JP2000236052A - 半導体装置用基板およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置用基板およびその製造方法

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JP2000236052A
JP2000236052A JP11035557A JP3555799A JP2000236052A JP 2000236052 A JP2000236052 A JP 2000236052A JP 11035557 A JP11035557 A JP 11035557A JP 3555799 A JP3555799 A JP 3555799A JP 2000236052 A JP2000236052 A JP 2000236052A
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copper
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plate
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copper powder
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Makoto Aoki
信 青木
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックス板と銅板とを直接接合した半導体
装置用セラミックス基板において、ボイドで生じる部分
放電を防止し、信頼性を高める。 【解決手段】セラミックス薄板に銅粉末層を介して銅板
を設置し、不活性雰囲気もしくは弱酸化性雰囲気下で1
060〜1080℃で熱処理し、銅板を接合する。ボイ
ドの周囲が銅で囲まれるため、放電が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワートランジス
タモジュールなど半導体装置の絶縁放熱用に使用され
る、セラミックス板に銅板を直接接合した半導体装置用
基板に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量のトランジスタ、IGBT等のパ
ワーモジュールには、絶縁放熱基板として、一般に酸化
アルミニウム、窒化アルミニウム等を主成分とするセラ
ミックス板が使われている。これは、絶縁性が良好で、
熱伝導率が比較的高いためである。特に酸化アルミニウ
ム系のものは安価なため広く用いられている。
【0003】セラミックス板を絶縁放熱基板として用い
る場合、セラミックス板に回路導体として金属板、特に
大容量パワーモジュールにおいては大電流を流せるよう
に厚さ0.3mm程度の厚い金属板を導体として接合する
必要がある。接合する金属には、電気伝導性、熱伝導性
等の点から、一般的には銅が用いられる。
【0004】セラミックス板に銅板を接合する方法に
は、銅と酸素の共晶反応を利用した直接接合法、チタン
(Ti)などの活性金属を含むろう材を用いて銅板とセ
ラミックスをろう接する活性金属法などがある。このう
ちセラミックス板に銅板を直接接合したCBC(Copper
Bonding Ceramic )基板は、一般に数百ppm程度の酸
素を含む銅板をセラミックス板上に設置し、不活性雰囲
気下あるいは数十ppm程度の酸素を含む弱酸化雰囲気下
1070℃程度で熱処理することにより、接合するもの
で、強固な接合が比較的安価に得られるため半導体装置
基板として広く用いられている。
【0005】図2は、従来の直接接合法によるCBC基
板の模式的な断面図である。アルミナあるいは窒化アル
ミニウムなどのセラミックス板1の表裏両面に、銅板2
が銅と微量の酸素との反応により生成する銅と亜酸化銅
との共晶層3を接合剤として接合されている。そのため
この接合法では、活性化金属法などの接合法で必要なろ
う剤が必要ない。
【0006】接合には銅中の酸素が必須であり、一般的
にはタフピッチ銅板が用いられるが、無酸素銅の表面を
酸化したものを用いることもできる。また、熱処理時の
雰囲気を弱酸化性にすることにより無酸素銅板をそのま
ま用いることもできる。
【0007】非酸化物系のセラミックス板と銅板とは、
一般に直接接合により接合できないが、例えば窒化アル
ミニウムの場合では、1000℃程度の高温で予め窒化
アルミニウム表面に酸化層を形成することにより、酸化
アルミニウムの場合と同様にして接合がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、直接接合法
によるCBC基板をパワートランジスタモジュールなど
の特に高耐圧の半導体装置の基板として採用する場合に
は次のような問題がある。すなわち、CBC基板のセラ
ミックス基板と銅板とを直接接合する時に、それらの界
面に空隙(以下ボイドと称する)が生じることがある。
【0009】図3は、従来の直接接合法によるCBC基
板の接合部の拡大模式図である。セラミックス板1と銅
板2とが銅−亜酸化銅共晶層3により接合されている。
銅板2は一定の厚さがありセラミックス板1との密着性
に欠けるため、それらの間にボイド4を生じている。
【0010】これらのボイド4が大きい場合には、銅板
2の盛り上がりとなり、外観的に判別できるほどであ
る。代表的なボイドの形状としては、底円の直径が1m
m、高さ約50μm の偏平な半球状である。ボイドは、
接合時の雰囲気の酸素量、温度、接合時間、接合方法な
どにより少なくすることができるが、底円の直径が2mm
以下のボイドを完全になくすことは出来なかった。
【0011】このボイドは、通電動作に伴い半導体チッ
プからの多量の熱をCBC基板を介して、放熱金属ベー
スに伝達し、外部に放熱することを妨げるほか、主面側
の銅板に回路パターンにかかる回路電圧により、ボイド
内で放電して回路雑音を生じ、半導体装置を誤動作させ
ることがあった。
【0012】従来、ボイドの容量が約100pC(ピコク
ーロン)と非常に低いものであったため、この放電エネ
ルギーも小さく、ほとんど問題にされていなかったが、
半導体装置や周辺装置の高度制御化により、上記の放電
の問題の重要性が増している。
【0013】基板に印加する電圧を上げていくと放電が
開始する。この放電が始まる電圧を部分放電開始電圧と
いう。また、放電している状態から印加電圧を下げてい
くと放電が消滅する。この放電が消滅する電圧を部分放
電消滅電圧という。部分放電消滅電圧は部分放電開始電
圧より低い。例えば、半導体装置用基板における放電開
始電圧は0.8kV以上であるが、放電消滅電圧は0.5
kVと低い。以後、部分放電消滅電圧を部分放電電圧と呼
ぶことにする。現状のCBC基板の部分放電電圧は、要
求されている半導体装置の耐圧より低い。たとえば、要
求電圧1.0kVに対し、現状の値は0.4〜0.95kV
と低い値に留まっている。
【0014】ボイドで放電の起きる機構は、次のように
考えられる。ボイドとセラミックス板とをコンデンサと
見なし、それらが直列接続されているものとする。
ε1 、ε 2 、t1 、t2 をそれぞれボイド、セラミック
ス基板の比誘電率および厚さとするとき、ボイドでの分
担電圧V1 を求めると、
【0015】
【数1】 この分担電圧V1 が、パッシェンの法則における圧力と
放電距離との関係から求められるパッシェン電圧V(Pa
schen )を越えると放電が起きることになる。よって部
分放電電圧Vは式(2) のようになる。
【0016】
【数2】 ボイドは、銅−亜酸化銅共晶温度(1067℃)近傍で
閉じられるので、その内部は、室温では、約2×104P
a [約1/5気圧]になっている。パッシェンの法則に
より、上の圧力では、ボイドの高さt1 は、30〜50
μm のとき最も放電が起き易く、V(Paschen )=30
0V である。
【0017】ボイドの高さt1 を40μm 、ボイド内は
窒素が入っているものとして窒素の誘電率をε1 =1、
セラミックス板はアルミナとし、アルミナの比誘電率を
ε2=8.5として、セラミックス板の厚さがt2
0.50mmの場合について、ボイドでの部分放電電圧を
求めると、約750V となる。
【0018】式(2) から、セラミックス板と銅板を接合
したCBC基板の未接合部での部分放電電圧を高くする
には、ボイドの高さを小さくするか、あるいはセラミッ
クス板を厚くすれば良いことになる。しかし、セラミッ
クス板を厚くすると、熱抵抗が増大し、通電動作時の半
導体チップから放熱金属ベースへの熱の伝達を妨げるこ
ととなり、半導体装置の特性を低下させる。以上の問題
に鑑み本発明の目的は、部分放電電圧の増大を図った半
導体装置用基板を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】接合時にできるボイドを
なくす、大きさを小さくする、或いは形成されたボイド
を潰す試みがなされている。これらにより、部分放電電
圧は増大するが、安定して十分高い電圧値を得るまでに
至っていない。
【0020】そこで上記の課題解決のため本発明は、セ
ラミッックス板と銅板とを接合した半導体装置用基板に
おいて、例えば酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウ
ムを主成分とするセラミックス板に、銅粉末層を介して
銅板を接合したものとする。そのようにすれば、たとえ
ボイドが発生したとしても、ボイド周囲全体が同電位で
あるため、放電は起きなくなる。
【0021】そのための製造方法としては、セラミッッ
クス板上にスクリーン印刷法等により銅粉末を含むペー
ストを塗布し、その上に銅板を配置した後、不活性雰囲
気下もしくは弱酸化性雰囲気下で、1060℃〜108
0℃の範囲で熱処理する直接接合法により銅板を接合す
るものとする。特に200メッシュ以下の粒度の銅粉末
を含むペーストを用いれば、大きなボイドができ難いば
かりでなく、スクリーン印刷等によるパタニングが容易
である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、銅板とセラミックス板
との接合する際に、銅粉末層を介することにより、ボイ
ド内での放電を防止するものである。以下図面を参照し
ながら本発明の実施例について説明する。 [実施例]図1は、本発明による半導体装置用基板の接
合部近傍の拡大模式図である。セラミックス板1上に銅
粉末層5を介して、銅板2が銅−亜酸化銅共晶層3によ
り接合されている。
【0023】塗布形成された銅粉末層5はセラミックス
板1にきわめて良好に密着するため、セラミックス板1
と銅粉末層5の間にはボイドは生じない。一方、銅板2
は一定の厚さがあり銅粉末5層との密着性に欠けるた
め、銅粉末5層と銅板2のと間にはボイド4が生じるこ
とがある。しかし、このようにしてできたボイド4は周
囲が全て銅で囲まれており、同電位であるために内部で
放電を生じることはない。
【0024】以下図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。200メッシュ以下(200メッシュ
より細かい)の粒度の無酸素銅粉末100g に、エチル
セルロース7g 、エチルカルビトール50gを加え、1
2時間ボールミル混合して銅ペーストを作製した。な
お、200メッシュ以下の粉末では、粒径は概ね20μ
m以下であり、スクリーン印刷に適した銅ペーストを作
製できる。
【0025】銅板2を接合するセラミックス板1として
は、微量の酸化けい素、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウムを含む市販の96%アルミナ板(25mm×50mm、
厚さ0.5mm)を用いた。
【0026】セラミックス板1をアセトン中で超音波洗
浄し、50℃にて乾燥した後、上記の銅ペーストを20
0メッシュのスクリーンを介して21mm×46mmの大き
さにスクリーン印刷した。片面を印刷し、120℃ホッ
トプレート上で5分間乾燥後、もう一方の面にも印刷
し、乾燥した。印刷・乾燥の前後の厚さの比較から、ス
クリーン印刷により形成された銅粉末層5の厚さは30
μmであった。
【0027】次に、上下に厚さ0.3mmで200ppm の
酸素を含むタフピッチ銅板2を配してMoセッター上に
設置し、メッシュベルト炉にて接合を行なった。雰囲気
は10ppmの酸素を含む窒素とし、また炉内の最高温度
を1070±1℃に制御した。また、従来法による比較
試料として、アルミナ板の上下に、直接厚さ0.3mmの
銅板を配し接合したCBC基板を作製した。こうして得
られた試料各5ヶにつき、部分放電電圧を測定した。測
定はフロリナート中で上下に接合した銅板を電極とし
て、ブリッジ法により行なった。
【0028】従来法による比較試料では部分放電電圧が
0.6〜3kVrms であったのに対して、本発明による試
料では全て4kVrms 以上であった。従来法による比較試
料での部分放電電圧がばらついたのは、種々の大きさ
(高さ)のボイドが存在するためである。それに対し本
発明による試料では、ボイドが存在しても周囲が、銅で
囲まれているため、部分放電が起きていないことを意味
している。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ラミッックス板と銅板とを銅粉末層を介して接合したセ
ラミッックス基板とすることにより、セラミックス基板
と銅板のボイドで発生していた放電を抑え、CBC基板
の使用電圧を高めることができる。
【0030】すなわち、半導体装置用の基板として部分
放電電圧の高いCBC基板が得られ、半導体装置を誤動
作させるような雑音を生じることが無く、特にパワート
ランジスタモジュールなどの半導体装置の耐圧の向上や
信頼性の向上に大きく寄与できる。本発明により、直接
接合法による安価で信頼性の高い絶縁放熱基板を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCBC基板の断面の摸式図
【図2】本発明によるCBC基板の接合部近傍の拡大摸
式図
【図3】従来のCBC基板の接合部近傍の拡大摸式図
【符号の説明】
1 セラミックス板 2 銅板 3 共晶層 4 ボイド 5 銅粉末層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミッックス板と銅板とを接合した半導
    体装置用基板において、セラミックス板に、銅粉末層を
    介して銅板を接合したことを特徴とする半導体装置用基
    板。
  2. 【請求項2】セラミッックス板が酸化アルミニウムまた
    は窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス板であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用基板。
  3. 【請求項3】セラミッックス板と銅板とを接合した半導
    体装置用基板の製造方法において、セラミッックス板上
    に銅粉末を含むペーストを塗布し、その上に銅板を配置
    した後、不活性雰囲気下もしくは弱酸化性雰囲気下で、
    1060℃〜1080℃の範囲で熱処理することにより
    銅板を接合することを特徴とする半導体装置用基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】200メッシュ以下の粒度の銅粉末を含む
    ペーストを用いることを特徴とする請求項3に記載の半
    導体装置用基板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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