JP2000241153A - ローラのクラウニング形状管理方法および装置 - Google Patents

ローラのクラウニング形状管理方法および装置

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JP2000241153A JP11043206A JP4320699A JP2000241153A JP 2000241153 A JP2000241153 A JP 2000241153A JP 11043206 A JP11043206 A JP 11043206A JP 4320699 A JP4320699 A JP 4320699A JP 2000241153 A JP2000241153 A JP 2000241153A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全長にわたりクラウニングが施されたローラ
であっても、クラウニング形状の管理が精度良く行える
形状管理方法および装置を提供する。 【解決手段】 被測定ローラ1は、一対の基準片6,7
で軸方向に挟み付け、治具本体8に設置する。触針10
により、基準片6,7のローラ近傍部を含めて、ローラ
外形の母線形状を測定する。得られた母線形状から、中
心点演算手段20により、基準片6,7の端面位置を求
め、その端面位置からローラ外形母線形状の軸方向中心
点Oを求める。ドロップ量演算手段21は、この中心点
Oを基準として、ローラ外形母線形状の所定軸方向位置
における半径方向のドロップ量を求める。曲率演算手段
22は、中心点Oを基準として、上記母線形状の任意範
囲の曲率を演算する。判定手段23は、母線形状の許容
差線間と実測線とを表示装置18に重ねて表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、針状ころ軸受や
ワンウェイクラッチ等の機械部品におけるローラのクラ
ウニング形状を管理するローラのクラウニング形状管理
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ニードル軸受やワンウェイクラッチ等の
機械部品に用いられるローラとして、機械部品の性能面
から、クラウニングを施したものが用いられることがあ
る。このクラウニングを施したローラとしては、図11
(B)に示すように、軸方向の中間部分がストレート部
1aとなり、その両側がクラウニング部1bとなったも
のが一般的である。軸受等に用いられるローラは、素材
からローラ形状に形成した後、その形状を測定して公差
内にあるか否かを管理する必要がある。クラウニング部
1bを持つローラでは、そのクラウニング形状も管理す
る必要がある。従来のクラウニング測定方法は、ローラ
1の外径母線上にストレート部1aがあるため、その部
位で平行を出し、図11(B)のように、ローラ端面の
位置決め用の基準片(図示せず)の端面位置が所定距離
X′だけ中央部側に移動した位置S′が、ローラ1のス
トレート部1aの位置からY方向(ローラ径方向)にど
れだけドロップしているかのドロップ量d′を測定して
いた。したがって、ローラ1の片側測定である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機械部品の性能向上の
ために、図10に示すように、全長にわたり、クラウニ
ングが施されたローラ1を用いることが試みられてい
る。このような全長にわたりクラウニングを有するロー
ラ1は、平行出しの基準となるストレート部がないた
め、上記の従来の測定方向では、クラウニング形状を測
定することができない。
【0004】この発明の目的は、全長にわたりクラウニ
ングが施されたローラであっても、クラウニング形状の
管理が精度良く行えるローラのクラウニング形状管理方
法および装置を提供することである。この発明の他の目
的は、クラウニング形状が許容範囲にあるか否かの判定
が容易に行えるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のローラのクラ
ウニング形状管理方法を、実施形態に対応する図1,図
3を参照して説明する。このクラウニング形状管理方法
は、被測定ローラ(1)を、端面の垂直面精度の確保さ
れた一対の基準片(6),(7)により軸方向に挟み付
け、かつ径方向に位置決めされた状態に治具本体(8)
上に設置する位置決め過程と、被測定ローラ(1)に触
針(10)を軸方向に沿って走らせ、基準片(6),
(7)の被測定ローラ近傍部を含めてローラ外形の母線
形状を測定する母線測定過程と、得られたローラ外形母
線形状から両側の基準片(6),(7)の端面位置を求
め、これら端面位置からローラ外形母線形状の軸方向中
心点(O)を求める中心点演算過程と、得られた軸方向
中心点(O)を基準として、前記ローラ外形母線形状の
所定軸方向位置(S)における前記軸方向中心点(O)
からの半径方向距離であるドロップ量(d)を求めるド
ロップ量演算過程とを含む。このように、基準片
(6),(7)を含めて被測定ローラの外形母線形状を
測定するため、この母線形状から基準片の端面位置を求
めることで、ローラ外形母線形状の軸方向中心点(O)
を容易にかつ精度良く求めることができる。このように
定められたローラ外形母線形状の軸方向中心点(O)を
基準とし、所定軸方向位置のドロップ量(d)を演算す
るため、全長にわたりクラウニングを有するローラ
(1)であっても、クラウニングによるドロップ量を精
度良く、簡単に求めることができる。
【0006】この発明の形状管理方法において、前記母
線測定過程で得られたローラ外形母線形状につき、前記
中心点演算過程で得られた軸方向中心点(O)を基準と
して、軸方向に所定距離(t)離れた位置からさらに所
定距離(X)離れた位置までの範囲の曲率(R)を求め
る曲率演算過程を含めても良い。これにより、全長にわ
たりクラウニングを有するローラ(1)であっても、ク
ラウニングの各部の曲率(R)を求めることができる。
【0007】この発明の形状管理方法において、前記母
線測定過程よりも前に、ローラ外形母線形状の設計値線
に対する許容差線を設定する過程と、前記母線測定過程
で得られたローラ外形母線形状が前記許容差線間に入っ
ているか否かを判定する判定過程とを含むようにしても
良い。このように、許容差線を設定して判定を行うこと
で、良否判定を簡単に行うことができる。
【0008】この発明のクラウニング付きローラの製造
方法は、略全長にわたりクラウニングを有するローラを
素材から成形する過程と、その形成されたローラを、こ
の発明の上記いずれかの形状管理方向で管理する過程と
を含む。
【0009】この発明のローラのクラウニング形状管理
装置を、実施形態に対応する図1を参照して説明する。
このクラウニング形状管理装置は、端面の垂直面精度が
確保され被測定ローラ(1)を軸方向に挟み込む一対の
基準片(6),(7)、および前記被測定ローラ(1)
を前記基準片(6),(7)と共に径方向に位置決め状
態に設置可能な治具本体(8)を有する測定治具(4)
と、この測定治具(4)に設置された被測定ローラ
(1)に軸方向に沿って触針(10)を走らせ、基準片
(6),(7)の被測定ローラ近傍部を含めてローラ外
形の母線形状を測定する測定器(5)と、この測定器
(5)で得られたローラ外形母線形状から両側の基準片
(6),(7)の端面位置を求め、これら端面位置から
ローラ外形母線形状の軸方向中心点(O)を求める中心
点演算手段(20)と、この手段(20)で得られた軸
方向中心点(O)を基準として、前記ローラ外形母線形
状の所定軸方向位置における前記軸方向中心点(O)か
らの半径方向距離であるドロップ量を求めるドロップ量
演算手段(21)とを備える。この構成のクラウニング
形状管理装置によると、この発明の上記管理方法により
クラウニング形状の管理を行うことができる。
【0010】この発明装置において、前記測定器(5)
で得られたローラ外形母線形状につき、前記中心点演算
手段(20)で得られた軸方向中心点(O)を基準とし
て、軸方向に所定距離離れた位置からさらに所定距離離
れた位置までの範囲の曲率を求める曲率演算手段(2
2)を設けても良い。
【0011】また、この発明装置において、ローラ外形
母線形状の設計値線に対する許容差線が設定され、前記
測定器(5)で得られたローラ外形母線形状を前記許容
差線に重ねて表示し、または前記ローラ外形母線形状が
前記許容差線間に入っているか否かを判定する判定手段
(23)を設けても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図面と共
に説明する。このローラのクラウニング形状管理装置
は、被測定ローラ1の外形母線形状を測定する測定手段
2と、この測定手段2で測定された外形母線形状のデー
タを解析するデータ解析手段3とで構成される。被測定
ローラ1は、針状ころ軸受やその他の機械部品の転がり
接触用の転動体となるローラであり、全長にわたってク
ラウニングを有している。測定手段2は、測定器5と測
定治具4とで構成される。測定治具4は、この例では、
測定器5に着脱自在に設置されるものとしてある。
【0013】測定治具4は、被測定ローラ1を軸方向に
挟み込む一対の基準片6,7、および被測定ローラ1を
基準片6,7と共に径方向に位置決め状態に設置可能な
治具本体8を有する。基準片6,7は、被測定ローラ1
を挟む面である端面の垂直面精度が確保された円柱状の
ものであり、被測定ローラ1の理想の最大径と同じ外形
を有する。図2に示すように、治具本体8は、V溝8a
を有しており、このV溝8aに被測定ローラ1および基
準片6,7を配置することで、これら被測定ローラ1お
よび基準片6,7を径方向に位置決め状態に設置可能と
されている。この例では、V溝8aの底部には、被測定
ローラ1の配置される軸方向部分に矩形断面の凹部8a
aが形成されている。
【0014】片方の基準片6は、治具本体8の一端の係
合部8bに係合して軸方向に位置決めされ、もう片方の
基準片7は、基準片押し付け手段9により被測定ローラ
1に押し付けられる。基準片押し付け手段9は、治具本
体8の他端の係合部8cと基準片7との間に介在してお
り、板ばね等のばね類やその他の弾性体からなる。基準
片押し付け手段9は、シリンダ装置等の押し付け用の駆
動源を有するものであっても良い。なお、基準片6,7
は、端面の垂直面精度が確保されたものであれば良く、
好ましくは、上記端面から続いて測定器5の触針を触れ
させる径方向の基準となる面を有するものであれば良
く、必ずしも円柱状のものでなくても良い。また、片方
の基準片6は治具本体8に一体に固定されたものであっ
ても良い。換言すれば、治具本体8を、片方の基準片6
となる部分を一体に持つものとしても良い。
【0015】測定器5は、図1に示すように、被測定ロ
ーラ1の外面をなぞりながら触針10を軸方向に走らせ
て形状測定するものであり、測定器機構部11と、測定
データ処理部12と、測定器制御部13と、測定治具4
の設置台(図示せず)とを有する。測定器機構部11
は、触針10の取付けられた測定ヘッド11aを測定治
具4の軸方向Xに移動させる軸方向移動機構11b、お
よびこれに直交する方向(上下方向)Yに、触針10が
被測定物に軽接触する程度に測定ヘッド11aを移動さ
せる昇降機構11cを有し、かつ触針10のX,Y方向
の先端位置を検出するセンサ類14を有している。触針
10は、測定ヘッド11aの移動方向の抵抗が作用する
ことで、測定ヘッド11aに対して、その移動方向の前
後に所定の傾き角度だけ傾動自在とされ、かつ上記抵抗
が無くなることで、元の中立角度である垂直姿勢に戻る
ものとされている。
【0016】測定器制御部13は、測定器機構部11の
移動を制御する手段である。測定データ処理部12は、
測定器機構部11のセンサ類14から、被測定物の形状
データであるローラ外形母線形状のデータを得て外部に
送る手段である。測定データ処理部12は、センサ類1
4から得た生データの状態で外部に送るようにしても良
いが、この例では、解析修正データ生成手段15により
所定の処理を施した修正データの状態でローラ外形母線
形状のデータを外部に送るものとしてある。また、測定
データ処理部12は、軸方向Xに所定間隔の点列データ
(サンプリングデータ)として測定データを得るものと
してあり、その場合、解析修正データ生成手段15は、
後のデータ処理の容易や送信時間の短縮のために、少な
い点列データ数でローラ外形母線形状を示すデータに変
換するものとされる。また、解析修正データ生成手段1
5は、傾き補正手段16を有しており、入力された測定
データは、被測定物と軸方向Xの平行度が保たれた状態
のデータに補正される。傾き補正手段16は、必ずしも
設けなくても良い。
【0017】データ解析手段3は、コンピュータ装置で
構成される解析演算部17と、CRTや液晶表示装置,
またはプリンタ等の表示手段18とを備える。解析演算
部17は、形状データ記憶部19、中心点演算手段2
0、ドロップ量演算手段21、曲率演算手段22、およ
び判定手段23を有し、必要に応じて傾き補正手段24
が設けられる。解析演算部17を構成する前記各手段2
0〜24の詳細な機能は、後に形状管理方法と共に説明
するが、基本的な機能を説明する。
【0018】形状データ記憶手段19は、測定手段2か
ら送られたローラ外形母線形状のデータを記憶する手段
である。中心点演算手段20は、ローラ外形母線形状か
ら両側の基準片6,7の端面位置を求め、これら端面位
置からローラ外形母線形状の軸方向中心点O(図3
(B))を求める手段である。ドロップ量演算手段21
は、ローラ外形母線形状の所定軸方向位置における軸方
向中心点Oからの半径方向距離であるドロップ量d(図
3(C))を求める手段である。曲率演算手段22は、
ローラ外形母線形状につき、軸方向中心点Oを基準とし
て、軸方向に所定距離離れた位置からさらに所定距離離
れた位置までの範囲の曲率R(図3(D))を求める手
段である。判定手段23は、ローラ外形母線形状の設計
値線ma に対する許容差線mb を設定し、測定器5で得
られたローラ外形母線形状の実測値線mc が許容差線m
b間に入っているか否かを画面等に表示しまたは判定す
る手段である。傾き補正手段24は、形状データ記憶手
段19に記憶されたローラ外形母線形状のデータを傾き
補正したデータに変換する手段である。傾き補正手段2
4を機能させた場合は、その補正後のローラ外形母線形
状のデータが、各手段20〜23の処理に用いられる。
この傾き補正手段24と測定手段2の傾き補正手段16
とは、併用しても良く、またいずれか片方だけを用いて
も良く、両方とも設けなくても良い。
【0019】つぎに、クラウニング形状管理方法を説明
する。 (1)被測定ローラの位置決め過程。 図2に示すように、被測定ローラ1は、両側の基準片
6,7で挟み、治具本体8のV溝8a上に載置する。こ
れにより被測定ローラ1は径方向に位置決めされる。次
に、片側の基準片7の端面を、板ばね等の基準片押し付
け手段9で押えることによって、軸方向の固定を行う。
このように被測定ローラ1のセットされた測定治具4
を、測定器5の測定治具設置台(図示せず)にセットす
る。
【0020】(2)形状測定(母線測定過程)。 図2(A)の矢印方向に図1の触針10を走らせて、基
準片6,7の被測定ローラ近傍部を含めてローラ外形の
母線形状を測定する。測定された結果を図3(A)に示
す。このローラ外形母線形状を示す曲線mは、被測定ロ
ーラ1の外形を示す曲線部分m1と、基準片6,7の端
面を示す曲線部分m2と、基準片6,7の外径面を示す
曲線部分m3とが含まれる。基準片6,7の端面を示す
曲線部分m2は、後に説明するように、触針10を用い
る測定器5の機能上、垂直線とはならず、傾斜した線と
して表れる。このローラ外形母線形状は、測定器5の出
力では点列データで示される。曲線mは、その点列デー
タを補完して得た曲線である。
【0021】(3)軸方向の中心点を求める(中心点演
算過程)。 測定器5で得られた測定データは、データ解析手段3の
形状データ記憶手段19に送られ、中心点演算手段20
により、そのローラ外形母線形状の軸方向の中心点Oが
求められる。この中心点演算過程では、まず始めに、図
3(B)に示すように、被測定ローラ1の端面の位置を
決めるために、母線形状曲線mにおける基準片6,7の
外径を示す曲線部分m3と端面を示す曲線部分m2の交
点から、端面の垂線a−a′を引き、同様に反対側の端
面を決める垂線b−b′を引く。両垂線間の中心C−
C′を求め、その位置に中心点Oを決定する。端面を示
す曲線部分m2は、詳しくは、図4(B)に拡大して示
すように、架空線部分m2aと、接触線部分m2bとか
らなる。これにつき説明する。基準片6,7自体の端面
と外径面の直角度は、問題のない精度とされている。た
だし、図4(A)のように、触針10は太さがあって、
その先端近傍部は円すい面部10aとされている。ま
た、触針10は、保護のために所定角度まで傾き可能に
設けられている。そのため、図5(A)に鎖線で示すよ
うに、矢印方向に進行しながら被測定ローラ1の外径面
をなぞっていた触針10が基準片6の端面に当たると、
触針10はその側面が基準片端面に当たることになるた
め、同図(B)のように傾きを生じながら上昇および進
行を続け、この間に図4(B)の架空線部分m2aの測
定データが出力される。触針10が上昇して、図4
(C)のように触針10の円すい面部10aが基準片6
の外径面と端面との角部に当たるようになると、円すい
面部10aの傾きのため、図4(B)の接触線部分m2
bが出力されるようになる。円すい面部10aの先端、
つまり触針10の先端10bが基準片6の外径面と端面
との角部に当たった位置は、接触線部分m2bと外径面
の曲線部分m3との交点Qである。したがって、この接
触線部分m2bと外径面の曲線部分m3との交点Qか
ら、上記の図3(B)の垂線a−a′を引き、基準片6
の端面位置、つまり被測定ローラ1の端面位置とする。
図5は片方の基準片6に接する箇所につき説明したが、
もう片方の基準片7に接する箇所も同様の曲線形状とな
る。
【0022】交点Qは、次のようにして求められる。こ
の実施形態で用いた測定器5では、ローラ外形母線形状
の測定データは、図8に概念的に示すように、点列デー
タで出力される。中心点演算手段20は、この点列デー
タにつき折れ線で近似する機能と、その折れ線を構成す
る2本の近似直線の交点を演算する機能とを有し、この
近似直線の交点を曲線部分間の交点とする。この折れ線
近似を行う場合は、具体的には、点列をグループ化し
て、それぞれのグループで主成分分析による直線の当て
嵌めを行う(図8の例では、点P1〜Pkまでのグルー
プで近似直線L1を当て嵌め、Pk〜P10までで近似
直線L2を当て嵌める)。図4(B)の交点Qは、この
ような折れ線近似機能と交点演算機能とで求められる。
【0023】(4)任意の点におけるドロップ量を求め
る(ドロップ量演算過程)。 図1のドロップ量演算手段21は、上記のように求めら
れた中心点Oを基準として、図3(C)に示すように、
ローラ外形母線(曲線m)上を軸方向に所定距離tだけ
移動した位置S点のY方向距離dを求める。このdが位
置S点でのクラウニングドロップ量となる。上記の距離
tを任意に変更して演算することで、ローラ外形母線上
の任意点のドロップ量を得る。
【0024】(5)任意の範囲での曲率を求める(曲率
演算過程)。 曲率演算手段22は、上記のように求められた中心点O
を基準として、図3(D)に示すように、ローラ外形母
線(m)上を軸方向に所定距離tだけ移動した位置S点
から、距離Xの範囲での曲率Rを求める。上記の距離t
および距離Xを任意に変更して演算することで、ローラ
外形母線上の任意範囲のクラウニング曲率Rを得る。
【0025】(6)許容差線間に実測値線が入っている
のか判定する(判定過程)。 判定手段23には、測定よりも前に、ローラ外形母線の
設計値線ma (図6(A))に対して、Y軸方向の正逆
の各方向につき、許容される製造誤差範囲を示す曲線で
ある許容差線mb を予め設定しておく。測定が行われる
と、判定手段23は、上記のように得られた中心点Oを
基準として(すなわち、中心点O同士を一致させて)、
図6(A)のようにローラ外形母線の実測値線mc を許
容差線m b に重ね合わせ、表示手段18の画面、または
出力用紙に表示する。このように実測値線mc と許容差
線mb を重ねて表示することで、人が、その表示結果を
見て、許容差線mb 間に入っているか否かの判定や、さ
らに詳しい解析を行うことができる。なお、判定手段2
3は、この例では単に表示手段18に実測値線mc と許
容差線mb を表示するものとしたが、判定手段23は、
許容差線mb 間に実測値線m c が入っているか否かの判
定までを行うようにしても良く、また許容差線mb から
実測値線mc がはみ出た場合に、そのはみ出した部分
を、線の色,線種,太さ等の表示形態の変更状態で表示
させるようにしても良い。また、画面表示は、図6
(A)のように被測定ローラ1の全体が表示される状態
と、その一部を拡大して示す状態とに切換可能とするこ
とが好ましい。図7は、許容差線mb の設定例を示す。
この例では、許容差線mb は、中心点Oから端部側に離
れる距離LX が長くなるに従って許容差が大きくなるよ
うにように設定されている。ローラ外形母線の設計値線
a は、この例では、端面から所定の範囲wが面取り部
であり、この面取り部から滑らかにクラウニング形状部
が続くように設計されている。
【0026】なお、前記の測定例は、被測定ローラ1が
全長にわたりクラウニングを有するものである場合につ
き説明したが、この発明の管理方法および管理装置は、
例えば図11(A)に示すようなストレート部1aを有
するローラ1の場合にも適用することができる。
【0027】図9は、この発明のクラウニング形状管理
方法を採用したローラ製造方法の一例、および軸受製造
方法の一例を示す。このローラ製造方法は、略全長にわ
たりクラウニングを有するローラ1を素材1wから成形
する過程R1と、この形成されたローラ1を、上記実施
形態のいずれかのクラウニング形状管理方法で管理する
管理過程R2とを含む。管理過程R2は上記の判定過程
を含むことが好ましく、判定の結果、許容差線mb から
実測値線mc がはみ出すローラ1は、管理過程R2にお
いて、製品となるローラ1の流れ経路から除外する。こ
の軸受製造方法は、このローラ製造方法で製造されたロ
ーラ1を、組立過程R3で、他の軸受部品(例えば、保
持器、内輪、外輪)と共に軸受に組み立てる方法であ
る。製造される軸受は、内外輪等の軌道輪を有する針状
ころ軸受、または保持器とローラとで構成される保持器
付き針状ころであり、ラジアル形式の軸受であっても、
アキシャル形式の軸受であっても良い。
【0028】
【発明の効果】この発明のローラのクラウニング形状管
理方法および装置によると、全長にわたりクラウニング
が施されたローラであっても、クラウニング形状の管理
が精度良く行える。母線測定により得られたローラ外形
母線形状が許容差線間に入っているか否かを示す判定過
程ないし判定手段を設けた場合は、全長にわたりクラウ
ニングが施されたローラであっても、クラウニング形状
が許容範囲にあるか否かの判定が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるローラのクラウ
ニング形状管理装置の概念構成を示すブロック図であ
る。
【図2】(A)は測定治具の軸方向の破断正面図、
(B)は同図(A)のB−B線断面図である。
【図3】この発明の一実施形態にかかるローラのクラウ
ニング形状管理方法の各過程を示す説明図である。
【図4】(A)は測定器の触針の先端形状を示す正面
図、(B)はその触針がなぞって得られる基準片の端面
付近の母線形状を示す説明図である。
【図5】同測定器の触針が基準片に当たるときの動作を
示す説明図である。
【図6】(A)はローラ外形母線の許容差線と実測値線
の重ね合わせ画面例を示す説明図、(B)はローラ全体
を示す画面例を示す説明図である。
【図7】設計値線と許容差線の関係の一例を示す説明図
である。
【図8】データ解析手段の折れ線近似機能の説明図であ
る。
【図9】ローラ製造方法および軸受製造方法の一例を示
す工程説明図である。
【図10】(A)は全長にわたりクラウニングを有する
ローラとドロップ量の関係を示す説明図、(B)は同ロ
ーラと任意位置の曲率の関係を示す説明図である。
【図11】(A)は両側がクラウニングでかつ中央部が
ストレート部となったローラとドロップ量の関係を示す
説明図、(B)は従来のドロップ量測定方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
1…被測定ローラ 2…測定手段 3…データ解析手段 4…測定治具 5…測定器 6,7…基準片 8…治具本体 10…触針 12…測定データ処理部 17…解析演算部 18…表示手段 20…中心点演算手段 21…ドロップ量演算手段 22…曲率演算手段 23…判定手段 m…ローラ外形母線形状の曲線 ma …設計値線 mb …許容差線 mc …実測値線 O…軸方向の中心点
フロントページの続き (72)発明者 河合 弘光 静岡県磐田市東貝塚1578番地エヌティエヌ 株式会社内 Fターム(参考) 2F069 AA02 AA03 AA06 AA13 AA53 AA62 AA99 BB40 CC05 DD25 GG62 GG72 JJ06 LL03 MM02 NN12 NN16 PP01 QQ02 QQ04 QQ05 QQ08 QQ10 QQ13 RR05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ローラを、端面の垂直面精度の確
    保された一対の基準片により軸方向に挟み付け、かつ径
    方向に位置決めされた状態に治具本体上に設置する位置
    決め過程と、被測定ローラに触針を軸方向に沿って走ら
    せ、基準片の被測定ローラ近傍部を含めてローラ外形の
    母線形状を測定する母線測定過程と、得られたローラ外
    形母線形状から両側の基準片の端面位置を求め、これら
    端面位置からローラ外形母線形状の軸方向の中心点を求
    める中心点演算過程と、得られた軸方向中心点を基準と
    して、前記ローラ外形母線形状の所定軸方向位置におけ
    る前記軸方向中心点からの半径方向距離であるドロップ
    量を求めるドロップ量演算過程とを含むローラのクラウ
    ニング形状管理方法。
  2. 【請求項2】 前記母線測定過程で得られたローラ外形
    母線形状につき、前記中心点演算過程で得られた軸方向
    中心点を基準として、軸方向に所定距離離れた位置から
    さらに所定距離離れた位置までの範囲の曲率を求める曲
    率演算過程を含む請求項1記載のローラのクラウニング
    形状管理方法。
  3. 【請求項3】 前記母線測定過程よりも前に、ローラ外
    形母線形状の設計値線に対する許容差線を設定する過程
    と、前記母線測定過程で得られたローラ外形母線形状が
    前記許容差線間に入っているか否かを判定する判定過程
    とを含む請求項1または請求項2記載のローラのクラウ
    ニング形状管理方法。
  4. 【請求項4】 略全長にわたりクラウニングを有するロ
    ーラを素材から成形する過程と、この形成されたローラ
    を、請求項1または請求項2または請求項3記載のクラ
    ウニング形状管理方法により管理する過程とを含むクラ
    ウニング付きローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 端面の垂直面精度が確保され被測定ロー
    ラを軸方向に挟み込む一対の基準片、および前記被測定
    ローラを前記基準片と共に径方向に位置決め状態に設置
    可能な治具本体を有する測定治具と、この測定治具に設
    置された被測定ローラに軸方向に沿って触針を走らせ、
    基準片の被測定ローラ近傍部を含めてローラ外形の母線
    形状を測定する測定器と、この測定器で得られたローラ
    外形母線形状から両側の基準片の端面位置を求め、これ
    ら端面位置からローラ外形母線形状の軸方向の中心点を
    求める中心点演算手段と、この手段で得られた軸方向中
    心点を基準として、前記ローラ外形母線形状の所定軸方
    向位置における前記軸方向中心点からの半径方向距離で
    あるドロップ量を求めるドロップ量演算手段とを備えた
    ローラのクラウニング形状管理装置。
  6. 【請求項6】 前記測定器で得られたローラ外形母線形
    状につき、前記中心点演算手段で得られた軸方向中心点
    を基準として、軸方向に所定距離離れた位置からさらに
    所定距離離れた位置までの範囲の曲率を求める曲率演算
    手段を設けた請求項5記載のローラのクラウニング形状
    管理装置。
  7. 【請求項7】 ローラ外形母線形状の設計値線に対する
    許容差線が設定され、前記測定器で得られたローラ外形
    母線形状を前記許容差線に重ねて表示し、または前記ロ
    ーラ外形母線形状が前記許容差線間に入っているか否か
    を判定する判定手段を設けた請求項5または請求項6記
    載のローラのクラウニング形状管理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002122162A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Ntn Corp クラッチ及びクラッチユニット
JP2004340653A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Ntn Corp 円すいころ軸受の円すい面形状測定方法

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