JP2000239573A - 水中防汚塗料組成物及びその組成物からなる水中防汚膜 - Google Patents

水中防汚塗料組成物及びその組成物からなる水中防汚膜

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JP2000239573A
JP2000239573A JP11039211A JP3921199A JP2000239573A JP 2000239573 A JP2000239573 A JP 2000239573A JP 11039211 A JP11039211 A JP 11039211A JP 3921199 A JP3921199 A JP 3921199A JP 2000239573 A JP2000239573 A JP 2000239573A
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Reiko Takazawa
令子 高澤
Akihiro Wakatsuki
章弘 若月
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海水又は淡水の生態系や環境に対して安全性
が高く、水中生物の水中構造物への不要な付着を確実に
かつ持続して防止することが可能な水中防汚塗料組成物
と水中防汚膜を提供する。 【解決手段】 水中防汚塗料組成物は、カルボキシル基
を有する水溶性有機高分子又はその塩とアルカリ珪酸塩
又はSiO2と光触媒用酸化チタンとを必須成分として含有
しているものである。水中防汚膜は、このような光触媒
用酸化チタンを含有させた水中防汚塗料組成物を被塗布
材に塗布した後に乾燥させた塗膜からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水又は淡水に触
れた状態で設置される水中構造物の表面への水中生物の
付着を防止するために使用される水中防汚塗料組成物及
びその組成物からなる水中防汚膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海水や淡水に触れた状態で長時間又は長
期間設置される水中構造物としては、例えば、船舶、海
洋構築物、港湾施設、漁網や養殖筏、養殖生簀等の漁業
設備、発電所や臨海プラントにおける冷却用水の取水路
や排水路、橋脚、水門、タンク等がある。そして、この
ような水中構造物においては、海水や淡水に触れる表面
に水中生物が付着して様々な不具合が生じている。例え
ば、海水中に置かれる船舶、海洋構築物、漁業設備、冷
却用水の取水路、排水路等の水中構造物においては、そ
の海水と触れる表面にバクテリア等の微細生物やフジツ
ボ、カキ、ムラサキイガイ、カンザシゴカイ、ホヤ、ア
オサ、アオノリ等の大型付着動植物珪藻等に代表される
水中生物が付着し、この水中生物の付着により、船舶の
海水抵抗の増加、構造物の劣化、冷却効率の低下、漁業
施設における目詰りによる魚介類の大量死や重量増加に
起因する作業効率の低下等のさまざまな障害が生じてい
る。また、河川水や湖水を利用した工業用水や水道水を
使用する各種冷却装置などでは、その取水路や排水路や
配水管においてバクテリア、珪藻、ラン藻、アオミドロ
等に代表される水中成分が付着し、この水中生物の付着
により、冷却効率の低下や流量減少などの障害が生じて
いる。
【0003】そこで、従来、このような水中生物が水中
構造物に付着することを防止するため、水中構造物の表
面に塗布して使用する各種の防汚剤が使用されていた。
なかでも、これまでに海洋生物の付着防止に大きな効果
をあげていた防汚剤として、トリブチル錫オキサイド等
の有機スズ化合物や亜酸化銅等の重金属含有化合物を含
有する防汚剤があった。
【0004】しかし、このような防汚剤のうち例えば有
機スズ化合物を含有する防汚剤は、海水中で連続的に溶
出することにより防汚効果を発現しているものである
が、かかる化合物に毒性があり、海洋生態系への悪影響
や環境汚染への関与の可能性が指摘されるようになった
ため、最近になってその化合物の使用が禁止となった。
このため、新たな防汚剤が衆望されている。
【0005】一方、安全で環境への影響がない防汚剤と
して、フラノテルペンやミリストレイン酸(特開平5-27
1009号公報)、カロテノイド化合物(特開平5-331003号
公報)、ペニジリン(特開平5-331010号公報)等の天然
物由来化合物を含有する防汚剤が提案されている。
【0006】しかし、この天然物由来化合物のような天
然物より抽出する成分は、一般に植物あるいは動物のい
ずれからも微量にしか採取できないため、現段階では防
汚のための有効成分として用いるのは困難であって実用
的ではないという不都合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に着目してなされたものであり、その目的とすると
ころは、海水又は淡水の生態系や環境に対して安全性が
高く、水中生物の水中構造物への不要な付着を確実にか
つ持続して防止することが可能な水中防汚塗料組成物と
水中防汚膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成し得る
本発明は、カルボキシル基を有する水溶性有機高分子又
はその塩とアルカリ珪酸塩又はSiO2と光触媒用酸化チタ
ンとを必須成分として含有している水中防汚塗料組成物
である。
【0009】ここで、上記カルボキシル基を有する水溶
性有機高分子及びその塩としては、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸等から選ばれた1種又
は2種以上のカルボキシル基を有する単量体を単独重合
又は共重合して得られる単独重合体又は共重合体及びそ
の塩や、これら1種又は2種以上のカルボキシル基を有
する単量体とこの単量体と共重合可能な他の単量体とを
共重合して得られる共重合体及びその塩や、アルギン酸
及びその誘導体類やカルボキシメチルセルロース等のセ
ルロース誘導体が用いられる。これらの水溶性有機高分
子又はその塩の1種、あるいは必要に応じて2種以上の
ものが適宜使用される。この水溶性有機高分子又はその
塩は、その平均分子量が約1,000〜100万からな
るものである。
【0010】具体的には、ポリアクリル酸,ポリメタク
リル酸,ポリマレイン酸,ポリイタコン酸,ポリアクリ
ル酸−ポリメタクリル酸の共重合体及びその塩、ポリア
クリル酸を有する共重合体及びその塩、ポリメタクリル
酸等を有する共重合体及びその塩、ポリマレイン酸を有
する共重合体及びその塩、ポリイタコン酸を有する共重
合体及びその塩等である。また、ポリアクリル酸,ポリ
メタクリル酸,ポリマレイン酸又はポリイタコン酸等を
有する共重合体及びその塩とは、分子内の一部に上記各
酸の重合体のいずれかを含む共重合体及びその塩であ
り、例えば、ポリアクリル酸―ポリビニルアルコール共
重合体及びその塩、ポリアクリル酸―ポリイタコン酸共
重合体及びその塩、ポリメタクリル酸―ポリイタコン酸
共重合体及びその塩、ポリアクリル酸―ポリマレイン酸
共重合体及びその塩、ポリメタクリル酸―ポリマレイン
酸共重合体及びその塩、ポリアクリル酸―ポリメタクリ
ル酸―ポリアクリル酸エステル共重合体及びその塩、ポ
リスチレン−ポリマレイン酸共重合体及びその塩、ポリ
ブチレン−ポリマレイン酸共重合体及びその塩、ポリス
チレン−ポリアクリル酸−ポリメタクリル酸共重合体及
びその塩等である。
【0011】また、上記アルカリ珪酸塩は、一般式M2O
・n SiO2で示されるものであり、その式中のMがリチウ
ム(Li) 、ナトリウム(Na)、カリウム( K)又は四級アン
モニウムのいずれかであり、しかも、nが0.5以上、
より好ましくは1〜4であることが好ましい。nが0.
5未満である場合には、アルカリ分が多くなるため膜の
被塗布材との密着性が悪くなる等の不具合がある。
【0012】アルカリ珪酸塩又はSiO2は、SiO2/水溶性
有機高分子又はその塩の固形分比が0.1〜100、よ
り好ましくは1〜10となるように含有されていること
が好ましい。この固形分比が上記数値範囲を外れると
(0.1未満になるか又は100を超えると)防汚効果
が大幅に低下する等の不具合がある。また、この固形分
比が1〜10の範囲では特に防汚効果がより持続して得
られるようになる。
【0013】さらに、上記光触媒用酸化チタンは、光触
媒用のものであり、具体的にはアナターゼ型の結晶から
なるものである。したがって、この酸化チタンは、顔料
用に使用されるようなルチル型の酸化チタンとは異な
る。また、この光触媒用酸化チタンは、前記水溶性有機
高分子又はその塩とアルカリ珪酸塩又はSiO2との組成物
に添加して分散させることが可能であれば、その形態に
ついては特に制約されるものではなく、例えば、酸化チ
タン単体又は酸化チタンを主成分とするゾル、スラリ
ー、コロイド又は粉体の形態からなるものや、酸化チタ
ンを主成分とする塗料形態からなるものが使用可能であ
る。
【0014】この光触媒用酸化チタンは、SiO2/光触媒
用酸化チタンの固形分比が0.01〜100、より好ま
しくは0.1〜10となるように含有されていることが
好ましい。この固形分比が上記数値範囲を外れると
(0.1未満になるか又は100を超えると)防汚効果
やその持続性が低下する等の不具合がある。
【0015】また、上記水中防汚塗料組成物は、被塗布
材に対して塗布した場合のその塗膜の被塗布物との密着
性を向上できるという観点から、3つ以上の一級アルコ
ールを分子内に有する3価以上の非環式多価アルコール
を配合することが好ましい。この場合、非環式多価アル
コールは、(加熱)乾燥時に蒸発してしまうことがない
等の理由から、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン又はペンタエリスリトールであることが好まし
い。また、非環式多価アルコールの配合量は、0.5〜
10g/l程度であることが好ましい。
【0016】さらに、上記水中防汚塗料組成物には、そ
の塗料組成物やその塗膜の性能及び塗布性能を高める等
の観点から、補助バインダー樹脂、顔料、硬化剤、各種
添加剤、その他の公知の防汚剤や抗菌剤を適宜選択して
配合することができる。
【0017】このような本発明の水中防汚塗料組成物
は、通常、海水や淡水に触れた状態で設置する水中構造
物の表面(少なくとも海水や淡水に触れる面)に塗布し
て使用される。すなわち、防汚塗料として有用である。
また、上記水中防汚塗料組成物は、必要により、水中構
造物以外の物品に塗布して使用するようにしても構わな
い。
【0018】本発明では、このように水中防汚塗料組成
物を塗布して最終的に得られる水中防汚膜を次の2種の
ものに大別している。すなわち、その1つは、上記した
水中防汚塗料組成物を被塗布材に塗布した後に乾燥させ
た塗膜からなる水中防汚膜である。また、残りの1つ
は、上記した水中防汚塗料組成物を被塗布材に塗布して
乾燥させた後にその塗膜を水洗して乾燥させた膜からな
る水中防汚膜である。特に、後者の水中防汚膜は、前者
の水中防汚膜に比べて、被塗布材に対する密着性がより
良好となり、しかも、この良好な密着性に起因して防汚
効果もより持続して得られるようになるという利点があ
る。
【0019】このような2種の水中防汚膜を作製するに
あたっては、そのいずれの場合も、まず最初に、水中防
汚塗料組成物を所定の塗布手段により被塗布材の表面に
塗布した後、乾燥させる。このときの塗布手段として
は、ロール塗り、刷毛塗り、バーコート法、浸漬法、ス
ピンコート法、スプレーコート法等を採用することがで
きる。また、乾燥は、常温〜330℃の温度下で10秒
〜数日という乾燥時間で行うことが好ましい。この塗料
組成物の塗膜は、特に制限されるものではないが、その
乾燥後の膜厚が少なくとも0.1〜500μm程度とな
るように形成すればよい。このようにして得られた塗膜
が前記した前者の水中防汚膜となる。
【0020】また、前記した後者の水中防汚膜を作製す
る場合には、上記水中防汚塗料組成物を被塗布材に塗布
し乾燥させて塗膜を形成した後、さらに、その塗膜を水
洗して乾燥させる必要がある。
【0021】このときの水洗は、工業用水、水道水、イ
オン交換水等の純水や海水等の塩水を用いて行う水洗の
ほか、無機酸又は有機酸を用いて行う酸洗、金属塩溶液
を用いて行う水洗等を含むものである。このような水洗
(酸洗)は、その水又は酸をスプレーする方法、その水
又は酸のなかに浸漬する浸漬法等によって行われる。ま
た、この水洗時間は10秒〜10分程度が好ましい。さ
らに、この水洗作業は、先の成膜組成物からなる膜を形
成してから遅くも数日間の時間が経過する前に行うこと
が望ましい。一方、この水洗を行った後の乾燥は、常温
〜330℃の温度下で10秒〜数日という乾燥時間で行
うことが好ましい。
【0022】この2種の水中防汚膜は、通常の塗膜とし
て使用する場合、水中防汚塗料組成物を塗布する被塗布
材は前述したような水中構造物となる。
【0023】なお、本発明の水中防汚塗料組成物を塗布
する被塗布材の表面(その被塗布材全体である場合も含
む)は、少なくとも海水又は淡水中での使用が可能な材
質からなるものであれば如何なる材質からなるものであ
ってもよく、その材質としては、例えば、アルミニウ
ム、鉄、ステンレス等の金属材料や、プラスチック、発
砲スチロール、ゴム、繊維等の有機材料やセラミックス
等の無機材料等が挙げられる。さらに、被塗布材の表面
は、水中防汚塗料組成物を塗布するに先立って、予め耐
食性を付与させる表面処理や、その塗料組成物との密着
性等の向上を図るための下地処理等の前処理を施しても
よい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例に基づい
て本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】実施例1〜20及び比較例1〜7 [水中防汚塗料組成物の調製]表1に示す種類及び量
(又は固形分比)のSiO2含有原料{アルカリ珪酸塩(M2
O ・n SiO2)又はコロイダルシリカ}、カルボキシル基
含有水溶性有機高分子及び光触媒用酸化チタンと必要に
応じて配合する表1に示す種類及び量の多価アルコール
とを、水性媒体としてのイオン交換水に添加して建浴
し、実施例1〜20及び比較例1〜4の水中防汚塗料組
成物をそれぞれ調製した。
【0026】表1に示すコロイダルシリカJは日産化学
(株)製:スノーテックスST-C(固形分20%)であり、
また、カルボキシル基含有水溶性有機高分子A〜Fは以
下のものである。すなわち、Aは平均分子量60000のポ
リアクリル酸カリウム(ロームアンドハース社製:アキ
ュマー1510、固形分25%をKOHで当量中和したもの)、
Bは平均分子量60000のポリアクリル酸ナトリウム(ロ
ームアンドハース社製:アキュマー1510、固形分25%を
NaOHで当量中和したもの)、Cは平均分子量60000のポ
リアクリル酸−ポリメタクリル酸共重合体(日本純薬
(株)製:ジュリマーAC-20H、固形分20%)、Dは平均
分子量60000のポリアクリル酸(ロームアンドハース社
製:アキュマー1510、固形分25%)、Eは平均分子量40
000のポリアクリル酸アンモニウム−ポリアクリル酸エ
ステル共重合体(日本純薬(株)製:ジュリマーAT-51
0、固形分30%をアンモニウム中和したもの)、Fは平
均分子量40000のポリアクリル酸−ポリアクリル酸エス
テル共重合体(日本純薬(株)製:ジュリマーAT-510、
固形分30%)である。さらに、表1に示す光触媒用酸化
チタンG,H,Iは、GがPW-1010 (触媒化成工業製:
固形分 8.8%)、HがSTS-21(石原産業(株)製:固形
分40%)、IがCSB-M(堺化学工業製: 固形分40%)であ
り、多価アルコールKはペンタエリスリトール(三井東
圧化学(株)製:ペントール)である。
【0027】[試験片の作製]アルミニウム板(JIS 10
50、 100×150×15mm)に膜厚10μmの陽極酸化皮膜
を形成したものを被塗布材として使用した。実施例1〜
12及び比較例1〜3では、この被塗布材の表面に、調
製した各水中防汚塗料組成物を乾燥後の膜厚が10μm
となるように塗布した後、250℃で20秒間乾燥させ
て、各実施例及び比較例に係る水中防汚膜をそれぞれ有
する各試験片を得た。また、実施例13〜20及び比較
例4では、上記アルミニウム板の表面に、調製した各水
中防汚塗料組成物を乾燥後の膜厚が10μmとなるよう
に塗布した後に250℃で20秒間乾燥させ、次いで、
塗布後のアルミニウム板を水道水に1分間浸漬して水洗
した後に180℃で1分間乾燥させて、各実施例及び比
較例に係る水中防汚膜をそれぞれ有する各試験片を得
た。さらに、参考のために、比較例5として前記した同
様のアルミニウム板そのものを、比較例6として前記し
た同様のアルミニウム板の表面に膜厚10μmの陽極酸
化皮膜を形成したものを、比較例7として塩化ビニル板
(100×150×15mm)そのものを、各比較例に係る試験片
として用意した。
【0028】
【表1】
【0029】[水中防汚膜の密着性試験]得られた実施
例1〜20及び比較例1〜4に係る試験片を用い、その
各試験片における水中防汚膜の湿潤時(wet)及び乾
燥時(dry)における密着性について次のような試験
を行った。すなわち、湿潤時における密着性試験は、各
試験片の水中防汚膜上に1mlの水滴をたらした後、そ
の膜面を指で10回こすった時の防汚膜の密着状態を調
べた。また、乾燥時における密着性試験は、各試験片の
水中防汚膜面をキムワイプで10回こすった時の防汚膜
の密着状態を調べた。そして、各試験により調べた防汚
膜の密着状態について、そのいずれの場合も、以下の基
準で評価した。このときの結果を表2に示す。 (評価基準) ◎:膜剥がれまったくなし ○:膜剥がれほとんどなし △:膜剥がれ少々あり
【0030】[防汚試験]また、得られた実施例1〜2
0及び比較例1〜7に係る試験片を用いて次のような防
汚試験を行った。すなわち、各試験片を清水市折戸湾の
海面下1.5mに浸漬し、1ヵ月経過後、3ヵ月経過後
及び6ヵ月経過後にそれぞれ引き上げて試験片の表面に
付着した生物の付着状況を観察し、以下の基準で評価し
た。その結果を表2に示す。 (評価基準) ◎:生物付着量(面積)が試験片の全表面積の5%未満 ○:生物付着量が試験片の全表面積の5%以上20%未
満 △:生物付着量が試験片の全表面積の20%以上50%
未満 ×:生物付着量が試験片の全表面積の50%以上70%
未満 ××:生物付着量が試験片の全表面積の70%以上
【0031】
【表2】
【0032】表2の「防汚膜の密着性」の結果から明ら
かなように、多価アルコールを配合した場合の防汚膜の
密着性(実施例9〜10、12、17〜18、20)
は、それを配合しない場合の密着性(実施例1〜8、1
1、13〜15、19)に比べて良好であった。なお、
実施例1の密着性が低いのはポリアクリル酸カリウム量
が相対的に多すぎることが影響しているもの推測され
る。また、水洗したもの(実施例13〜20) の密着性
は、水洗しないもの(実施例11、12)に比べて特に
湿潤時において良好であった。
【0033】また、表2の「水中生物の付着状況」の結
果から明らかなように、実施例1〜20では、水中生物
の付着がほとんどみられず、長期間にわたって試験当初
の清浄な表面状態が維持されていた。特に、水中生物の
付着を防止する防汚効果は6ヵ月後においてもより確実
に得られているが、これは光触媒用酸化チタンを配合し
たことにより、その酸化チタンの光触媒作用が相乗的に
発揮されていることに起因しているものと推測される。
なお、実施例1、13では、他の実施例とは異なり、6
ヵ月後の段階において水中生物の付着が少々認められた
が、これはともに皮膜の密着性がやや弱い等の理由によ
るもと推測されるが、そのいずれの結果も実用上は何ら
支障のないレベルのものであった。これに対し、水中防
汚皮膜を有していない比較例5〜7(防汚膜を形成しな
い例)では言うに及ばず、水中防汚皮膜を有している比
較例1〜4であっても、その皮膜に関する表1のSiO2
カルボキシル基含有水溶性有機高分子又はその塩の固形
分比が0.1未満かあるいは100より大きい場合に
は、多量の水中生物が付着した。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水中防汚
塗料組成物及び水中防汚膜は、有機スズ化合物や重金属
含有化合物を含有するものではないので安全性が高いも
のであり、しかも、水中生物の水中構造物への不要な付
着を確実にかつ持続して防止することができる。特に、
光触媒用酸化チタンの含有により、上記したような水中
生物の付着を防止する防汚効果をより確実にしかも継続
して得ることができる。また、SiO2/カルボキシル基含
有水溶性有機高分子又はその塩の固形分比を特定の範囲
に設定したり、あるいは、特定の非環式多価アルコール
を配合した場合には、その防汚膜の密着性がより向上
し、また防汚効果がより確実に持続して得られるように
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 EA011 GA06 HA446 HA456 JA20 JA21 KA04 NA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有する水溶性有機高分
    子又はその塩とアルカリ珪酸塩又はSiO2と光触媒用酸化
    チタンとを必須成分として含有していることを特徴とす
    る水中防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】 アルカリ珪酸塩又はSiO2を、SiO2/水溶
    性有機高分子又はその塩の固形分比が0.1〜100と
    なるように配合している請求項1記載の水中防汚塗料組
    成物。
  3. 【請求項3】 光触媒用酸化チタンを、SiO2/光触媒用
    酸化チタンの固形分比が0.01〜100となるように
    配合している請求項1記載の水中防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】 アルカリ珪酸塩は一般式M2O ・n SiO2
    示されるものであり、その式中のMがリチウム、ナトリ
    ウム、カリウム又は四級アンモニウムであり、かつ、n
    が0.5以上である請求項1記載の水中防汚塗料組成
    物。
  5. 【請求項5】 3つ以上の一級アルコールを分子内に有
    する3価以上の非環式多価アルコールを配合している請
    求項1記載の水中防汚塗料組成物。
  6. 【請求項6】 非環式多価アルコールが、トリメチロー
    ルエタン、トリメチロールプロパン又はペンタエリスリ
    トールである請求項5記載の水中防汚塗料組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の水中防
    汚塗料組成物を被塗布材に塗布した後に乾燥させた塗膜
    からなることを特徴とする水中防汚膜。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の水中防
    汚塗料組成物を被塗布材に塗布して乾燥させた後にその
    塗膜を水洗して乾燥させた膜からなることを特徴とする
    水中防汚膜。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000256579A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Nippon Light Metal Co Ltd 親水性塗料組成物及びその組成物からなる親水性皮膜
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