JP2000234309A - 構造物用スライド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性支承装置を備えた橋梁用支承装置およびその据え付け方法 - Google Patents

構造物用スライド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性支承装置を備えた橋梁用支承装置およびその据え付け方法

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JP2000234309A
JP2000234309A JP7063999A JP7063999A JP2000234309A JP 2000234309 A JP2000234309 A JP 2000234309A JP 7063999 A JP7063999 A JP 7063999A JP 7063999 A JP7063999 A JP 7063999A JP 2000234309 A JP2000234309 A JP 2000234309A
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wall
elastic bearing
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Takashi Yuasa
尭 湯浅
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Kaimon KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新設用橋梁等に適した上部構造物の荷重支持用
のスライド式弾性支承装置と、水平力兼上揚力弾性支承
装置との機能分離型の免震支承装置の提供。 【解決手段】下部支持部材2と、弾性支承体5とにより
荷重支承用スライド式弾性支承装置30が構成され、弾
性支承体5の下部及び上部鋼製部材9,10が、せん断
変形拘束壁4に横移動不能に嵌設され、上部鋼製部材1
0の上面は拘束壁4の上面よりも高レベルに設けられ、
鋼製部材10の上部のすべり支承材13を介して上部構
造物22がスライド自在に支承され、下部構造物1の上
部に反力壁3が設けられ、弾性層51の左右両端部に縦
鋼製部材50,53を有する水平力兼上揚力弾性支承装
置46の一側部が反力壁3に固定され、その支承装置4
6の他側部が上部構造物22に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁,特に新設用
橋梁等に適した上部構造物の荷重支持用の構造物用スラ
イド式弾性支承装置と、これと独立して別体に設ける水
平方向および上揚力の弾性支承装置とを組み合わせた機
能分離型の橋梁用支承装置およびその据え付け方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】また近年、ゴム支承によるタイプB型分
散免震構造が使用されているが、設計,施工,高価格で
あることから、常時と地震時の機能を分離した構造が望
まれてきている。従来、ゴムのような弾性支承体を使用
した上部構造物の荷重支持用の弾性支承装置としては、
平面的に閉鎖した環状のせん断変形拘束壁により、その
内側に配置される鋼製部材等を介して間接的にゴムのせ
ん断変形を拘束する形態の上部構造物の荷重支持用の弾
性支承装置と、水平方向の弾性支承装置とを組み合わせ
た免震支承装置が知られている。
【0003】しかしながら、前記従来の荷重支持用の弾
性支承装置の場合は、平面的に閉鎖した環状のせん断変
形拘束壁を使用しているので、その環状のせん断変形拘
束壁内に雨水および塵埃等の不純物が蓄積されやすく、
そのため環状のせん断変形拘束壁内面とこれに摺動され
る鋼製部材等の摺動面との間またはゴム層との間隙に、
塵埃等の不純物が蓄積する恐れがあり、雨水または塵埃
等の不純物が蓄積されるとゴムの弾性作用を十分発揮さ
せることができなくなる恐れがあるため、清掃を必要と
し、その清掃が狭隘な場所での作業となるので煩雑にな
り、また環状のせん断変形拘束壁を溶接等により固定す
る必要があるので、部材も大きくなり、コスト高になる
という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の問
題点を改良する目的で開発され、弾性支承体に対して、
せん断変形支承作用を常時機能させないようにすると共
に常時弾性支承装置により支承される新設の上部構造物
を、これらの築造中および築造後においても常時スライ
ド可能に比較的恒久的に、しかも弾性支承体に比較的高
い支圧応力を負担させることができ、より簡単な力学的
な設計が可能な荷重支持用の弾性支承装置を提供するこ
とができると共に、せん断変形拘束壁内に雨水および塵
埃等の不純物が蓄積されることなく、ゴムの弾性作用を
発揮させることができなくなる恐れがなく、しかも清掃
等のメンテナンスが容易であり、構造が簡単で比較的小
さくてすみ、経済的で比較的容易に据え付けることがで
きる荷重支持用の弾性支承装置を提供することができ、
また橋軸方向および橋軸直角方向並びに垂直方向の弾性
支承機能を有する水平力兼上揚力弾性支承装置を据え付
ける場合、主桁または横桁と反力壁との間に比較的容易
に据え付けることが可能な水平力兼上揚力弾性抵抗装置
を備えた橋梁用弾性支承装置およびその据え付け方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明における構造物用スライド式弾性支
承装置及び水平力兼上揚力弾性支承装置を備えた橋梁用
支承装置においては、上部構造物と橋台または橋脚等の
下部構造物との間に配置される橋梁用支承装置におい
て、下部構造物に固定される下部支持部材と、弾性層を
介して上部鋼製部材および下部鋼製部材を一体に有する
弾性支承体とにより荷重支承用スライド式弾性支承装置
が構成され、かつ前記下部支持部材の上部に橋軸方向に
間隔をおいて対向するように横断面円弧状内面を有する
せん断変形拘束壁が設けられていると共に、前記下部鋼
製部材および前記上部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁
に横移動不能に嵌設され、かつ前記せん断変形拘束壁に
前記上部鋼製部材が相対的に上下方向に摺動可能に設け
られていると共に、前記上部鋼製部材の上面は前記せん
断変形拘束壁の上面よりも高レベルに位置するように設
けられ、その上部鋼製部材の上部に設けたすべり面を有
するすべり支承材を介して橋軸方向に延長する桁等の上
部構造物が横方向に常時スライド自在に支承され、かつ
橋軸方向と交差する横方向において隣り合う前記主桁の
間において、前記下部構造物の上部に、前記主桁から間
隔をおいて、上向きに突出する鉄筋コンクリート製反力
壁が前記下部構造物と一体に設けられ、前記反力壁と前
記主桁との間に、中間部にゴムのような弾性層を有する
と共にその両側部に縦鋼製部材を備えている一対の水平
力兼上揚力弾性支承装置が縦向きに配設され、かつ前記
各水平力兼上揚力弾性支承装置の一側部が前記反力壁の
一側部に固定され、前記水平力兼上揚力弾性支承装置の
他側部が対向する前記主桁に固定され、かつ前記水平力
兼上揚力弾性支承装置の上部に、上部構造物と下部構造
物の相対的な変位を許容するためのギャップを介して横
桁が設けられ、かつ前記反力壁の上面と前記横桁の下面
との間に前記弾性層のせん断変形による上部構造物と下
部構造物の相対的な変位を許容するためのギャップが設
けられ、かつ前記横桁により橋軸方向と交差する横方向
に隣り合う主桁端部が結合されていることを特徴とす
る。
【0006】また請求項2の橋梁用支承装置において
は、上部構造物と橋台または橋脚等の下部構造物との間
に配置される橋梁用支承装置において、下部構造物に固
定される下部支持部材と、弾性層を介して上部鋼製部材
および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体とにより
荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成され、かつ前
記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をおいて対向す
るように横断面円弧状内面を有するせん断変形拘束壁が
設けられていると共に、前記下部鋼製部材および前記上
部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動不能に嵌設
され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部鋼製部材が
相対的に上下方向に摺動可能に設けられていると共に、
前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘束壁の上面
よりも高レベルに位置するように設けられ、その上部鋼
製部材の上部に設けたすべり面を有するすべり支承材を
介して橋軸方向に延長する主桁等の上部構造物が横方向
に常時スライド自在に支承され、かつ前記橋軸方向と交
差する横方向において隣り合う前記主桁の間において、
前記主桁から離れた位置に、上向きに突出する鉄筋コン
クリート製上向き支承壁が前記下部構造物と一体に設け
られ、かつ前記主桁間を連結する橋軸方向と交差する横
方向に延長する横桁の下部に、下方に突出する下部突出
支承壁が設けられ、その下部突出支承壁と前記上向き反
力壁との間に、中間部にゴムのような弾性層を有すると
共にその両側部に縦鋼製部材を備えている一対の水平力
兼上揚力弾性支承装置が縦向きに配設され、かつ前記水
平力兼上揚力弾性支承装置の一側部が前記上向き反力壁
の一側部に固定され、さらに前記水平力兼上揚力弾性支
承装置の他側部が前記下部突出支承壁の一側部に固定さ
れ、前記横桁により橋軸方向と交差する横方向に隣り合
う主桁端部および前記水平力兼上揚力弾性支承装置が結
合されていることを特徴とする。
【0007】また請求項3における橋梁用支承装置の据
え付け方法においては、上部構造物と下部構造物との間
に配置される橋梁用支承装置を据え付けるに際し、下部
構造物に固定された下部支持部材と、弾性層を介して上
部鋼製部材および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承
体とにより荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成さ
れ、かつ前記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をお
いて対向するように横断面円弧状内面を有するせん断変
形拘束壁が設けられていると共に、前記下部鋼製部材お
よび前記上部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動
不能に嵌設され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部
鋼製部材が相対的に上下方向に摺動可能に設けられてい
ると共に、前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘
束壁の上面よりも高レベルに位置するように配置され、
前記荷重支承用スライド式弾性支承装置の上部に橋軸方
向に延長する主桁を載置し、かつ前記荷重支承用スライ
ド式弾性支承装置から橋軸方向と交差する横方向に離れ
た位置における前記下部構造物の上部に、橋軸方向と交
差する横方向において隣り合う前記主桁から間隔をおい
て、上向きに突出する鉄筋コンクリート製反力壁が設け
られ、かつその反力壁の橋軸直角方向の両側面に、中間
部にゴムのような弾性層を有すると共にその両側部に縦
鋼製部材を備えている一対の水平力兼上揚力弾性支承装
置が縦向きに配設され、かつ前記各水平力兼上揚力弾性
支承装置の一側部の縦鋼製部材に固定されたアンカー部
材が前記鉄筋コンクリート製反力壁に埋め込み固定さ
れ、次いで前記各水平力兼上揚力弾性支承装置における
他側部の縦鋼製部材が各主桁側面に固定された後、前記
鉄筋コンクリート製反力壁の上面から上方に離れた位置
に、橋軸と交差する方向に隣り合う主桁端部を連結する
横桁が築造され、その横桁の下面と前記鉄筋コンクリー
ト製反力壁の上面との間にギャップが設けられているこ
とを特徴とする。
【0008】また請求項4の橋梁用支承装置の据え付け
方法においては、上部構造物と下部構造物との間に配置
される免震支承装置を据え付けるに際し、下部構造物に
固定された下部支持部材と、弾性層を介して上部鋼製部
材および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体とによ
り荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成され、かつ
前記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をおいて対向
するように横断面円弧状内面を有するせん断変形拘束壁
が設けられていると共に、前記下部鋼製部材および前記
上部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動不能に嵌
設され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部鋼製部材
が相対的に上下方向に摺動可能に設けられていると共
に、前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘束壁の
上面よりも高レベルに位置するように配置され、前記荷
重支承用スライド式弾性支承装置の上部に橋軸方向に延
長する主桁を載置し、かつ前記荷重支承用スライド式弾
性支承装置から橋軸方向と交差する横方向に離れた位置
における前記下部構造物の上部に、橋軸方向と交差する
横方向において隣り合う前記主桁の間において、前記主
桁から離れた位置に、上向きに突出する鉄筋コンクリー
ト製反力壁が下部構造物と一体に設けられ、かつ中間部
にゴムのような弾性層を有すると共に両側部に縦鋼製部
材を備えている水平力兼上揚力弾性支承装置が縦向きに
配設され、かつその水平力兼上揚力弾性支承装置の一側
部が前記反力壁の一側面に固定された後、前記水平力兼
上揚力弾性支承装置の他側部を埋め込み固定するための
下部突出支承壁を備え、かつ前記橋軸と交差する横方向
の主桁端部相互を連結する橋軸と交差する横方向に延長
する横桁を築造し、かつ前記上向き反力壁の上面と前記
横桁の下面との間にギャップが設けられ、前記横桁によ
り橋軸と交差する横方向に隣り合う主桁端部および前記
水平力兼上揚力弾性支承装置の他端部が結合されている
ことを特徴とする。
【0009】また請求項5の橋梁用支承装置において
は、上部構造物と橋台または橋脚等の下部構造物との間
に配置される免震支承装置において、下部構造物に固定
される下部支持部材と、弾性層を介して上部鋼製部材お
よび下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体とにより荷
重支承用スライド式弾性支承装置が構成され、かつ前記
下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をおいて対向する
ように横断面円弧状内面を有するせん断変形拘束壁が設
けられていると共に、前記下部鋼製部材および前記上部
鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動不能に嵌設さ
れ、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部鋼製部材が相
対的に上下方向に摺動可能に設けられていると共に、前
記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘束壁の上面よ
りも高レベルに位置するように設けられ、その上部鋼製
部材の上部に設けたすべり面を有するすべり支承材を介
して橋軸方向に延長する桁等の上部構造物が横方向に常
時スライド自在に支承され、かつ前記下部構造物の上部
に、橋軸方向と交差する横方向に間隔をおいて、上向き
に突出する複数の鉄筋コンクリート製反力壁が前記下部
構造物と一体に設けられ、前記下部支持部材は前記鉄筋
コンクリート製反力壁の上面に配置され、前記反力壁か
ら橋軸方向と交差する横方向に離れた位置に上部構造物
の下部にこれと一体に下部突出支持部が設けられ、前記
反力壁と前記下部突出支持部との間に、中間部にゴムの
ような弾性層を有すると共にその両側部に縦鋼製部材を
備えている一対の水平力兼上揚力弾性支承装置が縦向き
に配設され、かつ前記各水平力兼上揚力弾性支承装置の
一側部が前記反力壁の一側部に固定され、前記水平力兼
上揚力弾性支承装置の他側部が対向する前記下部突出支
持部に固定され、かつ前記上向きの鉄筋コンクリート製
反力壁の上面と前記上部構造物における床版下面との間
にギャップが設けられていることを特徴とする。
【0010】また請求項6の橋梁用支承装置の据え付け
方法においては、上部構造物と下部構造物との間に配置
される免震支承装置を据え付けるに際し、下部構造物に
固定される下部支持部材と、弾性層を介して上部鋼製部
材および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体とによ
り荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成され、かつ
前記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をおいて対向
するように横断面円弧状内面を有するせん断変形拘束壁
が設けられていると共に、前記下部鋼製部材および前記
上部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動不能に嵌
設され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部鋼製部材
が相対的に上下方向に摺動可能に設けられていると共
に、前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘束壁の
上面よりも高レベルに位置するように設けられ、かつ前
記下部構造物の上部に、橋軸方向と交差する横方向に間
隔をおいて、上向きに突出する複数の鉄筋コンクリート
製反力壁が前記下部構造物と一体に設けられ、前記下部
支持部材は前記鉄筋コンクリート製反力壁の上面に配置
され、中間部にゴムのような弾性層を有すると共にその
両側部に縦鋼製部材を備えている水平力兼上揚力弾性支
承装置が縦向きに配設され、かつ前記各水平力兼上揚力
弾性支承装置の一側部が前記反力壁の一側部に固定した
後、前記上部鋼製部材の上部に設けたすべり面を有する
すべり支承材の上部に載置されると共に、前記各水平力
兼上揚力弾性支承装置の他側部を固定するための下部突
出支持部を備えた版桁あるいは箱桁等の上部構造物を築
造し、かつ前記上向きの鉄筋コンクリート製反力壁の上
面と前記上部構造物における床版下面との間にギャップ
が設けられていることを特徴とする。
【0011】本発明によると、構造物用スライド式弾性
支承装置における弾性体にせん断変形を常時機能させな
い形態であるので、弾性体の横方向の変位によっておこ
る比較的大きなせん断変形の繰り返しによる疲労が生じ
ない。また前記構造物用スライド式弾性支承装置による
上部構造物の荷重を支承する作用及び桁等の上部構造物
の撓み(回転)を支承する作用を機能させながら、しか
も上部構造物を常時スライド自在に支承できるので、上
部構造物の築造後はもちろんのこと築造中に地震力が作
用しても、スライド式弾性支承装置に過大な横方向(橋
軸方向)の支持力を発揮させることなく上部構造物を支
承でき、しかもゴム層がせん断変形をしないので、ゴム
を比較的高支圧応力度下で使用できるので、弾性体を小
型にすることができ、また、荷重支承部材である弾性支
承体における弾性層は、鋼製等の硬質部材を介して間接
的にせん断拘束壁により横移動とせん断変形を拘束され
ているので、弾性層に直接無理な横方向の外力が作用さ
せることなく、弾性層のせん断変形を確実に拘束するこ
とができる。また、弾性支承体を高支圧荷重支承部材と
して機能させることができ、弾性層の上下部には、これ
をせん断させる力が作用するが、その応力は、当該ゴム
層の上下に嵌着した上下の各嵌着支持部材のそれぞれの
反力壁で機械的に接着面のせん断力を拘束するように受
けられるので、ゴム層の上下部およびゴム層の接着面は
せん断破壊しないと共に、ゴム層の接着界面外周縁部等
の一部に応力集中するのが緩和される。また、ゴム層の
外周面にR加工等による環状凹部が形成されていること
で、さらにゴム層の外周縁部等に応力集中するのが緩和
され、したがって、このゴム層は、上方から高荷重を受
けて圧縮変形するとき、全体としてゴム層の外面は略同
一面となり、これによって上下の嵌着支持部材との接着
面に剥離作用を及ぼすことが少なく、円滑に圧縮変形で
き、主桁の回転および振動を吸収できる。またゴム層に
少なくとも一枚以上の補強鋼板を埋設した場合には、高
支圧になっても、前記ゴム層に内部応力を広く分布させ
て、ゴム層の過度な局部歪みを抑えることができる。ま
た、ゴム層に接する鋼板または補強鋼板あるいは上部嵌
着支持部材並びに下部嵌着支持部材におけるゴム層との
接着界面を粗面にすると、接着面の拡大とゴム層のせん
断支承力の増大を図ることができるので、一体結合強度
を向上させて、高支圧に対して、剪断抵抗力および剥離
抵抗力を高めることができる。特にこの発明において
は、橋軸直角方向については、前記水平力兼上揚力弾性
支承装置における弾性層により弾性的に緩衝しながら支
承することができ、また橋軸方向については、前記水平
力兼上揚力弾性支承装置におけるゴム層のせん断変形に
より緩衝しながら支承することができ、また前記水平力
兼上揚力弾性支承装置によって、主桁等の上部構造物の
上揚を弾性的に緩衝しながら支承して、上部構造物の振
動の長周期化を図る事が出来、そのため支承装置に比較
的おおきな支持力を発揮させることなく、主桁等の上部
構造物を支承するこたができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次にこの発明の位置実施形態を図
1ないし図20を参照しながら説明する。図1および図
2は、本発明の第1実施形態に係る免震弾性支承装置A
を使用している状態を示すものであって、この免震弾性
支承装置Aは、橋桁等の上部構造物22と橋脚あるいは
橋台等の下部構造物1の間に配置され、上部構造物の荷
重支承用のスライド式弾性支承装置30と水平力兼上揚
力弾性支承装置46から構成されている。橋脚等の下部
構造物1の上面に、橋軸方向(前後方向)に間隔をおい
て前後一対の荷重支承用スライド式弾性支承装置30が
配置されると共に、その前後一対の荷重支承用スライド
式弾性支承装置30が橋軸と交差する方向に間隔を置い
て多数配置されて、それらの下部が固定され、前記各前
部側の荷重支承用スライド式弾性支承装置30の上部に
前部側の橋軸方向に延長する断面T字状の鉄筋コンクリ
ート製主桁47の後端部が載置され、前記各後部側の荷
重支持用のスライド式弾性支承装置30の上部に後部側
の橋軸方向に延長する断面T字状の鉄筋コンクリート製
主桁47の前端部が載置され、前記下部構造物22の上
面の橋軸直角方向に隣り合う主桁47間において、下部
構造物1の上面に各前記荷重支承用スライド式弾性支承
装置30および前記橋軸方向に延長する主桁47から間
隔をおいて、上向きに突出する鉄筋コンクリート製反力
壁3が下部構造物1と一体に設けられ、前記鉄筋コンク
リート製反力壁3における橋軸直角方向(左右方向)の
両側に、垂直な支承面3a,3bが設けられており、そ
の各支承面3a,3bに水平力兼上揚力弾性支承装置4
6における一側部の鋼板からなる内側縦鋼製部材50が
当接され、かつその各内側縦鋼製部材50における前記
反力壁3側に複数のアンカーロッドまたはアンカーボル
ト54の一端部が溶接または螺合等により固定され、さ
らに前記アンカーロッドまたはアンカーボルト54は前
記反力壁3に埋め込み固定されることにより、前記水平
力兼上揚力弾性支承装置46の一側部は前記反力壁3に
取り付けられている。
【0013】前記内側鋼製部材54の外側(主桁47
側)には、前記内側鋼製部材54と一体に接着または焼
き付けあるいは一体成形等により固着されたゴムのよう
な弾性層51が設けられ、その弾性層51内には、適宜
一枚または複数の縦鋼板52がゴム層等と交互に積層さ
れ、かつその弾性層51の外側(主桁47側)には、鋼
板からなる取付用の外側縦鋼製部材53が前記内側縦鋼
製部材54と同様な手段により固着されている。前記外
側縦鋼製部材53における橋軸方向の両側には、それぞ
れ上下方向に間隔をおいて複数のボルト挿通用横孔53
aが設けられ、そのボルト挿通用横孔53aに挿通され
た取付用ボルト55が前記主桁47における反力壁3側
のウエブ47aの下部側面に埋め込み固定された受鋼板
56における雌ねじ孔57に螺合固定されて、水平力兼
上揚力弾性支承装置46の他側部が主桁47に固定され
ている。したがって、前記水平力兼上揚力弾性支承装置
46は主桁47の下端面と反力壁3の上面との間のレベ
ルに配置されている。
【0014】前記水平力兼上揚力弾性支承装置46を前
記反力壁3に取り付ける場合、前記反力壁3を築造する
時に、前記水平力兼上揚力弾性支承装置46における内
側縦鋼製部材50に取り付けられたアンカーボルト54
を埋め込むように取り付けるとよい。
【0015】前述のように、水平力兼上揚力弾性支承装
置46を取り付ける場合、隣り合う断面T字状の主桁4
7のウエブ47aと上部フランジ47bとにより囲まれ
た空間を作業空間として利用することができる。
【0016】また前述のように、水平力兼上揚力弾性支
承装置46を反力壁3と主桁47のウエブ47aに取り
付けた後、図2に示すように、前記橋軸方向に延長する
各前部側の主桁47の後端部および各後部側の主桁47
の前端部を一体に埋設して固定すると共に、橋脚等の下
部構造物1の長手方向に延長するように連続した鉄筋コ
ンクリート製の横桁49が設けられ、かつ前記横桁49
の橋軸方向の両側下部には、橋軸直角方向に間隔をおい
て、下方に開口すると共に前方または後方に開口する内
向き凹部58が設けられ、その内向き凹部58における
下面59と前記反力壁3の上面3cとの間には、ギャッ
プ60が設けられていると共に、前記反力壁3の橋軸方
向の前端部または後端部と前記内向き凹部58における
前面または後面との間には、前記弾性層51のせん断変
形による橋軸方向の変位を許容するギャップ61が設け
られている。なお、前記水平力兼上揚力弾性支承抵抗装
置46は、下部構造物1の上面において、前記スライド
式弾性支承装置30よりも高レベルの位置に配置されて
いる。前記水平力兼上揚力弾性抵抗装置46によって、
上部構造物の水平力、上揚力、回転力の全方向の揺れが
緩衝される。
【0017】次に上部構造物の荷重支承用スライド式弾
性支承装置30の構造について説明する。前記スライド
式弾性支承装置30は、図11ないし図15に示すよう
に、鋼製の下部支持部材2を備えており、コンクリート
製等の下部構造物1の上面から上方に突出した部分の上
面に、前記下部支持部材2が載置され、その下部支持部
材2におけるベースプレート32の下面に、アンカーロ
ッドまたはアンカーボルト15の上端部が溶接により固
定されるかまたは螺合固定され、そのアンカーロッドま
たはアンカーボルト15が下部構造物1に埋め込み固定
され、前記ベースプレート32の上面における橋軸方向
(前後方向)の両側に、間隔をおいて前部せん断変形拘
束壁4aおよび後部せん断変形拘束壁4bが配置され、
かつ前記前部せん断変形拘束壁4aおよび後部せん断変
形拘束壁4bにおける各平面円弧状内壁面4cが対向す
るように配置されると共に、前記各せん断変形拘束壁4
a,4bの下部が溶接等により前記ベースプレート32
に固定されている。前記前部せん断変形拘束壁4aおよ
び後部せん断変形拘束壁4bにより、せん断変形拘束壁
4が構成されている。
【0018】前記せん断変形拘束壁4の内側の横断面円
弧状の各内壁面4cに近接または接触するように底面円
形の下部嵌着支持部材36からなる下部鋼製部材9とこ
れとほぼ同形の平面円形の上部嵌着支持部材35からな
る上部鋼製部材10と前記各鋼製部材9,10の間に介
在されてこれらと一体に接着材または焼き付けあるいは
一体成形により固着された弾性体(層)6とを備えた弾
性支承体5が嵌合配置され、これにより、前記下部鋼製
部材9と上部鋼製部材10の相対的な横移動を拘束し
て、弾性支承体5におけるゴムのような弾性体(層)6
の上下両端部分の相対的な横方向の変位による弾性体
(層)6のせん断変形を間接的に拘束している。したが
って、前記弾性支承体5が、橋軸直角方向および橋軸方
向等に横移動するのが防止され、かつ前記せん断変形拘
束壁4に対し前記上部鋼製部材10は上方から圧縮力の
大小の変化により、上下方向に摺動可能に設けられてい
る。前記せん断変形拘束壁4の各横断面円弧状内壁面4
cの平面形状は、中心が同じ円形の軌跡上に配置されて
おり、上部鋼製部材とほぼ同形かあるいは相似形になる
ように設定されて、円弧状に形成される。前記せん断変
形拘束壁4の内壁面4cには、テフロン層、四フッ化エ
チレン板または層からなる低摩擦のすべり支承面39が
形成されている。なお、73は弾性体(層)6の変形を
許容するための変形を許容するための空間である。
【0019】前記弾性支承体5は、図11および図12
に示すように、上面にほぼ断面逆台形の上向き開口溝9
aを有する下部嵌着支持部材36からなる下部鋼製部材
9と、下面にほぼ断面台形の下向き開口溝10aを有す
る上部嵌着支持部材35からなる上部鋼製部材10と、
これらの溝に接着材または一体成形等により一体に結合
されたゴム等の弾性層(体)6とにより構成されてい
る。前記上部鋼製部材10の上面には、円形の嵌合用凹
部44が設けられ、前記嵌合用凹部44に、四フッ化エ
チレン板、あるいは四フッ化エチレン層等のすべり支承
部材13が嵌合係止されると共に接着剤等により固定さ
れるか、前記上部鋼製部材10の上面にステンレス鋼板
等のすべり支承部材13がビス等により固定されてい
る。前記弾性層(体)6の外周面にR加工等による環状
凹部が形成されていることで、ゴム層の外周縁部等に応
力集中するのが緩和されように構成されている。
【0020】前記弾性支承体5における下部鋼製部材9
の上面および上部鋼製部材10の下面の円形面全体に、
環状波形ロールまたはローレット加工などによる凹凸状
接着面40が形成され、したがって、各鋼製部材9,1
0と弾性層6との接着界面が、環状波形又はローレット
加工などによる凹凸状接着面40とされていることで、
フラットな接着面に比べて、弾性層6が圧縮変形される
際の弾性層6と、各鋼製部材9,10との接着面に加わ
るせん断力による剥離をより有効に阻止できる。
【0021】また前記鋼製せん断拘束壁4の内側上部に
は、前記上部鋼製部材10の外側面の中間部(図示の場
合はほぼ中央部)が近接または当接されるように配置さ
れ、前記鋼製せん断拘束壁4の上面レベルは、上部鋼製
部材10の板厚の中間部(図示の場合は、ほぼ板厚の中
央部のレベル)に位置するように設定されている。前述
のように前記下部支持部材2は、コンクリート製等の下
部構造物1に埋め込み固定されたアンカーボルト等のボ
ルト15を介して下部構造物1に固定される。
【0022】前述のように非金属製のテフロン層39を
設けておくと、前記せん断拘束壁4の内側面と上部鋼製
部材10の外周面に間隙を設けなくても、上部構造物の
撓みにより上部鋼製部材10が多少傾動(回転)しても
これを吸収しながら支承することができる。
【0023】前記上部鋼製部材10の板厚は、上部構造
物の荷重を支承した状態で、前記鋼製せん断拘束壁4の
上面が、上部鋼製部材10の板厚のほぼ中央部のレベル
に位置するように設定するとよい。前記上部鋼製部材1
0の周縁部を上部構造物(主桁)22の撓みによる回転
を考慮したアール部すなわち円弧状外面部にしておくと
上部構造物(主桁)22の撓みによる回転に対しても、
上部鋼製部材10を円滑に摺動させることができる。
【0024】前記実施形態の場合は、弾性支承体5が下
部構造物1に下部支持部材2を介して間接的に係止され
ると共に鋼製のせん断拘束壁4に直接的に水平方向に移
動不能に係止されることにより、弾性支承体5における
弾性体(層)6がせん断変形不能に係止されている。ま
た上部構造物22側の円形または矩形の鋼製ソールプレ
ート38の下面に、四フッ化エチレン板、あるいは四フ
ッ化エチレン層またはステンレス鋼板等の円形または矩
形のすべり支承部材67が固定され、したがって上部構
造物22はソールプレート38および上部鋼製部材10
等を介して弾性支承体5に支承されている。この実施形
態の場合は、前述のようにゴム層にせん断変形をさせな
いので、ゴム層に比較的高支圧応力度を負担させること
が可能な弾性支承部材として弾性支承体5を作用させる
ことができ、したがって前記弾性支承体5により高支圧
荷重弾性支承体31が構成されている。
【0025】前記高支圧荷重弾性支承体31には、薄型
のゴムのような弾性層6の中間部外周面にR加工による
ほぼ半円状等の環状凹部33が形成されている。この弾
性層6には補強鋼板等の中央部に円形孔を有する硬質板
34が埋設されている。前記弾性層6の上部と下部には
それぞれ環状反力壁35aと36aを有するカップ状断
面の上部嵌着支持部材35と下部嵌着支持部材36とが
嵌着されている。上下部の各嵌着支持部材35,36す
なわち上部鋼製部材10と下部鋼製部材9の内面と、弾
性層6の上下面との当接部が接着面37とされており、
かつ弾性層6の上下部が反力壁35a,36aの内側
(ポット部)に被嵌されている。前記高支圧弾性支承体
31における上部嵌着支持部材35の下面および下部嵌
着支持部材36の上面の円形面全体および硬質板34の
表裏両面に、環状波形ロールまたはローレット加工など
による凹凸状接着面40が形成され、したがって、各上
部嵌着支持部材35および下部嵌着支持部材36および
硬質板34における弾性層6との接着界面が、環状波形
又はローレット加工などによる凹凸状接着面40とされ
ていることで、フラットな接着面に比べて、弾性層6が
圧縮変形される際の弾性層6と、各鋼製部材9,10と
の接着面に加わるせん断力による剥離をより有効に阻止
できる。なお、図に示す第1の実施形態においては、補
強鋼板からなる硬質板34の中央部に透孔が設けられて
硬質板34の上下のゴム層の一体化が図られている。
【0026】前記の高支圧弾性支承体31において、上
方から矢印P(図12に示す)の例えば200kg/c
ないし250kg/cmというような高荷重が作
用するとき、弾性層6には、矢印P方向のせん断力が
作用し、このせん断力が弾性層6と上下嵌着支持部材3
5,36すなわち上部鋼製部材10と下部鋼製部材9と
の接着面37に剥離力として作用するが、前記反力壁3
5a,36aによって、機械的に弾性層6における接着
面37に作用するせん断力を拘束し、弾性層6の上下部
にせん断力を作用させず、かつ弾性層の一部に応力が集
中するのを緩和する構成とされており、また上部嵌着支
持部材35および下部嵌着支持部材36および硬質板3
4における弾性層6との接着界面が、環状波形又はロー
レット加工などによる凹凸状接着面40とされているの
で、それ故に高支圧に十分耐える構造とされている。
【0027】さらに、上下部嵌着支持部材35,36の
反力壁35a,36aに加えて、弾性層6の中間部外周
面のR加工等による環状凹部33の存在により、鉛直高
支圧に際し、弾性層6は環状凹部33が解消されるか、
又は弾性層6の支承作用にほとんど影響しない程度外方
に若干膨出する程度に圧縮変形することで対応するの
で、ゴム層の一部に応力が集中するのを緩和させること
ができ、弾性層6の上下部と、上下嵌着支持部材35,
36との接着面37を剥離するように作用する力は、環
状凹部33が存在しない場合に比べて非常に小さく、そ
れ故に、この弾性支承体31は高支圧に円滑に対応でき
る構造とされている。
【0028】前記実施形態において使用する構造物の荷
重支持用スライド式弾性支承装置においては、図32に
示す比較例としてあげる構造の支圧荷重支持部材1の不
具合が解消されている。つまり、図32に示す比較例と
してあげる構造の支圧荷重支持部材68では、上方から
矢印Pの荷重が作用するとき、補強鋼板7を介してなる
複数の弾性層6は圧縮変形し、このとき、弾性層6の周
囲はR状膨出部62となって膨出すると共に、この弾性
層6の上下部には矢印P方向の応力が働いて横方向に
伸長し、そのため、弾性層6と上,下部支持板63,6
4との接着面65にせん断力が働き、接着面を剥離させ
るように作用するので、したがって、前記構造の単一弾
性層6からなる支承部材では、その厚みが薄いという利
点がある反面、平坦な接着境界面の場合には、支圧応力
は120Kg/cm程度が限度であって、例えば、支
圧応力は200Kg/cmないし250Kg/cm
という高荷重を支圧することはできないが、前述のとお
り前記実施形態において使用する荷重支持用スライド式
弾性支承装置ではこのような不具合がない。
【0029】さらに説明すると、図13に示すように高
支圧弾性支承体31を主要素の1つとするスライド式弾
性支承装置30において、当該高支圧弾性支承体31の
上下嵌着支持部材35,36は、せん断変形拘束壁4と
隣り合っており、しかも高支圧弾性支承体31の弾性層
6の上部に嵌着した上部嵌着支持部材35の上面35c
の高さHよりもせん断変形拘束壁4の頂面4dの高さ
Hが下の位置に設けられている。したがって、上部構造
物の下面に取付けたソールプレート38を前記せん断拘
束壁4の頂面4dより高い位置にある高支圧弾性支承体
31の上部嵌着支持部材35の上面35cでスライド自
在にかつ弾性的に支持することができる。
【0030】しかも、前記のように上部嵌着支持部材3
5の下部は、せん断拘束壁4の頂面4bよりも下位にあ
ることにより、高支圧弾性支承体31の弾性層6と上部
嵌着支持部材35はせん断変形拘束壁4によりせん断変
形拘束的に支持される。さらに、上部構造物に取付けた
ソールプレート38は、前述のとおり、高支圧弾性支承
体31の上部嵌着支持部材35の上面35cにスライド
自在に支持されているので、高支圧弾性支承体31の弾
性層6はせん断変形されず、いわゆる強制スライド型支
持とされている。かつ前記実施形態の高支圧弾性支承体
31では、補強鋼板等の硬質板34と弾性層6との接着
界面および上下嵌着支持部材35,36と弾性層6との
接着界面が、上部嵌着支持部材35の内側下面全面およ
び下部嵌着支持部材36の内側上面全面ならびに補強鋼
板等の硬質板34の表裏両面の全面に環状波形又はロー
レット加工などによる凹凸状部が形成されることで、凹
凸状接着面40とされている。この凹凸状接着面40と
することで、フラットな接着面に比べて、弾性層6が圧
縮変形される際の弾性層6と、補強鋼板40との接着面
に加わるせん断力による剥離をより有効に阻止できる。
【0031】本発明における前記実施形態の荷重支持用
弾性支承装置30を実施する場合、ゴム層が薄い場合に
は、硬質板を埋設しなくてもよいが、ゴム層(または弾
性層)6に埋設する補強鋼板等の硬質板としては、板厚
1mm以上の鋼板等を少なくとも一枚以上埋設し、必要
に応じ複数枚埋設するようにしても良い。また前記実施
形態の場合も高支圧用に使用することができるが、より
高支圧用に使用する場合には、ゴム層(または弾性層)
6に埋設する補強鋼板等の硬質板の板厚を例えば1〜1
00mm等適宜選択し、必要に応じ複数枚埋設して使用
するようにすればよい。補強鋼板等の硬質板の表裏両面
に環状波形又はローレット加工などによる凹凸状接着面
40を設けるようにすれば、接着面積を増加させた分さ
らに一体結合化を高めて、剥離抵抗力およびせん断変形
抵抗力を高めることができる。
【0032】次に、この発明において使用する前述の水
平力兼上揚力弾性支承装置46について、特に図18お
よび図19を参照しながら説明する。図18および図1
9は前記水平力兼上揚力弾性支承装置46を示したもの
であって、中間部にゴムのような弾性層51を備えてい
ると共にその弾性層51の両側部にこれと一体に接着剤
または焼き付けあるいは一体成形等により一体結合され
た鋼板からなる内側縦鋼製部材50と外側縦鋼製部材5
3とを備えており、前記弾性層51には、鋼板を縦向き
に埋め込むように左右方向に縦鋼板52とゴム層とを交
互に積層(重合)して一体化した前後方向および上下方
向の変位を比較的大きく許容することができるように積
層部が設けられ、前記内側縦鋼製部材50の外側には、
反力壁3に埋め込み固定されるアンカーロッドまたはア
ンカーボルト54の一端部が溶接または螺合固定され、
前記外側縦鋼製部材53における前記弾性層(ゴム層)
51から突出した取付フランジ53bには、上下方向に
間隔をおいて複数のボルト挿通用横孔53aが設けられ
ている。
【0033】次に請求項3および請求項4に係る発明の
一実施形態を図20ないし図29を参照しながら説明す
る。なお、前記実施形態と同様な構造の部分については
構造説明が同様であるので、同一の符号を付してその説
明を省略する。この実施形態においては、下部構造物1
の上部に、これと一体に上方に突出する突出支持部70
が設けられ、その突出支持部70の上面に、下部支持部
材2におけるベースプレート32が載置され、前記突出
支持部70および下部構造物1にわたって前記ベースプ
レート32に固定されたアンカーボルト15が埋め込ま
れている。
【0034】前記下部構造物1の上部に、橋軸直角方向
に隣り合う突出支持部70の一方の突出支持部70に近
接して鉄筋コンクリート製の反力壁3aが下部構造物1
の上部にこれと一体に設けられ、その反力壁3aと他方
の突出支持部70との間において、前記反力壁3aの一
側面に水平力兼上揚力弾性支承装置46における内側縦
鋼製部材50が固定され、その水平力兼上揚力弾性支承
装置46は、中間部にゴムのような弾性層51を備えて
いると共にその弾性層51の両側面にこれと一体に接着
剤または焼き付けあるいは一体成形等により一体結合さ
れた鋼板からなる内側縦鋼製部材50と外側縦鋼製部材
53とを備えており、また前記各縦鋼製部材50,53
の外側にはアンカーボルト54の一端側が固定されてい
る。前記水平力兼上揚力弾性支承装置46における一方
の内側縦鋼製部材50が前記反力壁3aの一側面に当接
されると共に前記アンカーボルト54が前記反力壁3a
に埋め込み固定され、この状態で、前記水平力兼上揚力
弾性支承装置46が型枠(図示を省略した)等により支
持され、その後、隣り合う主桁47および前記水平力兼
上揚力弾性支承装置46における他方のアンカーボルト
54を鉄筋コンクリート製の横桁49における下部突出
部72に埋め込み固定するように横桁49が築造され、
したがって、前記横桁49により、橋軸方向に隣り合
う、前部主桁47の後端部および後部主桁47の前端部
並びにこれらの橋軸直角方向に隣り合う各主桁47の端
部が一体結合されて上部構造物22が構成され、かつ前
記横桁49と水平力兼上揚力弾性支承装置46の上部と
が結合されることにより、主桁47等の上部構造物22
と下部構造物1とが弾性層51を有する水平力兼上揚力
弾性支承装置46を介して接合(結合)されている。
【0035】前記横桁49の下部は、コンクリート製等
の下部構造物1の上面から上方に突出した隣り合う突出
支持部70の間において、下方に突出するように下部突
出部72が設けられているので、大きな地震力による大
きな水平力が作用して前記反力壁3aが横方向に塑性変
形しても、前記突出支持部70と前記下部突出部72と
共同して上部構造物22の落橋防止機能を果たすことが
できる。
【0036】次に前記各実施形態の免震支承装置Aを据
え付け方法について説明する。前記実施形態の構造物用
スライド式弾性支承装置30及び水平力兼上揚力弾性支
承装置46を備えた免震支承装置Aを据え付ける場合に
は、まず下部構造物1の上部に荷重支承用スライド式弾
性支承装置30のアンカーボルト15を埋め込むように
下部構造物1に固定し、その構造物の荷重支持用スライ
ド式弾性支承装置30の上部に、下面にソールプレート
38を有する橋軸方向に延長するコンクリート主桁47
を載置し、かつ前記アンカーボルト15の埋め込み作業
とほぼ並行して、隣り合う主桁等の上部構造物22の荷
重支承用スライド式弾性支承装置30の間に、適宜配筋
作業および型枠の配設作業を行って、鉄筋コンクリート
製下部構造物1と一体に鉄筋コンクリート製反力壁3a
を設ける。この時水平力兼上揚力弾性支承装置46にお
ける内側縦鋼製部材50およびこれに取り付けられてい
るアンカーボルト54を埋め込むようにし、前記各反力
壁3aに水平力兼上揚力弾性支承装置46を仮保持して
おく。その後、隣り合う断面T字状の主桁47によって
囲まれる空間を取付作業空間として利用できるので、水
平力兼上揚力弾性支承装置46の他端側の外側縦鋼製部
材53を主桁47のウエブ47a下部に埋め込み固定し
た雌ねじ孔付き受鋼板56に取付用ボルト55により強
固に固定する。
【0037】その後、橋軸長手方向に隣り合う前部主桁
47の各後端部および後部主桁47の各前端部にわたっ
て、橋軸と交差する方向(図示の場合は、橋軸直角方
向)に延長するように鉄筋コンクリート製横桁49を築
造し、隣り合う主桁を結合し、上部構造物22の一体化
を図る。その後前記横桁49の上部に床版48を配設
し、その上部に道路等を築造する。なお、前記コンクリ
ート主桁47の端部には、適宜隣り合う主桁に向かって
横方向に突出するように鉄筋を張り出させておく(図示
を省略した。)。そして結合用の横桁49の築造後、型
枠等を取り外す。
【0038】なお、前記第2実施形態の免震支承装置A
を据え付ける場合には、内側縦鋼製部材50におけるア
ンカーロッドまたはアンカーボルトを予め前記反力壁3
aの築造時にこれに埋め込むように取り付けた後、適宜
型枠組を行って、下部構造物1の上部に連結用の横桁4
9を築造し、その横桁49の築造時に外側縦鋼製部材5
3におけるアンカーロッドまたはアンカーボルト77を
予め前記横桁49に埋め込むように取り付けるとよい。
【0039】次に請求項5および請求項6に係る発明の
一実施形態を図30および図31を参照しながら説明す
る。図30および図31は、版桁(または箱桁)75を
新規に築造して支承する場合の第3の実施形態を示すも
のであって、橋脚からなる下部構造物1の上面における
中央部および橋軸直角方向に延長するように突設された
各フランジ74の端部に、間隔をおいて上方に突出した
凸状の鉄筋コンクリート製反力壁3が一体に設けられ
(図示の場合は計3個)、その各反力壁3の上面に、図
18および図19に示した荷重支持用のスライド式弾性
支承装置30が配置されてその下部が固定され、また前
記中央部の反力壁3の橋軸直角方向の両側面に、垂直な
支承面3a,3bが設けられており、また端部側の反力
壁3の橋脚中央側の一側面に垂直な支承面3aが設けら
れており、その各支承面3a,3bに、前述した第1実
施形態と同様な水平力兼上揚力弾性支承装置46におけ
る一側部の鋼板からなる内側縦鋼製部材50が当接さ
れ、かつその各内側縦鋼製部材50における前記反力壁
3側に複数のアンカーロッドまたはアンカーボルト54
の一端部が溶接または螺合等により固定され、さらに前
記アンカーロッドまたはアンカーボルト54は前記反力
壁3を築造する際に埋め込み固定されることにより、前
記水平力兼上揚力弾性支承装置46の一側部は前記反力
壁3に取り付けられている。その後、前記水平力兼上揚
力弾性支承装置46における取付用の外側縦鋼板53の
外面が、版桁(または箱桁)75における水平な床版部
76から下方に向かって突出するように打降された下部
突出部72aにおける下部側面に埋め込み固定された受
鋼板56に当接されると共に、取付用ボルト55により
固定されて、水平力兼上揚力弾性支承装置46の他側部
が上部構造物22に固定されている。
【0040】前記各荷重支持用のスライド式弾性支承装
置30の上部に版桁(または箱桁)75からなる上部構
造物22を築造する場合、前記各水平力兼上揚力弾性支
承装置46の外側部分の取付用の外側縦鋼板53の外面
に、前記受鋼板56が当接されるように設けて、その後
取付用ボルト55により固定してもよく、予め外側縦鋼
板53に、アンカーロッドまたはアンカーボルト77を
備えた受鋼板56を取付用ボルト55により固定してお
いてもよい。このようにして、水平力兼上揚力弾性支承
装置46の側部と版桁(または箱桁)75の下部とを一
体化する。かつ前記上向きの鉄筋コンクリート製反力壁
3の上面と前記上部構造物22における床版下面との間
に、荷重支持用のスライド式弾性支承装置30が配置さ
れていることにより、その高さ分のギャップGが設けら
れている。また、前記各下部突出部72aの下面と下部
構造物1の上面またはフランジ74との間には間隙が設
けられている。
【0041】なお、この第3実施形態の免震支承装置A
を据え付ける場合には、内側縦鋼製部材50におけるア
ンカーロッドまたはアンカーボルトを予め前記反力壁3
の築造時にこれに埋め込むように取り付けた後、適宜型
枠組を行って、下部構造物1の上部に上部構造物22を
築造し、その上部構造物22の築造時に外側縦鋼製部材
53に当接されて取付用ボルト55により固定される受
鋼板56およびこれに固定されたアンカーロッドまたは
アンカーボルト77を前記上部構造物22に埋め込むよ
うに取り付けるとよい。なお、荷重支持用のスライド式
弾性支承装置30と水平力兼上揚力弾性抵抗装置46に
ついての構造および作用については、前記第1実施形態
の場合と同じであるので、同一の部分については、同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0042】この第3実施形態の場合は、前記第1実施
形態のように多数の主桁47およびこれを連結する連結
用横桁49等により構成された上部構造物22に代わ
り、版桁(または箱桁)75等により構成された上部構
造物22全体が築造されている点で、前記第1実施形態
の場合と相違しているが、その他の構成については前記
第1実施形態と同様である。なお図中、78は上部構造
物の緊張用ケーブルである。
【0043】前記の分離型橋梁用免震支承装置Aは次の
ように作用する。コンクリート主桁あるいは鋼桁等の主
桁47または版桁(または箱桁)75等により構成され
た上部構造物22の荷重は、前記荷重支持用弾性支承装
置30で受けられ、水平力兼上揚力弾性支承装置46に
対しては、ほとんど上部構造物の荷重が作用しておらず
無負荷である。大地震が発生した際、主桁47または版
桁(または箱桁)75等の上部構造物22に働く下向き
の力に対しては、せん断拘束壁4内でゴムが圧縮変形す
ることで緩和し、分散できる。主桁47または版桁(ま
たは箱桁)75等の上部構造物22に働く上揚力に対し
ては、前記水平力兼上揚力弾性支承装置46を介して主
桁47などの上部構造物22と、下部構造物1とが結合
されていることにより、前記水平力兼上揚力弾性支承装
置46のせん断変形抵抗力でその上揚力が円滑に緩衝さ
れながら制御される。
【0044】また、地震によりコンクリート主桁47ま
たは版桁(または箱桁)75等の上部構造物22に働く
水平方向の力、つまり橋軸方向と、横軸直角方向の力に
対しては、コンクリート主桁47または版桁(または箱
桁)75等の上部構造物22の下面に取り付けられたソ
ールプレート38がステンレス鋼板等のすべり支承材6
7を介して支承体31の上部嵌着支持部材35の上面テ
フロン層35dと圧接して、その圧接支持部がスライド
自在に接合していることにより、相互間の摺動摩擦によ
りその水平力が減衰される。これに加えて、同時に橋軸
方向に対しては、水平力兼上揚力弾性支承装置46がせ
ん断変形することで減衰され、また、橋軸直角方向に対
しては、前記水平力兼上揚力弾性支承装置46が圧縮変
形することで減衰される。
【0045】したがって、地震により主桁47または版
桁(または箱桁)75等の上部構造物22に働く地震力
に対しては、スライド式弾性支承装置30による摩擦力
によるスライド支承作用と、高支圧弾性支承体31の弾
性層6の圧縮変形と、水平力兼上揚力弾性支承装置(緩
衝手段)46のせん断変形による支承作用及び上揚力に
対する弾性層のせん断変形抵抗作用との相互作用で有効
に減衰することができる。
【0046】前記実施形態の高支圧弾性支承体31の場
合は、ゴム層等の弾性層6の中間部外周面にR加工等に
よる環状凹部33が形成されていることで、さらにゴム
層の外周縁部等に応力集中するのが緩和され、したがっ
て、このゴム層は、上方から高荷重を受けて圧縮変形す
るとき、全体としてゴム層の外面は略同一面となり、こ
れによって上下の嵌着支持部材35,36との接着面に
剥離作用を及ぼすことが少なく、円滑に圧縮変形でき、
主桁47または版桁(または箱桁)75等の上部構造物
22の回転および振動を吸収できる。またゴム層に少な
くとも一枚以上の補強鋼板等の硬質板34が埋設されて
いることにより、高支圧になっても、前記ゴム層の内部
応力を広く分布させて、ゴム層の過度な局部歪みを抑え
ることができる。そして、この発明において使用する高
支圧弾性支承体31においては、ゴム層6に接する鋼製
部材9,10または補強鋼板等の硬質板34あるいは上
部嵌着支持部材35並びに下部嵌着支持部材36におけ
るゴム層との接着界面を粗面にすることで接着面の拡大
とゴム層のせん断抵抗力の増大を図っているので、一体
結合強度を向上させて、高支圧に対して、剪断抵抗力お
よび剥離抵抗力を高めている。
【0047】本発明における前記実施形態を実施する場
合、ゴム層が薄い場合には、硬質板を埋設しなくてもよ
いが、ゴム層(または弾性層)6に埋設する補強鋼板等
の硬質板34としては、板厚1mm以上の鋼板等を少な
くとも一枚以上埋設し、必要に応じ複数枚埋設するよう
にしても良い。また前記実施形態の場合も高支圧用に使
用することができるが、より高支圧用に使用する場合に
は、ゴム層(または弾性層)6に埋設する補強鋼板等の
硬質板の板厚を例えば1〜100mm等適宜選択し、必
要に応じ複数枚埋設して使用するようにすればよい。補
強鋼板等の硬質板34の表裏両面に環状波形又はローレ
ット加工などによる凹凸状接着面40をもうけるように
すれば、接着面積を増加させた分さらに一体結合化を高
めて、剥離抵抗力およびせん断変形抵抗力を高めること
ができる。なお前記各実施形態における下部鋼製部材
9,上部鋼製部材10,上部嵌着支持部材35および下
部嵌着支持部材36のゴム層6との接着界面を粗面ある
いは凹凸係合にすれば、平坦な接着界面に比べて、凹凸
係合または粗面による接着面積を増加させた分さらに一
体結合化を高めて、剥離抵抗力およびせん断変形抵抗力
を高めることができ、さらに高支圧応力度でも使用する
ことができる。
【0048】なお、前記実施形態においては、スライド
式弾性支承装置の上側をスライド式に支承するような形
態を示したが、本発明を実施する場合、スライド式弾性
支承装置を反転配置して、下側をスライドさせるように
してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る橋梁用
支承装置によると、構造物用スライド式弾性支承装置と
これとは独立して別個の水平力兼上揚力弾性支承装置を
組み合わせたので、一体型の免震支承装置に比べて、常
時の設計と地震時の設計を分離させて設計することがで
き、したがって、震度法および保有耐力法の設計を大き
く簡素化することが可能となり、また上部構造物の荷重
支持用として高支圧の強制スライド型の弾性支承装置を
使用し、その構造が比較的簡単であるため安価に製造で
き、常時使用するスライド型の弾性支承装置を安価に提
供することができ、しかも弾性層に対してせん断変形を
させないので、弾性体の横方向の変位によっておこる比
較的大きなせん断変形の繰り返しによる疲労が起こらな
いので、弾性体の耐久性を高めることができ、かつ弾性
支承装置における荷重支承作用及び回転支承作用を機能
させながら、しかも主桁等の上部構造物を常時スライド
自在に支承できるので、上部構造物の築造後はもちろん
のこと築造中に地震力が作用しても、荷重支持用弾性支
承装置に過大な横方向の支持力を発揮させることなく上
部構造物を支承することができる。また、前後のせん断
変形拘束壁間が橋軸直角方向の両側で開放されているの
で、雨水および塵埃等の不純物がせん断変形拘束壁内に
蓄積されることがなく、ゴムの弾性作用を発揮させるこ
とができなくなる恐れがなく、しかも清掃等を必要とす
る場合には、そのメンテナンスが容易であり、構造が簡
単で比較的小さくてすみ、そのため経済的な荷重支持用
の弾性支承装置を提供することができ、また水平力兼上
揚力弾性支承装置を据え付ける場合、その一端側を反力
壁に固定した後に、その他端側を、横桁またはプレキャ
ストコンクリート製の主桁または版桁(または箱桁)等
の上部構造物に固定するので、比較的簡単にしかも合理
的に免震支承装置を据え付けることができ、また反力壁
を利用して落橋防止機能を付与することができる。ま
た、前記荷重支承用弾性支承装置は、せん断変形をさせ
ないので、設計が単純になり、したがって、必要な圧縮
ばね定数が任意に設定することができる。また、本発明
の橋梁用支承装置は、構造が簡単であると共に製作も容
易であり、装置の運搬並びに据付作業も比較的容易に行
うことができる。かつ前記弾性支承体の上下両端部の各
鋼製部材における弾性層との接着界面を粗面にした場合
は、接着面の拡大とゴム層のせん断抵抗力を増大させ
て、比較的高支圧応力に対しても簡単な構成により対応
することができる。また、荷重支承部材における弾性層
は、鋼製等の硬質部材を介して間接的にせん断拘束壁に
より横移動とせん断変形を拘束されているので、弾性層
に直接無理な横方向の外力が作用させることなく、弾性
層のせん断変形を確実に拘束することができる。また、
水平力兼上揚力弾性支承装置のゴム層の設計は、地震時
の水平力および上揚力を想定して設計でき、上部構造物
の死荷重あるいは後死荷重等の荷重支承条件の影響を受
けない為、ゴムのせん断ばね定数を任意に設計でき、従
って、地震時の水平力によって発生する上部構造物の水
平変位を容易に制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る構造物用スライド
式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性抵抗装置を備え
た橋梁用支承装置を設置し、横桁を築造する直前の状態
を拡大して示す縦断正面図である。
【図2】図1において横桁を築造した状態を示す縦断正
面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る構造物用スライド
式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性抵抗装置を備え
た橋梁用支承装置を設置すると共に横桁を築造した状態
の全体をを示す縦断正面図である。
【図4】図3における一部横断平面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図4のB−B線断面図である。
【図7】図4のC−C線断面図である。
【図8】図3において横桁を築造する直前の状態の全体
を示す縦断正面図である。
【図9】図8における一部横断平面図である。
【図10】図9のD−D線断面図である。
【図11】弾性支承体の平面図である。
【図12】図11の縦断側面図である。
【図13】構造物用スライド式弾性支承装置の正面図で
ある。
【図14】図13の一部縦断正面図である。
【図15】図13の一部を省略した平面図である。
【図16】下部支持部材の平面図である。
【図17】図16の正面図である。
【図18】水平力兼上揚力弾性支承装置の側面図であ
る。
【図19】水平力兼上揚力弾性支承装置の平面図であ
る。
【図20】本発明の第2実施形態に係る構造物用スライ
ド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性抵抗装置を備
えた橋梁用支承装置を設置し、横桁を築造する直前の状
態を拡大して示す縦断正面図である。
【図21】図20において横桁を築造した状態を示す縦
断正面図である。
【図22】本発明の第2実施形態に係る構造物用スライ
ド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性抵抗装置を備
えた橋梁用支承装置を設置すると共に横桁を築造した状
態の全体をを示す縦断正面図である。
【図23】図22における一部横断平面図である。
【図24】図23のE−E線断面図である。
【図25】図23のF−F線断面図である。
【図26】図23のG−G線断面図である。
【図27】図23において横桁を築造する直前の状態の
全体を示す縦断正面図である。
【図28】図27における一部横断平面図である。
【図29】図28のH−H線断面図である。
【図30】本発明の第3実施形態に係る構造物用スライ
ド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性抵抗装置を備
えた橋梁用支承装置を設置すると共に版桁(または箱
桁)を築造した状態の全体をを示す縦断正面図である。
【図31】図30における構造物用スライド式弾性支承
装置及び水平力兼上揚力弾性抵抗装置の配置を示す平面
図である。
【図32】比較例としての積層弾性層からなる荷重支持
部材のせん断変形を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下部構造物 2 下部支持部材 3 鉄筋コンクリート製反力壁 4 鋼製せん断変形拘束壁 4a 前部せん断変形拘束壁 4b 後部せん断変形拘束壁 4c 円弧状内壁面 4d 頂面 5 弾性支承体 6 弾性体(層) 7 補強鋼板 8 アンカーボルト 9 下部鋼製部材 9a 上向き開口溝 10 上部鋼製部材 10a 下向き開口溝 13 すべり支承部材 15 ボルト(アンカーボルト) 22 上部構造物 30 免震支承装置 31 高支圧荷重弾性支承体 32 ベースプレート 33 環状凹部 34 硬質板 35 上部嵌着支持部材 35a 環状反力壁 36 下部嵌着支持部材 36a 環状反力壁 37 接着面 38 ソールプレート 39 すべり支承材(テフロン層) 40 凹凸状接着面 43 低摩擦摺動板 44 嵌合用凹部 46 水平力兼上揚力弾性抵抗装置 47 主桁 48 床版 49 結合用の横桁 50 内側(反力壁側)縦鋼製部材 51 弾性層(ゴム層) 52 縦鋼板 53 外側下部鋼製部材 53a ボルト挿通用横孔 54 アンカーボルト 55 取付用ボルト 56 受け鋼板 57 雌ねじ孔 58 内向き凹部 59 下面 60 ギャップ 61 ギャップ 62 R状膨出部 63 上部支持板 64 下部支持板 65 接着面 67 すべり支承部材 68 支圧荷重支持部材 70 突出支持部 72 下部突出部 73 変形許容空間 74 フランジ 75 版桁(または箱桁) 77 アンカーボルト 78 緊張用ケーブル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物と橋台または橋脚等の下部構
    造物との間に配置される免震支承装置において、下部構
    造物に固定される下部支持部材と、弾性層を介して上部
    鋼製部材および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体
    とにより荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成さ
    れ、かつ前記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をお
    いて対向するように横断面円弧状内面を有するせん断変
    形拘束壁が設けられていると共に、前記下部鋼製部材お
    よび前記上部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動
    不能に嵌設され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部
    鋼製部材が相対的に上下方向に摺動可能に設けられてい
    ると共に、前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘
    束壁の上面よりも高レベルに位置するように設けられ、
    その上部鋼製部材の上部に設けたすべり面を有するすべ
    り支承材を介して橋軸方向に延長する桁等の上部構造物
    が横方向に常時スライド自在に支承され、かつ橋軸方向
    と交差する横方向において隣り合う前記主桁の間におい
    て、前記下部構造物の上部に、前記主桁から間隔をおい
    て、上向きに突出する鉄筋コンクリート製反力壁が前記
    下部構造物と一体に設けられ、前記反力壁と前記主桁と
    の間に、中間部にゴムのような弾性層を有すると共にそ
    の両側部に縦鋼製部材を備えている水平力兼上揚力弾性
    支承装置が縦向きに配設され、かつ前記各水平力兼上揚
    力弾性支承装置の一側部が前記反力壁の一側部に固定さ
    れ、前記水平力兼上揚力弾性支承装置の他側部が対向す
    る前記主桁に固定され、かつ前記水平力兼上揚力弾性支
    承装置の上部に、上部構造物と下部構造物の相対的な変
    位を許容するためのギャップを介して横桁が設けられ、
    かつ前記反力壁の上面と前記横桁の下面との間に前記弾
    性層のせん断変形による上部構造物と下部構造物の相対
    的な変位を許容するためのギャップが設けられ、かつ前
    記横桁により橋軸方向と交差する横方向に隣り合う主桁
    端部が結合されていることを特徴とする構造物用スライ
    ド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性支承装置を備
    えた橋梁用支承装置。
  2. 【請求項2】 上部構造物と橋台または橋脚等の下部構
    造物との間に配置される免震支承装置において、下部構
    造物に固定される下部支持部材と、弾性層を介して上部
    鋼製部材および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体
    とにより荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成さ
    れ、かつ前記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をお
    いて対向するように横断面円弧状内面を有するせん断変
    形拘束壁が設けられていると共に、前記下部鋼製部材お
    よび前記上部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動
    不能に嵌設され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部
    鋼製部材が相対的に上下方向に摺動可能に設けられてい
    ると共に、前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘
    束壁の上面よりも高レベルに位置するように設けられ、
    その上部鋼製部材の上部に設けたすべり面を有するすべ
    り支承材を介して橋軸方向に延長する主桁等の上部構造
    物が横方向に常時スライド自在に支承され、かつ前記橋
    軸方向と交差する横方向において隣り合う前記主桁の間
    において、前記主桁から離れた位置に、上向きに突出す
    る鉄筋コンクリート製上向き支承壁が前記下部構造物と
    一体に設けられ、かつ前記主桁間を連結する橋軸方向と
    交差する横方向に延長する横桁の下部に、下方に突出す
    る下部突出支承壁が設けられ、その下部突出支承壁と前
    記上向き反力壁との間に、中間部にゴムのような弾性層
    を有すると共にその両側部に縦鋼製部材を備えている水
    平力兼上揚力弾性支承装置が縦向きに配設され、かつ前
    記水平力兼上揚力弾性支承装置の一側部が前記上向き反
    力壁の一側部に固定され、さらに前記水平力兼上揚力弾
    性支承装置の他側部が前記下部突出支承壁の一側部に固
    定され、前記横桁により橋軸方向と交差する横方向に隣
    り合う主桁端部および前記水平力兼上揚力弾性支承装置
    が結合されていることを特徴とする構造物用スライド式
    弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性支承装置を備えた
    橋梁用支承装置。
  3. 【請求項3】 上部構造物と下部構造物との間に配置さ
    れる免震支承装置を据え付けるに際し、下部構造物に固
    定された下部支持部材と、弾性層を介して上部鋼製部材
    および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体とにより
    荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成され、かつ前
    記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をおいて対向す
    るように横断面円弧状内面を有するせん断変形拘束壁が
    設けられていると共に、前記下部鋼製部材および前記上
    部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動不能に嵌設
    され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部鋼製部材が
    相対的に上下方向に摺動可能に設けられていると共に、
    前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘束壁の上面
    よりも高レベルに位置するように配置され、前記荷重支
    承用スライド式弾性支承装置の上部に橋軸方向に延長す
    る主桁を載置し、かつ前記荷重支承用スライド式弾性支
    承装置から橋軸方向と交差する横方向に離れた位置にお
    ける前記下部構造物の上部に、橋軸方向と交差する横方
    向において隣り合う前記主桁から間隔をおいて、上向き
    に突出する鉄筋コンクリート製反力壁が設けられ、かつ
    その反力壁の橋軸直角方向の両側面に、中間部にゴムの
    ような弾性層を有すると共にその両側部に縦鋼製部材を
    備えている水平力兼上揚力弾性支承装置が縦向きに配設
    され、かつ前記各水平力兼上揚力弾性支承装置の一側部
    の縦鋼製部材に固定されたアンカー部材が前記鉄筋コン
    クリート製反力壁に埋め込み固定され、次いで前記各水
    平力兼上揚力弾性支承装置における他側部の縦鋼製部材
    が各主桁側面に固定された後、前記鉄筋コンクリート製
    反力壁の上面から上方に離れた位置に、橋軸と交差する
    方向に隣り合う主桁端部を連結する横桁が築造され、そ
    の横桁の下面と前記鉄筋コンクリート製反力壁の上面と
    の間にギャップが設けられていることを特徴とする構造
    物用スライド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性支
    承装置を備えた橋梁用支承装置の据え付け方法。
  4. 【請求項4】 上部構造物と下部構造物との間に配置さ
    れる免震支承装置を据え付けるに際し、下部構造物に固
    定された下部支持部材と、弾性層を介して上部鋼製部材
    および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体とにより
    荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成され、かつ前
    記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をおいて対向す
    るように横断面円弧状内面を有するせん断変形拘束壁が
    設けられていると共に、前記下部鋼製部材および前記上
    部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動不能に嵌設
    され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部鋼製部材が
    相対的に上下方向に摺動可能に設けられていると共に、
    前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘束壁の上面
    よりも高レベルに位置するように配置され、前記荷重支
    承用スライド式弾性支承装置の上部に橋軸方向に延長す
    る主桁を載置し、かつ前記荷重支承用スライド式弾性支
    承装置から橋軸方向と交差する横方向に離れた位置にお
    ける前記下部構造物の上部に、橋軸方向と交差する横方
    向において隣り合う前記主桁の間において、前記主桁か
    ら離れた位置に、上向きに突出する鉄筋コンクリート製
    反力壁が下部構造物と一体に設けられ、かつ中間部にゴ
    ムのような弾性層を有すると共に両側部に縦鋼製部材を
    備えている水平力兼上揚力弾性支承装置が縦向きに配設
    され、かつその水平力兼上揚力弾性支承装置の一側部が
    前記反力壁の一側面に固定された後、前記水平力兼上揚
    力弾性支承装置の他側部を埋め込み固定するための下部
    突出支承壁を備え、かつ前記橋軸と交差する横方向の主
    桁端部相互を連結する橋軸と交差する横方向に延長する
    横桁を築造し、かつ前記上向き反力壁の上面と前記横桁
    の下面との間にギャップが設けられ、前記横桁により橋
    軸と交差する横方向に隣り合う主桁端部および前記水平
    力兼上揚力弾性支承装置の他端部が結合されていること
    を特徴とする構造物用スライド式弾性支承装置及び水平
    力兼上揚力弾性支承装置を備えた橋梁用支承装置の据え
    付け方法。
  5. 【請求項5】 上部構造物と橋台または橋脚等の下部構
    造物との間に配置される免震支承装置において、下部構
    造物に固定される下部支持部材と、弾性層を介して上部
    鋼製部材および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体
    とにより荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成さ
    れ、かつ前記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をお
    いて対向するように横断面円弧状内面を有するせん断変
    形拘束壁が設けられていると共に、前記下部鋼製部材お
    よび前記上部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動
    不能に嵌設され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部
    鋼製部材が相対的に上下方向に摺動可能に設けられてい
    ると共に、前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘
    束壁の上面よりも高レベルに位置するように設けられ、
    その上部鋼製部材の上部に設けたすべり面を有するすべ
    り支承材を介して橋軸方向に延長する桁等の上部構造物
    が横方向に常時スライド自在に支承され、かつ前記下部
    構造物の上部に、橋軸方向と交差する横方向に間隔をお
    いて、上向きに突出する複数の鉄筋コンクリート製反力
    壁が前記下部構造物と一体に設けられ、前記下部支持部
    材は前記鉄筋コンクリート製反力壁の上面に配置され、
    前記反力壁から橋軸方向と交差する横方向に離れた位置
    に上部構造物の下部にこれと一体に下部突出支持部が設
    けられ、前記反力壁と前記下部突出支持部との間に、中
    間部にゴムのような弾性層を有すると共にその両側部に
    縦鋼製部材を備えている水平力兼上揚力弾性支承装置が
    縦向きに配設され、かつ前記各水平力兼上揚力弾性支承
    装置の一側部が前記反力壁の一側部に固定され、前記水
    平力兼上揚力弾性支承装置の他側部が対向する前記下部
    突出支持部に固定され、かつ前記上向きの鉄筋コンクリ
    ート製反力壁の上面と前記上部構造物における床版下面
    との間にギャップが設けられていることを特徴とする構
    造物用スライド式弾性支承装置及び水平力兼上揚力弾性
    支承装置を備えた橋梁用支承装置。
  6. 【請求項6】 上部構造物と下部構造物との間に配置さ
    れる免震支承装置を据え付けるに際し、下部構造物に固
    定される下部支持部材と、弾性層を介して上部鋼製部材
    および下部鋼製部材を一体に有する弾性支承体とにより
    荷重支承用スライド式弾性支承装置が構成され、かつ前
    記下部支持部材の上部に橋軸方向に間隔をおいて対向す
    るように横断面円弧状内面を有するせん断変形拘束壁が
    設けられていると共に、前記下部鋼製部材および前記上
    部鋼製部材が前記せん断変形拘束壁に横移動不能に嵌設
    され、かつ前記せん断変形拘束壁に前記上部鋼製部材が
    相対的に上下方向に摺動可能に設けられていると共に、
    前記上部鋼製部材の上面は前記せん断変形拘束壁の上面
    よりも高レベルに位置するように設けられ、かつ前記下
    部構造物の上部に、橋軸方向と交差する横方向に間隔を
    おいて、上向きに突出する鉄筋コンクリート製反力壁が
    前記下部構造物と一体に設けられ、前記下部支持部材は
    前記鉄筋コンクリート製反力壁の上面に配置され、中間
    部にゴムのような弾性層を有すると共にその両側部に縦
    鋼製部材を備えている水平力兼上揚力弾性支承装置が縦
    向きに配設され、かつ前記各水平力兼上揚力弾性支承装
    置の一側部が前記反力壁の一側部に固定した後、前記上
    部鋼製部材の上部に設けたすべり面を有するすべり支承
    材の上部に載置されると共に、前記各水平力兼上揚力弾
    性支承装置の他側部を固定するための下部突出支持部を
    備えた版桁あるいは箱桁等の上部構造物を築造し、かつ
    前記上向きの鉄筋コンクリート製反力壁の上面と前記上
    部構造物における床版下面との間にギャップが設けられ
    ていることを特徴とする構造物用スライド式弾性支承装
    置及び水平力兼上揚力弾性支承装置を備えた橋梁用支承
    装置の据え付け方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017089380A (ja) * 2017-02-27 2017-05-25 ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 移動制限装置

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