JP2000233834A - 布製サイロにおける粉粒体の多段式揺動型排出装置 - Google Patents

布製サイロにおける粉粒体の多段式揺動型排出装置

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JP2000233834A
JP2000233834A JP11035991A JP3599199A JP2000233834A JP 2000233834 A JP2000233834 A JP 2000233834A JP 11035991 A JP11035991 A JP 11035991A JP 3599199 A JP3599199 A JP 3599199A JP 2000233834 A JP2000233834 A JP 2000233834A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブリッジの生じやすい粉流体や大容量の布製
サイロにおける排出装置の提供。 【構成】 布製サイロ1の漏斗状底部10とその上部に
連なる下方側部11とを、それぞれ内側に位置する通気
性可撓布片6と外側に位置する非通気性可撓布片7とで
所定間隙を存して二重に形成し、該布製サイロ1のほぼ
水平同水準の周域に複数個の空気吹込口3を設けると共
に、それぞれの空気吹込口3を等間隔に隔離して独立の
袋状としてそれぞれ複数の独立した二重袋からなる底部
揺動ユニット2と側部揺動ユニット2’とを形成し、該
上下の各揺動ユニット2、2’の各空気吹込口3から所
要の順序にて圧縮空気を吹込むようにした布製サイロに
おける粉粒体の多段式揺動型排出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布製サイロ内の各
種粉粒体をサイロ内にてブリッジを起こさせることなく
連続的、かつ、完全に排出させることができる多段式揺
動型排出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、布製サイロにおける粉粒体の揺動
型排出装置として、本件出願人が開発した特許第193
2931号(特公平4−62969号)の揺動型排出装
置があり、この装置は現に使用され、粉粒体業界におい
て好評を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特公平4−629
69号公報に開示した布製サイロにおける揺動型排出装
置は、従来の、例えば小麦粉・ふすまの如く比較的粒度
が細かく、粘着性があり、ブリッジを起こし易い粉粒体
用として開発したものであるが、この布製サイロに収容
可能な粉粒体の量は20〜30m3 が限界であり、ま
た、最近では布製サイロの大型化の要望が多く、この布
製サイロの収容量を40〜60m3 と大きくすると底部
に掛かる荷重が増大して揺動効果が有効に作用せず、ブ
リッジが起りやすくなるため内容物のスムーズな排出が
難しいものであった。
【0004】また、布製サイロが20〜30m3 の容量
内であっても、比較的粒子の荒いフスマをはじめ蟹殻な
どの扁平な粉粒体、水分の多い粉粒体、合成樹脂等の静
電性のある粉粒体、繊維状の粉粒体、化学薬品等の見掛
け比重の小さい粉粒体などにおいては、内容物同志が絡
み合ったり吸着し合うためブリッジが崩れにくく、スム
ーズに排出できない場合があった。
【0005】本発明は、前記の排出が難しい粉粒体はも
とより大容量の場合であっても、布製サイロから粉粒体
を連続的、かつ、完全に排出し得る装置の提供を技術的
課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉粒体を収容
する布製サイロにおいて、従来の揺動型排出装置におけ
る揺動ユニット、すなわち、揺動型のエアレーションチ
ャンバーを、布製サイロの漏斗状底部と布製サイロの下
方側部とに所定の間隔を存して多段式にそれぞれ複数配
置することにより、粉粒体のブリッジを起こさず、
粉粒体を連続的、かつ、安定して排出し、完全に残ら
ず排出することができる粉粒体の揺動型排出装置を提供
しようとするものである。
【0007】すなわち、本発明の第1は、粉粒体を収容
する布製サイロ1の漏斗状底部10を下方に向って半球
状又は多角錐状としてその最下部に排出口4を設け、該
布製サイロ1の漏斗状底部10とその上部に連なる下方
側部11とを、それぞれ内側に位置する通気性可撓布片
6と外側に位置する非通気性可撓布片7とで所定間隙を
存して二重に形成し、前記漏斗状底部10における外側
の非通気性可撓布片7には布製サイロ1のほぼ水平同水
準の周域にわたって複数個の空気吹込口3を設けると共
に前記下方側部11における外側の非通気性可撓布片7
にも布製サイロ1のほぼ水平同水準の周域にわたって複
数個の空気吹込口3を設け、それぞれの空気吹込口3を
等間隔に隔離して独立の袋状となるように内側の通気性
可撓布片6と外側の非通気性可撓布片7とを縫着または
貼着して上下にそれぞれ複数の独立した二重袋からなる
底部揺動ユニット2と側部揺動ユニット2’とを形成
し、該上下の各揺動ユニット2、2’の各空気吹込口3
から所要の順序にて圧縮空気を吹込むようにした布製サ
イロにおける粉粒体の多段式揺動型排出装置である。
【0008】また、本発明の第2は、粉粒体を収容する
布製サイロ1の漏斗状底部10を下方に向って半球状又
は多角錐状としてその最下部に排出口4を設け、該布製
サイロ1の底部とその上部に連なる下方側部11とを、
それぞれ内側に位置する通気性可撓布片6と外側に位置
する非通気性可撓布片7とで二重に形成すると共に該通
気性可撓布片6と非通気性可撓布片7との間に空隙形成
用媒体8を介在せしめ、前記漏斗状底部10における外
側の非通気性可撓布片7に布製サイロ1のほぼ水平同水
準の周域にわたって複数個の空気吹込口3を形成すると
共に前記下方側部11における外側の非通気性可撓布片
7にも布製サイロ1のほぼ水平同水準の周域にわたって
複数個の空気吹込口3を設け、さらに該空気吹込口3に
対面する内側の通気性可撓布片6の外面部に非通気性の
空気分散材9を設け、それぞれの空気吹込口3を等間隔
に隔離して独立の袋状となるように内側の通気性可撓布
片6と外側の非通気性可撓布片7とを縫着または貼着し
て上下にそれぞれ複数の独立した二重袋からなる底部揺
動ユニット2と側部揺動ユニット2’とを形成し、該上
下の各揺動ユニット2、2’の各空気吹込口3から所要
の順序にて圧縮空気を吹込むようにした布製サイロにお
ける粉粒体の多段式揺動型排出装置である。
【0009】また、本発明の第3は、前記第1または第
2の発明において、底部揺動ユニット2および側部揺動
ユニット2’を形成する外側の非通気性可撓布片7に開
閉可能なファスナー12が設けられている布製サイロに
おける粉粒体の多段式揺動型排出装置である。
【0010】また、本発明の第4は、前記第1ないし第
3の発明において、高圧縮空気注入用のジェットノズル
13が、布製サイロ1の壁面または排出口4から該布製
サイロ1の内部に向けて設けられている布製サイロにお
ける粉粒体の多段式揺動型排出装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1:以下、本発明に係
る前記第2の布製サイロにおける粉粒体の多段式揺動型
排出装置の構成を図面に基づき具体的に説明する。
【0012】図1は本発明に係る布製サイロにおける粉
粒体の多段式揺動型排出装置の正面図、図2は底面図、
図3は底部揺動ユニットの部分を断面にて示す拡大正面
図で、片側の揺動ユニットに圧縮空気を吹込んだ状態を
示すものである。
【0013】本発明に係る布製サイロ1の形状と大きさ
は、上端開口部が一辺3mの角状、下端開口部が一辺2
mの角状で上端から下端にかけてやや絞られた鋭角な長
尺状の逆四角錐形を呈し、下端開口部の下方に四枚の台
形状シート5を縫着によりつなぎ合わせて鈍角な逆四角
錐形の漏斗状底部10を形成すると共にその下端中央の
最下部に直径約30cmの排出口4が設けられているも
ので、全高が約8mのものである(なお、図1、図3に
おける漏斗状底部10は布製サイロ1内に粉粒体が充填
された状態の形状としている)。
【0014】前記布製サイロ1は、漏斗状底部10を含
めて全体が通気性可撓布片6(通常の充填状態では粉粒
体は漏出せず、圧縮空気を一定圧力にて吹込んだ場合に
空気が通過する素材)により形成されており、漏斗状底
部10を形成している四枚の台形状シート5の外面に
は、それぞれ該台形状シート5よりやや小さい台形状の
非通気性可撓布片7が設けられ、前記台形状シート5と
の間で独立した四つの二重袋が形成されており、この二
重袋の内部を所定の構成とすることにより後記する底部
揺動ユニット2を形成している。
【0015】また、前記布製サイロ1の漏斗状底部10
における四つの独立した二重袋の上部、すなわち、下方
側部11にもそれぞれ方形状の非通気性可撓布片7が設
けられ、前記下方側部11との間で独立した四つの二重
袋が形成されており、この二重袋の内部を前記と同様な
所定の構成とすることにより後記する側部揺動ユニット
2’を形成している。
【0016】底部揺動ユニット2と側部揺動ユニット
2’とは、二重袋の外形が異なるのみで内部の構成は同
一であるため、底部揺動ユニット2における構成につき
図3により説明する。
【0017】本発明に係る布製サイロ1の底部揺動ユニ
ット2は、図3の拡大断面図に示す通り、布製サイロ1
における逆四角錐形の漏斗状底部10を、内側には通気
性可撓布片6、外側には非通気性可撓布片7を配した四
つの台形状の二重袋として下方に向かう逆四角錐形に形
成すると共に、その最下部には排出口4を設け、外側に
ある四つの各非通気性可撓布片7の中心部には布製サイ
ロ1のほぼ水平同水準の周域にわたってそれぞれ空気吹
込口3を備えている。
【0018】そして、空気吹込口3に対面する内側の通
気性可撓布片6の外面部には非通気性の薄板状の空気分
散材9を縫着して設け、この二重袋を形成している内外
の可撓布片、すなわち、通気性可撓布片6と非通気性可
撓布片7との間には、薄層状の空隙形成用媒体8を介在
せしめている。
【0019】上記の通気性可撓布片6、非通気性可撓布
片7、空隙形成用媒体8ならびに空気分散材9によって
構成された布製サイロ1における漏斗状底部10の二重
袋はそれぞれ隔離されており、各空気吹込口3から吹込
む圧縮空気により各二重袋が独立して膨張するように構
成されて底部揺動ユニット2を形成している。
【0020】前記布製サイロ1の漏斗状底部10におけ
る四つの底部揺動ユニット2の上部に設けられている側
部揺動ユニット2’も、二重袋の形状が異なるのみで内
部の構成は前記底部揺動ユニット2と同じである。
【0021】なお、図中14は、布製サイロ1の上端開
口部周縁に設けられた布製サイロ吊り下げ用の支持筒で
ある。
【0022】前記の通り、本発明に係る粉粒体の多段式
揺動型排出装置は、複数個の底部揺動ユニット2とその
上方に配置した複数個の側部揺動ユニット2’とによっ
て構成されている。
【0023】なお、前記実施の形態においては、布製サ
イロ1自体が通気性可撓布片6にて形成されている場合
の構成を示したが、布製サイロ1自体が非通気性可撓布
片7にて形成されている場合には、布製サイロ1におけ
る漏斗状底部10と下方側部11の内側にそれぞれ台形
状と方形状の通気性可撓布片6を二段に配置して独立状
の二重袋を形成し、この二重袋の内部に前記空隙形成用
媒体8や空気分散材9を設けると共に布製サイロ1外面
の前記空気分散材9と対面する位置に空気吹込口3を設
けることによって、前記と同様の底部揺動ユニット2と
側部揺動ユニット2’を形成することができる。
【0024】また、前記構成の底部揺動ユニット2と側
部揺動ユニット2’を別に複数作成し、布製サイロ1の
漏斗状底部10と下方側部11にこれらを配置し、縫着
して粉粒体の多段式揺動型排出装置とすることも可能で
ある。
【0025】ここで、通気性可撓布片6は、布製サイロ
1の漏斗状底部10に必要な強靱性、耐久性、可撓性及
び通気性を有し、かつ、粉粒体を通過せしめないもので
あれば、如何なる素材を用いたものでも差支えない。
【0026】また、非通気性可撓布片7は、布製サイロ
1の漏斗状底部10に必要な強靱性、耐久性及び可撓性
を有し、かつ、気体を通過せしめないものであれば、如
何なる素材を用いたものでも差支えない。
【0027】また、空隙形成用媒体8の材質としては、
例えば、グラスウール、獣毛等のウール材、或いはプラ
スチックシート等のスポンジ材が挙げられるが、通気
性、可撓性、耐久性をもち、かつ、薄層状になすことが
できれば如何なるものでも使用することができる。
【0028】また、空気分散材9には、吹込まれた空気
を通過させず、耐久性があり、かつ、薄板状にすること
ができるものであれば、木製、合成樹脂製、ゴム製等の
諸材質のものが使用でき、前記の非通気性可撓布片7と
同質の布片も使用可能である。
【0029】さらに、揺動ユニット内に送入する圧縮空
気としては、各種ブロワの他コンプレッサによる高圧の
圧縮空気が適用できる。
【0030】なお、図3において符号12で示すものは
開閉可能なファスナーで、このファスナー12は、底部
揺動ユニット2および側部揺動ユニット2’を形成する
それぞれ外側の非通気性可撓布片7に設けられており、
それぞれ底部揺動ユニット2および側部揺動ユニット
2’内部の点検や清掃・補修等のメンテナンスの際に使
用されるものであるが、このファスナー12は必ずしも
必要とするものではない。
【0031】実施の形態2:図4は本発明に係る揺動ユ
ニットの他の例を示す断面図で、この実施形態における
漏斗状底部10は、四枚の台形状シート5を縫着により
つなぎ合わせたものではなく、布製サイロ1を構成する
素材の下端部を延長し、この延長した部分を台形状に形
成して図1、図2に示す形態の布製サイロ1を形成した
ものであり、底部揺動ユニットの部分のみを、片側の揺
動ユニットに圧縮空気を吹込んだ状態にて示すものであ
る。
【0032】この実施の形態に示す布製サイロ1の揺動
ユニット2は、前記実施の形態1に示した揺動ユニット
2の構成から空隙形成用媒体8や空気分散材9を省いて
簡素化したもので、粉粒体を収容する布製サイロ1の漏
斗状底部10とその上部に連なる下方側部11とを、そ
れぞれ内側に位置する通気性可撓布片6と外側に位置す
る非通気性可撓布片7とで所定間隙を存して二重に形成
すると共に該外側の非通気性可撓布片7には布製サイロ
1における漏斗状底部10のほぼ水平同水準の周域にわ
たって複数個の空気吹込口3を設け、それぞれの空気吹
込口3を等間隔に隔離して独立の袋状となるように内側
の通気性可撓布片6と外側の非通気性可撓布片7とを縫
着または貼着して二重袋を形成したものである。
【0033】なお、前記二重袋における所定間隙の形成
手段としては種々の方式が考えられるが、外側の非通気
性可撓布片7の外周縁に図4に示すような複数の適宜な
タック7’を形成して内側の通気性可撓布片6に縫着す
る手段が好適である。
【0034】この実施の形態においては、二重袋を形成
している内側の通気性可撓布片6と外側の非通気性可撓
布片7の間には特に何も存在させていないため、各空気
吹込口3から吹込まれた圧縮空気は二重袋の所定間隙内
に充満した後各二重袋を膨張させる。
【0035】実施の形態3:図5は本発明に係る他の粉
粒体の多段式揺動型排出装置の縦断正面図(簡略的に示
す)で、多段式揺動型排出装置における布製サイロ1
に、高圧縮空気注入用のジェットノズル13を設けて、
内部の粉粒体をより確実、かつ、完全に排出するように
したものである。
【0036】図5においては、布製サイロ1の壁面と排
出口4の下部とから、布製サイロ1の内部に向けて各ジ
ェットノズル13が設けられている形態を示している
が、このジェットノズル13の位置や数は粉粒体の性質
等を考慮して適宜設ければよい。
【0037】
【作用】本発明に係る粉粒体の多段式揺動型排出装置に
おける底部揺動ユニット2の作用につき、図3に基づい
て説明する。
【0038】底部揺動ユニット(以下単に「揺動ユニッ
ト」と言う)2の空気吹込口3から圧縮空気を吹込む
と、圧縮空気は空気分散材9に当たって放射状に拡散
し、薄層状の空隙形成用媒体8を介して二重袋の揺動ユ
ニット2を、布製サイロ1内の粉粒体による底圧に打勝
って膨張させると共に膨張した内側の通気性可撓布片6
のほぼ全面からまんべんなく布製サイロ1内に吹込まれ
る。
【0039】この際、布製サイロ1の漏斗状底部10に
位置する粉粒体は、空気をほぼ均一に含んだ粉粒体とな
って流動化が促進されると共に、内側の通気性可撓布片
6はその内面に粉粒体を乗せたまま内方に押し寄せられ
るため、粉粒体はほぐされると同時に漏斗状底部10の
中心部の勾配も大きくなるので、スライド効果がさらに
促進され、粉粒体を排出口4にスムーズ、かつ、確実に
送り込み排出することができる。
【0040】すなわち、圧縮空気が吹込まれた揺動ユニ
ット2が布製サイロ1内の粉粒体の底圧に打勝って膨張
すると、図3に示す通り、該揺動ユニット2の内側の通
気性可撓布片6は内方に向って膨張すると共に外側の非
通気性可撓布片7は外方に向って膨張するから、膨張前
における揺動ユニット2の上端部Aから下端部Bまでの
一点鎖線で示す距離Dは、膨張時には上端部Aから下端
部B’までの二点鎖線で示す距離D’に縮み、これに伴
って排出口4が点線で示す位置から実線で示す位置に引
き寄せられる。
【0041】そして、この動きは、各揺動ユニット2毎
に圧縮空気を順次吹込むことにより得られるので、これ
を繰り返すことによって布製サイロ1の漏斗状底部10
における揺動運動が得られる。
【0042】なお、上記した各揺動ユニット2の揺動運
動を、装置の外部から目視にて観察すると、各揺動ユニ
ット2が順次外部から内部に向って押さえ込まれて凹む
ような状態あるいは揉んでいる状態に見える。
【0043】一方、下方側部11に配置した側部揺動ユ
ニット2’の作用については、揺動ユニットとしての構
成が底部揺動ユニット2と同一であり、異なる点は配置
の位置と方向のみであるため、その作用についても前記
底部揺動ユニット2の作用と同じである。
【0044】従って、上下に並んだ底部揺動ユニット2
と側部揺動ユニット2’とを同時に作動させた場合に
は、上下方向に最大の揺動が得られる。
【0045】なお、図4に示す形態の揺動ユニットにつ
いても、前記図3に示す形態の揺動ユニットと同様の作
用が得られる。
【0046】前記底部揺動ユニット2と側部揺動ユニッ
ト2’とにおける個々の作用については前述の通りであ
るが、これら上下に配置した合計8個の揺動ユニット
2、2’を上下左右または対角その他適宜交互に作動さ
せれば、布製サイロ1の下方が揉まれたり捻じれたりす
る形態にて揺動する。
【0047】本発明に係る粉粒体の多段式揺動型排出装
置において、上下の各揺動ユニット2、2’に圧縮空気
を送入(作動)した場合の布製サイロ中心部における上
下左右の動きを簡略的に示した図6(前後の揺動ユニッ
トの図示は省略)によって示す。
【0048】図6の(A)(B)は、底部揺動ユニット
2の左右の一方および双方を作動させた場合の布製サイ
ロ1の動きを示しており、この場合の動きは従来の布製
サイロの動きと同じである。
【0049】図6の(C)(D)は、側部揺動ユニット
2’の左右の一方および双方を作動させた場合の布製サ
イロ1の動きを示しており、この場合の動きも前記底部
揺動ユニット2のみの場合とほとんど同じである。
【0050】図6の(E)(F)は、上下の各揺動ユニ
ット2、2’の左右の一方および双方を作動させた場合
の布製サイロ1の動きを示しており、この場合は、前記
底部揺動ユニット2の動きと側部揺動ユニット2’の動
きとを加えた最大の動きとなる。
【0051】図6における動きの説明は、図面表示の都
合上、布製サイロ1の中心部における上下左右の動きの
みのものとなっているが、本願発明における上下8個の
各揺動ユニット2、2’の相隣り合う各揺動ユニットに
ついて、図2の底面図に示す上下8個の各揺動ユニット
(それぞれ符号a−b−c−d−w−x−y−zにて示
す)により符号にて説明すると、例えば、(ア)a−w
−b−x…と順に、(イ)a・w−b・x−c・y−d
・z…と上下同時にて順に、(ウ)a・y−c・w−b
・z−d・x…と上下対角位置のものを同時にて前後左
右対向的に、(エ)その他ランダムに作動させることに
より、種々の形態の揉みや捻じりの動きを得ることがで
きる。
【0052】以上説明した通り、本発明に係る底部揺動
ユニット2と側部揺動ユニット2’を多段式に設けた粉
粒体用の布製サイロ1においては、従来よく起こしてい
た下方側部11内面のブリッジが上段に設けた側部揺動
ユニット2’の膨張・収縮による揺動作用によって解消
できると共に、粉粒体の排出に当たっては、排出終了間
際まで漏斗状底部10から均一に圧縮空気を送り込むこ
とにより、粉粒体の完全な流動化が行えるので、ブリッ
ジを発生させずに連続して安定的な排出を行うことがで
きる。
【0053】さらに、粉粒体の排出終了時近くでは、両
揺動ユニット2、2’が布製サイロ1内の粉粒体による
底圧に打勝って勢いよく膨張するので、膨張・収縮の繰
り返し作用による揺動運動に加えて、勢いよく膨張した
際の衝撃により内側の通気性可撓布片6の内面に滞留・
付着している粉粒体を叩き落とす作用もあり、最終的に
粉粒体は完全に排出できる。
【0054】
【実験例】本発明に係る粉粒体の多段式揺動型排出装置
を以下の条件で製作し、布製サイロ内に粉粒体を入れず
に各揺動ユニットに圧縮空気を送入して、布製サイロの
揺動実験を行った結果、下記のような結果を得た。
【0055】・通気性可撓布片:厚さ1mmのポリエス
テル織布・NBSレギュラーポリエステルシート(商品
名:株式会社クラレ製) ・非通気性可撓布片:厚さ0.5mmのポリエステルタ
ーポリン(商品名:株式会社クラレ製) ・各台形状シートおよび方形状シートの面積:1m2 ・空隙形成用媒体:厚さ9mmのフィレドンP600 (商品
名:株式会社クラレ製) ・空気分散材:厚さ0.5mmのポリエステルターポリ
ン(商品名:株式会社クラレ製) ・圧縮空気の圧力:0.1kgf/cm2 ・1ヶ所当たりの送風時間:5秒
【0056】布製サイロ底部の排出口の動き量 ・上段または下段の4ヶ所を作動させた場合:約75m
m〜80mm垂直に上昇 ・上下段の8ヶ所全部を作動させた場合:約220mm
垂直に上昇 ・同一面の上下2ヶ所を作動させた場合:約45°斜め
上方に約100mm移動 ・下段の1ヶ所と対角位置の上段の1ヶ所を作動させた
場合:約20°斜め上方に約80mm移動 ・上記の現象を念頭において、上下段8ヶ所の各揺動ユ
ニットの適宜な部分を所定の順序にて作動させることに
より、布製サイロの下半部に所要の揺動を付与すること
ができる。
【0057】上記布製サイロにおける排出口の動き量
は、上掲の通り非常に大きいものであるから、該布製サ
イロ内に大量の粉粒体を充填した場合でも、該粉粒体を
完全、かつ、確実に排出口から排出することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明に係る粉粒体の多段式揺動型排出
装置においては、揺動ユニットを上下二段に設けたた
め、従来ブリッジが発生しやすかった比較的粒子の荒い
フスマをはじめ、蟹殻などの扁平な粉粒体、水分の多い
粉粒体、合成樹脂等の静電性のある粉粒体、繊維状の粉
粒体、化学薬品等の見掛け比重の小さい粉粒体などの粉
粒体であっても、布製サイロ内でブリッジが生じず、安
定排出ができ、かつ、内容物の残量のない完全排出が可
能である。
【0059】従って、本発明に係る多段式の揺動型排出
装置を使用すれば、布製サイロ内に新しい粉粒体を順次
追加補充した場合においても、ブリッジの発生ならびに
不完全排出のために生ずる古い粉粒体と追加補充した新
しい粉粒体との混合による異常品質等のトラブルを防止
することができる。
【0060】また、布製サイロの壁面や排出口の下部
に、布製サイロの内部に向けてジェットノズルを設けた
ものについては、必要により、適宜このジェットノズル
から高圧の圧縮空気を噴射させることにより、ブリッジ
はもとより布製サイロの内壁に付着した粉粒体をも吹き
飛ばすことができるため、より完全、かつ、確実に布製
サイロ内の粉粒体を排出することができる。
【0061】また、各揺動ユニットにおける外側の非通
気性可撓布片にファスナーを開閉可能に設けたものにつ
いては、このファスナーを開いて揺動ユニット内部の点
検や清掃・補修等のメンテナンスが容易に行えるため、
多段式の揺動型排出装置を常に正常な能力状態に維持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る布製サイロにおける粉粒体の多
段式揺動型排出装置の正面図。
【図2】 本発明に係る布製サイロにおける粉粒体の多
段式揺動型排出装置の底面図。
【図3】 本発明に係る底部揺動ユニットの部分を断面
にて示す拡大正面図。
【図4】 本発明に係る揺動ユニットの他の例における
底部揺動ユニットの部分を断面にて示す正面図。
【図5】 本発明に係る粉粒体の多段式揺動型排出装置
にジェットノズルを設けた状態を簡略的に示す縦断正面
図。
【図6】 本発明に係る粉粒体の多段式揺動型排出装置
における上下の各揺動ユニットに圧縮空気を送入した場
合の布製サイロの動きを簡略的に示す正面図。
【符号の説明】
1 布製サイロ 2 揺動ユニット 3 空気吹込口 4 排出口 5 台形状シート 6 通気性可撓布片 7 非通気性可撓布片 8 空隙形成用媒体 9 空気分散材 10 漏斗状底部 11 布製サイロの下方側部 12 ファスナー 13 ジェットノズル 14 吊り下げ用の支持筒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒体を収容する布製サイロ1の漏斗状
    底部10を下方に向って半球状又は多角錐状としてその
    最下部に排出口4を設け、該布製サイロ1の漏斗状底部
    10とその上部に連なる下方側部11とを、それぞれ内
    側に位置する通気性可撓布片6と外側に位置する非通気
    性可撓布片7とで所定間隙を存して二重に形成し、前記
    漏斗状底部10における外側の非通気性可撓布片7には
    布製サイロ1のほぼ水平同水準の周域にわたって複数個
    の空気吹込口3を設けると共に前記下方側部11におけ
    る外側の非通気性可撓布片7にも布製サイロ1のほぼ水
    平同水準の周域にわたって複数個の空気吹込口3を設
    け、それぞれの空気吹込口3を等間隔に隔離して独立の
    袋状となるように内側の通気性可撓布片6と外側の非通
    気性可撓布片7とを縫着または貼着して上下にそれぞれ
    複数の独立した二重袋からなる底部揺動ユニット2と側
    部揺動ユニット2’とを形成し、該上下の各揺動ユニッ
    ト2、2’の各空気吹込口3から所要の順序にて圧縮空
    気を吹込むようにしたことを特徴とする布製サイロにお
    ける粉粒体の多段式揺動型排出装置。
  2. 【請求項2】 粉粒体を収容する布製サイロ1の漏斗状
    底部10を下方に向って半球状又は多角錐状としてその
    最下部に排出口4を設け、該布製サイロ1の底部とその
    上部に連なる下方側部11とを、それぞれ内側に位置す
    る通気性可撓布片6と外側に位置する非通気性可撓布片
    7とで二重に形成すると共に該通気性可撓布片6と非通
    気性可撓布片7との間に空隙形成用媒体8を介在せし
    め、前記漏斗状底部10における外側の非通気性可撓布
    片7には布製サイロ1のほぼ水平同水準の周域にわたっ
    て複数個の空気吹込口3を形成すると共に前記下方側部
    11における外側の非通気性可撓布片7にも布製サイロ
    1のほぼ水平同水準の周域にわたって複数個の空気吹込
    口3を設け、さらに該空気吹込口3に対面する内側の通
    気性可撓布片6の外面部に非通気性の空気分散材9を設
    け、それぞれの空気吹込口3を等間隔に隔離して独立の
    袋状となるように内側の通気性可撓布片6と外側の非通
    気性可撓布片7とを縫着または貼着して上下にそれぞれ
    複数の独立した二重袋からなる底部揺動ユニット2と側
    部揺動ユニット2’とを形成し、該上下の各揺動ユニッ
    ト2、2’の各空気吹込口3から所要の順序にて圧縮空
    気を吹込むようにしたことを特徴とする布製サイロにお
    ける粉粒体の多段式揺動型排出装置。
  3. 【請求項3】 底部揺動ユニット2および側部揺動ユニ
    ット2’を形成する外側の非通気性可撓布片7に開閉可
    能なファスナー12が設けられている請求項1または請
    求項2記載の布製サイロにおける粉粒体の多段式揺動型
    排出装置。
  4. 【請求項4】 高圧縮空気注入用のジェットノズル13
    が、布製サイロ1の壁面または排出口4から該布製サイ
    ロ1の内部に向けて設けられている請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の布製サイロにおける粉粒体の多
    段式揺動型排出装置。
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