JP2000237544A - 固−気−固触媒反応による排ガスの酸化処理方法 - Google Patents

固−気−固触媒反応による排ガスの酸化処理方法

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JP2000237544A
JP2000237544A JP11038180A JP3818099A JP2000237544A JP 2000237544 A JP2000237544 A JP 2000237544A JP 11038180 A JP11038180 A JP 11038180A JP 3818099 A JP3818099 A JP 3818099A JP 2000237544 A JP2000237544 A JP 2000237544A
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Masaru Noda
優 野田
Masaki Sadakata
正毅 定方
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒表面で、水分および酸素からガス相ヒド
ロキシラジカルを発生させる系を用いた排ガス、特に煤
を含んだ排ガスの酸化処理方法の提供 【構成】 アルカリ土類金属酸化物系触媒、ランタノイ
ド酸化物系触媒およびそれらにアルカリ金属をドープし
たもの、並びにそれらの混合触媒からなる群から選択さ
れる触媒に、水分および酸素が共存する排ガスを、温度
条件600〜1200℃の範囲において接触させて、触
媒表面で前記水分及び酸素からガス相ヒドロキシラジカ
ルを生成させ、排ガス中の除去すべき被酸化物を前記ガ
ス相ヒドロキシラジカルで酸化処理することを特徴とす
る発生基ヒドロキシラジカルによる排ガスの処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、火力発電
所、焼却装置等で発生する排ガスの処理方法、特に煤を
含む排気ガスや難分解性の多ハロゲン化有機化合物、例
えばダイオキシン等を含む排ガスを、水分および酸素が
共存し、温度条件600〜1200℃の範囲において触
媒に接触させて前記水分および酸素から生成したガス相
ヒドロキシラジカルで酸化処理することを特徴とする活
性ヒドロキシラジカルによる排ガスの処理方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来の煤を含むディーゼルエンジンからの
排ガスから煤等を抑制するには、 a)燃料に、または排ガス中に煤の酸化を促進させる触
媒原料を添加して煤を酸化する、 b)触媒材料を担持した通気性のある隔壁により画成さ
れ、略同一の断面の通路が形成されたハニカム型のフィ
ルターにより煤を捕集し、煤の溜まり具合を検知または
適宜の間隔で煤を酸化する方法、Neeft,J.P.A.;Schippe
r,W.;Mukkee,M.;Moulijin,J,A.Appl.Catal.B1997,11,36
5、特開平9−267040号公報または特開平10−
61430号公報等に記載のものがある。 しかしながら、a)では、添加剤の連続供給が必要な点
でコスト的に見合わず、更に、触媒の放出という問題が
ある。また、b)の方法は、図1のb)に示す概念図の
ように触媒表面で酸素(O2)を活性化し、活性化酸素
(O*)で煤を酸化除去する方法であり、固−固触媒反
応であるために煤と触媒の接触界面を増やす必要があ
る。上記2つの方法では、高蒸気圧の材料を用いて煤表
面への触媒の付着を向上させる、もしくは低融点の材料
を用いることで触媒と煤との接触界面を向上する方法等
が採られているが、いずれの場合にも触媒の劣化や放出
を必然的に伴う。更に、b)の方法において最もよく研
究されている塩化銅では、ダイオキシン等生成する危険
も大きい。
【0003】OHラジカルが強い酸化力を有することは
良く知られており、このOHラジカルを種々の用途に用
いること、例えば特開平7−265460号公報では、
難分解性の多ハロゲン化有機化合物の低温分解法に用い
ることが提案されている。その具体的方法は、PCBs
等の難分解性多ハロゲン化有機化合物を、メタノール溶
液を溶媒とし、光半導体(SiC、TiO2等)と第2
鉄塩水溶液を加えて混合溶液とし、これに低圧紫外光を
照射しながら、60%H22をゆっくり滴下すると発熱
により混合溶液が75〜95℃に達して、前記有機化合
物がラジカル分解する。該方法では、溶液中に浸漬した
半導体は低圧紫外光により電子が励起され、この励起電
子がFe3+をFe2+に還元し、このFe2+とH22との
反応によってヒドロキシルラジカル(・OH)が発生
し、このラジカルが前記有機化合物を分解する。前記励
起電子が溶存酸素に作用してスーパーオキサイド
(O2-)を生成させ、O2-がFe3+生成させることで前
記有機化合物の分解反応が進行する。
【0004】また、OHラジカルの酸化力を、有機物の
分解、廃液処理、木材腐朽菌等の殺菌等に使用すること
などが提案されている。しかしながら、前記OHラジカ
ルの生成には化学薬剤の使用、化学薬剤やオゾンと紫外
光の併用など、湿式であったりエネルギー発生手段を必
要とし、制御が難しいところがあった。特に排ガスのよ
うな気相のものの酸化処理に適用できるOHラジカルの
生成は上記方法では困難であった。
【0005】これに対して、気相状態において、OHラ
ジカルをH2O及びO2の存在下に無声放電により生成さ
せて(本明細書において、気相中においてOHラジカル
を生成する方法によって得られるOHラジカルを、気相
OHラジカルという。)、生成した気相OHラジカルを
ディーゼルエンジンから発生する煤粒子(soot)の
酸化処理に利用する方法が提案され、滞留時間3.0
秒、消費電力180Wにおいて、煤濃度75mg/Nm
3のガスを煤濃度30mg/Nm3にすることができたこ
とが報告されている(Harano,A.;Sadakata,M.;Sato,M.
J.Chem.Eng.Japan1991,24,100)。しかし、ここでも、
気相OHラジカルの生成には高電力を消費する無声放電
装置を必要としている。ちなみに、前記報告の投入電力
と煤の処理量から、1gの煤を処理するのに必要なエネ
ルギー投入量を算出すると、1秒当たりの煤処理量=煤
濃度減少量×反応器体積/滞留時間=1.5μg/s、
投入電力=180W=180J/sから、煤酸化に必要
なエネルギー=120M(メガ)J/g煤となる。ま
た、気相中にH22(35%H22/H2O溶液:H2
2成分2〜12g/min)をディーゼルエンジンから
の排ガス中に注入して生成する気相OHラジカルを、セ
ラミック繊維煤捕集用フィルターに捕集された煤等の燃
焼、換言すれば、前記フィルターの再生の補助に使用す
ることも知られているが(Roth,P.etal. Combust.Flame
1998,115,28)、経済的に実用化は不可能と考えられ
る。
【0006】また、気相OHラジカルは、燃焼系や大気
化学における主要な連鎖反応担体として知られ、種々の
反応の促進や反応制御への応用が期待されてきた。そし
て、近年気−固触媒反応において、触媒表面に気相OH
ラジカルが離脱することがわかっていたが、従来の比較
的低温の気−固触媒反応においては、複雑な生成物を生
成するため、制御性が良くない気相反応であるために、
該反応を抑制する方向で研究されてきた。すなわち、触
媒表面で生成する気相OHラジカルを有効に利用しよう
という発想は全くなかった。一方、燃焼のように比較的
高温系では熱力学的に安定であり、生成物も比較的単純
であるので、十分制御が可能であり、気相系であるので
反応速度論的にも、固−固反応の物質輸送(拡散)律速
の表面反応より有利であるため、前記触媒表面反応によ
って誘起される反応を、安定化な系の気相均一反応とす
ることが研究されてきた。
【0007】その具体的な研究としては、Pt触媒系、
アルカリ土類金属酸化物、ランタノイド酸化物等、特に
後2者の触媒上において、反応ガス組成(モル比)、全
圧(0.1〜10Torr)、温度(1100−1300゜
K)等を制御することによって、H2OおよびO2から、
安定な高濃度の気相OHラジカルを生成させることがで
きることが明らかにされている。この反応は、従来の気
相OHラジカルの生成系に比べて安定であり、消費エネ
ルギーが少なく、且つ制御が比較的容易であることが予
測される。特に、排ガス温度が500℃の条件において
は、外部から触媒を加熱する必要がないから、エネルギ
ーコストは実質的にゼロとすることができることが予測
できる。また、自動車、火力発電所、焼却装置等で発生
する排ガスには、気相OHラジカルを生成させることが
できるH2OおよびO2が含まれている(例えばディーゼ
ルエンジン排ガスには6〜16%のO2、4〜10%の
2Oが含まれている)ことから、前記触媒を用いた安
定な高濃度の気相OHラジカルを生成させる系を前記排
ガスの処理に応用することは大いにメリットがあること
が予想された。そして、ディーゼルエンジンからの排ガ
ス中の水蒸気(H2O)と酸素はPt触媒系、アルカリ
土類酸化物、ランタノイド酸化物等、特に後2者の触媒
上では、速やかに気相ヒドロキシラジカル(OH)を生
成することがわかってきた。(Noda,S.;Nishioka,M.;Ha
rano,A.;Sadakata,M.J,Phys.Chem.B1998,102,3185)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、自動車、火力発電所、焼却装置等で発生する排ガ
ス、特にディーゼル機関からの煤等を含む排ガスを、従
来の原理とは全く異なる気相OHラジカルを生成させる
方法によって処理する方法を設計し、提供することであ
る。すなわち、触媒系を用いて、触媒表面において生成
する気相OHラジカルを、自動車、火力発電所、焼却装
置等で発生する排ガス、特に煤を含むディーゼルエンジ
ンからの排ガスの処理に応用することを研究し、前記触
媒表面において生成する気相のOHラジカルを有効に前
記排ガスの酸化処理に利用できる反応系を設計し、提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、水分お
よび酸素が共存する排ガスを、温度条件600〜120
0℃の範囲において触媒表面に接触させて該触媒表面で
前記水分及び酸素からガス相ヒドロキシラジカルを生成
させ、排ガス中の除去すべき被酸化物を前記ガス相ヒド
ロキシラジカルで酸化処理することを特徴とする発生基
ヒドロキシラジカルによる排ガスの処理方法、であり、
好ましくは、触媒がアルカリ土類金属酸化物系触媒、ラ
ンタノイド酸化物系触媒およびそれらにアルカリ金属を
ドープしたもの、並びにそれらの混合触媒からなる群か
ら選択されたものであることを特徴とする前記発生基ヒ
ドロキシラジカルによる排ガスの処理方法、である。そ
の態様としては、排ガスが煤を含むディーゼルエンジン
からの排気ガスであることを特徴とする前記発生基ヒド
ロキシラジカルによる排ガスの処理方法、であり、触媒
を保持する耐熱性の担体の構造が、多数の排ガスの通路
を構成する排気通路を有するハニカム構造物であること
を特徴とする前記発生基ヒドロキシラジカルによる被処
理ガスの処理方法、であり、更に、前記触媒を保持する
耐熱性の多数の排ガスの排気通路を有するハニカム構造
物が、ディーゼルエンジン直後の排ガス管に設置され、
前記ハニカム構造物の温度を制御することを特徴とする
前記発生基ヒドロキシラジカルによる被処理ガスの処理
方法、である。すなわち、本発明者は、アルカリ土類酸
化物系触媒、ランタノイド酸化物系触媒およびそれらに
アルカリ金属をドープしたもの、並びにそれらの混合触
媒からなる群から選択される触媒に、水分および酸素が
共存する排ガスを、温度条件600〜1200℃の範囲
において接触させて、前記水分及び酸素からガス相ヒド
ロキシラジカルを発生させ、且つ発生したガス相ヒドロ
キシラジカルを消滅する前に有効に煤などの被処理物質
と反応する系を設計して、前記課題を解決したものであ
る。本発明の排ガス処理方法では、生成するガス相ヒド
ロキシラジカルによる排ガス中の煤など被処理物質の酸
化処理の反応は、前記被処理物質が触媒表面に接触して
いなくとも進行するから、反応の場が非常に大きく、効
率的なものである。
【0010】
【本発明の態様】本発明の排ガス処理は、触媒表面で生
成した気相OHラジカルが、例えば被処理物質の煤表面
で酸化反応をするものであり、固体の触媒表面において
気相OHラジカルを生成させ、該気相OHラジカルが固
体の煤の表面いおいて反応することから「固−気−固触
媒反応系」ということができる。前記反応機構の概念図
は、図1b)の従来法の触媒の表面において煤が反応す
るものと対比すると、図1のa)のようになる。 i)触媒上で水蒸気と酸素から気相OHラジカルを生成
させる、 ii)生成した気相OHラジカルを煤表面へ拡散させる、
および iii)拡散した気相OHラジカルを煤と反応させ水と二
酸化炭素が(CO2)を生成させる、各過程よりなる
(この反応は、図1のa)からも理解されるように触媒
表面から離れた煤表面においても進行している。)。
i)の過程では、気相平衡濃度に達するまで、気相OH
ラジカルが高速に生成する。ii)の過程では、OHラジ
カルが気相平衡以下であるため、従来のラジカル法の問
題点とされているOHの失活は起きずに煤表面へ拡散
し、そして、iii)の過程で初めて煤によって消費され
る。この際i)の過程ではOH熱平衡に達すると生成が
停止してしまうため、ii)とiii)の過程でOHを迅速
に消費する必要がある。この反応は、例えば、図2のよ
うにハニカム型の担体を、触媒を保持する表面と煤との
距離を近づけ、発生した気相OHラジカルが消滅するこ
となく有効に煤などの被処理物質と反応するように設計
することも重要である。一例として自動車排ガス触媒に
通常用いられるハニカム構造体に触媒を保持させる場合
について、見積をしてみた。孔径1.4mmのハニカム
では、触媒−煤間の距離は0.7mm以下となる。その
時、気相OHラジカルが煤表面に拡散する時間は、 (拡散距離の2乗)/(拡散定数) で与えられる。理論計算から、数百マイクロ秒(ms)
以下であることがわかる。この結果から生成した気相O
Hラジカルは速やかに煤表面へ拡散することがわかる。
(工程ii) 熱的に安定な触媒材料を用いることで、触媒材料の大気
への放出を伴わずに煤を水と二酸化炭素に変えるクリー
ンな技術となる。本発明の実施に使用可能な触媒は、熱
的に安定であり、外気に放出されないので、本発明の排
ガスの処理技術は大気の汚さないクリーンな技術でもあ
る。
【0011】本発明において使用される触媒について。
ディーゼル機関からの排ガスには、空気及び燃料の清浄
度及び精製度等にもよるが、SOx、NOx、COx、
炭化水素、N2類、煤などの固形物、水分及び酸素と一
緒に含まれている。また、気相OHラジカルの生成条件
としては、高温が安定であるから排ガス温度が高い時
点、換言すればディーゼル機関のガス排出部近くの排気
管中に気相OHラジカル生成系を設けるのが、加熱に要
するエネルギーを小さくできる点で有利である。従っ
て、触媒としては、前記排ガスの組成物の環境下におい
て、H2OおよびO2から気相OHラジカルの生成する反
応に対して選択性を有する乃至は優先的に活性をもつこ
とが必要である。換言すれば、上記条件を満たすもので
あれば、本発明の排ガス処理系の触媒として有効である
ことは明らかである。本発明者の多くの実験の結果、ア
ルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、SrO、Ba
O)、ランタノイド酸化物(La23、Nd23、Sm
23、Yb23)およびそれらにアルカリ金属をドープ
したもの、並びにそれらの混合触媒等、特にアルカリ土
類金属酸化物系触媒、特にCaO等が好ましい及びCa
Oとランタノイド系化合物との混合触媒を好ましいもの
として挙げることができる。
【0012】触媒表面で水分及び酸素からガス相OHラ
ジカルを生成させる温度条件および前記ラジカルの反応
について。前記生成反応の温度としては、600〜12
00℃を採用することができ、反応速度およびガス相O
Hラジカルを使用することの有用性の観点から、好まし
い温度としては627〜1027℃の範囲である。温度
800〜1000℃、H2O及びO2の圧力が1〜10T
orrの条件において、滞留時間数ミリ秒において、水
蒸気と酸素から平衡濃度の気相OHラジカルが生成する
ことが実験で確認された(過程i)。煤表面と気相OH
ラジカルの反応は非常に速いとされているため(Haran
o,A.;Sadakata,M. J.Chem.Eng.Japan1991,24,100)、煤
表面に到達したOHは、上記2つの過程よりも短時間に
反応すると考えられる。以上のことから、最も遅い過程
はi)である、すなわち、過程i)は排ガス処理反応系
の律速過程であるから、数ミリ秒以下の時間内に数pp
mのOHが煤と反応する可能性があることがわかる。煤
のハニカム中での滞留時間を1秒とれば、数百ppm相
当の煤が除去される可能性がある。ディーゼルエンジン
排ガス中の煤濃度は平均25〜500mg/m3である
から、ハニカム系の触媒はこれに合うように適宜設計で
きる。触媒を保持するハニカムの製造には、耐熱性、熱
膨張係数小さい等の熱特性を持ち、加工性が良く、触媒
の活性に悪影響がない、機械的強度が優れたものがよ
い。好ましい材料として、アルミナ、コーディライト
(Al2Mg2(Si5Al)O18)等を挙げることがで
きる。該ハニカムへの触媒層の形成は、触媒によって異
なる。例えば、塩基性金属酸化物系触媒層は、硝酸塩の
水溶液として含浸し、例えば420゜Kで乾燥後、、例
えば、20%O2/Ar流下で1300゜Kで焼成する
ことによって形成される。
【0013】本発明のディーゼル機関からの排ガスの処
理の系としては、図3のような概念が想定できる。ここ
ではディーゼル機関の効率の面から、排気ガス再循環方
式(EGR:Exhaust Gas Recirculation)を想定し
が、ディーゼル機関のどのような系にも、本発明の排ガ
ス処理方法を適用できる。このようなディーゼル機関か
らの、排出直後の排ガス組成は、負荷条件にもよるが、
平均的に以下のとおりである。 煤 25〜500mg/m32O 4〜10% O2 6〜16% その他の成分、SOx(50〜500ppm)、NOx
(400〜1300ppm、炭化水素(40〜200p
pm)、CO(300〜3000ppm)等、図3にお
いてディーゼル機関の排ガス口直後の排気管に、セラミ
ック製のハニカム構造体の多数の通気管の内壁(口径
1.4mmの通気管)にアルカリ土類金属系の触媒層を
設けた触媒部材を配置した。触媒部材配置部は加熱調節
可能な加熱装置内に配置し温度制御(例えば、K−型サ
ーモカップル使用)が可能(600℃〜1200℃)に
なっている。塩基性金属酸化物系触媒層は、前記した方
法によって形成する。
【0014】実施例1 ディーゼル機関からの排ガス組成に相当するものとし
て、煤、O2、H2O、Arからなるガスを用いて、下記
表1に記載の触媒表面で形成されるガス相ヒドロキシラ
ジカルによる前記ガスの酸化処理の、物質収支及びエネ
ルギー投入量(表2)を求めて、浄化能力を測定した。
なお、排ガス組成として実際のディーゼル排ガスを使用
していないが、前記ガス組成を用いての結果は、定性的
及び定量的な実際のディーゼル排ガスの浄化能力の測定
として十分な意味を持つ。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】従来の、無声放電においては、投入エネル
ギーが4kJ/mgであるから、排ガス温度が比較的低
い状態においても、本発明の処理法方法によれば投入エ
ネルギー量は半減する。通常はディーゼルエンジン直後
の排ガスは温度が500℃を越えているから、投入エネ
ルギー量は非常に小さくなる。
【0018】具体例としては、ディーゼルからの排ガス
に相当するガスを用い、アルカリ土類金属酸化物系触
媒、ランタノイド酸化物系触媒およびそれらにアルカリ
金属をドープしたもの、並びにそれらの混合触媒からな
る群から選択される触媒に、水分および酸素が共存し、
温度600〜1200℃の範囲において前記ガスを接触
させて、前記水分および酸素から前記触媒表面で気相O
Hラジカルを生成させて前記ガスを酸化処理する場合の
作用・効果について示したが、前記気相OHラジカル
が、気相における多ハロゲン化有機化合物等の分解にお
いても有用であることは、気相OHラジカルの酸化力か
ら明らかである。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、煤を含む排気ガスや
難分解性の多ハロゲン化有機化合物、例えばダイオキシ
ン等を含む排ガスを、本発明の触媒系表面で、水分及び
酸素からガス相ヒドロキシラジカルを発生させ、該ガス
相ヒドロキシラジカルで酸化処理することで、少ないエ
ネルギーで効率的に環境汚染、大気汚染成分を分解し得
るという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図a)は、触媒上で水蒸気と酸素から気相O
Hラジカルの生成、気相OHラジカルの煤表面への拡
散、気相OHラジカルの煤との反応。図b)は従来法の
触媒表面における煤の酸化。
【図2】 ハニカム型の担体上に触媒を保持さ場合の概
念図
【図3】 本発明のディーゼル機関からの排ガスの処理
の工程図 排気ガス再循環方式(EGR:Exhaust Gas Recirculat
ion)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D048 AA11 AA14 AB01 BA01Y BA02X BA03Y BA06Y BA13X BA14Y BA15Y BA18Y BA41X BA42Y BB02 BD01 CA01 CC53 DA01 DA03 DA06 DA13 4G069 AA03 BA17 BB04A BB04B BC01A BC01B BC08A BC08B BC09A BC09B BC41A BC41B BC42A BC42B BC44A BC44B CA02 CA03 CA07 CA18 DA06 EA18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分および酸素が共存する排ガスを、温
    度条件600〜1200℃の範囲において触媒表面に接
    触させて該触媒表面で前記水分及び酸素からガス相ヒド
    ロキシラジカルを生成させ、排ガス中の除去すべき被酸
    化物を前記ガス相ヒドロキシラジカルで酸化処理するこ
    とを特徴とする発生基ヒドロキシラジカルによる排ガス
    の処理方法。
  2. 【請求項2】 触媒がアルカリ土類金属酸化物系触媒、
    ランタノイド酸化物系触媒およびそれらにアルカリ金属
    をドープしたもの、並びにそれらの混合触媒からなる群
    から選択されたものであることを特徴とする請求項1に
    記載の発生基ヒドロキシラジカルによる排ガスの処理方
    法。
  3. 【請求項3】 排ガスが煤を含むディーゼルエンジンか
    らの排気ガスであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の発生基ヒドロキシラジカルによる排ガスの処理
    方法。
  4. 【請求項4】 触媒を保持する耐熱性の担体が、多数の
    被処理ガスの通路を構成する排気通路を有するハニカム
    構造物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の発生基ヒドロキシラジカルによる被処理ガス
    の処理方法。
  5. 【請求項5】 触媒を保持する耐熱性の多数の被処理ガ
    スの通路を構成する排気通路を有するハニカム構造物
    が、ディーゼルエンジン直後の排ガス管に設置され、且
    つ前記ハニカム構造物の温度を制御することを特徴とす
    る請求項4に記載の発生基ヒドロキシラジカルによる排
    ガスの処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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