JP2000234177A - 6価クロムフリー化成処理液とその使用方法 - Google Patents

6価クロムフリー化成処理液とその使用方法

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健 来住
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境や健康上問題がある6価クロム、フッ化
物、およびリン酸を使用せずに、従来のクロメート処理
と同等かそれ以上に優れた耐食性を、亜鉛または亜鉛合
金めっき材に付与する。 【解決手段】 3価クロム化合物と、チタン、コバル
ト、タングステン、珪素の各化合物から選ばれた1種以
上の金属化合物とを含有する水溶液で、めっき材を化成
処理する。その上に、有機質および/または無機質のコ
ーティングを施すとさらに耐食性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体や環境に有害
な6価クロム、フッ化物、およびリン酸類を含まない、
亜鉛または亜鉛合金めっき用の化成処理液と、その使用
方法、さらにそれにより得られた自動車用の耐食性部品
に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めっきは、金属、特に鋼材の防食方
法として広く利用されている。また、亜鉛めっきの耐食
性や他の特性を向上させるため亜鉛合金めっきを行う場
合もある。以下、亜鉛めっきと亜鉛合金めっきを総称し
て「亜鉛系めっき」という。
【0003】亜鉛系めっき材は、亜鉛の犠牲防食能(優
先的な溶解)を利用して防食効果を発揮するため、その
ままでは比較的早期に耐食性が低下する。従って、めっ
きの耐食性を向上させる目的で、めっき後に化成処理を
行って、めっき上に保護皮膜を形成するのが一般的であ
る。この化成処理としては、リン酸亜鉛処理とクロメー
ト処理が主に利用されてきた。
【0004】リン酸亜鉛処理は、リン酸イオンと亜鉛イ
オンとエッチング剤になるフッ素または錯フッ化物イオ
ンとを含有する処理液を用いて加温下に行われ、凹凸の
ある皮膜を形成するため、塗装密着性が向上する。その
ため、塗装下地処理として利用されているが、塗装しな
い場合には、めっき外観が不良となり、耐食性の向上効
果も小さいので適していない。また、エッチング剤のフ
ッ素または錯フッ化物イオンは腐食性が強く、排出規制
物質である。
【0005】クロメート処理は、無水クロム酸の水溶液
を基本とし、それに各種鉱酸(H2SO4、HNO3、HF、H2Si
F6、H3PO4 、HCl 等)、コロイダルシリカ、水溶性樹脂
等から選んだ1種もしくは2種以上の補助成分を適宜含
有させた浴を使用する。添加した鉱酸の種類等により形
成されたクロメート皮膜の色調が異なり、無色ないし淡
黄色の光沢クロメート処理の他に、外観や耐食性を考慮
して、黒色、緑色といった有色クロメート処理も利用さ
れている。
【0006】クロメート処理は、一般に塗布型 (処理後
に水洗せず) と反応型 (処理後に水洗) と電解型とに分
類される。いずれもCr6+がCr3+に還元される (塗布型と
反応型ではめっき表面の亜鉛の溶解により、電解型では
電解還元により) ことが造膜の第一歩となる。形成され
たクロメート皮膜は複雑な組成を持つが、概略組成はク
ロミウムクロメート (mCr2O3・nCrO3・xH2O) であると
推定されている。即ち、6価クロムと3価クロムの混合
物であるので、6価クロムを必然的に含んでいる。
【0007】また、クロム酸水溶液に添加する鉱酸とし
てリン酸を使用し、CrPO4 を皮膜中に導入したリン酸ク
ロム系のクロメート皮膜も利用されている。この場合
も、クロミウムクロメートが共存するので、皮膜は6価
クロムを含んでいる。
【0008】クロメート皮膜中の6価クロムは可溶性で
あって、6価クロムが溶出すると3価クロムに還元され
造膜が起こることで、クロメート皮膜に自己修復性を付
与している。この自己修復性もクロメート皮膜の優れた
耐食性に寄与している。
【0009】周知のように6価クロムは人体に有害であ
り、6価クロムを使用するクロメート処理は、排液処理
にコストがかかる。また、クロメート処理した亜鉛系め
っき材についても、廃棄後にクロメート皮膜から6価ク
ロムが溶出し、周囲環境を汚染することが問題となりつ
つある。そのため、6価クロムを含まない6価クロムフ
リー化成処理液が求められるようになってきた。
【0010】その1例として、特開平7−126859号公報
には、リン酸類 (リンの酸素酸、例えば、リン酸、メタ
リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等) と3価クロム化合
物とフッ化物 (錯フッ化物を含む、例えば、HF、H2SiF6
等) を含有する水溶液からなる、アルミニウム用の化成
処理液が提案されている。また、特開平10−183364号公
報には、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、3価Cr
の少なくとも1種の供給源とリン酸類と酸化性物質 (過
酸化物、ハロゲン酸、硝酸等) とを含有するpH0.1〜6.5
の水溶液からなる金属の表面処理液が提案されてい
る。
【0011】また、米国特許第4,148,670 号および特開
昭52−131937号公報にはジルコニウムおよび/またはチ
タンとリン酸塩とフッ化物を含む化成処理液が、米国特
許第4,191,596 号にはポリアクリル酸もしくはそのエス
テルと、フッ化ジルコニウム酸、フッ化チタン酸もしく
はフルオロ珪酸とを含む化成処理液がそれぞれ開示され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これらの化成処理液は
確かに6価クロムは含まないが、リン酸類を含有し、特
開平10−183364号公報に記載のもの以外では、さらにフ
ッ化物も使用する。リン酸類は、湖沼等の閉鎖水域や内
湾を富栄養化して、アオコ、赤潮等の発生原因となるた
め、環境上有害であり、水質汚濁防止法で排水中濃度が
平均8ppm 以下に規制されている。1999年4月からは、
排水量50t/日以上の排水中で平均3ppm以下と規制が
強化され、地域によっては既に平均1ppm 以下の厳しい
規制が行われている。また、フッ化物は腐食性が強く、
また人体の骨に悪影響があるので、やはり厳しく排出が
規制されている。
【0013】排水中のリン酸類は、CaまたはMgイオンで
沈殿させて除去するのが一般的であるが、かなりのコス
トがかかる。排水中のフッ化物アニオンはCaイオンによ
り除去できるが、過剰なカルシウム分の導入は産業廃棄
物としてのスラッジを増加させるのでやはりコスト増に
つながる。従って、環境保護の観点と排液処理のコスト
削減の観点からは、6価クロムに加えて、リン酸類やフ
ッ化物のアニオンを含有しない化成処理液が好ましい。
しかし、従来の化成処理液において、そのようなものは
なかった。
【0014】また、3価のクロムを使用した従来の6価
クロムフリー化成処理液で形成された皮膜は、6価クロ
ムから3価クロムへの還元を利用して造膜するクロメー
ト皮膜と比べて、皮膜の形成が十分でなく、耐食性がか
なり劣る。一方、6価クロムに依存した従来のクロメー
ト皮膜は、高温加熱されると、皮膜中の6価クロムが不
溶性になり、6価クロム溶出による自己修復性が低下す
るため、加熱耐食性が著しく低くなる。
【0015】本発明は、6価クロム、リン酸類、フッ化
物をいずれも使用せずに、亜鉛系めっきの耐食性を、従
来のクロメート処理と同等またはそれ以上に著しく改善
することができ、しかも高温加熱しても耐食性の低下が
見られない (即ち、高温耐食性に優れた) 保護皮膜を形
成する化成処理液を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3価クロ
ム化合物を含む水溶液に特定の金属化合物を含有させた
水溶液により亜鉛系めっき材を化成処理すると、従来の
クロメート皮膜に匹敵する耐食性の向上が可能であるこ
とを見出した。この処理液は6価クロムを含有しないの
で、加熱耐食性の低下もない。
【0017】ここに、本発明は、3価クロム化合物と、
チタン化合物、コバルト化合物、タングステン化合物お
よび珪素化合物から選んだ少なくとも1種の金属化合物
とを含有する水溶液からなり、6価クロム、フッ化物お
よび錯フッ化物アニオン、ならびにリンの酸素酸アニオ
ンを含まない、亜鉛または亜鉛合金めっき用の化成処理
液である。
【0018】この化成処理液で亜鉛または亜鉛合金めっ
き材のめっき表面を処理した後、さらにこの表面に有機
質および/または無機質コーティングを施すと、耐食性
はさらに一段と向上する。従って、必要に応じて、この
コーティング処理を行えばよい。
【0019】このような処理液を使ったコーティング処
理によれば、自動車の鋼材部品、特に無塗装で使用され
る自動車部品として優れた耐食性が発揮され、今日強く
求められている耐さび性の保証年限の延長、車両コスト
の低減、車両安全性の向上等に大きく寄与できるという
実際上の優れた効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の化成処理液による処理対
象は、亜鉛または亜鉛合金めっき材、即ち、亜鉛系めっ
き材である。亜鉛系めっきとしては、電気亜鉛めっき、
溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融亜鉛合金
めっき (例、亜鉛−アルミニウム合金めっき) 、電気亜
鉛合金めっき (例、亜鉛−ニッケル合金めっき) などが
例示される。めっき母材は、通常は鋼材であるが、他の
金属材料であってもよい。また、めっき母材の形状も制
限されず、板材、管材、異形材等の一次加工品と、それ
をさらに成形、打ち抜き、切削等により二次加工した二
次加工品のいずれでもよい。例えば、ボルト、ナット等
の小物にも利用できる。
【0021】特に、自動車用の鋼材部品、より具体的に
は無塗装で使用される自動車用の鋼材部品、について本
発明による化成処理を行うことで、自動車の使用環境を
擬制した高温加熱を行った行った後も、予想を越えた耐
食性の大幅な改善が可能となり、従来の自動車用の鋼材
部品と比較してはるかに大幅な耐さび性の保証年限の延
長、車両コストの低減、車両安全性の向上が可能とな
る。
【0022】このような自動車部品の例としては、鋼材
製のボルト、ナット、スクリュー、スプリング、クリッ
プ(オイル、燃料などの流通経路をつなぐ各種パイプと
入口との固定に使用)等の小型部品、ならびにモータケ
ース、エンジン構成部品(エンジンに付属物を取り付け
るためのブラケット類、パイプ類)、各種パネル類等の
大型部品が挙げられ、非常に多数の鋼材製部品が使用さ
れている。
【0023】例えば、エンジン周辺の小型部品だけで
も、(1) エンジンコントロールバルブおよびレバーに設
けられたスプリング、ボルト、ナット、レバー、ワッシ
ャ、シャフト、クリップ、ブラケット等;(2) フューエ
ルインジェクションシステム、フューエルフィルター、
フューエルポンブ、オイルポンプ等に設けられたパイ
プ、ブラケット、ボルト、ナット、ワッシャ、カバー
等;(3) バキュームパイプ、エミッション、エアコンプ
レッサーアッセンブリー、ターボチャージャシステム等
に設けられたパイプ、ブラケット、ボルト、ナット、ワ
ッシャ、カバー等、が挙げられる。これらの小型部品は
いずれも、現状ではクロメート処理されて無塗装で、単
品部品としてまたは構成部品の一部として使用されてい
る。
【0024】その他の本発明が適用可能な自動車用の鋼
材部品としては、自動車ドアー用ヒンジ、ロック、スト
ライカー、車輛部品組み立て用ファスナー、モーターケ
ース、オイルフィルターカバー、ボンネット固定用フー
ドベース、サスペンションロッド、ディスクブレーキ用
キャリバー等が挙げられる。
【0025】本発明の化成処理液による処理は、めっき
直後のめっき材と、めっきから日時が経過しためっき材
のいずれに対しても有効である。しかし、耐食性の点か
らは、めっき直後に化成処理を行う方が好ましい。その
場合の工程図 (めっきは電気めっき) の例を図1に示
す。
【0026】図1に示すように、電気めっきした後、め
っき材をまず水洗して、付着しためっき液を除去する。
溶融めっきの場合には、水洗は必要ないが、室温まで冷
却する必要がある。その後、化成処理前に、必要に応じ
て亜鉛系めっき材を酸で処理して、めっき表面を活性化
させる。例えば、電気めっきの直後の未乾燥の (水洗の
みで乾燥していない) めっき材に化成処理を行う場合に
は、表面の活性がかなり高いので、酸による活性化処理
は行わなくてもよいが、活性化処理すると、さらによい
結果が得られる。電気めっき後でも乾燥した場合や、溶
融めっき材の場合には、めっき表面の活性があまり高く
ないので、酸による活性化処理を行うことが望ましい。
めっきから日時が経過した場合も、同様にこの活性化処
理を行うことが好ましく、その前に慣用のアルカリ脱脂
処理を行ってもよい。
【0027】活性化処理に使用する酸は、一般に鉱酸、
例えば、硝酸、硫酸、塩酸等であり、特に硝酸が好まし
い。処理液中の酸濃度は、例えば、濃硝酸の場合で、濃
硝酸0.5〜5mL/Lと非常に希薄な酸濃度とすることが好
ましい。塩酸や硫酸の場合もほぼ同じである。処理法は
浸漬が普通であるが、噴霧等も可能である。また、電解
条件下で実施することもできる。処理温度は通常は室温
〜35℃程度が適当である。酸による活性化処理の後、水
洗するが、水洗後は乾燥せずに、すぐに本発明の化成処
理液で処理を行うことが好ましい。
【0028】本発明の化成処理液は、(A) 3価クロム化
合物と、(B) チタン化合物、コバルト化合物、タングス
テン化合物および珪素化合物から選んだ少なくとも1種
の金属化合物、とを含有する水溶液からなり、6価クロ
ム、フッ化物および錯フッ化物アニオン、ならびにリン
の酸素酸アニオンを含まない。即ち、6価クロムフリー
であるだけでなく、フッ化物やリン酸類も含んでいな
い。
【0029】(A) の3価クロム化合物は、次式に示すよ
うに、亜鉛の溶解により生成した水酸イオンと反応して
水酸化クロムの皮膜を形成するものと推測される。 Zn + 2H2O → Zn2+ + 2OH- + H2↑ Cr3+ + 3OH- + nH2O → Cr(OH)3・nH2O (B) の金属化合物も、例えば、特開平10−183364号にお
いてTiやWが単独で使用可能であることからわかるよう
に、やはり単独で造膜性を有している。その造膜機構は
十分には解明されていないが、現状では次のように推測
される。Tiイオン (Ti3+) は、例えば硫酸アニオンの存
在下で硫酸チタン[Ti2(SO4)3・nH2O] となり、これは水
には不溶性であるので造膜可能である。Coイオン (C
o2+) は、3価クロムと同様に水酸化物の皮膜を形成す
ると推量される。チタン酸やタングステン酸といったオ
キシ酸アニオンは、例えば、3価クロム化合物と反応し
て塩となることにより造膜するのではないかと考えられ
る。また、珪素化合物、例えば、珪酸塩やシリカゾル
は、いずれもシリカ質の皮膜を形成することができる。
【0030】前述したように、従来の6価クロムフリー
化成処理液は、造膜性のある金属成分に加えて、錯フッ
化物を含むフッ化物とリン酸類 (例、特開平7−126859
号公報) 、または少なくともリン酸類 (特開平10−1833
64号公報) を含有している。フッ化物は、亜鉛系めっき
表面を化学研磨 (エッチング) して皮膜の密着性を高め
る機能があり、リン酸類は、リン酸亜鉛処理やリン酸ク
ロム系クロメート処理からわかるように、亜鉛イオンや
3価クロムイオンと反応してリン酸亜鉛やリン酸クロム
の皮膜を形成するため、皮膜を増強する機能があるから
である。即ち、リン酸イオンが存在する場合の造膜機構
は次のように示すことができる。 Zn + 2H2O → Zn2+ + 2OH- + H2↑ Cr3+ + 3OH- + nH2O → Cr(OH)3・nH2O Cr3+ + PO4 3- + nH2O → CrPO4・nH2O 3Zn2+ + 2PO4 3- + nH2O → Zn3(PO4)2・nH2O。
【0031】リン酸類が存在すると、リン酸クロム(CrP
O4・nH2O) やリン酸亜鉛(Zn3(PO4)2・nH2O) の析出が加
わって、造膜性が強化される。また、形成された化成処
理皮膜は、リン酸イオンとZnを含有する。従って、この
場合は、造膜機構と形成された皮膜の組成が、本発明の
化成処理液の場合とは異なる。
【0032】このように、造膜性の点で問題がある6価
クロムフリー化成処理液においては、従来はフッ化物と
リン酸類の少なくとも一方、特にリン酸類を添加するこ
とにより、造膜性を強化して、耐食性を確保していたの
である。それでも、6価クロムであるクロム酸の造膜能
を利用した従来のクロメート処理に比べると、耐食性は
劣っていた。
【0033】これに対し、本発明の化成処理液では、そ
れぞれ単独で造膜能がある(A) 3価クロム化合物と、
(B) チタン化合物、コバルト化合物、タングステン化合
物および珪素化合物から選んだ少なくとも1種の金属化
合物を併用する。それにより、単独使用ではどちらも造
膜能が弱いのを互いに補強しあうため、フッ化物やリン
酸類を含有させなくても、造膜性が向上し、亜鉛系めっ
きの耐食性を著しく向上させることができ、従来のクロ
メート処理に匹敵するか、それ以上の耐食性を確保する
ことができる。後で実施例および比較例を比べるとわか
るように、本発明に従って、リン酸類を添加せず、従っ
てリン酸クロムやリン酸亜鉛の生成による造膜を利用し
ない方が、かえって耐食性を著しく高めることができる
という、予想外の結果が得られるのである。
【0034】フッ化物とリン酸類はいずれも人体や環境
に有害で、排出が規制されている物質であり、これらの
物質を使用しないことは、環境保全にとって有益である
上、排液処理の費用や手間を削減できる。また、6価ク
ロムフリーであると、亜鉛系めっき材を廃棄する場合の
環境汚染の問題も解消される。従って、本発明の化成処
理液は、環境上非常に望ましいものである。
【0035】本発明で使用する、3価クロム化合物(A)
は3価クロムイオン (Cr3+) を供給する化合物、即ち、
3価クロム塩である。また、金属化合物(B)(即ち、チタ
ン化合物、コバルト化合物、タングステン化合物、珪素
化合物) は、各金属のカチオンまたはオキシ金属アニオ
ン (金属酸アニオン) を供給する化合物である。例え
ば、チタン塩、チタン酸塩、コバルト塩、タングステン
酸塩、珪酸もしくは珪酸塩などが使用できる。いずれも
水または酸に可溶性の化合物を使用する。チタン化合物
は3価と4価のいずれの化合物も使用できる。コバルト
化合物は一般に2価コバルト化合物が安定であり、3価
クロムの酸化を避けるためにも2価コバルト化合物を使
用する。どの金属についても、リン酸塩やフッ化物のよ
うに、リンまたはフッ素を含有する化合物は使用しな
い。
【0036】本発明で使用するのに適した化合物を次に
例示するが、これらに限られるものではない。◇3価クロム化合物 :硝酸クロム(III) 、酢酸クロム(II
I) 、硫酸クロム(III) 、塩化クロム(III) ;チタン化合物 :チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウ
ム、三塩化チタン、硫酸チタン(III) ;コバルト化合物 :硝酸コバルト(II)、硫酸コバルト(I
I)、塩化コバルト(II);タングステン化合物: タングステン酸ナトリウム、タン
グステン酸カリウム、タングステン酸アンモニウム珪素化合物 :珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、シリカゾ
ル (別名:コロイダルシリカ) 。
【0037】3価クロム化合物と、上記の金属化合物
(B) の少なくとも1種を、一緒に水または酸水溶液に溶
解させて、本発明の化成処理液を調製する。使用する化
合物が水に溶解しない場合には、酸水溶液を用いて溶解
させる。酸としては、硫酸や硝酸が好ましい。処理液中
の各化合物の濃度およびpHは好ましくは次の通りであ
る。 pH: 1.0〜4.0 、より好ましくは 1.5〜2.5 3価クロム化合物 :Crとして 0.4〜15 g/L、より好ま
しくは1〜8g/L チタン化合物 :Tiとして 0.1〜10 g/L コバルト化合物 :Coとして 0.1〜5g/L タングステン化合物:Wとして 0.1〜5g/L 珪素化合物: Siとして 0.1〜50 g/L。
【0038】各化合物の濃度が低すぎると、耐食性の向
上に十分な厚さの皮膜を形成することができないか、皮
膜形成に時間がかかりすぎ、濃度が高すぎると、化成処
理液が不安定になる。pHは、必要に応じてpH調整剤
(酸、塩基、または硝酸アンモニウムのようなアンモニ
ウム塩) の添加により調整できる。なお、従来のクロメ
ート液と同様に、この化成処理液に水溶性または水分散
性樹脂を配合することもできる。
【0039】化成処理それ自体は、従来の反応型クロメ
ート処理と同様に実施することができる。処理温度は10
〜60℃の範囲が適当で、好ましくは50℃以下、より好ま
しくは、20〜45℃ (例、室温) であり、処理時間は5〜
180 秒の範囲が適当で、好ましくは30〜90秒である。処
理は浸漬によるのが簡便であるが、噴霧等の他の処理方
法も可能である。浸漬の場合、適当な攪拌手段 (例、め
っき材の揺動、エアー攪拌、攪拌機による攪拌) を適用
することが好ましい。上記のような条件下での処理によ
り形成された化成処理皮膜の付着量は、一般に全クロム
として1〜30 mg/dm2 の範囲内となろう。この付着量
は、好ましくは3〜15 mg/dm2 の範囲内である。
【0040】処理時間や温度条件は化成処理皮膜の外観
に影響することがある。この現象を利用して、処理時間
や温度条件を変化させることにより、ユニクロ (薄い青
色)〜黄色まで、化成処理後のめっき外観の色調を自在
に調整することができる。
【0041】化成処理後に水洗してから、乾燥する。化
成処理皮膜は既に処理中に形成されているので、乾燥は
水を完全に除去すればよい。従って、常温乾燥も可能で
あるが、乾燥時間を短くするため、50〜90℃、特に60〜
80℃で乾燥することが好ましい。
【0042】こうして形成された化成処理皮膜、実施例
で示すように、亜鉛系めっきに対して、従来の6価クロ
ム系のクロメート皮膜に匹敵するか、それを凌ぐような
高い耐食性を付与する。しかも、6価クロムを含有して
いないため、例えば、200 ℃の高温に加熱されても、耐
食性がほとんど低下しない。
【0043】しかし、例えば、無塗装で使用する場合、
特に使用環境が海浜地区のように腐食し易い状況では、
さらなる耐食性の向上が求められる場合がある。そのよ
うなときには、図1に破線で示すように、化成処理した
亜鉛系めっき材に、さらに有機質および/または無機質
のコーティングを施すことができる。
【0044】コーティング剤としては、有機質皮膜を形
成する水系有機樹脂、例えば、水溶性または水分散性の
アクリル、ウレタン、シリコーン、メラミンなどの樹
脂、ならびに無機質皮膜を形成する珪素化合物、例え
ば、珪酸アルカリ金属塩 (例、珪酸リチウム) 、シリカ
ゾル、などの材料が例示される。有機質材料と無機質材
料とを併用して、有機/無機複合コーティングとしても
よい。このようにコーティング剤は一般に水系であるの
で、コーティングは乾燥した材料に適用する必要はな
い。従って、コーティングする場合には、化成処理後に
水洗した後、直ちにコーティングすることができ、乾燥
工程は省略してもよい。
【0045】コーティングは、慣用の任意の塗布法で実
施することができる。例えば、浸漬、噴霧、ロール塗
布、ハケ塗りなどが採用でき、亜鉛系めっき材の形態に
よって適当な方法を採用すればよい。コーティング厚み
は特に制限されないが、乾燥後の厚みで 0.1〜0.5 μm
の範囲内が好ましい。コーティング後に乾燥するが、乾
燥温度は使用したコーティング剤が焼付けを必要とする
場合には、所定の焼付け温度で乾燥を行う。
【0046】本発明の化成処理皮膜は、6価クロムとフ
ッ素とリンを添加せずに形成されているが、これらがそ
れぞれ10 ppm以下程度で存在することは避けられない場
合があるので、そのような実質的な害作用のない不可避
量の存在は許容される。
【0047】
【実施例】
【実施例1】鋼製ボルトに、市販の酸性亜鉛めっき液用
いて電気亜鉛めっき(8μm)を施し、水洗した後、67.5%
濃硝酸2mL/Lを含有する酸水溶液に室温で5秒間浸漬し
て活性化処理を行った。その後、水洗してから、下記成
分を含有する水溶液からなる化成処理液に40℃で60秒間
浸漬して化成処理を施した。処理中、化成処理液はエア
ー攪拌により攪拌した。その後、水洗し、70℃の温風に
より15分間乾燥した。こうして形成された化成処理皮膜
の付着量は、全クロム量として10〜12 mg/dm2であっ
た。
【0048】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :45g/L 62.5%硫酸 :10g/L 硫酸チタン(III) : 5g/L なお、以下の実施例および比較例も含めて、いずれの化
成処理液組成も、残部は水である。
【0049】
【実施例2】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0050】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :45g/L 62.5%硫酸 : 2g/L 硫酸コバルト・6水和物 : 2g/L
【0051】
【実施例3】実施例2と全く同様にして、鋼製ボルトの
亜鉛めっき、酸による活性化処理、および化成処理を行
った。使用した化成処理液は実施例2のものと同じであ
った。乾燥後、加熱による耐食性の影響を調べるため、
空気中で200 ℃に1時間加熱した。
【0052】
【実施例4】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。乾
燥後、加熱による耐食性の影響を調べるため、空気中で
200 ℃に1時間加熱した。
【0053】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :45g/L 62.5%硫酸 : 2g/L 硫酸チタン(III) : 1g/L
【0054】
【実施例5】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0055】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :45g/L 62.5%硫酸 : 2g/L シリカゾル :50g/L
【0056】
【実施例6】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0057】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :45g/L 62.5%硫酸 : 2g/L タングステン酸ナトリウム: 2g/L
【0058】
【実施例7】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0059】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :45g/L 62.5%硫酸 : 2g/L 硫酸チタン(III) : 1g/L シリカゾル :50g/L
【0060】
【実施例8】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0061】化成処理液組成 硫酸クロム・18水和物 :30g/L 67.5%硝酸 : 5g/L シリカゾル :50g/L
【0062】
【実施例9】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0063】化成処理液組成 硫酸クロム・18水和物 :30g/L 67.5%硝酸 : 5g/L 硫酸チタン(III) : 1g/L
【比較例1】鋼製ボルトに実施例1と同様にして亜鉛め
っき、水洗、酸による活性化処理を施し、水洗した後、
ユケン工業 (株) 製6価クロム含有クロメート液:メタ
スCY-6 (クロム酸10 mL/L を含有) に25℃で10秒間浸漬
して (処理液はエアー攪拌)クロメート処理を行った。
その後、実施例1と同様に乾燥した。クロメート皮膜の
付着量は5〜6mg/dm2であった。
【比較例2】比較例1と全く同様にして、鋼製ボルトの
亜鉛めっき、酸による活性化処理、およびクロメート処
理を行った。乾燥後、加熱による耐食性の影響を調べる
ため、空気中で200 ℃に1時間加熱した。
【比較例3】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0064】化成処理液組成 硫酸クロム・18水和物 :30g/L 硝酸アンモニウム :10g/L
【比較例4】比較例3と全く同様にして、鋼製ボルトの
亜鉛めっき、酸による活性化処理、および化成処理を行
った。乾燥後、加熱による耐食性の影響を調べるため、
空気中で200 ℃に1時間加熱した。
【比較例5】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0065】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :30g/L 硝酸ナトリウム :10g/L 硫酸コバルト・6水和物 : 2g/L 75%リン酸 :30g/L
【比較例6】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0066】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :45g/L 62.5%硫酸 :10g/L
【比較例7】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0067】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :30g/L 62.5%硫酸 :10g/L 75%リン酸 :20g/L
【比較例8】化成処理液の組成を下記のように変更した
以外は、実施例1と同様にして、鋼製ボルトの亜鉛めっ
き、酸による活性化処理、および化成処理を行った。
【0068】化成処理液組成 硝酸クロム・9水和物 :30g/L 62.5%硫酸 :10g/L フッ化ナトリウム :20g/L 以上の実施例および比較例で得られた、亜鉛系めっき後
に化成処理を施した鋼製ボルトの耐食性を調査するた
め、JIS Z2371 に準拠して塩水噴霧試験 (SST)を実施し
た。耐食性は、白錆10%および赤錆5%の発生時間によ
り評価した。試験結果を、表1にまとめて示す。
【0069】
【表1】
【0070】表1からわかるように、本発明の化成処理
液を用いて亜鉛系めっき材を処理すると、比較例1の6
価クロムに基づくクロメート処理に比べて、耐食性が著
しく向上し、特に白錆発生の抑制効果に非常に優れてい
る。また、クロメート処理では、比較例2に示すように
高温(200℃) に加熱されると、耐食性が著しく低下し、
化成処理による防食性がほとんど失われるのに対し、本
発明の化成処理液の場合には、実施例2と3との比較か
らわかるように、高温加熱後の耐食性の低下はごくわず
かであり、ほとんど同レベルの耐食性を維持している。
【0071】比較例3、6のように、化成処理液の造膜
成分が3価クロム化合物だけであると、亜鉛系めっき材
の耐食性を高めることはできず、また高温加熱後の耐食
性はさらに悪化する。比較例7、8のように、3価クロ
ム化合物にリン酸またはフッ化物を添加しても、耐食性
の向上はほとんど得られない。一方、比較例5のよう
に、本発明の化成処理液に造膜成分としてさらにリン酸
塩を添加すると、かえって耐食性は低下する。しかも、
リン酸の添加は、環境汚染を防ぐために排液処理がコス
ト高となる。
【0072】
【実施例10】本例では、実施例7および比較例1、2の
それぞれの化成処理を自動車用の各種鋼材部品に適用
し、200 ℃で1時間加熱する高温加熱を行ったときと、
それを行わなかったときとの耐食性を比較した。なお、
各部品の材質はそれぞれの部品が構成される通常の鋼材
であった。結果は、表2にまとめて示す。
【0073】本発明の場合、高温加熱によっても実質上
耐食性は悪影響を受けないことが分かる。比較例では、
半分以下にまで耐食性が劣化していることを考えれば、
本発明の優れた作用効果が分かる。
【0074】このような高温加熱は用途が自動車用とい
うことであれば、常に断続的に行われるのであって、こ
れに対して優れた抵抗性を示すということから、本発明
にかかる化成処理による自動車用部品の特性改善が著し
いことが分かる。
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明の化成処理液を使用して亜鉛系め
っき材を処理すると、人体に有害な6価のクロムを使用
せず、さらにやはり人体または環境に害を及ぼすリン酸
やフッ化物も添加せずに、亜鉛系めっき材に対して、従
来のクロメート皮膜と同等かそれ以上のすぐれた耐食性
を付与することができる。従って、クロメート処理に付
随する環境問題をクリアでき、かつ従来以上に高性能の
めっき材を提供できるので、実用上の意義は非常に大き
い。自動車用の鋼材部品に本発明の化成処理を適用した
ときには、耐食性の大幅な改善が見られるばかりでな
く、無塗装ということから製造コストの低減にも大きく
寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化成処理液を用いた処理プロセスのを
例を示す工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永谷 康宏 愛知県刈谷市野田町場割50番地 ユケン工 業株式会社内 (72)発明者 飯島 博文 愛知県刈谷市野田町場割50番地 ユケン工 業株式会社内 (72)発明者 豊田 武司 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番1号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内 (72)発明者 来住 健 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番1号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内 (72)発明者 浅利 満頼 神奈川県藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA07 AA24 BA01 BB08 CA16 CA18 CA19 CA31 CA32 CA33 CA41 DA11 EA07 EB02 EB08 EB11 4K044 AA02 AB05 BA10 BA11 BA14 BA21 BB03 BB04 BC02 CA11 CA16 CA18 CA53 CA62

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3価クロム化合物と、チタン化合物、コ
    バルト化合物、タングステン化合物および珪素化合物か
    ら選んだ少なくとも1種の金属化合物とを含有する水溶
    液からなり、6価クロム、フッ化物および錯フッ化物ア
    ニオン、ならびにリンの酸素酸アニオンを含まない、亜
    鉛または亜鉛合金めっき用の化成処理液。
  2. 【請求項2】 亜鉛または亜鉛合金めっき材のめっき表
    面を請求項1項記載の化成処理液で処理した後、さらに
    該表面に有機質および/または無機質コーティングを施
    すことを特徴とする、亜鉛めっき材の防食方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の亜鉛または亜鉛合金めっ
    き用の化成処理液を使って得られる化成皮膜を備えた自
    動車用鋼材部品。
  4. 【請求項4】 前記化成皮膜の上にさらに有機質および
    /または無機質の被覆層を設けた請求項3記載の自動車
    用鋼材部品。
JP34757299A 1998-12-09 1999-12-07 6価クロムフリー化成処理液およびその化成処理液により形成された化成処理皮膜を備える亜鉛系めっき材の製造方法 Expired - Lifetime JP4529208B2 (ja)

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