JP2000239433A - シンタクチックフォームの製造方法 - Google Patents
シンタクチックフォームの製造方法Info
- Publication number
- JP2000239433A JP2000239433A JP11039699A JP3969999A JP2000239433A JP 2000239433 A JP2000239433 A JP 2000239433A JP 11039699 A JP11039699 A JP 11039699A JP 3969999 A JP3969999 A JP 3969999A JP 2000239433 A JP2000239433 A JP 2000239433A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- syntactic foam
- polyimide precursor
- polyimide
- solvent
- solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性及び加工性に優れたシンタクチックフ
ォームの製造方法を提供する。 【解決手段】 固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポ
リイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散し、次
いで得られた分散液から溶媒を除去し、しかる後に上記
ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミド樹脂とな
し、次いで上記ポリイミド樹脂を粉砕して粉末となし、
しかる後に得られた粉末を加熱成形することを特徴とす
るシンタクチックフォームの製造方法。
ォームの製造方法を提供する。 【解決手段】 固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポ
リイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散し、次
いで得られた分散液から溶媒を除去し、しかる後に上記
ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミド樹脂とな
し、次いで上記ポリイミド樹脂を粉砕して粉末となし、
しかる後に得られた粉末を加熱成形することを特徴とす
るシンタクチックフォームの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性及び加工性に
優れたシンタクチックフォームの製造方法に関するもの
である。
優れたシンタクチックフォームの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、シンタクチックフォームはマト
リクス樹脂中に低密度の球状充填材を分散して埋め込ま
れた構成となっている。このシンタクチックフォーム
は、特開昭49-58162号公報、特開昭50-22869号公報、特
開昭54-46244号公報、特開昭59-199729 号公報、特開平
2-218715号公報等に開示されているように、マイクロバ
ルーンを混合分散した液状の熱硬化性樹脂を加熱硬化し
て成形される。しかし、ここで使用されているマトリク
ス樹脂はエポキシ樹脂などの耐熱性に欠ける樹脂である
ので、これから得られるシンタクチックフォームは耐熱
性が低いという問題があった。
リクス樹脂中に低密度の球状充填材を分散して埋め込ま
れた構成となっている。このシンタクチックフォーム
は、特開昭49-58162号公報、特開昭50-22869号公報、特
開昭54-46244号公報、特開昭59-199729 号公報、特開平
2-218715号公報等に開示されているように、マイクロバ
ルーンを混合分散した液状の熱硬化性樹脂を加熱硬化し
て成形される。しかし、ここで使用されているマトリク
ス樹脂はエポキシ樹脂などの耐熱性に欠ける樹脂である
ので、これから得られるシンタクチックフォームは耐熱
性が低いという問題があった。
【0003】これに対して、耐熱性に優れるポリイミド
樹脂をマトリクスとして利用することも提案されてい
る。例えば特公昭54-4389 号公報には、線状ポリイミド
溶液とマイクロバルーンとからシンタクチックフォーム
を製造する方法が開示されている。しかし、ここではポ
リイミド溶液とマイクロバルーンとからなるパテ状混合
物を成形後、加熱して溶媒を除去するため、シンタクチ
ックフォームのマトリクス内部に空孔が生成するという
問題があった。すなわち、前述した熱硬化性樹脂は熱硬
化前の粘度が低いため、樹脂とマイクロバルーンの混合
攪拌が容易であるのに対し、線状ポリイミドのような熱
可塑性樹脂は一般にマイクロバルーンを破砕せずに樹脂
と混合できる程溶融粘度が低くないため、溶媒を添加
し、溶液としておかなければ、樹脂とマイクロバルーン
とを混合攪拌できないものであった。したがって、この
ような溶液から製造したシンタクチックフォームは、成
形時に多量の溶媒を除去しなければならないので、前記
のような問題を生じていた。
樹脂をマトリクスとして利用することも提案されてい
る。例えば特公昭54-4389 号公報には、線状ポリイミド
溶液とマイクロバルーンとからシンタクチックフォーム
を製造する方法が開示されている。しかし、ここではポ
リイミド溶液とマイクロバルーンとからなるパテ状混合
物を成形後、加熱して溶媒を除去するため、シンタクチ
ックフォームのマトリクス内部に空孔が生成するという
問題があった。すなわち、前述した熱硬化性樹脂は熱硬
化前の粘度が低いため、樹脂とマイクロバルーンの混合
攪拌が容易であるのに対し、線状ポリイミドのような熱
可塑性樹脂は一般にマイクロバルーンを破砕せずに樹脂
と混合できる程溶融粘度が低くないため、溶媒を添加
し、溶液としておかなければ、樹脂とマイクロバルーン
とを混合攪拌できないものであった。したがって、この
ような溶液から製造したシンタクチックフォームは、成
形時に多量の溶媒を除去しなければならないので、前記
のような問題を生じていた。
【0004】一方、特開平6-157807号公報、特開平6-15
7808号公報には、三次元架橋する熱硬化性ポリイミド樹
脂の粉末とマイクロバルーンとを加熱硬化してなるシン
タクチックフォームが開示されているが、ここで用いら
れるポリイミド樹脂は線状のポリイミドとは異なる三次
元架橋した熱硬化性ポリイミド樹脂であるので、このシ
ンタクチックフォームは、さらに加熱して加工すること
が困難であり、その用途が限定されていた。
7808号公報には、三次元架橋する熱硬化性ポリイミド樹
脂の粉末とマイクロバルーンとを加熱硬化してなるシン
タクチックフォームが開示されているが、ここで用いら
れるポリイミド樹脂は線状のポリイミドとは異なる三次
元架橋した熱硬化性ポリイミド樹脂であるので、このシ
ンタクチックフォームは、さらに加熱して加工すること
が困難であり、その用途が限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、耐熱性及び加工性に優れたシンタクチックフォーム
の製造方法を提供することにある。
は、耐熱性及び加工性に優れたシンタクチックフォーム
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、固形分濃
度が高いすなわち溶媒含量の少ない線状芳香族ポリイミ
ド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散し、溶媒を除
去した後に成形することによって上記課題が解決するこ
とを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポリイミド前駆体
の溶液にマイクロバルーンを分散し、次いで得られた分
散液から溶媒を除去し、しかる後に上記ポリイミド前駆
体をイミド化してポリイミド樹脂となし、次いで上記ポ
リイミド樹脂を粉砕して粉末となし、しかる後に得られ
た粉末を加熱成形することを特徴とするシンタクチック
フォームの製造方法、及び固形分濃度60重量%以上の線
状芳香族ポリイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを
分散し、次いで得られた分散液から溶媒を除去し、しか
る後に上記ポリイミド前駆体を粉砕して粉末となし、次
いで上記ポリイミド前駆体の粉末を加熱成形し、しかる
後に上記ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミド樹
脂となすことを特徴とするシンタクチックフォームの製
造方法を要旨とする。
度が高いすなわち溶媒含量の少ない線状芳香族ポリイミ
ド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散し、溶媒を除
去した後に成形することによって上記課題が解決するこ
とを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポリイミド前駆体
の溶液にマイクロバルーンを分散し、次いで得られた分
散液から溶媒を除去し、しかる後に上記ポリイミド前駆
体をイミド化してポリイミド樹脂となし、次いで上記ポ
リイミド樹脂を粉砕して粉末となし、しかる後に得られ
た粉末を加熱成形することを特徴とするシンタクチック
フォームの製造方法、及び固形分濃度60重量%以上の線
状芳香族ポリイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを
分散し、次いで得られた分散液から溶媒を除去し、しか
る後に上記ポリイミド前駆体を粉砕して粉末となし、次
いで上記ポリイミド前駆体の粉末を加熱成形し、しかる
後に上記ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミド樹
脂となすことを特徴とするシンタクチックフォームの製
造方法を要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシンタクチックフォームの製造方法は、固形分
濃度が60重量%以上と高い濃度の線状芳香族ポリイミド
前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散してなる分散液
から溶媒を除去し、これを加熱成形するものであるが、
ここで、線状芳香族ポリイミド前駆体は加熱することに
よってポリイミドを形成するものである。したがって、
本発明の製造方法によって得られるシンタクチックフォ
ームは線状芳香族ポリイミド樹脂をマトリックスとし、
これにマイクロバルーンが分散されているものである。
本発明のシンタクチックフォームの製造方法は、固形分
濃度が60重量%以上と高い濃度の線状芳香族ポリイミド
前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散してなる分散液
から溶媒を除去し、これを加熱成形するものであるが、
ここで、線状芳香族ポリイミド前駆体は加熱することに
よってポリイミドを形成するものである。したがって、
本発明の製造方法によって得られるシンタクチックフォ
ームは線状芳香族ポリイミド樹脂をマトリックスとし、
これにマイクロバルーンが分散されているものである。
【0008】本発明においてシンタクチックフォームを
構成するポリイミドは、熱可塑性を示すポリイミドであ
り、カルボン酸成分とジアミン成分がそれぞれ芳香族か
らなる線状芳香族ポリイミドである。すなわちカルボン
酸成分が芳香族テトラカルボン酸成分、ジアミン成分が
芳香族ジアミン成分である線状芳香族ポリイミドであ
る。芳香族テトラカルボン酸成分としては、たとえば4,
4'−オキシジフタル酸又はその酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸又はその酸二無水物、ピロメリッ
ト酸又はその酸二無水物、ビス(3,4 −ジカルボキシフ
ェニル)スルホン又はその酸無水物、3,3',4,4'-ビフェ
ニルテトラカルボン酸又はその酸無水物、2,3,3',4'-ビ
フェニルテトラカルボン酸又はその酸無水物、2,3,6,7-
ナフタレンテトラカルボン酸又はその酸無水物、2,2-ビ
ス(4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパ
ン又はその無水物等が挙げられる。好ましくは4,4'−オ
キシジフタル酸又はその酸二無水物を単独又は他の芳香
族テトラカルボン酸と併用するのがよい。
構成するポリイミドは、熱可塑性を示すポリイミドであ
り、カルボン酸成分とジアミン成分がそれぞれ芳香族か
らなる線状芳香族ポリイミドである。すなわちカルボン
酸成分が芳香族テトラカルボン酸成分、ジアミン成分が
芳香族ジアミン成分である線状芳香族ポリイミドであ
る。芳香族テトラカルボン酸成分としては、たとえば4,
4'−オキシジフタル酸又はその酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸又はその酸二無水物、ピロメリッ
ト酸又はその酸二無水物、ビス(3,4 −ジカルボキシフ
ェニル)スルホン又はその酸無水物、3,3',4,4'-ビフェ
ニルテトラカルボン酸又はその酸無水物、2,3,3',4'-ビ
フェニルテトラカルボン酸又はその酸無水物、2,3,6,7-
ナフタレンテトラカルボン酸又はその酸無水物、2,2-ビ
ス(4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパ
ン又はその無水物等が挙げられる。好ましくは4,4'−オ
キシジフタル酸又はその酸二無水物を単独又は他の芳香
族テトラカルボン酸と併用するのがよい。
【0009】芳香族ジアミン成分としては、たとえば3,
4'−オキシジアニリン、4,4'−オキシジアニリン、4,4'
−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノベンゾフェ
ノン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニ
ルアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジ
アミン、ジアミノビフェニル、ジアミノターフェニル、
1,3-ビス(パラアミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス
(メタアミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(パラ
アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(メタアミ
ノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(パラアミノフ
ェノキシ)ジフェニルスルホン等が挙げられる。好まし
くは3,4'−オキシジアニリンを単独又は他の芳香族ジア
ミン成分と併用するのがよい。芳香族テトラカルボン酸
成分としての4,4'−オキシジフタル酸成分と芳香族ジア
ミン成分としての3,4'−オキシジアニリン成分とから構
成される線状芳香族ポリイミドが好ましい。具体的には
4,4'−オキシジフタル酸成分としては4,4'−オキシジフ
タル酸ジアルキルエステル、3,4'−オキシジアニリンが
好ましく用いられる。
4'−オキシジアニリン、4,4'−オキシジアニリン、4,4'
−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノベンゾフェ
ノン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニ
ルアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジ
アミン、ジアミノビフェニル、ジアミノターフェニル、
1,3-ビス(パラアミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス
(メタアミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(パラ
アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(メタアミ
ノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(パラアミノフ
ェノキシ)ジフェニルスルホン等が挙げられる。好まし
くは3,4'−オキシジアニリンを単独又は他の芳香族ジア
ミン成分と併用するのがよい。芳香族テトラカルボン酸
成分としての4,4'−オキシジフタル酸成分と芳香族ジア
ミン成分としての3,4'−オキシジアニリン成分とから構
成される線状芳香族ポリイミドが好ましい。具体的には
4,4'−オキシジフタル酸成分としては4,4'−オキシジフ
タル酸ジアルキルエステル、3,4'−オキシジアニリンが
好ましく用いられる。
【0010】本発明におけるシンタクチックフォームを
構成するマイクロバルーンは、中空球状をなすものであ
り、例えばガラス、カーボン等の無機物、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の有機ポリマー
等から製造されるものを使用することができる。これら
のうち、線状芳香族ポリイミド樹脂のガラス転移温度以
上の耐熱性を有するマイクロバルーンが好ましい。マイ
クロバルーンはポリイミド樹脂マトリクス中に均一に分
散されている。マイクロバルーンの重量比率はシンタク
チックフォームに対して50%以下とすることができ、好
ましくは1〜50%がよい。1%未満であると、マイクロ
バルーンの特性を生かし難く、50%を超えると欠陥のな
い成形物を得ることが困難になることがある。
構成するマイクロバルーンは、中空球状をなすものであ
り、例えばガラス、カーボン等の無機物、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の有機ポリマー
等から製造されるものを使用することができる。これら
のうち、線状芳香族ポリイミド樹脂のガラス転移温度以
上の耐熱性を有するマイクロバルーンが好ましい。マイ
クロバルーンはポリイミド樹脂マトリクス中に均一に分
散されている。マイクロバルーンの重量比率はシンタク
チックフォームに対して50%以下とすることができ、好
ましくは1〜50%がよい。1%未満であると、マイクロ
バルーンの特性を生かし難く、50%を超えると欠陥のな
い成形物を得ることが困難になることがある。
【0011】本発明のシンタクチックフォームの製造方
法においては、まず、固形分濃度60重量%以上の線状芳
香族ポリイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散
する。固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポリイミド
前駆体の溶液を調製するに際しては、反応容器に芳香族
テトラカルボン酸二無水物、末端封止剤としてフタル
酸、及び溶媒として低沸点有機溶剤を入れて混合する。
低沸点有機溶剤としては、沸点120 ℃以下のものが好ま
しい。たとえば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、メチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等を挙げる
ことができ、より好ましくはメチルアルコールとテトラ
ヒドロフランを組合わせて使用するのがよい。次いで、
低沸点有機溶剤の沸点以上の温度に加熱することによっ
て芳香族テトラカルボン酸メチルエステル等のアルキル
エステルが系内で生成する。得られた溶液に芳香族ジア
ミンを添加し、さらに低沸点有機溶剤の沸点以上の温度
で加熱し攪拌する。このようにして芳香族テトラカルボ
ン酸ジアルキルエステル、芳香族ジアミン及び溶媒から
なる芳香族ポリイミド前駆体の溶液が得られるが、この
溶液における固形分濃度は60重量%以上とする。これよ
り低い濃度では、溶媒が後述の固形物内に残留し、成形
後のシンタクチックフォームのマトリクス樹脂内に空孔
を生ずることがある。この固形分濃度の上限は98重量%
が好ましく、これを超えると後述のマイクロバルーンと
の混合攪拌時にマイクロバルーンを砕くおそれがある。
法においては、まず、固形分濃度60重量%以上の線状芳
香族ポリイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散
する。固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポリイミド
前駆体の溶液を調製するに際しては、反応容器に芳香族
テトラカルボン酸二無水物、末端封止剤としてフタル
酸、及び溶媒として低沸点有機溶剤を入れて混合する。
低沸点有機溶剤としては、沸点120 ℃以下のものが好ま
しい。たとえば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、メチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等を挙げる
ことができ、より好ましくはメチルアルコールとテトラ
ヒドロフランを組合わせて使用するのがよい。次いで、
低沸点有機溶剤の沸点以上の温度に加熱することによっ
て芳香族テトラカルボン酸メチルエステル等のアルキル
エステルが系内で生成する。得られた溶液に芳香族ジア
ミンを添加し、さらに低沸点有機溶剤の沸点以上の温度
で加熱し攪拌する。このようにして芳香族テトラカルボ
ン酸ジアルキルエステル、芳香族ジアミン及び溶媒から
なる芳香族ポリイミド前駆体の溶液が得られるが、この
溶液における固形分濃度は60重量%以上とする。これよ
り低い濃度では、溶媒が後述の固形物内に残留し、成形
後のシンタクチックフォームのマトリクス樹脂内に空孔
を生ずることがある。この固形分濃度の上限は98重量%
が好ましく、これを超えると後述のマイクロバルーンと
の混合攪拌時にマイクロバルーンを砕くおそれがある。
【0012】上記の芳香族ポリイミド前駆体の溶液にマ
イクロバルーンを分散させるには、上記の芳香族ポリイ
ミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを所望量添加し、
均一に分散するまで攪拌を続けてスラリー状の分散液を
得る。次いで、得られた分散液から溶媒を除去するが、
溶媒の除去に際しては、容器からスラリー状の分散液を
取り出し、例えばオーブン中80〜 120℃で1〜30時間加
熱して低沸点有機溶媒や揮発性の反応副生成物を除去す
る。次いで、溶媒が除去された上記ポリイミド前駆体を
イミド化してポリイミド樹脂となすが、イミド化は例え
ば 150〜 250℃で1〜30時間加熱することによって行
う。また、ポリイミド前駆体のイミド化は上記の溶媒の
除去と同時に行ってもよい。かくして、マイクロバルー
ンを含有した固形状のポリイミド樹脂が得られる。
イクロバルーンを分散させるには、上記の芳香族ポリイ
ミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを所望量添加し、
均一に分散するまで攪拌を続けてスラリー状の分散液を
得る。次いで、得られた分散液から溶媒を除去するが、
溶媒の除去に際しては、容器からスラリー状の分散液を
取り出し、例えばオーブン中80〜 120℃で1〜30時間加
熱して低沸点有機溶媒や揮発性の反応副生成物を除去す
る。次いで、溶媒が除去された上記ポリイミド前駆体を
イミド化してポリイミド樹脂となすが、イミド化は例え
ば 150〜 250℃で1〜30時間加熱することによって行
う。また、ポリイミド前駆体のイミド化は上記の溶媒の
除去と同時に行ってもよい。かくして、マイクロバルー
ンを含有した固形状のポリイミド樹脂が得られる。
【0013】次いで、上記ポリイミド樹脂を粉砕して粉
末とする。ポリイミド樹脂を粉砕するに際しては、乳鉢
等が用いられる。しかる後に、このようにして得られた
マイクロバルーンを含有する線状芳香族ポリイミド樹脂
の粉末を加熱成形する。ポリイミド樹脂の粉末の加熱成
形は、例えば成形型に充填して、プレス成形機などによ
り250 〜320 ℃の温度で10分間〜3時間熱圧縮成形する
ことによって行われ、かくしてシンタクチックフォーム
が得られる。
末とする。ポリイミド樹脂を粉砕するに際しては、乳鉢
等が用いられる。しかる後に、このようにして得られた
マイクロバルーンを含有する線状芳香族ポリイミド樹脂
の粉末を加熱成形する。ポリイミド樹脂の粉末の加熱成
形は、例えば成形型に充填して、プレス成形機などによ
り250 〜320 ℃の温度で10分間〜3時間熱圧縮成形する
ことによって行われ、かくしてシンタクチックフォーム
が得られる。
【0014】また、次の方法によってもシンタクチック
フォームを得ることができる。上記と同様にして線状芳
香族ポリイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分
散、溶媒除去した後、上記ポリイミド前駆体を粉砕して
粉末とする。次いで、このポリイミド前駆体の粉末をイ
ミド化する。このイミド化は例えば150〜 250℃の温度
で1分間〜30時間加熱することによって行われる。この
ようにしてもマイクロバルーンを含有する線状芳香族ポ
リイミド樹脂の粉末が得られ、これから上記と同様にし
てシンタクチックフォームが得られる。
フォームを得ることができる。上記と同様にして線状芳
香族ポリイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分
散、溶媒除去した後、上記ポリイミド前駆体を粉砕して
粉末とする。次いで、このポリイミド前駆体の粉末をイ
ミド化する。このイミド化は例えば150〜 250℃の温度
で1分間〜30時間加熱することによって行われる。この
ようにしてもマイクロバルーンを含有する線状芳香族ポ
リイミド樹脂の粉末が得られ、これから上記と同様にし
てシンタクチックフォームが得られる。
【0015】本発明においては、線状芳香族ポリイミド
前駆体を用いるので、これをイミド化したポリイミド樹
脂の粉末は一定温度域で融点を有しているため、粉末同
士が融着したシンタクチックフォームが形成される。上
記のマイクロバルーンを含有するポリイミド樹脂の粉末
は射出成形、押出し成形等の成形方法によって、所望の
形状に加工することもできる。
前駆体を用いるので、これをイミド化したポリイミド樹
脂の粉末は一定温度域で融点を有しているため、粉末同
士が融着したシンタクチックフォームが形成される。上
記のマイクロバルーンを含有するポリイミド樹脂の粉末
は射出成形、押出し成形等の成形方法によって、所望の
形状に加工することもできる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 反応容器に4,4'−オキシジフタル酸二無水物452.7g及び
フタル酸29.9g を入れ、これにメチルアルコール216g、
テトラヒドロフラン120g及びジメチルアミノエタノール
8.9gを添加して50℃で1時間攪拌し、次いで4,4'−オキ
シジフタル酸二無水物450gを加えて更に70℃で3時間攪
拌した。次いで、得られた溶液に3,4'−オキシジアニリ
ン600.7gを添加し、75℃で2時間攪拌して固形分重量92
重量%のポリイミド前駆体溶液を調製した。次いで、こ
のポリイミド前駆体溶液に平均粒子径60μmのガラスマ
イクロバルーン(スリーエム社製スコッチライトグラス
バブルズK15 )を70g 加え、マイクロバルーンがポリイ
ミド前駆体溶液に均一に分散するまで攪拌を続けてマイ
クロバルーンの分散液を調製した。しかる後に、容器か
らスラリー状の分散液を取り出し、100 ℃に加熱された
オーブン中に投入し、14時間加熱してポリイミド前駆体
中にマイクロバルーンが分散している固形物を得た。得
られた固形物を乳鉢で粉砕して粉末となし、さらにオー
ブンで200 ℃3時間加熱してマイクロバルーンを含有し
たポリイミド樹脂粉末を得た。次いで、これを成形型に
充填し、プレス成形機により310 ℃で30分間成形してシ
ンタクチックフォームを得た。得られたシンタクチック
フォームの密度は1.00g/cm3 であった。
る。 実施例1 反応容器に4,4'−オキシジフタル酸二無水物452.7g及び
フタル酸29.9g を入れ、これにメチルアルコール216g、
テトラヒドロフラン120g及びジメチルアミノエタノール
8.9gを添加して50℃で1時間攪拌し、次いで4,4'−オキ
シジフタル酸二無水物450gを加えて更に70℃で3時間攪
拌した。次いで、得られた溶液に3,4'−オキシジアニリ
ン600.7gを添加し、75℃で2時間攪拌して固形分重量92
重量%のポリイミド前駆体溶液を調製した。次いで、こ
のポリイミド前駆体溶液に平均粒子径60μmのガラスマ
イクロバルーン(スリーエム社製スコッチライトグラス
バブルズK15 )を70g 加え、マイクロバルーンがポリイ
ミド前駆体溶液に均一に分散するまで攪拌を続けてマイ
クロバルーンの分散液を調製した。しかる後に、容器か
らスラリー状の分散液を取り出し、100 ℃に加熱された
オーブン中に投入し、14時間加熱してポリイミド前駆体
中にマイクロバルーンが分散している固形物を得た。得
られた固形物を乳鉢で粉砕して粉末となし、さらにオー
ブンで200 ℃3時間加熱してマイクロバルーンを含有し
たポリイミド樹脂粉末を得た。次いで、これを成形型に
充填し、プレス成形機により310 ℃で30分間成形してシ
ンタクチックフォームを得た。得られたシンタクチック
フォームの密度は1.00g/cm3 であった。
【0017】実施例2 マイクロバルーンとして平均粒子径35μmのガラスマイ
クロバルーン(スリーエム社製スコッチライトグラスバ
ブルズS22 )を用いた以外は実施例1と同様にしてシン
タクチックフォームを得た。得られたシンタクチックフ
ォームの密度は1.12g/cm3 であった。
クロバルーン(スリーエム社製スコッチライトグラスバ
ブルズS22 )を用いた以外は実施例1と同様にしてシン
タクチックフォームを得た。得られたシンタクチックフ
ォームの密度は1.12g/cm3 であった。
【0018】実施例3 実施例1と同様にしてポリイミド前駆体中にマイクロバ
ルーンが分散している固形物を得た。得られた固形物を
オーブン中で 200℃で3時間加熱してマイクロバルーン
を含有したポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド
樹脂を乳鉢で粉砕して粉末となした。次いで、これを実
施例1と同様にして成形しシンタクチックフォームを得
た。得られたシンタクチックフォームの密度は1.05g/cm
3 であった。
ルーンが分散している固形物を得た。得られた固形物を
オーブン中で 200℃で3時間加熱してマイクロバルーン
を含有したポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド
樹脂を乳鉢で粉砕して粉末となした。次いで、これを実
施例1と同様にして成形しシンタクチックフォームを得
た。得られたシンタクチックフォームの密度は1.05g/cm
3 であった。
【0019】実施例1、2及び3で得られたシンタクチ
ックフォームを切断してその切断面を調べたところ、ガ
ラスマイクロバルーンがポリイミド樹脂に均一に分散さ
れた品質に優れたシンタクチックフォームであった。
ックフォームを切断してその切断面を調べたところ、ガ
ラスマイクロバルーンがポリイミド樹脂に均一に分散さ
れた品質に優れたシンタクチックフォームであった。
【0020】
【発明の効果】本発明のシンタクチックフォームの製造
方法によると、マトリクス樹脂として線状芳香族ポリイ
ミド樹脂を用いるので、耐熱性、熱加工性に優れたシン
タクチックフォームを容易に得ることができ、また、シ
ンタクチックフォーム成形時に溶媒を発生することがな
いので、マトリクス樹脂中に空孔を生じることなく、大
型品を製造することができる。したがって、本発明のシ
ンタクチックフォームは航空宇宙材料、海洋材料、自動
車部品などの用途に好適に利用することができる。
方法によると、マトリクス樹脂として線状芳香族ポリイ
ミド樹脂を用いるので、耐熱性、熱加工性に優れたシン
タクチックフォームを容易に得ることができ、また、シ
ンタクチックフォーム成形時に溶媒を発生することがな
いので、マトリクス樹脂中に空孔を生じることなく、大
型品を製造することができる。したがって、本発明のシ
ンタクチックフォームは航空宇宙材料、海洋材料、自動
車部品などの用途に好適に利用することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポ
リイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散し、次
いで得られた分散液から溶媒を除去し、しかる後に上記
ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミド樹脂とな
し、次いで上記ポリイミド樹脂を粉砕して粉末となし、
しかる後に得られた粉末を加熱成形することを特徴とす
るシンタクチックフォームの製造方法。 - 【請求項2】 固形分濃度60重量%以上の線状芳香族ポ
リイミド前駆体の溶液にマイクロバルーンを分散し、次
いで得られた分散液から溶媒を除去し、しかる後に上記
ポリイミド前駆体を粉砕して粉末となし、次いで上記ポ
リイミド前駆体の粉末を加熱成形し、しかる後に上記ポ
リイミド前駆体をイミド化してポリイミド樹脂となすこ
とを特徴とするシンタクチックフォームの製造方法。 - 【請求項3】 線状芳香族ポリイミド前駆体の溶液が芳
香族テトラカルボン酸ジアルキルエステル、芳香族ジア
ミン及び溶媒とからなることを特徴とする請求項1又は
2記載のシンタクチックフォームの製造方法。 - 【請求項4】 芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエス
テルが4,4'−オキシジフタル酸ジアルキルエステル、芳
香族ジアミンが3,4'−オキシジアニリンであることを特
徴とする請求項3記載のシンタクチックフォームの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11039699A JP2000239433A (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | シンタクチックフォームの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11039699A JP2000239433A (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | シンタクチックフォームの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000239433A true JP2000239433A (ja) | 2000-09-05 |
Family
ID=12560278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11039699A Pending JP2000239433A (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | シンタクチックフォームの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000239433A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104130411A (zh) * | 2014-08-01 | 2014-11-05 | 黑龙江省科学院高技术研究院 | 一种中空结构的聚酰亚胺复合微球的制备方法 |
JP2018520313A (ja) * | 2015-06-12 | 2018-07-26 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 浮力モジュール |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP11039699A patent/JP2000239433A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104130411A (zh) * | 2014-08-01 | 2014-11-05 | 黑龙江省科学院高技术研究院 | 一种中空结构的聚酰亚胺复合微球的制备方法 |
JP2018520313A (ja) * | 2015-06-12 | 2018-07-26 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 浮力モジュール |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1114079B1 (en) | Hollow polyimide microspheres | |
US6133330A (en) | Aromatic polyimide foam | |
EP0048079A2 (en) | Method of preparing polyimides and polyimide precursors | |
DE60115992T2 (de) | Aromatischer Polyimidschaum | |
JPH0417222B2 (ja) | ||
EP2121817B1 (en) | Porous infusible polymer parts | |
CN102964834A (zh) | 一种耐高温高抗压缩交联型聚酰亚胺类泡沫材料及其制备方法与应用 | |
US6784276B1 (en) | High-solids polyimide precursor solutions | |
US4247443A (en) | Aromatic polyimide resin composition | |
JP3485936B2 (ja) | 固体状ポリイミド前駆体 | |
JPS6126926B2 (ja) | ||
JP2000239433A (ja) | シンタクチックフォームの製造方法 | |
JPH0812346A (ja) | 連結シリカ球状粒子からなる三次元網状構造体と樹脂とによる相互貫入型複合体およびその製造方法 | |
JPH0733875A (ja) | 高結晶性ポリイミドパウダー及びその製造方法 | |
JP2000239524A (ja) | 繊維強化ポリイミド樹脂組成物及びその製造方法 | |
DE2114924A1 (de) | Verfahren zur Herstellung von Polyimid Prepolymeren | |
US8114317B2 (en) | Polyimide powder for antistatic polyimide molded product and polyimide molded product thereby | |
JP2000119437A (ja) | シンタクチックフォーム及びその製造方法 | |
JP2011131455A (ja) | ポリイミド成形体の製造方法 | |
JPH06157808A (ja) | シンタックチックフォームの製造方法 | |
CN85103494A (zh) | 芳香族聚酰亚胺组合物 | |
JPH04211440A (ja) | ポリイミドフオーム生成物及び方法 | |
JP3075472B2 (ja) | ポリイミド/エポキシ樹脂複合体及びその製法 | |
JPH06157809A (ja) | シンタックチックフォーム | |
JP6645232B2 (ja) | ポリイミド発泡体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |