支持面
    を有するレンズ上端支持部材、(B03)前記中間部被支
    持面を回転可能且つ上下動可能に支持する中間部支持面
    を有し、前記光軸と垂直な水平面内で移動可能な水平移
    動部材、(B04)前記水平移動部材の水平面内の位置を
    調節して保持する位置調節部材保持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004533094A (ja) * 2001-05-15 2004-10-28 株式会社荏原製作所 Tdi検出装置、フィードスルー機器、これらを利用した電子線装置、並びに、該電子線装置を用いた半導体デバイス製造法

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US7285010B2 (en) 2001-05-15 2007-10-23 Ebara Corporation TDI detecting device, a feed-through equipment and electron beam apparatus using these devices
US7521692B2 (en) 2001-05-15 2009-04-21 Ebara Corporation TDI detecting device, a feed-through equipment, an electron beam apparatus using these device and equipment, and a semiconductor device manufacturing method using the same electron beam apparatus

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