JP2000233928A - アナターゼ型酸化チタンの製造方法 - Google Patents

アナターゼ型酸化チタンの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥時に有機溶剤を発生させることなくコー
ティングが可能なアナターゼ型酸化チタンを主成分とす
る水系のコート液を製造する。また、240℃以下の低
温で、しかも、少ない工程数で、光触媒活性が高いアナ
ターゼ型酸化チタン粉末を製造する。また、貯蔵安定性
・分散性の高い水系のアナターゼ型酸化チタンスラリー
を製造する。得られたスラリーが光触媒活性を持つコー
ト材として、耐熱性及び耐有機溶剤性の弱い材質にもコ
ーティングできるものとする。 【解決手段】 有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル
水溶液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体
を、密閉容器内で加熱処理すると同時に加圧処理するこ
とにより、アナターゼ型酸化チタン粉末及び水系のアナ
ターゼ型酸化チタンスラリーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質の除去、
悪臭物質の消臭分解、防汚、滅菌などの環境浄化材等と
して用いられる光触媒の一つとして、特に光触媒活性の
大きいアナターゼ型酸化チタンの製造方法、詳しくは、
光触媒活性が高く比表面積の大きいアナターゼ型酸化チ
タン粉末の製造方法、及びこのアナターゼ型酸化チタン
粉末を含有する安定性・分散性に優れた水系のアナター
ゼ型酸化チタンスラリーの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光触媒は、紫外線が表面に照射されたと
きに発生するラジカル物質(ヒドロキシラジカル、スー
パーオキサイドアニオン)により、有害物質(アルデヒ
ド類等)の除去、悪臭物質(悪臭防止法で規制されてい
る物質)の消臭分解、防汚、滅菌などの機能を持つ物質
である。近年、この光触媒を表面にコートすることによ
り、上記の機能を利用する展開が図られており、多くの
酸化物が光触媒として利用可能であるが、酸化チタンが
光触媒の一つとして利用されることが多く、中でもアナ
ターゼ型の酸化チタンが機能性及び安全性の両面で優れ
ている。すなわち、酸化チタンには、アナターゼ型、ル
チル型、ブルッカイト型の3種類の結晶体とアモルファ
ス体(無定形)とがあるが、光触媒活性が一番大きい酸
化チタンはアナターゼ型である。
【0003】従来技術として、アナターゼ型酸化チタン
粉末、アナターゼ型酸化チタンスラリー及び酸化チタン
ゾルの製造方法について述べる。アナターゼ型酸化チタ
ン粉末を得る方法として気相法と液相法がある。気相法
で作製された代表的なアナターゼ型酸化チタンとして、
DegussaP−25(日本アエロジル株式会社製)
があるが、酸素雰囲気下、1000℃の高温で塩化チタ
ンを加水分解することにより、比表面積が40m2/g
(BET法)の酸化チタン粉末を製造するものである。
また、CVD(化学気相蒸着)法により、炉内温度が6
00℃から800℃の範囲にて調製が行われ、アナター
ゼ型酸化チタンが得られるとの報告がある(化学工学論
文集第16巻第3号第584頁〜第587頁、1990
年5月発行)。
【0004】液相法で得られるアナターゼ型酸化チタン
について述べる。液相法によりアナターゼ型酸化チタン
を得る方法では、ゾル−ゲル法、HyCOM法(Hyd
rothermal Crystalization
in Organic Media)、及び硫酸法が提
案されている。ゾル−ゲル法での酸化チタンは、シリカ
を得ることと同様の操作によりアルコキシドから得ら
れ、加水分解で水酸化チタンを得る工程と、加熱により
水酸化チタンを重縮合させ酸化チタンとする焼結工程の
2工程が必要である。また、いずれの工程も常圧下で行
われるものである。(ゾル−ゲル法については、例え
ば、「ゾルゲル法の科学、第8頁〜第15頁、1988
年7月発行、アグネ承風社」参照) アナターゼ型の酸化チタンをゾル−ゲル法で得る場合、
有機溶媒を使用すること、結晶化のための焼結工程が必
須であり、焼結のための加熱温度は300℃から700
℃の範囲内とする必要がある。特定範囲の温度での加熱
処理が必要な理由は、加熱処理を300℃未満とした場
合、得られる酸化チタンはアモルファスのままであり、
一方、700℃を超える温度で加熱処理した場合、アナ
ターゼ型の酸化チタンが光触媒機能の低いルチル型へ結
晶転移するからである。
【0005】HyCOM法は、アルコキシドの加水分解
に必要な水分として、ガス中の水分又は別の水貯槽から
生ずる蒸気状の水分を、圧力(10kg/cm2G)を加えて
チタンアルコキシドを溶解させた溶媒に供給することに
より、酸化チタンを得ている。この場合、アルコキシド
を溶解させた溶媒と水は装置内において別々に配置して
いる。つまり、原料中には水分が存在しない。HyCO
M法で酸化チタンを得る場合、900℃の焼成後でもア
ナターゼ型であって、さらに比表面積を40m2/gに維
持するなど耐熱性に優れたアナターゼ型酸化チタンが得
られている(J.Mater.Sci.Lett.,1
5,197(1996))。
【0006】また、硫酸法は、特開平7−171408
号公報に記載されているように、硫酸チタンを加熱・加
水分解して得た酸性チタンゾルに水酸化ナトリウムを加
え、pH7に調節した後、濾過、洗浄を行って結晶を得て
いる。ついで、得られた酸化チタン湿ケーキに水を加え
て、酸化チタンスラリーを調製し、さらに水酸化ナトリ
ウムを加えて、pHを7とした後、オートクレーブで15
0℃、3時間の水熱処理を行っている。その後、水熱処
理後のスラリーに硝酸を加え、pH7に調節した後、濾
過、水洗、乾燥(110℃、3時間)を実施し、酸化チ
タンを得ている。
【0007】つぎに、酸化チタンの含有液及びスラリー
の製造方法について、従来の技術を述べる。特開平8−
99041号公報に記載があるように、チタンのアルコ
キシドとアルコールアミン類などから調製されたチタニ
アゾルにポリエチレングリコール又はエチレンオキサイ
ドを添加し、基板にコーティングした後、室温から徐々
に600〜700℃の温度まで加熱することにより、ア
ナターゼ型の酸化チタン薄膜を得ている。上記公報に
は、焼成温度としては、600℃から700℃が好まし
いとの記述があり、アナターゼ型酸化チタンを得るため
には、焼結工程が必須である。特開平8−277147
号公報にも、ゾル−ゲル法により調製したコート材の提
案があるが、350℃での焼成工程がある。特開平8−
21557号公報にも、硫酸チタニルを加水分解して得
た酸化チタンゾルを水で希釈したものをコート材とする
との提案があるが、これも300℃での大気中での焼成
処理を行っている。
【0008】特開平8−257360号公報には、前も
って調製したアナターゼ型酸化チタン粉末(P−25)
を微細セルロースとともに水中に分散させ、ついで、凝
集材としてポリ塩化アルミニウムを添加し、スラリー材
を調製している。また、粉末状のアナターゼ型酸化チタ
ンを水中へ分散させる技術では、例えば、イルメナイト
を原料として、硫酸法により得たメタチタン酸に硝酸を
加えたものに酸化チタンを分散させ、コート材としての
分散・貯蔵安定性を向上させるものが報告されている
(工業材料 Vol.45、No.10、p48(19
97))。本発明者も、特願平10−142008号に
おいて、アナターゼ型酸化チタンの製造方法について提
案している。上記特許出願に記載の方法では、チタンイ
ソプロポキシドを有機溶剤であるイソプロピルアルコー
ル中で少量の水を添加することで調製したチタニアゾル
を密閉容器内で加熱処理することにより、イソプロピル
アルコールを蒸発させ、蒸気圧を熱とともに利用したア
ナターゼ型酸化チタンへの結晶化の促進を行っている。
この場合、得られた酸化チタンスラリーは多量のイソプ
ロピルアルコールを含有している。
【0009】ついで、酸化チタンゾルの製造方法につい
て述べる。特許第2021987号公報記載の方法で
は、アルコールで希釈したチタンアルコキシドを強酸性
水に少量ずつ添加することで、酸化チタンゾルを製造し
ている。特開平10−46317号公報記載の方法で
は、アモルファス酸化チタンを過酸化水素水溶液に浸漬
させ、300℃以上の加熱により、アナターゼ型酸化チ
タン薄膜を得ている。また、特開平9−71418号公
報記載の方法では、チタン溶液とアンモニア等の塩基性
溶液から水酸化チタン沈殿物をまず作成し、その後に過
酸化水素水を添加している。さらに80℃以上の熱処理
によりアナターゼ型酸化チタンの結晶化を行っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】気相法によりアナター
ゼ型酸化チタン粉末を得る場合、上記のいずれの方法で
も、アナターゼ型酸化チタンを調製する際に、反応雰囲
気を高温(気相法では、通常800℃以上)とすること
や、原料として反応性の高い塩化チタンを使用すること
のために、特別な装置が必要となる等の欠点がある。な
お、前述した気相法によるアナターゼ型酸化チタンの製
造方法は乾式法であり、液相法による本願発明のアナタ
ーゼ型酸化チタンの製造方法とは全く異なる技術であ
る。また、アナターゼ型酸化チタン粉末をゾル−ゲル法
で得る場合でも、前述のように焼結工程が必須であり、
300℃以上の加熱処理が必要である。
【0011】HyCOM法では、前述のように耐熱性に
優れたアナターゼ型酸化チタンが得られるが、調製に特
別な装置が必要となる欠点がある。なお、HyCOM法
では、アルコキシドを溶解させた溶媒と水とが装置内で
別々に配置されており、原料中に水分は存在しないが、
本願発明では、一例として、予め原料であるチタンアル
コキシドを過酸化水素水内で加水分解させ、生成したア
モルファス酸化チタンを過酸化水素水中へ溶解させたア
モルファス酸化チタンの透明溶液を加圧結晶化してお
り、アナターゼ型酸化チタンの生成において、両者は操
作方法などが全く異なる技術である。また、硫酸法によ
りアナターゼ型酸化チタンを粉末で得る場合、加熱、濾
過、洗浄など工程数が多く、操作等が非常に複雑であ
る。
【0012】また、アナターゼ型酸化チタン含有スラリ
ーについて、加水分解にて調製したコート材、すなわ
ち、スラリーでは、最終的にアナターゼ型酸化チタンを
得るために、300℃以上での熱処理工程が必要であ
る。しかし、これでは耐熱性の弱い母材にコートするこ
とができず、使用できる母材が制限されてしまう。ま
た、コート材を調製する際、予め調製した粉末状のアナ
ターゼ型酸化チタンを水に分散させることを実施して
も、酸化チタン粒子の凝集が起こり、微粒子光触媒の持
つ活性を維持できない。そして、コート材としては、ア
ナターゼ型酸化チタンの水への分散が均一でなく、酸化
チタン粒子は時間の経過とともに、溶液下部に沈降する
など貯蔵安定性に問題がある。なお、前述したような、
イルメナイトを原料として、硫酸法により得たメタチタ
ン酸に硝酸を加えたものに酸化チタンを分散させる技術
でも、上記と同様に粒子の凝集などの問題がある。
【0013】また、上記の特開平9−71418号公報
には、チタン溶液とアンモニア等の塩基性溶液から水酸
化チタン沈殿物をまず作成し、その後に過酸化水素水を
添加して、さらに80℃以上の熱処理によりアナターゼ
型酸化チタンの結晶化を行う技術が開示されており、オ
ートクレーブ処理についての記載はあるが、詳細な処理
条件などの記載は全くない。本願発明は、一例として、
原料に金属アルコキシドを使用しており、これを過酸化
水素水と混合した場合、沈殿物を形成することなく加水
分解と溶解を同時に行っており、さらに、反応液を密閉
下で、120〜270℃、望ましくは200〜240℃
の温度にて加熱処理することで、酸化チタンの結晶化を
短時間で効率的に行う技術であり、上記公報記載の技術
とは全く異なるものである。また、溶媒として有機溶剤
を用いて調製したチタニアゾル等を使用する場合は、耐
有機溶剤性の低い部材へのコーティングができない。さ
らに、有機溶剤では不溶な金属塩が多いために、チタニ
アゾル等に適当な金属塩を添加することができないとい
う問題がある。
【0014】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、有機溶剤を含まない水系のチタニ
アゾル、チタニアゲル又はチタニアゾル・ゲル混合体
を、密閉容器内で加熱処理すると同時に加圧処理するこ
とにより、加熱処理温度が270℃以下、望ましくは2
40℃以下の低温で、乾燥時に有機溶剤を発生させるこ
となく、しかも、少ない工程数で簡易に、光触媒活性が
高く比表面積の大きいアナターゼ型酸化チタン粉末及び
水系のアナターゼ型酸化チタンスラリーを製造できる方
法を提供することにある。また、本発明の目的は、チタ
ンアルコキシドを過酸化水素水やオゾン水に含まれる水
で加水分解してアモルファス状の酸化チタンを生成する
と同時に、生成したアモルファス状の酸化チタンを瞬時
に過酸化水素水中やオゾン水中に溶解させる工程と、得
られた水系のチタニアゾル水溶液、チタニアゲル体又は
チタニアゾル・ゲル混合体を密閉容器内で加熱処理する
と同時に加圧処理する工程により、光触媒活性を発現す
るアナターゼ型酸化チタンを主成分とする粉末及びこれ
を含有する水系の酸化チタンスラリーを製造する方法を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のアナターゼ型酸化チタンの製造方法は、
有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル水溶液、チタニ
アゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体を、密閉容器内
で加熱処理すると同時に加圧処理し、ついで、乾燥させ
て、アナターゼ型酸化チタン粉末を得るように構成され
ている。また、本発明のアナターゼ型酸化チタンの製造
方法は、有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル水溶
液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体を、
密閉容器内で加熱処理すると同時に加圧処理し、つい
で、撹拌するか又は超音波により分散させて、水系のア
ナターゼ型酸化チタンスラリーを得ることを特徴として
いる。上記のように、撹拌操作としては、機械的な撹拌
や超音波での分散などを実施することができる。
【0016】上記の本発明の方法において、有機溶剤を
含まない水系のチタニアゾル水溶液、チタニアゲル体又
はチタニアゾル・ゲル混合体を、密閉容器内にて120
〜270℃、望ましくは200〜240℃の範囲の温度
で加熱処理することが好ましい。密閉容器内を加熱する
温度としては、原料を溶解させた溶媒(水)を密閉容器
内で気化させる必要があるので、上記のように、120
〜270℃、望ましくは200〜240℃で処理する必
要がある。加熱温度が下限値未満での処理では、水の蒸
発が十分でなく充分な加圧ができないので、アナターゼ
型への結晶化は促進できない。一方、上限値を超える温
度での処理では、結晶化が進行し過ぎて粒径の大きな酸
化チタンが形成され、水への分散性が悪くなる。また、
上記の本発明の方法において、密閉容器内を加熱するこ
とにより、有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル水溶
液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体に含
まれる溶媒を蒸発させ、蒸発した溶媒ガスにより密閉容
器内を1.5〜33atmAの範囲の圧力で加圧することが
好ましい。密閉容器内の圧力は、密閉容器の容積と溶媒
量により制御することができ、これにより、上述した範
囲内の処理圧力とすることが可能である。処理圧力とし
ては、上記のように、1.5〜33atmAの範囲とする必
要がある。密閉容器内の圧力が下限値未満の場合は、ア
ナターゼ型への結晶化に長時間を要する。一方、密閉容
器内の圧力が上限値を超える場合は、密閉容器や使用す
るシール材など特殊な構造・設備が必要となり、また、
加圧のために余分な機器や設備が必要となる。また、密
閉容器内に加圧された不活性ガスを導入することによ
り、密閉容器内の圧力を制御することもできる。
【0017】また、これらの本発明の方法において、有
機溶剤を含まない水系のチタニアゾル水溶液、チタニア
ゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体を製造する出発原
料としてチタンアルコキシドを用い、チタンアルコキシ
ドを過酸化水素水及びオゾン水のいずれかの中の水で加
水分解すると同時に過酸化水素水及びオゾン水のいずれ
かの中に溶解させて、有機溶剤を含まない水系のチタニ
アゾル水溶液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル
混合体を得ることが好ましい。上記のように、チタニア
ゾル又はチタニアゲルを製造する出発原料としては、一
例として、金属有機化合物であるチタンアルコキシドを
用いることができる。チタンアルコキシドとしては、例
えば、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシ
ド、チタンイソプロポキシド、チタン−n−プロポキシ
ド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソ
ブトキシド、チタンメトキシプロポキサイド、チタンジ
クロライドジエトキサイド等が挙げられる。また、原料
を溶解させ、加水分解させる溶媒としては、過酸化物を
含む水であればいずれの溶媒でもよいが、特に、過酸化
水素水やオゾン水が望ましい。
【0018】また、これらの本発明の方法において、有
機溶剤を含まない水系のチタニアゾル水溶液、チタニア
ゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体に、水に可溶な金
属塩、酸性物質、アルカリ性物質、有機高分子、無機物
質及びチタン以外の金属アルコキシドの少なくともいず
れかを添加することが好ましい。チタニアゾル等の原料
へは、水に可溶な金属塩を単成分又は複成分添加するこ
とができる。金属塩としては、酢酸塩、硝酸塩、しゅう
酸塩、硫酸塩、塩化物が挙げられる。そして、含有する
金属としては、白金、金、銀、銅、ナトリウム、マグネ
シウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、バナジ
ウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、
セレン、ジルコニウム、モリブデン、パラジウム、ス
ズ、ハフニウム、タングステン等が挙げられる。また、
チタニアゾル等の原料には、必要に応じて、塩酸、硝
酸、酢酸などの酸性物質、アンモニア、アミン化合物な
どのアルカリ性物質や、シリカなどの無機物、ポリメタ
クリル酸樹脂、フッ素樹脂、芳香族系有機高分子などの
有機高分子や、チタン以外の金属アルコキシドを添加す
ることもできる。他の金属アルコキシドとしては、A
l、Sb、Ba、Bi、B、Ca、Ce、Cs、Cr、
Cu、Ga、Hf、Fe、Li、Lu、Mg、Mo、N
b、Ni、Pd、Pt、Rh、Sm、Si、Ag、W、
V、Y、Zn、Zr等を含むものが挙げられる。また、
含有する金属が単独及び複数含まれる金属アルコキシド
でもよい。また、本技術については、酸化チタンの製造
において限定されることなく、酸化亜鉛等の光触媒の製
造にも利用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態では、一例として、チタニ
アゾル水溶液を得る出発原料としてチタンアルコキシド
を用い、原料を溶解させ加水分解させる溶媒として過酸
化水素水を用いる場合を説明しているが、原料及び溶媒
はこれらに限定されるものではない。なお、チタンアル
コキシドとしては、例えば、チタンテトラメトキシド、
チタンテトラエトキシド、チタンイソプロポキシド、チ
タン−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシ
ド、チタンテトライソブトキシド、チタンメトキシプロ
ポキサイド、チタンジクロライドジエトキサイド等が挙
げられる。また、溶媒としては、過酸化物を含む水であ
ればいずれの溶媒でもよいが、過酸化水素水の他にオゾ
ン水等を用いることができる。
【0020】まず、チタンアルコキシドを過酸化水素水
(例えば、濃度30wt%)中に含まれる水で加水分解
し、アモルファス状の酸化チタンを生成すると同時に、
生成したアモルファス状の酸化チタンを瞬時に過酸化水
素水中に溶解させて、チタニアゾル水溶液を調製する。
なお、チタニアゾルの調製時には、水に可溶な金属塩を
単成分又は複成分添加することができる。金属塩として
は、酢酸塩、硝酸塩、しゅう酸塩、硫酸塩、塩化物が挙
げられ、含有する金属としては、白金、金、銀、銅、ナ
トリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カ
ルシウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、
ニッケル、亜鉛、セレン、ジルコニウム、モリブデン、
パラジウム、スズ、ハフニウム、タングステン等があ
る。また、必要に応じて、塩酸、硝酸、酢酸などの酸性
物質、アンモニア、アミン化合物などのアルカリ性物質
や、シリカなどの無機物、ポリメタクリル酸樹脂、フッ
素樹脂、芳香族系有機高分子などの有機高分子や、チタ
ン以外の金属アルコキシドを添加することもできる。他
の金属アルコキシドについては、チタンアルコキシドを
過酸化水素水中に含まれる水で加水分解したように同時
又は別々に加水分解することも可能である。
【0021】つぎに、得られた水系のチタニアゾル水溶
液を密閉容器内にて加熱処理することにより、アナター
ゼ型酸化チタンを含有する液が得られ、この液から光触
媒活性を発現するアナターゼ型酸化チタンを主成分とす
る粉末及びこれを含有する水系の酸化チタンスラリーを
製造する。密閉容器内を加熱する温度としては、原料を
溶解させた溶媒(水)を密閉容器内で気化させる必要が
あるので、上述したように、120〜270℃、望まし
くは200〜240℃で処理する必要がある。密閉容器
内で加熱保持することにより、チタニアゾル水溶液の調
製に使用した溶媒が蒸発して、蒸発した溶媒ガスにより
密閉容器内が加圧される。この場合、密閉容器内の圧力
は、密閉容器の容積と溶媒量により制御することがで
き、これにより、上述した1.5〜33atmAの範囲に制
御することができる。また、加熱処理時に、密閉容器内
に窒素ガス等の不活性ガスを導入して、密閉容器内の圧
力を上記範囲内に制御することも可能である。
【0022】上記のチタニアゾル調製工程及び加熱処理
工程の2工程により、アナターゼ型酸化チタンを製造す
ることが可能である。また、加熱処理温度が270℃以
下、望ましくは240℃以下で、アナターゼ型酸化チタ
ン粉末及びこれを含有する水系のスラリーを製造するこ
とができる。この場合、粉末状のアナターゼ型酸化チタ
ンを得るためには、アナターゼ型酸化チタンを含有する
液において、水を100℃程度の温度で蒸発乾燥させる
ことにより、高い光触媒活性を発現するアナターゼ型酸
化チタン粉末を製造することができる。処理液は有機溶
剤を含まないので、乾燥時に有機溶剤の蒸気が発生する
ことはない。得られたアナターゼ型酸化チタン粉末の比
表面積は50〜100m2/gであり、高い比表面積を保
有している。なお、比表面積を測定する方法としては、
例えば、BET法等が挙げられる。
【0023】また、処理後のアナターゼ型酸化チタンの
微粒子は溶媒中の下部に沈降しており、チタニアゾルの
調製に使用した溶媒中で撹拌(超音波での分散も可)す
ることにより、室温下で、きわめて安定な、酸化チタン
粒子の沈降のない水系のアナターゼ型酸化チタンスラリ
ーを製造することができる。このように、チタニアゾル
の調製に使用した溶媒に酸化チタン粒子をそのまま分散
させることができる。得られた水系のアナターゼ型酸化
チタンスラリーは、優れた光触媒活性を持つコーティン
グ材として、200℃以下、具体的には100℃程度の
温度でコーティング可能である。分散液が水であること
から、乾燥工程で有機溶剤を発生させることなくコーテ
ィングが可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について説明す
る。 実施例1 チタンイソプロポキシド9.36gを過酸化水素水(濃
度30wt%)50mlに入れ、加水分解を行った。10分
後、450mlの過酸化水素水を追加の上、3時間静置し
て加水分解させ、黄色透明チタニアゾルの液体を得た。
これを110℃下で30分間乾燥させて黄色粉末とし、
X線回折(XRD)により結晶構造を解析した。その結
果、図1の(a)に示すように、アナターゼ、ルチル、
ブルッカイト、アモルファスの4種の酸化チタンを含む
粉末体であった。黄色ゾル内に含まれる過酸化水素の含
有率は0.004wt%であった。一方、上記の黄色透明
チタニアゾル50gを100mlの容器に入れ、密閉下に
て240℃下で3時間保持した。このとき、密閉容器内
の圧力は33atmAまで上昇した。処理後のスラリーに含
まれる過酸化水素の含有率は0wt%であった。処理後得
られた白色粉末を110℃下で30分間乾燥させた後、
X線回折(XRD)により結晶構造を分析したところ、
図1の(b)及び図2に示すように、得られた結晶は、
アモルファス酸化チタンがアナターゼ型酸化チタンに変
化しており、アナターゼ型を主成分として含む酸化チタ
ンが得られた。得られた粉末は98%以上の収率で酸化
チタンが含まれており、加熱処理後の溶剤ロスも0.3
%であった。
【0025】また、処理後の分散液を、1リットルのガ
ラス製のセパラブルフラスコの内面にコートし、110
℃で30分間乾燥させた。セパラブルフラスコの内面に
コーティングされた酸化チタンは0.25gであった。
酸化チタンコート後のセパラブルフラスコ内に低圧水銀
灯(10W)を照射して、500ppmのアセトアルデヒド
の分解特性を評価した。その結果を図3に示す。水銀灯
を照射しないときには、フラスコ内のガス中に含まれる
アセトアルデヒド濃度は、注入後30分で200ppmま
で低下した(図3における−30分から0分までに該
当)。これは、ガスを注入したときにフラスコ内面の酸
化チタンに吸着したアセトアルデヒドが減少しただけで
ある。水銀灯の照射により、フラスコ内のガス中のアセ
トアルデヒド濃度は減少し、約15分で全量がなくなっ
た。さらに、フラスコ内部の二酸化炭素(アセトアルデ
ヒドの分解生成物)について分析したところ、水銀灯照
射前では二酸化炭素の発生は見られないが、水銀灯の照
射と同時にフラスコ内の二酸化炭素濃度が増大した。こ
れらのことから、光触媒活性を持つアナターゼ型酸化チ
タンにより、アセトアルデヒドが分解除去されたことが
わかる。
【0026】実施例2 実施例1で得た黄色透明チタニアゾル50gを100ml
の容器内に密閉し、120℃で3時間処理した。このと
き、密閉容器内の圧力は1.5atmAまで上昇した。これ
により白色の粉末が得られ、この粉末をX線回折(XR
D)で分析したところ、図4に示すように、アナターゼ
型酸化チタンを主成分としていた。
【0027】実施例3 実施例1で得た黄色透明チタニアゾル50gを100ml
の容器内に密閉し、200℃で3時間処理した。このと
き、密閉容器内の圧力は16.4atmAまで上昇した。こ
れにより白色の粉末が得られ、この粉末をX線回折(X
RD)で分析したところ、図5に示すように、アナター
ゼ型酸化チタンを主成分としていた。
【0028】以上説明した実施例におけるX線測定条
件、ガス濃度の測定条件は、下記に示す通りである。 (1) X線測定条件 X線装置; 理学電機製RINT2500 X線源; Cu Kα線 出力; 管電圧40kV、管電流200mA 走査; θ/2θスキャン 走査範囲(回折角2θ); 5゜〜75゜ スキャンスピード; 0.05゜(2θ/sec) 検出器; シンチレーションカウンタ (2) ガス濃度の測定条件 アセトアルデヒド;GC−FID(水素炎イオン化検出器)式(島津GC−1 4B) カラム; DB−WAX(直径0.25mm、長さ30m) キャリアガス流量; 41ml/分(He) スプリット比; 1/40(メイクアップガスHe使用) カラム温度; 100℃ インジェクション温度; 230℃ 検出器温度; 250℃ CO2 ;GC−FID(水素炎イオン化検出器)式(島津GC−1 4A) メタナイザ(MTN−1)、400℃にて前処理実施 カラム; ポラパック Q キャリアガス流量; 50ml/分(水素) カラム温度; 50℃ インジェクション温度; 100℃ 検出器温度; 100℃
【0029】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 本発明の処理で得られる水系のチタニアゾル、
チタニアゲル又はチタニアゾル・ゲル混合体は、酸化チ
タンと水のみを含有し有機溶剤を含有しないので、部材
へコートする際に、乾燥工程で有機溶剤を発生させるこ
となくコーティングが可能である。また、耐有機溶剤性
の低い部材へのコーティングも可能である。 (2) 加熱処理温度が270℃以下、望ましくは24
0℃以下の低温で、高い光触媒活性を発現するアナター
ゼ型酸化チタン粉末及びこれを含有する水系のスラリー
を製造することができる。 (3) 原料調製工程、加熱処理工程の2工程でアナタ
ーゼ型酸化チタンを製造することができ、工程数が少な
く簡便な方法である。 (4) 粉末状の酸化チタンを得るためには、加熱処理
後に、水を100℃程度の温度で蒸発乾燥させればよ
く、この場合も有機溶剤は発生しない。 (5) 処理後のアナターゼ型酸化チタンは溶媒下部に
微粒子として存在するが、原料の調製に使用した溶媒
(水)中で、撹拌(超音波での分散処理も可)すること
により、室温下で、きわめて安定な、酸化チタン粒子の
沈降のない水系のアナターゼ型酸化チタンスラリーを製
造することができる。 (6) 得られた水系のアナターゼ型酸化チタンスラリ
ーは、貯蔵安定性・分散性がきわめて高く、優れた光触
媒活性を持つコーティング材として、100℃程度の温
度でコーティングでき、耐熱性の弱い材質表面にもコー
ティングが可能である。 (7) 本発明の処理で得られるチタニアゾル等は水系
であるので、適当な金属塩の添加も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における酸化チタンのX線回
折(XRD)による結晶構造の分析結果を示す線図であ
る。
【図2】本発明の実施例1における酸化チタンのX線回
折(XRD)による結晶構造の分析結果及び解析データ
を示す線図である。
【図3】本発明の実施例1において、得られたコーティ
ング材のアセトアルデヒドの分解特性を試験した結果を
示すグラフである。
【図4】本発明の実施例2における酸化チタンのX線回
折(XRD)による結晶構造の分析結果を示す線図であ
る。
【図5】本発明の実施例3における酸化チタンのX線回
折(XRD)による結晶構造の分析結果を示す線図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月3日(2000.2.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のアナターゼ型酸化チタンの製造方法は、
出発原料としてチタンアルコキシドを用いて調製した
機溶剤を含まない水系のアモルファス状の酸化チタンを
主成分とするチタニアゾル水溶液、チタニアゲル体又は
チタニアゾル・ゲル混合体を、密閉容器内で加熱処理す
ると同時に加圧処理することにより、アナターゼ型への
結晶化を促進させ、ついで、乾燥させて、アナターゼ型
酸化チタン粉末を得るように構成されている。また、本
発明のアナターゼ型酸化チタンの製造方法は、出発原料
としてチタンアルコキシドを用いて調製した有機溶剤を
含まない水系のアモルファス状の酸化チタンを主成分と
するチタニアゾル水溶液、チタニアゲル体又はチタニア
ゾル・ゲル混合体を、密閉容器内で加熱処理すると同時
に加圧処理することにより、アナターゼ型への結晶化を
促進させ、ついで、撹拌するか又は超音波により分散さ
せて、水系のアナターゼ型酸化チタンスラリーを得るこ
とを特徴としている。上記のように、撹拌操作として
は、機械的な撹拌や超音波での分散などを実施すること
ができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、これらの本発明の方法において、有
機溶剤を含まない水系のチタニアゾル水溶液、チタニア
ゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体の調製時に、水に
可溶な金属塩、酸性物質、アルカリ性物質、有機高分
子、無機物質及びチタン以外の金属アルコキシドの少な
くともいずれかを添加することが好ましい。チタニアゾ
ル等の原料へは、水に可溶な金属塩を単成分又は複成分
添加することができる。金属塩としては、酢酸塩、硝酸
塩、しゅう酸塩、硫酸塩、塩化物が挙げられる。そし
て、含有する金属としては、白金、金、銀、銅、ナトリ
ウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシ
ウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッ
ケル、亜鉛、セレン、ジルコニウム、モリブデン、パラ
ジウム、スズ、ハフニウム、タングステン等が挙げられ
る。また、チタニアゾル等の原料には、必要に応じて、
塩酸、硝酸、酢酸などの酸性物質、アンモニア、アミン
化合物などのアルカリ性物質や、シリカなどの無機物、
ポリメタクリル酸樹脂、フッ素樹脂、芳香族系有機高分
子などの有機高分子や、チタン以外の金属アルコキシド
を添加することもできる。他の金属アルコキシドとして
は、Al、Sb、Ba、Bi、B、Ca、Ce、Cs、
Cr、Cu、Ga、Hf、Fe、Li、Lu、Mg、M
o、Nb、Ni、Pd、Pt、Rh、Sm、Si、A
g、W、V、Y、Zn、Zr等を含むものが挙げられ
る。また、含有する金属が単独及び複数含まれる金属ア
ルコキシドでもよい。また、本技術については、酸化チ
タンの製造において限定されることなく、酸化亜鉛等の
光触媒の製造にも利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA02 CB06 CC03 CD03 CD07 4G069 AA08 BA04A BA04B BA04C BA48A BA48C CA10 CA17 FB08 FB29 FB57 FC07 FC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル
    水溶液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体
    を、密閉容器内で加熱処理すると同時に加圧処理し、つ
    いで、乾燥させて、アナターゼ型酸化チタン粉末を得る
    ことを特徴とするアナターゼ型酸化チタンの製造方法。
  2. 【請求項2】 有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル
    水溶液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体
    を、密閉容器内で加熱処理すると同時に加圧処理し、つ
    いで、撹拌するか又は超音波により分散させて、水系の
    アナターゼ型酸化チタンスラリーを得ることを特徴とす
    るアナターゼ型酸化チタンの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル
    水溶液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体
    を、密閉容器内にて120〜270℃の範囲の温度で加
    熱処理する請求項1又は2記載のアナターゼ型酸化チタ
    ンの製造方法。
  4. 【請求項4】 密閉容器内を加熱することにより、有機
    溶剤を含まない水系のチタニアゾル水溶液、チタニアゲ
    ル体又はチタニアゾル・ゲル混合体に含まれる溶媒を蒸
    発させ、蒸発した溶媒ガスにより密閉容器内を1.5〜
    33atmAの範囲の圧力で加圧する請求項1、2又は3記
    載のアナターゼ型酸化チタンの製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル
    水溶液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体
    を製造する出発原料としてチタンアルコキシドを用い、
    チタンアルコキシドを過酸化水素水及びオゾン水のいず
    れかの中の水で加水分解すると同時に過酸化水素水及び
    オゾン水のいずれかの中に溶解させて、有機溶剤を含ま
    ない水系のチタニアゾル水溶液、チタニアゲル体又はチ
    タニアゾル・ゲル混合体を得る請求項1〜4のいずれか
    に記載のアナターゼ型酸化チタンの製造方法。
  6. 【請求項6】 有機溶剤を含まない水系のチタニアゾル
    水溶液、チタニアゲル体又はチタニアゾル・ゲル混合体
    に、水に可溶な金属塩、酸性物質、アルカリ性物質、有
    機高分子、無機物質及びチタン以外の金属アルコキシド
    の少なくともいずれかを添加する請求項1〜5のいずれ
    かに記載のアナターゼ型酸化チタンの製造方法。
  7. 【請求項7】 密閉容器内に不活性ガスを導入すること
    により、密閉容器内を加圧する請求項1〜6のいずれか
    に記載のアナターゼ型酸化チタンの製造方法。
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