JP2000247159A - 駆動状態切換装置 - Google Patents

駆動状態切換装置

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JP2000247159A
JP2000247159A JP11046582A JP4658299A JP2000247159A JP 2000247159 A JP2000247159 A JP 2000247159A JP 11046582 A JP11046582 A JP 11046582A JP 4658299 A JP4658299 A JP 4658299A JP 2000247159 A JP2000247159 A JP 2000247159A
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JP
Japan
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switching
center differential
differential
vehicle
driving state
Prior art date
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Pending
Application number
JP11046582A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Ikushima
嘉大 生島
Shigeyuki Yoshida
茂之 吉田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動状態切換装置に関し、センタデフ付トラ
ンスファ装置をそなえた4輪駆動車両におけるセンタデ
フ差動4WDから2WDへの駆動状態切換時の切換ショ
ックの発生を防止できるようにする。 【解決手段】 切換機構30によるセンタデフ差動4W
Dから2WDへの駆動状態の切換に際し、検出手段6
6,67により検出される車両1の加減速度に対応する
パラメータ値,車両1の舵角に対応するパラメータ値の
少なくとも一方が所定値よりも大きい場合には、禁止手
段102によりセンタデフ差動4WDから2WDへの駆
動状態の切換を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センタデフ付トラ
ンスファ装置をそなえ2輪駆動状態と4輪駆動状態との
間で駆動状態の切換が可能な4輪駆動型車両にそなえら
れる、駆動状態切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、2輪駆動状態(2WD)と4
輪駆動状態(4WD)との切換が可能なパートタイム式
の4輪駆動型車両が知られており、ドライバの任意の操
作によりトランスファ装置を制御して駆動状態の切換が
行なわれるようになっている。また、トランスファ装置
に差動制限装置付きのセンタデフをそなえた4輪駆動型
車両では、センタデフをロック(非差動)することによ
る従来のような直結式4WD(センタデフ非差動4W
D)のみならず、センタデフをフリー(差動)にしたセ
ンタデフ4WD(センタデフ差動4WD)にすること
で、タイトコーナブレーキングを抑制し、4WD車とし
ての走行性能を確保することができるようにもなってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の4輪
駆動型車両がセンタデフ4WDを選択している場合に
は、駆動力は前後左右の4輪に配分されているが、2W
D(例えば、後輪駆動)が選択された場合には、フロン
ト駆動系への動力伝達は遮断されて後輪側の2輪にのみ
伝達されるようになる。このため、車両の加減速度が大
きいときにセンタデフ4WDから2WDに切り換える
と、フロント駆動系への動力伝達の遮断に伴い大きなト
ルク変化が生じ、車両にショックが発生してしまう。
【0004】従来の切換ショックを防止するための技術
としては、例えば、実公平6−29091号公報に開示
された技術があげられる。ここでは、トランスファ装置
への入力トルクをスロットル開度から判定し、その値が
所定値以上の場合には4WDから2WDへの切換を制限
するようになっている。しかしながら、この技術では、
トランスファ装置への入力トルクが大きい場合の切換に
伴うショックに着目しているが、加減速時の切換に伴う
ショックについては着目しておらず、また、トランスフ
ァ装置への入力トルクを把握しても、この入力トルクか
ら車両の実際の加減速度を検出することはできない。し
たがって、加減速時でもセンタデフ4WDから2WDへ
の切換を許容してしまうことがあり、切換ショックの発
生を防止することはできない。
【0005】また、従来のセンタデフを有しない4輪駆
動型車両では、4WDで旋回するとタイトコーナブレー
キングが発生するため、大舵角旋回時には自動的に4W
Dから2WDへ切り換えようとするのが一般的な発想で
あった。例えば、特開平4−154433号公報に開示
された技術がこれに該当する。しかしながら、車両が大
舵角で旋回しているような場合には、フロント駆動系に
は捩れが生じており、このような場合に4WDから2W
Dに切り換えると、フロント駆動系に蓄積されていた捩
れトルクの解放に伴うショックが発生する場合がある。
【0006】センタデフをそなえた4輪駆動型車両の場
合、駆動状態をセンタデフ4WDにすることで上述のよ
うに機械的にタイトコーナブレ−キングを防止すること
ができる。しかしながら、センタデフ4WDにおいても
大舵角旋回時にフロント駆動系に捩れトルクが蓄積され
ることは避けられず、大舵角旋回時にセンタデフ4WD
から2WDに駆動状態を切り換えると、蓄積されていた
捩れトルクの解放に伴い車体にショックが発生してしま
う。これまで、この点について解決を図った技術は開示
されておらず依然として解決すべき課題となっている。
【0007】さらに、前述のセンタデフ4WDと直結4
WDとを選択可能な4輪駆動車両の場合、センタデフ4
WDから直結4WDへ切り換えるときには、センタデフ
を拘束するようにクラッチギヤを係合するため、旋回時
やスリップ時等のようなセンタデフ差動時に切換操作を
行なうと、クラッチギヤの係合ミスによりギヤ鳴りが生
じたり、クラッチギヤやクラッチギヤを可動するアクチ
ュエータに過大な負担を与えてしまう虞がある。
【0008】逆に直結4WDからセンタデフ4WDへ切
り換えるときには、センタデフの拘束が瞬時に解放され
ることになるため、車両の加減速度が大きいときにはト
ルク変化による切換ショックが顕著に現れ、また、大舵
角旋回時にはフロント駆動系に蓄積された捩じれトルク
の解放による切換ショックが発生してしまう。本発明
は、このような課題に鑑み創案されたもので、センタデ
フ付トランスファ装置をそなえた4輪駆動車両における
センタデフ差動4WDから2WDへの駆動状態切換時の
切換ショックの発生を防止できるようにした、駆動状態
切換装置を提供することを目的とする。
【0009】また、センタデフ付トランスファ装置をそ
なえた4輪駆動車両におけるセンタデフ差動4WDとセ
ンタデフ非差動4WDとの間での駆動状態切換時の切換
ショックの発生を防止できるようにした、駆動状態切換
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明の駆動状態切換装置では、セ
ンタデフ付トランスファ装置をそなえた4輪駆動型車両
の駆動状態を切換機構によりセンタデフ差動4WDと2
WDとの間で切換えるが、車両の加減速度に対応するパ
ラメータ値、もしくは車両の舵角に対応するパラメータ
値が、所定値よりも大きい場合には、禁止手段によりセ
ンタデフ差動4WDから2WDへの駆動状態の切換を禁
止する。これにより、加減速度が大きい場合もしくは大
舵角旋回時にはセンタデフ差動4WDから2WDへの駆
動状態の切換が禁止され、切換にともなう車体のショッ
クの発生が防止される。
【0011】また、請求項2記載の本発明の駆動状態切
換装置では、センタデフ付トランスファ装置をそなえた
4輪駆動型車両の駆動状態を切換機構によりセンタデフ
差動4WDとセンタデフ非差動4WDとの間で切換える
が、トランスファ装置への入力トルクに対応するパラメ
ータ値、若しくは車両の加減速度に対応するパラメータ
値、若しくは車両の舵角に対応するパラメータ値が、所
定値よりも大きい場合には、禁止手段によりセンタデフ
差動4WDとセンタデフ非差動4WDとの間での駆動状
態の切換を禁止する。
【0012】これにより、入力トルクが大きい時もしく
は加減速度が大きい時もしくは大舵角旋回時には、セン
タデフ差動4WDとセンタデフ非差動4WDとの間での
駆動状態の切換が禁止され、センタデフのギヤ鳴りや切
換機構への過大な負荷の入力が防止されるとともに、切
換にともなう車体のショックの発生も防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図12は本発明の一実施形
態としての駆動状態切換装置を示すもので、図1は本駆
動状態切換装置が適用されたパートタイム式4輪駆動車
両の駆動系の構成を示す図である。
【0014】図1に示すように、本車両1は、後輪8
2,83による駆動をベースにしたFR(フロントエン
ジンリヤ駆動)ベースの4輪駆動車両であり、トランス
ファ装置4から駆動力を取り出して前輪80,81へ伝
達することによって4輪駆動を行なうようにしたもので
ある。つまり、本車両1では、エンジン2から出力され
た駆動力は、トランスミッション(T/M)3を介して
トランスファ装置4のインプットシャフト10に入力さ
れ、トランスファ装置4内部において、駆動状態に応じ
て前輪80,81側と後輪82,83側とにそれぞれ分
配されるようになっている。後輪82,83側に分配さ
れた駆動力は、トランスファ装置4のリヤアウトプット
シャフト12から出力され、リヤアウトプットシャフト
12に連結されたリヤプロペラシャフトを介してリヤデ
フ(デファレンシャルギヤ)6に入力されるようになっ
ている。そして、左右に等配分され、リヤアクスルシャ
フト15,16を介して左右の後輪82,83に伝達さ
れるようになっている。
【0015】一方、前輪80,81側に分配された駆動
力は、トランスファ装置4のドライブスプッロケット3
6からトランスファチェーン37を介してドリブンスプ
ロケット13に伝達されるようになっている。ドリブン
スプロケット13からはフロントプロペラシャフト14
が前輪側に延設されており、その先端はフロントデフ7
に接続されている。したがって、ドリブンスプロケット
13に伝達された駆動力は、フロントプロペラシャフト
14を介してフロントデフ7に入力されるようになって
おり、フロントデフ7において左右に等配分され、フロ
ントアクスルシャフト17,18を介して左右の前輪8
0,81に伝達されるようになっている。なお、一方の
側のアクスルシャフト17には、フリーホイール機構5
がそなえられている。
【0016】ここで、トランスファ装置4の構成につい
て詳述すると、トランスファ装置4は、主に副変速機2
0,2駆/4駆切換機構(切換機構)30,センタデフ
40から構成されており、トランスミッション3からの
出力は、まず副変速機20に入力されるようになってい
る。副変速機20は、トランスミッション3から入力さ
れた回転を、Hi/Low切換スリーブ29を移動させ
ることによって、高速(Hi)と低速(Low)との2
段階で切り換えて出力するようになっている。詳述する
と、インプットシャフト10とリヤアウトプットシャフ
ト12との間には、これらのシャフト10,12と同軸
上に副変速機20からセンタデフ40に駆動力を入力す
るトランスファドライブシャフト11がそなえられてお
り、副変速機20は、インプットシャフト10と同軸一
体に設けられたインプットギヤ21及びクラッチギヤ2
2と、トランスファドライブシャフト11と同軸別体に
設けられたHi/Lowクラッチハブ(クラッチギヤ)
23と、トランスファドライブシャフト11の一端に同
軸一体に設けられたクラッチギヤ24と、これらのクラ
ッチギヤ22,23,24の外周に設置されたHi/L
ow切換スリーブ29とをそなえている。
【0017】クラッチギヤ22,23,24は軸方向に
並設されており、Hi/Low切換スリーブ29はこれ
らのクラッチギヤ22,23,24と噛合して、クラッ
チギヤ22と23との間又はクラッチギヤ23と24と
の間の回転の伝達を断接するように設けられている。さ
らに、トランスファドライブシャフト11にはロースピ
ードギヤ25が回転自在に軸支されて入る。
【0018】また、副変速機20には、インプットシャ
フト10,トランスファドライブシャフト11に並列に
カウンタシャフト28がそなえられており、カウンタシ
ャフト28の両端には同軸一体にカウンタギヤ26,2
7がそなえられ、それぞれインプットギヤ21,ロース
ピードギヤ25と噛み合っている。なお、ロースピード
ギヤ25はインプットギヤ21よりも大径(即ち、歯数
が多い)のため、これらと噛合するカウンタギヤ26,
27は、これと逆にカウンタギヤ26の方が大径になっ
ている。
【0019】このような構成によって、副変速機20で
は、Hi/Low切換スリーブ29がクラッチギヤ2
2,23を連結している場合には、T/M3からインプ
ットシャフト10に伝達された回転は、クラッチギヤ2
2,Hi/Low切換スリーブ29,クラッチギヤ23
を介して、トランスファドライブシャフト11へそのま
まの回転数で伝達されるようになっている(以下、この
ときのHi/Low切換スリーブ29の位置をHi位置
という)。
【0020】一方、クラッチギヤ23,24を連結して
いる場合には、クラッチギヤ22,23が切り離される
ため、インプットシャフト10からトランスファドライ
ブシャフト11への直接の回転の伝達は行なわれず、T
/M3からインプットシャフト10に伝達された回転
は、インプットギヤ10からカウンタギヤ26,カウン
タシャフト28,カウンタギヤ27を介してロースピー
ドギヤ25に伝達され、その際に減速が行なわれるよう
になっている。そして、減速された回転は、クラッチギ
ヤ24,Hi/Low切換スリーブ29,クラッチギヤ
23を介してトランスファドライブシャフト11へ伝達
されるようになっている(以下、このときのHi/Lo
w切換スリーブ29の位置をLow位置という)。
【0021】副変速機20の出力は、トランスファドラ
イブシャフト11を介してセンタデフ40に伝達される
ようになっている。センタデフ40は、プラネタリギヤ
式のセンタデフであり、デフケース45にそなえらえた
リングギヤ44と、複数のプラネタリギヤ42を介して
リングギヤ44と噛み合うサンギヤ41とから構成され
ている。そして、トランスファドライブシャフト11
は、プラネタリギヤ42を回転自在に支持するキャリア
43に連結されており、副変速機20の出力をキャリア
43に伝達するようになっている。
【0022】サンギヤ41は、トランスファドライブシ
ャフト11に回転自在に軸支されたインナスリーブ46
の一端に同軸一体に固設されており、インナスリーブ4
6の他端には、2駆/4駆切換機構30を構成する2駆
/4駆クラッチギヤ(2駆/4駆クラッチハブ)32が
同軸一体にそなえられている。つまり、トランスファド
ライブシャフト11からキャリア43に入力された駆動
力のうち、前輪側への駆動力の配分は、サンギヤ41か
らインナスリーブ46を介して行なわれるようになって
いる。一方、トランスファドライブシャフト11からキ
ャリア43に入力された駆動力のうちの後輪側への駆動
力の配分は、デフケース45に同軸に連設されたリヤア
ウトプットシャフト12から行なわれるようになってい
る。
【0023】また、センタデフ40には、差動制限装置
としてのビスカスカップリングユニット(VCU)47
が付設されている。ここでは、VCU47のビスカスケ
ースはデフケース45と一体になっており、デフケース
45の内周面には、複数のアウタプレート48が設けら
れている。また、ビスカスハブはインナスリーブ46が
兼用されており、インナスリーブ46の外周面には、複
数のインナプレート49がアウタプレート48に対して
交互に設けられている。つまり、インナスリーブ46か
らの前輪側への出力と、デフケース45からの後輪側へ
の出力とは、VCU47によって調整されるようになっ
ており、両者の間、即ち、インナスリーブ46及びイン
ナプレート49と、デフケース45及びアウタプレート
48との間で回転差が生じたときには、高速回転側から
低速回転側へと駆動力が伝達されて出力の再配分が行な
われ、差動が制限されるようになっている。
【0024】次に、2駆/4駆切換機構30について説
明すると、2駆/4駆切換機構30は、トランスファと
しての機能とセンタデフ40のデフロックの機能とを併
せ持っており、2駆/4駆切換スリーブ34を移動させ
ることによって、各機能の切換が行なわれるようになっ
ている。つまり、2駆/4駆切換機構30は、トランス
ファドライブシャフト11と同軸一体のクラッチギヤ
(デフロックハブ)31と、2駆/4駆クラッチギヤ
(クラッチハブ)32と、インナスリーブ46の外側に
軸支されたドライブスプロケット36と同軸一体のクラ
ッチギヤ33と、これらのクラッチギヤ31,32,3
3の外周に外接して噛合可能に設けられた2駆/4駆切
換スリーブ34とをそなえており、これらのクラッチギ
ヤ31,32,33と2駆/4駆切換スリーブ34との
噛合関係により、駆動モードの切換が行なわれるように
なっている。
【0025】詳述すると、2駆/4駆切換スリーブ34
は、2つの内歯部34a,34bを有しており、2駆/
4駆切換スリーブ34が最前方に位置しているときに
は、クラッチギヤ31,32が内歯部34bにより連結
されるようになっている。また、2駆/4駆切換スリー
ブ34が中間位置に位置しているときには、クラッチギ
ヤ32,33が内歯部34bにより連結されるようにな
っており、最後方に位置しているときには、全てのクラ
ッチギヤ31,32,33が内歯部34a,34bを介
して連結されるようになっている。
【0026】まず、クラッチギヤ31,32が連結され
た場合について説明すると、このとき、インナスリーブ
47の回転はトランスファドライブシャフト11に拘束
されることになり、サンギヤ41とキャリア43とは一
体化される。このため、ピニオンギヤ42は自転でき
ず、リングギヤ44もサンギヤ41,キャリア43と同
速度で回転するようになり、センタデフ40はデフロッ
ク状態となる。また、クラッチギヤ33は解放されてい
るので、前輪側へは駆動力は伝達されることがない。し
たがって、この場合には、車両1の駆動状態は後輪8
2,83を駆動輪とする2WDとなる(以下、このとき
の2駆/4駆切換スリーブ34の位置を2WD位置とい
う)。
【0027】次に、クラッチギヤ32,33が連結され
た場合には、クラッチギヤ31が解放されることによ
り、センタデフ40のデフロックは解除される(すなわ
ち、デフフリー状態となる)。そして、クラッチギヤ3
2,33が連結されることにより、前輪側への駆動力の
伝達経路が形成され、車両1の駆動状態はセンタデフ4
WDとなる。つまり、トランスファドライブシャフト1
1からキャリア43に入力された駆動力は、サンギヤ4
1を介してインナスリーブ47に伝達され、クラッチギ
ヤ32,33の連結を介してドライブギヤ36から前輪
側へ出力されるようになるのである。また、後輪側に
は、リングギヤ44を介してデフケース45に伝達さ
れ、リヤアウトプットシャフト12から出力される。た
だし、前輪側への出力と、後輪側への出力との間にはV
CU47が設けられているので、両者の間で回転差が生
じたときには、出力の再配分が行なわれるようになって
いる(以下、このときの2駆/4駆切換スリーブ34の
位置をセンタデフ4WD位置という)。なお、クラッチ
ギヤ32,33の間には、クラッチギヤ32,33の連
結を円滑に行なうためのシンクロ機構35がそなえられ
ている。
【0028】そして、クラッチギヤ31,32,33の
全てが連結された場合には、上述のようにクラッチギヤ
32,33が連結されたときと同様に、前輪側への駆動
力の伝達経路が形成され、さらに、クラッチギヤ31が
連結されることにより、センタデフ40はデフロック状
態となる。すなわち、この場合には、車両1の駆動状態
は直結4WDとなり、前輪側,後輪側にそれぞれの接地
荷重に比例した駆動力が配分される(以下、このときの
2駆/4駆切換スリーブ34の位置を直結4WD位置と
いう)。
【0029】副変速機20,2駆/4駆切換機構30,
センタデフ40の各構成は上述のとおりであるが、トラ
ンスファ装置には、さらに、副変速機20にそなえられ
たHi/Low切換スリーブ29及び2駆/4駆切換機
構30にそなえられた2駆/4駆切換スリーブ34の切
換制御を行なう、シフトアクチュエータ50がそなえら
れている。
【0030】シフトアクチュエータ50は、主に電気モ
ータ51,メインシフトレール52,Hi/Low切換
シフトレール55,2駆/4駆切換シフトレール56か
ら構成されており、Hi/Low切換シフトレール55
にそなえられたシフトフォーク55aには、Hi/Lo
w切換スリーブ29が係合しており、2駆/4駆切換シ
フトレール56にそなえられたシフトフォーク56aに
は、2駆/4駆切換スリーブ34が係合している。そし
て、トランスファコントロールユニット(以下、TCU
という)100からの指示により電気モータ51を回転
させ、各シフトレール52,55,56を駆動すること
により、Hi/Low切換スリーブ29,2駆/4駆切
換スリーブ34の切換制御を行なうようになっている。
【0031】詳述すると、電気モータ51の出力軸には
ピニオン51aがそなえられ、メインシフトレール52
のラック52aに噛合している。また、メインシフトレ
ール52にはさらにラック52b,52cが設けられ、
ラック52bはHi/Low切換シフトレール55にそ
なえられたラック55bと、ラック52cは2駆/4駆
切換シフトレール56にそなえられたラック56bと、
それぞれ軸心位置が固定されたピニオン53,54を介
して噛合している。ただし、メインシフトレール52の
ラック52b,52cとピニオン53,54とは常時噛
合しているのではなく、電気モータ51により駆動され
るメインシフトレール52の位置に応じて噛合するよう
になっている。
【0032】メインシフトレール52の位置と車両1の
駆動状態との関係について、メインシフトレール51が
最後方に位置している場合を基準にして説明すると、ま
ず、このときには、Hi/Low切換スリーブ29はH
i位置となり、2駆/4駆切換スリーブ34は2WD位
置となっている。したがって、車両1の駆動状態は2W
Dとなっている。
【0033】電気モータ51を回転させメインシフトレ
ール52を上記の位置から前進させると、ラック52
c,ピニオン54,ラック56bを介して2駆/4駆切
換シフトレール56は後退し、2駆/4駆切換スリーブ
34はクラッチギヤ32,33を連結するとともに、ク
ラッチギヤ31,32の連結を解除する。すなわち、セ
ンタデフ4WD位置となる。一方、Hi/Low切換シ
フトレール55は、ラック52bとピニオン53とが噛
合していないために駆動力が伝達されず、Hi/Low
切換スリーブ29はHi位置のままとなる。したがっ
て、車両1の駆動状態はセンタデフ4WD(センタデフ
差動4WD)となる。
【0034】さらに、電気モータ51を回転させメイン
シフトレール52を前進させると、ラック52c,ピニ
オン54,ラック56bを介して2駆/4駆切換シフト
レール56はさらに後退して、2駆/4駆切換スリーブ
34はクラッチギヤ32,33の連結を保持するととも
に、さらに、クラッチギヤ31も連結して、直結4WD
位置となる。したがって、車両1の駆動状態は直結4W
D(センタデフ非差動4WD)となる。ただし、Hi/
Low切換シフトレール55は、ラック52bとピニオ
ン53とが噛合していないために駆動力が伝達されず、
Hi/Low切換スリーブ29はHi位置のままとなる
(以下、この駆動状態を直結4Hという)。
【0035】そして、電気モータ51を回転させメイン
シフトレール52を最前方まで前進させると、ラック5
2cとピニオン54との噛合が解除されて、2駆/4駆
切換シフトレール56には駆動力は伝達されず、2駆/
4駆切換スリーブ34は直結4WD位置のままとなる。
一方、Hi/Low切換シフトレール55は、ラック5
2bとピニオン53とが噛合することにより、ラック5
2b,ピニオン53,ラック55bを介してメインシフ
トレール52の前進に伴い後退する。これにより、Hi
/Low切換スリーブ29は、クラッチギヤ22,23
の連結を解除するとともに、クラッチギヤ23,24を
連結し、すなわちLow位置となり、副変速機20での
減速が行なわれる(以下、この駆動状態を直結4Lとい
う)。
【0036】なお、上記の各シフトポジションは、メイ
ンシフトレール52に当接して配設された2WD/4W
D検出スイッチ61,4WD検出スイッチ62,センタ
デフ(C/D)ロック検出スイッチ63と、Hi/Lo
w切換シフトレール55に当接して配設された4LLC
検出スイッチ64と、2駆/4駆切換シフトレール56
に当接して配設された2WD検出スイッチ65との各信
号の組み合わせにより検出できるようになっている。
【0037】すなわち、各シフトレール52,55,5
6上には、各スイッチ61〜65に対応する凹部(図
3,4参照)91〜95が設けられており、各スイッチ
61〜65はこれらの凹部91〜95を検出したとき
(先端が凹部に進入したとき)にオンになるようになっ
ている。各スイッチ61〜65に対する各シフトレール
52,55,56上の凹部91〜95の位置は次のよう
になっている。
【0038】まず、メインシフトレール52上に設けら
れた凹部91は、2駆/4駆切換スリーブ34が2WD
位置又はセンタデフ4WD位置にあるときに2WD/4
WD検出スイッチ61が当接する位置に配置されてい
る。同じくメインシフトレール52上に設けられた凹部
92は、2駆/4駆切換スリーブ34がセンタデフ4W
D位置又は直結4WD位置にあり、かつ、Hi/Low
切換スリーブ29がHi位置にあるときに4WD検出ス
イッチ62と当接する位置に配置されている。同じくメ
インシフトレール52上に設けられた凹部93は、2駆
/4駆切換スリーブ34が直結4WD位置にあるときに
センタデフロック検出スイッチ63と当接する位置に配
置されている。
【0039】また、Hi/Low切換シフトレール55
上に設けられた凹部94は、2駆/4駆切換スリーブ3
4が直結4WD位置にあり、かつ、Hi/Low切換ス
リーブ29がLow位置にあるときに4LLC検出スイ
ッチ64と当接する位置に配置されており、2駆/4駆
切換シフトレール56上に設けられた凹部95は、2駆
/4駆切換スリーブ34が2WD位置にあるときに2W
D検出スイッチ65と当接する位置に配置されている。
【0040】このような各シフトレール52,55,5
6上での凹部91〜95の位置設定により、図2に示す
ように、2WD検出スイッチ65と2WD/4WD検出
スイッチ61とがオンのときには、車両1の駆動状態は
2WDと判定できる。同様に、2WD/4WD検出スイ
ッチ61と4WD検出スイッチ62とがオンのときに
は、センタデフ4WDと判定でき、4WD検出スイッチ
62とセンタデフロック検出スイッチ63とがオンのと
きには直結4H、センタデフロック検出スイッチ63と
4LLC検出スイッチ64とがオンのときには直結4L
と判定できる。また、各駆動状態間での切換途中である
ことも判定可能になっている。なお、各スイッチ61〜
65の検出信号は、TCU100に入力されるようにな
っており、TCU100において上記の判定が行なわれ
るようになっている。
【0041】以上説明した副変速機20,2駆/4駆切
換機構30,センタデフ40,シフトアクチュエータ5
0は、図示しないトランスファケース内に一体に収納さ
れて、トランスファ装置40を構成している。次に、フ
リーホイール機構5について説明すると、フリーホイー
ル機構5は、2WD時の動力損失を軽減するための装置
であり、図1に示すように、フロントアクスルシャフト
17を途中で切り離し、その端部にクラッチギヤ72,
73をそなえて、スリーブ71によりクラッチギヤ7
2,73を断接するようになっている。スリーブ71の
駆動はバキュームアクチュエータ75により行なわれる
ようになっており、TCU100はソレノイド76を制
御してバキュームアクチュエータ75内での負圧の作用
方向を変化させることで、スリーブ71に係合するシフ
トロッド74の位置を2段階に調整できるようになって
いる。
【0042】例えば、4WD(センタデフ4WD,直結
4H,直結4L)時には、シフトロッド74はバキュー
ムアクチュエータ75側に引かれ、スリーブ71はクラ
ッチギヤ72,73を連結した状態〔フリーホイール
(F/W)機構ロック状態〕となり、前輪80とフロン
トデフ7とはフロントアクスルシャフト17を介して連
結される。したがって、4WD時には、フロントプロペ
ラシャフト14からフロントデフ4に入力された駆動力
は、フロントデフ7において左右に等しく分配され、フ
ロントアクスルシャフト17,18を介して前輪80,
81に伝達されるようになる。
【0043】一方、2WD時には、シフトロッド74は
バキュームアクチュエータ75により前方(図1中下
方)に押され、スリーブ71によるクラッチギヤ72,
73の連結は解除された状態(フリーホイール機構フリ
ー状態)となり、前輪80とフロントデフ7とは切り離
される。これにより、フロントデフ7の前輪81側のサ
イドギヤは空転し、2WD時には、フロントデフ7から
ドライブスプロケット36にかけてのフロント駆動系は
回転しなくなり、動力損失が軽減されることになる。
【0044】なお、フリーホイール機構5がロック状態
にあるかフリー状態にあるかは、シフトロッド74に当
接して配設されたフリーホイールエンゲージスイッチ6
0の検出信号により、TCU100にて判定されるよう
になっている。すなわち、シフトロッド74が移動し
て、フリーホイールエンゲージスイッチ60の先端が、
シフトロッド74上の所定位置に設けられた凹部に進入
したときには、フリーホイールエンゲージスイッチ60
がオンとなり、TCU100はフリーホイール機構5が
ロック状態になったと判定するようになっている。
【0045】以上、本駆動状態切換装置が適用されたパ
ートタイム式4輪駆動車両の構成について説明したが、
次に、上記車両の駆動状態の制御を行なうTCU100
について説明する。TCU100には、前述のように各
スイッチ60〜65からの検出信号の他、アクセル開度
センサ110からのアクセル開度信号や、ストップラン
プスイッチ111からのブレーキ信号、さらに、セレク
トレバー(駆動モード選択レバー)にそなえられたセレ
クトスイッチ112からのセレクトポジション信号(駆
動モード選択信号)が入力されるようになっている。ま
た、リヤプロペラシャフトスピードセンサ66からはリ
ヤアウトプットシャフト(リヤプロペラシャフト含む)
12の回転速度の検出信号が、フロントプロペラシャフ
トスピードセンサ67からはフロントプロペラシャフト
14の回転速度の検出信号が、それぞれ入力されるよう
になっている。
【0046】TCU100では、これらの検出信号に基
づき、シフトアクチュエータ50の電気モータ51や、
フリーホイール機構5のソレノイド76を適宜制御し
て、車両1の駆動状態を制御するようになっている。こ
こで、図3〜図5は、駆動状態の切換時の制御について
説明するための要部縦断面図であり、以下、図3〜図5
を用いて駆動状態の切換制御方法、具体的には、センタ
デフ4WDから2WDへの切換制御方法、センタデフ4
WDから直結4WD(直結4H)への切換制御方法、直
結4WD(直結4H)からセンタデフ4WDへの切換制
御方法について説明する。なお、図3〜図5において、
クランクシャフトの断面と可動しない固定部分の断面に
ついては特に斜線で示している。
【0047】まず、センタデフ4WDから2WDへの切
換制御方法について説明すると、車両1の駆動状態がセ
ンタデフ4WDになっているときには、図4に示すよう
に、Hi/Low切換スリーブ29は、クラッチギヤ2
2とクラッチギヤ23とを連結するHi位置側に位置し
ており、2駆/4駆切換スリーブ34は、クラッチギヤ
32とクラッチギヤ33とを連結するセンタデフ4WD
位置側に位置している。このとき、2WD/4WD検出
スイッチ61と4WD検出スイッチ62とがオンになっ
ており、インパネ内のインジケータランプ116では、
図6(c)に示すように、前輪ランプ113と後輪ラン
プ114とは点灯し、センタデフロックランプ115は
消灯している。これにより、ドライバは現在、車両1の
駆動状態がセンタデフ4WDであることを認識できるよ
うになっている。また、このとき、フリーホイール機構
5はロック状態になっている。なお、図6(a)〜
(f)において、ランプ113,114,115の点灯
は斜線を付して示し、点滅は斜線を付すとともにその周
りに放射状の線を付して示している。また、消灯にはこ
れらの斜線等は付していない。
【0048】このような状態で、ドライバがセレクトレ
バーを4H(センタデフ4WD)から2H(2WD)に
シフトすると、セレクトスイッチからセレクトモード信
号(2WD)がTCU100に入力される。TCU10
0では、以下の条件が成立しているか否か判定手段10
1により判定し、全て成立している場合には、シフトア
クチュエータ50の電気モータ51や、フリーホイール
機構5のソレノイド76を制御して、2WDへの駆動状
態の切換を開始する。
【0049】まず、切換開始の第1の条件は、前後輪の
速度差が所定値以下であることである。前輪の回転速度
はフロントプロペラシャフトスピードセンサ67の検出
信号に基づき算出され、後輪の回転速度はリヤプロペラ
シャフトスピードセンサ66の検出信号に基づき算出さ
れるようになっている。これは、前後輪の速度差が大き
い場合には、車両1が大舵角旋回している可能性が高
く、このような場合に2WDへ切り換えると、フロント
駆動系に生じた捩じりの解放に伴うショックが発生する
虞があるからである。ここでは、前後輪速度差を舵角に
対応するパラメータ値として用いており、リヤプロペラ
シャフトスピードセンサ66,フロントプロペラシャフ
トスピードセンサ67は舵角検出手段として機能してい
る。
【0050】そして、第2の条件は、車両1の加速度又
は減速度の絶対値が所定値以下であることである。これ
は、加速度/減速度が大きいときに2WDに切り換える
と、フロント駆動系への動力伝達の遮断に伴うトルク変
化によりショックが発生する虞があるからである。ここ
では、リヤプロペラシャフトスピードセンサ66が加減
速度検出手段として機能し、加速度/減速度は、リヤプ
ロペラシャフトスピードセンサ66により検出される後
輪の回転速度の時間変化(回転速度の微分値)に基づき
演算されるようになっている。
【0051】以上の条件が全て成立した場合、TCU1
00は、2駆/4駆切換スリーブ34をセンタデフ4W
D位置からクラッチギヤ31とクラッチギヤ32とを連
結する2WD位置に移動させるべく、シフトアクチュエ
ータ50の電気モータ51に電流を供給する。一方、何
れか1つの条件でも成立しない場合には、TCU100
の機能要素である禁止手段102により切換を禁止する
ようになっている。
【0052】このとき、2駆/4駆切換スリーブ34が
移動を始めることにより、4WD検出スイッチ62はオ
フになり、2WD/4WD検出スイッチ61のみがオン
となる。これにより、インジケータランプ116では、
図6(b)に示すように、センタデフロックランプ11
5は消灯し、後輪ランプ114は点灯したままである
が、、前輪ランプ113が点滅を始めるようになってい
る。これにより、ドライバは車両1の駆動状態がセンタ
デフ4WDから2WDへ切り換わっている途中であるこ
とを認識できるようになっている。
【0053】また、2駆/4駆切換スリーブ34をセン
タデフ4WD位置から2WD位置へ切り換える途中にお
いて、上記の切換条件が成立しなくなった場合にも、そ
のまま2WD位置への切換を続行するようになってい
る。これは、2駆/4駆切換スリーブ34の移動を停止
したり、もとのセンタデフ4WD位置へ戻したりする
と、2駆/4駆切換スリーブ34とクラッチギヤ33と
が半掛かり状態となってギヤ鳴りが生じたり、2駆/4
駆切換機構30自体やシフトアクチュエータ50にも過
大な負担を与えてしまう虞があるからである。
【0054】そして、図3に示すように2駆/4駆切換
スリーブ34の2WD位置への移動が完了すると、TC
U100は、電気モータ51への電流供給を停止し、次
に、ソレノイド76を制御してバキュームアクチュエー
タ75を駆動して、ロックされていたフリーホイール機
構5をフリーにするようになっている。このとき、2W
D/4WD検出スイッチ61に加えて、2WD検出スイ
ッチ65もオンになり、インジケータランプ116で
は、図6(a)に示すように、点滅していた前輪ランプ
113が消灯し、ドライバは車両1の駆動状態が2WD
へ完全に切り換わったことを認識できるようになってい
る。
【0055】次に、センタデフ4WDから直結4WD
(直結4H)への切換制御方法について説明する。ドラ
イバがセレクトレバーを4H(センタデフ4WD)から
クラッチギヤ31とクラッチギヤ33とを連結する4H
LC(直結4H)にシフトすると、セレクトスイッチか
らセレクトモード信号(直結4H)がTCU100に入
力される。TCU100では、以下の条件が成立してい
るか否か判定手段101により判定し、全て成立してい
る場合には、シフトアクチュエータ50の電気モータ5
1を制御して、直結4Hへの駆動状態の切換を開始す
る。
【0056】まず、切換開始の第1の条件は、リヤプロ
ペラシャフトスピードセンサ66,フロントプロペラシ
ャフトスピードセンサ67の検出信号に基づき算出され
た前後輪の速度差が所定値以下であることである。そし
て、第2の条件は、アクセル開度センサ110により検
出されたアクセル開度が所定値以下であること、第3の
条件は、車両1の加速度又は減速度の絶対値が所定値以
下であることである。ここでは、リヤプロペラシャフト
スピードセンサ66,フロントプロペラシャフトスピー
ドセンサ67は舵角に対応するパラメータ値を検出する
舵角検出手段として機能し、アクセル開度センサ110
は入力トルクに対応するパラメータ値を検出する入力ト
ルク検出手段として機能している。また、リヤプロペラ
シャフトスピードセンサ66は加減速度に対応するパラ
メータ値を検出する加減速度検出手段として機能してい
る。
【0057】これらの条件は、前後輪の速度差が大きい
場合や、アクセル開度が大きい場合、また、加速度/減
速度が大きい場合には、車両1が旋回若しくはスリップ
してセンタデフ40が差動している可能性があり、この
ような場合にセンタデフ40をロックすると、クラッチ
ギヤ31と2駆/4駆切換スリーブ34との間の係合ミ
スによりギヤ鳴りが生じたり、2駆/4駆切換機構30
自体やシフトアクチュエータ50に過大な負担を与えて
しまう虞があるからである。
【0058】以上の条件が全て成立した場合、TCU1
00は、2駆/4駆切換スリーブ34をセンタデフ4W
D位置から直結4WD位置に移動させるべく、シフトア
クチュエータ50の電気モータ51に電流を供給する。
一方、何れか1つの条件でも成立しない場合には、TC
U100の機能要素である禁止手段102により切換を
禁止されるようになっている。
【0059】このとき、2駆/4駆切換スリーブ34が
移動を始めることにより、2WD/4WD検出スイッチ
61はオフになり、4WD検出スイッチ62のみがオン
となる。これにより、インジケータランプ116では、
図6(d)に示すように、前輪ランプ113,後輪ラン
プ114は点灯したままであるが、センタデフロックラ
ンプ115が点滅を始めるようになっている。これによ
り、ドライバは車両1の駆動状態がセンタデフ4WDか
ら直結4WDへ切り換わっている途中であることを認識
できるようになっている。
【0060】また、2駆/4駆切換スリーブ34をセン
タデフ4WD位置から直結4WD位置へ切り換える途中
において、上記の切換条件が成立しなくなった場合に
は、それまでの切換動作を中断し一度センタデフ4WD
位置まで確実に戻すようになっている。これは、そのま
ま直結4WD位置への移動を続行すると、上述のように
ギヤ鳴りが生じたり、2駆/4駆切換機構30自体やシ
フトアクチュエータ50にも過大な負担を与えてしまう
虞があるからである。したがって、この場合には、上記
の切換条件が成立するまで2駆/4駆切換スリーブ34
はセンタデフ4WD位置で待機させ、再び切換条件が成
立したところで、直結4WD位置への切換動作を再開す
るようになっている。なお、この間は、インジケータラ
ンプ116のセンタデフロックランプ115は点滅のま
まとし、ドライバに切換途中であることを表示するよう
になっている。
【0061】そして、図5に示すように2駆/4駆切換
スリーブ34の直結4WD位置への移動が完了すると、
TCU100は、電気モータ51への電流供給を停止す
る。このとき、4WD検出スイッチ62に加えて、セン
タデフロック検出スイッチ63もオンになり、インジケ
ータランプ116では、図6(e)に示すように、点滅
していたセンタデフロックランプ115が常時点灯し、
ドライバは車両1の駆動状態が直結4Hへ完全に切り換
わったことを認識できるようになっている。
【0062】次に、直結4WD(直結4H)からセンタ
デフ4WDへの切換制御方法について説明する。ドライ
バがセレクトレバーを4HLC(直結4H)から4H
(センタデフ4WD)にシフトすると、セレクトスイッ
チからセレクトモード信号(センタデフ4WD)がTC
U100に入力される。TCU100では、以下の条件
が成立しているか否か判定手段101により判定し、全
ての条件が成立している場合には、シフトアクチュエー
タ50の電気モータ51を制御して、センタデフ4WD
への駆動状態の切換を開始する。
【0063】まず、切換開始の第1の条件は、車両1の
加速度又は減速度の絶対値が所定値以下であること、第
2の条件は、アクセル開度センサ110により検出され
たアクセル開度が所定値以下であることである。これら
の条件は、加速度/減速度が大きい場合やアクセル開度
が大きい場合にセンタデフ40のロックを解除すると、
トルク変化による切換ショックが発生したり、駆動系の
捩じれ解放による切換ショックが発生することになるた
め、このような場合でのセンタデフ40のロック解除を
禁止したものである。
【0064】以上の条件が全て成立した場合、TCU1
00は、2駆/4駆切換スリーブ34を直結4WD位置
からセンタデフ4WD位置に移動させるべく、シフトア
クチュエータ50の電気モータ51に電流を供給する。
一方、何れか1つの条件でも成立しない場合には、TC
U100の機能要素である禁止手段102により切換を
禁止されるようになっている。
【0065】このとき、2駆/4駆切換スリーブ34が
移動を始めることにより、センタデフロック検出スイッ
チ63はオフになり、4WD検出スイッチ62のみがオ
ンとなる。これにより、インジケータランプ116で
は、図6(d)に示すように、前輪ランプ113,後輪
ランプ114は点灯したままであるが、センタデフロッ
クランプ115が点滅を始めるようになっている。これ
により、ドライバは車両1の駆動状態が直結4WDから
センタデフ4WDへ切り換わっている途中であることを
認識できるようになっている。
【0066】また、2駆/4駆切換スリーブ34を直結
4WDからセンタデフ4WD位置へ切り換える途中にお
いて、上記の切換条件が成立しなくなった場合にも、そ
のままセンタデフ4WD位置への切換を続行するように
なっている。これは、2駆/4駆切換スリーブ34の移
動を停止したり、もとの直結4WD位置へ戻したりする
と、2駆/4駆切換スリーブ34とクラッチギヤ31と
が半掛かり状態となってギヤ鳴りが生じたり、2駆/4
駆切換機構30自体やシフトアクチュエータ50にも過
大な負担を与えてしまう虞があるからである。
【0067】そして、図4に示すように2駆/4駆切換
スリーブ34のセンタデフ4WD位置への移動が完了す
ると、TCU100は、電気モータ51への電流供給を
停止する。このとき、4WD検出スイッチ62に加え
て、2WD/4WD検出スイッチ61もオンになり、イ
ンジケータランプ116では、図6(c)に示すよう
に、点滅していたセンタデフロックランプ115が消灯
し、ドライバは車両1の駆動状態がセンタデフ4WDへ
完全に切り換わったことを認識できるようになってい
る。
【0068】なお、ドライバがセレクトレバーを直結4
WDモードから2WDモードへいきなりシフトした場合
には、TCU100では、上述の直結4WDからセレク
ト4WDへの切換制御と、セレクト4WDから2WDへ
の切換制御とを順に行なうことにより対応するようにな
っている。ただし、インジケータランプ106では、図
6(f)に示すように、前輪ランプ113とセンタデフ
ロックランプ115とが共に点滅するようになってお
り、ドライバが直結4WDから2WDへの切換途中であ
ることを認識できるようになっている。
【0069】本発明の一実施形態としての駆動状態切換
装置が適用されたパートタイム式4輪駆動車両は上述の
ごとく構成されているので、駆動状態の切換時には、例
えば、図7〜図14に示すようなフローチャートに従い
制御が行なわれる。まず、センタデフ4WDから2WD
への切換時には、図7に示すように、TCU100で
は、リヤプロペラシャフトスピードセンサ66の検出信
号とフロントプロペラシャフトスピードセンサ67の検
出信号とに基づき前後輪速度差を検出し(ステップS1
01)、また、リヤプロペラシャフトスピードセンサ6
6の検出信号から加速度/減速度を検出する(ステップ
S102)。
【0070】そして、トランスファ装置4が未だセンタ
デフ4WD状態のままの場合、すなわち、4WD検出ス
イッチ62と2WD/4WD検出スイッチ61とがオン
になっている場合には(ステップS103)、前後輪速
度差,加速度/減速度が共に小さくなっているか否かを
判定する(ステップS104)。ステップS104の条
件を満たした場合には、フリーホイール機構(FW)5
はロックしたままで(ステップS105)、シフトアク
チュエータ(ACT)50の電気モータ51を駆動し、
2駆/4駆切換スリーブ34のセンタデフ4WD位置か
ら2WD位置への切換を開始する(ステップS10
6)。これにより、インジケータランプ116では、図
6(c)に示すように点灯していた前輪ランプ113が
図6(b)に示すように点滅を始める(ステップS10
7)。
【0071】一方、ステップS104の条件を満たさな
い場合には、フリーホイール機構5はロックしたままと
なり(ステップS108)、シフトアクチュエータ50
は切換を禁止されるが(ステップS109)、ドライバ
のセレクトレバーの操作を受け付けたことを表示するた
め、この場合でも、インジケータランプ116では、点
灯していた前輪ランプ113が図6(b)に示すように
点滅を始める(ステップS110)。
【0072】また、ステップS103においてトランス
ファ装置4がセンタデフ4WD状態になっていない場
合、すなわち、4WD検出スイッチ62がオフになった
場合には、図8に示すように、さらに、トランスファ装
置4がセンタデフ4WDから2WDへの切換途中である
か否か、すなわち、2WD/4WD検出スイッチ61の
みがオンになっているか判定する(ステップS11
1)。
【0073】そして、センタデフ4WDから2WDへの
切換途中であると判定された場合には、フリーホイール
機構5をロックしたままで(ステップS112)、シフ
トアクチュエータ50の電気モータ51を駆動し、2駆
/4駆切換スリーブ34のセンタデフ4WD位置から2
WD位置への切換を続行する(ステップS113)。こ
のとき、インジケータランプ116では、前輪ランプ1
13は点滅したままとなる(ステップS114)。
【0074】一方、トランスファ装置4が2WD状態に
切り換わっていると判定された場合、つまり、2WD/
4WD検出スイッチ61と2WD検出スイッチ65とが
ともにオンになっていると判定された場合には、ソレノ
イド76を介してバキュームアクチュエータ75を駆動
しフリーホイール機構5をフリー状態にする(ステップ
S115)。また、電気モータ51への電流供給を停止
してシフトアクチュエータ50を現在位置で停止する
(ステップS116)。これにより、インジケータラン
プ116では、点滅していた前輪ランプ113が消灯し
〔図6(a)参照〕、車両1の駆動状態が2WDに切り
換わったことが表示される(ステップS117)。
【0075】次に、センタデフ4WDから直結4WD
(直結4H)への切換時には、図9に示すように、TC
U100では、リヤプロペラシャフトスピードセンサ6
6の検出信号とフロントプロペラシャフトスピードセン
サ67の検出信号とに基づき前後輪速度差を検出すると
ともに(ステップS201)、アクセル開度センサ11
0の検出信号に基づきアクセル開度を検出し(ステップ
S202)、また、リヤプロペラシャフトスピードセン
サ66の検出信号から加速度/減速度を検出する(ステ
ップS203)。
【0076】そして、トランスファ装置4が未だセンタ
デフ4WD状態のままの場合には(ステップS20
4)、前後輪速度差,アクセル開度,加速度/減速度の
全てが小さくなっているか否かを判定する(ステップS
205)。ステップS205の条件を満たした場合に
は、フリーホイール機構5はロックしたままで(ステッ
プS206)、シフトアクチュエータ50の電気モータ
51を駆動し、2駆/4駆切換スリーブ34のセンタデ
フ4WD位置から直結4WD位置への切換を開始する
(ステップS207)。これにより、インジケータラン
プ116では、消灯していたセンタデフロックランプ1
15が点滅を始める(ステップS208)。
【0077】一方、ステップS205の条件を満たさな
い場合には、フリーホイール機構5はロックしたままと
し(ステップS209)、シフトアクチュエータ50も
切換を禁止して現在位置に保持する(ステップS21
0)。ただし、ドライバのセレクトレバーの操作を受け
付けたことを表示するため、この場合でも、インジケー
タランプ116では、消灯していたセンタデフロックラ
ンプ115が図6(d)に示すように点滅を始める(ス
テップS211)。
【0078】また、ステップS204においてトランス
ファ装置4がセンタデフ4WD状態になっていない場
合、すなわち、2WD/4WD検出スイッチ61がオフ
になっている場合には、図10に示すように、さらに、
トランスファ装置4がセンタデフ4WDから直結4WD
への切換途中であるか否か判定する(ステップS21
2)。
【0079】そして、センタデフ4WDから直結4WD
への切換途中であると判定された場合、すなわち、4W
D検出スイッチ62のみがオンになっているには、さら
に、前後輪速度差,アクセル開度,加速度/減速度の全
てが小さくなっているか否かを判定する(ステップS2
13)。ステップS213の条件を満たす場合には、フ
リーホイール機構5をロックしたままで(ステップS2
14)、シフトアクチュエータ50の電気モータ51を
駆動し、2駆/4駆切換スリーブ34のセンタデフ4W
D位置から直結4WD位置への切換を続行する(ステッ
プS215)。このとき、インジケータランプ116で
は、センタデフロックランプ115は点滅したままとな
る(ステップS216)。
【0080】これに対しステップS213の条件を満た
さない場合には、フリーホイール機構5をロックしたま
まで(ステップS217)、シフトアクチュエータ50
の電気モータ51を逆方向に駆動し、2駆/4駆切換ス
リーブ34を直結4WD位置へ戻す(ステップS21
8)。このときもインジケータランプ116では、セン
タデフロックランプ115は点滅したままとなる(ステ
ップS219)。
【0081】また、ステップS212において、トラン
スファ装置4が直結4WD状態に切り換わっていると判
定された場合、つまり、センタデフロック検出スイッチ
63と4WD検出スイッチ62とがオンになっていると
判定された場合には、フリーホイール機構5はロックし
たまま(ステップS220)、電気モータ51への電流
供給を停止してシフトアクチュエータ50を現在位置で
停止する(ステップS221)。これにより、インジケ
ータランプ116では、点滅していたセンタデフロック
ランプ115が常時点灯となり〔図6(e)参照〕、車
両1の駆動状態が直結4WD(直結4H)に切り換わっ
たことが表示される(ステップS222)。
【0082】次に、直結4WD(直結4H)からセンタ
デフ4WDへの切換時には、図11に示すように、TC
U100では、リヤプロペラシャフトスピードセンサ6
6の検出信号から加速度/減速度を検出し(ステップS
301)、アクセル開度センサ110の検出信号からア
クセル開度を検出する(ステップS302)。そして、
トランスファ装置4が未だ直結4WD状態のままの場
合、すなわち、4WD検出スイッチ62とセンタデフロ
ック検出スイッチ63とがオンになっている場合には
(ステップS303)、アクセル開度,加速度/減速度
が共に小さくなっているか否かを判定する(ステップS
304)。
【0083】ステップS304の条件を満たした場合に
は、フリーホイール機構5はロックしたままで(ステッ
プS305)、シフトアクチュエータ50の電気モータ
51を駆動し、2駆/4駆切換スリーブ34の直結4W
D位置からセンタデフ4WD位置への切換を開始する
(ステップS306)。これにより、インジケータラン
プ116では、図6(e)に示すように点灯していたセ
ンタデフロックランプ115が図6(d)に示すように
点滅を始める(ステップS307)。
【0084】一方、ステップS304の条件を満たさな
い場合には、フリーホイール機構5はロックしたままと
し(ステップS308)、シフトアクチュエータ50の
切換を禁止する(ステップS109)。ただし、ドライ
バのセレクトレバーの操作を受け付けたことを表示する
ため、この場合でも、インジケータランプ116では、
点灯していたセンタデフロックランプ115の点滅を始
める(ステップS310)。
【0085】また、ステップS303においてトランス
ファ装置4が直結4WD状態になっていない場合、すな
わち、センタデフロック検出スイッチ63がオフになっ
た場合には、図12に示すように、さらに、トランスフ
ァ装置4が直結4WDからセンタデフ4WDへの切換途
中であるか否か、すなわち、4WD検出スイッチ62の
みがオンになっているか判定する(ステップS31
1)。
【0086】そして、直結4WDからセンタデフ4WD
への切換途中であると判定された場合には、フリーホイ
ール機構5をロックしたままで(ステップS312)、
シフトアクチュエータ50の電気モータ51を駆動し、
2駆/4駆切換スリーブ34の直結4WD位置からセン
タデフ4WD位置への切換を続行する(ステップS31
3)。このとき、インジケータランプ116では、セン
タデフロックランプ115は点滅したままとなる(ステ
ップS314)。
【0087】一方、トランスファ装置4がセンタデフ4
WD状態に切り換わっていると判定された場合、つま
り、2WD/4WD検出スイッチ61と4WD検出スイ
ッチ62とがオンになっていると判定された場合には、
フリーホイール機構5をロックしたままで(ステップS
315)、電気モータ51への電流供給を停止してシフ
トアクチュエータ50を現在位置で停止する(ステップ
S316)。これにより、インジケータランプ116で
は、点滅していたセンタデフロックランプ115が消灯
し〔図6(c)参照〕、車両1の駆動状態がセンタデフ
4WDに切り換わったことが表示される(ステップS3
17)。
【0088】このように、本駆動状態切換装置によれ
ば、トランスファ装置4をセンタデフ4WDから2WD
へ切り換える場合には、前後輪速度差と加速度/減速度
とを検出し、これらの何れかがそれぞれの所定値を越え
ているときには、シフトアクチュエータ50の切換動作
を禁止するようになっているので、加速/減速時や大舵
角旋回時の切換ショックを抑制して、円滑な切換動作を
実現することができるという利点がある。
【0089】また、トランスファ装置4をセンタデフ4
WDから直結4WDへ切り換える場合には、前後輪速度
差,アクセル開度,加速度/減速度を検出し、これらの
何れかがそれぞれの所定値を越えているときには、シフ
トアクチュエータ50の切換動作を禁止するようになっ
ているので、旋回時やスリップ時の切換動作を防止すす
ることができ、クラッチギヤ31と2駆/4駆切換スリ
ーブ34との間出の係合ミスによるギヤ鳴りや、2駆/
4駆切換機構30,シフトアクチュエータ50への過大
な負荷の入力を防止して、トランスファ装置4の耐久性
を確保することができるという利点がある。
【0090】さらに、トランスファ装置4を直結4WD
からセンタデフ4WDへ切り換える場合には、アクセル
開度と加速度/減速度とを検出し、これらの何れかがそ
れぞれの所定値を越えているときには、シフトアクチュ
エータ50の切換動作を禁止するようになっているの
で、加速/減速時や大舵角旋回時の切換ショックを抑制
して、円滑な切換動作を実現することができるという利
点がある。また、インジケータランプにより、トランス
ファ装置4のドライバに切換状態が表示されるようにな
っているので、切換途中での加減速や操舵等をしないよ
うにドライバに促すことができるという利点もある。
【0091】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。例えば、上述の実施
形態では、センタデフ付きのトランスファ装置をそなえ
た4輪駆動車両について説明したが、センタデフを有し
ないトランスファ装置をそなえた4輪駆動車両において
も、2WDから直結4WDへの切換時及び直結4WDか
ら2WDへの切換時の制御に本発明を適用することは可
能である。また、上述の実施形態では、センタデフ40
としてプラネタリギヤを適用した場合について説明して
いるが、ベベルギヤを適用してもよい。さらに、差動制
限装置としてはVCU47に限定されず、例えば、HC
Uや湿式多板クラッチをそなえることも可能である。
【0092】また、上述の実施形態では舵角を直接検出
するのではなく舵角に対応するパラメータ値として前後
輪速度差を検出し、前後輪速度差が所定値以上のときを
大舵角旋回時とみなして切換を禁止しているが、舵角検
出手段としてハンドル角センサをそなえ、このハンドル
角センサにより直接ハンドル角を検出して、ハンドル角
が所定値を越えたときには切換を禁止するようにしても
よい。
【0093】前後輪速度差を舵角に対応するパラメータ
値として用いる場合でも、上述の実施形態のようにリヤ
プロペラシャフトスピードセンサ66及びフロントプロ
ペラシャフトスピードセンサ67の検出信号に基づいて
算出する他、フロントアクスルシャフト17に回転速度
検出手段をそなえ、この回転速度検出手段の検出信号と
フロントプロペラシャフトスピードセンサ67の検出信
号とに基づき前後輪速度差を算出するようにしてもよ
い。
【0094】さらに、上述の実施形態では入力トルクに
対応するパラメータ値としてアクセル開度を検出し、ア
クセル開度が所定値以上のときは切換を禁止している
が、エンジン回転数,アクセル開度等により定まるマッ
プから入力トルクを読み出してもよく、また、トルクセ
ンサ等により直接入力トルクを検出するようにしてもよ
い。同様に、上述の実施形態ではリヤプロペラシャフト
スピードセンサ66で検出される後輪の回転速度から加
減速度を算出しているが、加速度計により直接加減速度
を検出するようにしてもよい。
【0095】さらに、上述の実施形態では、センタデフ
差動4WDから2WDへの駆動状態の切換の際に加減速
度に対応するパラメータ値,舵角に対応するパラメータ
値の双方を検出するようになっているが、何れか一方の
みを検出してその検出値に基づいて駆動状態の切換の禁
止を判定するようにしてもよい。
【0096】また、センタデフ差動4WDとセンタデフ
非差動4WDとの間での駆動状態の切換についても、入
力トルクに対応するパラメータ値,加減速度に対応する
パラメータ値,舵角に対応するパラメータ値の何れか一
つのみを検出してその検出値に基づいて駆動状態の切換
の禁止を判定するようにしてもよい。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の駆動状態切換装置によれば、車両の加減速度に対
応するパラメータ値が所定値よりも大きい場合、もしく
は車両の舵角に対応するパラメータ値が所定値よりも大
きい場合には、センタデフ差動4WDから2WDへの駆
動状態の切換が禁止されるので、切換にともなうショッ
クの発生を防止して円滑な切換動作を実現することがで
きるという利点がある。
【0098】また、請求項2記載の本発明の駆動状態切
換装置によれば、トランスファ装置への入力トルクに対
応するパラメータ値が所定値よりも大きい場合、もしく
は車両の加減速度に対応するパラメータ値が所定値より
も大きい場合、もしくは車両の舵角に対応するパラメー
タ値が所定値よりも大きい場合には、センタデフ差動4
WDとセンタデフ非差動4WDとの間での駆動状態の切
換が禁止されるので、センタデフのギヤ鳴りや切換機構
への過大な負荷の入力を防止して耐久性を確保すること
ができるとともに、切換にともなうショックの発生を防
止して円滑な切換動作を実現することができるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
が適用されたパートタイム式4輪駆動車両の概略構成図
である。
【図2】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかる各検出スイッチと駆動状態との関係を示す対応
図である。
【図3】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかる2WD時のトランスファ装置の要部縦断面図で
ある。
【図4】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかるセンタデフ4WD時のトランスファ装置の要部
縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかる直結4WD時のトランスファ装置の要部縦断面
図である。
【図6】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかるインジケータランプの表示を示す図であり、
(a)は2WD時を示す図、(b)は2WDからセンタ
デフ4WDへの切換途中を示す図、(c)はセンタデフ
4WD時を示す図、(d)はセンタデフ4WDから直結
4WDへの切換途中を示す図、(e)は直結4WD時を
示す図、(f)は直結4WDから2WDへの切換途中を
示す図である。
【図7】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかるセンタデフ4WDから2WDへの切換制御を示
すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかるセンタデフ4WDから2WDへの切換制御を示
すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装置
にかかるセンタデフ4WDから直結4WDへの切換制御
を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装
置にかかるセンタデフ4WDから直結4WDへの切換制
御を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装
置にかかる直結4WDからセンタデフ4WDへの切換制
御を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態としての駆動状態切換装
置にかかる直結4WDからセンタデフ4WDへの切換制
御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
4 トランスファ装置 5 フリーホイール機構 20 副変速機 30 2駆/4駆切換機構(切換機構) 35 シンクロ機構 40 センタデフ 50 シフトアクチュエータ 66 リヤプロペラシャフトスピードセンサ(検出手
段) 67 フロントプロペラシャフトスピードセンサ(検出
手段) 100 TCU 102 禁止手段 110 アクセル開度センサ(検出手段) 116 インジケータランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D036 GB04 GB05 GF10 GG18 GG33 GG42 GG60 GH11 GJ17 3D043 AA00 AB17 EA02 EA17 EA25 EB12 EE00 EE12 EF11 EF18 FA01 FA09 FA12 FA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センタデフ付トランスファ装置をそなえ
    た4輪駆動型車両にそなえられ、センタデフ差動4WD
    と2WDとの間で駆動状態を切換可能な駆動状態切換装
    置において、 駆動状態の切換を行なう切換機構と、 該車両の加減速度に対応するパラメータ値と該車両の舵
    角に対応するパラメータ値との少なくとも一方を検出す
    る検出手段と、 上記検出手段の検出値が所定値よりも大きい場合には、
    該切換機構によるセンタデフ差動4WDから2WDへの
    駆動状態の切換を禁止する禁止手段とをそなえたことを
    特徴とする、駆動状態切換装置。
  2. 【請求項2】 センタデフ付トランスファ装置をそなえ
    た4輪駆動型車両にそなえられ、センタデフ差動4WD
    とセンタデフ非差動4WDとの間で駆動状態を切換可能
    な駆動状態切換装置において、 駆動状態の切換を行なう切換機構と、 該トランスファ装置への入力トルクに対応するパラメー
    タ値と該車両の加減速度に対応するパラメータ値と該車
    両の舵角に対応するパラメータ値とのうち少なくともい
    ずれか一つを検出する検出手段と、 上記検出手段の検出値が所定値よりも大きい場合には、
    該切換機構によるセンタデフ差動4WDとセンタデフ非
    差動4WDとの間の駆動状態の切換を禁止する禁止手段
    とをそなえたことを特徴とする、駆動状態切換装置。
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