JP2000236743A - 改良された機械移植用育苗用培土 - Google Patents
改良された機械移植用育苗用培土Info
- Publication number
- JP2000236743A JP2000236743A JP11040506A JP4050699A JP2000236743A JP 2000236743 A JP2000236743 A JP 2000236743A JP 11040506 A JP11040506 A JP 11040506A JP 4050699 A JP4050699 A JP 4050699A JP 2000236743 A JP2000236743 A JP 2000236743A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- soil
- weight
- transplantation
- binder
- acrylamide copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
Abstract
苗を機械移植するための育苗用培土を提供すること。 【解決手段】 アクリル酸塩を含有するアクリルアミド
共重合体及び無機系イオン封止剤を含む土壌からなる育
苗用培土。 【効果】 保存安定性が向上するため、加水混合作業を
行わなくても直ちに使用が可能で、発芽・成育を阻害せ
ず、形成された根鉢部は機械移植に十分耐える強度を持
ち、移植後の苗の活着を妨げない。
Description
関する。詳しくは無機系イオン封止剤を含有する機械移
植用の育苗用培土に関するものである。
育苗用トレイに培土を詰め、播種・発芽・育苗した後、
育苗用トレイから土付苗を取り出し、これを機械移植す
る方法が広く行われている。機械移植を行うためには土
付苗の根鉢部または土付苗の茎や葉部分を保持する必要
がある。たまねぎやアスパラガスのように主根のみで側
根を持たないかまたは少ない植物や、栽培条件によって
根鉢の形成が不十分な幼苗を移植するような場合は育苗
用トレイから土付苗を取り出す際に根鉢部の土が崩れた
り、または苗の根と培土とが分離するため、安定した移
植を行うことが困難であった。
ピートモスなどの繊維状有機素材を添加したり、あるい
は特開平5−7427号公報では寒天ゲル、澱粉のよう
な天然高分子材料あるいはべントナイトを土壌の結合剤
として用いる方法が提案されているが、得られる根鉢部
の強度にバラツキを生じたりまた強度自体も満足できる
ものではなかった。これ等を改良する為、培土を結合さ
せる結合剤として種々の合成高分子を使用する試みがな
されている。特開昭62−236416号公報や特公平
7−108151号公報には非イオン性のポリエチレン
オキサイドが開示されているが、取り扱い時の作業性が
悪く、ポリエチレンオキサイドの粘着性だけで土壌を繋
ぎとめているため根鉢部の強度は満足できるものではな
い。
平1−199522号公報には、高分子凝固剤として用
いられている、アクリルアミドの単独重合体やカルボン
酸(塩)またはアクリルアミドとスルホン酸(塩)を含
有しているアニオン性単量体、非イオン性単量体または
3級および4級窒素を含有しているカチオン性単量体な
どとアクリルアミドとの共重合体が培土を結合させる為
の結合剤として羅列されている。
られている非イオン性単量体との共重合体はポリエチレ
ンオキサイドの場合と同じく、根鉢部の強度が不十分で
あり、カチオン性単量体との共重合体は発芽率を低下さ
せ、また根鉢部の強度も不十分であることから満足に使
用できるものは得られていない。特開平1−19952
2号公報はこれら重合体の水溶液を土壌と混合、乾燥、
加熱し架橋させて用いるものであり、根鉢部形成には使
用出来ない。特開昭59−59119号公報のほか、特
公平3−49525号公報、特開平3−210124号
公報、特開平1−199522号公報や特開平2−21
1808号公報には、とくに好ましい結合剤としてアク
リルアミドとカルボン酸(塩)を含有しているアニオン
性の単量体であるアクリル酸(塩)との共重合体が示さ
れている。
強度と、優れた機械移植性を期待出来るのはアクリル酸
(塩)とアクリルアミドとの共重合体である。この結合
剤を添加した培土をトレイに充填・播種・覆土する際の
作業性や根鉢部の強度に影響する培土の詰まり具合は、
培土に含まれる水分量の影響を強く受ける。この最適水
分量は用いた土壌の粒径分布などによって変わってくる
が、15〜30重量%程度にした際に良好な結果が得ら
れる。一方、培土にこの程度の水分が含まれていると、
保存中に培土中の水溶性の多価金属イオンはこの水分に
溶解し、結合剤粒に吸収され、その表面に不溶性の殻を
生成する。この不溶性の殻は保存期間が長くなればその
分だけ厚くなり、ついには結合剤の大部分が不溶化す
る。従って、培土中に存在する可溶性結合剤の量は、製
造後の日数や温度など使用されるまでの保存条件によっ
て変化することになり、培土の最も重要な特性である根
鉢部の強度を事実上一定に保つことは困難となる。
10重量%程度まで減少させる方法が用いられている
が、この様な低水分率の培土では、取り扱い時の粉塵発
生が著しく作業環境を悪化させるだけでなく、良好な培
土の充填などを行うことも難しくなると言う新しい問題
点が生じる。また、この程度の水分率であっても保存期
間が長くなると結合剤表面に水不溶性の殻が生成するた
め、育苗期間中に結合剤が溶解して培土内に拡散するの
が抑制され、結果として移植時の根鉢部強度が得られ難
くなる。
に、ミキサーを用いて培土に加水混合する準備作業が行
なわれている。この加水混合作業の目的は培土を充填・
播種などに都合の良い水分率に調整する事と、結合剤表
面に生成している殻を破って結合剤を膨潤溶解させて培
土全体に広げることにある。この加水混合時の培土の状
態はその時の温度や培土の量などによって変わって来る
ため作業の終了点は経験と勘に頼らざるを得ず、得られ
る根鉢部の強度が変動する原因の一つになっている。ま
た、結合剤は膨潤溶解した状態で培土全体に広げられて
いるため、培土の保存性は極度に悪くなっているため作
り溜めが出来ず、一連の作業単位ごとに必要な量づつ加
水混合を行う必要があり、使いきってしまう必要があ
る。この様に培土の保存安定性が悪い事は培土の使い易
さや性能を大きく低下させている原因となっている。
ウム、マグネシウムなどの多価金属イオンと接触しても
吸水能力を失わない、スルホン酸基を含有する高分子架
橋体を保水剤として床土に加える育苗用培土法が示され
ている。また、特開平8−172900号公報にはスル
ホン酸(塩)を含有している単量体の1つである2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)
(AMPS)とアクリルアミドとを共重合して得られる
水溶性アクリルアミド共重合体を結合剤として用いる事
によって、培土製造後の保存安定性および使用時の作業
性が改善された培土が提案されている。しかしながらこ
のAMPSを共重合して得られた結合剤を用いた培土で
は、育苗中の灌水によって結合剤がトレイ外に流亡して
トレイ内に残る結合剤の量が減少したり、土付苗の根鉢
部が乾燥しておれば十分な強度を持つが、移植前の灌水
によって強度が低下するなどの欠点を持っており、非常
に使い難いものとなっている。
性の吸水性樹脂とキレート試薬やポリリン酸塩などのイ
オン封止剤を粉体乃至は粒状の水不溶性担体に混合また
は吸着させた土壌改良剤が提案されている。この土壌改
良剤は水を自重の50倍以上吸水する高吸水特性を持つ
ものであり、培土を硬化させて機械特性を付与する結合
剤を安定化するものではない。
前に加水混合を行わなくても育苗用トレイに充填、播種
などの作業を行うことができ、また厳密な灌水コントロ
ールを行わなくても機械移植を行う為に必要な根鉢部の
強度を持つと共に、移植後の苗の成育を阻害しない機械
移植用育苗用培土を提供することにある。
行った結果、水分率が調整されている培土であっても、
アクリルアミド/アクリル酸塩共重合体及び無機系イオ
ン封止剤を共存させる事によって前記共重合体を結合剤
として用いる育苗用培土の利点を損なう事なく、その育
苗用トレイに充填作業を行う際の作業性を向上させるこ
とができることを見出だし、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明はアクリル酸塩を含有するアクリルアミド共
重合体、無機系イオン封止剤及び土壌を含んでなる機械
移植用育苗用培土にある。
アクリルアミド共重合体がアクリル酸塩3〜50モル%
を含有するアクリルアミド共重合体であって、その含量
が0.3〜3重量%であり、土壌がその粒度分布が粒径
0.5mm未満のものが20〜30重量%、2.0mm
を越えるものが30重量%未満であり、残りが0.5〜
2.0mmの範囲のものであり、かつ、その含水率が1
5〜25重量%であるものであり、および無機系イオン
封止剤がポリリン酸塩であって、その含量が0.5〜1
0重量%である上記機械移植用育苗用培土にある。
アクリルアミド共重合体がアクリル酸塩3〜50モル%
及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸塩(AMPS)0.5〜3モル%を含有するもの、す
なわち、第三成分として2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸塩(AMPS)0.5〜3モル%
を共重合したアクリルアミド共重合体、を添加した機械
移植用育苗用培土にある。
発明に用いられる結合剤はアクリルアミドにアクリル酸
塩を共重合したアクリルアミド共重合体であり、その共
重合モル%比は3〜50モル%であり、好ましくは5モ
ル〜40モル%である。アクリル酸塩の共重合モル比が
3モル%未満では、培土根鉢部の強度が十分ではなく、
50モル%を越えると根鉢部の強度が低下するだけでな
く脆くなり、かつ、移植後も固化物が根に付着したまま
残り、成育に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくな
い。
ては、アクリル酸およびアクリル酸のカリウムやナトリ
ウムなどのアルカリ金属やアンモニウム塩などであり、
使用条件下で結合剤を水溶性にするものであれば何でも
良い。得られる結合剤を水不溶性にしたり、得られる分
子量を著しく低下させるものでない限り、その他の単量
体を共重合することは何ら問題ないが、3級窒素や4級
窒素を含有するアクリル酸エステルやアクリルアミド誘
導体など水溶性のカチオン性の官能基を有する単量体を
共重合すると得られる培土に発芽率の低下や根鉢部の強
度低下などの悪影響が現れるので好ましくない。また、
これ等の単量体の使用量の上限はアクリルアミド/アク
リル酸(塩)共重合体の結合剤としての特性に悪影響を
及ぼさない5モル%程度であり、3モル%以下である事
が好ましい。
として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸(塩)、2−メタクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸(塩)、2−アクリロイルエタンスルホ
ン酸(塩)や3−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロ
パンスルホン酸(塩)等のアクリルアミド誘導体を共重
合することが好ましい。このようなアクリルアミド誘導
体としては、入手が容易な2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸(塩)が好ましい。
重合体に無機系イオン封止剤を併用した機械移植用育苗
用培土においては、硬化させた根鉢部を育苗用トレイか
ら抜き出す際の離型性が向上し、良好な形状を持った土
付苗が得られるとともに機械移植性が向上することが分
かった。同時に育苗用トレイに培土が残り難いことか
ら、次年度の使用に備えて育苗用トレイを清掃する作業
が大幅に軽減され、その省力化効果は大きい。また、乾
燥時の根鉢部の強度を向上させる効果もあった。
体の含有量は0.5モル%以上3モル%以下であり、1
モル%以上2モル%以下である事が好ましい。3モル%
を越えて用いると、育苗期間中の灌水によって結合剤が
トレイ外に流亡したり、移植前の灌水によって根鉢部の
強度が低下するので好ましくなく、0.5モル%未満で
は効果が現れない。本発明で結合剤として用いられるア
クリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体はアクリルア
ミドやその共重合体の製造に用いられている製法によっ
て製造される。
リル酸(塩)共重合体の分子量は800万以上、好まし
くは1000万以上である。800万以下では十分な根
鉢強度が得られないだけでなく、根鉢強度が得られると
ころまで結合剤量を増やすと、発芽障害が起こるため好
ましくない。本発明に用いられる結合剤は培土に対し、
0.3重量%から3重量%添加されている事が好まし
い。0.3重量%未満では生成する根鉢部の強度が不足
し、3重量%を越えると、発芽障害が起こり、また必要
以上に根鉢部の強度が高くなって移植後もそのまま残
り、新しい根の発生を阻害する事があるので好ましくな
い。
しては、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリ
ウム、テトラポリリン酸ナトリウムやヘキサメタリン酸
ナトリウムなど無機系のポリリン酸ナトリウム塩などを
用いることができる。なかでも好ましいのは比較的分子
量が高く、吸湿性の少ないトリポリリン酸ナトリウムや
テトラポリリン酸ナトリウムである。有機系のイオン封
止剤であるエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDT
A)、ニトリロ三酢酸ナトリウムや3−オキペンタン酸
ナトリウムの様なキレート試薬は全く効果を示さないこ
とから使用できない。
0.5 重量%から10重量%、好ましくは1重量%から8重
量%である。0.5 重量%未満では結合剤を安定化する効
果が認められず、10重量%を越えると培土根鉢部が硬化
しにくくなる事があるので好ましくない。この無機系イ
オン封止剤を培土に添加することによって、培土中の含
水量を高くした場合であっても、得られる培土の保存安
定性の劣化を防止することができる。このことから、培
土の製造時の粉塵発生が防止され、均一混合が容易にな
るなどの製造上の利点のほか、最も大きな効果として、
面倒でしかも根鉢部の強度バラツキの原因の一つとなっ
ていた、農家での加水混合作業を必要としなくなった事
があげられる。
量%から25重量%であり、より好ましくは16重量%から
20重量%である。15重量%未満では移植用トレイに充
填した際、培土が僅かな振動でも容易に移動するため、
移植用トレイを温室に移動する際などに種が浮きあが
り、発芽後の苗が倒れる原因となったり、培土の充填密
度不足によって根鉢部の強度が得られないなどの問題点
が発生し、25重量%を越えると、培土保存時に、条件に
よっては結合剤の一部が溶解し、保存期間が長くなると
土壌が粘着性を持つ様になって、培土の移植用トレイへ
の充填作業が困難となるなどの問題点が発生する。本発
明に用いられる培土用の土壌の種類はとくに限定され
ず、一般に用いられる、山土、畑土、鹿沼土などの天然
土に無機成分としてゼオライト、ベントナイト、パーラ
イト、バーミキュライト、クレーなどを、また有機成分
として、ピートモス、バーク堆肥や木粉、モミガラなど
を配合したものが用いられる。
を含有する粒状物からなる粉粒混合体であり、土壌を造
粒し、ふるい分けして粒度分布を調整したものを用いる
ことができる。その粒度分布は0.5 mm未満のものが20重
量%から30重量%、2 mmを越えるものが30重量%未満で
あり、残りが0.5 mm以上2mm 以下のものであることが好
ましい。この様な粒度分布を持つ土壌を用いると、硬化
後の培土が粘り強さを持つようになるため、結合剤の量
が多少変動しても崩れず機械移植ができるだけでなく、
灌水や移植前の乾燥条件の許容度が広くなる。0.5 mm未
満の粉末部分が20重量%未満であると硬化後の培土の粘
りがなくなり、30重量%以上であると育苗期間中におけ
る培土の吸水性が低下し結合剤の溶解が抑制されるた
め、結果として移植時に十分な根鉢強度が得られなくな
る。また2 mmを越えるものが30重量%を越えると移植用
トレイに充填しにくくなるため好ましくない。
ン封止剤を添加する際に、結合剤や無機系イオン封止剤
は個々に添加混合しても良いし、混合したのち添加して
も良い。また、結合剤や無機系イオン封止剤をゼオライ
ト、タルクや微粉珪酸、土壌や岩石の粉末などと混合し
たマスターバッチにしておき、これを加えると培土中に
より均一に混合されるので好ましい。本発明の培土が適
用出来る作物に限定はないが、苗を機械移植する作物、
例えば野菜、花き、苗木、稲などに使用できる。とくに
玉葱やアスパラガスなどの様に、主根のみで側根のない
作物、主根が多くて側根の少ない作物や根鉢が未だ形成
されていない稚苗などを機械移植する際に適している。
ル酸(塩)共重合体および粉粒混合した、含水土壌から
なる機械移植用育苗用培土に無機系イオン封止剤を添加
する事によって、培土の保存安定性が改善されて、培土
の作り置きが出来るようになると共に、農家で使用時の
準備作業として加水混合作業を行わなくても育苗用トレ
イへの培土充填・播種などの作業を行う事ができ、十分
な根鉢部強度がえられる事から安定した機械移植が可能
となる。
造 アクリルアミド共重合体は一般に用いられている方法、
例えば特開平3−93892号公報や特開平 8−172900号公報
に記載の方法に従って製造した。イオン交換水に溶解し
たアクリルアミド102.36gおよびアクリル酸ナトリウム
52.66 gの溶液 620gをジュワー瓶に入れ、窒素置換し
た後、触媒として亜硫酸水素ナトリウムおよび過硫酸カ
リウムを用い、30℃で断熱的に重合した。この様にして
得られた分子量の異なるアクリルアミド/アクリル酸ナ
トリウム共重合体のゲル状物を細断し100 ℃以下で乾燥
したのち再粉砕し篩分けして微粒子部分を集め、密封保
存した。分子量はウベローデ粘度計を用い1Nの食塩水
中で測定した極限粘度から求めた。
る。ただし、本発明はその技術的範囲がこれらの実施例
に限定されるものではない。この実施例に用いる機械移
植用の育苗用培土の調製は次のとおり行った。
整した。 B.機械移植用の育苗用培土の製造 上記Aで準備した粉粒混合土壌にピートモスなどの有機
系素材、ゼオライトのような土壌改良剤および肥料成分
を混合し、水を加えて含水率を調整したのち、土壌のp
Hを6±0.3に調整した。そののち結合剤および無機
系イオン封止剤を混合して機械移植用の育苗用培土とし
た。
レイに培土を1300g〜1350g詰め、圧縮した後、たまね
ぎの種子(フラヌイ53)を播種し、同一の培土で覆土し
た。播種し終わった育苗トレイをハウス内に運び、育苗
床に育苗トレイの底面が良く密着する様に圧着設置し
た。トレイ1枚当り900 gの灌水を行ない、10日間シル
バーポリトウで覆って発芽させたのちシルバーポリトウ
を取り去り、適時に灌水を行って育苗した。播種後45日
目から灌水を10日間止めた後、トレイ1枚当たり600gの
灌水を行ない8 時間後に育苗床から育苗トレイをはが
し、トレイの底部から金属棒で突き上げて根鉢部が形成
されている苗を取り出した。
評価および機械移植テストの評価基準は次の通りであ
る。 トレイへの充填性:充填装置を用いて育苗用トレイへ培
土を充填する際の充填され易さとして、1トレイ当たり
に充填された培土の量から以下の判断基準で示した。良
好(1300g〜1350g)、やや良好(1250g〜1299g)、
不良(1249g以下) 発芽率:播種後15日目に448 穴×3枚のトレイの発芽数
を求め比率を計算した。
10%程度にした培土に、トレイ1 枚当たり600gの灌水を
行い、吸水状態を観察し、その吸水性から、 A:水が培土表面にたまることなく、ただちに吸収され
る、 B:初期のみ吸収する)、 C:表面が水をはじき盛り上がる、 と表現した。
き上げて、根鉢部が形成されたトレイから取り出す際の
剥離し易さを以下の判断基準で示した。 A:根鉢部は崩れる事なく容易に剥離し、トレイに培土
は残らなかった B:根鉢部は崩れなかったが剥離しにくかった。トレイ
に培土は残らなかった C:剥離しにくく、トレイに培土が少し残った D:根鉢部の一部が崩れ、トレイに培土が残った
て居る苗を培土の際から切断した後、はがして得られた
14×7 =98個の截頭円錐形の根鉢部(上面直径15mm、底
面直径12.5mm、高さ24mm )を底面を上にして、(株)イ
マダのDPS−5/MV−100AC型卓上式圧縮試験
機で圧縮破壊時の強度を測定し、その平均値を圧縮破壊
強度とした。また圧縮破壊強度0.34kg以下では、機械移
植する際に根鉢部が破損し正常な移植が出来ないことか
ら、圧縮破壊強度0.35kg以上のサンプル数を拾いだしそ
の比率を合格率として表示した。
し、必要に応じ移植作業と同時に灌水を行い、植え付け
時の欠株数および斜め株数を調査し移植不良株の割合を
求め、その割合から、 A:不良率 5%未満、 B:不良率 5〜15%未満、 C:不良率15〜25%未満、 D:不良率25%以上、 で示した。
のが30重量%未満で残りが0.5 mm以上2mm以下のものと
なるよう粒度分布を調整した粉粒混合土壌を用い、上記
参考例で得られたアクリル酸ナトリウムを28モル%含有
する分子量1500万のアクリルアミド共重合体の添加量を
0.1 〜4.0 重量%まで変えた、含水率18%の機械移植用
の育苗用培土を製造した。これ等の培土を製造直後およ
び4か月間倉庫内で貯蔵した後その評価を行った。結果
を纏めて表1および表2に示す。製造直後の培土では、
結合剤量0.1 重量%から3重量%の間で発芽率が良好で
あったが、3重量%でやや低下し、4 重量%で著しく低
下する。一方、根鉢部の強度は結合剤量0.1 重量%では
機械移植に必要な水準に達せず、0.3 重量%以上用いる
と良好な強度が得られた。結果を纏めて表1に示す。4
か月間貯蔵すると、発芽率はすべて良好であったが、機
械移植可能な根鉢部の強度は得られなかった。結果を纏
めて表2に示す。
4〕 結合剤の量を0.7 %とし、培土の含水率を10〜30重量%
に変えた以外は実施例1と同様にして得られた機械移植
用培土の評価を行った。製造直後の含水率10%の培土で
は、乾燥状態であるため培土の圧縮ができなく、また振
動による培土の移動があり、結果として育苗トレイ移動
時に種が浮き上がり、発芽した苗が倒れる転び苗の発生
率が高くなって、機械移植時に転び苗が移植の障害とな
った。
く、育苗トレイに充填出来なかった。結果を纏めて表3
に示す。一方、4か月間貯蔵した機械移植用培土では、
培土の外観は含水率30%の培土で、固まりを生じていた
外は製造直後の培土と同様であったが、根鉢部の強度が
機械移植可能な水準に達するものはなかった。
〜21〕 含水率を17重量%に固定し、粉粒混合土壌の粒度分布お
よび結合剤として用いた参考例で得られた結合剤の添加
量を変えて製造した機械移植用育苗用培土の評価を行っ
た。粒度0.5 mm未満の土壌の比率を15重量%から25重量
%に高くすると、圧縮強度の値と共に、機械移植性も向
上する。しかしながら35重量%まで高くすると、水の浸
透性が低下し、機械移植性も低下し始めた。一方、2mm
を越える部分の割合が40重量%になると培土の育苗用ト
レイへの充填性が低下した。結果を纏めて表5に示す。
〜27〕 粒径0.5mm 未満のものが20〜30重量%、2mmを越えるも
のが30重量%未満で残りが0.5 mm以上2 mm以下のものと
なるよう粒度分布を調整した粉粒混合土壌を用い、含水
率を18%とした土壌を用い、参考例で得られたアクリル
酸ナトリウムを28モル%含有するアクリルアミド共重合
体の添加量を0.7 重量%とし、これに有機系イオン封止
剤としてキレート試薬エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム塩(EDTA)を、また、無機系イオン封止剤として
ポリリン酸ナトリウムを添加した機械移植用育苗用培土
を製造し、4か月間倉庫内で貯蔵した後、培土の評価を
行った。結果を纏めて表6に示す。
められず、同系統のキレート試薬である、1 、2 −シク
ロヘキサン四酢酸ナトリウム塩、ジエチレントリアミン
五酢酸ナトリウム塩やニトリロ三酢酸ナトリウム塩でも
同様に効果は認められなかった。一方、トリポリリン酸
ナトリウムを用いると、0.3 重量%では効果が認められ
なかったが0.5 重量%以上では顕著な効果が認められ
た。15重量%まで添加量を増やすと、結合剤が硬化し難
くなる傾向が見られた。結果を纏めて表6に示す。
〜32〕 粒径0.5 mm未満のものが20〜30重量%、2mmを越える
ものが30重量%未満で残りが0.5 mm以上2mm以下のもの
となるよう粒度分布を調整した粉粒混合土壌を用い、含
水率を18%とし、参考例に準じて重合して得られたアク
リル酸ナトリウムの含有量が1%から55%まで異なり、
第3成分を共重合させてえられた結合剤の量を0.7 %と
し、トリポリリン酸ナトリウムを3重量%添加した機械
移植用育苗用培土を製造し、4か月間倉庫で保存したの
ち、育苗テストおよび根鉢部の圧縮テストを行った。結
果を纏めて表7に示す。
た。アクリル酸ナトリウムの含有量が増えるに従って硬
化した根鉢部のトレイからの剥離性はやや低下したが、
得られる根鉢部の強度は向上した。ナトリウム塩の代わ
りにカリウム塩やアンモニウム塩を用いても同様の傾向
が見られた。AMPSを共重合すると0.3 モル%までは
差は認められなかったが、0.5 モル%以上になると離型
性が改善された。4モル%以上となると根鉢部の強度が
低下した。
業を行わなくても直ちに使用が可能で、発芽・成育を阻
害せず、形成された根鉢部は機械移植に十分耐える強度
を持ち、移植後の苗の活着を妨げない。
Claims (3)
- 【請求項1】 アクリル酸塩を含有するアクリルアミド
共重合体、無機系イオン封止剤及び土壌を含んでなる機
械移植用育苗用培土。 - 【請求項2】 アクリル酸塩を含有するアクリルアミド
共重合体がアクリル酸塩3〜50モル%を含有するアク
リルアミド共重合体であって、その含量が0.3〜3重
量%であり、土壌がその粒度分布が粒径0.5mm未満
のものが20〜30重量%、2.0mmを越えるものが
30重量%未満であり、残りが0.5〜2.0mmの範
囲のものであり、かつ、その含水率が15〜25重量%
であるものであり、および無機系イオン封止剤がポリリ
ン酸塩であって、その含量が0.5〜10重量%である
ことを特徴とする請求項1記載の機械移植用育苗用培
土。 - 【請求項3】 アクリル酸塩を含有するアクリルアミド
共重合体がアクリル酸塩3〜50モル%及び2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩0.5〜3
モル%以下を含有するものであることを特徴とする請求
項1又は2記載の機械移植用育苗用培土。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04050699A JP3315660B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 改良された機械移植用育苗用培土 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04050699A JP3315660B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 改良された機械移植用育苗用培土 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000236743A true JP2000236743A (ja) | 2000-09-05 |
JP3315660B2 JP3315660B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=12582446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04050699A Expired - Lifetime JP3315660B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | 改良された機械移植用育苗用培土 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3315660B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010130955A (ja) * | 2008-12-04 | 2010-06-17 | Tact:Kk | 真空パック園芸用粒状土およびその製造方法 |
WO2016063836A1 (ja) * | 2014-10-23 | 2016-04-28 | 日産化学工業株式会社 | 液体を吸収又は放出するヒドロゲル成形体 |
JP2016154449A (ja) * | 2015-02-23 | 2016-09-01 | 株式会社ヤマザキ | タマネギおよび軟弱植物の育苗培土用固化剤および育苗用培土 |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP04050699A patent/JP3315660B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010130955A (ja) * | 2008-12-04 | 2010-06-17 | Tact:Kk | 真空パック園芸用粒状土およびその製造方法 |
WO2016063836A1 (ja) * | 2014-10-23 | 2016-04-28 | 日産化学工業株式会社 | 液体を吸収又は放出するヒドロゲル成形体 |
JPWO2016063836A1 (ja) * | 2014-10-23 | 2017-08-03 | 日産化学工業株式会社 | 液体を吸収又は放出するヒドロゲル成形体 |
JP2016154449A (ja) * | 2015-02-23 | 2016-09-01 | 株式会社ヤマザキ | タマネギおよび軟弱植物の育苗培土用固化剤および育苗用培土 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3315660B2 (ja) | 2002-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5927003A (en) | Polymeric media amendment | |
US5934011A (en) | Seedling culture mat | |
KR100478742B1 (ko) | 식물 보수용 담체 | |
NZ201483A (en) | Particulate compositions useful as plant growing media additives | |
US4906276A (en) | Plant transplant and plant preservation medium | |
JPS6234363B2 (ja) | ||
US4985061A (en) | Plant transplant and plant preservation medium | |
US4985062A (en) | Method of improving crop yield | |
JP2007244393A (ja) | 育苗培土の調製方法及び育苗培土並びに育苗培土調製用セット | |
JP3315660B2 (ja) | 改良された機械移植用育苗用培土 | |
JP5774862B2 (ja) | 土付き苗用の培土 | |
JP4950744B2 (ja) | 育苗用培土及びこれを用いた野菜類の挿し木方法 | |
WO1991003149A1 (en) | Water retentive matrix incorporating plastic for growing seeds and plants | |
JP2007222111A (ja) | セル成型苗用の育苗用養土およびセル成型苗の生産方法 | |
JPH11235127A (ja) | 育苗培土の調製方法及び育苗培土並びに育苗培土調製用セット | |
JP2876002B1 (ja) | 改良された機械移植用育苗用培土 | |
JP2012055275A (ja) | 土付き苗用の培土 | |
JP3165124B2 (ja) | 育苗培土用糊剤、育苗培土および育苗培土の製造方法ならびに育苗培土の固化方法 | |
JP2003289720A (ja) | 機械定植用培土 | |
JPH08172900A (ja) | 育苗用培土 | |
GB2269378A (en) | Fibrous growth media | |
JPH0349525B2 (ja) | ||
JPH10248376A (ja) | セル育苗用培土 | |
JPH10127160A (ja) | 結合性培土および育苗方法 | |
JPH0317451B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |