JP2000249225A - 車両用油圧式無段変速機の制御装置 - Google Patents

車両用油圧式無段変速機の制御装置

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JP2000249225A
JP2000249225A JP11056248A JP5624899A JP2000249225A JP 2000249225 A JP2000249225 A JP 2000249225A JP 11056248 A JP11056248 A JP 11056248A JP 5624899 A JP5624899 A JP 5624899A JP 2000249225 A JP2000249225 A JP 2000249225A
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control
hydraulic
capacity
hydraulic pump
motor
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Shigeru Morimoto
茂 森本
Tetsushi Asano
哲史 浅野
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/38Control of exclusively fluid gearing
    • F16H61/40Control of exclusively fluid gearing hydrostatic
    • F16H61/46Automatic regulation in accordance with output requirements
    • F16H61/462Automatic regulation in accordance with output requirements for achieving a target speed ratio

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  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプ低容量領域での変速制御を、変速ショ
ック、エンジンの吹き上がり等の発生なく行えるように
する。 【解決手段】 油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量
制御を行う変速制御コントロールユニット50が、油圧
ポンプおよび油圧モータの容量を検出する容量検出機
能、実際の変速比に相当する油圧ポンプおよび油圧モー
タの見かけ容量を求める見かけ容量算出機能とを備える
(ステップS3)、目標容量となるように可変容量制御
を行う第1制御モード(ステップS17)と、目標エン
ジン回転数に追従するように可変容量制御を行う第2制
御モード(ステップS9)とに基づく制御を行う。そし
て、車両が第1制御モードに基づく制御がなされて走行
中に、容量が第1の容量以上となり、見かけ容量と容量
との差が所定値以下となったときに、第1制御モードか
ら第2制御モードへ移行させる制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンにより駆
動される可変容量型の油圧ポンプと、油圧ポンプからの
油圧力を受けて駆動される油圧モータとを有して構成さ
れ、油圧モータの駆動力を受けて車両が走行駆動される
ようになった車両用油圧式無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】可変容量タイプの油圧ポンプと油圧モー
タとを油圧閉回路を介して接続してなる油圧式無段変速
機は、ポンプ・モータの容量制御により無段階の変速制
御を簡単に行うことができる等の理由から、従来から良
く知られており、且つ実用に供されている。このような
油圧式無段変速機を構成する油圧ポンプおよびモータと
して斜板式の油圧ポンプおよび油圧モータを用い、各斜
板角制御により変速制御を行うものも一般的に用いられ
ている。
【0003】このような油圧式無段変速機における変速
制御の方法として、油圧ポンプの斜板角(容量)を零に
するとともに油圧モータの斜板角(容量)を最大にして
中立状態を作りだし、中立状態からまず油圧ポンプの斜
板角を増加させる制御を行い、油圧ポンプの斜板角が最
大となったときから油圧モータの斜板角を減少させる制
御を行って、変速比を無段階に変化させるという方法が
ある。このような変速制御方法としては、例えば、本出
願人の出願による特開平10−311426号公報に開
示されたものがある。
【0004】上記のような変速制御を行った場合におけ
る油圧ポンプ斜板角θPおよび油圧モータ斜板角θMと変
速機の減速比との関係を図5に示している。この図から
分かるように、油圧ポンプ斜板角θP=0で、油圧モー
タ斜板角θM=MAXのときには縦軸aの位置に対応する減
速比R(=入力回転数/出力回転数)が無限大の状態と
なる。この状態から油圧モータ斜板角θMを最大のまま
で油圧ポンプ斜板角θPを増加させると、減速比Rは急
激に小さくなって油圧ポンプ斜板角θPが最大となった
ときに縦軸bとの交点の減速比となる。この後、油圧ポ
ンプ斜板角θPをそのまま保持して油圧モータ斜板角θM
を減少させると減速比Rは緩やかに小さくなって油圧モ
ータ斜板角θMが最小となったときに縦軸cとの交点の
減速比となる。なお、固定容量型の油圧モータを用いる
場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような各斜板角
変化と減速比との関係から分かるように、油圧モータ斜
板角θMが最大のままで油圧ポンプ斜板角θPを増加させ
るときに減速比Rは急激に小さくなり、この変化率は油
圧ポンプ斜板角θPが小さい領域(低容量領域)におい
て特に大きくなる。このため、油圧ポンプ斜板角θPが
小さい低容量領域において、僅かな斜板角変動に対して
減速比Rが大きく変化し、変速制御が難しいという問題
がある。例えば、油圧ポンプの低容量領域においてシフ
トダウン側に変速制御を行った場合、減速比Rが急激に
大きくなって変速ショックが発生するという問題や、エ
ンジン回転が急激に上昇する(吹き上がる)という問題
のおそれがある。さらに、このような問題により、この
変速機を有した車両のドライバーがショックを感じた
り、空走感を感じたりしてドライバビリティが損なわれ
るという問題に繋がるおそれがある。
【0006】なお、このような問題に対処する方法とし
て、油圧ポンプの低容量領域においての変速制御に際し
ては、ポンプ斜板角(容量)をある程度の角度で固定保
持し、油圧ポンプと油圧モータを結ぶ油路のリリーフ圧
制御を行うことにより変速制御に対応する制御(トルク
制御)を行うことが考えられる。すなわち、リリーフ圧
制御により発進クラッチ制御のような制御を行うもので
あるが、この場合には次のような問題がある。
【0007】まず、固定保持する斜板角度を大きく設定
した場合には、トルク変化が小さくなって滑らかな発進
クラッチ制御が可能となるのであるが、固定保持された
斜板角度での減速比は比較的小さいため得られる出力ト
ルクが小さくなり、大きな出力トルク(もしくは加速
度)を必要とする急勾配での発進や、エンジンフルスロ
ットルでの発進時等に十分な駆動トルクが得られないと
いう問題がある。一方、固定保持する斜板角度を小さく
設定した場合には、減速比が大きくなるため大きな出力
トルクが得られるのであるが、直ぐに斜板角度を大きく
する制御が必要となり、リリーフ圧制御とポンプ斜板制
御とが同時に必要となりやすい。このような制御に際し
て、入力トルクが一定でも、斜板角度を大きくすると発
生油圧が低くなってリリーフ弁が閉じ、クラッチを急に
係合させたのと同様な状態となってショックが発生する
という問題がある。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
油圧ポンプの低容量領域(例えば、ポンプ斜板角θPの
小さな領域)における変速制御を、変速ショックの発
生、エンジンの吹き上がり等の発生がなく、スムーズな
変速制御とすることができるような車両用油圧式無段変
速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、エンジンにより可変容量型の油
圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプからの油圧力により
可変もしくは固定容量型の油圧モータを駆動し、この油
圧モータにより車両を走行駆動し、制御装置(例えば、
実施形態における変速制御コントロールユニット50)
により、油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制御を
行って変速制御を行うように車両用油圧式無段変速機が
構成され、この制御装置は、油圧ポンプおよび油圧モー
タの容量を検出する容量検出手段(例えば、実施形態に
おけるステップS3参照)と、エンジン回転数と車速と
から求めた変速比に相当する油圧ポンプおよび油圧モー
タの見かけ容量を求める見かけ容量算出手段(例えば、
実施形態におけるステップS3参照)とを備える。そし
て、制御装置は、運転状態に応じて目標容量を設定し、
油圧ポンプおよび前記油圧モータの容量を前記目標容量
とするように油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制
御を行う第1制御モード(例えば、実施形態におけるス
テップS17参照)と、少なくともエンジンのスロット
ル開度と車速とに応じて目標エンジン回転数を設定し、
エンジン回転数が目標エンジン回転数に追従するように
油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制御を行う第2
制御モード(例えば、実施形態におけるステップS9参
照)とに基づく制御を行う。ここで、車両が第1制御モ
ードに基づく制御がなされて走行中に、容量が第1の容
量以上となり、見かけ容量と容量との差が所定値以下と
なったときに、第1制御モードから第2制御モードへ移
行させる制御を行うようになっている。
【0010】なお、第1の容量とは、本実施形態におけ
る斜板式油圧ポンプ、モータからなる変速機の場合に
は、ポンプ斜板角が9度程度となるときの容量であり、
モータ斜板角が最大角で18度の領域のときに、ポンプ
斜板角の変化に対して減速比が大きく変化する領域がこ
の9度までの領域である。ポンプ斜板角が9度までの領
域では、目標エンジン回転数に対する減速比の正確な制
御が難しい。なお、第1の容量は、油圧ポンプおよびモ
ータの種類、サイズ等によって、さらには、減速比の変
化速度の程度によって適宜設定される。また、見かけ容
量と容量との差を規定する所定値とは、本実施形態にお
ける斜板式油圧ポンプ、モータからなる変速機の場合に
は、ポンプ斜板角で2度程度の値が設定される。目標エ
ンジン回転数に基づくフィードバック制御に切り換えて
もショックが出ないと予測される許容範囲を設定した値
であるが、当然ながら、この値は油圧ポンプおよびモー
タの種類、サイズ等によって、さらには、作動時の発生
高圧やリリーフ圧の設定等によつて適宜設定される。
【0011】第2の制御モードはスロットル開度と車速
とに基づいて設定される目標エンジン回転数が得られる
ように変速制御を行うものであるため、ドライバーのア
クセル操作(スロットル開度)に対応した変速制御が行
えるという利点があるが、この制御のみでは、油圧ポン
プ(および油圧モータ)が低容量領域のときにシフトダ
ウン側に変速すると前述した変速ショック、エンジンの
吹き上がり等の問題が生じるおそれがある。このため、
本発明では、油圧ポンプ(および油圧モータ)が低容量
領域にあるときには第1の制御モードに基づく変速制御
を行い、油圧ポンプの容量が大きくなったときに第2の
制御モードに基づく変速制御に移行する。しかし、この
ように第1の制御モードから第2の制御モードへ移行す
るときに、移行タイミングが問題となりやすい。
【0012】このため、本発明では、上記のように、第
1制御モードに基づく制御がなされて走行中に、容量が
第1の容量以上となり、見かけ容量と容量との差が所定
値以下となったときに、第1制御モードから第2制御モ
ードへ移行させる制御を行うようにしている。これによ
り、油圧ポンプ(および油圧モータ)が低容量領域を抜
けており、且つ目標エンジン回転数に基づく変速制御に
しても変速比の急激な変動が生じることがない領域に入
ったことを確実に判断し、その後に第2の制御モードに
移行するという制御が実現し、ショック、エンジンの吹
き上がり等の発生の問題がなくなる。
【0013】なお、第2制御モードに移行した後は、車
両の停止状態が検出されたとき、もしくは容量が第1の
容量未満となったときに、第1制御モードへ移行させる
制御を行うのが好ましい。すなわち、一旦第2制御モー
ドへ移行した後は、油圧ポンプ(および油圧モータ)が
低容量領域に戻らない限りはこのモードでの制御をその
まま継続するもので、これにより、頻繁にモード切換が
生じて変速違和感が生じるようなことを防止する。
【0014】第2の本発明に係る制御装置は、可変容量
型の油圧ポンプと可変もしくは固定容量型の油圧モータ
とを有してなる車両用油圧式無段変速機に用いられ、車
両走行中で且つ油圧ポンプおよび油圧モータの容量が第
1の容量未満のときには、エンジンのスロットル開度と
路面の傾斜に応じた基本目標容量を設定し(例えば、実
施形態におけるステップS23参照)、この基本目標容
量を車速とスロットル開度に応じて補正して補正目標容
量を設定し(例えば、実施形態におけるステップS2
5,S27参照)、油圧ポンプおよび油圧モータの容量
を補正目標容量とするように油圧ポンプおよび油圧モー
タの可変容量制御を行う(例えば、実施形態におけるス
テップS17参照)ように構成される。
【0015】この制御装置では、走行中において油圧ポ
ンプおよび油圧モータが低容量領域にあり、シフトダウ
ンを行うと減速比が急変する場合における目標容量の設
定を、スロットル開度、路面傾斜および車速に応じて適
切に設定し、減速比の急変することのないスムーズな変
速を行わせる。
【0016】第3の本発明に係る制御装置は、可変容量
型の油圧ポンプと可変若しくは固定容量型の油圧モータ
とを有してなる車両用油圧式無段変速機に用いられ、車
両停止状態で、エンジンスロットル開度が所定開度以上
であり、且つ車両ブレーキが作動されているときには、
エンジンのスロットル開度と路面の傾斜に応じた目標容
量を設定し(例えば、実施形態におけるステップS21
参照)、油圧ポンプおよび油圧モータの容量をこの目標
容量とするように油圧ポンプおよび油圧モータの可変容
量制御を行う(例えば、実施形態におけるステップS1
7参照)ように構成される。車両ブレーキが作動されて
いるときには、車両停止状態から再発進させるときの変
速ショックが生じないように、路面傾斜およびスロット
ル操作量に応じて目標容量を設定し、スムーズな発進制
御を可能としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る好ましい実施
形態について図面を参照して説明する。本発明に係る車
両用油圧式無段変速機の動力伝達系を図1に図式的に示
しており、この無段変速機Tは、動力分割機構Dと油圧
式無段変速装置Hとを有して構成される。無段変速機T
の変速機入力軸1はフライホイールFを介してエンジン
(原動機)Eに連結されており、エンジンEからの駆動
力が変速機入力軸1に入力され、無段変速機Tにおいて
変速されて変速機出力軸2から出力される。
【0018】動力分割機構Dは、シングルピニオンタイ
プの第1遊星歯車機構G1と第2遊星歯車機構G2とを
並列に且つ同軸上に備えて構成される。第1遊星歯車機
構G1は、中心軸上に回転自在に配設された第1サンギ
ヤS1と、第1サンギヤS1と噛合するとともに第1サ
ンギヤS1の回りを公転する複数の第1ピニオンギヤP
1と、これら第1ピニオンギヤP1を回転自在に保持す
るとともに第1サンギヤS1と同一軸上で回転可能とな
った第1キャリアC1と、第1ピニオンギヤP1と噛合
する内歯を有して第1サンギヤS1と同一軸上で回転可
能な第1リングギヤR1とから構成される。一方、第2
遊星歯車機構G2は、中心軸上に回転自在に配設された
第2サンギヤS2と、第2サンギヤS2と噛合するとと
もに第2サンギヤS2の回りを公転する複数の第2ピニ
オンギヤP2と、これら第2ピニオンギヤP2を回転自
在に保持するとともに第2サンギヤS2と同一軸上で回
転可能となった第2キャリアC2と、第2ピニオンギヤ
P2と噛合する内歯を有して第2サンギヤS2と同一軸
上で回転可能な第2リングギヤR2とから構成される。
【0019】動力分割機構Dは、第2リングギヤR2に
繋がる第1出力軸11と、第1サンギヤS1に繋がる第
2出力軸12とを有し、第1リングギヤR1が固定軸1
3を介して油圧式無段変速装置Hの制御盤40に繋がっ
て静止保持されている。さらに、第1サンギヤS1がロ
ックアップクラッチ15を介して変速機入力軸1に係脱
可能に接続され、第2サンギヤS2が変速機入力軸1と
常時直結されている。第1出力軸11およびこれに繋が
る第2リングギヤR2はロックアップブレーキ16によ
り静止保持可能である。第1および第2キャリアC1,
C2同士が直結されており、両者は一体回転する。
【0020】油圧式無段変速装置Hは、図2に詳しく示
すように、油圧ポンプ20と、油圧モータ30と、これ
ら油圧ポンプ20および油圧モータ30を接続する油圧
閉回路を構成する制御盤40とを備える従来周知の静油
圧式変速機構であり、油圧ポンプ20および油圧モータ
30は無段変速機Tの入出力軸1,2および動力分割機
構Dと同一軸線上に配設されている。
【0021】油圧ポンプ20は、動力分割機構Dの第1
出力軸11に同軸に連結されるとともに制御盤40のポ
ンプ側油圧分配面41に回転摺動可能に接触したポンプ
シリンダ21と、このポンプシリンダ21にその軸線を
囲むように設けられる環状配列の複数のポンプシリンダ
孔22に摺動自在に嵌合されたポンププランジャ23
と、各ポンププランジャ23の先端に首振り自在に取り
付けられたポンプシュー24を摺動可能に接触させるポ
ンプ斜板25とを備えて構成される。ポンプ斜板25
は、ポンプシリンダ21の軸線と直交するポンプトラニ
オン軸線Opを中心として揺動可能であり、ポンプ斜板
25の揺動角を変化させてポンププランジャ23の往復
ストロークを可変制御可能となっている。すなわち、こ
の油圧ポンプ20は可変容量タイプのポンプである。
【0022】油圧モータ30は、動力分割機構Dの第2
出力軸11および変速機出力軸2に同軸に連結されると
ともに制御盤40のモータ側油圧分配面42に回転摺動
可能に接触したモータシリンダ31と、このモータシリ
ンダ31にその軸線を囲むように設けられる環状配列の
複数のポンプシリンダ孔32に摺動自在に嵌合されたモ
ータプランジャ33と、各モータプランジャ33の先端
に首振り自在に取り付けられたモータシュー34を摺動
可能に接触させるモータ斜板35とを備えて構成され
る。モータ斜板35は、モータシリンダ31の軸線と直
交するモータトラニオン軸線Omを中心として揺動可能
であり、モータ斜板35の揺動角を変化させてモータプ
ランジャ33の往復ストロークを可変制御可能となって
いる。すなわち、この油圧モータ30は可変容量タイプ
のモータである。
【0023】制御盤40は、油圧ポンプ20および油圧
モータ30を収容するケーシング5に固着されており、
この制御盤40に、上述のように第1遊星歯車機構G1
の第1リングギヤG1が固定軸13を介して連結されて
いる。
【0024】このような構成の油圧式無段変速装置Hに
おいては、ポンプシリンダ21の回転に応じて、ポンプ
プランジャ23がポンプ斜板25の揺動角に対応するス
トロークでシリンダ孔22内を往復して作動油の吐出お
よび吸入動作を行う。この吐出動作により各シリンダ孔
22から吐出された作動油は、制御盤40内に設けられ
た油圧閉回路の一方の油路(駆動時にはこの油路内の油
圧が高圧となるため、これを高圧側油路と称する)を経
てモータシリンダ31の対応するシリンダ孔32内に供
給され、モータプランジャ33を膨張作動させる。この
ようにモータプランジャ33が膨張作動されると、モー
タプランジャ33がモータシュー34を介してモータ斜
板35を押圧し、その反力の回転方向成分がモータプラ
ンジャ33を介してモータシリンダ31を回転させる。
【0025】一方、膨張作動を終えたモータプランジャ
33はモータ斜板35に沿って回転して収縮作動され
る。この収縮作動によりモータシリンダ孔32から排出
される作動油は、制御盤40に設けられた油圧閉回路の
他方の油路(駆動時にはこの油路内の油圧が低圧となる
ためこれを低圧側油路と称する)を経て、吸入作動を行
っているポンププランジャ23のポンプシリンダ孔22
内に吸入される。このようにして、ポンプ斜板25およ
びモータ斜板35の揺動角に応じたトルクでモータシリ
ンダ31が回転作動し、その回転トルクが変速機出力軸
2に伝達されて出力される。
【0026】以上の構成の油圧式無段変速機Tにおい
て、ポンプ斜板25およびモータ斜板35の揺動角制御
を行うことにより無段階の変速制御が可能である。この
ようなポンプ斜板25およびモータ斜板35の揺動角制
御を行う制御装置について、図3を参照して説明する。
【0027】図3は上述の油圧式無段変速装置Hをポン
プおよびモータの斜板角制御系を含めて示している。ポ
ンプ斜板25には両端側においてそれぞれ連結ロッド2
5a,25bを介してポンプ側サーボプランジャ26
a,26bが連結されており、これらポンプ側サーボプ
ランジャ26a,26bはそれぞれポンプ側サーボシリ
ンダ孔27a,27b内に摺動自在に配設されている。
同様に、モータ斜板35にはモータ側サーボプランジャ
36a,36bが連結されており、これらモータ側サー
ボプランジャ36a,36bはそれぞれモータ側サーボ
シリンダ孔37a,37b内に摺動自在に配設されてい
る。
【0028】ポンプ側サーボシリンダ孔27a,27b
はそれぞれポンプサーボ制御ライン62a,62bを介
してポンプ斜板コントロールバルブ55に繋がる。この
バルブ55は四方弁からなり、ライン圧供給源60から
供給ライン61を介して送られるライン圧PLを、スプ
ール55aの位置に応じてポンプサーボ制御ライン62
a,62bに振り分け供給する。スプール55aはスプ
リング55bにより右方に付勢されるとともに、右端ポ
ート55cに作用する油圧力を受け、両者のバランスに
よりその位置が設定される。
【0029】すなわち、右端ポート55cに作用する油
圧力を制御すれば、スプール55aの位置制御が可能で
あり、これによりポンプ側サーボプランジャ26a,2
6bを移動させてポンプ斜板25の角度位置制御が可能
である。右端ポート55cにはバルブ制御ライン51a
を介してポンプ用リニアソレノイドバルブ51が接続さ
れ、このリニアソレノイドバルブ51からポンプ制御油
圧が供給される。なお、ポンプ用リニアソレノイドバル
ブ51は変速制御コントロールユニット50からの制御
信号により作動制御される。
【0030】一方、モータ側サーボシリンダ孔37a,
37bはそれぞれモータサーボ制御ライン63a,63
bを介してモータ斜板コントロールバルブ56に繋が
る。このバルブ56は、ライン圧供給源60から供給ラ
イン61を介して送られるライン圧PLを、スプール5
6aの位置に応じてモータサーボ制御ライン63a,6
3bに振り分け供給する。また、スプール56aはスプ
リング56bの付勢力と右端ポート56cに作用する油
圧力とのバランスに基づいてその位置が設定される。こ
のため、右端ポート56cに作用する油圧力を制御しモ
ータ斜板35の角度位置制御が可能である。右端ポート
56cにはバルブ制御ライン52aを介してモータ用リ
ニアソレノイドバルブ52からモータ制御油圧が供給さ
れ、このモータ用リニアソレノイドバルブ52は変速制
御コントロールユニット50からの制御信号により作動
制御される。
【0031】以上のように、変速コントロールユニット
50によりポンプ用およびモータ用リニアソレノイドバ
ルブ51,52の作動を制御してポンプおよびモータ斜
板角制御を行うことができる。無段変速機Tにおいてこ
のような制御を行った場合における、ポンプ斜板角θP
およびモータ斜板角θMと変速機総合速度比eとの関係
を図4に示し、減速比Rとの関係を図5に示している。
なお総合速度比eは無段変速機Tの入出力回転数の比で
あり、式(1)により求められる。この式から分かるよ
うに、速度比eは前述の減速比Rの逆数である。図4に
おける縦軸がポンプおよびモータ斜板角θP,θMを表
し、プラス側が前進方向側の揺動、マイナス側が後進方
向側の揺動を意味する(図5は前進方向側のみを示
す)。横軸は総合速度比eを表し、プラス側が前進方向
の速度比、マイナス側が後進方向の速度比を意味する。
また、図4において、実線がポンプ斜板角θP、破線が
モータ斜板角θMを示す。
【0032】
【数1】総合速度比e=(No)/(Ni) 但し、Ni=変速機入力軸1の回転速度 No=変速機出力軸2の回転速度
【0033】まず、ポンプ斜板25が直立位置(θP=
0)にあり、モータ斜板35が最大揺動位置(θM=θM
(MAX))にあるときには、ポンプシリンダ21はフリー
回転可能で吐出が零となり、モータシリンダ31は油圧
ポンプ20からの供給油がないため油圧的にロックした
状態となり固定保持される。このため、第1サンギヤS
1が静止した状態で、変速機入力軸1はフリー回転可能
で、エンジン出力は空転消費され、変速機出力軸2には
伝えられず、静止状態となる。この状態は図4および図
5における縦線aで示す状態であり、総合速度比e=0
(減速比R=∞)の状態となる。
【0034】この状態からポンプ斜板25を前進方向側
に揺動(斜板角を増加)させると、この揺動に応じて油
圧ポンプ20から作動油の吐出が開始され、吐出作動油
が油圧モータ30に供給されて油圧モータ30のモータ
シリンダ31が前進方向に回転駆動される。モータ出力
軸17の回転速度はポンプ斜板角θPが大きくなるのに
応じて増加し、これが最大斜板角θPF(MAX)となると図
4および図5の縦線bで示す状態となる。このため、総
合速度比eは、零(縦線a)からe1(縦線b)まで増
加する。但し、このようにモータシリンダ31の回転が
増加するとき、動力分割機構Dを介して第2出力軸12
に対する機械的な動力伝達が同時に行われ、それに対応
してポンプシリンダ25の回転速度は減少する。このこ
とから分かるように、変速機出力軸2には、油圧モータ
30からの出力と動力分割機構Dを介して第2出力軸に
機械的に伝達された出力とが集合されて出力される。
【0035】ポンプ斜板角が最大斜板角θPF(MAX)とな
ると(縦線bの状態に達すると)、次に、モータ斜板角
θMが最大角から徐々に小さくなるように揺動される。
これによりモータシリンダ31の回転速度が縦線bの状
態からさらに増加し、モータ斜板角θMが零(直立位
置)となった時点で最大となる(縦線cの状態であり、
このとき総合速度比e2となる)。
【0036】但し、上述のように、モータシリンダ35
の回転速度が増加するのに応じて動力分割機構Dを介し
て行われる第2出力軸へ12の機械的な動力伝達が増加
し、ポンプシリンダ21の回転は減少し、モータ斜板角
θMが零(直立位置)となった時点でポンプシリンダ2
1の回転が零となるように設定されている。なお、モー
タ斜板角θMが零(直立位置)となった時にはモータシ
リンダ31はフリー回転可能な状態となり、且つポンプ
シリンダ21は油圧ロック状態となり静止保持される。
このため、この状態(縦線cの状態)のとき、理想的に
は(油の漏れによる伝達ロスが無く、伝達効率が100
%のとき)動力分割機構Dを介して第2出力軸12への
機械的な動力伝達のみが行われる。
【0037】一方、縦線aの状態からポンプ斜板35を
後進方向側に揺動させると、油圧ポンプ20から作動油
が油圧閉回路において上記と逆方向に吐出される。この
ため、この作動油の供給により油圧モータ30のモータ
シリンダ31が上記と逆方向(後進方向)に駆動され
る。モータシリンダ31の回転速度はポンプ斜板角θP
が大きくなるのに応じて増加し、これが最大斜板角θMP
R(MAX)となると図4の縦線dで示す状態となる。このた
め、総合速度比eは、零(縦線a)から、e3(負の
値)まで変化する。
【0038】以上のようにしてポンプ、モータの斜板角
制御を行って変速制御を行うことが可能であるが、車両
走行時における具体的な変速制御について、以下に説明
する。但し、本発明の制御装置は、油圧ポンプの斜板角
制御を特徴とするものであり、モータ斜板35が最大揺
動位置(θM=θM(MAX))にある状態でポンプ斜板角を
制御する変速制御すなわち総合変速比eが小さい領域で
の変速制御について図6および図7を参照して説明す
る。なお、これらの図においては、丸囲みの記号A,
B,C同士が繋がることを意味する。
【0039】この変速制御ではまず車両が停止状態か否
か、すなわち、車速V=0か否かを判断する(ステップ
S1)。車両が走行状態の時にはステップS3に進み、
油圧ポンプ20の実斜板角θPAと、見かけ斜板角θPV
と、斜板角度差ΔθPとを算出する。ここで、実斜板角
θPAは、油圧ポンプ20の斜板角25の実際の傾斜角度
を検出して求められる。見かけ斜板角θPVは、現在のエ
ンジン回転数と車速を検出し、これらの値からこのとき
の変速機(油圧式無段変速装置H)の変速比(減速比)
を算出し、油圧式無段変速装置Hの容積効率が100%
(すなわち、油の漏れや、リリーフによる油の排出が無
い)場合にこの変速比を得るために必要なポンプ斜板角
を求めて得られる。斜板角度差ΔθPは、実斜板角θPA
から見かけ斜板角θPVを減算して求められる。
【0040】次に、実斜板角θPAが第1の所定容量αS
以上か否かが判断され(ステップS5)、θPA≧αSの
ときにはステップS7に進み、斜板角度差ΔθPが所定
値CDPC以下か否かが判断される。なお、この所定値CDPC
は、例えば2度に設定される。ΔθP≦CDPCのときに
は、ステップS9に進み、目標エンジン回転数Neoに基
づく変速制御が行われる。目標エンジン回転数Neoは、
例えば、図8に示すように、スロットル開度θTHと車速
Vとに対応して予め設定されている。そこで、現在のス
ロットル開度θTHと車速Vとに対応する目標エンジン回
転数Neoを図8から読み取って求め、実際のエンジン回
転数Nerがこの目標エンジン回転数Neoに近づくよう
に、すなわち、追従するように変速制御(具体的には、
ポンプ用リニアソレノイドバルブ51の駆動電流制御)
が行われる。
【0041】図9に、ポンプ用リニアソレノイドバルブ
51の駆動電流ICMDpと、このバルブ51からポンプ斜
板コントロールバルブ55の右端ポート55cに供給さ
れるポンプ制御油圧PCとの関係を示している。この図
から分かるように、駆動電流ICMDpとして中立保持電流I
Opを設定すれば、ポンプ斜板コントロールバルブ55は
中立位置に保持されてポンプ斜板角はそのまま保持さ
れ、中立保持電流Iopより大きな電流を設定すれば、ポ
ンプ斜板25をLOW側に揺動させる制御(シフトダウン
制御)が可能であり、中立保持電流Iopより小さな電流
を設定すれば、ポンプ斜板25をTOP側に揺動させる制
御(シフトアップ制御)が可能である。
【0042】なお、ステップS5において実斜板角θPA
が第1の所定容量αS未満である、すなわち、θPA<α
Sであると判断されたときには、ステップS23以下の
制御に移行する(これについては後述する)。また、ス
テップS7において斜板角度差ΔθPが所定値CDPCを越
えると判断されたとき、すなわち、ΔθP>CDPCである
と判断されたときには、ステップS11に進み、直前の
制御が目標エンジン回転数Neoに基づく制御(すなわ
ち、ステップS9の制御)か否かが判断される。直前の
制御が目標エンジン回転数Neoに基づく制御であるとき
には、ステップS9に進み、このまま目標エンジン回転
数Neoに基づく制御を継続する。一方、直前の制御が目
標エンジン回転数Neoに基づく制御ではないとき、すな
わち、後述する目標斜板角θPOに基づく制御であるとき
には、ステップS23以下の制御に移行する。
【0043】最初に戻って、ステップS1において車両
が停止状態であると判断されたときには、ステップS1
3に進み、エンジンスロットル開度が全閉状態か否かが
判断される。スロットルが全閉のときは、ステップS1
3に進み、目標斜板角θPOとしてクリープ力を発揮する
ためのクリープ斜板角α0を設定し、ステップS17に
進んで、油圧ポンプ20の斜板角θPを目標斜板角θPO
とする制御が行われる。
【0044】一方、ステップS13において、スロット
ルは全閉でないと判断されたときには、ステップS19
に進み、車両ブレーキが作動されているか否かが判断さ
れる。車両ブレーキが作動されている(車両ブレーキが
ONである)ときには、ステップS21に進み、目標斜
板角θPOを目標斜板角マップMAP1から検索する。目
標斜板角マップMAP1は、図10において破線で示す
ように、エンジンスロットル開度と路面傾斜SANGとに応
じて目標斜板角θPOを設定しており、スロットル開度が
大きいほど目標斜板角θPOは大きく、路面傾斜SANGが大
きいほど目標斜板角θPOは小さくなる関係にある。
【0045】ステップS21においては、現在のエンジ
ンスロットル開度および現在走行中の路面傾斜(車両の
走行方向の傾斜)に対応する目標斜板角θPOを目標斜板
角マップMAP1から検索する。そして、ステップS1
7に進んで、油圧ポンプ20の斜板角θPを目標斜板角
θPOとする制御が行われる。
【0046】一方、ステップS19においてブレーキが
非作動であると判断されたときには、ステップS23に
進み、第2の目標斜板角マップMAP2から基本目標斜
板角θPOを検索する。この第2の目標斜板角マップMA
P2は、図10において実線で示すように、エンジンス
ロットル開度と路面傾斜SANGとに応じて基本目標斜板角
θPOが設定されている。但し、MAP1に比べて、同一
のエンジンスロットル開度に対して若干低めの値となる
目標斜板角が設定されたマップとなっている。ステップ
S23においては、現在のエンジンスロットル開度およ
び現在走行中の路面傾斜(車両の走行方向の傾斜)に対
応する基本目標斜板角θPOを目標斜板角マップMAP2
から検索する。
【0047】次に、ステップS25に進み、図11に示
すように、車速Vとスロットル開度θTHとに対応して設
定されている斜板角補正値データマップから、現在の車
速Vとスロットル開度θTHに対応する斜板角補正値Dα
を検索する。次に、ステップS27に進み、ステップS
23で検索した基本目標斜板角θPOにステップS25で
検索した斜板角補正値Dαを加えて補正目標斜板角θPO
を求める。そして、ステップS17に進んで、油圧ポン
プ20の斜板角θPを補正目標斜板角θPOとする制御が
行われる。
【0048】以上の説明および図10から分かるよう
に、目標斜板角マップとしてはMAP1とMAP2の二
つが設定されており、車両ブレーキが作動されていると
きにはMAP1が用いられ、車両ブレーキが非作動のと
きにはMAP2が用いられる。これは、ブレーキが踏ま
れて車輪がロックされている状態でスロットルが開いて
いるときに、斜板角が小さいLOW側に設定すると、発
生する内部油圧が高くなるすぎ、それを抑えるためにリ
リーフ制御が働き、リリーフバルブを開放する制御がな
される。この後、発進に移行した場合、リリーフバルブ
を閉じ側に急に戻す制御となる可能性があり、ショック
に繋がると考えられる。このショックは、変速比がLO
W側の方が大きいため、ブレーキが踏まれているときに
は目標斜板角θPOを大きく設定している。
【0049】また、ステップS27では基本目標斜板角
θPOに斜板角補正値Dαを加えて補正目標斜板角θPOを
求めている。これは、ドライバーの加速要求を現すスロ
ットル開度が小さく車速が大きいときには、シフトアッ
プ側へ速やかに移行するように補正し、逆の場合には、
ゆっくりと移行もしくは現在の容量に保持する方向に補
正し、ドライバーの加速要求に対応するとともに、急変
速領域(ポンプ低容量領域)にあるときにはこの領域を
速やかに抜けて燃費の良い領域での変速制御を行わせる
ためである。
【0050】以上説明した本実施形態においては、油圧
ポンプおよびモータともに可変容量型の場合の油圧式無
段変速機について説明したが、油圧ポンプのみ可変容量
型で固定容量の油圧モータを用いた油圧式無段変速機の
場合も同様である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
目標容量に基づく変速制御を行う第1制御モードと、目
標エンジン回転数に基づく変速制御を行う第2制御モー
ドとを有するので、油圧ポンプが低容量領域にあるとき
には第1の制御モードに基づく変速制御を行って変速比
の急変による変速ショック、エンジン吹き上がりを無く
し、油圧ポンプの容量が大きくなったときに第2の制御
モードに基づく変速制御に移行してドライバーのアクセ
ル操作に対応した変速制御を行うということが可能であ
る。その上で、第1制御モードに基づく制御がなされて
走行中に、容量が第1の容量以上となり、見かけ容量と
容量との差が所定値以下となったときに、第1制御モー
ドから第2制御モードへ移行させる制御を行うようにし
ているので、油圧ポンプ(および油圧モータ)が低容量
領域を抜けており、且つ目標エンジン回転数に基づく変
速制御にしても変速比の急激な変動が生じることがない
領域に入ったことを確実に判断し、その後に第2の制御
モードに移行するという制御が実現し、スムーズなモー
ド移行が可能となる。
【0052】なお、一旦第2制御モードに移行した後
は、車両の停止状態が検出されたとき、もしくは容量が
第1の容量未満となったときにのみむ、第1制御モード
へ移行させる制御を行うようになっており、油圧ポンプ
(および油圧モータ)が低容量領域に戻らない限りは第
2制御モードでの制御をそのまま継続し、頻繁にモード
切換が生じて変速違和感が生じるようなことを防止する
ことができる。
【0053】第2の本発明に係る制御装置は、車両走行
中で且つ油圧ポンプおよび油圧モータの容量が第1の容
量未満のときには、エンジンのスロットル開度と路面の
傾斜に応じた基本目標容量を設定し、この基本目標容量
を車速とスロットル開度に応じて補正して補正目標容量
を設定し、油圧ポンプおよび油圧モータの容量を補正目
標容量とする可変容量制御を行うように構成されてい
る。このため、走行中において油圧ポンプおよび油圧モ
ータが低容量領域にあり、シフトダウンを行うと減速比
が急変する場合における目標容量の設定を、スロットル
開度、路面傾斜および車速に応じて適切に設定し、減速
比の急変することのないスムーズな変速を行わせること
ができる。
【0054】第3の本発明に係る制御装置は、車両停止
状態で、エンジンスロットル開度が所定開度以上であ
り、且つ車両ブレーキが作動されているときには、エン
ジンのスロットル開度と路面の傾斜に応じた目標容量を
設定し、油圧ポンプおよび油圧モータの容量をこの目標
容量とする可変容量制御を行うように構成されている。
このため、車両ブレーキが作動されているときには、車
両停止状態から再発進させるときの変速ショックが生じ
ないように、路面傾斜およびスロットル操作量に応じて
目標容量を設定し、スムーズな発進制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用油圧式無段変速機の動力伝
達系を示す模式図である。
【図2】この無段変速機を構成する油圧式無段変速装置
の構成を示す断面図である。
【図3】この油圧式無段変速装置の斜板角制御系を示す
油圧回路図である。
【図4】油圧ポンプおよびモータの斜板角と総合変速比
との関係を示すグラフである。
【図5】油圧ポンプおよびモータの斜板角と減速比との
関係を示すグラフである。
【図6】ポンプ斜板角の制御内容を示すフローチャート
である。
【図7】ポンプ斜板角の制御内容を示すフローチャート
である。
【図8】車速とスロットル開度に対応して設定された目
標エンジン回転数を示すグラフである。
【図9】目標電流と斜板制御油圧との関係を示すグラフ
である。
【図10】スロットル開度と路面傾斜とに対する目標斜
板角の関係を示すグラフである。
【図11】車速とスロットル開度に対する斜板角補正値
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 油圧ポンプ 25 ポンプ斜板 30 油圧モータ 35 モータ斜板 50 変速制御コントロールユニット(制御装置) 55 ポンプ斜板コントロールバルブ 51 ポンプ用リニアソレノイドバルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより駆動される可変容量型の
    油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの油圧力を受けて駆
    動される油圧モータと、前記油圧ポンプおよび油圧モー
    タの可変容量制御を行う制御装置とを有してなる車両用
    油圧式無段変速機において、 前記油圧ポンプおよび油圧モータの容量を検出する容量
    検出手段と、エンジン回転数と車速とから求めた変速比
    に相当する前記油圧ポンプおよび油圧モータの見かけ容
    量を求める見かけ容量算出手段とを備え、 運転状態に応じて目標容量を設定し、前記油圧ポンプお
    よび前記油圧モータの容量を前記目標容量とするように
    前記油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制御を行う
    第1制御モードと、少なくとも前記エンジンのスロット
    ル開度と車速とに応じて目標エンジン回転数を設定し、
    エンジン回転数が前記目標エンジン回転数に追従するよ
    うに前記油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制御を
    行う第2制御モードとに基づく制御を行い、 車両が前記第1制御モードに基づく制御がなされて走行
    中に、前記容量が第1の容量以上となり、前記見かけ容
    量と前記容量との差が所定値以下となったときに、前記
    第1制御モードから前記第2制御モードへ移行させる制
    御を行うことを特徴とする車両用油圧式無段変速機の制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2制御モードに移行した後は、前
    記車両の停止状態が検出されたとき、もしくは前記容量
    が前記第1の容量未満となったときに、前記第1制御モ
    ードへ移行させる制御を行うことを特徴とする請求項1
    に記載の車両用油圧式無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンにより駆動される可変容量型の
    油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの油圧力を受けて駆
    動される油圧モータと、前記油圧ポンプおよび油圧モー
    タの可変容量制御を行う制御装置とを有してなる車両用
    油圧式無段変速機において、 車両走行中で且つ前記油圧ポンプおよび油圧モータの容
    量が第1の容量未満のときには、前記エンジンのスロッ
    トル開度と路面の傾斜に応じた基本目標容量を設定し、
    前記基本目標容量を車速と前記スロットル開度に応じて
    補正して補正目標容量を設定し、前記油圧ポンプおよび
    油圧モータの容量を前記補正目標容量とするように前記
    油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制御を行うこと
    を特徴とする車両用油圧式無段変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジンにより駆動される可変容量型の
    油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの油圧力を受けて駆
    動される油圧モータと、前記油圧ポンプおよび油圧モー
    タの可変容量制御を行う制御装置とを有してなる車両用
    油圧式無段変速機において、 車両停止状態で、エンジンスロットル開度が所定開度以
    上であり、且つ車両ブレーキが作動されているときに
    は、前記エンジンのスロットル開度と路面の傾斜に応じ
    た目標容量を設定し、前記油圧ポンプおよび油圧モータ
    の容量を前記目標容量とするように前記油圧ポンプおよ
    び油圧モータの可変容量制御を行うことを特徴とする車
    両用油圧式無段変速機の制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085402A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Yanmar Co Ltd 作業車両の変速装置
JP2009180354A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 無段変速機の変速制御方法
CN113874585A (zh) * 2019-05-21 2021-12-31 沃尔沃建筑设备公司 控制可旋转负载的方法、液压系统和作业机械

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