JP4267437B2 - 歪取焼鈍後の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents

歪取焼鈍後の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気機器の鉄心材料として使用される無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものであり、特に歪取焼鈍後の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板に関するものである。
近年、世界的な電気機器の省エネルギー化の高まりにより、回転機の鉄心材料として用いられる無方向性電磁鋼板に対しても、より高性能な特性が要求されてきている。
SiやAl含有量を増加させて固有抵抗を高め、かつ結晶粒径を大きくすることは低鉄損化を図る主要な方法であることは良く知られたことである。近年、小型汎用モータやコンプレッサーモータに至るまで、SiやAl含有量の高く、結晶粒径の大きい無方向性電磁鋼板が使用されるようになってきた。しかし、結晶粒径を大きくすることはダレやカエリが大きくなって、モータコアの打抜き加工性を著しく悪化させる問題があった。
打抜き加工性を改善する手法については、鋼中の不純物であるSとTiを低減あるいは無害化した上で、加工に供する歪取焼鈍前の結晶粒径を小さくし、歪取焼鈍で結晶粒成長させることで低鉄損との両立を図る以下の方法が提案されている。
特許文献1ではREMを添加する方法が、特許文献2ではCa合金と脱硫フラックスを混合添加する方法、特許文献3ではCa合金を添加する方法、特許文献4ではMgあるいは、Mg,Ca,REMを複合添加する方法である。
これらの方法は、いずれもSiやAl等の成分調整が完了した溶鋼に、脱硫フラックス、あるいはREMやCa合金、Mg合金を添加して溶鋼中のSを低減するとともに、鋼中に残存したSと粗大な硫化物を生成させるものである。ところが、これらの添加元素は酸化力が強く、スラグ中のTiO2を還元して溶鋼のTiが著しく増加する場合があった。これでは折角、製造コストをかけて硫化物の低減と粗大化が達成できても、歪取焼鈍後の結晶粒成長はむしろ悪化するという問題が新たに発生した。
特開平8−325678号公報 特開平10−183227号公報 特開平10−183309号公報 特開2002−302746号公報
本発明は、前述の問題を鑑み、低コストでかつ、Tiの増加を極力抑制しながら、粒成長に悪影響を及ぼすSとTiの双方の低減と無害化を図り、歪取焼鈍後の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので以下を要旨とするものである。
(1)質量%で、Si:3.5%以下、Mn:0.2%以上2.0%以下、Al:0.1%以上3.0%以下、C:0.0020%以下、Ti:0.0020%以下、S:0.0015%以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる無方向性電磁鋼板において、歪取焼鈍前のS as MnS(MnSを生成しているS)が質量%で0.0005%以上、かつ、歪取焼鈍前に存在しているMnSが10%以上の個数割合でTi析出物との複合析出物を形成していることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(2)質量%で、Mn:0.5%以上2.0%以下を含有することを特徴とする(1)の無方向性電磁鋼板。
(3)更に、質量%で、Sn:0.0050%以上0.20%以下を含有することを特徴とする(1)(2)の無方向性電磁鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかに記載の無方向性電磁鋼板を製造する方法として、製鋼、熱延、酸洗、冷延、仕上焼鈍からなる製造工程において、製鋼における成分調整後の溶鋼に脱硫フラックス、Ca合金、Mg合金、REMのいずれか1以上による脱硫処理を行なわず、かつ、製鋼の真空脱ガス処理後で成分調整前の取鍋スラグの塩基度を3.0以上、TiO2濃度を0.2%以下にすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(5)熱延前のスラブ加熱温度を1000℃以上1100℃以下とすることを特徴とする(4)に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(6)酸洗に先立ち熱延板焼鈍を、1100℃を超えない焼鈍温度で行うことを特徴とする(4)または(5)に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、歪取焼鈍における粒成長性が良好で、磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板を低コストで提供できる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明者らは、SとTiを低減あるいは無害化して歪取焼鈍における結晶粒成長性を向上させる方法について鋭意検討した結果、従来技術である脱硫剤添加によるSの低減という方法を行わないことにより、SをMnSとして析出させることで、Ti析出物をこれに複合析出させ、SとTiを同時に無害化できることを知見した。
本発明で使用を規制している脱硫フラックス、Ca合金、Mg合金、REMは、成分調整後に添加すると、一部が鋼中に残存し、同じく鋼中に残存したSと優先的に反応して粗大な析出物を形成し、これら自体は結晶粒成長性に対して無害化する。しかしながら、粗大化したS析出物は個数密度が低くなるため、Ti析出物がこれと複合析出することは困難になることから、Ti析出物が単独で微細に析出し、かえって歪取焼鈍における結晶粒成長性を阻害する場合がある。
そこで本発明では、成分調整後にこれらの脱硫剤を添加しないことで、析出物径がやや小さく、Ti析出物と複合析出しやすいMnSを生成し易くすることを規定し、そしてこれによるS系析出物の有害化を低減するため、脱硫剤に頼らず成分調整前の取鍋スラグ塩基度を調節して低S化を図ること、また熱延板のスラブ加熱温度、熱延板焼鈍温度を低くしてMnSの固溶・微細析出の低減を図ることで回避することを規定したものである。
次に、本発明の製品における成分と析出物の数値限定理由について述べる。
Siは電気抵抗を増加させるために有効な元素であるが、過度に添加すると冷延性を著しく悪くするため3.5%を上限とした。
Mnは本発明の必須元素である。本発明の効果を発現させるためには、熱延のスラブ加熱完了時点でMnSが十分に析出している必要がある。表1に1000℃で30分の溶体化処理後に急冷した試料についてのS as MnSの分析結果を示すが、Mn:0.20%未満では1000℃でもMnSの固溶が著しく、S as MnSが0.0005%未満となってしまうことから、Mnを0.2%以上と規定した。更にMnSの析出を完全にするためには0.5%以上が望ましい。なお上限はコストを考慮して2.0%と規定した。
Figure 0004267437
Alは本発明の必須元素である。後に述べるスラグの塩基度を調整して脱硫するためには、鋼中の酸素を十分に取り除く必要がある。この目的のためには0.1%以上のAlを含有させるように添加する必要があるため0.1%以上と規定した。ただし鋼中にNを含有している場合、微細なAlNを生成して粒成長を悪化させる場合があるので、望ましくは0.2%以上である。
Cは磁気時効を起こすことがよく知られている。本発明者らはこれに加えて、Cが0.0020%を超えると、歪取焼鈍中にTiの炭化物や炭窒化物が析出して歪取焼鈍後の結晶粒成長を悪化することを新たに知見した。これらの弊害を防止するため、0.0020%以下と規定した。
Tiは微細なTiの窒化物、炭化物、炭窒化物を生成して粒成長を著しく悪化させる。後に述べるMnSとの複合析出によって影響は緩和されるが、0.0020%以上では析出物の総数が多くなって粒成長を悪化させるため0.0020%以下と規定した。
Sは本発明の必須元素である。本発明の効果を発現させるためには、MnSとTi析出物を複合析出させることで、双方の析出物が粒成長に影響を与えないようにする必要がある。S as MnSが0.0005%未満では、Tiと複合析出するためのMnS量が十分ではないため、S as MnSを0.0005%以上と規定した。ただしSが0.0015%を超えるとMnSが増加して粒成長が悪化してしまうのでSを0.0015%以下と規定した。
MnSとTi析出物の複合析出については、上述に規定したTi、S、S as MnSを満たし、かつ歪取焼鈍後の結晶粒成長が良好な試料を観察した結果、歪取焼鈍前の鋼板で観察されるMnS個数のうち10%以上のものが複合析出であった。従って、MnS個数のうちTi析出物と複合析出しているMnSの割合を10%以上と規定した。
Snは集合組織の改善効果および焼鈍時の窒化・酸化を防止する効果が知られており、これらの目的のために積極的に添加してもよい。その場合、効果が得られる0.0050%を下限、効果が飽和する0.20%を上限として規定する。
次に本発明における製鋼条件の限定理由を述べる。
成分調整が完了した溶鋼に脱硫フラックスを添加することは、鋼中のSを低減する有効な手段である。ただし溶鋼脱硫後、0.0005%以上のSが溶鋼中に残存したとしても、脱硫フラックスに含まれるCaと硫化物を生成するためにMnSはほどんど生成しない。同様にREMやCa合金、Mg合金を添加した場合、Mnよりも親和力の強いこれらの元素と硫化物を生成してしまうためにMnSはほとんど生成しない。以上のことから、これらの方法ではMnSとTi析出物を複合析出させる本発明の効果が発現し得ないことが明らかであるから、成分調整した溶鋼に対し、脱硫フラックスやCa合金、Mg合金やREM添加によって脱硫処理を行なわないこととする。
成分調整前の取鍋スラグ塩基度については表2に示す通り、溶鋼のSが低減できる条件として3.0以上と規定する。表3に示すようにAlの添加量が少ない場合、溶鋼のSを低減する効果は見られなかった。従って取鍋スラグの塩基度を3.0以上にして脱硫する効果はAlを0.1%以上含むことによる相乗効果として本発明で知見したものである。ただし塩基度を高くすると、Al添加によって溶鋼のTi濃度が増加するため、取鍋スラグのTiO2濃度を0.2%以下と規定し、Al添加時にTiO2還元されることによって溶鋼Tiが増加することを抑制する。
Figure 0004267437
Figure 0004267437
以上の通り、取鍋スラグとAl添加量を規定した本発明は、脱硫フラックス等による積極的な脱硫処理を行なうことなく、SとTiの低減を両立ならしめ、かつ僅かに残存したMnSとTiが複合析出物を形成することで、歪取焼鈍後の粒成長を阻害する析出物を極力低減せしめる技術を知見したものである。
次に本発明における熱延および熱延以降の条件についての限定理由を示す。
熱延ではMnSを固溶させないことが重要である。MnSが固溶した場合、熱延終了後にCu2Sが微細析出して粒成長を悪化させるのに加え、MnSと複合析出していた微細なTi析出物が単独化するために粒成長が著しく悪化し、本発明の効果が発揮されない。以上のことから、熱延のスラブ加熱はMnSが固溶しない温度として1100℃以下と規定した。また1000℃未満では圧延性が著しく悪化するので下限を1000℃と規定した。また熱延厚みについては製品厚みや用途に応じて調整できるものとする。
熱延板焼鈍は磁性向上やリジング防止を目的として適宜行なってよい。ただし熱延同様、焼鈍温度が高すぎるとMnSが固溶して上述の通り、本発明の効果が発揮されない。したがって焼鈍温度が1100℃を超えないことと規定した。
仕上焼鈍については特に規定するものではないが、打抜き加工性を改善するためには歪取焼鈍前の結晶粒径が40μm以下となるように焼鈍温度や時間を調整することが望ましい。
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0015%、Si:2.5%、Mn:0.5%、Al:0.3%、Ti:0.0015%を含有し、Sを重量%で0.0003〜0.0030%まで8水準変化させた鋼片を作製した。これらの鋼片に対し、1050℃で60分の加熱を施した後、直ちに熱延して板厚2.3mmとし、1000℃で60秒の熱延板焼鈍を施し、一回の冷延にて板厚0.50mmとした。こうして得られた冷延板に800℃で30秒間の仕上焼鈍を施した後、750℃で2時間の歪取焼鈍を行なった。その結果を表4に示す。本発明の条件を満たすS as MnS :0.0005%以上でかつ、S:0.0015%以下の試料3〜5において、歪取焼鈍後の結晶粒径が60μm以上、鉄損W15/50が2.5W/kg以下と良好な結果が得られた。
Figure 0004267437
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0015%、Si:3.0%、Mn:0.3%、Al:1.0%、Ti:0.0018%を含有し、表5の各手法にてSを重量%で0.0008〜0.0013%の範囲に調整した鋼片を作製した。これらの鋼片に対し、1080℃で30分の加熱を施した後、直ちに熱延して板厚2.0mmとし、1050℃で60秒の熱延板焼鈍を施し、一回の冷延にて板厚0.35mmとした。こうして得られた冷延板に800℃で30秒間の仕上焼鈍を施した後、750℃で2時間の歪取焼鈍を行なった。その結果を表5に示す。ほぼ同じS量でありながら、S as MnSが0.0005%以上確保できた試料1,2については、歪取焼鈍前の試料に多くのMnSが確認され、その10%以上の個数割合でTi析出物と複合析出物を形成しており、歪取焼鈍後の結晶粒径が60μm以上、鉄損W15/50が2.2W/kg以下と良好な結果であった。一方、脱硫元素を添加した試料3〜6についてはS as MnSが0.0003%未満であり、歪取焼鈍前の試料にMnSは観察されなかった。その代わり、脱硫元素によって生成した粗大な硫化物が観察されたがTi析出物との複合析出物はほとんど観察されず、歪取焼鈍後の結晶粒径および鉄損ともに良くなかった。
Figure 0004267437
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、Si:1.5%、Mn:0.5%、Al:0.6%、Ti:0.0016%、S:0.0012%、Sn:0.02%を含有し、Cを重量%で0.0005〜0.0035%の範囲に調整した鋼片を作製した。これらの鋼片を1075℃で60分の加熱を施した後、直ちに熱延して板厚2.5mmとし、950℃で60秒の熱延板焼鈍を施し、一回の冷延にて板厚0.5mmとした。こうして得られた冷延板に850℃で15秒間の仕上焼鈍を施した後、750℃で2時間の歪取焼鈍を行なった。その結果を表6に示す。いずれの試料においても歪取焼鈍前でS as MnSが0.0005%以上確保できたが、歪取焼鈍後の結晶粒径が60μm以上、鉄損W15/50が2.8W/kg以下の良好な結果が得られたのは、Cが0.0020%以下である試料1〜3であった。
Figure 0004267437
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0013%、Si:1.4%、Mn:0.2%、Al:0.3%、S:0.0009%を含有し、Tiを重量%で0.0005〜0.0042%の範囲に調整した鋼片を作製した。これらの鋼片を1055℃で90分の加熱を施した後、直ちに熱延して板厚2.0mmとし、一回の冷延にて板厚0.5mmとした。こうして得られた冷延板に800℃で30秒間の仕上焼鈍を施した後、750℃で2時間の歪取焼鈍を行なった。その結果を表7に示す。いずれの試料においても歪取焼鈍前でS as MnSが0.0005%以上を確保できたが、歪取焼鈍後の結晶粒径が60μm以上、鉄損W15/50が3.0W/kg以下の良好な結果が得られたのは、Tiが0.0020%以下である試料1〜3であった。
Figure 0004267437
実験室の大気溶解炉にて、質量%で、Si:0.01%、Al:0.01%、Mn:0.1%、Ti:0.0003〜0.0005%、S:0.0017〜0.0021%に成分調整して1600℃に保持した溶鋼に、表8に示すTiO2濃度を変化させたスラグを投入した後、溶鋼中のSiが2.0%、Alが0.6%となるようにSiとAlを投入した。そして底吹きにてArバブリングを30分行なった後、溶鋼中のSとTiを分析した。その結果、表8に示す通り、スラグの塩基度(CaO/SiO2)はいずれの条件においても5.8〜7.6と高く、合金投入後のSは低減している。一方、溶鋼中のTiは合金投入後に上昇しているが、スラグ中のTiO2濃度を0.20%以下とした条件1〜3についてはTiの増加が少なく、本発明の効果が発揮されるTi:0.0020%以下を満足した。
Figure 0004267437
実験室の大気溶解炉にて、質量%で、Si:0.01%、Al:0.01%、Mn:0.1%、Ti:0.0003〜0.0005%、S:0.0019〜0.0024%に成分調整して1600℃に保持した溶鋼に、表9に示すCaOとSiO2濃度を変化させたスラグを投入した後、溶鋼中のSiが2.0%、Alが0.6%となるようにSiとAlを投入した。そして底吹きにてArバブリングを30分行なった後、溶鋼中のSとTiを分析した。その結果、表9に示す通り、スラグのTiO2濃度はいずれの条件においても0.13〜0.19%と低く、合金投入後のTi増加は低く抑えられている。一方、溶鋼中のSはスラグ中の塩基度(CaO/SiO2)を3.0以上とした条件3〜8について合金投入後の低減が著しく、本発明の効果が発揮されるS:0.0015%以下を満足した。
Figure 0004267437
質量%で、C:0.0018%、Si:2.1%、Mn:0.6%、Al:1.5%、S:0.0013%、Ti:0.0015%を含有した鋼片を作製した。これらの鋼片に対し、1005〜1167℃で60分の加熱を施した後、直ちに熱延し板厚1.8mmとし、900〜1150℃で60秒の熱延板焼鈍を施し、一回の冷延にて板厚0.35mmとした。こうして得られた冷延板に850℃で30秒間の仕上焼鈍を施した後、750℃で2時間の歪取焼鈍を行なった。その結果を表10に示す。熱延前の加熱と熱延板焼鈍の双方が1100℃以下である試料1〜3、6〜8、11〜13において、本発明の効果が発揮するために必要なS as MnSが0.0005%以上、MnSとTi析出物との複合割合が10%以上を満足し、歪取焼鈍後の結晶粒径が60μm以上、鉄損W15/50が2.5W/kg以下の良好な結果が得られた。
Figure 0004267437

Claims (6)

  1. 質量%で、Si:3.5%以下、Mn:0.2%以上2.0%以下、Al:0.1%以上3.0%以下、C:0.0020%以下、Ti:0.0020%以下、S:0.0015%以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる無方向性電磁鋼板において、歪取焼鈍前のS as MnS(MnSを生成しているS)が質量%で0.0005%以上、かつ、歪取焼鈍前に存在しているMnSが10%以上の個数割合でTi析出物との複合析出物を形成していることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  2. 質量%で、Mn:0.5%以上2.0%以下を含有することを特徴とする請求項1の無方向性電磁鋼板。
  3. 更に、質量%で、Sn:0.0050%以上0.20%以下を含有することを特徴とする請求項1もしくは2に記載の無方向性電磁鋼板。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の無方向性電磁鋼板を製造する方法として、製鋼、熱延、酸洗、冷延、仕上焼鈍からなる製造工程において、製鋼における成分調整後の溶鋼に脱硫フラックス、Ca合金、Mg合金、REMのいずれか1以上による脱硫処理を行なわず、かつ、製鋼の真空脱ガス処理後で成分調整前の取鍋スラグの塩基度を3.0以上、TiO2濃度を0.2%以下にすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 熱延前のスラブ加熱温度を1000℃以上1100℃以下とすることを特徴とする請求項4に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 酸洗に先立ち熱延板焼鈍を、1100℃を超えない焼鈍温度で行うことを特徴とする請求項4または5に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
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