JP2000249182A - ロータリダンパ - Google Patents

ロータリダンパ

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JP2000249182A
JP2000249182A JP11050308A JP5030899A JP2000249182A JP 2000249182 A JP2000249182 A JP 2000249182A JP 11050308 A JP11050308 A JP 11050308A JP 5030899 A JP5030899 A JP 5030899A JP 2000249182 A JP2000249182 A JP 2000249182A
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vane
liquid
chamber
case
movable
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JP11050308A
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Hiroo Mizuno
弘雄 水野
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Taiyo Parts Co Ltd
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Taiyo Parts Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体が封入される液体室を具備する密閉状の
ケースと、固定ベーンと、前記液体室を2室に仕切るよ
うに設けられる可動ベーンと、オリフィスを有するベー
ン部材と、前記ケースの上部開放端に螺合される蓋部材
からなるロータリダンパにおいて、大きな回転角度を伴
う回動運動に対応すすために回転軸の回動範囲を大きく
確保し、且つ、簡易な構造によりロータリダンパーの耐
久性の向上を図ること。 【解決手段】 前記固定ベーン又は前記可動ベーンに形
成される中空のベーン室が設けられ、前記ベーン部材が
半径方向の両端部でベーン室内面と摺動し且つ周方向に
移動可能に前記ベーン室収容され、前記ベーン部材に
は、オリフィス、流通孔が貫通成形され、前記ベーン部
材又は前記対向内面のいずれか一方又は両方に突起が設
けられ、他方にシール面を具備させたロータリダンパ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 回転対象物の運動
を減衰させるためのロータリダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】常に開又は閉状態を維持するために具備
されたバネ機構や重力の付勢力によって、人手を要する
ことなく強制的に閉じる扉や蓋等を備えた装置や器具に
おいて、前記扉や蓋等が付勢力開閉される場合には、前
記付勢力による動作域の終点で急停止することとなるか
ら、大きな衝突音が生じたり、衝突時の反動で扉や蓋等
が逆戻りしたりすると共に、前記扉や蓋等又はこれらの
回転運動を支える基軸部が衝撃を受けて破損する原因に
もなる。
【0003】このような問題を解決する手段として、前
記扉や蓋等と衝突部の間に緩衝材(弾性体やスプリン
グ)を介在させて衝撃を吸収させたり、前記付勢力に基
づく余剰な運動を減衰させることができるロータリダン
パ等の配設が用いられている。後者の前記ロータリダン
パは、前者の緩衝材等を用いる場合に比較して前記扉や
蓋等が回転運動による開閉を緩やかにすることが出来る
ため、住居や部屋の扉を始め、家具や収納器具等の家庭
用品から事務用機器、大型機械等の開閉部又は上下動作
部に幅広く用いられている。
【0004】このようなロータリダンパの一つとして、
減衰媒体として液体を用い、回転軸に連接された可動ベ
ーンの回動によって圧縮された液体の流量を固定ベーン
又は弁部材に設けられたオリフィスによって調節し、回
転運動の減衰を行うロータリダンパが、特開昭63-79440
に提案されている。この従来技術のロータリダンパにお
いては、ケース周壁に設けられた溝に嵌合された固定ベ
ーンによって2つに区画された液体室が設けられ、前記
固定ベーンに各液体室に面する両側面を貫通する大小2
つのオリフィスが上下二段に設けられる共に、上段に位
置する大径オリフィス側には、圧縮液体の圧力の方向に
よって前記大径オリフィスを開閉する弁が設けられてい
る。前記弁は前記固定ベーンの上面に支持される薄板状
の支持部と、前記支持部の一方の側縁にヒンジを介して
連設され固定ベーンの側面に沿って垂下する開閉弁部か
らなり、前記支持部が前記固定ベーンと蓋部との間に介
在されるスぺーサー下面と固定ベーン上面間に挟持固定
される構成となっている。
【0005】回転軸及び可動ベーンが一体的に一方に回
動されて前記開閉弁部が配設される側の一方の液体室が
加圧されると、前記弁の開閉部は前記固定ベーン側面に
圧接され大径オリフィスが閉塞されるため、液体の通過
は下段に設けられた小径オリフィスのみに限られるため
液体の前記通過抵抗は大きく、可動ベーン及び回転軸の
回転抵抗は大きなものとなる。従って、付勢力によって
前記一方の回動が行われるときの回動の速さは減衰され
る。
【0006】一方、前記回転方向と逆向きに回転する場
合には、大径オリフィスの他方の液体室側の開口端部か
ら流入した圧縮液体が前記一方の液体室の開口端部を閉
塞する開閉弁部を押し開き、前記大径オリフィスが開放
されて液体の流通は大小両方オリフィスから行われるた
め、液体の通過抵抗が大幅に減じられ、可動ベーンの回
転方向の抵抗は少なく、軽い力で回転する。これより、
回転対象物の回転方向に応じてその回転運動を減衰でき
るようになっている。
【0007】ところが、回転運動の度に開閉が繰返され
る前記開閉弁のヒンジ部に負荷や疲労が蓄積され、開閉
動作又は開閉状態の維持、つまり、圧縮液体の流量調節
に不具合が生じることにより減衰機能が低下することが
考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、『頂壁、底
壁及び周壁よりなり液体が封入される液体室を具備する
密閉状のケースと、前記ケースの周壁内面に突出形成さ
れる固定ベーンと、前記液体室を2室に仕切るように設
けられ前記固定ベーンと前記ケース周壁及び前記頂壁、
底壁とに内接した状態で回転する可動ベーンと、前記液
体を前記2室間で流通させるオリフィスを有するベーン
部材と、前記可動ベーン及び固定ベーンの頂部と摺接す
るように前記ケースの上部開放端に螺合される蓋部材か
らなるロータリダンパ』において、大きな回転角度を伴
う回動運動に対応すすために回転軸の回動範囲を大きく
確保し、且つ、簡易な構造によりロータリダンパーの耐
久性の向上を図ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】*1項 上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、『前
記固定ベーン又は前記可動ベーンには液体通過孔を具備
しケースの周方向にて対向する一対の対向内面により形
成される中空のベーン室が設けられ、前記ベーン室には
前記ベーン部材が半径方向の両端部でベーン室内面と摺
動し且つ周方向に移動可能に収容され、前記ベーン部材
には、前記液体通過孔と一致するようにオリフィスが貫
通成形され、前記液体通過孔から外れた位置に液体の流
通孔がさらに設けられ、前記ベーン部材の前記周方向の
一方の端面又はこれに対面する一方の前記対向内面のい
ずれか一方又は両方にベーン部材の流通孔の端部を開放
状態に浮き上がらせる突起が設けられ、他方の端面に対
向する他方の前記対向内面には、前記流通孔の開放端を
閉鎖し得るシール面を具備させた』ことである。前記ベ
ーン室は、前記固定ベーン又は可動ベーン内部に設けら
れる中空でも、前記対向内面によって包囲される空室で
あってもよい。
【0010】上記技術的手段は次のように作用する。ベ
ーン部材は、ベーン室内に移動可能に収容されるため、
可動ベーンの回動により2室に区画された液体室の方が
圧縮され、一方から他方へ流れ込もうとする液体の圧力
によって前記ベーン部材はベーン室内において対向内面
の前記他方側に押付けられるように移動される。また、
前記ベーン部材には、前記対向内面の液体通過孔と一致
するオリフィスと前記液体通過孔から外れた流通孔がそ
れぞれ設けられているため、可動ベーンの回動により前
記ベーン部材が対向内面の前記一方に押付けられると、
前記ベーン部材に設けられる液体の流通孔はその流出口
を前記シール面により閉塞され、オリフィスのみを介し
て前記一方から前記他方の液体室への圧縮液体の流通が
行われるため、液体の通過抵抗が大きく、可動ベーンの
回転運動に対して回転抵抗が生じる。
【0011】一方、前記回転と逆方向の回転運動により
前記ベーン部材と前記他方の対向内面が接触するとき
は、前記ベーン部材が前記突起によって前記他方の対向
内面から浮き上がった状態に維持されるため、前記流通
孔の流出口が開放され、圧縮された液体は前記流通孔及
び前記オリフィスの両方から前記一方の液体室へと流れ
込むことができるため、液体の流通抵抗は大幅に減じら
れ、回転抵抗も小さくなる。
【0012】前記可動ベーンの回転軸部はケースの外側
に露出又は突出するから、相対回転する部材の一方に前
記ケースを取付け、他方を回転軸部に固定して用いられ
る。以上の作用から、前記部材の往復回転において一方
には軽く(早く)回転するが、他方には大きな抵抗ゆえ
にゆっくりと(遅く)回転する動作が得られる。従っ
て、前記他方への回転をバネ等の付勢力によって付与す
る開閉ドアとした場合、手動開放が軽く、閉動作がゆっ
くりと行われる。
【0013】
【発明の効果】本発明は、上記構成であるから次の特有
の効果を有する。可動ベーン又は固定ベーンの内部にベ
ーン室を設け、前記ベーン室にベーン部材を収容させる
簡単な構成によりその回転運動を減衰させることができ
るため、減衰媒体(液体)が充填される液体室及びケー
ス内部の機構が単純である。
【0014】回転軸の回動範囲(回動角度)を大きく取
れるため、大きな回転角度を伴う回転運動に対しても十
分な減衰力を発揮する。また、圧縮液体の流通調節のた
めに液体流通部やオリフィス等の開閉機構の付設が不要
であるため、前記開閉機構の劣化や故障よる減衰機能の
低下がなく、耐久性の高いロータリーダンパを得ること
ができる。 [その他] *2項、 1項において、『前記頂壁は取外し可能に設けられ、前
記ベーン室は、前記ケースの軸方向の少なくとも頂壁側
に開放する中空室であり、前記ベーン室を構成する一対
の前記対向内面は平面に形成され、前記ベーン部材は、
前記対向内面に対面する前記周方向の一方の端面は平面
であり他方の端面には突起を配設するように形成され、
前記ベーン部材が、前記ベーン室の開放端より取外し可
能に収容される構成』としたことにより、頂壁を取外す
とベーン室が開放状態となり、開放端よりベーン部材を
取外し、周方向の取付け姿勢を反転させると、前記対向
内面は平面でベーン部材の前記端面の一方は平面であ
り、他方は突起が設けられているため、可動ベーンが回
動するときベーン部材に設けられた突起によって流通状
態に浮き上がる流通孔の端部が反転前と逆になると共
に、シール面によって閉じられる方向も逆になるため、
回転運動を減衰させる液体抵抗が生じる方向も逆向きと
なる。これより、前記ベーン部材の端面を反転させるだ
けでロータリダンパの減衰機能の方向を容易に変更する
ことができる。 *3項、 1項又は2項において、『前記ベーン室は、前記可動ベ
ーンに設けられた半径方向外側及び回転軸線方向両側に
開放する凹部であり、前記ベーン部材の半径方向の一端
が前記ケース周壁内面に対して、又は、他端が前記凹部
の半径方向内側の壁面に対して摺接すると共に、前記回
転軸線方向の上側において前記蓋部材からなる頂壁面、
及び、下側においてケース底壁面に摺接する構成』とし
たことにより、ベーン部材自体が半径方向の両端面にお
いて一方を可動ベーンの凹部の半径方向内側の壁面、他
方をケース周壁内面に摺接され、また、軸線方向の両端
面が頂壁内面と底壁内面に摺接され、これにより、前記
ベーン部材によって液体室を2室に仕切る部位のシール
が確保されるため、前記ベーン部材が可動ベーンとケー
ス周壁内面との間のシールを確保するため別途シール手
段を設ける必要がない。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、上記した本発明の実施例を
図面に従って詳述する。 *概略 本発明の実施の形態の一例であるロータリーダンパの平
面断面図及び側面断面図を図1、図2にそれぞれ示して
いる。
【0016】この例のロータリーダンパは、有底円筒状
に成形されるケース(1) 内部に、減衰媒体である液体
(この例ではシリコン系オイル)が充填される液体室(1
0)と、前記ケース(1) の底壁の中央に設けた軸受穴(12)
からケース(1) の上部開放端(14)の上方まで垂直に延び
る回転軸(2) と、前記回転軸(2) と一体的に回動するよ
うに固定された可動ベーン(3) と、前記可動ベーン(3)
の回動端側から半径方向内側に凹ませて形成したベーン
室(6) と、ケース(1) の周壁から形成される空室に収容
されケース(1) 内周面に対して液密に摺動するベーン部
材(4) と、ケース(1) と一体的に設けられる固定ベーン
(5) 及び前記固定ベーン(5) と可動ベーン(3) を液密に
接触させるシール部材(50)が配設されており、ケース
(1) の上部開放端(14)には前記回転軸(2) をまわり対偶
に挿通させる円盤状の蓋部材が螺合された構成となって
いる。 *ケース 前記ケース(1) には、図2に示されるように、その周壁
内面の一部分から半径方向中心に向かって突出する断面
略扇形の固定ベーン(5) が一体的に設けられ、前記軸受
穴(12)は回転軸(2) を回動自在に保持する。前記上部開
放端(14)の内周面は、蓋(9) が螺合されるネジ部(15)が
形成されている。また、固定ベーン(5)、シール部材(5
0)及び可動ベーン(3) との間のシールを確保するため、
押え盤(8) 及びシール板(7) が前記蓋(9) の内面に接す
るように積層されている。更に、前記上部開放端(14)に
は外側に張り出す一対の取付片(11)が相互に対称となる
位置に一体的に成形されている。 *固定ベーンと可動ベーン 前記可動ベーン(3) は、回転軸(2) の角軸部(21)にすす
み対偶する基軸部(3a)と、これの半径方向外側に延びる
翼部(3b)とから構成され、前記翼部(3b)には半径方向外
側に開放し前記回転軸(2) の軸線方向の両側に開放する
ベーン室(6) が成形されている。前記ベーン室(6) の一
対の対向壁(31)の中央には、圧縮液体の流路である液体
流通孔(32)(32)がそれぞれ同位置に設けられている。
【0017】前記シール部材(50)は直方体状で、前記略
扇形の固定ベーン(5) の内側端部に開放するように設け
られた切込(51)に密に嵌入され、可動ベーン(3) の前記
基軸部(3a)の外周面と液密に摺接させている。また、可
動ベーン(3) の上下の端面は、シール板(7) とケース
(1) の底壁内面とに対して液密状態で摺動すようになっ
ている。
【0018】これにより、可動ベーン(3) が前記シール
板(7) と前記底壁内面に接触しながら回転軸(2) に連動
して回動するときも、前記可動ベーン(3) と前記固定ベ
ーン(5) との接触部から液体が漏れることがないため、
ケース(1) 内部は、固定ベーン(5) と可動ベーン(3) 及
びケース(1) 周壁内面によって囲まれる2つの液体室(1
0a)(10b)に区画される。この液体室(10a)(10b)相互は、
前記可動ベーン(3) に収容されるベーン部材(4) のオリ
フィス(40)と流通孔(41)を介してのみ互いに連通してい
る。この例において前記シール部材(50)には液密性の高
いニトリル系ゴム材が用いられている。 *ベーン部材 前記ベーン室(6) に収容されるベーン部材(4) は直方体
状の板状体であり、図3〜図5に示すように、前記対向
壁(31)(31)の液体流通孔(32)と一致する位置に可動ベー
ン(3) の回転方向(ケースの周方向)に貫通する液体の
流通路である小径のオリフィス(40)が設けられており、
前記液体流通孔(32)から対称に外れた位置に前記オリフ
ィス(40)よりも大径の4つの通過孔(41)(41)が設けられ
ている。
【0019】前記ベーン部材(4) の周方向の一方の端面
は、複数の突起(42)(42)を具備する突起面(45)であり、
図3(a) に示されるように、前記オリフィス(40)を中心
に、同図に示されるような略千鳥状に半球形の7つの突
起(42)(42)がベーン部材(4)と一体的に設けられてい
る。他方の端面は、図3(b) に示されるように平坦面(4
6)となっている。この例において突起(42)(42)は、ベー
ン部材に一体的に成形されているが、前記突起(42)(42)
は、対向内面(31a) 側に設けられるものでもよく、ま
た、流通孔(41)(41)と対向内面(31a) 間に間隙を生じさ
せ流出口を開放させるものであれば、その形状や付設方
法は問わない。
【0020】前記オリフィス(40)は突起面(45)側の孔径
は液体の流通を制限するために小さいが、平坦面(46)側
の孔は液体がスムーズに流通するようにその端部で漏斗
状に広がっている。 *回転軸と蓋部材 回転軸(2) は角軸部(21)以外の部分は円柱状に成形され
ており、ケース(1) の底壁内面の軸受穴(12)によって回
動自在に支持され、シール板(7) を可動ベーン(3) 、固
定ベーン(5) 及びシール部材(50)に押付ける押え盤(8)
との挿通部にOリング(80)が、また、ケース(1) の内周
面とのシール部にはOリング(81)がそれぞれ介在され、
回転対象物又は固定部との固定用固定端部(20)が前記押
え盤(8)、蓋(9) を貫通してケース(1) の上方に突出さ
れた構成となっている。 *使用例 この例のロータリダンパを、常に閉状態に維持しようと
する付勢力が働くバネ(S) を具備したドア(D1)における
使用例について説明する。
【0021】図6に示されるように、ロータリダンパ
は、そのケース(1) が取付片(11)(11)をネジ止めするこ
とによって前記ドア(D1)を取付けるための枠体(D2)に固
定され、ケース(1) の上方に突出された回転軸(2) の固
定端部(20)は、ドア(D1)の一端近傍の支点部に固定され
る。これにより、ドア(D1)の開閉動作は直接前記ロータ
リダンパの回転軸(2) に回転運動として伝達される。
【0022】この例のロータリダンパが配設されたドア
(D1)が、付勢力によって開状態から閉状態へと移動され
るとき、ドア(D1)の動作に連動してロータリダンパの回
転軸(2) 及び可動ベーン(3) は、図4(a) の矢印に示さ
れる方向へ回転運動する。これにより液体室(10b) の液
体が圧縮され、液体は他方の液体室(10a) への唯一の流
通路であるオリフィス(40)又は流通孔(41)から他方の液
体室(10a) に流入しようとする。このとき、図4(b) に
示されるように、可動ベーン(3) の回転運動によりベー
ン室(6) に収容されるベーン部材(4) はその平坦面(46)
側が対向内面(31a) に押付けられ、前記流通孔(41)の流
出口はシールされるため、液体の流通は前記液体流通孔
(32)に一致するオリフィス(40)のみとなる。
【0023】これにより、圧縮液体の流通抵抗が生じ可
動ベーン(3) の回転運動が減衰されるため、前記可動ベ
ーン(3) に連接された回転軸(2) に固定されるドア(D1)
に働く付勢力による移動速度は減速される。閉動作が遅
動され、緩やかに移動するため、ドア(D1)は大きな衝撃
や衝突音を発生させることなく枠体(D2)に納まる。一
方、閉状態にあるこのドア(D1)を前記バネ(S) の付勢力
に抗して開状態へと移動するとき、ドア(D1 ) の動作に
連動してロータリダンパの回転軸(2) 及び可動ベーン
(3) は、図5(a) の矢印に示される方向へ回転運動す
る。これにより、圧縮された液体は、液体室(10a) から
他方の液体室(10b) に流入しようとする。このとき、図
5(b) に示されるように、可動ベーン(3) の回転運動に
よって前記ベーン部材(4) はその突起面(45)が対向内面
(31a) に押付けられるが、突起(42)によって前記流通孔
(41)の流出口と対向内面(31a) との間に間隙が生じるた
め、圧縮液体は前記オリフィス(40)に加え前記流通孔(4
1)(41)からも流通できるため、回転運動に対する流通抵
抗が小さくなる。これより、ドア(D1)を開状態へ移動さ
せる運動は減衰されることがなく、ドア(D1)は大きな抵
抗なく開状態に移動できる。
【0024】上記のように作動するため、この例のドア
(D1)は、付勢力によって閉状態へ移動するときはゆっく
りと、人為的に開状態へ移動されるときはバネ(S) の付
勢力に抗して回動させる場合であっても素早く軽く動か
すことができる。この例のロータリダンパの圧縮液体の
流通量の調節は可動ベーン(3) 及びベーン部材(4) に設
けられた流通路による簡単な機構であるため、ケース
(1) 内に配設される部材が少なく液体室(10a)(10b)を大
きくできるため、可動ベーン(3) の回動範囲が従来のも
のより大きくなり、ドア(D1)等の回転対象物が大きな回
転運動を伴う場合にも十分対応することができる。ま
た、従来のように可動ベーン(3) やベーン部材(4) 等に
液体流通量を調節するための機械的機構の配設の必要が
ないため、前記機構の劣化や故障によるロータリダンパ
の動作の不具合がなく耐久性が高い。
【0025】また、前記ベーン室(6) は可動ベーン(3)
の回動端側から半径方向内側に凹ませて形成され、ま
た、軸線方向の両側に開放する構成であるため、ベーン
部材(4) は前記ケース(1) の周壁内面、底壁内面及び頂
壁内面であるシール板(7) の内面に対して液密に摺接
し、高いシール機能を発揮するため、従来のように可動
ベーン(3) とケース(1) の周壁内面との間にシール手段
を講じる必要がない。
【0026】また、この例のベーン室(6) は、可動ベー
ン(3) の頂部側に開放する構成であるため、その開放端
より前記ベーン室(6) の内部に収容されるベーン部材
(4) を容易に取外すことができる。図1に示される例に
おいて、ベーン部材(4) を取出し、その周方向の端面で
ある突起面(45)と平坦面(46)を反転させた後、再びベー
ン室(6) 内に収容させると図7に示されるようになり、
可動ベーン(3) が回転運動するときに流通抵抗を生じる
流通方向が、液体室(10b) →液体室(10a) (図1)から
液体室(10a) →液体室(10b)(図7) となるため、図1と
図7のロータリダンパは回転運動を減衰させる方向が互
いに逆になる。これより、この例のロータリダンパで
は、前記ベーン部材(4) の突起面(45)と平坦面(46)を反
転させるだけで減衰機能の方向を容易に変更することが
できる。
【0027】本発明は上記のロータリダンパの例に限ら
れるものでなく、図8に示すようにベーン部材(4) は可
動ベーン(3) の内部の中空室に設けられたベーン室(6)
に収容されるものであってもよい。また、前記ベーン部
材(4) は、ここには図示しないが、前記可動ベーン(4)
の例と同様に固定ベーン(5) の内部の中空室に設けられ
たベーン室(6) に収容されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のロータリーダンパの側面
断面図(図2のII−II線断面図)
【図2】図1のI−I線断面図
【図3】(a)同実施の形態に用いられるベーン部材の
突起面 (b)同実施の形態に用いられるベーン部材の平面
【図4】(a)同実施の形態において回転運動が減衰さ
れる方向へ回転する時の動きを示した断面図 (b)図4(a)の可動ベーン及びベーン部材のB−B
線断面図
【図5】(a)同実施の形態において回転運動が減衰さ
れない方向へ回転する時の動きを示した断面図 (b)図3(a)の可動ベーン及びベーン部材のB−B
線断面図
【図6】本発明の実施の形態に用いられるのロータリダ
ンパの使用例
【図7】本発明の実施の形態に用いられるの可動ベーン
部分の断面図
【図8】本発明の実施の形態に用いられるの可動ベーン
部分の断面図
【符号の説明】
(1)・・・ケース、(10)・・・ 液体室、(2)・・・回転軸、(3)・・・
可動ベーン、(31)・・・ 対向壁、(31a)・・・対向内面、(32)
・・・ 液体流通孔、(4)・・・ベーン部材、(40)・・・ オリフィ
ス、(41)・・・ 流通孔、(42)・・・ 突起、(5)・・・固定ベー
ン、(50)・・・ シール部材、(6)・・・ベーン室、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂壁、底壁及び周壁よりなり液体が封入
    される液体室を具備する密閉状のケースと、前記ケース
    の周壁内面に突出形成される固定ベーンと、前記液体室
    を2室に仕切るように設けられ前記固定ベーンと前記ケ
    ース周壁及び前記頂壁、底壁とに内接した状態で回転す
    る可動ベーンと、前記液体を前記2室間で流通させるオ
    リフィスを有するベーン部材と、前記可動ベーン及び固
    定ベーンの頂部と摺接するように前記ケースの上部開放
    端に螺合される蓋部材からなるロータリダンパにおい
    て、前記固定ベーン又は前記可動ベーンには液体通過孔
    を具備しケースの周方向にて対向する一対の対向内面に
    より形成される中空のベーン室が設けられ、前記ベーン
    室には前記ベーン部材が半径方向の両端部でベーン室内
    面と摺動し且つ周方向に移動可能に収容され、前記ベー
    ン部材には、前記液体通過孔と一致するようにオリフィ
    スが貫通成形され、前記液体通過孔から外れた位置に液
    体の流通孔がさらに設けられ、前記ベーン部材の前記周
    方向の一方の端面又はこれに対面する一方の前記対向内
    面のいずれか一方又は両方にベーン部材の流通孔の端部
    を開放状態に浮き上がらせる突起が設けられ、他方の端
    面に対向する他方の前記対向内面には、前記流通孔の開
    放端を閉鎖し得るシール面を具備させた、ロータリダン
    パ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記頂壁は取外し可
    能に設けられ、前記ベーン室は、前記ケースの軸方向の
    少なくとも頂壁側に開放する中空室であり、前記ベーン
    室を構成する一対の前記対向内面は平面に形成され、前
    記ベーン部材は、前記対向内面に対面する前記周方向の
    一方の端面は平面であり他方の端面には突起を配設する
    ように形成され、前記ベーン部材が、前記ベーン室の開
    放端より取外し可能に収容される構成であるロータリダ
    ンパ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記ベーン室
    は、前記可動ベーンに設けられた半径方向外側及び回転
    軸線方向両側に開放する凹部であり、前記ベーン部材の
    半径方向の一端が前記ケース周壁内面に対して、又は、
    他端が前記凹部の半径方向内側の壁面に対して摺接する
    と共に、前記回転軸線方向の上側において前記蓋部材か
    らなる頂壁面、及び、下側においてケース底壁面に摺接
    する構成であるロータリダンパ。
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