JP2000236105A - 薄膜太陽電池の製造方法および装置 - Google Patents

薄膜太陽電池の製造方法および装置

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JP2000236105A
JP2000236105A JP11036989A JP3698999A JP2000236105A JP 2000236105 A JP2000236105 A JP 2000236105A JP 11036989 A JP11036989 A JP 11036989A JP 3698999 A JP3698999 A JP 3698999A JP 2000236105 A JP2000236105 A JP 2000236105A
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heat treatment
electrode layer
film
transparent electrode
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Katsuya Tabuchi
勝也 田淵
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開放電圧、曲線因子、直列抵抗などの電池特
性不良が生じない薄膜太陽電池の製造方法および装置を
提供する。 【解決手段】 透明電極層形成後に、電池特性の不良防
止を図るための所定の条件で熱処理を行う。上記実施装
置としては、真空槽の共通室281内部に、基板201
の巻出し用のコアー282を有するアンワインダー室2
90と、金属電極層,光電変換層及び透明電極層形成用
の複数個の独立した処理空間としてなる成膜室280
と、巻取り用のコアー283を有するワインダー室29
1とを備えたステッピングロール方式の製造装置におい
て、前記透明電極層形成用の成膜室の後段に、加熱処理
室282を備える。加熱処理室は、函状の下部室301
と上部室300とを対向配置し,前記成膜室と同様に独
立した処理空間としてなるものとし、ヒータを内蔵した
加熱体302を透明電極層に接触可能に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜太陽電池の
製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、環境保護の立場から、クリーンな
エネルギーの研究開発が進められている。中でも、太陽
電池はその資源(太陽光)が無限であること、無公害で
あることから注目を集めている。
【0003】薄膜太陽電池は、薄型で軽量、製造コスト
の安さ、大面積化が容易であることなどから、今後の太
陽電池の主流となると考えられる。
【0004】従来の薄膜太陽電池はガラス基板を用いて
いたが、軽量化、施工性、量産性においてプラスチック
フィルムおよび金属フィルムを用いたフレキシブルタイ
プの太陽電池の研究開発がすすめられている。このフレ
キシブル性を生かし、ロールツーロール方式またはステ
ッピングロール方式の製造方法により大量生産が可能と
なった。
【0005】上記の薄膜太陽電池は、フレキシブルな電
気絶縁性フィルム基板上に金属電極層、薄膜半導体層か
らなる光電変換層および透明電極層が積層されてなる光
電変換素子(またはセル)が複数形成されている。ある
光電変換素子の金属電極と隣接する光電変換素子の透明
電極を電気的に接続することを繰り返すことにより、最
初の光電変換素子の金属電極と最後の光電変換素子の透
明電極とに必要な電圧を出力させることができる。例え
ば、インバータにより交流化し商用電力源として交流1
00Vを得るためには、薄膜太陽電池の出力電圧は10
0V以上が望ましく、実際には数10個以上の素子が直
列接続される。
【0006】このような光電変換素子とその直列接続
は、電極層と光電変換層の成膜と各層のパターニングお
よびそれらの組み合わせ手順により形成される。上記太
陽電池の構成および製造方法は、例えば特願平9−37
207号に記載されている。
【0007】上記特許出願明細書に記載された薄膜太陽
電池は、電気的直列接続を容易にしするために、基板の
裏面にも電極層を形成した例であるが、基板の表面の片
面のみに太陽電池薄膜層を形成したものも一般的に使用
されている。この種の薄膜太陽電池の構成概念図を、図
2に示す。図2(a)は、単接合型薄膜太陽電池を、図
2(b)は、2段接合型薄膜太陽電池を示す。
【0008】図2において、可撓性基板101上には、
金属電極層102、光電変換層となるa−Si層、透明
電極層106が順次形成される。a−Si層は単接合型
の場合、n層103、i層104、p層105から構成
される。また、2段接合型では、n層103、i層10
4、p層105、n層107、i層108、p層109
から構成される。例えば、n−i−p単接合の薄膜光電
変換素子を形成する際には、金属電極層が形成された可
撓性基板上へ光電変換層となるa−Si層のn層、i
層、p層を順次形成し、その後、透明電極層を形成す
る。
【0009】この薄膜太陽電池の製造方法としては、前
述のように、ロールツーロール方式またはステッピング
ロール方式がある。両方式共に、複数のロールによる基
板搬送手段を備え、前者は各成膜室内を連続的に移動す
る基板上に連続的に成膜する方式であり、後者は各成膜
室内で同時に停止させた基板上に成膜し,成膜の終わっ
た基板部分を次の成膜室へ送り出す方式を採用してい
る。
【0010】ステッピングロール方式の成膜装置は、隣
接する成膜室間のガス相互拡散を防止できることから各
薄膜の特性が安定して得られるなどの点で優れており、
その装置の構成は、例えば、特開平6-292349号公報や特
開平8-250431号公報に記載されている。
【0011】図3に、共通真空室内に成膜室を複数有す
るステッピングロール成膜方式の薄膜製造装置の構成の
概略を示す。図3に示す装置は、可撓性基板の巻出し用
アンワインダー室290と、金属電極層,光電変換層お
よび透明電極層形成用の複数個の独立した処理空間とし
てなる成膜室280と、巻取り用ワインダー室291と
を備え、基板201はコア282から捲き出されコア2
83にまきとられる間に、複数の成膜室280で成膜さ
れるように構成されている。共通室281は複数の成膜
室280を内部に収めている。
【0012】成膜室ではスパッタ成膜またはプラズマ化
学気相成長法(以下プラズマCVD法と記す)により成
膜が行われる。例えば、プラズマCVD法により成膜す
るステッピングロール方式では、成膜室開放−基板1フ
レーム移動−成膜室封止−原料ガス導入−圧力制御−放
電開始−放電終了−原料ガス停止−ガス引き−成膜室開
放からなる操作が繰り返される。
【0013】図4に、前記特開平8-250431号公報に記載
された成膜室の概略構造の一例を示す。図4(a)、
(b)はそれぞれ、成膜室の開放時および封止時の概略
断面図を示す。断続的に搬送されてくる可撓性基板1の
上下に函状の下部成膜室壁体21と上部成膜室壁体22
とを対向配置し、成膜室の封止時には、下部成膜室と上
部成膜室からなる独立した処理空間を構成するようにな
っている。この例においては、下部成膜室は電源4に接
続された高電圧電極31を備え、上部成膜室は、ヒータ
33を内蔵した接地電極32を備える。
【0014】成膜時には、図4(b)に示すように、上
部成膜室壁体22が下降し、接地電極32が基板1を抑
えて下部成膜室壁体21の開口側端面に取付けられたシ
ール材5に接触させる。これにより、下部成膜室壁体2
1と基板1とから、排気管61に連通する気密に密閉さ
れた成膜空間6を形成する。上記のような成膜室におい
て、高電圧電極31へ高周波電圧を印加することによ
り、プラズマを成膜空間6に発生させ、図示しない導入
管から導入された原料ガスを分解して基板1上に膜を形
成することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
にして薄膜太陽電池を形成した場合、太陽電池の電流−
電圧特性(以下、単に電池特性という。)に関し、不良
が発生する問題があった。具体的な数値に関しては、本
件発明と比較して後述するが、電池特性において、開放
電圧、曲線因子などが低下し、直列抵抗が大きくなるな
どの不良が発生する問題があった。この不良は、基板と
して例えば厚さ1.8mmのガラス基板を用いた厚膜太
陽電池の場合には発生せず、この問題は基板として比較
的薄い可撓性基板を用いる薄膜太陽電池の製造における
固有の問題である。
【0016】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、本発明の課題は、開放電圧、
曲線因子、直列抵抗などの電池特性不良が生じない薄膜
太陽電池の製造方法および装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述の問題を解決するた
め、この発明は、電気絶縁性を有する可撓性基板上に、
金属電極層,光電変換層および透明電極層を順次重ねて
形成してなる薄膜太陽電池の製造方法において、前記透
明電極層形成後に、電池特性の不良防止(初期不良防
止)を図るための所定の条件(所定の熱処理温度および
熱処理時間)で熱処理を行うこととする(請求項1,
8)。上記熱処理条件としては、熱処理温度を120℃
〜210℃とする(請求項2)、また、熱処理時間を3
分以上とする(請求項3)、好ましくは5分以上とする
(請求項4)。
【0018】上記熱処理により、開放電圧、曲線因子、
直列抵抗などの電池特性不良の発生が防止できる。その
理由は、下記のとおりと推測される。前述のガラスを基
板とする太陽電池の場合には、基板の熱容量が本発明の
対象とする薄膜太陽電池に比べて十分大きいため、透明
電極層形成後に成膜室から取り出されたり、透明電極層
形成装置が大気開放されても太陽電池素子が急激に冷却
されることがないため、電池特性不良の発生がないと考
えられる。
【0019】薄膜太陽電池の場合には、基板の熱容量が
非常に小さいため、透明電極形成後にヒーターから離さ
れたり、基板が搬送されたり、あるいは、基板がロール
に接触すると急激に温度が低下する。このため、透明電
極層とp層とのコンタクト不良が発生したのではないか
と考えられる。透明電極形成後に基板温度は一旦低下す
るものの、再度加熱処理されることにより、透明電極層
とp層とのコンタクト不良が改善され,正常な電池特性
を示すようになるものと考えられる。
【0020】上記方法を実施するための装置としては、
一つの真空槽からなる共通室の内部に、電気絶縁性を有
する可撓性基板の巻出し用アンワインダー室と、金属電
極層,光電変換層および透明電極層形成用の複数個の独
立した処理空間としてなる成膜室と、巻取り用ワインダ
ー室とを備えたステッピングロール方式の薄膜太陽電池
の製造装置において、前記透明電極層形成用の成膜室の
後段に、電池特性の不良防止を図るための所定の条件で
熱処理を行うための加熱処理室を備えたものとする(請
求項5)。
【0021】また、上記装置において、加熱処理室は、
断続的に搬送されてくる成膜された基板の上下(または
左右)に函状の下部室と上部室と(または左右の処理
室)に対向配置され,前記成膜室と同様に独立した処理
空間としてなるものとし、前記下部室と上部室(または
左右の処理室)のいずれか一方の室には、ヒータを内蔵
した加熱体が透明電極層に接触可能に配置されたものと
する(請求項6)。
【0022】さらに、上記装置において、加熱処理室に
おける熱処理温度は、120℃〜210℃とし、熱処理
時間は3分以上の熱処理が可能なものとする(請求項
7)。
【0023】上記装置を用いて、成膜と熱処理を一つの
装置で連続的に行うことにより、品質の安定化と量産性
の向上を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施の形
態について以下に述べる。
【0025】まず、本発明の製造装置の実施例につい
て、図1により説明する。図1の製造装置は、共通室2
81の内部に、基板201の巻出し用のコアー282を
有するアンワインダー室290と、金属電極層,光電変
換層および透明電極層形成用の複数個の独立した処理空
間としてなる成膜室280と、巻取り用のコアー283
を有するワインダー室291とを備えたステッピングロ
ール方式の薄膜太陽電池の製造装置であり、前記透明電
極層形成用の成膜室の後段に、加熱処理室282を備え
る。
【0026】加熱処理室282は、函状の下部室301
と上部室300とを対向配置して,前記成膜室と同様に
独立した処理空間としてなるものとし、この実施例にお
いては、ヒータを内蔵した加熱体302を透明電極層に
接触可能に配置している。
【0027】なお、上記の各処理室は、前述のように上
下に対向配置せず、左右に対向配置することも可能であ
る。
【0028】次に、前記製造装置を用いて形成した薄膜
太陽電池の実施例について述べる。薄膜太陽電池の構成
は、前述の図2(a)に示すもので、可撓性基板上10
1に金属電極層102、a−Si層のn層103、i層
104、p層105、最後に透明電極層106を順次積
層したものである。透明電極層にはITOを適用した。
【0029】基板には耐熱性に優れる可撓性絶縁性高分
子基板を用いた。これらには、ポリイミド、アラミドな
どの種類があり、本発明ではポリイミド基板を用いた。
基板の幅は約500mm、厚さ50μm、長さ約300mである。本
基板に金属電極層102を形成した。形成法はDCスパ
ッタリング法を用いた。金属電極層はAg、Al、N
i、Cr、Ti、Cu等の単体層や、これらのいくつか
の合金、あるいは積層膜により構成される。金属電極層
の厚さは、50nmから1000nmが適当である。また、金属電
極層形成前に基板を加熱処理したり、Ar、酸素等の雰
囲気のプラズマにさらすプラズマ処理を行うことは、基
板の表面に吸着した水、二酸化炭素、また、基板のイミ
ド結合間に吸湿された水やその他の不純物を取り除くこ
とに有効である。また、金属電極層と基板の付着力の向
上にも有効である。こうして作製された金属電極層付き
基板は、図1に示される製造装置のコア282および2
83に取り付けられ、3×10-3Paまで真空引きされ成膜
が開始される。
【0030】太陽電池素子の各層は各々の成膜条件によ
り形成されるが、以下、i型のa−Si層を形成するC
VD室、および、透明電極層を形成するスパッタ室を例
に挙げ、詳細に形成方法を述べる。
【0031】i型a−Si層の形成に際しては、隣接す
る成膜室(CVD室)であらかじめ基板上にn型a−S
i層が形成された部分が搬送されて、i型a−Si層を
形成する成膜室(CVD室)に位置合わせし、成膜室を
封止する。この状態では、共通室、あるいは、他のCV
D室、スパッタ室とは完全に分離されている。この状態
で高真空排気用ポンプにより1×10-3Paまで真空引きを
行った。その後、原料ガスとなるSiH4とH2が1:1
に混合されたガスをバルブを開けて反応室内に導入し、
成膜排気用ポンプ、圧力コントロールバルブを用いて成
膜圧力に調整した。次に、高周波電力を電極間に印加
し、成膜を行った。所定の成膜時間終了後、高周波電力
の印加の停止、原料ガスの供給を停止し、圧力コントロ
ールバルブを全開にして原料ガスを排気した。その後、
高真空排気用ポンプで1×10-3Paまで真空引きした。そ
して次のp型a−Si層を形成するために、成膜室を開
放し、基板を1フレーム分搬送した。
【0032】透明電極層の形成に際しては、隣接するC
VD室であらかじめ基板上にn層、i層、p層が形成さ
れた部分が搬送されて、透明電極層を形成する成膜室
(スパッタ室)に位置合わせし、成膜室を封止する。こ
の状態では、共通室、あるいは、CVD室、その他のス
パッタ室とは完全に分離されている。この状態で高真空
排気用ポンプにより2×10-4Paまで真空引きを行った。
その後、スパッタガスとなるArガスを反応室内に導入
し、圧力コントロールバルブを用いて成膜圧力に調整し
た。次に、高周波電力を電極間に印加し、成膜を行っ
た。所定の成膜時間終了後、高周波電力の印加の停止、
スパッタガスの供給を停止し、圧力コントロールバルブ
を全開にしてスパッタガスを排気した。その後、2×10
-4Paまで真空引きした。
【0033】n層、p層の形成についても、上述のi層
形成方法と同様であり、原料ガス、ヒーター温度等の成
膜条件が異なるだけである。各層の成膜条件を表1に示
す。
【0034】
【表1】 ところで、透明電極層まで形成された基板は、従来であ
れば、巻取り用のコア283に順次そのまま巻き取られ
るが、この発明の実施例では、透明電極層形成後ひき続
き、加熱処理室282において加熱処理を行う。以下
に、加熱処理条件を種々かえて、電池特性に関して比較
実験した結果の一例を、加熱処理なしの場合とも比較し
て述べる。電池特性は、有効成膜領域40cm×80c
m面内の10個程度の1cm2小面積電池特性の平均で
評価した。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】 表2における作製条件(加熱処理条件)〜は、下記
のとおりである。
【0036】加熱処理なし(従来の方法,比較例) 加熱処理(120℃,1時間,図1の加熱処理室以外
の加熱装置で大気中) 加熱処理(150℃,20分,図1の加熱処理室で加
熱体を透明電極層に接触した状態で加熱処理) 電池特性は、条件の場合、開放電圧0.835Vと通常のa
−Siのシングル接合太陽電池の開放電圧よりもかなり
低かった。また、曲線因子が低く、直列抵抗も高かっ
た。条件の場合は、作製した太陽電池素子を大気雰囲
気120℃で1時間熱処理した。その結果は、開放電圧が
0.872Vに向上し、曲線因子も0.638に向上した。また、
直列抵抗も8.07Ωと低減し、その結果変換効率が約10%
向上した。
【0037】条件の場合は、透明電極層形成後、図1
の加熱処理室282に基板を搬送し、加熱処理室を封止
して、加熱処理した。処理温度は150℃で加熱体302
と基板201の透明電極層は接触している。圧力は2×1
0-4Paである。この状態で20分間保持した後、加熱処理
室282を開放して、基板を巻き取りコア283へ巻き
取った。この条件で作製された電池特性は表2に示す
ように、開放電圧0.877Vと正常なa−Siのシングル接
合太陽電池と同程度の値であった。また、その他の電池
特性も正常な値であった。
【0038】なお、このような正常な電池特性を示す条
件の薄膜太陽電池素子に対して、上述した熱処理に加
えて、さらに別の加熱装置を用いて大気中で追加の加熱
をした場合の効果について調べた。追加の加熱処理前と
追加の加熱熱処理後の電池特性を、それぞれ表3の作成
条件とに示す。
【0039】
【表3】 熱処理条件は、大気雰囲気120℃で1時間である。表3
の結果によれば、追加の加熱熱処理前後で各電池特性の
値にほとんど変化はなく、大気雰囲気での追加の熱処理
の効果は特別ないことが分かった。従って、図1におけ
る加熱処理室282による成膜後の連続加熱処理のみで
十分であることが分かる。
【0040】次に、ヒーターに基板を接触させる時間を
変えた場合の電池特性がどうなるかについて調べた。時
間は、1分、3分、5分、10分、20分、40分である。1分
間加熱体に接触させた場合は、接触させない場合とほと
んど同じ電池特性を示し、特性改善はなかった。3分間
加熱体に接触させた場合は、接触させない場合に対して
開放電圧、曲線因子は改善されたものの、20分のものに
対しては低かった。また、直列抵抗についても完全には
回復しなかった。5分以上加熱体に接触させていたもの
については、前述の20分のものと同様の電池特性を示
し、加熱体に接触させる時間が5分以上で電池特性が完
全に回復することが分かった。
【0041】次に、加熱体の温度が、90℃、120℃、150
℃、180℃、210℃、240℃で熱処理を行った。90℃の場
合には、開放電圧、曲線因子、直列抵抗については若干
改善されたものの、正常な値には回復しなかった。120
℃〜210℃の場合には、開放電圧、曲線因子、直列抵抗
は正常値に回復した。また、240℃では、開放電圧、曲
線因子、直列抵抗については若干改善されたものの、正
常な値には回復しなかった。
【0042】
【発明の効果】この発明は、電気絶縁性を有する可撓性
基板上に、金属電極層,光電変換層および透明電極層を
順次重ねて形成してなる薄膜太陽電池の製造方法におい
て、前記透明電極層形成後に、電池特性の不良防止(初
期不良防止)を図るための所定の条件(所定の熱処理温
度および熱処理時間)で熱処理を行うこととする(請求
項1,8)、上記熱処理条件としては、熱処理温度を1
20℃〜210℃とする(請求項2)、また、熱処理時
間を3分以上とする(請求項3)、好ましくは5分以上
とする(請求項4)ことにより、開放電圧、曲線因子、
直列抵抗などの電池特性不良の発生が防止できる。
【0043】上記方法を実施するための装置としては、
一つの真空槽からなる共通室の内部に、可撓性基板の巻
出し用アンワインダー室と、金属電極層,光電変換層お
よび透明電極層形成用の複数個の独立した処理空間とし
てなる成膜室と、巻取り用ワインダー室とを備えたステ
ッピングロール方式の薄膜太陽電池の製造装置におい
て、前記透明電極層形成用の成膜室の後段に、電池特性
の不良防止を図るための所定の条件で熱処理を行うため
の加熱処理室を備えたものとする(請求項5)、また、
上記装置において、加熱処理室は、断続的に搬送されて
くる成膜された基板の上下(または左右)に函状の下部
室と上部室と(または左右の処理室)に対向配置され,
前記成膜室と同様に独立した処理空間としてなるものと
し、前記下部室と上部室(または左右の処理室)のいず
れか一方の室には、ヒータを内蔵した加熱体が透明電極
層に接触可能に配置されたものとする(請求項6)、さ
らに、上記装置において、加熱処理室における熱処理温
度は、120℃〜210℃とし、熱処理時間は3分以上
の熱処理が可能なものとする(請求項7)ことにより、
成膜と熱処理を一つの装置で連続的に行うことができ、
品質の安定化と量産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜太陽電池の製造装置の実施例を示
す概略構成図である。
【図2】薄膜太陽電池の素子構成を概念的に示す図であ
る。
【図3】従来の薄膜太陽電池の製造装置の実施例を示す
概略構成図である。
【図4】成膜室の概略構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
101,201:基板、102:金属電極層、103〜
105:光電変換層、106:透明電極層、280:成
膜室、282:加熱処理室、290:アンワインダー
室、291:ワインダー室、300:上部室、301:
下部室、302:加熱体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性を有する可撓性基板上に、金
    属電極層,光電変換層および透明電極層を順次重ねて形
    成してなる薄膜太陽電池の製造方法において、前記透明
    電極層形成後に、電池特性の不良防止を図るための所定
    の条件で熱処理を行うことを特徴とする薄膜太陽電池の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、熱処理
    温度を120℃〜210℃とすることを特徴とする薄膜
    太陽電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法におい
    て、熱処理時間を3分以上とすることを特徴とする薄膜
    太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の方法におい
    て、熱処理時間を5分以上とすることを特徴とする薄膜
    太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 一つの真空槽からなる共通室の内部に、
    電気絶縁性を有する可撓性基板の巻出し用アンワインダ
    ー室と、金属電極層,光電変換層および透明電極層形成
    用の複数個の独立した処理空間としてなる成膜室と、巻
    取り用ワインダー室とを備えたステッピングロール方式
    の薄膜太陽電池の製造装置において、前記透明電極層形
    成用の成膜室の後段に、電池特性の不良防止を図るため
    の所定の条件で熱処理を行うための加熱処理室を備えた
    ことを特徴とする薄膜太陽電池の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の装置において、加熱処
    理室は、断続的に搬送されてくる成膜された基板の上下
    (または左右)に函状の下部室と上部室と(または左右
    の処理室)に対向配置され,前記成膜室と同様に独立し
    た処理空間としてなるものとし、前記下部室と上部室の
    いずれか一方の室には、ヒータを内蔵した加熱体が透明
    電極層に接触可能に配置されたことを特徴とする薄膜太
    陽電池の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の装置に
    おいて、加熱処理室における熱処理温度を120℃〜2
    10℃とし、熱処理時間を3分以上とすることを特徴と
    する薄膜太陽電池の製造装置。
  8. 【請求項8】 電気絶縁性を有する可撓性基板上に、金
    属電極層,光電変換層および透明電極層を順次重ねて形
    成してなる薄膜太陽電池の製造方法において、前記透明
    電極層形成後に、電池特性の初期不良防止の観点から定
    めた熱処理温度および熱処理時間にて熱処理を行うこと
    を特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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