JP2000248344A - 磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板 - Google Patents
磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板Info
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Abstract
ストで製造可能であり、しかも、磁気特性がCr、V、
Ti、Zr等の不純物元素の影響を受けにくい電磁鋼板
を提供する。 【構成】 sol.Alを0.05〜0.20wt%添
加して熱間圧延中にAlNを微量析出させるとともに、
Bを適量添加して仕上圧延時にBNを析出させることに
より低鉄損と高磁束密度を兼備した鋼板が得られること
を見い出しなされたもので、C:0.005wt%以
下、Si:1.8wt%以下、Mn:0.05〜1.5
wt%、sol.Al:0.05〜0.20wt%、
S:0.0010〜0.020wt%、P:0.2wt
%以下、N:0.0010〜0.005wt%、B:2
〜30ppmを含有し、且つsol.AlとBの含有量
の積が、0.3×10−4<[%sol.Al]×[%
B]<2.2×10−4を満足し、残部が実質的にFe
からなる成分組成を有することを特徴とする。
Description
無方向性電磁鋼板に関する。
ズが急速に高まりつつあり、このためモータやトランス
の鉄芯材料である電磁鋼板について、さらなる低鉄損・
高磁束密度化を図る必要が生じている。
指向される一方で、鉄鋼製造においてはコスト低減の観
点から各種の新製錬プロセスが導入され、この結果、近
年、鋼板中の不純物レベルは増加する傾向にある。例え
ば、製銑プロセスでは低品位鉱石の活用、製鋼プロセス
では吹錬時間の短縮化やスクラップの積極利用が進めら
れ、この結果、鋼板中へのCr、V、Nb、Ti等の微
量元素の混入量は増加する傾向にある。これらの不純物
元素は電磁鋼板の粒成長性を阻害するため、磁束密度と
鉄損の双方を劣化させる。
11号には、VとNの含有量をlogV(%)・N
(%)≦5.29として、VNの微細析出を防止する技
術が開示されている。しかし、Vを低減するためには原
料鉱石の分別や、製鋼での酸素吹き込み量の増加を行う
必要があり、コストアップは避けられない。
昭58−117828号等には、B添加による窒化物形
態制御に関する技術が開示されている。この技術は、N
をBで固定して粒成長性を向上させるものであり、Bは
数十ppm、Alは脱酸目的で数百ppm添加される。
しかし、このような従来のB添加鋼では、BをNと等量
添加した際には低鉄損が得られるものの、BやNが過剰
に鋼中に残存すると磁気特性が劣化するため、これらの
含有量を厳密に管理する必要がある。さらに、従来のB
添加鋼は巻取り温度依存性が強いために特性のばらつき
が大きいことや、本質的に磁束密度が低いという欠点を
有している。
AlNとして固定する方法も古くから知られているが、
NをAlNとして十分固定するためにはsol.Alを
0.2wt%以上添加しなければならず、コストアップ
の問題が生じる。さらに、Alの多量添加は、製鋼段階
でスラグ中に浮上分離しているTi系酸化物や耐火物中
に存在しているZr系酸化物の還元反応を促進するた
め、TiやZr等の不純物の混入量の増加を招く。この
ため、Alの多量添加は粒成長性を向上させる反面、特
性のばらつきを増大させる欠点を有している。
加を基本とする硫化物形態制御に関する技術が、特開昭
51−62115号、特開平8−325678号等に開
示されている。しかし、この技術はREMとSの含有量
を厳密に管理する必要がある、REM添加によりコスト
上昇を招く等の問題を有している。
62−180014号にはSn、Cu等の特殊元素を利
用した磁束密度の改善技術が開示されているが、これら
の技術はいずれも熱延板の自己焼鈍や熱延板焼鈍を施さ
ない状態では特性の改善効果は小さい。
的は、高磁束密度と低鉄損を兼備するとともに低コスト
で製造可能であり、しかも、磁気特性がCr、V、T
i、Zr等の不純物元素の影響を受けにくい電磁鋼板を
提供することにある。
の磁気特性に及ぼすB、sol.Al、Sb並びにC
r、V、Ti、Zr等の炭窒化物形成元素の影響につい
て鋭意研究を重ねた結果、適量のsol.AlとBを複
合添加すること、具体的には、sol.Alを0.05
〜0.20wt%添加して熱間圧延中にAlNを微量析
出させるとともに、Bを適量添加して仕上熱延時にBN
を析出させることにより低鉄損と高磁束密度を兼備した
鋼板が得られること、また、Sb及び/又はSnの適量
添加により鉄損と磁束密度のさらなる向上が図られるこ
と、不純物として有害なVは数百ppmまで無害化可能
であることを見い出した。さらに、このような本発明の
成分系では、TiやZrの混入量が大幅に低減できる利
点も享受できる。
ものであり、その特徴とする構成は以下の通りである。 [1] C:0.005wt%以下、Si:1.8wt
%以下、Mn:0.05〜1.5wt%、sol.A
l:0.05〜0.20wt%、S:0.0010〜
0.020wt%、P:0.2wt%以下、N:0.0
010〜0.005wt%、B:2〜30ppmを含有
し、且つsol.AlとBの含有量の積が下記(1)式
を満足し、残部が実質的にFeからなる成分組成を有す
ることを特徴とする磁気特性に優れた無方向性電磁鋼
板。 0.3×10−4<[%sol.Al]×[%B]<2.2×10−4 …( 1)
おいて、sol.AlとBの含有量の積が下記(2)式
を満足することを特徴とする磁気特性に優れた無方向性
電磁鋼板。 0.6×10−4<[%sol.Al]×[%B]<1.4×10−4 …( 2) [3] 上記[1]または[2]の無方向性電磁鋼板に
おいて、Sn及びSbの1種または2種をSb+Sn/
2として0.002〜0.2wt%含有することを特徴
とする磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板。
無方向性電磁鋼板において、V:0.05wt%以下を
含有することを特徴とする磁気特性に優れた無方向性電
磁鋼板。 [5] 上記[1]〜[4]のいずれかの無方向性電磁
鋼板において、Ti:15ppm以下、Nb:15pp
m以下、Zr:15ppm以下を含有することを特徴と
する磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板。
明の限定理由について詳細に説明する。まず、磁気特性
に及ぼすsol.Al、Bの影響について調査するため
に、成分組成をC:0.002wt%、Si+Al:
0.8wt%、Si:0.55〜0.79wt%、M
n:0.3wt%、P:0.10wt%、S:0.00
3wt%、Cr:0.05wt%、V:20ppm、s
ol.Al:0.01〜0.25wt%、N:0.00
25wt%、B:2〜57ppmに調整した鋼を50k
gの真空溶解炉にて溶製した。得られたインゴットは、
熱間圧延を施した後に680℃×1時間の巻取り相当処
理を施した。続いて0.5mmまで冷間圧延を施し、さ
らに820℃で30秒の仕上焼鈍を施した後に磁気測定
を施した。その後、750℃で2時間の歪取焼鈍を施
し、同様に磁気測定を行った。なお、磁気測定は25c
mエプスタイン試験法により行った。
定して磁気特性に及ぼすBの影響を調査した。その結果
を図1に示す。図1によれば、sol.Alを脱酸目的
で300ppm程度添加した鋼では、従来から報告され
ているとおり、仕上焼鈍後及び歪取焼鈍後ともに、B:
25ppm付近、即ち重量比でB/N=1付近で鉄損は
極小となることが判る。一方、磁束密度は、B:10〜
15ppmまではB量の増加によりわずかに増加するも
のの、Bをそれ以上添加すると逆に劣化する。このよう
に、従来のB添加鋼では高磁束密度と低鉄損を同時に得
ることは困難であった。
るために抽出残渣および電子顕微鏡(以下、TEMとい
う)による解析を利用して磁気特性に及ぼすBとso
l.Alの影響について詳細に検討した。その結果、B
は熱間圧延の後段にMnSを核として200〜300n
mの粗大なBNを形成して粒成長性を向上させるが、B
/N<1では微細なAlNが、またB/N>1では固溶
Bが、それぞれ巻取時と歪取焼鈍時の粒成長を阻害する
ために磁束密度と鉄損の劣化が生じることが判明した。
さらに、B添加による磁束密度の低下原因としては、上
記以外に、変態点の低下や固溶Bによる集合組織の劣化
も考えられる。
劣化させるため、Bの添加量は極力低減することが望ま
しい。そこで、Bの添加量を極力低減しながら粒成長性
を改善することを試みた。すなわち、Bの添加量が5〜
15ppm付近では仕上焼鈍後の磁束密度はむしろ改善
される傾向にあるため、この低B添加領域での粒成長性
の改善を目的に、sol.Alの添加量を増加させるこ
とを試みた。
て、磁気特性に及ぼすBの影響について調査した結果を
図2に示す。図2によれば、sol.Al量が300p
pmの従来鋼と比較して、sol.Al量を800pp
m添加した鋼では鉄損が極小となるB量の適正値は低B
側にシフトしており、B:10〜15ppm付近にある
ことが判る。抽出残渣の解析結果から、これは熱間圧延
中にNの一部がAlNとして析出したためであることが
判明した。また、sol.Al量が300ppmの従来
鋼ではB/N=1以外では鉄損が急峻に増加するのに対
して、sol.Al量を800ppmとした鋼では、鉄
損が低減する範囲のピークはブロードになる。さらに特
筆すべきことは、sol.Alを800ppm添加した
鋼の磁束密度はsol.Al量を300ppmとした鋼
に較べて格段に向上し、B:15ppm付近では高磁束
密度と低鉄損を兼備していることである。
固定してsol.Al量を0.01wt%から0.25
wt%まで変化させ、B添加鋼の磁気特性に及ぼすso
l.Al量の影響について検討した。その結果を図3
(歪取焼鈍後の磁気特性)に示す。図3によれば、Bを
添加しない鋼ではsol.Al量が0.05wt%から
0.15wt%の範囲内で磁束密度が増加する領域が現
れる。しかし、鉄損を十分に低減(W15/50<4.
2W/kg)するためには0.20wt%を超えるso
l.Alを添加する必要があり、単にAlの単独添加の
みでは低鉄損と高磁束密度を同時に得ることはできない
ことが判る。
添加しない鋼に較べて磁束密度はやや低下するものの、
鉄損はsol.Al量が0.05wt%から0.17w
t%の範囲でBを添加しない鋼よりも大幅に低減され
る。このように、BとAlの複合添加により従来の材料
を凌ぐ高磁束密度且つ低鉄損材料が得られることが判明
した。そこで、Bとsol.Alの種々の含有量におけ
る仕上焼鈍後と歪取焼鈍後の磁気特性について調査を行
った。歪取焼鈍後の結果を図4にまとめて示す。
に拘りなく、B量が30ppmを超えると磁束密度は劣
化し、一方、B量が2ppm未満では十分な鉄損の低減
効果が得られない。このため本発明ではB量は2〜30
ppmとする。また、sol.Al量が0.05wt%
未満では磁束密度と鉄損の双方に優れた特性を得ること
はできない。一方、sol.Al量が0.20wt%を
超えると、Al添加による本質的な磁束密度の劣化を招
くと同時に、Bの添加による粒成長性向上の効果も喪失
する。さらに、コストアップの問題や、上述したように
Ti、Zr混入により磁気特性が不安定になる弊害も生
じる。このため本発明ではsol.Al量は0.05〜
0.20wt%とする。
熱間圧延終了時の固溶Bおよび固溶Nの残存量を極力少
なくする必要がある。その範囲は図4中の枠で囲まれた
領域であり、この領域はBとsol.Alの含有量の積
として、 0.3×10−4<[%sol.Al]×[%B]<
2.2×10−4 で表される。このためBとsol.Alの含有量はこの
範囲に限定する。
優れた磁気特性が得られ、この領域はBとsol.Al
の含有量の積として、 0.6×10−4<[%sol.Al]×[%B]<
1.4×10−4 で表される。したがって、特に優れた磁気特性を得る場
合には、Bとsol.Alの含有量はこの範囲とするこ
とが望ましい。
較的低グレード鋼種に上記の成分を適用した場合は、仕
上焼鈍後および歪取焼鈍後の鋼板の表層に細粒組織が発
生するため、磁気特性の改善効果が少ない。細粒組織が
発生した鋼板の表層を約20μm研磨して、抽出レプリ
カにてTEM観察を行うと、約100nm程度のAlN
が極めて緻密に析出しているのが観察された。これは、
Nとの親和力の強いAlとBを複合添加することにより
表層窒化が生じて細粒組織が形成されたものと考えられ
る。
点から、C:0.002wt%、Si:0.7wt%及
び0.1wt%、Mn:0.3wt%、P:0.10w
t%、S:0.003wt%、Cr:0.05wt%、
V:0.002wt%、sol.Al:0.08wt
%、N:0.0025wt%、B:12ppmを含有す
る鋼を溶製し、歪取焼鈍後の鉄損に及ぼすSi、Sb、
Snの影響を調査した。なお、熱延条件、仕上焼鈍条件
等は先に述べた試験と同様とした。その結果を図5に示
す。
程度は異なるものの、Siを0.7wt%添加した鋼及
びSiを0.1wt%添加した鋼ともに、Sbを0.0
02wt%以上添加することにより歪取焼鈍後の鉄損は
改善される。このとき、表層の細粒組織も鉄損の低下に
対応して消滅していくことが確認された。一方、Sbを
0.2wt%を超えて添加すると、いずれの鋼において
も過剰のSbにより鉄損は劣化する。また、同様の効果
がSnの添加によっても得られるが、Sbと同等の効果
を得るためには2倍の添加量が必要となることが確認さ
れた。このため、より優れた磁気特性を得るためにはS
b及びSnの1種または2種をSb+Sn/2として
0.002〜0.2wt%添加することが好ましい。
調査した。Vが鋼の粒成長性を劣化させる元素であるこ
とは古くから知られており、従来では特開平9−195
011号に示されるようなVの低減化や、Alの多量添
加によるVの無害化が図られてきた。しかし、上述した
ようにVの低減化やAlの多量添加には、コストアッ
プ、製造上の制約、不純物の増加等の種々の問題が伴う
ため、安価にVを無害化する方法の開発が切望されてい
た。この点、本発明の成分系ではNを基本的にAlとB
で固定するため、Vは十分無害化できる可能性がある。
0.6wt%、Mn:0.3wt%、P:0.10wt
%、S:0.003wt%、Cr:0.07wt%、
V:tr.〜0.06wt%、sol.Al:0.1w
t%、N:0.0025wt%、B:10ppmを含有
する鋼を溶製し、仕上焼鈍後および歪取焼鈍後の磁気特
性に及ぼすVの影響を調査した。
では30〜100ppmのVの混入により鉄損と磁束密
度はともに著しく劣化するが、図6に示されるように適
量のsol.AlとBが複合添加された本発明の成分系
では、Vが数百ppm混入しても磁気特性の劣化は生じ
ないことが判明した。抽出残渣により析出物の分析を行
ったが、Vが0.05wt%以下であればV系の析出物
は検出されなかった。しかし、Vが0.06wt%以上
になるとわずかにV系の析出物が検出され、磁気特性は
劣化する。このためVは0.05wt%以下(但し、0
wt%の場合を含む)とすることが好ましい。
Zrが磁気特性を劣化させることが知られている。これ
らの元素は窒化物のみならず炭窒化物を形成するため、
無害化が困難な元素である。そのため、これらの元素の
混入を防止するために特殊耐火物の使用や製鋼段階での
特別な運用形態を強いられている。
Nb、Zrの影響を明らかにするために、C:0.00
2wt%、Si:0.8wt%、Mn:0.3wt%、
P:0.10wt%、S:0.003wt%、Cr:
0.03wt%、V:20ppm、sol.Al:0.
1wt%、N:0.0025wt%、B:12ppm、
Ti:0〜50ppm、Nb:0〜50ppm、Zr:
0〜50ppmを含有する鋼を溶製し、先に述べた試験
と同じ熱延条件及び仕上焼鈍条件によりサンプルを作製
した。Ti、Nb、Zrの各含有量と仕上焼鈍後および
歪取焼鈍後の磁気特性との関係を図7〜図9に示す。
ずれも15ppmを超えると磁気特性は著しく劣化する
ことが判る。このためこれら各元素の含有量は15pp
m以下(但し、0ppmの場合を含む)とすることが好
ましい。しかしながら、本発明の成分系ではsol.A
lの含有量が0.20wt%以下であるため、TiとZ
rの混入量は自ずと15ppm程度以下に低減される利
点がある。
明する。 C:Cは磁気時効を回避するために0.005wt%以
下(但し、0wt%の場合を含む)とする。 Si:Siは鋼板の固有抵抗を上げて鉄損を低減するの
に有効な元素であるが、1.8wt%を超えて添加され
るとリジングの問題が生じる。このためSiは1.8w
t%以下(但し、0wt%の場合を含む)とする。
の防止、粒成長性向上の目的で添加されるが、B添加鋼
ではBNの析出サイトとして不可欠なMnSを鋼板中に
析出させる元素として不可欠である。MnSの析出には
0.05wt%以上のMnが必要であるが、1.5wt
%を超えると磁束密度を低下させるので、Mnは0.0
5〜1.5wt%とする。 S:SはMnと同様にMnS形成のための必須元素であ
る。MnSの析出には0.0010wt%以上のSが必
要であるが、0.020wt%を超えると粒成長性が低
下するため、Sは0.0010〜0.020wt%とす
る。
に必要な元素であるが、0.2wt%を超えて添加する
と鋼板が脆化するため0.2wt%以下(但し、0wt
%の場合を含む)とする。 N:Nは熱間圧延時にAlNを析出させるために必須な
元素である。NはAlNの析出に0.0010wt%以
上必要であるが、0.005wt%を超えるとAlNの
析出量が増加して粒成長性が低下するので、0.001
0〜0.005wt%とする。
成が上述した範囲内であればその製造方法に特別な制約
はなく、以下に示すような通常の製造方法で製造するこ
とができる。すなわち、転炉で吹錬した溶鋼を脱ガス処
理して所定の成分に調整し、引き続き鋳造、熱間圧延を
行う。熱間圧延時の仕上焼鈍温度、巻取り温度は特に規
定する必要はなく、通常の方法に従ってよい。また、熱
間圧延後の熱延板焼鈍は行ってもよいが必須ではない。
次いで、酸洗した後、一回の冷間圧延若しくは中間焼鈍
を挟む2回以上の冷間圧延により所定の板厚とし、しか
る後、仕上焼鈍を行い、さらに必要に応じて歪取焼鈍を
行う。通常、この歪取焼鈍は鋼板のユーザ側で行われ
る。
より所定の成分に調整した表1及び表2に示す鋼をスラ
ブに鋳造し、このスラブを1200℃で加熱した後、板
厚2.0mmまで熱間圧延した。この際、熱延仕上げ温
度は800℃、巻取り温度は690℃とした。酸洗後、
板厚0.5mmまで冷間圧延し、表3及び表4に示す仕
上焼鈍条件で焼鈍を施し、その後、DXガス雰囲気にて
750℃×2時間の歪取焼鈍を施した。
用いて行った。各鋼板の磁気特性を表3及び表4に併せ
て示す。表1〜表4によれば、本発明の成分条件を満足
する鋼板のみが、仕上焼鈍後及び歪取焼鈍後のいずれに
おいても、高磁束密度と低鉄損を兼備した優れた磁気特
性を有していることが判る。
磁鋼板は高磁束密度と低鉄損を兼ね備た優れた磁気特性
を有し、しかも不純物元素の影響を受けにくいため、従
来技術に較べて低コストで製造可能であるという利点を
有する。
含有量と仕上焼鈍後及び歪取焼鈍後の鉄損並びに磁束密
度との関係を示すグラフ
含有量と仕上焼鈍後及び歪取焼鈍後の鉄損並びに磁束密
度との関係を示すグラフ
鋼板のsol.Al含有量と歪取焼鈍後の鉄損及び磁束
密度との関係を示すグラフ
を示すグラフ
鋼板のSb含有量と歪取焼鈍後の鉄損との関係を示すグ
ラフ
鈍後の鉄損並びに磁束密度との関係を示すグラフ
焼鈍後の鉄損との関係を示すグラフ
焼鈍後の鉄損との関係を示すグラフ
焼鈍後の鉄損との関係を示すグラフ
Claims (5)
- 【請求項1】 C:0.005wt%以下、Si:1.
8wt%以下、Mn:0.05〜1.5wt%、so
l.Al:0.05〜0.20wt%、S:0.001
0〜0.020wt%、P:0.2wt%以下、N:
0.0010〜0.005wt%、B:2〜30ppm
を含有し、且つsol.AlとBの含有量の積が下記
(1)式を満足し、残部が実質的にFeからなる成分組
成を有することを特徴とする磁気特性に優れた無方向性
電磁鋼板。 0.3×10−4<[%sol.Al]×[%B]<2.2×10−4 …( 1) - 【請求項2】 sol.AlとBの含有量の積が下記
(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の
磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板。 0.6×10−4<[%sol.Al]×[%B]<1.4×10−4 …( 2) - 【請求項3】 Sn及びSbの1種または2種をSb+
Sn/2として0.002〜0.2wt%含有すること
を特徴とする請求項1または2に記載の磁気特性に優れ
た無方向性電磁鋼板。 - 【請求項4】 V:0.05wt%以下を含有すること
を特徴とする請求項1、2または3に記載の磁気特性に
優れた無方向性電磁鋼板。 - 【請求項5】 Ti:15ppm以下、Nb:15pp
m以下、Zr:15ppm以下を含有することを特徴と
する請求項1、2、3または4に記載の磁気特性に優れ
た無方向性電磁鋼板。
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JP05493999A JP3975603B2 (ja) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | 無方向性電磁鋼板 |
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