JP2000240627A - トルクリミッタ付きボルト - Google Patents

トルクリミッタ付きボルト

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Publication number
JP2000240627A
JP2000240627A JP11041524A JP4152499A JP2000240627A JP 2000240627 A JP2000240627 A JP 2000240627A JP 11041524 A JP11041524 A JP 11041524A JP 4152499 A JP4152499 A JP 4152499A JP 2000240627 A JP2000240627 A JP 2000240627A
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JP
Japan
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torque limiter
bolt
torque
engaging portion
tightening tool
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JP11041524A
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English (en)
Inventor
Kenichi Yahagi
鎌一 矢作
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NEC Engineering Ltd
Original Assignee
NEC Engineering Ltd
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Publication date
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Priority to JP11041524A priority Critical patent/JP2000240627A/ja
Publication of JP2000240627A publication Critical patent/JP2000240627A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一部の部材の破壊によりトルクリミッタ機能
が作動するのでは当該機能を再利用できないと共に破片
により周囲機器に悪影響を与えることを防止するため
に、規制値以上のトルクが係合部に作用した場合にトル
クリミッタ部が弾性変形することにより係合部が変位し
て締付工具が係合部から外れて空転して過大なトルクの
伝達を防止するようにして、破壊部品を無くすと共にボ
ルトの離脱後はトルクリミッタ部が復元してトルクリミ
ッタ機能を再利用可能にする。 【解決手段】 締付工具が締付方向に係合する係合部14
と、ねじ部16と、これら係合部14とねじ部16との間に介
在するトルクリミッタ部18とを備え、トルクリミッタ部
18を、締付工具とねじ部16との間に規制値よりも大きな
トルクが加わったときに、係合部14と締付工具との係合
が外れて締付工具が空転するように弾性変形するものに
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、締付工具により
締め付けを行う際に締め付け力を所定のトルクに制限す
るトルクリミッタ付きボルトに関する。
【0002】
【従来の技術】トルクリミッタ付きボルトとしては、例
えば図5ないし図9に示すようなものが知られている
(実開平6−85918号公報参照)。このトルクリミッタ付
きボルト1は、ナット2に係合するボルト本体4と、ス
パナ等の締付工具により締め付けを行うトルク伝達体6
とを備えている。図6に示すように、トルク伝達体6
は、ボルト本体4の頭部4aに被さって連結する薄肉状の
爪8を有している。
【0003】そして、締付工具を用いてトルクリミッタ
付きボルト1を締め付けるとき、締め付けトルクはトル
ク伝達体6に加えられて、爪8を経てボルト本体4に伝
達されてボルト1が締まっていく。さらに、図8及び図
9に示すように、締め付けトルクが一定の値に達すると
爪8がその根本で折れて破断し、トルク伝達体6とボル
ト本体4とが分離する。このため、一定大きさ以上のト
ルクがトルク伝達体6からボルト本体4に加わらない構
造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たトルクリミッタ付きボルト1では、トルク伝達体6の
爪8が破断および脱落することによりボルト本体4に伝
わる締め付けトルクを制限しているので、一度締め付け
を行ってトルク伝達体6の爪8が破断するとトルクリミ
ッタ機能を再使用することができない。このため、この
ボルト1を取り外して、再びトルクリミッタ機能を利用
するためには別のトルクリミッタ付きボルト1を用意し
なければならず、経済性が悪い場合がある。
【0005】また、このトルクリミッタ付きボルト1で
は、一定大きさ以上のトルクによりトルク伝達体6の爪
8が破断および脱落するため、その爪8が飛散し取り付
け対象となる機械装置の隙間等に混入し、機械の機能性
能に悪影響を与えるおそれがある。
【0006】さらに、このトルクリミッタ付きボルト1
は、ボルト本体4の成形後にトルク伝達体6の取り付け
を行っているため、製造コストが高くなることがある。
【0007】そこで、本発明は、トルクリミッタ機能を
再使用可能で、トルクリミッタ機能の作動によっても破
断脱落する部分が無く、しかも安価なトルクリミッタ付
きボルトを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの技術的手段として、この発明に係るトルクリミッタ
付きボルトは、締付工具が締付方向に係合する係合部
と、ねじ部と、これら係合部とねじ部との間に介在する
と共に、前記締付工具と前記ねじ部との間に所定の規制
値よりも大きなトルクが加わると前記締付工具から前記
ねじ部へのトルクの伝達を防止してそれ以上締め付けで
きないようにするトルクリミッタ部とを備えるトルクリ
ミッタ付きボルトにおいて、前記トルクリミッタ部を、
前記締付工具と前記ねじ部との間に前記規制値よりも大
きなトルクが加わったときに、前記係合部と前記締付工
具との係合が外れて前記締付工具が空転するように弾性
変形するものとしたことを特徴としている。
【0009】すなわち、ねじ部を他のねじ部材に螺合さ
せ締付工具を係合部に係合して締付方向に回転すると、
締付トルクが規制値よりも小さければ、トルクリミッタ
部が弾性変形しながらも締付工具と係合部との係合が維
持されてボルトが回転して締め付けられる。そして、ね
じ部が十分に締まって締付トルクが規制値より大きくな
ると、トルクリミッタ部が更に大きく弾性変形して、係
合部と締付工具との係合が外れる。これにより、締付工
具が空転してボルトの回転が防止される。
【0010】また、締付工具を取り外すか、あるいは係
合したまま締付トルクを規制値より小さくすると、弾性
変形したトルクリミッタ部が復元して係合部と締付工具
とが再び係合可能になる。このため、トルクリミッタ機
能が何度でも利用可能になる。
【0011】また、請求項2の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトは、前記係合部と前記ねじ部と前記トルク
リミッタ部とを一体形成したことを特徴としている。
【0012】したがって、トルクリミッタ部が弾性変形
してトルクリミッタ機能が作動しても破断脱落する部分
が無いので、破断した部品の飛散による周囲の機器への
悪影響が防止される。
【0013】また、請求項3の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトは、前記係合部と前記ねじ部と前記トルク
リミッタ部とを金属製としたことを特徴とし、請求項4
の発明に係るトルクリミッタ付きボルトは、前記係合部
と前記ねじ部と前記トルクリミッタ部とをプラスチック
製としたことを特徴としている。
【0014】すなわち、金属製としたトルクリミッタ付
きボルトでは十分な強度を得られ、プラスチック製とし
たトルクリミッタ付きボルトでは射出成形等により安価
かつ容易に製造することができる。
【0015】また、請求項5の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトは、前記係合部に前記締付工具が嵌入して
係合する多角形状の穴を設けたことを特徴としている。
【0016】すなわち、締付工具と係合部とは多数の面
により当接するので、トルクが確実に伝達される。
【0017】また、請求項6の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトは、前記多角形を六角形としたことを特徴
としている。
【0018】このため、一般に普及している六角棒スパ
ナ等を利用してねじ止めを行うことができる。
【0019】そして、請求項7の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトは、前記係合部に前記締付工具が嵌入し
て係合する楕円形状の穴を設けたことを特徴としてい
る。
【0020】したがって、締付工具と係合部とは滑りを
生ずることなく当接することになり、トルクの伝達を確
実に行うことができる。
【0021】また、請求項8の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトは、前記係合部に前記締付工具が嵌入して
係合する複数の穴を設けたことを特徴としている。
【0022】したがって、締付工具と係合部とは滑りを
生ずることなく当接することになり、トルクの伝達を確
実に行うことができる。
【0023】また、請求項9の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトは、前記係合部に前記穴の内周側と外周側
とを連通して前記係合部を軸方向に沿って分割するすり
割りを形成すると共に、分割した前記係合部と前記ねじ
部とを連結する部分に前記トルクリミッタ部を形成した
ことを特徴としている。
【0024】すなわち、すり割りにより係合部が複数部
分に分割されているので、トルクリミッタ部が細くなっ
て容易に弾性変形し易くなり、係合部の各部分ごとに容
易に変位することができる。このため、締付工具により
締付トルクが与えられると、係合部の各部分は外側に変
位する。そして、締付トルクが規制値を超えると、係合
部の各部分は外側に大きく変位して、締付工具の最大径
よりも広がって締付工具が空転する。
【0025】また、請求項10の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトは、前記穴の底部に前記締付工具の挿入
深さを制限する制限突起を形成したことを特徴としてい
る。
【0026】すなわち、締付工具はトルクリミッタ部か
ら十分離れた位置で係合部に当接することになるので、
トルクリミッタ部は容易に変形するようになる。
【0027】また、請求項11の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトは、前記係合部の外形を前記締付工具が
係合する多角形状としたことを特徴とし、請求項12の
発明に係るトルクリミッタ付きボルトは、この多角形を
六角形としたことを特徴としている。
【0028】すなわち、多角形状としたことにより、締
付工具と係合部とは多数の面により当接するので、トル
クが確実に伝達される。さらに、六角形としたことによ
り、一般に普及しているスパナ等を利用してねじ止めを
行うことができる。
【0029】また、請求項13の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトは、前記係合部の外形を前記締付工具が
係合する楕円形状としたことを特徴としている。
【0030】締付工具と係合部とは滑りを生ずることな
く当接するので、トルクが確実に伝達される。
【0031】また、請求項14の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトは、前記係合部に該係合部を軸方向に沿
って分割するすり割りを形成すると共に、分割した前記
係合部と前記ねじ部とを連結する部分に前記トルクリミ
ッタ部を形成したことを特徴としている。
【0032】すなわち、すり割りにより係合部が複数部
分に分割されているので、トルクリミッタ部が細くなっ
て弾性変形し易くなり、係合部の各部分ごとに容易に変
位することができる。このため、締付工具により締付ト
ルクが与えられると、係合部の各部分は内側に変位す
る。そして、締付トルクが規制値を超えると、係合部の
各部分は内側に大きく変位して、締付工具の最小径より
も狭まって締付工具が空転する。
【0033】また、請求項15の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトは、前記すり割りを前記多角形の各頂点
部分に形成したことを特徴としている。
【0034】すなわち、係合部の工具当たり面ごとに分
割されるので、例えば一つの工具当たり面が分断された
ときのように、締付トルクが規制値よりも大きくなった
ときに締付工具の角部がすり割りに入り込んで引っ掛か
ってしまうことを防止できる。
【0035】そして、請求項16の発明に係るトルクリ
ミッタ付きボルトでは、前記トルクリミッタ部を薄肉状
としたことを特徴としており、このため、トルクリミッ
タ部が容易に弾性変形する。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図示した好ましい実施の形
態に基づいて、この発明に係るトルクリミッタ付きボル
トを具体的に説明する。図1ないし図4に、本発明のト
ルクリミッタ付きボルト10を六角穴付きボルトに適用し
た場合の実施形態を示す。
【0037】このトルクリミッタ付きボルト10は、六角
棒スパナ等の締付工具12がこのボルト10の締付方向に対
して係合する係合部14と、ねじ部16と、これら係合部14
とねじ部16との間に介在すると共に、締付工具12とねじ
部16との間に所定の規制値よりも大きなトルクが加わる
と締付工具12からねじ部16へのトルクの伝達を防止して
それ以上締め付けできないようにするトルクリミッタ部
18とを備えている。そして、トルクリミッタ部18は、締
付工具12とねじ部16との間に規制値よりも大きなトルク
が加わったときに、係合部14と締付工具12との係合が外
れて締付工具12が空転するように弾性変形するものとし
てある。さらに、このトルクリミッタ付きボルト10は、
例えば金属製によって一体形成されている。
【0038】係合部14は、締付工具12が嵌入されて係合
する六角形状の穴20と、締め付け作業時に締付工具12が
当たって締め付けトルクを伝達する工具当たり面22と、
穴20の各頂点部分で内周側と外周側とを連通して係合部
14を軸方向に沿って分割するすり割り24とを有してい
る。すなわち、係合部14は、すり割り24によって工具当
たり面22ごとに分割されている。
【0039】トルクリミッタ部18は、分割された係合部
14の各部分とねじ部16とを連結する薄肉状の部位により
形成されている。このため、締付工具12とねじ部16との
間に規制値よりも大きなトルクが加わったときは、トル
クリミッタ部18が弾性変形して係合部14が外周側に変位
して締付工具12との係合が外れて締付工具12が空転す
る。具体的には、締付工具12とねじ部16との間に規制値
よりも大きなトルクが加わったときに、向き合った工具
当たり面22同士の間隔が締付工具12の最大径よりも大き
くなって空転するように設定している。
【0040】ここで、トルクリミッタ部18の厚さや長さ
は、トルクリミッタ付きボルト10の材質や伝達を制限す
べきトルクの大きさに応じて設定する。
【0041】さらに、穴20の底部には、締付工具12の挿
入深さを制限する制限突起26が設けられている。このた
め、図3(B)及び図4(B)に示すように、締付工具
12はトルクリミッタ部18から十分離れた位置で工具当た
り面22に当接するようになるので、トルクリミッタ部18
は容易に変形することができる。
【0042】上述したこの発明の実施形態に係るトルク
リミッタ付きボルト10の動作を、以下に説明する。
【0043】ねじ部16を他のねじ部材に螺合させて、図
3に示すように締付工具12を係合部14の穴20に挿入す
る。このとき、穴20内の制限突起26により締付工具12の
挿入深さが制限されるので、トルクリミッタ部18と締付
工具12が当たる位置との距離は、トルクリミッタ部18に
弾性変形を生じさせるのに十分な距離になる。
【0044】このボルト10を締め付けるために、締付工
具12を締付方向に回転させる。これにより、締付工具12
の締付トルクが係合部14の各工具当たり面22に伝達さ
れ、分割された係合部14が外側に押圧される。よって、
トルクリミッタ部18が弾性変形して、向かい合った工具
当たり面22同士の距離が広がる。
【0045】このとき、締付トルクが規制値よりも小さ
ければ、トルクリミッタ部18が弾性変形しながらも向か
い合った工具当たり面22同士の距離は締付工具12の最大
径よりも小さい。このため、締付工具12と係合部14との
係合が維持されて、ボルト10が回転して締め付けられ
る。
【0046】そして、ねじ部16が十分に締まって締付ト
ルクが規制値より大きくなると、図4に示すようにトル
クリミッタ部18が更に大きく弾性変形して、向かい合っ
た工具当たり面22同士の距離が締付工具12の最大径より
も大きくなる。これにより、係合部14と締付工具12との
係合が外れて締付工具12が空転するので、ねじ部16への
過大な締付トルクの伝達を防止できる。
【0047】また、締付工具12を係合部14から取り外す
か、あるいは係合したまま締付トルクを規制値より小さ
くすると、弾性変形したトルクリミッタ部18が図3に示
すように復元して係合部14と締付工具12とが再び係合可
能になる。このため、トルクリミッタ機能はボルト10の
締め付け作業後でも失われず、他のねじ部材から取り外
してもトルクリミッタ付きボルト10として何度でも使用
することができる。
【0048】上述したように本実施形態のトルクリミッ
タ付きボルト10によれば、係合部14とねじ部16とトルク
リミッタ部18とを一体形成してあるので、トルクリミッ
タ部18が弾性変形してトルクリミッタ機能が作動しても
破断脱落する部分が無く、破断した部品の飛散による周
囲の機器への悪影響を防止することができる。
【0049】しかも、従来のトルクリミッタ付きボルト
のように複数の部品から形成されていないので、そのた
めの組立工程が不要になり製造コストを低くすることが
できる。
【0050】また、本実施形態のトルクリミッタ付きボ
ルト10によれば、係合部14とねじ部16とトルクリミッタ
部18とを金属製にしてあるので、トルクリミッタ付きボ
ルト10を十分な強度にしてトルクリミッタ機能の使用可
能な回数を多くすることができる。
【0051】さらに、本実施形態のトルクリミッタ付き
ボルト10によれば、係合部14は六角形状の穴20により締
付工具12と係合してあるので、締付工具12と係合部14と
は6面で当接してトルクを確実に伝達することができ
る。しかも、一般に普及している六角棒スパナを利用し
てねじ止めを行うことができる。
【0052】また、本実施形態のトルクリミッタ付きボ
ルト10によれば、係合部14はすり割り24により分割され
ているので、トルクリミッタ部18が細くなって容易に弾
性変形し易くなり、係合部14の各部分ごとに容易に変位
することができる。しかも、トルクリミッタ部18を薄肉
状にしているので、容易に弾性変形する。
【0053】さらに、本実施形態のトルクリミッタ付き
ボルト10では、すり割り24を穴20の各頂点部分に形成し
てあるので、係合部14は工具当たり面22ごとに分割され
る。これにより、例えば一つの工具当たり面22が分断さ
れたときのように、締付トルクが規制値よりも大きくな
ったときに締付工具12の角部がすり割り24に入り込んで
引っ掛かってしまうことを防止できる。よって、締付ト
ルクが規制値よりも大きくなったときに、締付工具12の
空転を確実に行うことができる。
【0054】一方、本実施形態のトルクリミッタ付きボ
ルト10によれば、穴20の底部に制限突起26を形成してあ
るので、締付工具12はトルクリミッタ部18から十分離れ
た位置で係合部14に当接するようになり、トルクリミッ
タ部18は容易に変形するようになる。
【0055】なお、ここに説明した実施形態は本発明の
好ましい一形態であって、本発明はこれに限定されるも
のではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々変形し
て実施できることは勿論である。例えば上述した実施形
態では係合部14に六角形状の穴20を形成しているが、こ
れには限られず他の多角形、例えば四角形等にしても良
い。この場合も、締付工具12と係合部14とは複数の面で
当接するので、トルクを確実に伝達することができる。
また、穴の形状としては多角形に限られず楕円としても
良い。この場合も、締付工具12と係合部14との回転に滑
りが生じないので、トルクを確実に伝達することができ
る。
【0056】また、上述した実施形態では係合部14に一
つの穴20を形成しているが、これには限られず複数の穴
を形成しても良い。この場合、各穴が真円であっても締
付工具12と係合部14との回転に滑りが生じないので、ト
ルクを確実に伝達することができる。
【0057】さらに、上述した実施形態では係合部14に
穴20を形成してあるが、これには限られず係合部14の外
形をスパナ等の締付工具が係合する多角形状にしても良
い。この場合も、締付工具と係合部とは多数の面により
当接するので、トルクが確実に伝達される。そして、こ
の実施形態では、係合部に軸方向に沿って分割するすり
割りを形成する。これにより、締付工具により締付トル
クが与えられると、係合部の各部分は内側に変位して、
締付トルクが規制値を超えると係合部の各部分は内側に
大きく変位して、締付工具の最小径よりも狭まって締付
工具が空転する。よって、過大なトルクの伝達を防止で
きる。
【0058】そして、この係合部14の外形を多角形状に
したトルクリミッタ付きボルトでは、多角形を六角形に
することにより、一般に普及しているスパナ等を利用し
てねじ止めを行うことができる。
【0059】ところで、上述した各実施形態では、トル
クリミッタ付きボルト10を金属製としているが、これに
は限られずプラスチック製にしても良い。この場合、ト
ルクリミッタ付きボルトを射出成形等により安価かつ容
易に製造することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るト
ルクリミッタ付きボルトによれば、トルクリミッタ部の
弾性変形により締付工具を空転させてトルクの伝達を制
限するので、締付工具を取り外すか、あるいは係合した
まま締付トルクを規制値より小さくすると、弾性変形し
たトルクリミッタ部が復元して係合部と締付工具とが再
び係合可能になる。このため、トルクリミッタ機能はそ
の機能の使用後でも損なわれず、ボルトの取り外し後も
トルクリミッタ機能を何度でも使用することができる。
このため、経済性を向上することができる。
【0061】また、請求項2の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトによれば、係合部とねじ部とトルクリミッ
タ部とを一体形成してあるので、トルクリミッタ機能を
使用した際に破片等の廃棄物を生じない。このため、周
囲の機械装置等に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0062】しかも、従来のトルクリミッタ付きボルト
はトルク伝達体がボルト本体と別体であり、製造時にボ
ルト本体の頭部とトルク伝達体を組み立てる工程が必要
となっていたが、本発明のトルクリミッタ付きボルトは
別体の部品が無いため、その分製造工程が少なく、製造
コストを低くすることができる。
【0063】また、請求項3の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトによれば、金属製としたので、十分な強度
を得られ、トルクリミッタ機能の使用可能な回数を多く
することができる。
【0064】また、請求項4の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトによれば、プラスチック製にしてあるの
で、射出成形等により安価かつ容易に製造することがで
きる。
【0065】そして、請求項5の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトによれば、係合部に締付工具が嵌入して
係合する多角形状の穴を設けてあるので、締付工具と係
合部とは多数の面により当接してトルクを確実に伝達す
ることができる。さらに、請求項6の発明に係るトルク
リミッタ付きボルトによれば、多角形を六角形にしてい
るので、一般に普及している六角棒スパナ等を利用して
ねじ止めを行うことができる。
【0066】また、請求項7の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトによれば、係合部に締付工具が嵌入して係
合する楕円形状の穴を設けてあるので、締付工具と係合
部とは滑りを生ずることなく当接してトルクを確実に伝
達することができる。
【0067】さらに、請求項8の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトによれば、係合部に締付工具が嵌入して
係合する複数の穴を設けてあるので、締付工具と係合部
とは滑りを生ずることなく当接してトルクを確実に伝達
することができる。
【0068】また、請求項9の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトによれば、すり割りにより係合部が複数部
分に分割してあるので、トルクリミッタ部が細くなって
容易に弾性変形し易くなり、係合部の各部分ごとに容易
に変位することができる。
【0069】また、請求項10の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトによれば、穴の底部に締付工具の挿入深
さを制限する制限突起を形成してあるので、締付工具は
トルクリミッタ部から十分離れた位置で係合部に当接す
る。このため、トルクリミッタ部は容易に変形すること
ができる。
【0070】また、請求項11の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトによれば、係合部の外形を締付工具が係
合する多角形状にしてあるので、締付工具と係合部とは
多数の面により当接してトルクを確実に伝達することが
できる。さらに、請求項12の発明に係るトルクリミッ
タ付きボルトによれば、多角形を六角形にしてあるの
で、一般に普及しているスパナ等を利用してねじ止めを
行うことができる。
【0071】そして、請求項13の発明に係るトルクリ
ミッタ付きボルトによれば、係合部の外形を締付工具が
係合する楕円形状にしてあるので、締付工具と係合部と
は滑りを生ずることなく当接してトルクを確実に伝達す
ることができる。
【0072】また、請求項14の発明に係るトルクリミ
ッタ付きボルトによれば、すり割りにより係合部が複数
部分に分割してあるので、トルクリミッタ部が細くなっ
て弾性変形し易くなり、係合部の各部分ごとに容易に変
位することができる。
【0073】さらに、請求項15の発明に係るトルクリ
ミッタ付きボルトによれば、すり割りを多角形の各頂点
部分に形成してあるので、係合部の工具当たり面ごとに
分割される。このため、締付トルクが規制値よりも大き
くなったときに締付工具の角部がすり割りに入り込んで
引っ掛かってしまうことを防止できる。したがって、締
付トルクが規制値よりも大きくなったときに、締付工具
の空転を確実に行うことができる。
【0074】そして、請求項16の発明に係るトルクリ
ミッタ付きボルトによれば、トルクリミッタ部を薄肉状
にしてあるので、トルクリミッタ部が容易に弾性変形す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトルクリミッタ付きボルトの実施形態
を示す斜視図である。
【図2】トルクリミッタ付きボルトの主要部を示す中央
縦断面図である。
【図3】係合部に締付工具を嵌入して締付トルクを与え
ていない状態を示し、(A)は係合部の横断面図、
(B)は主要部の中央縦断面図である。
【図4】係合部に締付工具を嵌入して規制値より大きい
締付トルクを与えた状態を示し、(A)は係合部の横断
面図、(B)は主要部の中央縦断面図である。
【図5】従来のトルクリミッタ付きボルトを示す正面図
である。
【図6】従来のトルクリミッタ付きボルトのトルク伝達
体を中央で切断した状態を示す正面図である。
【図7】従来のトルクリミッタ付きボルトを示す底面図
である。
【図8】従来のトルクリミッタ付きボルトの爪が破断し
た状態を示す主要部の正面図である。
【図9】従来のトルクリミッタ付きボルトの爪が破断し
た状態を示す底面図である。
【符号の説明】
10 トルクリミッタ付きボルト 12 締付工具 14 係合部 16 ねじ部 18 トルクリミッタ部 20 穴 24 すり割り 26 制限突起

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締付工具が締付方向に係合する係合部
    と、ねじ部と、これら係合部とねじ部との間に介在する
    と共に、前記締付工具と前記ねじ部との間に所定の規制
    値よりも大きなトルクが加わると前記締付工具から前記
    ねじ部へのトルクの伝達を防止してそれ以上締め付けで
    きないようにするトルクリミッタ部とを備えるトルクリ
    ミッタ付きボルトにおいて、 前記トルクリミッタ部を、前記締付工具と前記ねじ部と
    の間に前記規制値よりも大きなトルクが加わったとき
    に、前記係合部と前記締付工具との係合が外れて前記締
    付工具が空転するように弾性変形するものにしたことを
    特徴とするトルクリミッタ付きボルト。
  2. 【請求項2】 前記係合部と前記ねじ部と前記トルクリ
    ミッタ部とを一体形成したことを特徴とする請求項1に
    記載のトルクリミッタ付きボルト。
  3. 【請求項3】 前記係合部と前記ねじ部と前記トルクリ
    ミッタ部とを金属製にしたことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のトルクリミッタ付きボルト。
  4. 【請求項4】 前記係合部と前記ねじ部と前記トルクリ
    ミッタ部とをプラスチック製にしたことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のトルクリミッタ付きボル
    ト。
  5. 【請求項5】 前記係合部に前記締付工具が嵌入して係
    合する多角形状の穴を設けたことを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載のトルクリミッタ付き
    ボルト。
  6. 【請求項6】 前記多角形を六角形としたことを特徴と
    する請求項5に記載のトルクリミッタ付きボルト。
  7. 【請求項7】 前記係合部に前記締付工具が嵌入して係
    合する楕円形状の穴を設けたことを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載のトルクリミッタ付き
    ボルト。
  8. 【請求項8】 前記係合部に前記締付工具が嵌入して係
    合する複数の穴を設けたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項6のいずれかに記載のトルクリミッタ付きボル
    ト。
  9. 【請求項9】 前記係合部に前記穴の内周側と外周側と
    を連通して前記係合部を軸方向に沿って分割するすり割
    りを形成すると共に、分割した前記係合部と前記ねじ部
    とを連結する部分に前記トルクリミッタ部を形成したこ
    とを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記
    載のトルクリミッタ付きボルト。
  10. 【請求項10】 前記穴の底部に前記締付工具の挿入深
    さを制限する制限突起を形成したことを特徴とする請求
    項5ないし請求項9のいずれかに記載のトルクリミッタ
    付きボルト。
  11. 【請求項11】 前記係合部の外形を前記締付工具が係
    合する多角形状としたことを特徴とする請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載のトルクリミッタ付きボル
    ト。
  12. 【請求項12】 前記多角形を六角形にしたことを特徴
    とする請求項11に記載のトルクリミッタ付きボルト。
  13. 【請求項13】 前記係合部の外形を前記締付工具が係
    合する楕円形状としたことを特徴とする請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載のトルクリミッタ付きボル
    ト。
  14. 【請求項14】 前記係合部に該係合部を軸方向に沿っ
    て分割するすり割りを形成すると共に、分割した前記係
    合部と前記ねじ部とを連結する部分に前記トルクリミッ
    タ部を形成したことを特徴とする請求項11ないし請求
    項13のいずれかに記載のトルクリミッタ付きボルト。
  15. 【請求項15】 前記すり割りを前記多角形の各頂点部
    分に形成したことを特徴とする請求項9または請求項1
    0、請求項14のいずれかに記載のトルクリミッタ付き
    ボルト。
  16. 【請求項16】 前記トルクリミッタ部を薄肉状とした
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか
    に記載のトルクリミッタ付きボルト。
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