JP2000239650A - ブレーキ用摩擦材 - Google Patents
ブレーキ用摩擦材Info
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- JP2000239650A JP2000239650A JP11040233A JP4023399A JP2000239650A JP 2000239650 A JP2000239650 A JP 2000239650A JP 11040233 A JP11040233 A JP 11040233A JP 4023399 A JP4023399 A JP 4023399A JP 2000239650 A JP2000239650 A JP 2000239650A
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Abstract
ーキ用摩擦材において、夜間等長時間駐車して摩擦パッ
ドが吸湿した時のみならず、洗車時等でロータ、摩擦パ
ッドが濡れた時において生じるクリープグー音を効果的
に低減する。 【解決手段】 繊維基材、摩擦調整材及び結合材よりな
り、繊維基材としてアラミド繊維を有するブレーキ用摩
擦材において、アラミド繊維全体の平均平衡水分率が3
%以下であることを特徴とするブレーキ用摩擦材。
Description
レーキ用摩擦材に関するものであり、特にブレーキノイ
ズ、なかでもオートマチック車における発進時のクリー
プグー音の低減されたブレーキ用摩擦材に関する。
は、最近耐フェード性の向上、高速効力の向上のため
に、摩擦材の気孔率が10〜30%と高いものを使用す
るようになっている。ところで、そのために、雨天時の
運転、水溜まりを通過などにより、摩擦材が水に濡れた
り、夜間屋外に車両を止めておいた時には、摩擦材がそ
の内部に水分を吸収し易くなっている。そして、その水
分を吸った摩擦材は、その水が乾く過程でブレーキ時の
停止直前、概ね5km/h以下の時、又はオートマチッ
ク車における発進時、すなわちブレーキペタルを踏み、
Dレンジに入れてブレーキペタルを緩めてブレーキが完
全に開放される途中において、クリープ力でブレーキが
引きずられて微速で発進中に、低周波異音が出る。この
低周波異音は「クリープグー音」ともいわれ、不快感が
するので嫌われているものである。この低周波異音は、
摩擦材の気孔率が大きい程多くの水を吸収するので大き
くなる。また、摩擦材が吸湿すると、ブレーキ時にスキ
ール音が発生したり、あるいは摩擦係数が高くなり過ぎ
て、異常効きが発生するなどの問題がある。
調整材及び結合材などよりなり、補強材となる繊維基材
には強度も大きく、耐熱性が大きいことからアラミド繊
維を使用したものが提案されている(特開平9−595
97号公報)。しかし、使用されていたアラミド繊維は
吸湿性が大であるため、夜間等長時間駐車した場合には
摩擦パッドが吸湿し、また洗車等でロータや摩擦パッド
が濡れた場合にはクリープグー音が発生した。
してアラミド繊維を使用したブレーキ用摩擦材におい
て、ブレーキノイズ、特にオートマチック車における発
進時のクリープグー音の低減をもつブレーキ用摩擦材を
提供することを目的とするものである。
としてアラミド繊維を使用したブレーキ用摩擦材におい
て、夜間等長時間駐車した場合には摩擦パッドが吸湿
し、また洗車等でロータや摩擦パッドが濡れた場合には
クリープグー音が発生するのは、アラミド繊維の吸水性
が大であることによるのではないかと考え、アラミド繊
維全体の平均平衡水分率を3%以下とすることによっ
て、クリープグー音の発生が極めて少なくなることがわ
かり、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、下記
の手段により前記の課題を解決した。 (1)繊維基材、摩擦調整材及び結合材よりなり、繊維
基材としてアラミド繊維を有するブレーキ用摩擦材にお
いて、アラミド繊維全体の平均平衡水分率が3%以下で
あることを特徴とするブレーキ用摩擦材。
材、摩擦調整材及び結合材などから構成され、繊維基材
として有機繊維、金属繊維や無機繊維が使用され、その
有機繊維の1種として、強度が大でかつ耐熱性が大であ
るという利点からアラミド繊維が使用されている。とこ
ろで、アラミド繊維として使用されていた代表的なデュ
ポン社製のケブラー(Kevlar)29は、平均平衡
水分率が7.0%であり、またケブラー(Kevla
r)49は、平均平衡水分率が4.5%である。なお、
前記「ケブラー(Kevlar)」は商品名である。
なってアラミド繊維全体の平均平衡水分率が3%以下の
ものを用いるものであり、このようなアラミド繊維全体
の平均平衡水分率を3%以下とすることにより、ブレー
キ用摩擦材の吸湿性を低減させることができた。アラミ
ド繊維全体の平均平衡水分率を3%以下とするために
は、具体的には、市販されているケブラー(Kevla
r)149が挙げられ、その平衡水分率は1.5%であ
る。このアラミド繊維全体の平均平衡水分率が3%以下
とするためには、前記ケブラー(Kevlar)149
を単独で使用するか、又は例えば平衡水分率が4.5%
であるケブラー(Kevlar)49を併用して、全体
として平均平衡水分率が3%以下であるようにすればよ
い。その配合割合は所望とする平均平衡水分率の値によ
って決めればよい。アラミド繊維の平衡水分率は、温度
23℃、相対湿度55%の条件下での水分平衡の重さと
絶乾重量との差の、絶乾重量に対する百分率である。
により、夜間等長時間駐車して摩擦パッドが吸湿した時
(以下単に「吸湿時」という)のみならず、洗車時等で
ロータ、摩擦パッドが水濡れした時(以下単に「水濡れ
時」という)におけるクリープグー音を効果的に低減す
ることができる。本発明のブレーキ用摩擦材を製造する
には、繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、結合材からなる
摩擦材において、前記原料を配合し、その配合物を通常
の製法に従って予備成形し、熱成形することにより製造
することができる。
ウム、亜鉛等の金属粒子、バームキュライトやマイカ等
の鱗片状無機物、硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の粒
子が挙げられ、有機充填材としては、例えば合成ゴムや
カシュー樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂バインダと
しては、例えばフェノール樹脂(ストレートフェノール
樹脂、ゴム等による各種変性フェノール樹脂を含む)、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂等
を挙げることができる。また、摩擦調整材としては、例
えばアルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化
クロム、石英等の金属酸化物等を、固体潤滑剤として
は、例えばグラファイトや二硫化モリブデン等を挙げる
ことができる。摩擦材の組成としては、種々の組成割合
を取ることができるが、第1表に示す範囲とすることが
好適である。
製造工程を示し、板金プレスにより所定の形状に成形さ
れ、脱脂処理及びプライマー処理が施され、そして接着
剤が塗布されたプレッシャープレートと、耐熱性有機繊
維や無機繊維、金属繊維等の繊維基材と、無機・有機充
填材、摩擦調整材及び熱硬化性樹脂バインダ等の粉末原
料とを配合し、攪拌により十分に均質化した原材料を常
温にて所定の圧力で成形(予備成形)して作製した予備
成形体とを、熱成形工程において所定の温度及び圧力で
熱成形して両部材を一体に固着し、アフタキュアを行
い、最終的に仕上げ処理を施すそれまでの工程は従来法
と同一である。
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
組成として、配合割合を以下の第2表に示すとおりのも
のとした。ただし、各試料におけるアラミド繊維として
は、以下のものを使用した。 比較例1:デュポン社製アラミド繊維(Kevlar
29、平衡水分率7.0%)を使用 比較例2:同社製アラミド繊維(Kevlar49、
平衡水分率4.5%)を使用 実施例1:同社製アラミド繊維(Kevlar49、
平衡水分率4.5%とKevlar149、平衡水分率
1.5%)を各同量(各4重量%)を使用してアラミド
繊維全体の平均平衡水分率を3.0%とした 実施例2:同社製アラミド繊維(Kevlar14
9、平衡水分率1.5%)を使用
の製法により作成し、クリープグー音の発生状況につい
て次の試験方法により試験した。
ブレーキを取付けた車両を1km走行毎に初速50km
/hでブレーキをかけて停車させ、計200回の制動に
より摩擦パッドとロータとの十分な摺り合わせが得られ
た後に、次の試験を行った。 (1)吸湿時試験 車両を20℃の室温、温度95%(クリープグー音の最
も発生しやすい湿度)の環境室に12時間放置して、初
速20km/h、0.2Gの減速度でブレーキをかけ
て、クリープグー音の発生について官能試験を行った。 (2)水濡れ時試験 ロータと摩擦パッドに、ホースで毎分10リットルの水
を左右輪にそれぞれ1分づつ、計2回(計2分間)かけ
た後に、初速20km/h、減速度0.2Gでブレーキ
をかけて、クリープグー音の発生について、官能試験を
行った。 (試験結果)試験結果を第3表に示す。なお、温度23
℃、湿度80%の条件下で摩擦パッドを2日間放置し、
放置前に対する重量増により摩擦パッド全体の平衡水分
率を求めた。
レベルが、吸湿時に(大)であり、水濡れ時に(中)で
あることを示し、吸湿時は(微小)以下が、水濡れ時は
(小)以下が許容レベルである。
摩擦パッドが吸湿した時のみならず、洗車時等でロー
タ、摩擦パッドが水濡れした時における摩擦材から出る
ことがあるクリープグー音を効果的に低減することがで
きる。
シートである。
Claims (1)
- 【請求項1】 繊維基材、摩擦調整材及び結合材よりな
り、繊維基材としてアラミド繊維を有するブレーキ用摩
擦材において、アラミド繊維全体の平均平衡水分率が3
%以下であることを特徴とするブレーキ用摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04023399A JP3980784B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | ブレーキ用摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04023399A JP3980784B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | ブレーキ用摩擦材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000239650A true JP2000239650A (ja) | 2000-09-05 |
JP3980784B2 JP3980784B2 (ja) | 2007-09-26 |
Family
ID=12575018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04023399A Expired - Lifetime JP3980784B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | ブレーキ用摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3980784B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013241575A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-12-05 | Toray Ind Inc | 摩擦材料 |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP04023399A patent/JP3980784B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013241575A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-12-05 | Toray Ind Inc | 摩擦材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3980784B2 (ja) | 2007-09-26 |
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