JP2000247048A - 溶融熱転写型インク受容シート - Google Patents

溶融熱転写型インク受容シート

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JP2000247048A
JP2000247048A JP11055231A JP5523199A JP2000247048A JP 2000247048 A JP2000247048 A JP 2000247048A JP 11055231 A JP11055231 A JP 11055231A JP 5523199 A JP5523199 A JP 5523199A JP 2000247048 A JP2000247048 A JP 2000247048A
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Seiichiro Iida
誠一郎 飯田
Hiroo Hayashi
廣生 林
Hiroshi Koike
小池  弘
Hisashi Tani
寿 谷
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Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドット再現性、インク固定性および重色記録
性が優れており、かつ高光沢である溶融熱転写型インク
受容シートを提供すること。 【解決手段】 支持体上にインク受容層を設けた溶融熱
転写型インク受容シートにおいて、該インク受容層が平
均粒径0.05〜0.35μmの粒状有機フィラー
(a)を50〜90重量%およびバインダー樹脂(b)
を50〜10重量%含有し、かつ表面光沢度(JIS
Z−8741;60度測定)が50%以上であることを
特徴とする溶融熱転写型インク受容シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融熱転写プリンター
で印刷したときの記録特性と光沢性が極めて高い溶融熱
転写型インク受容シートに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー熱転写記録は、記録装置が小型か
つ軽量であり、コストが低いというメリットがあること
から、現在CAD用やビジネスグラフィック用途に限ら
ず、カラー複写機やクロマトグラフなどの計測データ出
力用等の出力用にも幅広く使用されている。熱転写記録
は、サーマルヘッドにより電気信号を熱エネルギーに変
換して転写フィルム(インクリボン)の所望の部分を加
熱し、加熱箇所のインクをインク受容シート上に転写す
ることによって記録を行うものである。
【0003】その熱転写記録には、溶融熱転写型と昇華
型の2つの記録方式がある。溶融熱転写型記録方式は、
昇華型記録方式に比べて記録エネルギーが低くてランニ
ングコストも安いことから、今後も一段と普及が進むも
のと期待されている。従来のカラー溶融熱転写型プリン
ターは、バーコードのように記録エネルギーを可変する
ことなく記録を行うため、形成される画像は階調性に欠
け、遠近感の無い単調なものであった。また、画像を形
成するために特別なインク受容シートも必要とされず、
上質紙を用いれば目的とする画像を形成することが可能
であった。
【0004】しかしながら近年では、熱転写記録のフル
カラー化に伴い、より高い階調再現性が求められるよう
になっており、1つのドットの大きさを変えずに階調を
得るディザ方式から、各ドットの大きさを変更するドッ
ト可変方式(バリアブルドット方式)に変わりつつあ
る。これに伴ってインク受容シートには、低い印加エネ
ルギーから高い印加エネルギーにわたるフルカラー記録
において、溶融熱転写されたインクのドット形状が忠実
に再現される性能(良好なドット再現性)、一度転写さ
れたインクがインクリボンに逆転写されない性能(良好
なインク固定性)、および、紫や緑等の複数の色を重ね
て記録したときに重色が色抜けしない性能(良好な重色
記録性)が求められるようになっている。
【0005】バリアブルドット方式では、サーマルヘッ
ドの記録エネルギーを可変にして階調性を出すため、低
エネルギーであってもインクリボンのインクをインク受
容シートに転写する必要がある。このため、従来から用
いられているインク受容シートでは良好な転写を行うこ
とができない。例えば、フルカラー溶融熱転写型インク
受容シートとして通常の印刷用の普通紙を用いると、表
面が粗すぎるためにインクが転写されない部分(ヌケ)
が生じてドット再現性が不良となる。また、支持体の断
熱性やクッション性が低いために記録濃度も低下してし
まう。
【0006】かかる欠点を改良するインク受容シートと
して、支持体に微多孔性延伸樹脂フィルム(合成紙)を
用いたり、インク受容層の記録品質を向上させるために
顔料成分としてプラスチックピグメントやシリカ等を使
用することが提案された。例えば、特開平7−1011
70号公報では、支持体上にポリエステル樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニリデン樹脂か
らなる群から選ばれた1種または2種以上のバインダー
樹脂と粒径0.4〜5μmの球状プラスチックピグメン
トを主成分とし、球状プラスチックピグメント/バイン
ダー樹脂の組成比が1.5/1〜8/1である塗工液を
塗工してなる受像層を設けたことを特徴とする熱転写受
像紙が提案されている。
【0007】また、特開平9−86057号公報では、
微多孔性樹延伸フィルムよりなる支持体の表面に、沈降
性含水ケイ酸粉末(a)を20〜60重量%およびエチ
レン含有量が5〜25重量%のエチレン・酢酸ビニル共
重合体(b)を80〜40%含有するインク受容層を設
けてなる溶融熱転写型インク受容シートが提案されてい
る。これらの公報に記載される溶融熱転写型インク受容
シートは、大粒径の球状プラスチックピグメントもしく
は沈降性含水ケイ酸粉末を主成分とした多孔性の受容層
を有するため、確かに記録性は向上するものの、表面は
マット調となり表面光沢度は非常に低いものとなってし
まう。高階調再現性を特徴とするバリヤブルドット方式
は、プリクラ等の簡易的な写真プリントに利用すること
も期待されるが、これまでのところ写真印画紙の様に高
光沢で、しかも記録性が良好である溶融熱転写型インク
受容シートは提供されるに至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解決することを課題とした。すなわち
本発明は、溶融熱転写において、ドット再現性、インク
固定性および重色記録性が優れており、かつ高光沢であ
る溶融熱転写型インク受容シートを提供することを解決
すべき課題とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を進めた結果、インク受容層に
所定の条件を満たす粒状有機フィラーとバインダー樹脂
を使用し、表面光沢度を高くすることによって初期の目
的にかなう優れた溶融熱転写型インク受容シートを提供
することができることを見出し、本発明を提供するに至
った。すなわち本発明は、支持体上にインク受容層を設
けた溶融熱転写型インク受容シートにおいて、該インク
受容層が平均粒径0.05〜0.35μmの粒状有機フ
ィラー(a)を50〜90重量%およびバインダー樹脂
(b)を50〜10重量%含有し、かつ表面光沢度(J
IS Z−8741;60度測定)が50%以上である
ことを特徴とする溶融熱転写型インク受容シートを提供
するものである。
【0010】本発明の溶融熱転写型インク受容シートの
インク受容層に使用する粒状有機フィラー(a)は、ス
チレン系樹脂、スチレンーブタジエン系共重合体樹脂、
スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂、メタクリル酸系
樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の粒
状有機フィラーであるのが好ましい。また、インク受容
層に使用するバインダー樹脂(b)は、スチレン−ブタ
ジエン共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂からなる群から選択される1種または2種以上のバイ
ンダー樹脂であるのが好ましい。本発明の溶融熱転写型
インク受容シートの支持体の表面光沢度(JIS Z−
8741;60度測定)は80%以上であるのが好まし
い。また、支持体は熱可塑性樹脂フィルムまたは多孔性
樹脂延伸フィルムであるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の溶融熱転写型インク受容
シートについて、支持体とインク受容層の順にさらに詳
細に説明する。
【0012】支持体 [材料]本発明の溶融熱転写型インク受容シートに使用
する支持体の種類は特に制限されない。例えば、普通
紙、コート紙、熱可塑性樹脂フィルム等を支持体として
使用することができる。支持体の耐水性や断熱性等の点
からは、熱可塑性樹脂フィルムを使用するのが好まし
い。中でも特に、断熱性やクッション性の点から多孔性
樹脂延伸フィルムを使用するのが好ましい。支持体に用
いる熱可塑性樹脂フィルムの種類は特に制限されず、例
えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチ
レン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン・環
状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,
6、ナイロン−6,T等のポリアミド系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートやその共重合体、ポリブチレンテレ
フタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリス
チレン、シンジオタクティックポリスチレン等を使用す
ることができる。これらの熱可塑性樹脂の中では、非極
性のポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
【0013】さらにポリオレフィン系樹脂の中でも、プ
ロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面などから好ま
しい。プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合
体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティ
ックおよび種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレ
ン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、1−
ブテン、1−ヘキサン、1−ヘプタン、4−メチル−1
−ペンテン等のα−オレフィンとを共重合させた共重合
体を使用することができる。この共重合体は、2元系で
も3元系以上でもよく、またランダム共重合体でもブロ
ック共重合体であってもよい。プロピレン系樹脂には、
プロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25
重量%配合して使用することが好ましい。そのような融
点が低い樹脂として、高密度ないしは低密度のポリエチ
レンを例示することができる。支持体の熱可塑性樹脂と
しては、上記の熱可塑性樹脂の中から1種を選択して単
独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせ
て使用してもよい。
【0014】支持体にする熱可塑性樹脂には、必要に応
じて無機微細粉末、有機フィラー、安定剤、光安定剤、
分散剤、滑剤などを添加することができる。無機微細粉
末を添加する場合は、粒径が通常0.01〜15μm、
好ましくは0.01〜5μmのものを使用する。具体的
には、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう
土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナなど
を使用することができる。
【0015】有機フィラーを添加する場合は、主成分で
ある熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択すること
が好ましい。例えば熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフ
ィン系樹脂フィルムである場合には、有機フィラーとし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6,ナイロ
ン−6,6、ナイロン−6,T、環状オレフィン、ポリ
スチレン、ポリメタクリレート等の重合体であって、ポ
リオレフィン樹脂の融点よりも高い融点(例えば170
〜300℃)ないしはガラス転移温度(例えば170〜
280℃)を有するものを使用することができる。
【0016】安定剤を添加する場合は、通常0.001
〜1重量%の範囲内で添加する。具体的には、立体障害
フェノール系、リン系、アミン系等の安定剤などを使用
することができる。光安定剤を使用する場合は、通常
0.001〜1重量%の範囲内で使用する。具体的に
は、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系の光安定剤などを使用することができる。分散
剤や滑剤は、例えば無機微細粉末を分散させる目的で使
用する。使用量は通常0.01〜4重量%の範囲内にす
る。具体的には、シランカップリング剤、オレイン酸や
ステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等使用するこ
とができる。
【0017】[成形]熱可塑性樹脂フィルムの成形方法
は特に限定されず、公知の方法の中から適宜選択して成
形することができる。例えばスクリュー型押出機に接続
された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融
樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成
形、圧延成形、単層または多層のインフレーションダイ
を使用して溶融樹脂をチューブ状に押し出すインフレー
ション成形、また熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの
混合物のキャスト成形またはカレンダー成形後に溶剤や
オイルの除去する方法、熱可塑性樹脂の溶液から成形し
た後に溶媒を除去する方法などを挙げることができる。
【0018】[延伸]支持体に用いる熱可塑性樹脂フィ
ルムは、延伸したものであってもよい。延伸は、通常用
いられる種々の方法いずれかによって行うことができ
る。延伸の温度は、非結晶性樹脂の場合は使用する熱可
塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合に
は非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点
以下の熱可塑性樹脂に好適な公知の温度範囲内で行うこ
とができる。具体的には、熱可塑性樹脂がプロピレン単
独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜1
64℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)
のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレー
ト(融点246〜252℃)のときは104〜115℃
に設定するのが好ましい。また、延伸速度は20〜35
0m/分にするのが好ましい。
【0019】延伸方法としては、ロール群の周速差を利
用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧
延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせに
よる同時二軸延伸などを挙げることができる。延伸倍率
は特に限定されず、用いる熱可塑性樹脂の特性等を考慮
して適宜決定する。例えば、熱可塑性樹脂としてプロピ
レン単独重合体ないしはその共重合体を使用する時に
は、一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好まし
くは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で
1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その
他の熱可塑性樹脂を使用する時には一方向に延伸する場
合は1.2〜10倍、好ましくは2〜5倍であり、二軸
延伸の場合には面積倍率で1.5〜20倍、好ましくは
4〜12倍である。
【0020】無機微細粉末や有機フィラーを含有する熱
可塑性樹脂を延伸すれば、内部に微細な空孔を有する多
孔性樹脂延伸フィルムを得ることができる。このとき、
次式で計算される空孔率が5〜60%の範囲内になるよ
うにするのが好ましい。
【数1】 ρ0: 樹脂フィルムの真密度 ρ1: 樹脂フィルムの密度
【0021】また、延伸した熱可塑性樹脂フィルムの物
性は、密度が0.650〜1.20g/cm3、不透明
度が75%以上、ベック平滑度が50〜25,000秒
であるのが好ましい。このように延伸して空孔を形成さ
せた多孔性樹脂延伸フィルムを支持体として用いれば、
本発明の所期の効果をより有効に奏するインク受容シー
トを形成することができる。いかなる理論にも拘泥する
ものではないが、このような多孔性樹脂延伸フィルムを
使用すれば、空孔がクッションの役割を果たしてサーマ
ルヘッドとインク受容シートの間の密着性を適度に維持
することができるために、極めて高画質な画像を形成さ
せることができるものと考えられる。
【0022】[層構成]本発明の溶融熱転写型インク受
容シートの支持体は、単層からなるものであってもよい
し、多層構造を有するものであってもよい。例えば、ポ
リオレフィン系樹脂フィルムからなる単層の支持体は、
ポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%および無機
微細粉末60〜0.5重量%を含有する樹脂組成物から
なる樹脂フィルムを、該ポリオレフィン系樹脂の融点よ
り低い温度(好ましくは3〜60℃低い温度)で一軸ま
たは二軸方向に延伸することにより調製することができ
る。また、多層構造を有する支持体は、ポリオレフィン
系樹脂の融点より低い温度(好ましくは3〜60℃低い
温度)で縦方向に延伸し、その延伸フィルムの少なくと
も片面に、ポリオレフィン系樹脂25〜100重量%お
よび無機微細粉末75〜0重量%を含有する樹脂組成物
からなる樹脂フィルムを積層することによって調製する
ことができる。延伸フィルムの上に積層する表面層は、
延伸されていない樹脂層であってもよい。
【0023】特に好ましい支持体として、焼成クレイ、
炭酸カルシウム、ケイ藻土、硫酸バリウム、シリカ、酸
化チタン、タルク等の無機微細粉末を8〜65重量%含
有するポリオレフィン樹脂フィルムを一軸延伸すること
によって、フィルム内に該無機微細粉末を中心とする多
数の亀裂を形成させて半透明あるいは不透明フィルムを
形成し、さらにその表面に無機微細粉末の含有量が0.
5〜65重量%の樹脂組成物を積層し、次いで前記一軸
延伸方向と直角の方向にこの積層フィルムを延伸するこ
とにより得られるフィルムを挙げることができる。具体
的には、特公昭46−40794号、特公平1−604
11号、特公平2−45976号の各公報等に記載され
ているような、ポリオレフィン樹脂フィルム層を形成し
た積層体である合成紙等を挙げることができる。本発明
に使用する支持体の厚さは、通常20〜350μmの範
囲内、好ましくは35〜300μmである。また、イン
ク受容層の光沢発現のために、支持体の表面光沢度(J
IS Z−8741;60度測定)は80%以上である
ことが好ましい。
【0024】インク受容層 本発明の溶融熱転写用インク受容シートのインク受容層
は、平均粒径0.05〜0.35μmの粒状有機フィラ
ー(a)を50〜90重量%およびバインダー樹脂
(b)を50〜10重量%含有し、表面光沢度(JIS
Z−8741;60度測定)が50%以上、好ましく
は60%以上である。いかなる理論にも拘泥するもので
はないが、本発明では平均粒径0.05〜0.35μm
の粒状有機フィラーを主成分とするインク受容層を採用
しているため、表面には粒状有機フィラーに起因する高
光沢な微小凹凸が形成されているものと考えられる。こ
の表面の微小凹凸により、ドット再現性、インク固定
性、重色記録性が改善されているものと考えられる。以
下において、インク受容層に使用する粒状有機フィラ
ー、バインダー、およびインク受容層の形成法について
説明する。
【0025】[粒状有機フィラー(a)]インク受容層
に用いられる粒状有機フィラーは、平均粒径が0.05
〜0.35μm、好ましくは0.1〜0.3μmのもの
である。平均粒径が0.05μm未満では、記録性や塗
料の操作性が低下する傾向にある。逆に、平均粒径が
0.35μmを越えると、光沢性が大きく低下する傾向
にある。粒径分布は狭いものが好ましい。本発明で使用
する有機フィラーの粒子形状は本発明の所期の効果を奏
する限り特に制限されないが、球状または球状に近いも
のを使用するのが好ましい。
【0026】粒状有機フィラーの具体例としては、スチ
レン系樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合樹脂、スチ
レンーアクリル酸系共重合樹脂、スチレンーイソプレン
系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、アクリル酸系樹脂、
メタクリル酸系樹脂、エチレン系樹脂、エチレンーアク
リル酸系樹脂、ナイロン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウ
レタン系樹脂、メラミン系樹脂樹脂、ベンゾグアラミン
系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニリ
デン系樹脂、4級ピリジニウム塩樹脂、特殊合成ゴム等
の合成ポリマー類;および、セルロース、酢酸セルロー
ス、キトサン、アルギン酸カルシウム等の天然ポリマー
類が挙げられる。上記有機フィラーの中では、バインダ
ーとの混合性や記録性の面からスチレン系樹脂、スチレ
ンーブタジエン系共重合体樹脂、スチレンーアクリル酸
系、メタクリル酸系樹脂が好ましい。
【0027】これらの粒状有機フィラーの耐熱性は、塗
膜乾燥時に粒状を維持できる程度であることが必要であ
り、ガラス転移温度として100℃以上であることが好
ましい。このような条件を満たすものであれば、分子内
に架橋構造を有していてもいなくてもよい。また、粒状
有機フィラー自体がバインダー機能を持つもの、すなわ
ちバインダーピグメントであっても構わない。インク受
容層における粒状有機フィラーの含有量は50〜90重
量%、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは6
0〜80重量%である。粒状有機フィラーの形態として
は、粉体、有機溶剤系分散液、水分散液が挙げられる
が、混合の容易さ、塗工のしやすさといった点から水分
散液が好ましい。
【0028】[バインダー樹脂(b)]インク受容層に
用いるバインダーの種類は特に制限されない。例えば、
酸化でんぷん、エーテル化でんぷん、メトキシセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリビ
ニルヒドリン、ポリアクリルアミド、ビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸などの水溶性樹脂;および、ウレタ
ン系樹脂、エステル系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、
エポキシ系樹脂、エチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル系共重合体樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニ
リデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体
樹脂、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂、ポリブ
チラール系樹脂、シリコン系樹脂、ニトロセルロース系
樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、スチレン−
ブタジエン系共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジ
エン系共重合体樹脂などのような非水溶性樹脂樹脂を用
いることができる。上記水溶性樹脂は水溶液として、非
水溶性樹脂は溶液、エマルジョンまたはラテックスとし
て用いられる。これらの中でも、顔料との混和性および
塗膜強度の点からスチレンーブタジエン系共重合体樹
脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。
【0029】これらの樹脂は単独で、または2種類以上
混合して使用し得る。インク受容層におけるバインダー
の含有量は10〜50重量%、好ましくは20〜40重
量%である。バインダー成分が10重量%未満では、塗
膜密着強度が低下する傾向にある。また、40重量%を
越える場合は、インクの密着性が低下し、インクの抜け
が発生したり、ドット再現性が低下し、鮮明な画像が得
られなくなる傾向にある。
【0030】[インク受容層の形成]粒状有機フィラー
は既に分散液状態になっている場合はそのまま、粉体の
場合は、コーレスディゾルバー、デリッター、サンドグ
ラインダー等適当な分散機を用いて分散させる。この粒
状有機フィラー分散液に、バインター溶液或いはバイン
ダーエマルジョンを混合調製する。この際、必要に応じ
て消泡剤、導電剤、分散剤、増粘剤、潤滑剤、濡れ剤等
の補助薬品を添加してもよい。インク受容層を支持体上
に形成するには、通常の塗工方式、すなわちメイヤーバ
ー方式、グラビアロール方式、リバースロール方式、ブ
レード方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、スリット
ダイ方式、ゲートロール方式等による塗工行程、およ
び、乾燥固化工程を用いればよい。
【0031】一般に、インク受容層の機能を十分に発現
させるためには、塗工剤の塗工量が乾燥固化後に0.1
〜20g/m2であることが好ましい。塗工量が0.1
g/m2 以下では、インク受容層の効果が発揮されずド
ット再現性が低下する傾向にある。逆に20g/m2
越えるとコストアップにつながる傾向にある。
【0032】
【実施例】以下に製造例、実施例および比較例を記載し
て本発明をさらに具体的に説明する。以下の例に示す材
料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しな
い限り適宜変更することができる。したがって、本発明
の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0033】(製造例1)本製造例において、実施例お
よび比較例で使用する支持体aの製造方法を具体的に記
載する。メルトフローレート0.8g/10分のプロピ
レン単独重合体80重量%に、高密度ポリエチレン4重
量%および粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%
を混合して組成物(A)を調製した。この組成物(A)
を270℃に設定した押出機にて混練した後、シート状
に押し出して冷却装置により冷却することによって、無
延伸シートを得た。このシートを155℃に再度加熱し
て縦方向に5倍延伸した。
【0034】メルトフローレート4.0g/10分のプ
ロピレン単独重合体54重量%と、粒径1.5μmの炭
酸カルシウム46重量%を混合して組成物(B)を調製
した。この組成物(B)と、MFR4.0g/10分の
プロピレン単独重合体(C)とを別の押出機で混練した
後、ダイ内で2層に積層してシート状に押し出して、上
で調製した5倍延伸フィルムの両面に積層し、5層構造
の積層フィルムを得た。次いで、この5層構造の積層フ
ィルムを60℃まで冷却した後、再び約160℃に加熱
してテンターを用いて横方向に7.5倍延伸した。その
後165℃でアニーリング処理し、60℃まで冷却し、
耳部をスリットすることによって、厚さ170μmの5
層構造の合成紙を得た(C/B/A/B/C=一軸延伸
/一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸/一軸延伸=10μm
/10μm/130μm/10μm/10μm)。この
合成紙の空孔率は14%であり、C層の表面光沢度(J
IS Z−8741;60度測定)は92%であった。
【0035】(製造例2)本製造例において、比較例で
使用する支持体bの製造方法を具体的に記載する。メル
トフローレート0.8g/10分のプロピレン単独重合
体80重量%に、高密度ポリエチレン4重量%および粒
径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合して組
成物(A)を調製した。この組成物(A)を270℃に
設定した押出機で混練した後、シート状に押し出して冷
却装置により冷却することによって、無延伸シートを得
た。このシートを155℃に再加熱して縦方向に5倍延
伸した。
【0036】メルトフローレート4.0g/10分のプ
ロピレン単独重合体54重量%と、粒径1.5μmの炭
酸カルシウム46重量%を混合して組成物(B)を調製
した。この組成物(B)を270℃に設定した押出機で
混練した後、シート状に押し出して上で調製した5倍延
伸フィルムの両面に積層し、3層構造の積層フィルムを
得た。次いで、この3層構造の積層フィルムを60℃ま
で冷却した後、再び約160℃に加熱してテンターを用
いて横方向に7.5倍延伸した。その後60℃に冷却し
て耳部をスリットすることによって、厚さ120μmの
3層構造の合成紙を得た(B/A/B=一軸延伸/二軸
延伸/一軸延伸=20/80/20μm)。この合成紙
の空孔率は15%であり、B層の表面光沢度(JIS
Z−8741;60度測定)は16%であった。
【0037】(実施例および比較例)表2に記載される
材料を所定量用いて、以下の手順にしたがって12種類
の溶融熱転写型インク受容シートを製造した(実施例1
〜8および比較例1〜4)。粒状有機フィラー水分散
液、バインダー樹脂エマルジョンおよび水を混合して、
全固形分濃度が25%になるように塗工液を調製した。
この塗工液を製造例で製造した支持体上に乾燥後の塗工
量が7g/m2になるよう塗工し、乾燥・固化してイン
ク受容層を形成することによって溶融熱転写型インク受
容シートを得た。上記製造に用いた粒状有機フィラー水
分散液とバインダー樹脂エマルジョンは以下のとおりで
ある。
【0038】
【表1】
【0039】(試験例)製造した各溶融熱転写型インク
受容シートの表面光沢度(JIS Z−8741;60
度測定)を測定後、熱転写カラープリンター(アルプス
電気(株)製:商品名MD−5000)を用いて、イン
ク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、光沢仕上
げ)画像を溶融転写記録した。この記録画像を以下に記
載する方法で評価した。 (1)ドット再現性 インクリボンからインク受容層に転写されたシアンドッ
トを光学顕微鏡で観察し、良好(○)、普通(△)、不
良(×)の三段階で評価した。 (2)インク固定性 プリンターの記録動作を途中で止めて、インク受容層に
転写されたマゼンダインクを光学顕微鏡で観察した。溶
融熱転写により先に記録されたマゼンタインクが、次色
インクであるイエローインクリボンの記録動作によりイ
ンク受容層から剥がれていない(○)、若干剥がれてい
る(△)、剥れている(×)の三段階で評価した。
【0040】(3)重色記録性 インクリボンからインク受容層に転写された紫色記録部
分を光学顕微鏡で観察した。先に記録されたシアンイン
クの上へ後から記録されたマゼンダインクの記録性が良
好(○)、普通(△)、不良(×)の三段階で評価し
た。 (4)画質 画像を目視にて評価し、良好(○)、普通(△)、不良
(×)の三段階で評価した。 (5)塗膜密着強度 インク受容シートを、温度20℃、相対湿度65%の恒
温室に12時間保管した後、インク受容層の表面に粘着
テープ(ニチバン(株)製:商品名セロテープ)を貼着
し、これをインク受容シートから手で引き剥がした。イ
ンク受容シートに残留したインク受容層の程度を目視判
定し、インク受容層残量が100%を良好(○)、99
〜80%をやや良(△)、80〜0%を不良(×)とし
て三段階で評価した。
【0041】試験結果を表2にまとめて示す。
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、ドット再現性、インク
固定性および重色記録性といった記録性が良好で、かつ
高光沢である優れた溶融熱転写型インク受容シートが提
供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 弘 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 王子油 化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 谷 寿 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 王子油 化合成紙株式会社鹿島工場内 Fターム(参考) 2H111 AA26 CA03 CA25 CA30 CA31 CA33 CA41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にインク受容層を設けた溶融熱
    転写型インク受容シートにおいて、 該インク受容層が平均粒径0.05〜0.35μmの粒
    状有機フィラー(a)を50〜90重量%およびバイン
    ダー樹脂(b)を50〜10重量%含有し、かつ表面光
    沢度(JIS Z−8741;60度測定)が50%以
    上であることを特徴とする溶融熱転写型インク受容シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記粒状有機フィラー(a)が、スチレ
    ン系樹脂、スチレンーブタジエン系共重合体樹脂、スチ
    レンーアクリル酸系共重合体樹脂、メタクリル酸系樹脂
    からなる群から選択される1種または2種以上の粒状有
    機フィラーであることを特徴とする請求項1記載の溶融
    熱転写型インク受容シート。
  3. 【請求項3】 前記バインダー樹脂(b)が、スチレン
    −ブタジエン共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタ
    ン系樹脂からなる群から選択される1種または2種以上
    のバインダー樹脂であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の溶融熱転写型インク受容シート。
  4. 【請求項4】 前記支持体の表面光沢度(JIS Z−
    8741;60度測定)が80%以上であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融熱転写型イ
    ンク受容シート。
  5. 【請求項5】 前記支持体が熱可塑性樹脂フィルムであ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶
    融熱転写型インク受容シート。
  6. 【請求項6】 前記支持体が多孔性樹脂延伸フィルムで
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    溶融熱転写型インク受容シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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