JP2000247978A - 金属ポルフィリン錯体及びそれを含有してなる医薬組成物 - Google Patents

金属ポルフィリン錯体及びそれを含有してなる医薬組成物

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JP2000247978A
JP2000247978A JP11047517A JP4751799A JP2000247978A JP 2000247978 A JP2000247978 A JP 2000247978A JP 11047517 A JP11047517 A JP 11047517A JP 4751799 A JP4751799 A JP 4751799A JP 2000247978 A JP2000247978 A JP 2000247978A
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JP11047517A
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Hiroyoshi Kawakami
浩良 川上
Shoji Nagaoka
昭二 長岡
Kunie Nakamura
國衛 中村
Toshiyuki Ose
俊之 大瀬
Toru Murase
徹 村瀬
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】新規な一般式1のカチオン性金属ポルフィ
リン錯体、およびそれを含有する医薬組成物。 (Mは錯体を形成する金属原子、Ar〜Arは独立
して置換基を有してもよい炭素環又は複素環式芳香族基
を示し、そのうち1個以上はカチオン性の基を有する芳
香族基である。) 【効果】錯体はヒドロキシラジカル誘発剤として有用で
あり、抗癌剤に使用できる。また生体内の活性酸素をそ
の場でヒドロキシラジカルに変換できるヒドロキシラジ
カル誘発剤及び製薬上許容される担体からなる医薬組成
物に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なカチオン性
金属ポルフィリン錯体、それを含有してなる医薬組成物
に関する。より詳細には、本発明の医薬組成物は、SO
D活性化剤や抗癌剤として有用なものである。本発明の
カチオン性金属ポルフィリン錯体は癌細胞に集積されや
すく、副作用の少ない選択的な各種腫瘍の治療剤として
有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、癌治療の方法として薬剤による化
学治療法が多く用いられるようになった。しかし、多く
の薬剤は、癌細胞のみへの特異性を持たないため癌細胞
とともに正常細胞にも作用を及ぼし、このために激しい
副作用を起こし、化学療法が必ずしも有効に働いている
とは言えないのが現状である。例えば、臨床で用いられ
ている抗癌剤のひとつであるシスプラチンは子宮癌に有
効であることが臨床的明かにされているが、有効性と共
に多くの副作用も報告されている。また、インターフェ
ロンやTNFやCSFなどの生理活性蛋白質が、癌特異
性を有することから注目されていたが、抗癌作用自体が
充分でないことや、経口投与できないことなどから抗癌
剤として広く使用されるに至っていない。
【0003】ところで、生体内で誘発する活性酸素種
は、生体内に侵入した異種生物を死滅させるなど生体の
生理活性を維持してゆく上で大きな働きをしているので
あるが、同時に必要以上に生体内で生成した活性酸素種
は自己の組織をも破壊することがあり、必要以上の活性
酸素の生成は、有害であるばかりでなく老化の一因であ
るともいわれている。この活性酸素種の毒性を利用し
て、生体内の酸素を活性酸素種に変換して癌細胞を非特
異的に攻撃することにより、癌細胞を死滅させる抗癌剤
も開発されているが、非特異的であり正常細胞をも攻撃
することから多くの副作用を引き起こしている。
【0004】一方、ある種のポルフィリン系化合物が癌
細胞などに集積し、これにレーザー光を照射することに
より、生体内の酸素を活性化させて活性酸素種を生成さ
せて癌細胞を死滅させることが見出され、比較的特異性
の高い抗癌剤のひとつとして使用されてきているが、レ
ーザー光を病巣部に照射させなければならず、病巣部が
内部にある場合には効果がないなどの欠点を有するもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、癌細胞に特
異的に作用する新規な作用機構に基づく、副作用の少な
い抗癌剤を提供するものである。癌細胞では正常細胞に
比べて、そのSOD活性が低下しており活性酸素の放出
量が増加していることが報告されている(A.V.Peskin,
et al., FEBS Lett., 78, 41 (1977); V.Leroyer, et a
l., Cancer Res., 47, 4771 (1987))。本発明者らは、
この点に着目し、癌細胞が放出する活性酸素を、その場
でより高い反応性を有するヒドロキシラジカル(・O
H)に変換することができれば、癌細胞を特異的に攻撃
することができる新しい抗癌メカニズムを構築すること
ができると考えた。
【0006】本発明者らは、新規な金属ポルフィリン錯
体が優れたSOD活性を有し、かつ、癌細胞に特異的に
集積する性質を有し、活性酸素と反応してヒドロキシラ
ジカルを誘発させ癌細胞を特異的に死滅させることがで
きることを見出した。即ち、本発明は、副作用が少なく
安全性の高いSOD活性を有する新規なカチオン性金属
ポルフィリン錯体を提供する。また、本発明の新規なカ
チオン性金属ポルフィリン錯体は、癌細胞に特異的に集
積するために、副作用の少ない抗癌剤として有用であ
り、本発明は新規な抗癌剤を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の一般式
(1)
【0008】
【化2】 (式中、Mは錯体を形成するための金属原子を示し、A
、Ar、Ar、及び、Arはそれぞれ独立し
て置換基を有してもよい炭素環式又は複素環式芳香族基
を示し、Ar、Ar、Ar、及び、Arの少な
くとも1個はカチオン性の基を有する芳香族基であ
る。)で表されるカチオン性金属ポルフィリン錯体に関
する。
【0009】また、本発明は、前記一般式(1)で表さ
れるカチオン性金属ポルフィリン錯体及び製薬上許容さ
れる担体からなる医薬組成物に関する。本発明の医薬組
成物は、ヒドロキシラジカル誘発剤であるばかりでな
く、抗癌剤として使用することができる。さらに、本発
明は生体内の活性酸素を、その場でヒドロキシラジカル
に変換することができるヒドロキシラジカル誘発剤及び
製薬上許容される担体からなる医薬組成物、特に抗癌剤
に関する。
【0010】癌細胞は、正常細胞にくらべ抗酸化酵素
(SOD、カタラーゼ等)が欠落していることが知られ
ており、このために癌細胞は正常細胞に比べてスーパー
オキシドラジカルを多量に発生している。例えば、癌細
胞のLLC−WRC−256細胞と、正常細胞のBRL
−3A細胞、及び、天然の抗酸化酵素(Cu,Zn−S
OD)のSOD活性を測定すると次の表1のようにな
る。
【0011】
【表1】
【0012】このように癌細胞においては、正常細胞に
比べてSOD活性が大きく低減している。本発明の前記
一般式(1)で表されるカチオン性金属ポルフィリン錯
体は、SOD活性を有しており、生体内でスーパーオキ
シドラジカルと特異的に反応し過酸化水素を生成する。
さらに、本発明のカチオン性金属ポルフィリン錯体は、
中心に金属を有しているために、生成した過酸化水素が
ハ−バー・バイス型反応を起こし、極めて毒性の高いヒ
ドロキシラジカルを生成し、癌細胞のみを特異的に攻撃
する。
【0013】一方、生体内の抗酸化酵素が機能している
正常細胞の場合には、スーパーオキシドラジカルがほと
んど発生しておらず、正常細胞においては本発明のカチ
オン性金属ポルフィリン錯体が仮に存在していても、ス
ーパーオキシドラジカルと反応することができずヒドロ
キシラジカルを生成することができない。したがって、
本発明のカチオン性金属ポルフィリン錯体は、選択的か
つ優れたSOD活性を持つヒドロキシラジカル誘発剤で
あるため副作用の少ない癌細胞特異性の高い新しい抗癌
剤として極めて有用なものである。
【0014】本発明のカチオン性金属ポルフィリン錯体
は、ポルフィン骨格に4個の芳香族基を有するものであ
り、かつ、4個の芳香族基のうちの少なくとも1個にカ
チオン性の基を有していることを特徴とするものであ
る。4個の芳香族基は、それぞれ独立して、炭素環式の
ものであっても複素環式のものであってもよく、単環式
のもでも多環式のものであってもよい。芳香族基として
は、炭素環式のものとしては例えば、ベンゼン環、ナフ
タレン環などから誘導される基であり、複素環式のもの
としては、1個又は2個以上の窒素原子、酸素原子又は
硫黄原子を有する5〜10員の単環式又は縮合環式の複
素環から誘導される基であり、例えば、ピリジン環、ピ
リミジン環、アゾール環などから誘導される基である。
好ましい芳香族基としては、フェニル基や4−ピリジル
基などが挙げられる。
【0015】これらの芳香族基はSOD活性や抗癌作用
に悪影響を与えない置換基を有していてもよい。芳香族
基における置換基としては、炭素数1〜10、好ましく
は1〜6の直鎖又は分枝状の低級アルキル基、アミノ
基、前記した低級アルキル基で置換されているアミノ
基、前記した低級アルキル基からなる低級アルコキシ基
などが挙げられる。
【0016】芳香族基が有するカチオン性の基として
は、アンモニウム基やスルホニウム基などが挙げられる
が、第四級アンモニウム基が好ましい。本発明のカチオ
ン性の基は芳香族基の置換基として有していてもよい
が、芳香族基の異種原子がカチオン化されたものであっ
てもよい。カチオン性の基を有する芳香族基としては、
例えば、4−N,N,N−トリメチルアミノフェニル
基、4−N,N,N−トリエチルアミノフェニル基など
の4−N,N,N−トリ低級アルキルアミノフェニル
基、N−メチル−4−ピリジル基、N−エチル−4−ピ
リジル基などのN−低級アルキル−4−ピリジル基など
が挙げられる。
【0017】本発明の前記一般式(1)のAr、Ar
、Ar、及び、Arの少なくとも1個はカチオン
性の基を有する芳香族基であるが、好ましくはこれらの
芳香族基のうちの2個以上がカチオン性の基を有するも
のである。本発明の前記一般式(1)で表されるカチオ
ン性金属ポルフィリン錯体のポルフィリン環部分のもの
としては、Ar、Ar、Ar、及び、Arの全
てが、N−メチル−4−ピリジル基などのN−低級アル
キル−4−ピリジル基、又は、4−N,N,N−トリメ
チルアミノフェニル基などの4−N,N,N−トリ低級
アルキルアミノフェニル基である化合物、Ar、Ar
、及び、ArがN−メチル−4−ピリジル基などの
N−低級アルキル−4−ピリジル基、又は、4−N,
N,N−トリメチルアミノフェニル基などの4−N,
N,N−トリ低級アルキルアミノフェニル基であり、A
がフェニル基である化合物、Ar、及び、Ar
がN−メチル−4−ピリジル基などのN−低級アルキル
−4−ピリジル基、又は、4−N,N,N−トリメチル
アミノフェニル基などの4−N,N,N−トリ低級アル
キルアミノフェニル基であり、Ar、及び、Ar
フェニル基である化合物、Ar、及び、ArがN−
メチル−4−ピリジル基などのN−低級アルキル−4−
ピリジル基、又は、4−N,N,N−トリメチルアミノ
フェニル基などの4−N,N,N−トリ低級アルキルア
ミノフェニル基であり、Ar及びArがフェニル基
である化合物などが挙げられる。
【0018】本発明の前記一般式(1)における中心金
属Mとしては、SOD活性や抗癌作用を示すものであれ
ば特に制限はないが、好ましくは、鉄原子、銅原子又は
マンガン原子などが挙げられる。
【0019】本発明の前記一般式(1)で表されるカチ
オン性金属ポルフィリン錯体は、公知の方法に従って製
造することができる。例えば、ピロールと芳香族アルデ
ヒドとを反応させてポリフィリン環部分を製造し、これ
をハロゲン化低級アルキルや低級アルキルトシレートな
どのアルキル化剤でカチオン化し、次いで金属又は金属
化合物、例えば金属ハロゲン化物などを用いて金属錯体
とする方法により製造することができる。
【0020】本発明者らは、癌細胞としてウオーカーラ
ット(Walker rat)癌由来のLLC・WRC・256細
胞及びSOD活性の異なる数種の癌細胞を用いて、各種
の金属ポルフィリン錯体の抗癌作用を検討した。この試
験の手順を模式的に図1に示す。なお、試験を行った化
合物とその略称は次の通りである。
【0021】FeTM4PyP:一般式(1)のA
、Ar、Ar、及び、Arが、N−メチル−
4−ピリジル基である鉄錯体。 MnTM4PyP:一般式(1)のAr、Ar、A
、及び、Arが、N−メチル−4−ピリジル基で
あるマンガン錯体。 CuTM4PyP:一般式(1)のAr、Ar、A
、及び、Arが、N−メチル−4−ピリジル基で
ある銅錯体。 FeTMAP :一般式(1)のAr、Ar、A
、及び、Arが、4−N,N,N−トリメチルア
ミノフェニル基である鉄錯体。 FeTSPP :一般式(1)のAr、Ar、A
、及び、Arが、4−スルホネートフェニル基で
ある鉄錯体。
【0022】ポルフィリン溶液の調製は培養液を用いて
行い、ポルフィリン濃度が最終的に10、50、100
μg/mlになるように調整した。測定は12穴プレー
トに展開した癌細胞に金属ポルフィリン錯体溶液を添加
し培養し、添加3日後にトリパンブルー染色法により各
癌細胞の細胞生存率を測定し抗癌効果を評価した。
【0023】また、これらの金属ポルフィリン錯体のS
OD活性を、T.Ohse, et al., Porphyrins, 6, 137 (19
97) に記載されている方法に準じて、ストップトフロー
法による活性酸素(O・)の不均化速度定数(k
cat)により評価した。kca はポリフィリン錯体
のHEPES/HEPES・Na緩衝液(pH8.1)
とKOのDMSO溶液とを36℃で反応させ、O
・の極大吸収波長である245nmの吸光度の減衰から
求めた。金属ポルフィリン錯体及び抗酸化酵素における
cat及びIC50を次の表2に示す。なお、k
catの値が大きいほど、また、IC50をの値が小さ
いほどSOD活性は高い。
【0024】
【表2】
【0025】さらに、癌細胞が有する細胞内SOD活性
は細胞のホモジネート溶液を調製し、CLAを用いた化
学発光法により算出した。そして、発生したラジカル種
(・OH)は、スピントラップ剤としてDMPOを用い
たESRにより測定した。
【0026】図2に、LLC・WRC・256細胞によ
る、発明のカチオン性金属ポルフィリン錯体(100μ
g/ml)及びウシ赤血球由来の抗酸化酵素(50μg
/ml)を用いた癌細胞の死滅率を示す。LLC・WR
C・256細胞のトリパンブルー染色法による細胞生存
率評価の結果、抗酸化酵素はSOD活性は有しているが
それ自体は抗癌効果が極めて低いものである。また、金
属の比較ではSOD活性および・OH産生能の高いFe
TM4PyPが最も高い抗癌効果を示した。優れたSO
D活性を有するMn錯体はあまり効果が認められなかっ
たのはMn錯体の低い・OH産生能によるものと考えら
れる。一方、Fe錯体同様優れた・OH産生能を示すC
u錯体では、SOD活性が低いため、Fe錯体に比べて
抗癌効果は低いものとなったと考えられる。
【0027】また、前記の結果をSOD活性の指標とな
る活性酸素(O・)の不均化速度定数(kcat)の
値と共に図3に示す。図3中の数値は、10×k
cat(M−1−1)であり、因みに抗酸化酵素の値
は2300×10(M−1 )であった。
【0028】次に本発明者らは、カチオン性金属ポルフ
ィリン錯体の癌細胞への集積能について検討した。脂質
膜二重層からなる細胞膜との親和性や透過性を考察する
ために、親水性、疎水性の異なる次の化合物について試
験した。
【0029】FeTM4PyP:一般式(1)のA
、Ar、Ar、及び、Arが、N−メチル−
4−ピリジル基である鉄錯体。 FeTM4PyMPPP:一般式(1)のAr、Ar
、及びArが、N−メチル−4−ピリジル基であ
り、Arがフェニル基である鉄錯体。 Fecis−DM4PyDPP:一般式(1)のA
、及びArが、N−メチル−4−ピリジル基であ
り、Ar、及びArがフェニル基である鉄錯体。 Fetrans−DM4PyDPP:一般式(1)のA
、及びArが、N−メチル−4−ピリジル基であ
り、Ar、及びArがフェニル基である鉄錯体。
【0030】癌細胞への集積挙動は蛍光顕微鏡を用いて
ポルフィリン錯体の赤色蛍光を観察することにより確認
した。さらに原子吸光分析より細胞内のポルフィリン錯
体を定量した。結果を次の表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】この結果、疎水性の強いポルフィリン錯体
ほど集積能が高いことが確認された。特にFeDM4P
yDPPは短時間のうちに多くの錯体が癌細胞に取り込
まれた。ポルフィリン錯体に疎水性基が導入されること
により、疎水的な細胞膜との相互作用が強くなり集積能
が増大したと考えられる。
【0033】また、これらの化合物(100μg/m
l)についての抗癌効果の経時的な変化を測定した。こ
の結果を図4に示す。図4中の黒三角印はFeTM4P
yPを、黒丸印はFeTM4PyMPPを、黒四角印は
FeDM4PyDPPをそれぞれ示している。使用した
癌細胞は、ウオーカーラット(Walker rat)癌由来のL
LC・WRC・256細胞であり、各化合物を100μ
g/mlの濃度で使用した。図4の縦軸は癌細胞の生存
率を示しており、100%は全癌細胞が生存している状
態を示している。
【0034】メソ位にフェニル基2個を有するFeDM
4PyDPPは、添加後24時間以内でほぼ全ての癌細
胞を死滅させた。抗癌効果は、FeDM4PyDPP>
FeTM4PyP>FeTM4PyMPPの順で減少し
た。
【0035】LD50(Median Lethal Dose:細胞を5
0%死滅させるのに必要な薬剤の量)の値を測定した結
果を表4に示す。表4に、併せて前述した方法で測定し
たSOD活性についてのkcatの値を示す。
【0036】
【表4】
【0037】不均化速度定数(kcat)は、カチオン
性置換基の減少と共に低下し、FeTM4PyP>Fe
TM4PyMPP>FeDM4PyDPPの順となっ
た。しかし、FeDM4PyDPPは低いながらもSO
D活性を有しており高い集積能が優れた抗癌作用を誘発
させた。つまり、FeDM4PyDPPの疎水性により
癌細胞への集積が著しく増大することによりカチオン性
置換基の減少によるSOD活性の低下を補い、優れた抗
癌作用を示したと考えられる。以上のことから、癌細胞
への集積能はカチオン性金属ポルフィリン錯体が示す抗
癌効果において重要な因子であることがわかった。
【0038】次に本発明の化合物の正常細胞に対する作
用を検討した。まず、本発明の化合物及び公知の抗癌抗
生物質であるマイトマイシンCを用いて、正常細胞(B
RL−3A)の生育実験を行った。結果を図5に示す。
図5中の黒丸印はコントロールを示し、黒四角印はFe
TM4PyPを添加した場合を示し、黒三角印はMnT
M4PyPを添加した場合を示し、白丸印はマイトマイ
シンCを添加した場合を示す。従来の抗癌剤であるマイ
トマイシンCを添加した場合には、時間の経過と共に細
胞数が減少し、約70時間後には0になる。一方、本発
明の化合物の場合にはほぼコントロールと同様に細胞の
増殖が行われている。即ち、本発明の化合物は正常細胞
にはほとんど影響を与えないことがわかる。
【0039】さらに、本発明の化合物であるFeTM4
PyPを種々の濃度で、正常細胞(BRL−3A細胞)
と癌細胞(Walker256細胞)の培養液中に添加
して、各細胞の生存率を測定した。結果を図6に示す。
図6中の白丸印は癌細胞の生存率を示し、黒丸印は正常
細胞を示す。癌細胞では、FeTM4PyPの濃度が5
0μg/mlでその生存率が約50%程度に、さらに濃
度が100μg/mlでは約40%程度に低下するのに
対して、正常細胞においては、濃度を上げていってもそ
の生存率はほとんど低下せず、本発明の化合物が正常細
胞に対してはほとんど影響を与えないことがわかる。
【0040】以上の結果から、本発明の有効成分は、多
くの活性酸素を有する癌細胞において特異的にヒドロキ
シラジカルを発生させることにより抗癌効果を奏するも
のであることが判明した。このようなメカニズムによる
抗癌剤は、本発明者らによる新規な着想に基づくもので
あり、本発明は新規なメカニズムによる癌細胞に特異的
な新規な抗癌剤を提供するものである。また、本発明の
医薬組成物は、経口又は非経口により投与することがで
き、その有効投与量は、病態や患者により相違するが、
一般的には1μg〜1gを1日数回に分けて投与するか
連続的に投与する。本発明の医薬組成物は公知の方法に
より、製剤化することができ、投与方法や患者により適
宜製剤することができる。
【0041】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0042】実施例1(ポリフリン環の合成) 三つロフラスコにあらかじめNaS0で脱水してお
いたプロピオン酸300mlを入れ、窒素下、110℃
でベンズアルデヒド7.5ml(0.0707もl)、
ピリジン−4−アルデヒド12.5ml(0.1165
mol)を入れ、撹拌、遮光した。次いで、ピロール1
2.5ml(0.1863mol)をゆっくり滴下し
た。2時間反応させた後、溶媒を留去した。アンモニア
水で中和し、また溶媒を留去した。100℃で減圧乾燥
を行った。メタノールで洗浄濾過し、残査を減圧乾燥し
た。フラッシュカラム(固定相:シリカゲル、展開溶
媒:塩化メチレン100%→メタノール5%/塩化メチ
レン95%)でポルフィリン(TPP、MPyTPP、
DPyDPP、TPyMPP、TPyP)を分離精製し
た。今回はDPyDPPのcis体、trans体を分
離することはできなかった。各ポルフィリンの単離はN
MRで確認した。収率は約2%だった。
【0043】実施例2(ポルフィリンのメチル化(メソ
位のピリジル基のN原子の四級化)) 三つ口フラスコにエタノール10%(3ml)/クロロ
ホルム90%(27ml)の溶媒を入れ、各ポルフィリ
ン(MPyTPPの場合0.077g(1.3×10
−4Mol)、DPyDPPの場合0.235g(3.
8×10−4mol)、TPyMPPの場合0.251
g(3.9×10−4mol))を加えた。メチル化す
るN原子の数の約4倍モル量のp−トルエンスルホン酸
メチル(MPyTPPに対しては0.120ml(6.
4×10−4mol)、DPyDPPに対しては0.5
7ml(3.1×10−3mol)、TPyMPPに対
しては0.88ml(4.7×10−3mol))を加
え、35℃、窒素下で遮光して終夜反応させた。溶媒を
留去後、減圧乾燥を行いMMPyTPP(MPyTPP
をメチル化したもの)、DPyDPP(DPyPPP
をメチル化したもの)、TMPyMPP(TPyMPP
をメチル化したもの)を得た。
【0044】TMPyMPPはこの後徴量のメタノール
に溶かしてジエチルエーテル中で再沈させ、濾過後残渣
を回収した。DMPyPPPの方は非常に難溶なので、
この過程は行わなかった。十分に減圧乾燥を行った。ま
たMMPyTPPは水に不溶であったので、ここでは使
用することができなかった。各メチル化の確認はNMR
で行った(図7、図8及び図9参照)。収率は約45%
だった。
【0045】 H−NMR[270MHz、DMSO−d]: δ DMPyDPP 9.48(8H、2,6−ピリジル) 9.20(8H、ピロール−β) 9.00(8H、3,5−ピリジル) 4.73(12H、N−メチル) −3.10(2H、内部ピロール) TMPyMPP 9.71−7.30(46H) 4.96(9H、N−メチル) −2.74(2H、内部ピロール) TMPyP 9.44−7.07(40H) 4.71(6H、N−メチル) −2.90(2H、内部ピロール)
【0046】実施例3(ポルフィリンへの金属(Fe)
導入) 三つロフラスコにコハク酸緩衝液(pH4.O5)を1
50ml入れ、80℃、窒素下で、各ポルフィリン(D
MPyDPPの場合は0.257g(2.7×10−4
mol)、TMPyMPPの場合は0.207g(1.
8×10−4mol))を加え、塩化鉄(FeCl
4水和物をポルフィリンの約10倍モル量(DMPyD
PPに対して0.425g(2.1×10−3mo
l)、TMPyMPPに対して0.382g(1.9×
10−3mol))入れ、1時間ごとにUV−Visス
ペクトルを測定し、ピークのシフト、吸光度から金属導
入が確認できるまで反応させた。溶媒を留去後、カラム
(固定相:イオン交換樹脂HP20、展開溶媒:水→水
10%/メタノール90%)で遊離した鉄を分離し、溶
媒を留去後減圧乾燥を行いFeDMPyDPP、FeT
MPyMPPを得た。収率は約70%だった。
【0047】実施例4(細胞培養) 凍結保存しておいた細胞を37℃の温水で解凍した後、
遠沈管に移し、10分間、1000回転で遠心分離し、
上澄みを捨てて凍結保存の際に用いるDMSOを除き、
培養液(以下、MEMと表す。)を入れ懸濁後、培養フ
ラスコに移し培養器内(37℃、炭酸ガス下)で培養し
た。2−3日おきにMEMを交換し、十分に細胞が増殖
した後、トリプシン処理して細胞をフラスコからはがし
遠沈管に移し、10分間、1000回転で遠心分離後上
澄みを捨てMEMを加え懸濁後、いくつかのフラスコに
移し(継代)、細胞を増殖させた。この際、LLC−W
RC−256細胞はEagle’s essentia
l medium(以下、E−MEMと表す。)、BR
L−3A細胞はHam’s F−12K(以下、F−1
2Kと表す。)を用いて培養した。
【0048】実施例5(制癌活性評価) 継代培養した細胞をトリプシン処理で培養フラスコより
はがし、遠沈管に移し、10分間、1000回転で遠心
分離後、上澄みは捨てMEMを加え懸濁後、12穴のデ
ィッシュに1穴につき1mlずつ加えた。1日培養器で
培養して細胞を着床させてから、終濃度が10−100
μg/mlとなるように調製した各ポルフィリン錯体及
びマイトマイシンC、又はカルボプラチンを添加し、培
養器に入れた。評価は一定時間経過後(0.5〜120
時間後)に培養器から取り出し、トリパンブルー溶液で
死滅細胞を染色することで行った。一定時間経過後、M
EMを吸引し、PBSで洗浄後、トリパンブルー溶液を
入れ、15分間培養器に入れた。吸引後PBSで洗浄
し、再びPBSを入れ、培養顕微鏡(OLYMPUS
倒立型培養顕微鏡IMT−2)で観察し、写真撮影(O
LYMPUS 顕微鏡写真自動露出撮影装置model
PM−10−A)を行った。得られた写真からトリパン
ブルーで染色された死滅細胞と染まっていない生細胞の
数を計測し、細胞生存率を算出した。以上の手順を図1
に模式的に示す。
【0049】
【発明の効果】本発明は、癌細胞に多量に存在する活性
酸素をヒドロキシラジカル(・OH)に変換することに
より癌細胞を特異的に死滅させるという新規なメカニズ
ムによる癌の治療方法及びこの方法による新規な抗癌剤
を提供するものである。本発明の抗癌剤は、正常細胞に
対する副作用が少なく、安全で且つ治療効果の高いもの
である。また、本発明は、癌細胞の増殖抑制および抗癌
作用を有する新規な金属ポルフィリン錯体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、癌細胞の生存率を測定方法を模式的に
示したものである。
【図2】図2は、本発明のカチオン性金属ポルフィリン
錯体及び抗酸化酵素の癌細胞に対する死滅率をグラフ化
して示したものである。
【図3】図3は、各種金属ポルフィリン錯体及び抗酸化
酵素の癌細胞に対する死滅率をグラフ化し、そのSOD
活性のkcat値を示したものである。
【図4】図4は、本発明のカチオン性金属ポルフィリン
錯体の癌細胞に対する生存率をグラフ化して示したもの
である。図4中の黒三角印はFeTM4PyPを、黒丸
印はFeTM4PyMPPを、黒四角印はFeDM4P
yDPPをそれぞれ示している。
【図5】図5は、本発明のカチオン性金属ポルフィリン
錯体及び公知の抗癌剤における正常細胞に対する作用を
グラフ化して示したものである。
【図6】図6は、本発明のカチオン性金属ポルフィリン
錯体による癌細胞及び正常細胞への影響をグラフ化して
示したものである。
【図7】図7は、本発明のカチオン性金属ポルフィリン
錯体(DMPyDPP)の金属化前の化合物のNMRチ
ャートを示したものである。
【図8】図8は、本発明のカチオン性金属ポルフィリン
錯体(TMPyMPP)の金属化前の化合物のNMRチ
ャートを示したものである。
【図9】図9は、本発明のカチオン性金属ポルフィリン
錯体(TMPyP)の金属化前の化合物のNMRチャー
トを示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長岡 昭二 神奈川県鎌倉市七里ガ浜東5丁目4番10− 2 (72)発明者 中村 國衛 神奈川県相模原市古淵5丁目11番1号 (72)発明者 大瀬 俊之 東京都町田市小山田桜台1丁目11番74− 502 (72)発明者 村瀬 徹 東京都八王子市南大沢2丁目206番地20号 コンフォール河井102号室 Fターム(参考) 4C050 PA05 4C086 AA01 AA02 AA03 CB04 MA01 MA04 ZB26 ZC41

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Mは錯体を形成するための金属原子を示し、A
    、Ar、Ar、及び、Arはそれぞれ独立し
    て置換基を有してもよい炭素環式又は複素環式芳香族基
    を示し、Ar、Ar、Ar、及び、Arの少な
    くとも1個はカチオン性の基を有する芳香族基であ
    る。)で表されるカチオン性金属ポルフィリン錯体。
  2. 【請求項2】 Mが、鉄原子、銅原子又はマンガン原子
    である請求項1に記載のカチオン性金属ポルフィリン錯
    体。
  3. 【請求項3】 Ar、Ar、Ar、及び、Ar
    の少なくともひとつが、N−低級アルキル−4−ピリジ
    ル基である請求項1又は2に記載のカチオン性金属ポル
    フィリン錯体。
  4. 【請求項4】 N−低級アルキル−4−ピリジル基が、
    N−メチル−4−ピリジル基である請求項3に記載のカ
    チオン性金属ポルフィリン錯体。
  5. 【請求項5】 Ar、Ar、Ar、及び、Ar
    の少なくともひとつが、4−N,N,N−トリ低級アル
    キルアミノフェニル基である請求項1又は2に記載のカ
    チオン性金属ポルフィリン錯体。
  6. 【請求項6】 4−N,N,N−トリ低級アルキルアミ
    ノフェニル基が、4−N,N,N−トリメチルアミノフ
    ェニル基である請求項5に記載のカチオン性金属ポルフ
    ィリン錯体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のカチオ
    ン性金属ポルフィリン錯体を含有してなる医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のカチオ
    ン性金属ポルフィリン錯体を含有してなるヒドロキラジ
    カル誘発剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載のカチオ
    ン性金属ポルフィリン錯体を含有してなる抗癌剤。
  10. 【請求項10】 生体内の活性酸素をヒドロキシラジカ
    ルに変換することができるヒドロキシラジカル誘発剤を
    含有してなる医薬組成物。
  11. 【請求項11】 医薬組成物が抗癌剤である請求項10
    に記載の医薬組成物。
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