JP2000251543A - 耐火ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents
耐火ケーブルおよびその製造方法Info
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Abstract
耐火性能を備えた耐火ケーブルおよびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 導体11上の耐火層が内層のマイカテー
プ12および最外層のマイカテープ13からなっている
とき、内層のマイカテープ12はヤーン16で押さえ巻
きしておき、最外層のマイカテープ13は縦添え後に絶
縁体14の押出し成形工程で同時押出しすることによ
り、その絶縁体14によって最外層のマイカテープ13
が押さえ込まれてヤーンの代用となる。すなわち、最外
層のマイカテープ13に対しては押さえ巻き用のヤーン
を削減する。係る構成の耐火ケーブル10は、耐火性能
においても優れた特性のものが得られる。
Description
要の耐火性能を維持できる耐火ケーブルおよびその製造
方法に関する。
(雲母)テープで被覆して耐火層を形成したものが周知
である。マイカテープの被覆形態には、導体の外周にス
パイラルに横巻きする場合と、導体外周の長手方向に沿
って縦添えする場合がある。縦添え型は横巻き型と比較
してラップ作業性に簡便で優れた利点があるが、縦添え
であるがためにその上から紡績糸(ヤーン)で押さえ巻
きする必要がある。
けた耐火ケーブルの従来例として、特開平7−1762
20号公報に記載された耐火電線を示している。この耐
火電線1は、銅線などによる導体2の外周面に内層およ
び外層のマイカテープ3,4を縦添えして積層すること
により、耐火層を形成している。内層のマイカテープ3
はプラスチック製ヤーン5で押さえ巻きされ、外層のマ
イカテープ4はガラス製ヤーン6で押さえ巻きされてい
る。そうしたマイカテープによる耐火層の上に絶縁体7
が被覆され、さらにその上から保護層のシース8を被覆
して構成されている。
イカテープ3,4のうち、少なくとも最外層のマイカテ
ープ4だけをガラス製ヤーン6で押さえ巻きした構造も
可能であるとしている。つまり、内層のマイカテープ3
に関しては、押さえ巻きをしない場合も可能であること
が開示されている。
記載の耐火電線にあっては、内外層のマイカテープ3,
4をそれぞれヤーン5,6で押さえ巻きする場合、そう
した押さえ巻きラップ作業の工程や関連製造設備が複雑
となり、コスト高を招く原因となっている。
プ3,4のうち、外層のマイカテープ4に対しては必ず
押さえ巻きを行うことから、この押さえ巻き工程と次の
絶縁体7の成形工程とは必然的に別工程となる。その分
だけ工程数が増加することにより、工数や設備の増加に
つながっている。
を大幅に低減でき、しかも所要の耐火性能を備えた耐火
ケーブルおよびその製造方法を提供することにある。
記載の耐火ケーブルは、導体の外周にマイカテープを縦
添えして耐火層を設け、この耐火層のマイカテープを絶
縁体で被覆してさらにその絶縁体を保護層のシースで被
覆してなっているものであって、前記マイカテープがそ
の外側外周から直に前記絶縁体によって押さえられてな
っている。
ヤーンによって押さえ巻きすることが不要となり、材工
コストを低減させることができる。
前記マイカテープが内外複数層のものからなっている場
合に、内層のマイカテープがヤーンによって押さえ巻き
され、最外層のマイカテープがその外側外周から直に前
記絶縁体によって押さえられてなっていることを特徴と
するものである。
層のものはヤーンで押さえ巻きすることにより、ラップ
作業が好適にはかどり、耐火性能も向上する。
造方法は、導体の外周にマイカテープを縦添えして耐火
層を形成し、この耐火層のマイカテープを絶縁体で被覆
してさらにその絶縁体を保護層のシースで被覆して形成
するにあたり、前記導体および前記マイカテープをそれ
ぞれ巻収した供給ドラムから送り出し、そのマイカテー
プを合流させて導体の外周面に縦添えし、縦添え後の導
体を絶縁体押出し成形工程に送り、その押出し中の絶縁
体によって前記マイカテープを外側外周から押さえなが
ら被覆する。
程において、押出し中の絶縁体の内側にマイカテープが
潜り込む形で押さえつけられる。すなわち、絶縁体が従
前のヤーンの代用となって、導体上のマイカテープが剥
がれることなく外側から押さえる。
造方法は、合流後の前記導体の外周面に前記マイカテー
プを負圧吸引ヘッドによって吸着させて縦添えすること
を特徴とする。
プは、負圧吸引ヘッドに通されることにより導体の外周
面に吸着し、その後の絶縁体押出し成形工程での同時押
出しに好都合となる。
造方法は、前記供給ドラムから送り出された導体は、前
記マイカテープに合流して縦添えする前の段階で、その
張力を一定に保持調整されることを特徴とする。
ことは、合流後のマイカテープを導体長手に沿って縦添
えするうえで、むらの発生を抑えるのに有効である。
造方法は、前記マイカテープが内外複数層のものからな
っている場合、前記供給ドラムから送り出された導体に
は既に縦添えした内層のマイカテープがヤーンによって
押さえ巻きされており、前記合流するマイカテープは最
外層として前記内層のマイカテープ上に縦添えして積層
されることを特徴とする。
プの内層のものはヤーンで押さえ巻きしておくことによ
り、その後の最外層マイカテープ共々、ラップ作業が好
適にはかどり、耐火性能も向上する。
およびその製造方法の実施の形態について、図面を参照
して詳細に説明する。
ル10を示している。耐火ケーブル10は、従来例と同
じく銅線などによる導体11の外周面に内層および外層
のマイカテープ12,13がそれぞれ縦添えして積層さ
れ、耐火層を形成している。内層のマイカテープ12の
場合、合成繊維,無機繊維,半合成繊維,再生繊維,植
物繊維,動物繊維および鉱物繊維などのヤーン16で押
さえ巻きされている。
外周面を内層マイカテープ12のようにヤーン押さえ巻
きされておらず、同時押出し成形される絶縁体14によ
って外側から押さえられている。絶縁体14の表面は保
護層のシース8で被覆されて耐火ケーブル10を構成し
ている。
記内層のマイカテープ12を削減し、最外層のマイカテ
ープ13だけによる単一層で耐火層を形成することも可
能である。この場合、やはり最外層のマイカテープ13
はヤーンで押さえ巻きされず、絶縁体14と同時押出し
成形される。すなわち、この第2実施の形態にあって
は、ヤーンによる押さえ巻きを全く行わない構造となっ
ている。
実施の形態のいずれにあっても、最外層のマイカテープ
13に対してはヤーン押さえ巻きをしていない。
耐火層を最外層のマイカテープ13だけによる単一層で
形成した耐火ケーブル10の製造方法について、製造ラ
インの一部レイアウトを示す図2で説明する。
火層形成用のマイカテープ13が送り出される。それに
同期的に、導体供給ドラム21から導体11が送り出さ
れる。送り出された導体11は、テンション調整装置2
4のダンサローラ(dancer roller device)25にかけ
られ、張力一定に保持すべく調整される。ダンサローラ
25を出た張力一定の導体11はマイカテープ縦添え装
置30に向けて送られる。
から送り出されたマイカテープ13は、縦添え装置スタ
ンド22の縦添えガイドローラ23を通過し、負圧吸引
ヘッド31に配置した円筒形の入口側コア33で上記ダ
ンサローラ25から送られてきた導体11に縦添えされ
る。
イカテープ13が導体11の外周面に負圧吸引力によっ
て強固に吸着する。吸着力で一体化した状態の導体11
と縦添えマイカテープ13は一緒にクロスヘッド33に
導入され、この出口側に配置された円筒形のコア34で
縦添え仕上げされる。
カテープ13からなるワークとしての半製品電線10A
は、マイカテープ13による耐火層表面に絶縁体14を
同時押出し成形する図の右側の次工程(図示せず)に向
かって送られる。
10Aとして導体11上に縦添えされたマイカテープ1
3は、押出し成形中の絶縁体14の内面側に潜り込む形
で同時押出しされる。すなわち、縦添えマイカテープ1
3は外側から同時押出し中に絶縁体14によって押さら
れるので、導体11の外周面から剥がれることなく、つ
まりヤーンで押さえ巻きする必要もなく同時押出しされ
る。その後、絶縁体14の外周面を保護層のシース15
で被覆成形することにより、耐火ケーブル10が製造さ
れる。
ける最外層のマイカテープ13だけによる単一層で形成
した耐火ケーブル10の製造方法について示されたが、
勿論、第1実施の形態における内外層マイカテープ1
2,13による二層の場合も可能である。この場合、図
2中仮想線枠で示す符号12の製造ライン場所に内層マ
イカテープ12用の縦添え装置および素巻き装置を配備
し、外層マイカテープ13を縦添えする手前で予め内層
マイカテープ12を導体11上に縦添えする。
10の供試品No.1〜No.6までの6点を作成し、
また図3に示す従来の耐火ケーブル1も同数の供試品を
作成して、JCMA試第1010号で定めるところの
「低圧耐火ケーブル認定試験基準」に基づき、次の表1
に示す耐火性能の各試験項目について同一条件下で耐火
試験を行った。
ーブルのそれぞれ供試サンプルNo.1とNo.2の2
つについては、試験項目に「絶縁抵抗」を選択した。サ
ンプルNo.1については、絶縁抵抗値が「加熱前」で
50MΩ以上を示すか否かを試験した。また、サンプル
No.2については、同じくその絶縁抵抗値が「加熱3
0分後」で0.4MΩ以上を示すか否かを試験した。
3つについては、試験項目に「絶縁耐力」を選択した。
そのうちのサンプルNo.3については、「加熱前」に
1500V(ボルト)の電圧を60秒間印加して所要の
絶縁性を維持し得るか否かを試験した。サンプルNo.
4については、「加熱中」に600Vの電圧を印加して
所要の絶縁性を維持し得るか否かを試験した。サンプル
No.5については、「加熱直後」に1500Vの電圧
を60秒間印加して所要の絶縁性を維持し得るか否かを
試験した。
ては、試験項目に「燃焼性」を選択し、延焼が炉内壁か
ら150mmを越えない距離で止まるか否かについて試
験した。
果、次の表2に示す評価が得られた。表中、符号○印は
その耐火性能を満足する合格品であり、符号×印は不合
格を示している。
の供試サンプルについては、1回目の試験では、ヤーン
による押さえ巻きが「無し」の場合、○印合格品と×印
不合格品が半々であった。2回目の試験では、内層のマ
イカテープ12のみをヤーン16で押さえ巻きした「有
り」の場合、すなわち本発明の主旨に基づいた最外層マ
イカテープ13になんら押さえ巻きを施さない場合、6
つの供試サンプルのすべてとも○印合格品の好評価が得
られた。
の形態による耐火ケーブル10では、少なくとも内層の
マイカテープ12だけはヤーン16で押さえ巻きする方
が好ましいということである。これは、内層のマイカテ
ープ12の場合、縦添えしただけではラップが好状態に
なり難いと考えられる。
ルとして準備された6つの供試サンプルについては、1
回目の試験では、内外層マイカテープ3,4共々、ヤー
ン5,6によって押さえ巻きした「有り」の場合、すべ
て○印合格品という評価であった。2回目の試験では、
外層のマイカテープ4のみをヤーン6で押さえ巻きした
「有り」の場合、すなわち内層のマイカテープ3にはヤ
ーン5による押さえ巻きを施さない場合、○印合格品と
×印不合格品が半々という評価が得られた。
イカテープについてはヤーンで押さえ巻きを施さずと
も、絶縁体との同時押出しによって押さえることがで
き、ヤーンを削減できるうえに、しかも所要の耐火性能
を維持することができる。しかし、内層マイカテープに
ついては、ヤーンによる押さえ巻きの有無は耐火性能に
影響することがわかる。
ケーブルは、マイカテープを導体外周に縦添えして内外
複数層で耐火層を形成したものにあって、最外層のマイ
カテープに対してヤーンによる押さえ巻きを省いても、
同時押出し成形される絶縁体がヤーンの代用となってマ
イカテープを外側外周から押さえ、剥がれを抑える。す
なわち、最外層のマイカテープに対して押さえ巻き用ヤ
ーンを削減できることで、材料や作業工数を低減できる
利点がある。
斜視図である。
の一部を示す装置レイアウト図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 導体の外周にマイカテープを縦添えして
耐火層を設け、この耐火層のマイカテープを絶縁体で被
覆してさらにその絶縁体を保護層のシースで被覆してな
っている耐火ケーブルであって、 前記マイカテープがその外側外周から直に前記絶縁体に
よって押さえられてなっていることを特徴とする耐火ケ
ーブル。 - 【請求項2】前記マイカテープが内外複数層のものから
なっている場合に、内層のマイカテープがヤーンによっ
て押さえ巻きされ、最外層のマイカテープがその外側外
周から直に前記絶縁体によって押さえられてなっている
ことを特徴とする請求項1に記載の耐火ケーブル。 - 【請求項3】導体の外周にマイカテープを縦添えして耐
火層を形成し、この耐火層のマイカテープを絶縁体で被
覆してさらにその絶縁体を保護層のシースで被覆して形
成する耐火ケーブルの製造方法であって、 前記導体および前記マイカテープをそれぞれ巻収した供
給ドラムから送り出し、そのマイカテープを合流させて
導体の外周面に縦添えし、縦添え後の導体を絶縁体押出
し成形工程に送り、その押出し中の絶縁体によって前記
マイカテープを外側外周から押さえながら被覆すること
を特徴とする耐火ケーブルの製造方法。 - 【請求項4】合流後の前記導体の外周面に前記マイカテ
ープを負圧吸引ヘッドによって吸着させて縦添えするこ
とを特徴とする請求項3に記載の耐火ケーブルの製造方
法。 - 【請求項5】前記供給ドラムから送り出された導体は、
前記マイカテープに合流して縦添えする前の段階で、そ
の張力を一定に保持調整されることを特徴とする請求項
3または4に記載の耐火ケーブルの製造方法。 - 【請求項6】前記マイカテープが内外複数層のものから
なっている場合、前記供給ドラムから送り出された導体
には既に縦添えして内層のマイカテープがヤーンによっ
て押さえ巻きされており、前記合流するマイカテープは
最外層となって前記内層のマイカテープ上に縦添えして
積層されることを特徴とする請求項3,4または5に記
載の耐火ケーブルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05329599A JP3727193B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 耐火ケーブルおよびその製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000251543A true JP2000251543A (ja) | 2000-09-14 |
JP3727193B2 JP3727193B2 (ja) | 2005-12-14 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP05329599A Expired - Fee Related JP3727193B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 耐火ケーブルおよびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3727193B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102184760A (zh) * | 2011-03-17 | 2011-09-14 | 上海上塑控股(集团)有限公司 | 6-10kV及以下单芯防火电缆 |
KR101481739B1 (ko) | 2014-07-15 | 2015-01-14 | 주식회사 디케이씨 | 내화케이블 제조시스템 및 제조방법 |
-
1999
- 1999-03-01 JP JP05329599A patent/JP3727193B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102184760A (zh) * | 2011-03-17 | 2011-09-14 | 上海上塑控股(集团)有限公司 | 6-10kV及以下单芯防火电缆 |
KR101481739B1 (ko) | 2014-07-15 | 2015-01-14 | 주식회사 디케이씨 | 내화케이블 제조시스템 및 제조방법 |
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