JP2000244733A - 放射線画像読取方法および装置並びにそれに使用する放射線固体検出器 - Google Patents

放射線画像読取方法および装置並びにそれに使用する放射線固体検出器

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JP2000244733A
JP2000244733A JP11354146A JP35414699A JP2000244733A JP 2000244733 A JP2000244733 A JP 2000244733A JP 11354146 A JP11354146 A JP 11354146A JP 35414699 A JP35414699 A JP 35414699A JP 2000244733 A JP2000244733 A JP 2000244733A
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JP11354146A
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English (en)
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Toshitaka Agano
俊孝 阿賀野
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線固体検出器から画像信号を得る放射線
画像読取装置において、有効画像サイズに拘わらず出力
画像の画素数を所望のものとする。 【解決手段】 固体検出素子を多数行列状に配列した検
出器1を使用して、主・副走査方向各々の有効画像サイ
ズを夫々違えて読み取る。検出器1から得られた読取画
像信号Sdに対して、例えば略2倍サイズについては主
・副走査方向共に2画素分の計4画素分の画像値を平均
して、1画素分の画像値とする低密度化処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射された放射線
を電気信号に変換する放射線固体検出器から放射線画像
を担持する画像信号を読み取る方法および装置、並びに
それに使用する放射線固体検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より医療診断を目的とする放射線撮
影において、放射線写真フイルムや、蓄積性蛍光体シー
トを利用した放射線画像記録読取装置が知られている。
【0003】また今日では、放射線を検出して画像信号
を出力する放射線固体検出器(半導体を主要部とするも
の)を使用した放射線画像記録読取装置が各種提案、実
用化されている。この装置に使用される放射線固体検出
器としては、種々のタイプのものが提案されているが、
代表的なものとしては、TFT(薄膜トランジスタ)に
より画像情報を担持する蓄積電荷(「潜像電荷」ともい
う)を読み出す光変換方式或いは直接変換方式の放射線
固体検出器、並びに直接変換方式の一つであって、読取
用の光を走査して読み出す改良型直接変換方式の放射線
固体検出器がある。
【0004】ここで、光変換方式の放射線固体検出器と
は、絶縁基板上に光電変換素子(検出電荷を蓄積する電
荷蓄積部を有する)を2次元状に配列した固体検出部
(2次元画像読取部)と、この固体検出部上に形成され
た蛍光体とを有して成り、画像情報を担持する放射線が
照射されることにより蛍光体から発せられた蛍光を検出
して画像情報を担持する蓄積電荷を光電変換素子の電荷
蓄積部に一旦蓄積し、各光電変換素子と接続されたTF
T(薄膜トランジスタ)が走査駆動されることにより、
蓄積電荷を放射線画像信号に変換して出力するものであ
る(例えば特開昭59-211263 号、特開平2-164067号、P
CT国際公開番号WO92/06501号、SPIE Vol.1443 Medi
cal Imaging V;Image Physics(1991) ,p.108-119 な
ど)。
【0005】また直接変換方式の放射線固体検出器と
は、絶縁基板上に夫々が画素に対応する多数の電荷収集
電極を2次元状に形成した固体検出部と、この固体検出
部上に形成された画像情報を担持する放射線が照射され
ると前記画像情報を担持する電荷を発生する放射線導電
体とを積層して成るものである(MATERIAL PARAMETERSI
N THICK HYDROGENATED AMORPHOUS SILICON RADIATION D
ETECTORS,Lawrence Berkeley Laboratory.University o
f California,Berkeley.CA 94720 Xerox Parc.Palo Alt
o.CA 94304、Metal/Amorphous Silicon Multilayer Rad
iation Detectors,IEE TRANSACTIONS ON NUCLEAR SCIEN
CE.VOL.36.NO.2.APRIL 1989、特開平1-216290号な
ど)。この方式における固体検出素子は、電荷収集電極
と放射線導電体を主要部とするものである。そして、こ
の方式の放射線固体検出器から放射線画像情報を担持す
る蓄積電荷を画像信号として読み出すに際しては、上述
した光変換方式のものと同様に、各固体検出素子と接続
されたTFTにより各素子を走査駆動する。
【0006】また改良型直接変換方式の放射線固体検出
器とは、本願出願人が特願平10-232824号 において提案
したもの、すなわち直接変換方式の一つでもあり、また
読取光を走査して読み出す光読出方式のものでもあっ
て、記録用の放射線に対して透過性を有する第1の導電
体層、該第1の導電体層を透過した記録用の放射線の照
射を受けることにより光導電性(正確には放射線導電
性)を呈する記録用光導電層、第1の導電体層に帯電さ
れる電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用
し、かつ、該電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体と
して作用する電荷輸送層、読取用の電磁波の照射を受け
ることにより光導電性(正確には電磁波導電性)を呈す
る読取用光導電層、読取用の電磁波に対して透過性を有
する第2の導電体層を、この順に積層して成るものであ
り、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に、画像情報
を担持する潜像電荷を蓄積するものである。第1の導電
体層および第2の導電体層は電極として機能するもので
ある。また、この方式における固体検出素子は、記録用
光導電層、電荷輸送層および読取用光導電層を主要部と
するものである。
【0007】なお、この改良型直接変換方式の放射線固
体検出器において潜像電荷を読み出す、すなわち潜像電
荷が担持する静電潜像を読み出す方式としては、第2の
導電体層(以下「読取電極」という)を平板状のものと
し、この読取電極側にレーザなどのスポット状の読取光
を走査して潜像電荷を検出する方式と、読取電極をクシ
歯状のストライプ状電極とし、ストライプ状電極の長手
方向と略直角な方向に延びたライン光源を該ストライプ
状電極の長手方向に走査して潜像電荷を検出する方式が
ある。そして、何れの読出方式を採るものであっても、
該放射線固体検出器は、夫々が画素に対応する複数個の
固体検出素子が実質的に行列状に配列された2次元の放
射線固体検出器となっている。ここで「実質的」とは、
検出器自体としては個別の固体検出素子を行列状に配列
して成るものとは言えないが、潜像電荷を読み出して得
た画像信号を処理する過程においては、例えばサンプリ
ング点の信号を所定画素の信号と考えることができるの
で、このように称しているものである。なお、読取電極
をストライプ状電極としたものは、その並び方向につい
ては、ストライプ状電極そのものが画素に対応する。
【0008】上述した各種方式の検出器は、何れも、放
射線を電気信号に変換する固体検出素子が行列状に多数
配列されて成り、放射線画像を担持する画像信号を2次
元マトリクス情報として出力するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、放射線固体
検出器を利用して放射線画像を読み取る場合には、検出
器としては、撮影部位や撮影方法などに応じて種々の画
像サイズのものが用いられることが多い。
【0010】ここで、画像サイズを変更するに際して
は、検出器を構成する固体検出素子の配列ピッチなどに
よって決定される1画素当たりの検出領域の大きさ(以
下「画素サイズ」という)を一定としたまま、換言すれ
ば、検出器の読取密度(画素密度)を一定としたまま、
総素子数を変えることによって画像サイズを変えるのが
一般的である。つまり、同じ画素サイズの固体検出素子
をいくつ並べるかによって画像サイズを変えるというこ
とが行われ、画像サイズに応じて総画素数が異なり、こ
れに応じて総読取画素数も異なることになる。
【0011】一方、この放射線固体検出器から出力され
た読取画像信号に基づいて放射線画像を再生(出力)す
るプリンタやモニターなどの出力装置や、放射線画像を
蓄積するファイリング装置(以下これらをまとめて、
「放射線画像読取装置」という)においては、再生ある
いは蓄積される画像の画素数が一定、または可変でもそ
の幅が小さいのが一般的である。
【0012】そのため、相異なるサイズの検出器に対し
て読取処理を行なう場合、検出器の読取密度は一定とし
たまま、その後に取り扱う画像信号について、検出器に
おける画像サイズが大きいほど画素密度を粗にし、これ
により検出器の画像サイズに拘わらず再生あるいは蓄積
画像の画素数を一定またはそれに近くして、再生あるい
は蓄積される画像の画像サイズをほぼ一定の大きさにす
ることが必要になるなど、再生あるいは蓄積の面から要
求される画像サイズに応じて、検出器から出力された読
取画像信号に基づく画像の画素数を変更する必要が生じ
る。
【0013】また、装置内部に検出器を固定的に有する
ビルトインタイプのシステムでは、最大画像サイズ用の
検出器を装置内に設置しておくのが一般的である。そし
て、最大画像サイズよりも小さな画像サイズの撮影を行
なうときには、指定された読取画像サイズ内の画像デー
タのみを有効な画像データとして取り扱う、いわゆる
「論理読み」という手法が用いられる。この論理読みを
行なう場合においても、上述同様に再生あるいは蓄積の
面から要求される画像サイズに応じて、検出器から出力
された読取画像信号に基づく画像の画素数を変更する必
要が生じる。
【0014】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、相異なる画像サイズで読取処理を行なう
際に、検出器の読取密度を変更する必要が無く、画像再
生装置やファイリング装置の画素数許容幅の狭さに対処
することができる放射線画像読取方法および装置、並び
にそれに使用する放射線固体検出器を提供することを目
的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による放射線画像
読取方法は、夫々が画素に対応する放射線を検出する固
体検出素子が主走査方向および副走査方向に行列状に多
数配列されて成る放射線固体検出器から放射線画像情報
を担持する画像信号を得る放射線画像読取方法であっ
て、所望の画像サイズに対応して決められる画素サイズ
に応じて、画像信号に対して画素密度変換処理を行なう
ことを特徴とするものである。
【0016】本発明による放射線画像読取方法において
は、画素密度変換処理が施された画像信号が入力される
プリンタなどの出力装置の画素密度に応じて画素密度変
換処理を行なうことが望ましい。例えば、固体検出素子
の画素サイズが100μm以上200μm以下である場
合には、出力装置から出力される画像の画素サイズが4
0μm以上100μm以下、好ましくは70μm以上9
0μm以下となるように画素密度変換処理を行なうとよ
い。ここで「出力装置の画素密度」と「出力装置から出
力される画像の画素サイズ」との間には、検出器におけ
る素子の画素サイズと読取密度との間の対応関係と同じ
ように、一方が定まれば他方が定まるという対応関係が
あるのはいうまでもない。
【0017】本発明による放射線画像読取方法は、放射
線固体検出器の有効画像サイズが大であるほど、行方向
および列方向夫々について、画素密度変換処理の倍率を
小とすることが望ましい。
【0018】また、本発明による放射線画像読取方法
は、行方向および列方向夫々について、画素密度変換の
倍率がn/m(nは正の整数、mは主走査方向または副
走査方向における固体検出素子の画素数以下の正の整
数;以下本項において同様)となるように画素密度変換
処理を行なうとより望ましい。ここで「主走査方向また
は副走査方向における固体検出素子の画素数」は、放射
線固体検出器の有効画像サイズの前記各方向それぞれに
おける総画素数を意味する。なお、主走査方向および副
走査方向のうちのいずれを行方向あるいは列方向にする
かは自由である。また、行方向の倍率と列方向の倍率は
異なるものであってもよい。
【0019】また、本発明による放射線画像読取方法
は、注目画素とその周辺画素に対応する各固体検出素子
から出力される各画像信号に対して所定の係数をかけた
後に加算することにより、画素密度変換処理を行なうよ
うにしてもよい。ここで「注目画素」とは、画素密度変
換処理後の画素位置を含む画素、または画素密度変換処
理後の画素位置に最も隣接する画素を意味する。
【0020】本発明による放射線画像読取装置は、上記
放射線画像読取方法を実現する装置、すなわち夫々が画
素に対応する放射線を検出する固体検出素子が主走査方
向および副走査方向に行列状に多数配列されて成る放射
線固体検出器から放射線画像情報を担持する画像信号を
得る放射線画像読取装置であって、所望の画像サイズに
対応して決められる画素サイズに応じて、前記画像信号
に対して画素密度変換処理を行なう画素密度変換手段を
備えたことを特徴とするものである。
【0021】本発明による放射線画像読取装置の画素密
度変換手段は、画素密度変換処理が施された画像信号が
入力される出力装置の画素密度に応じて画素密度変換処
理を行なうものであることが望ましい。例えば、固体検
出素子の画素サイズが100μm以上200μm以下で
ある場合には、画素密度変換手段は、出力装置から出力
される画像の画素サイズが40μm以上100μm以
下、さらに好ましくは70μm以上90μm以下となる
ように画素密度変換処理を行なうものであることが望ま
しい。
【0022】また、本発明による放射線画像読取装置の
画素密度変換手段は、放射線固体検出器の有効画像サイ
ズが大であるほど、行方向および列方向夫々について画
素密度変換処理の倍率を小とする、すなわち画素密度を
低くするものであることが望ましい。
【0023】また、本発明による放射線画像読取装置の
画素密度変換手段は、行方向および列方向夫々につい
て、画素密度変換の倍率がn/mとなるように画素密度
変換処理を行なうものであることが望ましい。
【0024】また、本発明による放射線画像読取装置の
画素密度変換手段を、注目画素とその周辺画素に対応す
る各固体検出素子から出力される各画像信号に対して所
定の係数をかけた後に加算することにより、画素密度変
換処理を行なうものとすることができる。なお、各固体
検出素子から出力される各画像信号は、特にアナログ値
であることが望ましい。
【0025】本発明による放射線固体検出器は、夫々が
画素に対応する放射線を検出する固体検出素子が行列状
に多数配列されて成り、各固体検出素子により検出され
た検出信号を画像信号として出力させる読取機能を有す
る放射線固体検出器であって、所望の画像サイズに対応
して決められる画素サイズに応じて、画像信号に対して
画素密度変換処理を行なう画素密度変換手段を備えたこ
とを特徴とするものである。
【0026】上述した本発明による放射線画像読取方法
および装置と同様に、この放射線固体検出器の画素密度
変換手段は、該検出器の有効画像サイズが大であるほど
画素密度変換処理の倍率を大とするものであることが望
ましく、また画素密度変換の倍率がn/mとなるように
画素密度変換処理を行なうものであることが望ましい。
【0027】また、該検出器の画素密度変換手段を、注
目画素とその周辺画素に対応する各検出素子から出力さ
れる各画像信号に対して所定の係数をかけた後に加算す
ることにより、画素密度変換処理を行なうものとしても
よく、この場合には、各検出素子から出力される各画像
信号は、特にアナログ値であることが望ましいのは勿論
である。
【0028】上記において「放射線固体検出器」とは、
放射線を電気信号に変換する固体検出素子が行列状に多
数配列されて成るものであって、放射線画像を担持する
画像信号を出力するものであればどのようなものであっ
てもよい。後述する光変換方式,直接変換方式および改
良型直接変換方式のものが代表的なものであるが、この
3つの方式のものに限定されないのは言うまでもない。
【0029】なお、後述するように改良型直接変換方式
のものは、検出器自体としては個別の固体検出素子が行
列状に配列されて成るものとは言えないが、出力された
画像信号を処理する過程において、例えば所定のサンプ
リング点の信号を所定画素の信号と考えることができ、
この画素に対応するように固体検出素子が実質的に行列
状に配列されていると考えることができる。本発明が適
用される放射線固体検出器は、個別の固体検出素子が真
に行列状に配列されて成るものだけでなく、固体検出素
子が実質的に行列状に配列されて成るものも含む。
【0030】また「所望の画像サイズ」とは、放射線固
体検出器から出力される画像信号を用いて、画像をプリ
ンタなどで出力したり、あるいはファイリング装置など
にデータとして記憶したりする場合において要求され
る、画素密度や画素サイズから決定される画像サイズを
意味する。
【0031】また「画素密度変換処理」とは、画素に対
応する各固体検出素子から出力された各画像信号を使用
して検出素子自体から決定される画素サイズとは異なる
大きさの画素サイズの画像信号を得ることにより、検出
器から出力された画像信号の画素密度を変更することを
意味し、画素サイズを大きく(拡大)することにより画
素密度を低くする低密度化処理および画素サイズを小さ
く(縮小)することにより画素密度を高くする高密度化
処理の何れをも含む。なお「検出素子自体から決定され
る画素サイズ」とは、固体検出素子の配列ピッチなどに
よって決定される1画素当たりの検出領域の大きさを意
味する。
【0032】ここで「低密度化処理」とは、検出素子自
体から決定される画素サイズより大きなサイズの画素に
対応する新たな画像信号を得ることにより画素密度を低
くする処理を意味し、例えば隣接する複数の画素に対応
する各検出素子から出力された複数の画像信号を混合し
て1つの画素に対応する画像信号とする処理などであ
る。
【0033】また「高密度化処理」とは、検出素子自体
から決定される画素サイズより小さなサイズの画素に対
応する新たな画像信号を得ることにより画素密度を高く
する処理を意味し、例えば隣接する複数の画素に対応す
る各検出素子から出力された複数の画像信号に基づい
て、該隣接する複数の画素の間に設けた新たな画素に対
応する画像信号を求める処理などである。
【0034】なお上記低密度化処理および高密度化処理
においては、複数の画素の夫々について重み付けした後
に新たな画像信号を得るようにしてもよい。また、全画
素について同じ値の重み付け係数を使用(単純平均に相
当する)してもよいし、各画素毎に異なる重み付け係数
を使用(重み付け平均に相当する)するなど、どのよう
な重み付け係数を使用してもよい。また、最近傍補間、
多項式補間、ラグランジェ補間、スプライン補間、ある
いはこれらの組合せによる補間など、周知の補間処理方
法を用いてもよい。
【0035】なお、上記において放射線固体検出器は、
上述した3つの方式のものに限らず、半導体を主要部と
して成り、放射線を検出する固体検出素子を多数配列す
ることにより構成された放射線固体検出器であればどの
ようなものを使用してもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明による放射線画像読取方法および
装置によれば、所望の画像サイズに対応して決められる
画素サイズに応じて、画像信号に対して画素密度変換処
理を行なうようにしたので、放射線固体検出器の有効画
像サイズに拘わらず後段の画像処理において取り扱う画
像の画素数を所望のものにする、換言すれば再生出力さ
れる画像サイズをほぼ一定の大きさにすることができ
る。例えば、有効画像サイズが大であるほど画素密度変
換処理の倍率を小とすれば、後段の画像処理において取
り扱う画像の画素数を一定あるいはそれに近い状態とす
ることができる。これにより、異サイズの検出器、或い
は論理読み時における読取画像サイズの相違に対しても
画像再生装置や画像ファイリング装置を共用化すること
ができる。
【0037】また、プリンタなどの出力装置の画素密度
に応じて画素密度変換処理を行なうようにすれば、各素
子の検出信号量、換言すれば信号のS/Nに応じて検出
器の各素子の画素サイズを設定し、一方、検出器から出
力された画像信号に基づいて再生出力するプリンタなど
においては、記録(出力)走査線を目立たせないような
画素サイズに設定し、この両者の画素サイズの相違を画
素密度変換処理を行なうことで補正(補間)することが
できる。つまり、検出器および出力装置のそれぞれにお
いて、他方の画像サイズ(画素サイズ)に拘わらず、自
身の画素サイズを好ましいものに設定することができ
る。
【0038】また、行方向および列方向夫々について、
画素密度変換の倍率がn/m(nは正の整数、mは主走
査方向または副走査方向における固体検出素子の画素数
以下の正の整数)となるように画素密度変換処理を行な
うようにすれば、簡易な演算処理によって重み付け演算
や補間演算を行なうことができ、特に、デジタル信号処
理には好適である。また、mを主走査方向または副走査
方向における固体検出素子の画素数以下の整数としてい
るので、有効画像サイズの周縁部を除くほぼ全てについ
て、固体検出素子から出力された画素データを用いて重
み付け演算や補間演算を行なうことができる。
【0039】また、注目画素とその周辺画素に対応する
各固体検出素子から出力される各画像信号に対して所定
の係数をかけた後に加算することにより、画素密度変換
処理を行なうようにすれば、いわゆるフィルタリング処
理によって該処理を行なうことができ、特にアナログ信
号処理には好適である。
【0040】また上述した画素密度変換処理を行なう画
素密度変換手段を備えた放射線固体検出器とすれば、そ
れ自体が画素密度変換処理機能を有する一体型の検出器
とすることができ、非常に便利である。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0042】図1は本発明の実施の形態による放射線画
像読取装置の構成を示す図である。図1に示すように、
この放射線画像読取装置10は、上述した光変換方式の
放射線固体検出器1から放射線画像を読み取るものであ
る。
【0043】放射線固体検出器1は、照射された放射線
を可視光に変換する不図示のシンチレータと、このシン
チレータにより変換された可視光を検出し、この可視光
を被写体の放射線画像を担持する画像信号に光電変換す
る固体検出部2とからなる。
【0044】固体検出部2は、図1に示すようにシンチ
レータにより変換された可視光をアナログ画像信号に光
電変換する光電変換部22と、この光電変換部22によ
り変換された信号電荷(画像信号に対応する)を一時的
に蓄電するコンデンサ23とからなる固体検出素子とし
ての光電変換素子24を2次元状に多数配して成るもの
である。光電変換素子24には、コンデンサ23に蓄電
した信号電荷を転送するTFTから成る転送部21が接
続されている。後述する有効画像サイズの相違に拘わら
ず、光電変換素子24の画素サイズは何れも100μm
で一定である。検出器の画素サイズが一定であるから、
主走査方向読取密度と副走査方向読取密度は何れも10
ピクセル/mmで一定である。なお、光変換方式の検出器
は、画素サイズを小さくすると開口率が小さくなり感度
が低下してS/Nが低下するという問題があり、画素サ
イズ100μmというのは、現在入手し得る光変換方式
の検出器としては、最も読取密度(画素密度)が高いも
のである。
【0045】固体検出部2には、図1の縦方向に並ぶ各
光電変換素子24から出力される各画像信号S0を増幅
するための出力アンプ25が縦列分設けられており、さ
らに各光電変換素子24から出力される各画像信号S0
を一旦蓄電しておくための負荷容量26が縦列分設けら
れている。
【0046】図1に示すように、光電変換素子24に
は、コンデンサ23に蓄電した信号電荷を転送するTF
Tから成る転送部21が接続されている。各転送部21
の出力は信号線27aに接続されており、信号線27a
は図1の縦方向に延在して出力アンプ25と接続され、
また負荷容量26を介してマルチプレクサ28と接続さ
れている。一方、各転送部21のゲートは走査線27b
に接続されており、走査線27bは図1の横方向に延在
して走査パルス発生器29と接続されている。なお、光
電変換素子24のカソード側は内部電源VBと接続されて
いる。
【0047】このように信号線27aおよび走査線27
bは転送部21としてのTFTと接続され、マルチプレ
クサ28および走査パルス発生器29による走査制御に
したがって、所定画素に対応する光電変換素子24の画
像信号S1が出力アンプ25を介して出力されるように
なっている。
【0048】一方、放射線画像読取装置10は、検出器
1から出力される読取画像信号Saに対して、後述する
ような画素密度変換処理を行なう画素密度変換手段13
を備えている。また、画像信号Saをデジタル化するA
/D変換器11およびデジタル化された画像信号Sdを
一旦記憶しておくラインメモリ12も備えられている。
図中Aはアドレス信号である。A/D変換器のサンプリ
ング周期は読取密度と対応する周期とされ、有効画像サ
イズに拘わらず一定である。
【0049】以下、本発明による放射線画像読取装置の
作用について説明する。
【0050】マルチプレクサ28および走査パルス発生
器29により走査制御を行ない、不図示の放射線画像記
録装置により放射線画像が記録された検出器1から、ア
ナログ値の読取画像信号Saを出力させる。この読取画
像信号SaをA/D変換器11により所定の収録スケー
ルファクターでデジタル化する。こうして得られたデジ
タルの読取画像信号Sdは、例えば主走査数ライン分の
容量を有するラインメモリ12に順次記憶され、また該
ラインメモリ12から所定ライン数分ずつ読み出され
て、画素密度変換手段13に送られる。
【0051】次に、この画素密度変換手段13による処
理について詳しく説明する。
【0052】本例では、有効画像サイズが基本サイズの
検出器と、縦横がそれぞれ所定倍数のサイズの検出器か
ら放射線画像を読み取る場合について説明する。ここで
「有効画像サイズ」とは、従来のシートを使用して放射
線画像を読み取る場合におけるシートのサイズ、或いは
検出器のサイズを一定としたまま論理読みを行なう際の
読取画像サイズに対応するものである。有効画像サイズ
に応じて検出器のサイズを変更してもよいのは勿論であ
る。
【0053】基本サイズの画素配列と、読取画像信号S
dの各画素の画像値(画素値)xα βとの関係を図2の
ように示す。ここで、xαβは各画素の画像値であり、
αは副走査方向の画素番号、βは主走査方向の画素番号
である。なお、主走査方向および副走査方向の画素サイ
ズは、共に固体検出素子の配列ピッチによって規定され
る。本例おいては、基本サイズが200×250mmで、
画素数(主走査方向×副走査方向)が2000×250
0であるとする。
【0054】最初に、画素密度変換手段13が、検出器
20の有効画像サイズが大であるほど、行方向および列
方向夫々について、画素密度変換処理の倍率を小とする
場合について説明する。ここで「画素密度変換処理の倍
率を小とする」とは、画素密度を低くすることを意味
し、「画素密度変換処理の倍率」は画素密度を低くする
度合い、すなわち低下率を意味するので、結局「有効画
像サイズが大であるほど、画素密度変換処理の倍率を小
とする」とは、有効画像サイズが大であるほど、低下率
をより大きくすることを意味する。そして「低下率をよ
り大きくする」とは、画素密度変換処理の倍率を1/N
としたとき、分母のNをより大きくすることを意味す
る。なお、倍率の設定に際しては、m,nを正の整数と
すると共に、少なくともmを、主走査方向または副走査
方向における固体検出素子の画素数以下の整数とする倍
率n/mとし、その後に約数を取って1/Nとするとよ
い。
【0055】先ず、有効画像サイズが基本サイズのもの
に対して、主・副走査方向をそれぞれ略2倍のサイズ、
例えば425×425mm,350×425mm,350×
350mmなどとする場合について説明する。
【0056】画素密度変換手段13は、検出器1から得
られた読取画像信号Sdに対して、隣接4画素分の画像
信号を用いて1画素分の画像信号とする処理、すなわち
主走査方向・副走査方向共に2画素分の計4画素分の画
像値を平均して1画素分の画像値とする処理を行なうこ
とにより、画素密度を低くする低密度化処理を行なう。
つまり隣接画素についての各画像信号Sdを第3図のよ
うに示すと、例えば
【数1】 として、新たな画像値y11,y12,…,y21…を
得る。ここで、yαβは低密度化処理という画素密度変
換後の各画素の画像値であり、αは画素密度変換後の副
走査方向の画素番号、βは主走査方向の画素番号であ
る。後述する例においても同様である。
【0057】これにより、画素サイズが200μmとな
り、処理後の画像信号Sd’が担う画像の画素密度は、
基本サイズに対して、主走査方向および副走査方向に関
して各々1/2に低下し、夫々5ピクセル/mmとなる。
【0058】次に、有効画像サイズが基本サイズのもの
に対して、主・副走査方向をそれぞれ略1.5倍、例え
ば250×300mmなどのサイズとする場合について説
明する。
【0059】画素密度変換手段13は、検出器1から得
られた読取画像信号Sdに対して、隣接9画素分の画像
値を用いて4画素分の画像値とする処理、すなわち主走
査方向・副走査方向共に1.5画素分の画像値を平均し
て1画素分の画像値とする処理を行なうことにより、画
素密度を低くする低密度化処理を行なう。つまり隣接画
素についての各画像信号Sdを第4図のように示すと、
例えば
【数2】 として、新たな画像値y11,y12,…,y21…を
得る。
【0060】ここで、各画素の画像値xαβに所定の係
数(式中左側より4,2,2,1)を掛けた後に加算
し、加算値を各係数の合計値9で割っているのは、処理
後の画像値yαβに寄与する度合いを考慮したものであ
る。例えば、図4から判るように、y11については、
22の寄与率を1とすると、x11の寄与率は4倍、
12,x21の寄与率は2倍となるからである。
【0061】これにより、画素サイズが150μmとな
り、処理後の画像信号Sd’が担う画像の画素密度は、
基本サイズに対して、主走査方向および副走査方向に関
して各々2/3に低下し、夫々20ピクセル/3mmとな
る。
【0062】上述のような、2倍や1.5倍に限らず、
例えば3倍,4倍などとしてもよいのは勿論である。例
えば、4倍にすると、画素サイズが400μmとなり、
処理後の画像信号Sd’が担う画像の画素密度は、主走
査方向および副走査方向に関して各々1/4に低下し、
夫々2.5ピクセル/mmとなる。
【0063】以上のような処理を行なうことにより、処
理後の画像信号Sd’が担う画像の画素数(主走査方向
×副走査方向)が、425×425mmについては212
5×2125、350×425mmについては1750×
2125、350×350mmについては1750×17
50、250×300mmについては1666×2000
とされ、サイズに拘わらずおよそ近い状態にすることが
できる。基本サイズの200×250mmについては、画
素密度変換することなく、2000×2500とされる
のはいうまでもない。
【0064】なお、サイズに応じて画素数に多少の違い
があるが、この程度の違いの画像信号Sd’が共通の画
像再生装置に送られても問題を生じることがなく、画像
再生装置や画像ファイリング装置を共用し、放射線画像
の再生に供することが可能である。
【0065】このように、本発明においては、有効画像
サイズに応じて、検出器から出力された画像信号に対し
て上記のような画素密度変換処理を行なうことにより、
有効画像サイズによらず後段の画像処理などにおいて取
り扱う画像の画素数を一定あるいはそれに近い状態とす
ることができ、よって異サイズの検出器、或いは論理読
み時における読取画像サイズの相違に対しても画像再生
装置や画像ファイリング装置を共用することができる。
【0066】上記説明は、処理後の画像信号yαβに寄
与する度合いを考慮しつつ、単純平均を取る場合につい
て説明したが、これに限らず、使用する画素値に対して
所定の重み付け係数を掛けて加算した後に重み付け係数
値の合計値で割る、いわゆる重み付け平均化処理を行な
ってもよい。例えば、縦横夫々奇数個の画素を用いて1
つの画素を構成する低密度化処理を行なう場合に、中心
の画素ほど大きい係数値を使用すれば、処理後の画像を
中心画素が強調されたものとすることができる。
【0067】以上述べた例は、加算処理と除算処理、或
いは重み付けを考慮した加算処理と除算処理によって、
画素密度変換処理後の画像信号を求めることができるも
のであり、上述した例に限らず、画素密度変換の倍率を
n/m(nは正の整数、mは主走査方向または副走査方
向における固体検出素子の画素数以下の正の整数)とす
る限り(例えば6/7倍など)、簡易な演算処理によっ
て変換後の画像信号を求めることができ、またm,nを
整数としているのでデジタル信号処理としては好都合で
ある。
【0068】さらに、上述の例は、n<mとして、画素
密度を低くする低密度化処理を行なうものについて説明
したが、これに限らず、n>mとして、画素密度を高く
する高密度化処理を行なうこともできる。この高密度化
処理の一例について以下に簡単に説明する。
【0069】例えば、光電変換素子24の画素サイズに
拘わらず、出力装置としてのプリンタにより出力される
画像の1画素当たりの画素サイズが常に70μm〜90
μmとなるように、換言すれば、プリンタの画素密度に
適合するように高密度化処理を行なう場合を考える。
【0070】ここで、光電変換素子24の画素サイズが
140μm〜180μmの検出器を使用する場合には、
n/m=2/1とするとよい。同じように、光電変換素
子24の画素サイズが122.5μm〜157.5μm
の検出器を使用する場合には、n/m=7/4とすると
よい。また、光電変換素子24の画素サイズが105μ
m〜135μmの検出器を使用する場合には、n/m=
3/2とするとよい。これらの場合における画素密度変
換処理は、検出器から出力される画像信号の画素数より
も、変換後の信号の画素数がn/m倍と増加する補間演
算処理とするとよい。
【0071】図5は、n/m=3/2倍に変換する場合
における、変換前の画素apqの画素位置と変換後の画
素bpqの画素位置との関係を示す図である。ここで、
例えば変換後の画素b22の画像値を求める場合には、
変換後の画素b22周辺の変換前の画素a11
12,a21,a22の各画像値を用いて補間演算処
理を行なう。また、この補間演算処理において、新たに
設けられる変換後の各画素位置の画像値(画素値)を求
めるに際しては、変換前の画素位置の各素子の画像値
の、前記新たに設けられる各画素の画像値に寄与する度
合いを考慮するのが望ましく、例えば上述の画素b22
の画像値を求める例においては、画素b22と画素a
11,a12,a21,a22との各距離を考慮した重
付け演算を行なうとよい。
【0072】このように、プリンタの画素密度に応じて
画素密度変換処理を行なうようにすれば、各素子から得
られる画素値の大きさがS/Nの問題を生じないように
各素子の画素サイズを設定でき、一方、プリンタにおい
ても所望の画素サイズに設定できる。例えば、胸部の診
断を行なうためには、検出素子の画素サイズは200μ
m以下が必要となる一方、この画素サイズを100μm
以下にすると1画素当たりの信号量が小さくなりS/N
が劣化するので、検出器としては素子の画素サイズが1
00μm以上200μm以下のものを使用するのが好ま
しい。これに対して、プリンタにより出力される画像上
で記録走査線を目立たせないためには、出力画像の画素
サイズ(プリンタ画素サイズ)が100μm以下、より
好ましくは90μm以下であることが必要である一方、
40μm〜70μm以下となると画像メモリの容量が大
きくなり過ぎるという問題があるので、プリンタ画素サ
イズが40μm以上100μm以下、より好ましくは7
0μm以上90μm以下のプリンタを使用するのが好ま
しい。本発明によれば、検出器およびプリンタのそれぞ
れにおいて、他方の画素サイズ)に拘わらず、自身の画
素サイズを好ましいものに設定することができるので、
このような要求に十分に対応することができる。
【0073】また、上記説明では読取密度と画素密度変
換処理後の画素密度が、それぞれ主、副走査方向に関し
て互いに等しくされているが、それらは主、副走査方向
で互いに異なるように設定されても構わない。
【0074】なお、上述した画素密度変換処理は、抵抗
加算による加算処理および除算器(乗算器)を使用した
除算(乗算)処理を行なうなど、アナログ信号処理によ
って実現することができるのは言うまでもない。
【0075】さらに、本発明は、画素密度変換の倍率を
n/m(nは正の整数、mは主走査方向または副走査方
向における固体検出素子の画素数以下の正の整数)とす
るものに限らず、各固体検出素子から出力された各画像
信号を使用して検出素子自体から決定される画素サイズ
とは異なる大きさの画素サイズの画像信号を得ることに
より、検出器から出力された画像信号の画素密度を変更
するものである限り、どのような処理を行なうものであ
ってもよい。図6に他の一例を示す。
【0076】図6は、注目画素と副走査方向に隣接する
周辺画素に対応する各固体検出素子から出力された各画
像信号に対して所定の係数をかけた後に加算することに
より副走査方向の画素密度を低下させる場合について説
明する図である。
【0077】この例では、主走査方向の画素番号がβ
1、副走査方向の画素番号がα1からα7までの7つの
画素の画像値xαβ〜xαβを使用して、下記
式にしたがってyαβ〜yαβという3つの画
素の画像値を求めることにより画素密度を低下させる。
【0078】
【数3】 つまり注目画素の副走査方向の画素番号を1つおき(本
例では偶数番号)にとり、注目画素と該注目画素の副走
査方向に隣接する2つの周辺画素、計3つの画素の画素
値を使用して、上記式のような演算処理によって1つの
画素値を求めることにより画素密度を低下させる。本例
の場合には、注目画素の画素値を2倍すると共に周辺画
素の画素値を(−1/2)倍した後に加算しており、処
理後の画像は注目画素が強調された画像となる。
【0079】このような処理は、いわゆるフィルタリン
グ処理で実現でき、特にアナログ信号のままで処理する
のに好適である。なおデジタル演算処理によって求める
ことができるのは言うまでもない。
【0080】上記例は注目画素と副走査方向に隣接する
周辺画素の画素値を用いて1つの画素値を求めることに
より副走査方向の画素密度を低下させる場合について説
明したものであるが、主走査方向についても同様の処理
によって画素密度を低下させることができるのは勿論で
ある。
【0081】上記説明は何れも光変換方式の放射線固体
検出器を使用する場合について説明したものであるが、
直接変換方式の放射線固体検出器を使用する場合につい
ても、上述した処理を全く同様に適用することができ
る。つまり、検出器が固体検出素子を行列状に多数配列
して成るものであればどのようなものにも適用すること
ができる。
【0082】次に改良型直接変換方式の放射線固体検出
器を使用する場合について説明する。
【0083】上述したように、この方式の検出器は、読
取光を走査して画像信号を読み出す光読出方式のもので
あり、それ自体では固体検出素子が真に行列状に多数配
列されて成るものとは言えないが、画像信号の読出しお
よび画像信号を処理する過程におけるサンプリングによ
って、例えばサンプリング点の信号を所定画素の信号と
考えることができ、この画素に対応する複数個の固体検
出素子が実質的に行列状に配列された検出器といえるも
のである。
【0084】先ず、読取電極がクシ歯状となったストラ
イプ状電極を有する放射線固体検出器を使用し、ストラ
イプ状電極の長手方向と略直角な方向に延びたライン光
源を該ストライプ状電極の長手方向に相対的に走査して
放射線画像を読み取る場合について説明する。
【0085】この方式の放射線固体検出器を使用した放
射線画像読取装置の構成については説明を省略するが、
ストライプ状電極の並び方向が上記例の主走査方向に対
応し、ライン光源の走査方向が上記例の副走査方向に対
応する。そして、主走査方向の画素サイズはストライプ
状電極の並びのピッチで規定され、副走査方向の画素サ
イズは副走査方向のサンプリング周期(ライン周期)で
規定される。例えば、ストライプ状電極の並びのピッチ
が50μmであれば、主走査方向の画素サイズは50μ
mである。このとき、副走査方向のサンプリング周期
を、長さに換算したときに50μmとなるような間隔と
すれば、この検出器を構成する固体検出素子の画素サイ
ズは50μm×50μmであるといえる。なお、上述し
たように、光変換方式の検出器として現在入手し得るも
のは画素サイズ100μmが限度となっているが、この
改良型直接変換方式にあっては、画素サイズ50μmの
ものを入手し得る。
【0086】この改良型直接変換方式などの光読出方式
の検出器においても、基本サイズの画素配列と、読取画
像信号Sdの各画素の画像値xαβとの関係は、上述し
た図2に示すものと同様に考えることができる。ここ
で、xαβは各画素の画像値であり、αは副走査方向の
サンプリング番号すなわち副走査方向の画素番号、βは
ストライプ状電極の電極番号すなわち主走査方向の画素
番号である。
【0087】したがって、例えば改良型直接変換方式の
放射線固体検出器を使用した場合においても、主走査方
向・副走査方向共に2画素分の計4画素分の画像信号を
平均して1画素分の画像信号とすれば、処理後の画像信
号Sd’が担う画像の画素密度を、基本サイズに対し
て、主走査方向および副走査方向に関して各々1/2に
低下させることができるなど、上述した光変換方式の例
を全く同様に適用することができる。ここで、例えば
「主走査方向に2画素分」とはストライプ状電極2つ分
を意味し、「副走査方向に2画素分」とは副走査方向の
サンプリング周期が2つ分すなわち2ライン分を意味す
る。なお、この改良型直接変換方式にあっては、特にフ
ィルタリング処理によって上述の図6に示す解像度変換
処理を適用するのが好適である。
【0088】上述の説明は、何れも、放射線固体検出器
から出力された画像信号に対して画素密度変換処理を行
なう画素密度変換手段を放射線固体検出器とは別体に設
けた放射線画像読取装置について説明したものである
が、本発明はこれに限らず、画素密度変換手段を放射線
固体検出器内に設けることにより、画素密度変換機能を
有し、それ自体が読取装置としても機能する放射線固体
検出器を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による放射線画像読取装置
の構成を示す図
【図2】基本サイズの検出器の画素配列と、読取画像信
号の各画素の画像値との関係を示す図
【図3】低密度化処理の例を示す図;主・副走査方向の
サイズが夫々略1/2の場合
【図4】低密度化処理の例を示す図;主・副走査方向の
サイズが夫々略2/3の場合
【図5】3/2倍に変換する場合における、変換前の画
素位置と変換後の画素位置との関係を示す図
【図6】低密度化処理の他の例を示す図
【符号の説明】
1 放射線固体検出器 2 固体検出部 10 画像信号補正装置 13 画素密度変換手段 24 固体検出素子としての光電変換素子

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々が画素に対応する放射線を検出する
    固体検出素子が主走査方向および副走査方向に行列状に
    多数配列されて成る放射線固体検出器から放射線画像情
    報を担持する画像信号を得る放射線画像読取方法におい
    て、 所望の画像サイズに対応して決められる画素サイズに応
    じて、前記画像信号に対して画素密度変換処理を行なう
    ことを特徴とする放射線画像読取方法。
  2. 【請求項2】 前記画素密度変換処理が施された画像信
    号が入力される出力装置の画素密度に応じて前記画素密
    度変換処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の放
    射線画像読取方法。
  3. 【請求項3】 前記固体検出素子の画素サイズが100
    μm以上200μm以下であり、前記出力装置から出力
    される画像の画素サイズが40μm以上100μm以下
    となるように前記画素密度変換処理を行なうことを特徴
    とする請求項2記載の放射線画像読取方法。
  4. 【請求項4】 前記出力装置から出力される画像の画素
    サイズが70μm以上90μm以下となるように前記画
    素密度変換処理を行なうことを特徴とする請求項3記載
    の放射線画像読取方法。
  5. 【請求項5】 前記放射線固体検出器の有効画像サイズ
    が大であるほど、行方向および列方向夫々について、前
    記画素密度変換処理の倍率を小とすることを特徴とする
    請求項1から4いずれか1項記載の放射線画像読取方
    法。
  6. 【請求項6】 行方向および列方向夫々について、前記
    画素密度変換の倍率がn/m(nは正の整数、mは前記
    主走査方向または前記副走査方向における前記固体検出
    素子の画素数以下の正の整数)となるように前記画素密
    度変換処理を行なうことを特徴とする請求項1から5い
    ずれか1項記載の放射線画像読取方法。
  7. 【請求項7】 注目画素とその周辺画素に対応する前記
    各固体検出素子から出力される各画像信号に対して所定
    の係数をかけた後に加算することにより、前記画素密度
    変換処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の放射
    線画像読取方法。
  8. 【請求項8】 夫々が画素に対応する放射線を検出する
    固体検出素子が主走査方向および副走査方向に行列状に
    多数配列されて成る放射線固体検出器から放射線画像情
    報を担持する画像信号を得る放射線画像読取装置におい
    て、 所望の画像サイズに対応して決められる画素サイズに応
    じて、前記画像信号に対して画素密度変換処理を行なう
    画素密度変換手段を備えたことを特徴とする放射線画像
    読取装置。
  9. 【請求項9】 前記画素密度変換手段が、前記画素密度
    変換処理が施された画像信号が入力される出力装置の画
    素密度に応じて前記画素密度変換処理を行なうものであ
    ることを特徴とする請求項8記載の放射線画像読取装
    置。
  10. 【請求項10】 前記固体検出素子の画素サイズが10
    0μm以上200μm以下であり、 前記画素密度変換手段が、前記出力装置から出力される
    画像の画素サイズが40μm以上100μm以下となる
    ように前記画素密度変換処理を行なうものであることを
    特徴とする請求項9記載の放射線画像読取装置。
  11. 【請求項11】 前記画素密度変換手段が、前記出力装
    置から出力される画像の画素サイズが70μm以上90
    μm以下となるように前記画素密度変換処理を行なうも
    のであることを特徴とする請求項10記載の放射線画像
    読取装置。
  12. 【請求項12】 前記画素密度変換手段が、前記放射線
    固体検出器の有効画像サイズが大であるほど、行方向お
    よび列方向夫々について、前記画素密度変換処理の倍率
    を小とするものであることを特徴とする請求項9から1
    1いずれか1項記載の放射線画像読取装置。
  13. 【請求項13】 前記画素密度変換手段が、行方向およ
    び列方向夫々について、前記画素密度変換の倍率がn/
    m(nは正の整数、mは前記主走査方向または前記副走
    査方向における前記固体検出素子の画素数以下の正の整
    数)となるように前記画素密度変換処理を行なうもので
    あることを特徴とする請求項9から12いずれか1項記
    載の放射線画像読取装置。
  14. 【請求項14】 前記画素密度変換手段が、注目画素と
    その周辺画素に対応する前記各固体検出素子から出力さ
    れる各画像信号に対して所定の係数をかけた後に加算す
    ることにより、前記画素密度変換処理を行なうものであ
    ることを特徴とする請求項8記載の放射線画像読取装
    置。
  15. 【請求項15】 夫々が画素に対応する放射線を検出す
    る固体検出素子が行列状に多数配列されて成り、各固体
    検出素子により検出された検出信号を画像信号として出
    力する放射線固体検出器において、 所望の画像サイズに対応して決められる画素サイズに応
    じて、前記画像信号に対して画素密度変換処理を行なう
    画素密度変換手段を備えたことを特徴とする放射線固体
    検出器。
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