JP3855734B2 - 3次元カムプロフィール測定装置および3次元カムプロフィール測子の精度不良診断方法 - Google Patents

3次元カムプロフィール測定装置および3次元カムプロフィール測子の精度不良診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元カムのカムプロフィールを測定する3次元カムプロフィール測定装置および3次元カムプロフィール測定装置に用いられる3次元カムプロフィール測子の精度不良診断方法に関する。特に本発明は、3次元カムプロフィール測定装置に用いられる3次元カムプロフィール測子の精度不良原因を簡便に診断する装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−210427号公報は、3次元カムのカムプロフィールを測定するための3次元カムプロフィール測定装置を開示する。この3次元カムプロフィール測定装置によるカムプロフィールの測定においては、3次元カムのカム面と接触する3次元カムプロフィール測子の精度が測定精度に大きな影響を与える。このため、3次元カムプロフィール測子の精度を把握する必要がある。従来は、3次元カムプロフィール測子の精度は、精度チェック用のカムを3次元カムプロフィール測子で測定した結果に基づいて、担当者自らが精度不良原因を推定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、3次元カムプロフィール測子の精度不良原因の推定は、担当者の経験に頼っていたため、精度不良原因の推定をするには、担当者に熟練を要していた。また、異なる担当者による精度不良原因の推定結果が必ずしも一致せず、ばらつきが生じていた。
【0004】
さらに、精度不良原因が複数ある場合には、精度チェック用カムの測定結果から原因を導くことが困難であった。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる3次元カムのカムプロフィールを測定する3次元カムプロフィール測定装置および3次元カムプロフィール測定装置に用いられる3次元カムプロフィール測子の精度不良診断方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、3次元カムのカム面に接触するための平面状の測定面を有する測定子と、前記測定子を、前記測定面内に存在する揺動軸周り揺動可能に支持する支持部材とを含む3次元カムプロフィール測子を用いて、前記3次元カムのカムプロフィールを測定する3次元カムプロフィール測定装置であって、所定の形状のカムについて、前記3次元カムプロフィール測子を用いて得られたカムプロフィールの特徴が、所定の精度不良原因を有する3次元カムプロフィール測子で前記カムを測定した場合のカムプロフィールの特徴に当てはまるか否かを調べることによって、前記3次元カムプロフィール測子が有する精度不良原因を特定する精度不良診断部を備える。
【0007】
本発明の精度不良診断部は、所定の測定角度における測定値が所定の値を超えている場合に、前記測定面に磨耗が生じていると判定してもよい。
【0008】
本発明の精度不良診断部は、所定の精度不良原因を特定した後、その精度不良原因に起因する測定誤差を補正した前記3次元カムプロフィール測子を用いて得られたカムプロフィールの特徴が、他の精度不良原因がある場合のカムプロフィールの特徴に当てはまるか否かを調べることによって、前記3次元カムプロフィール測子が有する他の精度不良原因を特定してもよい。
【0009】
また、本発明は、3次元カムのカムプロフィールを測定する3次元カムプロフィール測定装置に用いられる、前記3次元カムのカム面に接触するための平面状の測定面を有する測定子と、前記測定子を、前記測定面内に存在する揺動軸周り揺動可能に支持する支持部材とを含む3次元カムプロフィール測子の精度不良原因を診断する方法であって、所定の形状のカムのカムプロフィールを、前記3次元カムプロフィール測子を用いて測定するステップと、前記測定されたカムプロフィールの特徴が、所定の精度不良原因を有する3次元カムプロフィール測子で前記カムを測定した場合のカムプロフィールの特徴に当てはまるか否かを調べることによって、前記3次元カムプロフィール測子が有する精度不良原因を特定するステップと、を備える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係るカムプロフィール測定装置10の構成を示すブロック図である。カムプロフィール測定装置10は、測定制御部20、回転駆動部30、リニア駆動部32、位置移動・回転位相測定部40、カムプロフィール測定部50、測定精度診断部60、および表示部70を備える。
【0012】
測定制御部20は、内部に、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース、バスライン、内部記憶装置等を備えたコンピュータシステムとして構成される。測定制御部20のCPUは、ROM、RAMなどに格納されたプログラムに基づいて、回転位相測定部40やカムプロフィール測定部50からの検出データを入出力インターフェースを介して受け付け、受け付けた検出データについて所定の演算処理を行う。演算結果は、入出力インターフェースを介して、測定精度診断部60に送られる。
【0013】
回転駆動部30は、ステッピングモータやサーボモータなどから構成され、測定時に、測定制御部20から指示信号に基づいて、カムプロフィール測定時に、測定制御部20からの指示信号に基づいて、回転シャフト100の回転位相の調整を行う。
【0014】
リニア駆動部32は、リニアソレノイドやボールネジを用いたモータによるリニア移動機構などから構成され、測定制御部20からの指示信号に基づいて、回転シャフト100の回転軸方向の位置の調整を行う。
【0015】
位置移動・回転位相測定部40は、シンクロ、レゾルバあるいはロータリエンコーダ等を利用した回転位置センサと、ポテンショメータ、差動トランスあるいはスケール等を利用したリニア位置センサとを備えて、回転駆動部30およびリニア駆動部32により回転・移動されている回転シャフト100の正確な回転位相と回転軸方向の正確な位置とを計測して、測定制御部20へ計測信号として送信する。
【0016】
カムプロフィール測定部50は、後述する3次元カムプロフィール測子110(図2参照)およびポテンショメータ、差動トランスあるいはスケール等を利用したリニア位置センサを含む。このカムプロフィール測定部50は、その平行移動支持部52にて、3次元カムプロフィール測子110を後述する移動軸Gに沿って、平行移動可能に、かつカムマスター80側に付勢するように支持している。
【0017】
このことにより、カムプロフィー測定部50は、3次元カムプロフィール測子110を、回転駆動部30にて回転されている回転シャフト100に取り付けられたカムマスター80のカム面81に接触させて、3次元カムプロフィール測子110を、カム面81の高さの変化に追随させ、測定制御部20へ計測信号として送信する。
【0018】
次に、3次元カムプロフィール測子110の構成を説明する。図2は、3次元カムプロフィール測子110の斜視図を示す。3次元カムプロフィール測子110は、測定子120と、この測定子120を両端部にて支持する支持部材130とを備える。測定子120は、図3の斜視図(ただし、図2に対して上下逆に配置して示してある)に示すように、円筒の棒状をなし、両端に軸部140,142を有する。この軸部140,142にて、測定子120は、支持部材130の2本のアーム部150,152にて揺動軸F周りに揺動可能に支持されている。
【0019】
測定子120の中央部分120aは、揺動軸Fを含む平面にて半分に切断された一方のみの形状をなし、さらに揺動軸Fを含む中央領域のみ残して扁平に形成されている。このことにより、測定子120の中央部分120aには、揺動軸Fを含む測定面120bが全体に形成されている。中央部分120aは超硬合金製であり、測定面120bは極めて高い面精度に仕上げられている。
【0020】
支持部材130は、前述した2本のアーム部150,152を支持する基部160を有している。この基部160にて3次元カムプロフィール測子110全体が、揺動軸Fに対して直交する移動軸G周りには回転しないようにして、移動軸G方向に平行移動できるように、かつカムマスター80方向に付勢されるようにして、カムプロフィール測定部50の平行移動支持部52に支持されている。
【0021】
カムプロフィール測定部50は、測定時において、図4に示すように、測定子120の揺動軸Fがカムマスター80の回転軸Aに直交するようにして、移動軸Gに沿って3次元カムプロフィール測子110をカムマスター80へ付勢して、カム面81に測定子120の測定面120aを当接し、支持部材130の変位を測定する。
【0022】
ここで、本実施形態で用いられるカムマスター80の形状を説明する。図5は、カムマスター80の外観を示す。また、図6は、カムマスター80を回転軸方向から見たときの平面図である。カムマスター80は、第1のテスト部82および第2のテスト部84を備える。第1のテスト部82は、円筒状の形状をしており、測定子120と接触する面は、回転シャフト86と平行である。回転シャフト86は、第1のテスト部82の断面における円の中心を通っている。回転シャフト86の外周から、第1のテスト部82の接触面までの距離をaとする。
【0023】
一方、第2のテスト部84は円錐の一部を切り取った形状をしており、測定子120と接触する面が回転シャフト86に対して傾いている。また、回転シャフト86は、第2のテスト部84の断面における円の中心とは所定の距離だけずれたところを通っている。なお、第2のテスト部84の測定位置(角度)は、図7のように定義されている。すなわち、回転軸Aを中心とし、回転軸Aから第2のテスト部84へ線を引いたときに距離が最短となる方向を0度とし、正の回転角度を時計回りとする。
【0024】
カムマスター80については、第1のテスト部82、第2のテスト部84、および回転シャフト100の3次元形状測定装置によって予め精密に測定されている。
【0025】
測定精度診断部60は、上述のカムマスター80の形状測定結果に基づいて予め算出された、取り付けや形状等が正常な3次元カムプロフィール測子110でカムマスター80を測定した場合に得られるカムプロフィールをマスタ値として、メモリ等の記憶装置に格納している。また、測定精度診断部60は、カムマスター80を精度不良原因を有する3次元カムプロフィール測子110で測定したときのカムプロフィールに関する情報をメモリ等に格納している。測定精度診断部60は、カムマスター80を3次元カムプロフィール測子110で測定したときの測定値と、上記マスタ値とを比較することにより、3次元カムプロフィール測子110に精度不良があるか否かを判定するとともに、その精度不良原因を推定する。
【0026】
以下に、3次元カムプロフィール測子110の典型的な精度不良原因と、各々の原因がある3次元カムプロフィール測子110を用いて、カムマスター80を計測したときの測定結果を説明する。
【0027】
[測定器の径方向検出不良]
図8は、径方向の検出不良を説明するための図である。径方向の検出不良は、3次元カムプロフィール測子110の移動軸G方向の移動の検出に異常がある場合に生じる。図8は、実際の移動量が10mmであるべきところを、10.1mmと検出されてしまう場合を示している。図9は、径方向に検出不良がある測定子120を用いて、カムマスター80を測定したときの測定結果を示す。図9では、測定位置(横軸)に対して、マスター値と測定値との差が曲線グラフで示されている。径方向に検出不良がある場合には、カムマスター80の測定位置に拘らず、測定値は実際の値に対して一定の差を含んだものになる。
【0028】
[測定器のセンター中心振れ]
図10は、測定子120を軸受する軸受部154,156の軸中心が、回転軸Aとずれている場合を示す。図11は、軸受部154,156の軸中心がずれた3次元カムプロフィール測子110を用いて、カムマスター80を測定したときの測定結果を示す。この場合には、後述する3次元カムプロフィール測子110が傾いている場合の曲線と同様な傾向を示すが、測定値と実測値との差が最大になる測定位置、および測定値が実測値と見かけ上一致する測定値が、3次元カムプロフィール測子110が傾いている場合とは異なる。
【0029】
[測定器の軸方向位置制御のずれ]
図12は、3次元カムプロフィール測子110の回転軸A方向の位置が、基準位置からずれている場合を示す。3次元カムプロフィール測子110の回転軸A方向の位置のずれは、カム面の高さ方向の測定値のずれとなって影響を及ぼす。図13は、回転軸A方向の位置がずれた3次元カムプロフィール測子110を用いて、カムマスター80を測定したときの測定結果を示す。この場合には、測定値は、回転軸A方向の位置ずれΔWに起因する測定誤差ΔHだけ、実際の値と常に異なる。
【0030】
[測定子またはテスター本体の測定子取付部の傾き]
図14は、移動軸Gが、適切な移動軸G’に対して傾いている3次元カムプロフィール測子110を示す。このように、移動軸Gが適切な移動軸G’に対して傾くことは、たとえば、3次元カムプロフィール測子110自身の重みにより、3次元カムプロフィール測子110が傾いてしまう場合、あるいは、3次元カムプロフィール測子110の取り付け精度が不十分な場合が考えられる。図15は、移動軸Gが傾いた3次元カムプロフィール測子110を用いて、カムマスター80を測定したときの測定結果を示す。移動軸Gが傾いていることにより、測定子120の一方の端部は、移動軸Gが適正である場合の測定面120bの基準面よりもカムマスター80側に突出し、他方の端部は、基準面に対してカムマスター80と反対側に突出する。図14のように、上方の端部がカムマスター80側に突出した状態で傾いている場合には、カムマスター80の測定位置が270度の位置においては、上方の端部が、カムマスター80に傾きがない場合よりも早くカムマスター80と接触するため、測定結果は実際の値よりも大きくなってしまう。逆に、カムマスター80の測定位置が90度の場合には、下側の端部が、カムマスター80に傾きがない場合よりも遅くカムマスター80と接触するため、測定結果は実際の値よりも小さくなってしまう。一方、カムマスター80の測定位置が0度、180度、360度(0度)の場合には、傾きによる影響は受けにくく、測定値は実際の値と近くなる。
【0031】
[揺動測定子の取り付け不良]
図16は、3次元カムプロフィール測子110の取り付け不良を示す図である。図16の3次元カムプロフィール測子110は、その中心軸Bが適正な取り付け軸Cに対して傾いた状態で取り付けられている。図17は、この状態の3次元カムプロフィール測子110でカムマスター80を計測したときの測定結果を示す。測定位置が、0度、180度、360度(0度)においては、マスター値と測定値との差は、ほぼゼロであるが、90度、270度において極大を示している。
【0032】
[測定子の磨耗]
図18は、測定面120bの一部が磨耗した測定子120を示す。測定面120bは、測定相手となるカムとの接触を繰り返すうちに、カムとの接触部分が磨耗する。図19は、測定面120bが磨耗した測定子120を用いて、カムマスター80を計測したときの測定結果を示す。測定位置が、0度、180度、360度(0度)においては、カムマスター80が磨耗部分と接触する度合いが大きいので、マスター値と測定値と差が最も顕著となる。
【0033】
以上のように、3次元カムプロフィール測子110に精度不良がある場合には、個々の精度不良に特有の測定結果が得られる。そこで、測定精度診断部60は、カムマスター80を3次元カムプロフィール測子110で実際に測定して得られたプロフィールの特徴が、上記の各精度不良がある場合のプロフィールの特徴に当てはまるか否かを調べることにより、精度不良原因を推定する。
【0034】
以下に、測定精度診断部60における精度不良原因の推定処理を図20のフローチャートを用いて説明する。まず、カムマスター80のプロフィールを3次元カムプロフィール測子110で測定する(S10)。ここでは、回転シャフト86、第1のテスト部82、ならびに第2のテスト部84のプロフィールの測定が行われる。次に、得られた測定結果に基づいて、径方向不良判定が行われる(S20)。径方向不良判定では、回転シャフト86および第1のテスト部82の高さの差aが所定の範囲内であるか否かが調べられる。差aが所定の範囲内である場合には、正常と判定され、判定結果が表示された後(S160)、ここでの処理を終える。差aが所定の範囲を超えている場合には、径方向不良と判定され、径方向検出不良が補正される(S30)。径方向検出不良の補正によって、たとえば、差aが所定の範囲に入るように、3次元カムプロフィール測子110の移動軸G方向のデータの換算が行われる。
【0035】
次に、径方向検出不良が補正された測定結果に基づいて、センター中心振れ不良判定が行われる(S40)。センター中心振れ不良判定では、第2のテスト部84のマスター値と測定値との差が、図11のようなサインカーブを描いており、極大、極小の測定位置がそれぞれ0度、270度から所定の角度だけずれている場合に、センター中心振れ不良と判定される。センター位置振れ不良と判定されなかった場合(センター中心振れに関しては正常な場合)には、径方向不良があることが表示される(S160)。センター中心振れ不良と判定された場合には、サインカーブの極大、極小の位置をそれぞれ0度、270度に合わせる補正がされる(S50)。
【0036】
次に、センター中心振れ不良が補正された第2のテスト部のプロフィールに基づいて、軸方向位置制御不良判定が行われる(S60)。軸方向位置制御不良判定では、第2のテスト部84のマスター値と測定値との差が正または負のいずれかに、片寄っているか否かが調べられる。軸方向位置制御不良と判定されなかった場合(軸方向位置制御に関しては正常な場合)には、径方向不良およびセンター中心振れ不良があることが表示される(S160)。軸方向位置制御不良と判定された場合には、測定値の片寄りが補正される(S70)。
【0037】
次に、軸方向位置制御不良が補正された第2のテスト部のプロフィールに基づいて、傾き不良判定が行われる(S80)。傾き不良判定では、3次元カムプロフィール測子110の傾きの量によって生じる精度不良量を予め計算しておき、第2のテスト部84のマスター値と測定値との差を示す曲線が最も直線に近くなる場合の補正量を逆算することによって精度不良量または傾き量が推量され、この精度不良量または傾き量が所定の範囲内である場合には、傾きが正常であると判定され、径方向不良、センター中心振れ不良、および軸方向位置制御不良があることが表示される(S160)。精度不良量または傾き量が所定の範囲を超えている場合には、傾き不良と判定され、傾き不良が補正される(S90)。
【0038】
次に、傾き不良が補正された第2のテスト部のプロフィールに基づいて、測定子取付不良判定が行われる(S100)。測定子取付不良判定も傾き不良判定と同様な手法で、測定子取付精度不良量が求められる。測定子取付精度不良量が所定の範囲内である場合には、測定子取付が正常であると判定され、径方向不良、センター中心振れ不良、軸方向位置制御不良、および傾き不良があることが表示される(S160)。測定子取付精度不良量が所定の範囲を超えている場合には、測定子取付精度不良と判定され、測定子取付精度不良が補正される(S110)。
【0039】
次に、測定子取付精度不良が補正された第2のテスト部のプロフィールに基づいて、測定子磨耗判定が行われる(S120)。測定子磨耗判定では、第2のテスト部の測定位置が180度における値が所定の範囲内である場合には、磨耗が許容範囲内であると判定され、径方向不良、センター中心振れ不良、軸方向位置制御不良、傾き不良、および測定子取付不良があることが表示される(S160)。第2のテスト部の測定位置が180度における値が所定の範囲を超えている場合には、測定子に磨耗が生じていると判定され、測定子磨耗の補正が行われる(S130)。
【0040】
次に、カムマスター80の測定から測定子磨耗の補正までの処理の回数が何回目かが調べられ、3回未満の場合には、再度上記の処理が行われる。処理回数が3回目の場合には、3回の処理結果にばらつきがないか否かが調べられる(S150)。3回の処理結果にばらつきがある場合には、上記の精度不良原因以外のなんらかの精度不良(たとえば、測定子120がうまく回転しないことによる精度不良)の発生が推測される。最後に、推定された精度不良原因が表示される(S160)。
【0041】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、3次元カムプロフィール測定装置に用いられる3次元カムプロフィール測子の精度不良原因を簡便かつ速やかに推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るカムプロフィール測定装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】 3次元カムプロフィール測子110の斜視図である。
【図3】 3次元カムプロフィール測子110の測定子120の斜視図である。
【図4】 3次元カムプロフィール測子110の測定子120とカムマスター80との接触状態を示す斜視図である。
【図5】 精度チェック用のカムマスター80の外観を示す平面図である。
【図6】 カムマスター80を回転軸方向から見たときの平面図である。
【図7】 第2のテスト部84の測定位置(角度)を示す図である。
【図8】 径方向の検出不良を説明するための図である。
【図9】 径方向に検出不良がある測定子120を用いて、カムマスター80を測定したときの測定結果を示すグラフである。
【図10】 測定子120を軸受する150,152の軸受部154,156の軸中心が、回転軸Aとずれている場合を示す図である。
【図11】 軸受部154,156の軸中心がずれた3次元カムプロフィール測子110を用いて、マスターを測定したときの測定結果を示すグラフである。
【図12】 3次元カムプロフィール測子110の回転軸A方向の位置が、基準位置からずれている場合を示す図である。
【図13】 回転軸A方向の位置がずれた3次元カムプロフィール測子110を用いて、カムマスター80を測定したときの測定結果を示すグラフである。
【図14】 移動軸Gが、適切な移動軸G’に対して傾いている3次元カムプロフィール測子110を示す図である。
【図15】 移動軸Gが傾いた3次元カムプロフィール測子110を用いて、カムマスター80を測定したときの測定結果を示すグラフである。
【図16】 3次元カムプロフィール測子110の取り付け不良を示す図である。
【図17】 中心軸Bが傾いた3次元カムプロフィール測子110でカムマスター80を計測したときの測定結果を示すグラフである。
【図18】 測定面120bの一部が磨耗した測定子120を示す図である。
【図19】 測定面120bが磨耗した測定子120を用いて、カムマスター80を計測したときの測定結果を示すグラフである。
【図20】 測定精度診断部60における精度不良原因の推定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 カムプロフィール測定装置、20 測定制御部、30 回転駆動部、32 リニア駆動部、40 位置移動・回転位相測定部、50 カムプロフィール測定部、60 測定精度診断部、70 表示部、80 カムマスター、81 カム面、82 第1のテスト部、84 第2のテスト部、100 回転シャフト、110 3次元カムプロフィール測子、120 測定子、120a 中央部分、120b 測定面、130 支持部材、140,142 軸部、150,152アーム部
160 基部。

Claims (4)

  1. 3次元カムのカム面に接触するための平面状の測定面を有する測定子と、前記測定子を、前記測定面内に存在する揺動軸周り揺動可能に支持する支持部材とを含む3次元カムプロフィール測子を用いて、前記3次元カムのカムプロフィールを測定する3次元カムプロフィール測定装置であって、
    所定の形状のカムについて、前記3次元カムプロフィール測子を用いて得られたカムプロフィールの特徴が、所定の精度不良原因を有する3次元カムプロフィール測子で前記カムを測定した場合のカムプロフィールの特徴に当てはまるか否かを調べることによって、前記3次元カムプロフィール測子が有する精度不良原因を特定する精度不良診断部を備えることを特徴とする3次元カムプロフィール測定装置。
  2. 前記精度不良診断部は、所定の測定角度における測定値が所定の値を超えている場合に、前記測定面に磨耗が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の3次元カムプロフィール測定装置。
  3. 前記精度不良診断部は、所定の精度不良原因を特定した後、その精度不良原因に起因する測定誤差を補正した前記3次元カムプロフィール測子を用いて得られたカムプロフィールの特徴が、他の精度不良原因がある場合のカムプロフィールの特徴に当てはまるか否かを調べることによって、前記3次元カムプロフィール測子が有する他の精度不良原因を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の3次元カムプロフィール測定装置。
  4. 3次元カムのカムプロフィールを測定する3次元カムプロフィール測定装置に用いられる、前記3次元カムのカム面に接触するための平面状の測定面を有する測定子と、前記測定子を、前記測定面内に存在する揺動軸周り揺動可能に支持する支持部材とを含む3次元カムプロフィール測子の精度不良原因を診断する方法であって、
    所定の形状のカムのカムプロフィールを、前記3次元カムプロフィール測子を用いて測定するステップと、
    前記測定されたカムプロフィールの特徴が、所定の精度不良原因を有する3次元カムプロフィール測子で前記カムを測定した場合のカムプロフィールの特徴に当てはまるか否かを調べることによって、前記3次元カムプロフィール測子が有する精度不良原因を特定するステップと、
    を備えることを特徴とする3次元カムプロフィール測子の精度不良診断方法。
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