JP2000237545A - ホウ素同位体分離剤及びその製造方法 - Google Patents
ホウ素同位体分離剤及びその製造方法Info
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- JP2000237545A JP2000237545A JP11043134A JP4313499A JP2000237545A JP 2000237545 A JP2000237545 A JP 2000237545A JP 11043134 A JP11043134 A JP 11043134A JP 4313499 A JP4313499 A JP 4313499A JP 2000237545 A JP2000237545 A JP 2000237545A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ホウ素同位体混合物から、10B及び11Bをそ
れぞれ効率よく分離しうる優れた分離能を有するホウ素
同位体分離剤及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (Yは非水溶性高分子担体、Xはホウ素吸着性官能基、
Rは水素原子、アルキル基又はホウ素吸着性官能基)で
表わされる化学構造を有する物質からなるホウ素同位体
分離剤とすると共に、2,3‐エポキシ‐1‐プロピル
基又は3‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基
をもつ非水溶性高分子担体に、一般式 X−NH−R
(X及びYは前記と同じ意味をもつ)で表わされるアミ
ン類を反応させて、上記ホウ素同位体分離剤を製造す
る。
れぞれ効率よく分離しうる優れた分離能を有するホウ素
同位体分離剤及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (Yは非水溶性高分子担体、Xはホウ素吸着性官能基、
Rは水素原子、アルキル基又はホウ素吸着性官能基)で
表わされる化学構造を有する物質からなるホウ素同位体
分離剤とすると共に、2,3‐エポキシ‐1‐プロピル
基又は3‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基
をもつ非水溶性高分子担体に、一般式 X−NH−R
(X及びYは前記と同じ意味をもつ)で表わされるアミ
ン類を反応させて、上記ホウ素同位体分離剤を製造す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なホウ素同位体
分離剤及びその製造方法、さらに詳しくは、ホウ素同位
体混合物から、質量数10のホウ素同位体と質量数11
のホウ素同位体をそれぞれ効率よく、かつ経済的に分離
しうる優れた分離能を有するホウ素同位体分離剤及びそ
の製造方法に関するものである。
分離剤及びその製造方法、さらに詳しくは、ホウ素同位
体混合物から、質量数10のホウ素同位体と質量数11
のホウ素同位体をそれぞれ効率よく、かつ経済的に分離
しうる優れた分離能を有するホウ素同位体分離剤及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ホウ素は中性子吸収断面積が高い
ことから(天然の同位体混合物で759バーン)、例え
ば原子炉制御材、あるいはガン治療などの放射線医療に
おいて重要な中性子捕獲材などとして注目されている。
天然にはホウ素同位体として、質量数10と質量数11
の2つの同位体(10B及び11B)が1:4の割合で存在
している。これらの同位体の中で、特に質量数10のホ
ウ素同位体は、中性子吸収断面積が大きいことから(3
813バーン)、熱中性子に対するコンパクトな遮蔽
材、高速中性子炉に対する制御材、放射線医療における
中性子捕獲材などとして極めて有用である。一方、質量
数11のホウ素同位体は、中性子吸収が起こらないこと
を利用して、原子炉の炉心構造材用の合金添加剤、熱蛍
光線量素子の原料などとして注目されている。このよう
な事情から、ホウ素同位体の混合物から、質量数10及
び質量数11のホウ素同位体をそれぞれ効率よく分離す
る技術の確立が強く要望されている。
ことから(天然の同位体混合物で759バーン)、例え
ば原子炉制御材、あるいはガン治療などの放射線医療に
おいて重要な中性子捕獲材などとして注目されている。
天然にはホウ素同位体として、質量数10と質量数11
の2つの同位体(10B及び11B)が1:4の割合で存在
している。これらの同位体の中で、特に質量数10のホ
ウ素同位体は、中性子吸収断面積が大きいことから(3
813バーン)、熱中性子に対するコンパクトな遮蔽
材、高速中性子炉に対する制御材、放射線医療における
中性子捕獲材などとして極めて有用である。一方、質量
数11のホウ素同位体は、中性子吸収が起こらないこと
を利用して、原子炉の炉心構造材用の合金添加剤、熱蛍
光線量素子の原料などとして注目されている。このよう
な事情から、ホウ素同位体の混合物から、質量数10及
び質量数11のホウ素同位体をそれぞれ効率よく分離す
る技術の確立が強く要望されている。
【0003】従来、ホウ素同位体の分離法としては、蒸
留法や吸着法などが行われている。そして、蒸留法とし
ては、三フッ化ホウ素とジメチルエーテルの錯化合物
[BF3・(CH3)2O]を平衡蒸留させる方法が最適で
あるといわれている。この方法は、上記錯化合物と一部
分解して生成するBF3間に成り立つ同位体交換平衡を
利用するもので、総括分離係数は1.016と高いが、
加熱のためのエネルギー消費量が多い上、腐食性が高
く、かつ水の存在しない系を必要とするため、装置が複
雑となり、分離コストが高くつくのを免れない。
留法や吸着法などが行われている。そして、蒸留法とし
ては、三フッ化ホウ素とジメチルエーテルの錯化合物
[BF3・(CH3)2O]を平衡蒸留させる方法が最適で
あるといわれている。この方法は、上記錯化合物と一部
分解して生成するBF3間に成り立つ同位体交換平衡を
利用するもので、総括分離係数は1.016と高いが、
加熱のためのエネルギー消費量が多い上、腐食性が高
く、かつ水の存在しない系を必要とするため、装置が複
雑となり、分離コストが高くつくのを免れない。
【0004】一方、吸着法は、化学交換反応により水溶
液から固相への吸着反応を利用した方法であって、常温
で操作できる上、装置が簡単であるため、同位体の分離
法として好ましい方法の1つであるが、ホウ素同位体分
離性能の高い吸着剤を使用することが必要であり、必ず
しも他の方法に比べて優れているとはいえない。これま
で、ホウ素吸着剤として、例えば強塩基性陰イオン交換
樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂及びグルカミン型キレ
ート樹脂などが検討されてきたが、ホウ素同位体分離係
数が1.020を超えるものは、まだ報告されていな
い。
液から固相への吸着反応を利用した方法であって、常温
で操作できる上、装置が簡単であるため、同位体の分離
法として好ましい方法の1つであるが、ホウ素同位体分
離性能の高い吸着剤を使用することが必要であり、必ず
しも他の方法に比べて優れているとはいえない。これま
で、ホウ素吸着剤として、例えば強塩基性陰イオン交換
樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂及びグルカミン型キレ
ート樹脂などが検討されてきたが、ホウ素同位体分離係
数が1.020を超えるものは、まだ報告されていな
い。
【0005】ところで、イオン交換反応に基づくホウ素
同位体の分離は、次の平衡式
同位体の分離は、次の平衡式
【化5】 で表わされる同位体交換平衡に基づいて行われ、この場
合の平衡定数は1.019(300Kにおいて)である
[「ブレティン・オブ・ザ・リサーチ・ラボラトリー・
フォア・ヌクリア・リアクターズ(Bulletin
of the Research Laborator
y for Nuclear Reactors)」,
第2巻,第1号,第1〜12ページ(1977年)]。
そして、この式から分かるように、10Bはホウ酸塩陰イ
オンとして、一方11Bはホウ酸としてより多く存在して
いるので、強塩基性陰イオン交換樹脂及び弱塩基性陰イ
オン交換樹脂においては、ホウ酸塩陰イオンをイオン交
換により樹脂内に取り込むため、樹脂内に10Bが濃縮さ
れ、液相に11Bが濃縮される。この際の同位体分離係数
Sは、式
合の平衡定数は1.019(300Kにおいて)である
[「ブレティン・オブ・ザ・リサーチ・ラボラトリー・
フォア・ヌクリア・リアクターズ(Bulletin
of the Research Laborator
y for Nuclear Reactors)」,
第2巻,第1号,第1〜12ページ(1977年)]。
そして、この式から分かるように、10Bはホウ酸塩陰イ
オンとして、一方11Bはホウ酸としてより多く存在して
いるので、強塩基性陰イオン交換樹脂及び弱塩基性陰イ
オン交換樹脂においては、ホウ酸塩陰イオンをイオン交
換により樹脂内に取り込むため、樹脂内に10Bが濃縮さ
れ、液相に11Bが濃縮される。この際の同位体分離係数
Sは、式
【数1】 で定義されるが、その値は1.007〜1.019であ
り[「Bull.Chem.Soc.Jpn.」,第5
0巻,第1号,第158〜163ページ(1977
年)]、陰イオン交換機構に基づくホウ素同位体分離剤
の同位体分離係数Sの上限は、上記式(I)で示される
ホウ酸とホウ酸塩陰イオン間の同位体交換反応における
平衡定数1.019である。一方、スペーサーを有さな
いグルカミン型キレート樹脂の場合は、同位体分離係数
Sは1.015〜1.020程度である(特許第177
8803号、特許第1778804号、特許第1778
805号)。
り[「Bull.Chem.Soc.Jpn.」,第5
0巻,第1号,第158〜163ページ(1977
年)]、陰イオン交換機構に基づくホウ素同位体分離剤
の同位体分離係数Sの上限は、上記式(I)で示される
ホウ酸とホウ酸塩陰イオン間の同位体交換反応における
平衡定数1.019である。一方、スペーサーを有さな
いグルカミン型キレート樹脂の場合は、同位体分離係数
Sは1.015〜1.020程度である(特許第177
8803号、特許第1778804号、特許第1778
805号)。
【0006】以上のように、現時点では、ホウ素同位体
分離係数の上限は1.020程度である。吸着法により
ホウ素同位体を効率よく分離するには、陰イオン吸着機
構とは全く異なる吸着機構により、さらに高い同位体分
離係数をもつホウ素同位体分離剤の開発が必要である。
分離係数の上限は1.020程度である。吸着法により
ホウ素同位体を効率よく分離するには、陰イオン吸着機
構とは全く異なる吸着機構により、さらに高い同位体分
離係数をもつホウ素同位体分離剤の開発が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ホウ素同位体混合物から、質量数10の
ホウ素同位体と質量数11のホウ素同位体を、それぞれ
効率よく、経済的に分離しうる優れた分離能を有する新
規なホウ素同位体分離剤を提供することを目的としてな
されたものである。
事情のもとで、ホウ素同位体混合物から、質量数10の
ホウ素同位体と質量数11のホウ素同位体を、それぞれ
効率よく、経済的に分離しうる優れた分離能を有する新
規なホウ素同位体分離剤を提供することを目的としてな
されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記式
(I)で示されるホウ酸とホウ酸塩陰イオン間の同位体
分離平衡式から、10Bはホウ酸塩陰イオンに、一方、11
Bはホウ酸に濃縮されること、ホウ酸は平面三角形構造
を、ホウ酸塩陰イオンは四面体構造をとることから、11
Bは平面三角形構造の化学種に、一方10Bは四面体構造
の化学種に濃縮されること、また、ホウ素同位体の分離
は、水溶液系で行うのが効率的かつ経済的であること、
したがって、水溶液中の平面三角形構造のホウ酸を、四
面体構造のホウ素化学種として分離剤に取り込むなら
ば、分離剤に10Bが濃縮され、水溶液中に11Bが濃縮さ
れること、そしてこのような四面体構造を保持したホウ
素の分離剤への捕捉には、特定構造のキレート性官能基
が有効であることに着目し、常法に従ってホウ酸と錯形
成能力のある官能基を導入した種々のキレート樹脂を合
成したが、ほとんどの場合、十分なホウ素吸着容量を有
する吸着剤を得ることができなかった。そこで、本発明
者らは、優れた分離能を有する新規なホウ素同位体分離
剤を開発すべく、さらに研究を進めた結果、3‐アミノ
‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとし
て、非水溶性高分子担体とホウ素吸着性官能基の間に介
在させることにより、親水性が向上するとともに、適用
pH範囲が拡大し、ホウ素吸着速度やホウ素吸着容量が
著しく増大することを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
(I)で示されるホウ酸とホウ酸塩陰イオン間の同位体
分離平衡式から、10Bはホウ酸塩陰イオンに、一方、11
Bはホウ酸に濃縮されること、ホウ酸は平面三角形構造
を、ホウ酸塩陰イオンは四面体構造をとることから、11
Bは平面三角形構造の化学種に、一方10Bは四面体構造
の化学種に濃縮されること、また、ホウ素同位体の分離
は、水溶液系で行うのが効率的かつ経済的であること、
したがって、水溶液中の平面三角形構造のホウ酸を、四
面体構造のホウ素化学種として分離剤に取り込むなら
ば、分離剤に10Bが濃縮され、水溶液中に11Bが濃縮さ
れること、そしてこのような四面体構造を保持したホウ
素の分離剤への捕捉には、特定構造のキレート性官能基
が有効であることに着目し、常法に従ってホウ酸と錯形
成能力のある官能基を導入した種々のキレート樹脂を合
成したが、ほとんどの場合、十分なホウ素吸着容量を有
する吸着剤を得ることができなかった。そこで、本発明
者らは、優れた分離能を有する新規なホウ素同位体分離
剤を開発すべく、さらに研究を進めた結果、3‐アミノ
‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとし
て、非水溶性高分子担体とホウ素吸着性官能基の間に介
在させることにより、親水性が向上するとともに、適用
pH範囲が拡大し、ホウ素吸着速度やホウ素吸着容量が
著しく増大することを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、一般式
【化6】 (式中のYは非水溶性高分子担体、Xはホウ素吸着性官
能基、Rは水素原子、アルキル基又はホウ素吸着性官能
基である)で表わされる化学構造をもつ物質からなるホ
ウ素同位体分離剤を提供するものである。また、前記ホ
ウ素同位体分離剤は、本発明に従えば、2,3‐エポキ
シ‐1‐プロピル基又は3‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ
‐1‐プロピル基をもつ非水溶性高分子担体に、一般式
能基、Rは水素原子、アルキル基又はホウ素吸着性官能
基である)で表わされる化学構造をもつ物質からなるホ
ウ素同位体分離剤を提供するものである。また、前記ホ
ウ素同位体分離剤は、本発明に従えば、2,3‐エポキ
シ‐1‐プロピル基又は3‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ
‐1‐プロピル基をもつ非水溶性高分子担体に、一般式
【化7】 (式中のX及びRは前記と同じ意味をもつ)で表わされ
るアミン類を反応させることにより製造することができ
る。
るアミン類を反応させることにより製造することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のホウ素同位体分離剤は、
非水溶性高分子担体に、3‐アミノ‐2‐ヒドロキシ‐
1‐プロピル基(スペーサー)を介して、ホウ素吸着性
官能基を導入したものであって、前記一般式(III)
で表わされる構造を有している。この一般式(III)
において、Rのうちのアルキル基としては、メチル基や
エチル基などの低級アルキル基が好ましい。また、Xで
表わされるホウ素吸着性官能基及びRのうちのホウ素吸
着性官能基としては、例えば一般式
非水溶性高分子担体に、3‐アミノ‐2‐ヒドロキシ‐
1‐プロピル基(スペーサー)を介して、ホウ素吸着性
官能基を導入したものであって、前記一般式(III)
で表わされる構造を有している。この一般式(III)
において、Rのうちのアルキル基としては、メチル基や
エチル基などの低級アルキル基が好ましい。また、Xで
表わされるホウ素吸着性官能基及びRのうちのホウ素吸
着性官能基としては、例えば一般式
【化8】 (式中のR1及びR2は、それぞれ水素原子、水酸基、ア
ルキル基又はヒドロキシアルキル基、nは0又は1〜6
の整数である)で表わされる多価アルコール残基を好ま
しく挙げることができる。上記一般式(V)において、
R1及びR2のうちのアルキル基としては、メチル基やエ
チル基などの低級アルキル基が好ましく、また、ヒドロ
キシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基やヒドロ
キシエチル基などの低級ヒドロキシアルキル基が好まし
い。
ルキル基又はヒドロキシアルキル基、nは0又は1〜6
の整数である)で表わされる多価アルコール残基を好ま
しく挙げることができる。上記一般式(V)において、
R1及びR2のうちのアルキル基としては、メチル基やエ
チル基などの低級アルキル基が好ましく、また、ヒドロ
キシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基やヒドロ
キシエチル基などの低級ヒドロキシアルキル基が好まし
い。
【0011】この一般式(V)で表わされる多価アルコ
ール残基の例としては、2,3‐ジヒドロキシ‐1‐プ
ロピル基、1,3‐ジヒドロキシ‐2‐プロピル基、
1,3‐ジヒドロキシ‐2‐メチル‐2‐プロピル基、
1,3‐ジヒドロキシ‐2‐ヒドロキシメチル‐2‐プ
ロピル基、単糖型水酸基を有する1‐デオキシ‐D‐グ
ルシトール‐1‐イル基などが挙げられる。これらの多
価アルコール残基の中で、特に1‐デオキシ‐D‐グル
シトール‐1‐イル基が好適である。
ール残基の例としては、2,3‐ジヒドロキシ‐1‐プ
ロピル基、1,3‐ジヒドロキシ‐2‐プロピル基、
1,3‐ジヒドロキシ‐2‐メチル‐2‐プロピル基、
1,3‐ジヒドロキシ‐2‐ヒドロキシメチル‐2‐プ
ロピル基、単糖型水酸基を有する1‐デオキシ‐D‐グ
ルシトール‐1‐イル基などが挙げられる。これらの多
価アルコール残基の中で、特に1‐デオキシ‐D‐グル
シトール‐1‐イル基が好適である。
【0012】なお、前記一般式(III)において、R
がホウ素吸着性官能基である場合、このRとXは、たが
いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般
式(III)において、Yで示される非水溶性高分子担
体の基本骨格については特に制限はなく、従来公知の単
独重合体や共重合体からなる非水溶性高分子担体の中か
ら、任意のものを選択することができる。このような重
合体又は共重合体の例としては、ポリオレフィン類、ポ
リアミド類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリウ
レタン類などを挙げることができる。この一般式(II
I)で表わされる3‐アミノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プ
ロピル基をスペーサーとして有するホウ素同位体分離剤
は、例えばジオキサンなどの適当な溶媒中において、
2,3‐エポキシ‐1‐プロピル基又は3‐ハロゲノ‐
2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をもつ非水溶性高分子
担体に、前記一般式(IV)で表わされるアミン類を反
応させることにより、製造することができる。
がホウ素吸着性官能基である場合、このRとXは、たが
いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般
式(III)において、Yで示される非水溶性高分子担
体の基本骨格については特に制限はなく、従来公知の単
独重合体や共重合体からなる非水溶性高分子担体の中か
ら、任意のものを選択することができる。このような重
合体又は共重合体の例としては、ポリオレフィン類、ポ
リアミド類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリウ
レタン類などを挙げることができる。この一般式(II
I)で表わされる3‐アミノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プ
ロピル基をスペーサーとして有するホウ素同位体分離剤
は、例えばジオキサンなどの適当な溶媒中において、
2,3‐エポキシ‐1‐プロピル基又は3‐ハロゲノ‐
2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をもつ非水溶性高分子
担体に、前記一般式(IV)で表わされるアミン類を反
応させることにより、製造することができる。
【0013】この際用いる2,3‐エポキシ‐1‐プロ
ピル基をもつ非水溶性高分子担体としては、例えば2,
3‐エポキシ‐1‐プロピルメタクリレートやアクリル
グリシジルエーテルとジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレートなどの架橋剤とを懸濁重合させることに
より得られたものなどを用いることができる。また、3
‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をもつ非
水溶性高分子担体としては、例えばアミノ化ポリスチレ
ン共重合体にエピクロルヒドリンやエピブロムヒドリン
などのエピハロヒドリンを作用させることによって得ら
れたものなどを用いることができる。
ピル基をもつ非水溶性高分子担体としては、例えば2,
3‐エポキシ‐1‐プロピルメタクリレートやアクリル
グリシジルエーテルとジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレートなどの架橋剤とを懸濁重合させることに
より得られたものなどを用いることができる。また、3
‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をもつ非
水溶性高分子担体としては、例えばアミノ化ポリスチレ
ン共重合体にエピクロルヒドリンやエピブロムヒドリン
などのエピハロヒドリンを作用させることによって得ら
れたものなどを用いることができる。
【0014】一方、前記一般式(IV)で表わされるア
ミン類としては、例えば3‐アミノ‐1,2‐プロパン
ジオール、2‐アミノ‐1,3‐プロパンジオール、2
‐アミノ‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール、2
‐アミノ‐2‐ヒドロキシメチル‐1,3‐プロパンジ
オール、メチルグルカミンなどが挙げられる。
ミン類としては、例えば3‐アミノ‐1,2‐プロパン
ジオール、2‐アミノ‐1,3‐プロパンジオール、2
‐アミノ‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール、2
‐アミノ‐2‐ヒドロキシメチル‐1,3‐プロパンジ
オール、メチルグルカミンなどが挙げられる。
【0015】このようにして得られた一般式(III)
で表わされるホウ素同位体分離剤は、導入したホウ素吸
着性官能基以外に、2,3‐エポキシ‐1‐プロピル基
や3‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基が加
水分解して副生した2,3‐ジヒドロキシ‐1‐プロピ
ル基も含んでいる。この副生した2,3‐ジヒドロキシ
‐1‐プロピル基は親水性が高く、ホウ素吸着容量の増
大をもたらす。なお、2,3‐エポキシ‐1‐プロピル
基をもつ非水溶性高分子担体を単純に加水分解しても、
ほとんどホウ素吸着能を示さない。本発明のホウ素同位
体分離剤において、スペーサーである3‐アミノ‐2‐
ヒドロキシ‐1‐プロピル基は、親水性を高めるととも
に、適用pH範囲を拡大する作用を有しており、ホウ素
吸着速度やホウ素吸着容量の増大をもたらすことはある
が、ホウ素錯体の形成には関与しない。
で表わされるホウ素同位体分離剤は、導入したホウ素吸
着性官能基以外に、2,3‐エポキシ‐1‐プロピル基
や3‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基が加
水分解して副生した2,3‐ジヒドロキシ‐1‐プロピ
ル基も含んでいる。この副生した2,3‐ジヒドロキシ
‐1‐プロピル基は親水性が高く、ホウ素吸着容量の増
大をもたらす。なお、2,3‐エポキシ‐1‐プロピル
基をもつ非水溶性高分子担体を単純に加水分解しても、
ほとんどホウ素吸着能を示さない。本発明のホウ素同位
体分離剤において、スペーサーである3‐アミノ‐2‐
ヒドロキシ‐1‐プロピル基は、親水性を高めるととも
に、適用pH範囲を拡大する作用を有しており、ホウ素
吸着速度やホウ素吸着容量の増大をもたらすことはある
が、ホウ素錯体の形成には関与しない。
【0016】本発明のホウ素同位体分離剤を用いてホウ
素同位体混合物から、質量数10のホウ素同位体
(10B)と質量数11のホウ素同位体(11B)をそれぞ
れ分離するには、例えばホウ素同位体混合物を含有する
pH5〜9程度の水溶液と本発明のホウ素同位体分離剤
とを、通常は室温にて接触させればよい。これにより、
分離剤中に10Bが濃縮され、水溶液中に11Bが濃縮され
る。濃縮された10Bを含む分離剤は、鉱酸により処理す
ることによって、吸着したホウ素を容易に脱離すること
ができる。鉱酸としては、通常0.05〜2モル/リッ
トル濃度の塩酸が好ましく用いられる。このようにし
て、鉱酸で処理され、吸着したホウ素が脱離された分離
剤は、再びホウ素同位体の分離に使用することができ
る。
素同位体混合物から、質量数10のホウ素同位体
(10B)と質量数11のホウ素同位体(11B)をそれぞ
れ分離するには、例えばホウ素同位体混合物を含有する
pH5〜9程度の水溶液と本発明のホウ素同位体分離剤
とを、通常は室温にて接触させればよい。これにより、
分離剤中に10Bが濃縮され、水溶液中に11Bが濃縮され
る。濃縮された10Bを含む分離剤は、鉱酸により処理す
ることによって、吸着したホウ素を容易に脱離すること
ができる。鉱酸としては、通常0.05〜2モル/リッ
トル濃度の塩酸が好ましく用いられる。このようにし
て、鉱酸で処理され、吸着したホウ素が脱離された分離
剤は、再びホウ素同位体の分離に使用することができ
る。
【0017】
【発明の効果】本発明のホウ素同位体分離剤は、従来の
ホウ素同位体分離剤に比べて、優れたホウ素吸着容量と
同位体分離能を有し、このものを用いることにより、ホ
ウ素同位体混合物から、10Bと11Bをそれぞれ効率よ
く、経済的に分離することができる。
ホウ素同位体分離剤に比べて、優れたホウ素吸着容量と
同位体分離能を有し、このものを用いることにより、ホ
ウ素同位体混合物から、10Bと11Bをそれぞれ効率よ
く、経済的に分離することができる。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0019】実施例1 メタクリル酸グリシジル−ジビニルベンゼン共重合体
(ジビニルベンゼン単位含有量7.5モル%)1.01
gと3‐アミノ‐1,2‐プロパンジオール2.05g
を、ジオキサン中で4時間加熱還流して反応させたの
ち、共重合体をろ過し、洗浄液が中性になるまで純水で
洗浄した。これにより、3‐アミノ‐2‐ヒドロキシ‐
1‐プロピル基をスペーサーとし、2,3‐ジヒドロキ
シ‐1‐プロピル基を官能基とするホウ素同位体分離剤
を得た。官能基導入量は3.1ミリモル/gであった。
次に、200ppmホウ素溶液(pH=5.20)20
cm3に、上記ホウ素同位体分離剤129.6mgを入
れ、30℃で7日間吸着実験を行った。吸着実験後の水
溶液(pH=5.75)のホウ素濃度は144ppmで
あり、樹脂のホウ素吸着量は0.82ミリモル/gであ
った。原液及び吸着実験後の水溶液の10B/11B同位体
比は、表面電離型質量分析装置を用いた測定から、それ
ぞれ、0.2522、0.2505であった。同位体分
離係数Sを式
(ジビニルベンゼン単位含有量7.5モル%)1.01
gと3‐アミノ‐1,2‐プロパンジオール2.05g
を、ジオキサン中で4時間加熱還流して反応させたの
ち、共重合体をろ過し、洗浄液が中性になるまで純水で
洗浄した。これにより、3‐アミノ‐2‐ヒドロキシ‐
1‐プロピル基をスペーサーとし、2,3‐ジヒドロキ
シ‐1‐プロピル基を官能基とするホウ素同位体分離剤
を得た。官能基導入量は3.1ミリモル/gであった。
次に、200ppmホウ素溶液(pH=5.20)20
cm3に、上記ホウ素同位体分離剤129.6mgを入
れ、30℃で7日間吸着実験を行った。吸着実験後の水
溶液(pH=5.75)のホウ素濃度は144ppmで
あり、樹脂のホウ素吸着量は0.82ミリモル/gであ
った。原液及び吸着実験後の水溶液の10B/11B同位体
比は、表面電離型質量分析装置を用いた測定から、それ
ぞれ、0.2522、0.2505であった。同位体分
離係数Sを式
【数2】 [ただし、α及びα0は、それぞれ吸着実験後の上澄み
液及び原液の同位体比(10B/11B)、C及びC0は、
それぞれ吸着実験後の上澄み液及び原液のホウ素濃度で
ある]から計算すると、1.024であった。3‐アミ
ノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとし
て有さないホウ素吸着剤(ホウ素吸着量:0.082ミ
リモル/g、同位体分離係数S:1.006)と比較し
て、本実施例で得られた同位体分離剤が、高いホウ素吸
着容量と同位体分離係数を有することは明らかである。
液及び原液の同位体比(10B/11B)、C及びC0は、
それぞれ吸着実験後の上澄み液及び原液のホウ素濃度で
ある]から計算すると、1.024であった。3‐アミ
ノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとし
て有さないホウ素吸着剤(ホウ素吸着量:0.082ミ
リモル/g、同位体分離係数S:1.006)と比較し
て、本実施例で得られた同位体分離剤が、高いホウ素吸
着容量と同位体分離係数を有することは明らかである。
【0020】実施例2 メタクリル酸グリシジル−ジビニルベンゼン共重合体
(ジビニルベンゼン単位含有量7.5モル%)1.01
gと2‐アミノ‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジオー
ル2.54gを、ジオキサン中で4時間加熱還流して反
応させたのち、共重合体をろ過し、洗浄液が中性になる
まで純水で洗浄した。これにより、3‐アミノ‐2‐ヒ
ドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとし、1,3‐
ジヒドロキシ‐2‐メチル‐2‐プロピル基を官能基と
するホウ素同位体分離剤を得た。官能基導入量は3.3
ミリモル/gであった。次に、200ppmホウ素溶液
(pH=5.20)20cm3に、上記ホウ素同位体分
離剤0.1285gを入れ、30℃で7日間吸着実験を
行った。吸着実験後の水溶液(pH=5.80)のホウ
素濃度は124ppmであり、樹脂のホウ素吸着量は
1.13ミリモル/gであった。原液及び吸着実験後の
水溶液の10B/11B同位体比は、表面電離型質量分析装
置を用いた測定から、それぞれ、0.2522、0.2
496であった。同位体分離係数Sを前記式(VI)か
ら計算すると、1.027であった。3‐アミノ‐2‐
ヒドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとして有さな
いホウ素吸着剤(ホウ素吸着量:0.059ミリモル/
g、同位体分離係数S:1.002)と比較して、本実
施例で得られた同位体分離係数が、高いホウ素吸着容量
と同位体分離係数を有することは明らかである。
(ジビニルベンゼン単位含有量7.5モル%)1.01
gと2‐アミノ‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジオー
ル2.54gを、ジオキサン中で4時間加熱還流して反
応させたのち、共重合体をろ過し、洗浄液が中性になる
まで純水で洗浄した。これにより、3‐アミノ‐2‐ヒ
ドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとし、1,3‐
ジヒドロキシ‐2‐メチル‐2‐プロピル基を官能基と
するホウ素同位体分離剤を得た。官能基導入量は3.3
ミリモル/gであった。次に、200ppmホウ素溶液
(pH=5.20)20cm3に、上記ホウ素同位体分
離剤0.1285gを入れ、30℃で7日間吸着実験を
行った。吸着実験後の水溶液(pH=5.80)のホウ
素濃度は124ppmであり、樹脂のホウ素吸着量は
1.13ミリモル/gであった。原液及び吸着実験後の
水溶液の10B/11B同位体比は、表面電離型質量分析装
置を用いた測定から、それぞれ、0.2522、0.2
496であった。同位体分離係数Sを前記式(VI)か
ら計算すると、1.027であった。3‐アミノ‐2‐
ヒドロキシ‐1‐プロピル基をスペーサーとして有さな
いホウ素吸着剤(ホウ素吸着量:0.059ミリモル/
g、同位体分離係数S:1.002)と比較して、本実
施例で得られた同位体分離係数が、高いホウ素吸着容量
と同位体分離係数を有することは明らかである。
【0021】実施例3 メタクリル酸グリシジル−ジビニルベンゼン共重合体
(ジビニルベンゼン単位含有量7.5モル%)1.02
gとN‐メチルグルカミン4.27gとを、ジオキサン
中で4時間加熱還流して反応させたのち、共重合体をろ
過し、洗浄液が中性になるまで純水で洗浄した。これに
より、2‐ヒドロキシ‐3‐メチルアミノ‐1‐プロピ
ル基をスペーサーとし、1‐デオキシグルシトール‐1
‐イル基を官能基とするホウ素同位体分離剤を得た。官
能基導入量は2.6ミリモル/gであった。次に、20
0ppmホウ素溶液(pH=5.20)20cm3に、
上記ホウ素同位体分離剤0.1284gを入れ、30℃
で7日間吸着実験を行った。吸着実験後の水溶液(pH
=4.60)のホウ素濃度は78ppmであり、樹脂の
ホウ素吸着量は1.79ミリモル/gであった。原液及
び吸着実験後の水溶液の10B/11B同位体比は、表面電
離型質量分析装置を用いた測定から、それぞれ、0.2
522、0.2480であった。同位体分離係数Sを前
記式(VI)から計算すると、1.028であった。従
来のスペーサーを有さないホウ素吸着剤(特許第177
8803号、特許第1778804号)と比較して、2
‐ヒドロキシ‐3‐メチルアミノ‐1‐プロピル基をス
ペーサーとして有する1‐デオキシグルシトール型ホウ
素同位体分離剤のホウ素吸着容量は約3倍に対し、吸着
剤によるホウ素同位体分離係数の最高値(1.020)
を大きく上まわった。これらの結果から、本発明のホウ
素同位体分離剤は、従来のものに比較して、高いホウ素
吸着容量と同位体分離係数を有することは明らかであ
る。
(ジビニルベンゼン単位含有量7.5モル%)1.02
gとN‐メチルグルカミン4.27gとを、ジオキサン
中で4時間加熱還流して反応させたのち、共重合体をろ
過し、洗浄液が中性になるまで純水で洗浄した。これに
より、2‐ヒドロキシ‐3‐メチルアミノ‐1‐プロピ
ル基をスペーサーとし、1‐デオキシグルシトール‐1
‐イル基を官能基とするホウ素同位体分離剤を得た。官
能基導入量は2.6ミリモル/gであった。次に、20
0ppmホウ素溶液(pH=5.20)20cm3に、
上記ホウ素同位体分離剤0.1284gを入れ、30℃
で7日間吸着実験を行った。吸着実験後の水溶液(pH
=4.60)のホウ素濃度は78ppmであり、樹脂の
ホウ素吸着量は1.79ミリモル/gであった。原液及
び吸着実験後の水溶液の10B/11B同位体比は、表面電
離型質量分析装置を用いた測定から、それぞれ、0.2
522、0.2480であった。同位体分離係数Sを前
記式(VI)から計算すると、1.028であった。従
来のスペーサーを有さないホウ素吸着剤(特許第177
8803号、特許第1778804号)と比較して、2
‐ヒドロキシ‐3‐メチルアミノ‐1‐プロピル基をス
ペーサーとして有する1‐デオキシグルシトール型ホウ
素同位体分離剤のホウ素吸着容量は約3倍に対し、吸着
剤によるホウ素同位体分離係数の最高値(1.020)
を大きく上まわった。これらの結果から、本発明のホウ
素同位体分離剤は、従来のものに比較して、高いホウ素
吸着容量と同位体分離係数を有することは明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 槇田 洋二 香川県高松市林町2217番14 工業技術院四 国工業技術研究所内 (72)発明者 大井 健太 香川県高松市林町2217番14 工業技術院四 国工業技術研究所内 (72)発明者 高木 憲夫 香川県高松市林町2217番14 工業技術院四 国工業技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のYは非水溶性高分子担体、Xはホウ素吸着性官
能基、Rは水素原子、アルキル基又はホウ素吸着性官能
基である)で表わされる化学構造を有する物質からなる
ホウ素同位体分離剤。 - 【請求項2】 ホウ素吸着性官能基が、一般式 【化2】 (式中のR1及びR2は、それぞれ水素原子、水酸基アル
キル基又はヒドロキシアルキル基、nは0又は1〜6の
整数である)で表わされる多価アルコール残基である請
求項1記載のホウ素同位体分離剤。 - 【請求項3】 2,3‐エポキシ‐1‐プロピル基又は
3‐ハロゲノ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロピル基をもつ
非水溶性高分子担体に、一般式 【化3】 (式中のXはホウ素吸着性官能基、Rは水素原子、アル
キル基又はホウ素吸着性官能基である)で表わされるア
ミン類を反応させることを特徴とする、一般式 【化4】 (式中のYは非水溶性高分子担体、X及びRは前記と同
じ意味をもつ)で表わされる化学構造を有する物質から
なるホウ素同位体分離剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11043134A JP3016025B1 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | ホウ素同位体分離剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11043134A JP3016025B1 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | ホウ素同位体分離剤及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3016025B1 JP3016025B1 (ja) | 2000-03-06 |
JP2000237545A true JP2000237545A (ja) | 2000-09-05 |
Family
ID=12655386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11043134A Expired - Lifetime JP3016025B1 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | ホウ素同位体分離剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3016025B1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005313128A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-11-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 同位体選択性吸着剤及び同位体分離濃縮方法並びに同位体分離濃縮装置 |
US7976708B2 (en) | 2008-05-12 | 2011-07-12 | Secretary, Department of Atormic Energy | Innovative cut-and-feed operation for enhancing the performance of ion-exchange chromatographic separation |
CN103977707A (zh) * | 2014-05-27 | 2014-08-13 | 中国科学院青海盐湖研究所 | 利用改性的mcm-41分子筛吸附分离硼同位素的方法 |
-
1999
- 1999-02-22 JP JP11043134A patent/JP3016025B1/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005313128A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-11-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 同位体選択性吸着剤及び同位体分離濃縮方法並びに同位体分離濃縮装置 |
JP4508716B2 (ja) * | 2004-04-30 | 2010-07-21 | 三菱重工業株式会社 | 同位体選択性吸着剤及び同位体分離濃縮方法並びに同位体分離濃縮装置 |
US7976708B2 (en) | 2008-05-12 | 2011-07-12 | Secretary, Department of Atormic Energy | Innovative cut-and-feed operation for enhancing the performance of ion-exchange chromatographic separation |
CN103977707A (zh) * | 2014-05-27 | 2014-08-13 | 中国科学院青海盐湖研究所 | 利用改性的mcm-41分子筛吸附分离硼同位素的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3016025B1 (ja) | 2000-03-06 |
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