JP2000246510A - すぐれた放熱性を有する表面被覆超硬合金製スローアウエイ切削チップ - Google Patents
すぐれた放熱性を有する表面被覆超硬合金製スローアウエイ切削チップInfo
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- JP2000246510A JP2000246510A JP5662899A JP5662899A JP2000246510A JP 2000246510 A JP2000246510 A JP 2000246510A JP 5662899 A JP5662899 A JP 5662899A JP 5662899 A JP5662899 A JP 5662899A JP 2000246510 A JP2000246510 A JP 2000246510A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 すぐれた放熱性を有する表面被覆超硬合金製
切削チップを提供する。 【解決手段】 WC基超硬合金基体の表面に、TiC
層、TiN層、TiCN層、TiCO層、TiNO層、
およびTiCNO層のうちの1種または2種以上からな
るTi化合物層と、Al2 O3 層とで構成された硬質被
覆層を3〜25μmの平均層厚で化学蒸着および/また
は物理蒸着してなる表面被覆超硬合金製切削チップにお
いて、この表面被覆超硬合金製切削チップの上面および
下面と側面の交わる稜線、並びに側面と側面の交わる稜
線から、それぞれ上面側、下面側、および側面側に0.
3〜1mmの幅でのびた縁部を除いた、前記上下面およ
び側面を小硬球叩打発生クラック面としてなる。
切削チップを提供する。 【解決手段】 WC基超硬合金基体の表面に、TiC
層、TiN層、TiCN層、TiCO層、TiNO層、
およびTiCNO層のうちの1種または2種以上からな
るTi化合物層と、Al2 O3 層とで構成された硬質被
覆層を3〜25μmの平均層厚で化学蒸着および/また
は物理蒸着してなる表面被覆超硬合金製切削チップにお
いて、この表面被覆超硬合金製切削チップの上面および
下面と側面の交わる稜線、並びに側面と側面の交わる稜
線から、それぞれ上面側、下面側、および側面側に0.
3〜1mmの幅でのびた縁部を除いた、前記上下面およ
び側面を小硬球叩打発生クラック面としてなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた放熱性
を有し、したがって例えば高い発熱を伴う高速切削にも
切刃の温度上昇が抑制されることから、長期に亘ってす
ぐれた耐摩耗性を発揮するようになる表面被覆超硬合金
製スローアウエイ切削チップ(以下、被覆超硬チップと
いう)に関するものである。
を有し、したがって例えば高い発熱を伴う高速切削にも
切刃の温度上昇が抑制されることから、長期に亘ってす
ぐれた耐摩耗性を発揮するようになる表面被覆超硬合金
製スローアウエイ切削チップ(以下、被覆超硬チップと
いう)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、炭化タングステン基超硬
合金基体(以下、超硬基体という)の表面に、炭化チタ
ン(以下、TiCで示す)層、窒化チタン(以下、同じ
くTiNで示す)層、炭窒化チタン(以下、TiCNで
示す)層、炭酸化チタン(以下、TiCOで示す)層、
窒酸化チタン(以下、TiNOで示す)層、および炭窒
酸化チタン(以下、TiCNOで示す)層のうちの1種
または2種以上からなるTi化合物層と、酸化アルミニ
ウム(以下、Al2 O3 で示す)とで構成された硬質被
覆層を3〜25μmの平均層厚で化学蒸着および/また
は物理蒸着してなる被覆超硬チップが知られており、ま
たこの被覆超硬チップが鋼や鋳鉄などの連続切削や断続
切削に用いられることも知られている。また、一般に上
記の被覆超硬チップの硬質被覆層を構成するTi化合物
層およびAl2 O3 層が粒状結晶組織を有し、かつ前記
Al2 O3 層はα型結晶構造をもつものやκ型結晶構造
をもつものなどが広く実用に供されることも良く知られ
ており、さらに例えば特開平6−8010号公報や特開
平7−328808号公報に記載されるように、前記T
i化合物層を構成するTiCN層が、層自身の靭性向上
を目的として、通常の化学蒸着装置にて、反応ガスとし
て有機炭窒化物を含む混合ガスを使用し、700〜95
0℃の中温温度域で化学蒸着することにより形成して縦
長成長結晶組織をもつようにすることも行われている。
合金基体(以下、超硬基体という)の表面に、炭化チタ
ン(以下、TiCで示す)層、窒化チタン(以下、同じ
くTiNで示す)層、炭窒化チタン(以下、TiCNで
示す)層、炭酸化チタン(以下、TiCOで示す)層、
窒酸化チタン(以下、TiNOで示す)層、および炭窒
酸化チタン(以下、TiCNOで示す)層のうちの1種
または2種以上からなるTi化合物層と、酸化アルミニ
ウム(以下、Al2 O3 で示す)とで構成された硬質被
覆層を3〜25μmの平均層厚で化学蒸着および/また
は物理蒸着してなる被覆超硬チップが知られており、ま
たこの被覆超硬チップが鋼や鋳鉄などの連続切削や断続
切削に用いられることも知られている。また、一般に上
記の被覆超硬チップの硬質被覆層を構成するTi化合物
層およびAl2 O3 層が粒状結晶組織を有し、かつ前記
Al2 O3 層はα型結晶構造をもつものやκ型結晶構造
をもつものなどが広く実用に供されることも良く知られ
ており、さらに例えば特開平6−8010号公報や特開
平7−328808号公報に記載されるように、前記T
i化合物層を構成するTiCN層が、層自身の靭性向上
を目的として、通常の化学蒸着装置にて、反応ガスとし
て有機炭窒化物を含む混合ガスを使用し、700〜95
0℃の中温温度域で化学蒸着することにより形成して縦
長成長結晶組織をもつようにすることも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
に対する省力化および省エネ化の要求は強く、これに伴
い、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来被覆
超硬チップにおいては、これを高速切削に用いると、切
削時の高い発熱によって切刃温度が上昇するのが避けら
れず、この結果切刃の摩耗進行が促進するようになっ
て、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
に対する省力化および省エネ化の要求は強く、これに伴
い、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来被覆
超硬チップにおいては、これを高速切削に用いると、切
削時の高い発熱によって切刃温度が上昇するのが避けら
れず、この結果切刃の摩耗進行が促進するようになっ
て、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来被覆超硬チップに着
目し、特に高速切削での耐摩耗性向上を図るべく研究を
行った結果、 (a)被覆超硬チップの全面、すなわち上面および下
面、さらに側面のすべてをショットピーニングやショッ
トブラストなどの小硬球叩打法により形成したクラック
発生面とすると、これを熱発生の高い高速切削に用いた
場合、前記小硬球叩打発生クラックがすぐれた放熱効果
を発揮し、自身の温度上昇による耐摩耗性低下は抑制さ
れるが、上面および下面と側面の交わる稜線部分、並び
に側面と側面の交わる稜線部分に形成されているクラッ
クが、切刃の欠けやチッピング(微小欠け)などの発生
原因となり、比較的短時間で使用寿命に至ること。 (b)しかし、図1に概略斜視図で示される通り、被覆
超硬チップの上面および下面と側面の交わる稜線、並び
に側面と側面の交わる稜線から、それぞれ上面側、下面
側、および側面側に0.3〜1mmの幅でのびた縁部を
硬質被覆層形成ままの状態とし、これ以外の上面および
下面、さらに側面を上記の小硬球叩打発生クラック面と
すると、前記小硬球叩打発生クラック面が表面積の著し
い増大に伴ってすぐれた放熱効果を発揮することから、
被覆超硬チップ自身の温度上昇が抑制されるようにな
り、一方稜線からのびた縁部は硬質被覆層形成ままの状
態、すなわち前記小硬球叩打発生クラックの存在しない
状態にあるので、切刃に欠けやチッピングが発生するこ
とはなく、この結果被覆超硬チップはすぐれた耐摩耗性
を長期に亘って発揮するようになること。以上(a)お
よび(b)に示される研究結果を得たのである。
上述のような観点から、上記の従来被覆超硬チップに着
目し、特に高速切削での耐摩耗性向上を図るべく研究を
行った結果、 (a)被覆超硬チップの全面、すなわち上面および下
面、さらに側面のすべてをショットピーニングやショッ
トブラストなどの小硬球叩打法により形成したクラック
発生面とすると、これを熱発生の高い高速切削に用いた
場合、前記小硬球叩打発生クラックがすぐれた放熱効果
を発揮し、自身の温度上昇による耐摩耗性低下は抑制さ
れるが、上面および下面と側面の交わる稜線部分、並び
に側面と側面の交わる稜線部分に形成されているクラッ
クが、切刃の欠けやチッピング(微小欠け)などの発生
原因となり、比較的短時間で使用寿命に至ること。 (b)しかし、図1に概略斜視図で示される通り、被覆
超硬チップの上面および下面と側面の交わる稜線、並び
に側面と側面の交わる稜線から、それぞれ上面側、下面
側、および側面側に0.3〜1mmの幅でのびた縁部を
硬質被覆層形成ままの状態とし、これ以外の上面および
下面、さらに側面を上記の小硬球叩打発生クラック面と
すると、前記小硬球叩打発生クラック面が表面積の著し
い増大に伴ってすぐれた放熱効果を発揮することから、
被覆超硬チップ自身の温度上昇が抑制されるようにな
り、一方稜線からのびた縁部は硬質被覆層形成ままの状
態、すなわち前記小硬球叩打発生クラックの存在しない
状態にあるので、切刃に欠けやチッピングが発生するこ
とはなく、この結果被覆超硬チップはすぐれた耐摩耗性
を長期に亘って発揮するようになること。以上(a)お
よび(b)に示される研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、超硬基体の表面に、TiC層、T
iN層、TiCN層、TiCO層、TiNO層、および
TiCNO層のうちの1種または2種以上からなるTi
化合物層と、Al2 O3 層とで構成された硬質被覆層を
3〜25μmの平均層厚で化学蒸着および/または物理
蒸着してなる被覆超硬チップにおいて、上記被覆超硬チ
ップの上面および下面と側面の交わる稜線、並びに側面
と側面の交わる稜線から、それぞれ上面側、下面側、お
よび側面側に0.3〜1mmの幅でのびた縁部を除い
た、前記上下面および側面を小硬球叩打発生クラック面
としなる、すぐれた放熱性を有する被覆超硬チップに特
徴を有するものである。
されたものであって、超硬基体の表面に、TiC層、T
iN層、TiCN層、TiCO層、TiNO層、および
TiCNO層のうちの1種または2種以上からなるTi
化合物層と、Al2 O3 層とで構成された硬質被覆層を
3〜25μmの平均層厚で化学蒸着および/または物理
蒸着してなる被覆超硬チップにおいて、上記被覆超硬チ
ップの上面および下面と側面の交わる稜線、並びに側面
と側面の交わる稜線から、それぞれ上面側、下面側、お
よび側面側に0.3〜1mmの幅でのびた縁部を除い
た、前記上下面および側面を小硬球叩打発生クラック面
としなる、すぐれた放熱性を有する被覆超硬チップに特
徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の被覆超硬チップにおい
て、縁部の幅を0.3〜1mmとしたのは、その幅が
0.3mm未満では、切削時に切刃に欠けやチッピング
が発生し易く、一方その幅が1mmを越えると、特に切
刃部の放熱効果に低下傾向が現れるようになり、耐摩耗
性の低下が避けられなくという理由によるものであり、
また、硬質被覆層の平均層厚を3〜25μmとしたの
は、その平均層厚が3μm未満では、所望の耐摩耗性を
確保することができず、一方その平均層厚が25μmを
越えると、切刃にチッピングが発生し易くなるという理
由によるものであり、望ましくは8〜15μmの平均層
厚とするのがよい。
て、縁部の幅を0.3〜1mmとしたのは、その幅が
0.3mm未満では、切削時に切刃に欠けやチッピング
が発生し易く、一方その幅が1mmを越えると、特に切
刃部の放熱効果に低下傾向が現れるようになり、耐摩耗
性の低下が避けられなくという理由によるものであり、
また、硬質被覆層の平均層厚を3〜25μmとしたの
は、その平均層厚が3μm未満では、所望の耐摩耗性を
確保することができず、一方その平均層厚が25μmを
越えると、切刃にチッピングが発生し易くなるという理
由によるものであり、望ましくは8〜15μmの平均層
厚とするのがよい。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆超硬チッ
プを実施例により具体的に説明する。原料粉末として、
いずれも0.5〜4μmの範囲内の所定の平均粒径を有
するWC粉末、(Ti,W)C(重量比で、以下同じ、
TiC/WC=30/70)粉末、(Ti,W)CN
(TiC/TiN/WC=24/20/56)粉末、
(Ta,Nb)C(TaC/NbC=90/10)粉
末、Cr3 C2 粉末、およびCo粉末を用意し、これら
原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボールミ
ルで72時間湿式混合し、乾燥した後、1ton/cm
2 の圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉
体を10-2torrの真空中、1300〜1500℃の
範囲内の所定温度に1時間保持の条件で真空焼結するこ
とによりISO・CNMG120408に規定するスロ
ーアウエイチップ形状をもった超硬基体A〜Fをそれぞ
れ製造した。
プを実施例により具体的に説明する。原料粉末として、
いずれも0.5〜4μmの範囲内の所定の平均粒径を有
するWC粉末、(Ti,W)C(重量比で、以下同じ、
TiC/WC=30/70)粉末、(Ti,W)CN
(TiC/TiN/WC=24/20/56)粉末、
(Ta,Nb)C(TaC/NbC=90/10)粉
末、Cr3 C2 粉末、およびCo粉末を用意し、これら
原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボールミ
ルで72時間湿式混合し、乾燥した後、1ton/cm
2 の圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉
体を10-2torrの真空中、1300〜1500℃の
範囲内の所定温度に1時間保持の条件で真空焼結するこ
とによりISO・CNMG120408に規定するスロ
ーアウエイチップ形状をもった超硬基体A〜Fをそれぞ
れ製造した。
【0008】ついで、これらの超硬基体A〜Fの表面
に、ホーニングを施した状態で、通常の化学蒸着装置を
用い、表2(表中のl−TiCNは特開平6−8010
号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層
の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結
晶組織の形成条件を示すものである)に示される条件に
て、表3に示される組成および目標層厚のTi化合物層
およびAl2 O3 層で構成された硬質被覆層を形成する
ことにより従来被覆超硬チップ1〜12をそれぞれ製造
した。なお、この結果得られた従来被覆超硬チップ1〜
12の硬質被覆層の構成層の層厚をオージェ発光分光分
析装置を用いて測定したところ、それぞれ目標層厚と実
質的に同じ平均層厚を示した。
に、ホーニングを施した状態で、通常の化学蒸着装置を
用い、表2(表中のl−TiCNは特開平6−8010
号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層
の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結
晶組織の形成条件を示すものである)に示される条件に
て、表3に示される組成および目標層厚のTi化合物層
およびAl2 O3 層で構成された硬質被覆層を形成する
ことにより従来被覆超硬チップ1〜12をそれぞれ製造
した。なお、この結果得られた従来被覆超硬チップ1〜
12の硬質被覆層の構成層の層厚をオージェ発光分光分
析装置を用いて測定したところ、それぞれ目標層厚と実
質的に同じ平均層厚を示した。
【0009】つぎに、上記の従来被覆超硬チップ1〜1
2のそれぞれを図2(a)に概略斜視図で示されるステ
ンレス鋼製の側面用枠体にそれぞれの上下面が重なり合
うように装入し(この場合の装入被覆超硬チップ数は8
個)、前記側面用枠体の側面四方から、 ショット:0.4mmの平均粒径を有する鋳鉄球、 投射速度:60m/秒、 投射時間:3分、 の条件でショットピーニングを施して、前記被覆超硬チ
ップの上面および下面と側面の交わる稜線、並びに側面
と側面の交わる稜線から、側面側に表4に示される幅の
縁部を除いた側面に小硬球叩打発生クラックを形成し、
さらにこの被覆超硬チップを側面用枠体から取りだし、
図2(b)に概略斜視図で示される同じくステンレス鋼
製の上下面用枠体に縦に重ねて装入し(この場合の装入
被覆超硬チップ数は4個)、前記上下面用枠体の前後か
ら同じ条件でショットピーニングを施して、前記被覆超
硬チップの上面および下面と側面の交わる稜線、並びに
側面と側面の交わる稜線から、上下面側に表4に示され
る幅の縁部を除いた上下面に小硬球叩打発生クラックを
形成することにより本発明被覆超硬チップ1〜12をそ
れぞれ製造した。なお、小硬球叩打発生クラックの形成
がない上下面側の縁部幅および側面側の縁部幅は上記側
面用枠体および上下面用枠体の構造材である支柱材およ
び梁材の被覆超硬チップとの当接面の幅(厚さ)を調整
することにより、所定の幅とすることができる。
2のそれぞれを図2(a)に概略斜視図で示されるステ
ンレス鋼製の側面用枠体にそれぞれの上下面が重なり合
うように装入し(この場合の装入被覆超硬チップ数は8
個)、前記側面用枠体の側面四方から、 ショット:0.4mmの平均粒径を有する鋳鉄球、 投射速度:60m/秒、 投射時間:3分、 の条件でショットピーニングを施して、前記被覆超硬チ
ップの上面および下面と側面の交わる稜線、並びに側面
と側面の交わる稜線から、側面側に表4に示される幅の
縁部を除いた側面に小硬球叩打発生クラックを形成し、
さらにこの被覆超硬チップを側面用枠体から取りだし、
図2(b)に概略斜視図で示される同じくステンレス鋼
製の上下面用枠体に縦に重ねて装入し(この場合の装入
被覆超硬チップ数は4個)、前記上下面用枠体の前後か
ら同じ条件でショットピーニングを施して、前記被覆超
硬チップの上面および下面と側面の交わる稜線、並びに
側面と側面の交わる稜線から、上下面側に表4に示され
る幅の縁部を除いた上下面に小硬球叩打発生クラックを
形成することにより本発明被覆超硬チップ1〜12をそ
れぞれ製造した。なお、小硬球叩打発生クラックの形成
がない上下面側の縁部幅および側面側の縁部幅は上記側
面用枠体および上下面用枠体の構造材である支柱材およ
び梁材の被覆超硬チップとの当接面の幅(厚さ)を調整
することにより、所定の幅とすることができる。
【0010】つぎに、上記本発明被覆超硬チップ1〜1
2および従来被覆超硬チップ1〜12について、 被削材:JIS・SNCM439の丸棒、 切削速度:300m/min.、 切り込み:2.0mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:15分、 の条件での合金鋼の乾式連続高速切削試験、並びに、 被削材:JIS・SCM440の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:250m/min.、 切り込み:1.5mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:10分、 の条件での合金鋼の乾式断続高速切削試験を行い、いず
れの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この
測定結果を表4に示した。
2および従来被覆超硬チップ1〜12について、 被削材:JIS・SNCM439の丸棒、 切削速度:300m/min.、 切り込み:2.0mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:15分、 の条件での合金鋼の乾式連続高速切削試験、並びに、 被削材:JIS・SCM440の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:250m/min.、 切り込み:1.5mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:10分、 の条件での合金鋼の乾式断続高速切削試験を行い、いず
れの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この
測定結果を表4に示した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【発明の効果】表3、4に示される結果から、所定の縁
部幅に亘って小硬球叩打発生クラックの形成はないが、
その他の上下面および側面には小硬球叩打発生クラック
が形成された本発明被覆超硬チップ1〜12は、いずれ
も前記小硬球叩打発生クラックによってすぐれた放熱性
を発揮することから、きわめて高い発熱を伴う鋼の高速
切削でも、切刃にチッピングの発生なく、すぐれた耐摩
耗性を示すのに対して、前記小硬球叩打発生クラックの
形成がない従来被覆超硬チップ1〜12においては、放
熱性が不十分であるために、高い発熱の切削条件では、
摩耗の進行が促進されるようになり、比較的短時間で使
用寿命に至ることが明らかである。上述のように、この
発明の被覆超硬チップは、すぐれた放熱性有するので、
例えば鋼や鋳鉄などの通常の条件での連続切削や断続切
削は勿論のこと、特にこれらの切削を高速で行っても、
切刃にチッピングの発生なく、すぐれた切削性能を長期
に亘って発揮するものであり、切削加工の省力化および
省エネ化に十分満足に対応できるものである。
部幅に亘って小硬球叩打発生クラックの形成はないが、
その他の上下面および側面には小硬球叩打発生クラック
が形成された本発明被覆超硬チップ1〜12は、いずれ
も前記小硬球叩打発生クラックによってすぐれた放熱性
を発揮することから、きわめて高い発熱を伴う鋼の高速
切削でも、切刃にチッピングの発生なく、すぐれた耐摩
耗性を示すのに対して、前記小硬球叩打発生クラックの
形成がない従来被覆超硬チップ1〜12においては、放
熱性が不十分であるために、高い発熱の切削条件では、
摩耗の進行が促進されるようになり、比較的短時間で使
用寿命に至ることが明らかである。上述のように、この
発明の被覆超硬チップは、すぐれた放熱性有するので、
例えば鋼や鋳鉄などの通常の条件での連続切削や断続切
削は勿論のこと、特にこれらの切削を高速で行っても、
切刃にチッピングの発生なく、すぐれた切削性能を長期
に亘って発揮するものであり、切削加工の省力化および
省エネ化に十分満足に対応できるものである。
【図1】本発明被覆超硬チップの概略斜視図である。
【図2】(a)は被覆超硬チップの側面に小硬球叩打発
生クラックを形成するのに用いられる側面用枠体の概略
斜視図、(b)は同上下面に小硬球叩打発生クラックを
形成するのに用いられる上下面用枠体の概略斜視図であ
る。
生クラックを形成するのに用いられる側面用枠体の概略
斜視図、(b)は同上下面に小硬球叩打発生クラックを
形成するのに用いられる上下面用枠体の概略斜視図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C046 CC05 CC06 FF03 FF10 FF16 FF19 FF22 FF25 FF32 FF40 FF42 4K029 AA04 BA41 BA44 BA48 BA54 BA55 BA60 BB02 BC02 BC10 BD05 EA01 4K030 BA18 BA35 BA36 BA38 BA41 BA43 BA46 BB13 CA03 CA18 JA01 LA01 LA22
Claims (1)
- 【請求項1】 炭化タングステン基超硬合金基体の表面
に、 炭化チタン層、窒化チタン層、炭窒化チタン層、酸化チ
タン層、炭酸化チタン層、窒酸化チタン層、および炭窒
酸化チタン層のうちの1種または2種以上からなるTi
化合物層と、酸化アルミニウム層、で構成された硬質被
覆層を3〜25μmの平均層厚で化学蒸着および/また
は物理蒸着してなる表面被覆超硬合金製スローアウエイ
切削チップにおいて、 上記表面被覆超硬合金製スローアウエイ切削チップの上
面および下面と側面の交わる稜線、並びに側面と側面の
交わる稜線から、それぞれ上面側、下面側、および側面
側に0.3〜1mmの幅でのびた縁部を除いた、前記上
下面および側面を小硬球叩打発生クラック面としたこと
を特徴とするすぐれた放熱性を有する表面被覆超硬合金
製スローアウエイ切削チップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5662899A JP2000246510A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | すぐれた放熱性を有する表面被覆超硬合金製スローアウエイ切削チップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5662899A JP2000246510A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | すぐれた放熱性を有する表面被覆超硬合金製スローアウエイ切削チップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000246510A true JP2000246510A (ja) | 2000-09-12 |
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