JP3458710B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP3458710B2
JP3458710B2 JP15612498A JP15612498A JP3458710B2 JP 3458710 B2 JP3458710 B2 JP 3458710B2 JP 15612498 A JP15612498 A JP 15612498A JP 15612498 A JP15612498 A JP 15612498A JP 3458710 B2 JP3458710 B2 JP 3458710B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機を搭載
された車両の要求車軸駆動トルクを、エンジン出力トル
クおよび無段変速比との組み合わせとして定めるように
した駆動力制御装置、特に、フリクションロスによる駆
動力制御精度への影響を考慮した車両の駆動力制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機や、トロイダル型
無段変速機に代表される無段変速機は、一般的にエンジ
ン要求負荷および車速から目標変速比を求め、実変速比
がこの目標変速比になるよう変速制御する。従って、運
転者がアクセルペダルを踏み込んでエンジン要求負荷を
増すような加速時は、目標変速比が大きくなる(低速側
の変速比になる)よう変更され、無段変速機は当該大き
くされた目標変速比へダウンシフト変速され、逆に運転
者がアクセルペダルを戻してエンジン要求負荷を低下さ
せるような低負荷運転時は、目標変速比が小さくなる
(高速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は
当該小さくされた目標変速比へアップシフト変速され
る。
【0003】一方で、車両の要求駆動力を求める技術と
しては従来、例えば特開平7−172217号公報に記
載されているように、車速とアクセルペダル踏み込み量
から、車輪に伝達すべき要求駆動力を求めるものがあ
る。
【0004】ところで、上記した一般的な無段変速機の
変速制御のみでは、上記の文献による技術で求めた要求
駆動力を正確に実現することができないし、ましてや、
無段変速機の変速制御のみでは如何にしても、例えば求
めた要求駆動力をエンジンの燃費が最低になるような態
様で実現することは不可能である。
【0005】そこで従来、例えば特開昭62−1105
36号公報に記載されているように、図4に示すごとき
変速制御およびエンジン出力制御を統合的に行わせ得る
ようにした駆動力制御技術が提案されている。
【0006】図4において、ブロックAは車速VSPお
よびアクセルペダル踏み込み量(アクセルペダル操作
量)APSから要求駆動トルクを求め、ブロックBはこ
の要求駆動トルクおよび車速VSPから、当該要求駆動
トルクを最低燃費で達成する最適燃費目標変速比を求め
て無段変速機の変速制御に資する。またブロックCは、
要求駆動トルクおよび変速比から目標エンジントルクを
求め、ブロックDは目標エンジントルクおよびエンジン
回転数から、目標エンジントルクを実現するための目標
スロットル開度を求めてエンジンの出力制御に資する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、目標駆動ト
ルクが小さな領域においては実駆動トルクも小さくて、
エンジンや無段変速機のフリクションロスが駆動トルク
に対し大きな影響を及ぼし、結果として駆動力制御精度
の低下により当該制御が狙い通りのものにならず、車両
の運転性が損なわれるという問題が懸念される。目標駆
動トルクが大きな領域においては実駆動トルクも大きく
て、従ってこれに対するフリクションロスの影響が少な
く殆ど無視できる範囲であることを確かめた。
【0008】請求項1に記載の第1発明は、フリクショ
ンロスの影響が問題となるトルク領域においては目標エ
ンジン出力トルクを、要求車軸駆動トルクからでなく、
アクセルペダル踏み込み量から求めるようにしてフリク
ションロスによる影響を受けなくし、もって上述の問題
を解消することを目的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、フリクショ
ンロスの影響が問題となるトルク領域の判定資料を第1
発明とは異なるものとすることを目的とする。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、フリクショ
ンロスの影響が問題となるトルク領域の判定に際して用
いるべき設定トルクの最適なものを提案することを目的
とする。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、フリクショ
ンロスの影響が問題となるトルク領域の判定を、エンジ
ン回転数の如何にかかわらず正確に行い得るようにする
ことを目的とする。
【0012】請求項5に記載の第5発明は、ガソリンエ
ンジンにおいて有用なエンジン出力制御を提案すること
を目的とする。
【0013】請求項6に記載の第6発明は、ディ−ゼル
エンジンにおいて有用なエンジン出力制御を提案するこ
とを目的とする。
【0014】請求項7に記載の第7発明は、フリクショ
ンロスの影響が問題とならないトルク領域において用い
る、要求車軸駆動トルクに対応した第1の目標エンジン
出力トルクを簡単に求め得るようにすることを目的とす
る。
【0015】請求項8に記載の第8発明は、フリクショ
ンロスの影響が問題となるトルク領域において用いる、
アクセルペダル操作量に対応した第2の目標エンジン出
力トルクを簡単に求め得るようにすることを目的とす
る。
【0016】請求項9に記載の第9発明は、第1および
第2の目標エンジン出力トルク間での切り換えが滑らか
に行われて、当該切り換え時にトルク段差によるショッ
クが発生することのないようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による車両の駆動力制御装置は、アクセルペ
ダル操作以外の因子によっても任意に出力トルクを変更
可能なエンジンと、無段変速機との組み合わせになるパ
ワートレーンを搭載した車両において、アクセルペダル
操作量および車速から要求車軸駆動トルクを求め、該要
求車軸駆動トルクおよび車速を基に演算した目標変速比
となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、前
記要求車軸駆動トルクが設定トルク以上の場合は前記要
求車軸駆動トルクに対応した第1の目標エンジン出力ト
ルクを発生するよう、しかし前記要求車軸駆動トルクが
該設定トルク未満の場合は前記アクセルペダル操作量に
対応した第2の目標エンジン出力トルクを発生するよう
前記エンジンを出力制御する構成にしたことを特徴とす
るものである。
【0018】第2発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明において、前記要求車軸駆動トルクに代え前記
第1の目標エンジン出力トルクを前記設定トルクと対比
して、前記第1の目標エンジン出力トルクまたは第2の
目標エンジン出力トルクを選択するよう構成したことを
特徴とするものである。
【0019】第3発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明または第2発明において、前記設定トルクをフ
リクションロスによる駆動力制御精度の低下が問題とな
らないトルク範囲の下限値に対応させたことを特徴とす
るものである。
【0020】第4発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記設定ト
ルクをエンジン回転数の上昇につれて小さくなるトルク
値としたことを特徴とするものである。
【0021】第5発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記エンジ
ンの出力制御をスロットル開度の操作により実現するよ
う構成したことを特徴とするものである。
【0022】第6発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記エンジ
ンの出力制御を燃料噴射量の操作により実現するよう構
成したことを特徴とするものである。
【0023】第7発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、前記第1の
目標エンジン出力トルクを前記要求車軸駆動トルクと、
無段変速機の変速比と、エンジンおよび無段変速機間に
おける動力断接手段のトルク比とから演算するよう構成
したことを特徴とするものである。
【0024】第8発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第7発明のいずれかにおいて、前記第2の
目標エンジン出力トルクを前記アクセルペダル操作量
と、エンジン回転数とから演算するよう構成したことを
特徴とするものである。
【0025】第9発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第8発明のいずれかにおいて、前記第1の
目標エンジン出力トルクおよび第2の目標エンジン出力
トルクとの間の切り換えを所定時間かけて滑らかに行わ
せるよう構成したことを特徴とするものである。
【0026】
【発明の効果】エンジンはアクセルペダル操作以外の因
子によっても任意に出力トルクを変更することができ、
かかるトルク制御が可能なエンジンからの出力は無段変
速機により変速されてパワートレーンの出力となる。と
ころで第1発明においては、アクセルペダル操作量およ
び車速から要求車軸駆動トルクを求め、この要求車軸駆
動トルクおよび車速を基に演算した目標変速比となるよ
う無段変速機を変速制御する。そして上記要求車軸駆動
トルクが設定トルク以上の場合は上記要求車軸駆動トル
クに対応した第1の目標エンジン出力トルクを発生する
ようエンジンを出力制御する。これらエンジン出力制御
および変速制御によりエンジンおよび無段変速機を、上
記の要求車軸駆動トルクが例えば最低燃費で実現される
よう統合制御し得ることとなる。
【0027】他方で要求車軸駆動トルクが上記設定トル
ク未満の場合は、要求車軸駆動トルクではなくアクセル
ペダル操作量に対応した第2の目標エンジン出力トルク
を発生するようエンジンを出力制御する。よって、エン
ジンや無段変速機のフリクションロスによる影響で前記
の駆動力制御が不正確になる小トルク領域においては、
アクセルペダル踏み込み量に対応したエンジン出力トル
クとなるようエンジンが出力制御され、フリクションロ
スによる影響を受けなくて前述の問題を解消することが
できる。
【0028】なお上記の作用効果は、第2発明のごとく
上記要求車軸駆動トルクに代え上記第1の目標エンジン
出力トルクを前記設定トルクと対比して、第1の目標エ
ンジン出力トルクまたは第2の目標エンジン出力トルク
を選択するようにしても同様に達成することができる。
【0029】第3発明においては、前記設定トルクをフ
リクションロスによる駆動力制御精度の低下が問題とな
らないトルク範囲の下限値に対応させたから、フリクシ
ョンロスの影響が問題となるトルク領域の判定に際して
用いる設定トルクが最適なものとなり、当該判定を正確
にし得て第1発明の前記作用効果を更に顕著なものにす
ることができる。
【0030】第4発明においては、前記設定トルクをエ
ンジン回転数の上昇につれて小さくなるトルク値とした
から、フリクションロスの影響が問題となるトルク領域
がエンジン回転数の上昇につれて小さくなるのに良く符
合して、当該トルク領域の判定をエンジン回転数の如何
にかかわらず正確に行い得ることとなり、第2の目標エ
ンジン出力トルクが不必要に選択される弊害を回避する
ことができる。
【0031】第5発明においては、前記エンジンの出力
制御をスロットル開度の操作により実現するから、ガソ
リンエンジン搭載車に有用な駆動力制御装置となし得
る。
【0032】第6発明においては、前記エンジンの出力
制御を燃料噴射量の操作により実現するから、ディ−ゼ
ルエンジン搭載車に有用な駆動力制御装置となし得る。
【0033】第7発明においては、前記第1の目標エン
ジン出力トルクを前記要求車軸駆動トルクと、無段変速
機の変速比と、エンジンおよび無段変速機間における動
力断接手段のトルク比とから演算するために、フリクシ
ョンロスの影響が問題とならないトルク領域において用
いる、要求車軸駆動トルクに対応した第1の目標エンジ
ン出力トルクを簡単に求めることができる。
【0034】第8発明においては、前記第2の目標エン
ジン出力トルクを前記アクセルペダル操作量と、エンジ
ン回転数とから演算するために、フリクションロスの影
響が問題となるトルク領域において用いる、アクセルペ
ダル操作量に対応した第2の目標エンジン出力トルクを
簡単に求めることができる。
【0035】第9発明においては、前記第1の目標エン
ジン出力トルクおよび第2の目標エンジン出力トルクと
の間の切り換えを所定時間かけて滑らかに行わせるか
ら、第1および第2の目標エンジン出力トルク間での切
り換えが滑らかに行われて、当該切り換え時にトルク段
差によるショックが発生することのないようにすること
ができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる駆動力制御装置を具えた車両のパワートレーン
と、その制御系を示し、該パワートレーンをエンジン1
と無段変速機2とで構成する。エンジン1はガソリンエ
ンジンとするも、運転者が操作するアクセルペダル3に
リンク連結せず、これから切り離されて、モータ4によ
り開度を電子制御されるようにしたスロットルバルブ5
を具え、モータ4を目標スロットル開度(TVO* )指
令に対応した回転位置にすることでスロットルバルブ5
を目標スロットル開度TVO* にして、エンジン1の出
力を、アクセルペダル操作以外の因子によっても制御し
得るようなものとする。
【0037】無段変速機2は周知のVベルト式無段変速
機とし、動力断接手段としてのトルクコンバータ6を介
してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプ
ーリ7と、これに整列配置したセカンダリプーリ8と、
これら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具える。
そして、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ
組10を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動
結合し、これらにより図示せざる車輪を回転駆動するも
のとする。
【0038】無段変速機2の変速のために、プライマリ
プーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を
形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の
固定フランジに対して相対的に接近してV溝幅を狭めた
り、離反してV溝幅を広め得るようにし、両可動フラン
ジを、目標変速比(i* )指令に応動する油圧アクチュ
エータ12からのプライマリプーリ圧Ppri およびセカ
ンダリプーリ圧Psec に応じた位置に変位させること
で、無段変速機2を実変速比が目標変速比i* に一致す
るよう無段変速させ得るものとする。
【0039】目標スロットル開度TVO* および目標変
速比i* はそれぞれ、コントローラ13により演算して
求めることとする。これがためコントローラ13には、
アクセルペダル3の踏み込み位置(アクセルペダル操作
量)APSを検出するアクセルペダル操作量センサ14
からの信号と、エンジン回転数Ne を検出するクランク
角センサ15からの信号と、スロットル開度TVOを検
出するスロットル開度センサ16からの信号と、プライ
マリプーリ7の回転数である変速機入力回転数Ni を検
出する変速機入力回転センサ17からの信号と、セカン
ダリプーリ8の回転数である変速機出力回転数No を検
出する変速機出力回転センサ18からの信号と、車速V
SPを検出する車速センサ19からの信号とをそれぞれ
入力する。
【0040】コントローラ13はこれら入力情報を基
に、図2に機能別ブロック線図で示すように無段変速機
2の変速制御およびエンジン1のスロットル開度(出
力)制御を以下のごとくに行って、本発明が狙いとする
車両の駆動力制御を実行する。図2は、無段変速機2の
ための目標変速比演算ブロック30およびエンジン1の
ための目標エンジン出力トルク演算ブロック40で構成
する。
【0041】先ず目標変速比演算ブロック30を説明す
るに、要求車軸駆動トルク演算部31では、センサ14
により検出したアクセルペダル操作量APSおよびセン
サ19により検出した車速VSPを基に、例えば前記特
開平7−172217号公報に記載されている方法によ
り、車両の運転状態や走行条件に応じた必要最小限の要
求車軸駆動トルクTo * を求める。目標変速比演算部3
2では、要求車軸駆動トルクTo * および車速VSPか
ら、例えば現在の車速VSPのもと要求車軸駆動トルク
o * を最低燃費で発生させるための目標変速機入力回
転数Ni * をマップ検索し、この目標変速機入力回転数
i * とセンサ18で検出した変速機出力回転数No
を用いて、目標変速比i* をi* =Ni * /No の演算
により算出する。
【0042】この目標変速比i* は無段変速機2の図1
に示す油圧アクチュエータ12に出力され、この無段変
速機を目標変速比i* となるよう、つまり変速機入力回
転数が目標値Ni * となるよう変速制御する。
【0043】次に目標エンジン出力トルク演算ブロック
40を説明するに、速度比演算部41では、センサ1
5,17で検出したエンジン回転数Ne (トルクコンバ
ータ6の入力回転数)および変速機入力回転数Ni (ト
ルクコンバータ6の出力回転数)からトルクコンバータ
6の速度比eをe=Ni /Ne を算出し、トルク比演算
部42では、トルクコンバータ6の図3にaで例示した
ような性能線図に対応するマップを基に速度比eからト
ルクコンバータ6のトルク比tを検索して求める。な
お、エンジン1および無段変速機2間の動力断接手段が
トルクコンバータ6でなくクラッチである場合、速度比
eとトルク比tとの関係は図3にbで例示したようなも
のとなり、これに対応するマップを基にトルク比tを検
索する。
【0044】変速比演算部43では、無段変速機2の出
力回転数No に対する入力回転数N i の比である変速比
iをi=Ni /No の演算により算出する。割り算器4
4,45は第1目標エンジン出力トルク算出部を構成す
るもので、前記した要求車軸駆動トルクTo * を順次ト
ルク比tおよび変速比iで除算することにより、要求車
軸駆動トルクTo * のための第1の目標エンジン出力ト
ルクTe1 * を求め、第2の目標エンジン出力トルク算出
部46は、アクセルペダル操作量APSおよびエンジン
回転数Ne から、アクセルペダル操作量APSに対応し
た第2の目標エンジン出力トルクTe2 * をマップ検索す
る。
【0045】目標エンジン出力トルク選択部47は、要
求車軸駆動トルクTo * が、設定トルク算出部48で定
めた設定トルクTeS以上である場合、第1の目標エンジ
ン出力トルクTe1 * を目標エンジン出力トルクTe *
して出力し、要求車軸駆動トルクTo * が設定トルクT
eS未満である場合、第2の目標エンジン出力トルクT e2
* を目標エンジン出力トルクTe * として出力する。こ
こで設定トルク算出部48は設定トルクTeSを、エンジ
ン1や無段変速機2のフリクションによる駆動力制御精
度の低下が問題とならないトルク範囲の下限値に対応さ
せるものとし、当該トルク範囲がエンジン回転数Ne
上昇につれて広がることから、設定トルク算出部48は
エンジン回転数Ne の上昇につれて設定トルクTeSを小
さくすることとする。
【0046】目標エンジン出力トルク選択部47で決定
された目標エンジン出力トルクTe * は目標スロットル
開度演算部49に入力され、この演算部49は目標エン
ジン出力トルクTe * およびエンジン回転数Ne から目
標エンジン出力トルクTe *を発生させるための目標ス
ロットル開度TVO* を求めて、これを図1に示すエン
ジン1のモータ4に指令し、スロットルバルブ5を目標
スロットル開度TVO * となるよう開度制御することに
よりエンジン1の出力制御を行う。
【0047】ところで本実施の形態においては、アクセ
ルペダル操作量APSおよび車速VSPから要求車軸駆
動トルクTo * を求め、この要求車軸駆動トルクTo *
および車速VSPを基に演算した目標変速比i* となる
よう無段変速機2を変速制御し、そして要求車軸駆動ト
ルクTo * が設定トルクTeS以上の場合は要求車軸駆動
トルクTo * に対応した第1の目標エンジン出力トルク
e1 * を発生させるようエンジン1を出力制御(スロッ
トル開度制御)するから、これらエンジン出力制御およ
び変速制御によりエンジン1および無段変速機2を、要
求車軸駆動トルクTo * が例えば前記したように最低燃
費で実現されるよう統合制御することができる。
【0048】他方で要求車軸駆動トルクTo * が上記設
定トルクTeS未満の場合は、要求車軸駆動トルクTo *
ではなくアクセルペダル操作量APSに対応した第2の
目標エンジン出力トルクTe2 * を発生するようエンジン
1を出力制御(スロットル開度制御)する。よって、エ
ンジンや無段変速機のフリクションロスによる影響で前
記の駆動力制御が不正確になる小トルク領域において
は、アクセルペダル踏み込み量APSに対応したエンジ
ン出力トルクとなるようエンジンが出力制御されること
となり、小トルク領域でフリクションロスによる影響を
受けることがなく、当該小トルク域で運転性が悪化する
という前記の問題を解消することができる。
【0049】また設定トルクTeSを、上記フリクション
ロスによる駆動力制御精度の低下が問題とならないトル
ク範囲の下限値に対応させたり、エンジン回転数の上昇
につれて小さくすることから、フリクションロスの影響
が問題となるトルク領域の判定に際して用いる設定トル
クTeSが最適なものとなり、当該判定を正確にし得て上
記の作用効果を更に顕著なものにすることができると共
に、第2の目標エンジン出力トルクTe2 * が不必要に選
択される弊害を回避することができる。
【0050】なお上記した実施の形態においては、要求
車軸駆動トルクTo * を設定トルクTeSと対比させて、
第1の目標エンジン出力トルクTe1 * または第2の目標
エンジン出力トルクTe2 * のいずれを目標エンジン出力
トルクTe * とするかを決定していたが、要求車軸駆動
トルクTo * に代えて第1の目標エンジン出力トルクT
e1 * を対応する設定トルクと対比することにより目標エ
ンジン出力トルクTe * を決定しても前記したと同様の
作用効果を奏し得る。
【0051】更にエンジンの出力制御をスロットル開度
の操作により実現する図示した実施の形態は、エンジン
1が上記したようにガソリンエンジンである場合に有用
であるが、ディ−ゼルエンジンの場合はその出力トルク
が燃料噴射量に比例するから、スロットル開度に代えて
燃料噴射量を操作することでエンジンの出力制御を行う
のが有利である。
【0052】なお図示しなかったが、目標エンジン出力
トルク選択部47が目標エンジン出力トルクTe * を第
1の目標エンジン出力トルクTe1 * と第2の目標エンジ
ン出力トルクTe2 * との間で切り換えるに際しては、以
下により当該切り換えが滑らかになされるようにするの
が有利である。つまり、要求車軸駆動トルクTo * が設
定トルクTeS未満の値から設定トルクTeS以上の値に増
大したのに呼応して目標エンジン出力トルク選択部47
が、目標エンジン出力トルクTe * を第2の目標エンジ
ン出力トルクTe2 * から第1の目標エンジン出力トルク
e1 * へ切り換える時は、目標エンジン出力トルクTe
* を時系列的に、 Te * =(1−K)・Te2 * +K・Te1 * により決定し、逆に、要求車軸駆動トルクTo * が設定
トルクTeS以上の値から設定トルクT eS未満の値に低下
したのに呼応して目標エンジン出力トルク選択部47
が、目標エンジン出力トルクTe * を第1の目標エンジ
ン出力トルクTe1 * から第2の目標エンジン出力トルク
e2 * へ切り換える時は、目標エンジン出力トルクTe
*を時系列的に、 Te * =(1−K)・Te1 * +K・Te2 * により決定することとする。ここでKは所定時間内に徐
々に0から1になる係数とする。
【0053】かかる目標エンジン出力トルクTe * の切
り換え時の決定方式によれば、前者の場合目標エンジン
出力トルクTe * が上記の所定時間をかけて第2の目標
エンジン出力トルクTe2 * から第1の目標エンジン出力
トルクTe1 * へ滑らかに切り換わり、後者の場合目標エ
ンジン出力トルクTe * が上記の所定時間をかけて第1
の目標エンジン出力トルクTe1 * から第2の目標エンジ
ン出力トルクTe2 * へ滑らかに切り換わることとなり、
第1および第2の目標エンジン出力トルク間での切り換
えが滑らかに行われて、当該切り換え時にトルク段差に
よるショックが発生することのないようにすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる駆動力制御装置を
具えた無段変速機搭載車のパワートレーンを、その制御
システムと共に示す概略説明図である。
【図2】同実施の形態においてコントローラが実行する
変速制御およびスロットル開度制御の機能別ブロック線
図である。
【図3】エンジンおよび無段変速機間に介挿した動力断
接手段がトルクコンバータである場合と、クラッチであ
る場合とについて、その速度比およびトルク比間の関係
線図である。
【図4】従来の車両駆動力制御装置を例示するブロック
線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 無段変速機 3 アクセルペダル 4 モータ 5 電子制御スロットルバルブ 6 トルクコンバータ(動力断接手段) 7 プライマリプーリ 8 セカンダリプーリ 9 Vベルト 10 ファイナルドライブギヤ組 11 ディファレンシャルギヤ装置 12 油圧アクチュエータ 13 コントローラ 14 アクセルペダル操作量センサ 15 クランク角センサ 16 スロットル開度センサ 17 変速機入力回転センサ 18 変速機出力回転センサ 19 車速センサ 30 目標変速比演算ブロック 31 要求車軸駆動トルク演算部 32 目標変速比演算部 40 目標エンジン出力トルク演算ブロック 41 速度比演算部 42 トルク比演算部 43 変速比演算部 44 割り算器(第1の目標エンジン出力トルク算出部) 45 割り算器(第1の目標エンジン出力トルク算出部) 46 第2の目標エンジン出力トルク算出部 47 目標エンジン出力トルク選択部 48 設定トルク算出部 49 目標スロットル開度演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/04 330 F02D 41/04 330G F16H 9/00 F16H 9/00 E // F16H 59:18 59:18 59:44 59:44 (56)参考文献 特開 昭63−222943(JP,A) 特開 平9−240322(JP,A) 特開 平2−136339(JP,A) 特開 平9−303541(JP,A) 特開 平3−182662(JP,A) 特開 平11−1135(JP,A) 特開 平11−125128(JP,A) 特開 平11−129784(JP,A) 特開 平11−278106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/12 F02D 29/00 F02D 41/04 330 F16H 9/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダル操作以外の因子によって
    も任意に出力トルクを変更可能なエンジンと、無段変速
    機との組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両
    において、 アクセルペダル操作量および車速から要求車軸駆動トル
    クを求め、該要求車軸駆動トルクおよび車速を基に演算
    した目標変速比となるよう前記無段変速機を変速制御す
    るとともに、 前記要求車軸駆動トルクが設定トルク以上の場合は前記
    要求車軸駆動トルクに対応した第1の目標エンジン出力
    トルクを発生するよう、しかし前記要求車軸駆動トルク
    が該設定トルク未満の場合は前記アクセルペダル操作量
    に対応した第2の目標エンジン出力トルクを発生するよ
    う前記エンジンを出力制御する構成にしたことを特徴と
    する車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記要求車軸駆動ト
    ルクに代え前記第1の目標エンジン出力トルクを前記設
    定トルクと対比して、前記第1の目標エンジン出力トル
    クまたは第2の目標エンジン出力トルクを選択するよう
    構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記設定ト
    ルクをフリクションロスによる駆動力制御精度の低下が
    問題とならないトルク範囲の下限値に対応させたことを
    特徴とする車両の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記設定トルクをエンジン回転数の上昇につれて小
    さくなるトルク値としたことを特徴とする車両の駆動力
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記エンジンの出力制御をスロットル開度の操作に
    より実現するよう構成したことを特徴とする車両の駆動
    力制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記エンジンの出力制御を燃料噴射量の操作により
    実現するよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制
    御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項におい
    て、前記第1の目標エンジン出力トルクを前記要求車軸
    駆動トルクと、無段変速機の変速比と、エンジンおよび
    無段変速機間における動力断接手段のトルク比とから演
    算するよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項におい
    て、前記第2の目標エンジン出力トルクを前記アクセル
    ペダル操作量と、エンジン回転数とから演算するよう構
    成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項におい
    て、前記第1の目標エンジン出力トルクおよび第2の目
    標エンジン出力トルクとの間の切り換えを所定時間かけ
    て滑らかに行わせるよう構成したことを特徴とする車両
    の駆動力制御装置。
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