JP2000233797A - 船舶推進機のパワーチルト・トリム装置 - Google Patents

船舶推進機のパワーチルト・トリム装置

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JP2000233797A
JP2000233797A JP11039789A JP3978999A JP2000233797A JP 2000233797 A JP2000233797 A JP 2000233797A JP 11039789 A JP11039789 A JP 11039789A JP 3978999 A JP3978999 A JP 3978999A JP 2000233797 A JP2000233797 A JP 2000233797A
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trim
tilt
cylinder
piston
chamber
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JP11039789A
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English (en)
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Hideki Saito
英毅 斎藤
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Soqi Co Ltd
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Soqi Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造の単純化を図るとともに、反力受部の強
度を高めてピストンロッドからの大きな反力も十分受け
ることができる船舶推進機のパワーチルト・トリム装置
を提供すること。 【構成】 クランプブラケットとスイベルブラケットと
の間に介設される装置であって、一端側が前記クランプ
ブラケットに連結されたトリムシリンダ11内にチルト
シリンダ14とこれの一端外周に取り付けられたトリム
ピストン15を摺動自在に嵌装し、前記チルトシリンダ
14内にチルトピストン18を摺動自在に嵌装するとと
もに、該チルトシリンダ14に一端が取り付けられたピ
ストンロッド17の前記チルトシリンダ14とトリムシ
リンダ11を貫通してこれらの外部に延出する他端を前
記クランプブラケットに連結して成る船舶推進機のパワ
ーチルト・トリム装置10において、前記チルトシリン
ダ14を前記トリムシリンダ11に対して固定するため
のロック手段24と、前記ピストンロッド17からの反
力を受ける段部(反力受部)15bをトリムピストン1
5に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船外機等の船舶推
進機のパワーチルト・トリム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のパワーチルト・トリム装置は、
船舶推進機を船体に固定するクランプブラケットと該ク
ランプブラケットにチルト軸にて上下に回動可能に枢着
されたスイベルブラケットとの間に介設される装置であ
って、船体の船尾に取り付けられた船舶推進機をトリム
領域及びチルト領域にてそれぞれ独立に回動操作するも
のである。ここで、トリム操作は航走中における船舶推
進機の推力角度を変化させて船体の航走姿勢を制御する
ためになされ、チルト操作は船体を停止させてこれを係
留する場合等に船舶推進機を水面から引き上げ或は引き
上げられた船舶推進機を再び水中に沈めるためになされ
る。
【0003】ところで、斯かるパワーチルト・トリム装
置としては、コンパクト化を目的としてトリムシリンダ
内にチルトシリンダを摺動自在に嵌装して成る二重シリ
ンダ構造のものが提案されている。具体的には、このパ
ワーチルト・トリム装置は、一端側がクランプブラケッ
トに連結されたトリムシリンダ内にチルトシリンダとこ
れの一端外周に取り付けられたトリムピストンを摺動自
在に嵌装し、前記チルトシリンダ内にチルトピストンを
摺動自在に嵌装するとともに、該チルトシリンダに一端
が取り付けられたピストンロッドの前記チルトシリンダ
とトリムシリンダを貫通してこれらの外部に延出する他
端をクランプブラケットに連結して構成されている。
【0004】而して、この種のパワーチルト・トリム装
置には、トリムアップ→チルトアップ→チルトダウン→
トリムダウンの作動順序を維持するためにチルトシリン
ダをトリムシリンダに対して固定するためのロック手段
と、ピストンロッドからの反力を受ける反力受部が設け
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のパワ
ーチルト・トリム装置においては、ロック手段と反力受
部が同一部品に集約的に設けられていなかったため、構
造が複雑化するという問題があった。
【0006】又、ピストンロッドからの反力をチルトシ
リンダの内周に嵌着されたスナップリング等によって受
けていたために反力受部の強度が十分でなく、大きな反
力を受けることができないという問題もあった。
【0007】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、ロック手段と反力受部をトリ
ムピストンに集約的に設けて構造の単純化を図るととも
に、反力受部の強度を高めてピストンロッドからの大き
な反力も十分受けることができる船舶推進機のパワーチ
ルト・トリム装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、船舶推進機を船体に固定す
るクランプブラケットと該クランプブラケットにチルト
軸にて上下に回動可能に枢着されたスイベルブラケット
との間に介設される装置であって、一端側が前記クラン
プブラケットに連結されたトリムシリンダ内にチルトシ
リンダとこれの一端外周に取り付けられたトリムピスト
ンを摺動自在に嵌装し、前記チルトシリンダ内にチルト
ピストンを摺動自在に嵌装するとともに、該チルトシリ
ンダに一端が取り付けられたピストンロッドの前記チル
トシリンダとトリムシリンダを貫通してこれらの外部に
延出する他端を前記クランプブラケットに連結して成る
船舶推進機のパワーチルト・トリム装置において、前記
チルトシリンダを前記トリムシリンダに対して固定する
ためのロック手段と、前記ピストンロッドからの反力を
受ける反力受部を、前記トリムピストンに設けたことを
特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記ロック手段を、前記トリムシリンダに
径方向に移動自在に設けられたボールと、該ボールを径
方向外方に付勢する付勢手段と、前記トリムシリンダの
内周面に形成された凹溝を含んで構成したことを特徴と
する。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記反力受部を、前記チルトピストンの端
面を受けるために前記トリムピストンに形成された段部
で構成したことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記トリムシリンダ内に前記チルトシリン
ダによって画成されるトリム上室とトリム下室とを連通
せしめる複数の連通路をトリムシリンダの内周面に形成
したことを特徴とする。
【0012】従って、本発明によれば、ロック手段と反
力受部をトリムピストンに集約的に設けたため、パワー
チルト・トリム装置の構造単純化を図ることができる。
又、ピストンロッドからの大きな反力を剛体であるトリ
ムピストンで受けるようにしたため、反力受部の強度が
高められてピストンロッドからの大きな反力も反力受部
で十分受けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0014】先ず、船舶推進装置である船外機の概略構
成を図1及び図2に基づいて説明する。尚、図1は船外
機の側面図、図2は同船外機のチルトアップ状態を示す
側面図である。
【0015】図1に示すように、船外機1は左右一対の
クランプブラケット2によって船体50の船尾板50a
に取り付けられており、クランプブラケット2にはスイ
ベルブラケット3がチルト軸4を中心として上下方向に
回動可能に枢着されている。そして、スイベルブラケッ
ト3には推進ユニット5がステアリング軸6回りに回動
可能に支持されており、推進ユニット5には駆動源であ
るエンジン7とプロペラ8が備えられている。
【0016】而して、前記クランプブラケット2とスイ
ベルブラケット3との間には本発明に係るパワーチルト
・トリム装置10が介設されており、該パワーチルト・
トリム装置10によるトリム操作及びチルト操作によっ
て船外機1は図2に示すトリム領域及びチルト領域にて
それぞれ独立に回動せしめられる。
【0017】次に、本発明に係る前記パワーチルト・ト
リム装置10の構成の詳細を図3〜図10に基づいて説
明する。尚、図3〜図6はパワーチルト・トリム装置の
構成と作用を示す断面図、図7は同パワーチルト・トリ
ム装置のトリムピストン部分の拡大断面図、図8は同パ
ワーチルト・トリム装置の部分断面図、図9は図8のA
−A線断面図、図10は同パワーチルト・トリム装置の
油圧回路構成図である。
【0018】図3〜図6に示すパワーチルト・トリム装
置10において、11はトリムシリンダであって、該ト
リムシリンダ11は大小異径の2段円筒状を成し、その
上半部は小径シリンダ部11Aを形成し、下半部は大径
シリンダ部11Bを形成している。そして、このトリム
シリンダ11の大径シリンダ部11Bの下端には円孔1
1aが貫設されており、トリムシリンダ11は円孔11
aに挿通するロアーピン12によって前記左右一対のク
ランプブラケット2に連結されている(図1及び図2参
照)。
【0019】而して、上記トリムシリンダ11の大径シ
リンダ部11Bの上端部には小径シリンダ部11Aがキ
ャップ13によって同心状に連結されており、小径シリ
ンダ部11A内にはチルトシリンダ14が上下摺動自在
に嵌装されている。そして、このチルトシリンダ14の
下端部外周には大径シリンダ部11A内に上下摺動自在
に嵌装されたトリムピストン15が結着されており、チ
ルトシリンダ14の上端開口部はキャップ16によって
閉塞されている。
【0020】ところで、トリムシリンダ11及びチルト
シリンダ14内にはピストンロッド17がトリムシリン
ダ11の上壁及びキャップ16を貫通して挿入されてお
り、該ピストンロッド17の下端には、チルトシリンダ
14内に上下摺動自在に嵌装されたチルトピストン18
がボルト19によって取り付けられている。そして、チ
ルトシリンダ14内のチルトピストン18の下方にはフ
リーピストン20が上下摺動自在に嵌装されている。
【0021】又、上記ピストンロッド17のトリムシリ
ンダ11から上方へ延出する上端にはボス状の連結部材
21が結着されており、該ピストンロッド17の上端は
連結部材21に挿通されたアッパーピン22によって前
記スイベルブラケット3に連結されている(図1及び図
2参照)。
【0022】而して、トリムシリンダ11内にはチルト
シリンダ14によって区画されたトリム上室S1とトリ
ム下室S2が形成されており、トリム下室S2はトリム
ピストン15によって更に油室S11と油室S22(図
4参照)とに区画されている。又、チルトシリンダ14
内にはチルトピストン18及びフリーピストン20によ
って区画されたチルト上室S3(図3参照)とチルト下
室S4(図5参照)が形成されている。そして、トリム
上室S1、トリム下室S2、チルト上室S3及びチルト
下室S4にはそれぞれ作動油が充填されている。
【0023】ところで、前記トリムピストン15には、
所定値以上の油圧が作用すると開いてトリム下室S2の
油室S21の作動油を油室S22に逃がすための緩衝バ
ルブ23が設けられており、同トリムピストン15の下
部には、チルトシリンダ14をトリムシリンダ11に対
して固定するためのロック手段24が設けられている。
【0024】ここで、上記ロック手段24の構成の詳細
を図7に基づいて説明する。
【0025】ロック手段24は、トリムピストン15の
中心下部に上下摺動自在に嵌装されたリング状の押圧プ
レート25と、トリムピストン15の下部周壁に径方向
に貫設された複数(本実施の形態では6つ)の円孔15
a内に各々収容された各2つのボール26,27と1つ
のピン28を含んで構成されている。尚、前記トリム下
室S2の油室S22とチルト下室S4とは押圧プレート
25を介して常時連通している。
【0026】上記押圧プレート25の外周は大小異径の
2段状に成形されており、該押圧プレート25はストッ
パリング29によって下方への抜けが防がれるととも
に、複数のスプリング30によって上方へ付勢されてい
る。又、トリムピストン15の下部周壁に形成された各
円孔15aにおいては、内側と外側に前記ボール26,
27がそれぞれ位置しており、両ボール26,27はこ
れらの間に介在する前記ピン28によってその距離が一
定に保持されている。
【0027】尚、トリムシリンダ11の大径シリンダ部
11Bの内周面の中間高さ位置(図4に示すトリムアッ
プ状態において前記ボール27が当接する位置(ロック
位置))には係合溝11bが全周に亘って形成されてい
る。
【0028】而して、図3に示すダウン状態(トリムダ
ウン・チルトダウン状態)においては、ロック手段24
の押圧プレート25はフリーピストン20によって下方
へ押圧されて下限に位置しており、この状態では内側の
ボール26は押圧プレート25の上端小径部に当接して
いるために外側のボール27はトリムピストン15内に
埋没している。このように外側のボール27がトリムピ
ストン15内に埋没している状態ではロック手段24は
OFF状態にあり、この状態ではトリムピストン15及
びチルトシリンダ14はトリムシリンダ11に対して自
由に摺動することができる。
【0029】又、図7に詳細に示すように、トリムピス
トン15の下部内周にはチルトシリンダ14の下端を受
ける段部15bが形成されており、この段部15bはチ
ルトシリンダ14の内周面から径方向内方へ延びてお
り、この延びた面は前記フリーピストン20の下端面を
受ける反力受部を構成している。従って、ピストンロッ
ド17からの反力はチルトピストン18及びフリーピス
トン20を介して反力受部である段部15bによって受
けられる。
【0030】一方、図3〜図6に示すように、前記チル
トピストン18には緩衝バルブ31と逆止弁32が設け
られており、前記キャップ16には緩衝バルブ33と切
換バルブ34が設けられている。
【0031】上記切換バルブ34は、図8に詳細に示す
ように、キャップ16に貫設された油路16aを開閉す
るボール35と、該ボール35を閉じ方向に付勢するス
プリング36及び前記ボール35にこれの上方から当接
するプッシュロッド37で構成されており、図示のよう
にボール35が油路16aを閉じている状態ではプッシ
ュロッド37の一部(上端)はキャップ16の上面から
所定量だけ上方へ突出している。
【0032】ところで、本実施の形態では、図9に示す
ようにトリムシリンダ11の小径シリンダ部11Aの内
周面には複数の連通路11cが放射状を成して上下方向
に貫設されており、これらの連通路11cによってトリ
ム上室S1とトリム下室S2とが連通されている。この
ようにトリムシリンダ11の小径シリンダ部11Aの内
周面に複数の連通路11cを形成すれば、連通路を1箇
所に形成する構造に対してトリムシリンダ11の小径シ
リンダ部11Aの小径化を図ることが可能となる。
【0033】他方、図3に示すように、前記トリムシリ
ンダ11の大径シリンダ部11Bからはハウジング11
dが上方に向かって一体に形成されており、このハウジ
ング11dの上部には駆動モータ38が取り付けられて
いる。そして、ハウジング11d内には前記駆動モータ
38によって駆動される正逆転可能な油圧ポンプ39が
設置されており、該油圧ポンプ39の駆動軸39aと駆
動モータ38の出力軸38aとはカップリング40によ
って連結されている。
【0034】又、トリムシリンダ11の大径シリンダ部
11Bには油路41,42が形成されており、前記油圧
ポンプ39は油路41及び前記連通路11c(図8及び
図9参照)を介して前記トリム上室S1に連通されると
ともに、油路42を介してトリム下室S2に連通されて
いる。
【0035】ここで、本発明に係るパワーチルト・トリ
ム装置10の油圧回路の構成を図10に示すが、実際に
は図示のように油路41と油路42との間にはメインバ
ルブ43が設けられている。このメインバルブ43は切
換バルブであって、シリンダ44と、該シリンダ44内
に摺動自在に嵌装されたシャトルピストン45と、該シ
ャトルピストン45の両端に突設された突起45a,4
5bによってそれぞれ開かれる逆止弁46a,46bを
含んで構成されており、シリンダ44内にはシャトルピ
ストン45によって区画されるシャトル室Sa,Sbが
形成されている。尚、図10において、47はマニュア
ルバルブ、48aはアップリリーフバルブ、48bはダ
ウンリリーフバルブ、49a,49bは逆止弁である。
【0036】次に、本発明に係るパワーチルト・トリム
装置10の作用を図3〜図6及び図10に基づいて説明
する。
【0037】図3に示すようにピストンロッド17が下
限に位置しているダウン状態においては、船外機1は図
1に示すように略垂直状態の姿勢を保持している。
【0038】而して、図3に示すダウン状態から駆動モ
ータ38によって油圧ポンプ39が駆動されてトリムア
ップ操作がなされると、油圧ポンプ39から送り出され
る作動油は図10に示すメインバルブ43の一方のシャ
トル室Sbに流入し、その圧力で一方の逆止弁46bを
開くとともに、シャトルピストン45を図10の右方に
摺動させてその端部に突設された突起45aで他方の逆
止弁46aを押し開く。
【0039】上述のように逆止弁46bが開かれると、
作動油はメインバルブ43のシャトル室Sbから油路4
2を通ってトリム下室S2の油室S22に導入されるた
め、メトリムピストン15とチルトシリンダ14がトリ
ムシリンダ11内を一体的に上動する。このとき、キャ
ップ16に設けられた前記切換バルブ34は閉じ状態に
あるため、チルト上室S3内の作動油の流出が防がれて
は該チルト上室S3は密封状態にあり、チルトピストン
18とフリーピストン20及びピストンロッド17は下
限位置にロックされた状態でトリムシリンダ11内をチ
ルトシリンダ14と共に一体的に上動する。
【0040】上述のようにピストンロッド17がチルト
シリンダ14と共に一体的に上動すると、スイベルブラ
ケット3とこれに支持された船外機1はチルト軸4(図
1及び図2参照)を中心として上方に回動し、これによ
って船外機1が図2に示すトリム領域で傾動して船体5
0の航走姿勢が最適に制御される。尚、トリム上室S1
内の作動油はチルトシリンダ14の上動に伴って前記連
通路11c(図9参照)、油路41、メインバルブ43
の開状態にある逆止弁46a及びシャトル室Saを経て
油圧ポンプ39に戻される。
【0041】而して、作動油のトリム下室S2の油室S
22への供給を継続し、図4に示すようにトリムピスト
ン15がキャップ13の下面に当接して上限位置で停止
するトリムアップ状態に達すると、キャップ16もトリ
ムシリンダ11の上壁面に当接するために切換バルブ3
4のプッシュロッド37(図8参照)が押し下げられ
る。すると、切換バルブ34のボール35がプッシュロ
ッド37によってスプリング36の付勢力に抗して押し
下げられてキャップ16の油路16aが開くため、チル
ト上室S3は油路16aを介してトリム上室S1に連通
せしめられる。
【0042】従って、チルトアップ操作に際して油圧ポ
ンプ39から作動油をトリム下室S2の油室S22に供
給し続けると、図5に示すようにフリーピストン20と
チルトピストン18及びピストンロッド17がチルトシ
リンダ14内を一体的に上動するため、船外機1はチル
ト軸4を中心としてトリム領域を超えて上方へ回動し、
図2に示すチルト領域において所望のチルト動作がなさ
れて図6に示すようにチルトピストン18がキャップ1
6に当接して停止した状態においてピストンロッド17
は最伸長状態となって船外機1は図2に示すチルトアッ
プ状態を維持する。尚、このとき、チルト上室S3内の
作動油は油路16a、トリム上室S1、連通路11c及
び油路41を通って油圧ポンプ39に戻される。
【0043】ところで、図5に示すチルトアップ操作に
おいてフリーピストン20がチルトシリンダ14内を上
動してロック手段24の押圧プレート25から離間する
と、押圧プレート25はスプリング30(図7参照)の
付勢力によって上動するため、該押圧プレート25はト
リムシリンダ11の各円孔11a内に収容された内側の
ボール26を径方向外方へ押圧する。すると、ピン28
を介して外側のボール27が径方向外方へ押し出されて
トリムピストン15の外周面から突出してトリムシリン
ダ11の内周面に形成された前記係合溝11bに係合す
るため、ロック手段24がONされてトリムピストン1
5及びチルトシリンダ14がトリムシリンダ11に対し
て固定されてその移動がロックされる。
【0044】次に、図6に示すチルトアップ状態から油
圧ポンプ39を逆転させてチルトダウン操作を行うと、
油圧ポンプ39から送り出される作動油は図10に示す
メインバルブ43の一方のシャトル室Saに流入し、そ
の圧力で一方の逆止弁46aを開くとともに、シャトル
ピストン45を図10の左方に摺動させてその端部に突
設された突起45bで他方の逆止弁46bを押し開く。
【0045】上述のように逆止弁46aが開かれると、
作動油はメインバルブ43のシャトル室Saから油路4
1、トリム下室S2、連通路11c、トリム上室S1及
び油路16aを通ってチルト上室S3に導入されるた
め、チルトピストン18とフリーピストン20及びピス
トンロッド17がチルトシリンダ14内を一体的に下動
し、ピストンロッド14の下動によって船外機1がチル
ト軸4(図1及び図2参照)を中心として下方に回動し
て所望のチルトダウン動作がなされる。このとき、ロッ
ク手段24はON状態を維持してトリムピストン15及
びチルトシリンダ14をトリムシリンダ11に対して固
定してその移動をロックするため、チルトダウン動作に
先行してトリムダウン動作がなされることがなく、これ
らの動作の順序がロック手段によって守られる。尚、こ
のチルトダウン動作時においては、チルト下室S4の作
動油は連通状態にあるトリム下室S2の油室S22から
油路42、図10に示すメインバルブ43の逆止弁46
b及びシャトル室Sbを通って油圧ポンプ39に戻され
る。
【0046】而して、チルト上室S3への作動油の供給
を継続し、これによってチルトピストン18とフリーピ
ストン20及びピストンロッド17がチルトシリンダ1
4内を一体的に下動して図4に示すようにフリーピスト
ン20がロック手段24の押圧プレート25に当接して
該押圧プレート25をスプリング30(図7参照)の付
勢力に抗して押し下げると、トリムピストン15の各円
孔15aに収容されたボール27がトリムピストン15
内に埋没してこれと係合溝11bとの係合が解除される
ため、ロック手段24がOFFされてトリムピストン1
5とチルトシリンダ14の摺動が再び可能となり、トリ
ムピストン15とチルトシリンダ14及びピストンロッ
ド17が一体的に下動して所望のチルトダウン動作がな
される。
【0047】そして、図3に示すようにトリムピストン
15がトリムシリンダ11の底壁に当接して停止した段
階でダウン状態となり、船外機1は図1に示すように略
垂直状態の姿勢を維持する。
【0048】而して、本実施の形態に係るパワーチルト
・トリム装置10おいては、トリムピストン15を多機
能化してこれにロック手段24と反力受部を構成する段
部15bを集約的に設けたため、当該パワーチルト・ト
リム装置10の構造単純化が図られる。
【0049】又、ピストンロッド17からの大きな反力
を剛体であるトリムピストン15で受けるようにしたた
め、反力受部の強度が高められてピストンロッド17か
らの大きな反力も反力受部である段部15bで十分受け
ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、船舶推進機を船体に固定するクランプブラケッ
トと該クランプブラケットにチルト軸にて上下に回動可
能に枢着されたスイベルブラケットとの間に介設される
装置であって、一端側が前記クランプブラケットに連結
されたトリムシリンダ内にチルトシリンダとこれの一端
外周に取り付けられたトリムピストンを摺動自在に嵌装
し、前記チルトシリンダ内にチルトピストンを摺動自在
に嵌装するとともに、該チルトシリンダに一端が取り付
けられたピストンロッドの前記チルトシリンダとトリム
シリンダを貫通してこれらの外部に延出する他端を前記
クランプブラケットに連結して成る船舶推進機のパワー
チルト・トリム装置において、前記チルトシリンダを前
記トリムシリンダに対して固定するためのロック手段
と、前記ピストンロッドからの反力を受ける反力受部
を、前記トリムピストンに設けたため、当該パワーチル
ト・トリム装置の構造単純化を図るとともに、反力受部
の強度を高めてピストンロッドからの大きな反力も十分
受けることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船外機の側面図である。
【図2】船外機のチルトアップ状態を示す側面図であ
る。
【図3】本発明に係るパワーチルト・トリム装置の構成
と作用(ダウン状態)を示す断面図である。
【図4】本発明に係るパワーチルト・トリム装置の構成
と作用(トリムアップ状態)を示す断面図である。
【図5】本発明に係るパワーチルト・トリム装置の構成
と作用(チルトアップ又はダウン動作)を示す断面図で
ある。
【図6】本発明に係るパワーチルト・トリム装置の構成
と作用(チルトアップ状態)を示す断面図である。
【図7】本発明に係るパワーチルト・トリム装置のトリ
ムピストン部分の拡大断面図である。
【図8】本発明に係るパワーチルト・トリム装置の部分
断面図である。
【図9】図8のA−A線断面図である。
【図10】本発明に係るパワーチルト・トリム装置の油
圧回路構成図である。
【符号の説明】
1 船外機(船舶推進機) 2 クランプブラケット 3 スイベルブラケット 4 チルト軸 10 パワーチルト・トリム装置 11 トリムシリンダ 11b 係合溝(凹溝) 11c 連通路 14 チルトシリンダ 15 トリムピストン 15b 段部(反力受部) 17 ピストンロッド 18 チルトピストン 20 フリーピストン 24 ロック手段 26,27 ボール 30 スプリング(付勢手段) 39 油圧ポンプ S1 トリム上室 S2 トリム下室 S3 チルト上室 S4 チルト下室
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月15日(1999.12.
15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】而して、トリムシリンダ11内にはチルト
シリンダ14によって区画されたトリム上室S1とトリ
ム下室S2が形成されており、トリム下室S2はトリム
ピストン15によって更に油室S21と油室S22(図
4参照)とに区画されている。又、チルトシリンダ14
内にはチルトピストン18及びフリーピストン20によ
って区画されたチルト上室S3(図3参照)とチルト下
室S4(図5参照)が形成されている。そして、トリム
上室S1、トリム下室S2、チルト上室S3及びチルト
下室S4にはそれぞれ作動油が充填されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】上述のように逆止弁46bが開かれると、
作動油はメインバルブ43のシャトル室Sbから油路4
2を通ってトリム下室S2の油室S22に導入されるた
、トリムピストン15とチルトシリンダ14がトリム
シリンダ11内を一体的に上動する。このとき、キャッ
プ16に設けられた前記切換バルブ34は閉じ状態にあ
るため、チルト上室S3内の作動油の流出が防がれて該
チルト上室S3は密封状態にあり、チルトピストン18
とフリーピストン20及びピストンロッド17は下限位
置にロックされた状態でトリムシリンダ11内をチルト
シリンダ14と共に一体的に上動する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船舶推進機を船体に固定するクランプブ
    ラケットと該クランプブラケットにチルト軸にて上下に
    回動可能に枢着されたスイベルブラケットとの間に介設
    される装置であって、一端側が前記クランプブラケット
    に連結されたトリムシリンダ内にチルトシリンダとこれ
    の一端外周に取り付けられたトリムピストンを摺動自在
    に嵌装し、前記チルトシリンダ内にチルトピストンを摺
    動自在に嵌装するとともに、該チルトシリンダに一端が
    取り付けられたピストンロッドの前記チルトシリンダと
    トリムシリンダを貫通してこれらの外部に延出する他端
    を前記クランプブラケットに連結して成る船舶推進機の
    パワーチルト・トリム装置において、 前記チルトシリンダを前記トリムシリンダに対して固定
    するためのロック手段と、前記ピストンロッドからの反
    力を受ける反力受部を、前記トリムピストンに設けたこ
    とを特徴とする船舶推進機のパワーチルト・トリム装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ロック手段は、前記トリムシリンダ
    に径方向に移動自在に設けられたボールと、該ボールを
    径方向外方に付勢する付勢手段と、前記トリムシリンダ
    の内周面に形成された凹溝を含んで構成されることを特
    徴とする請求項1記載の船舶推進機のパワーチルト・ト
    リム装置。
  3. 【請求項3】 前記反力受部は、前記チルトピストンの
    端面を受けるために前記トリムピストンに形成された段
    部で構成されることを特徴とする請求項1記載の船舶推
    進機のパワーチルト・トリム装置。
  4. 【請求項4】 前記トリムシリンダ内に前記チルトシリ
    ンダによって画成されるトリム上室とトリム下室とを連
    通せしめる複数の連通路をトリムシリンダの内周面に形
    成したことを特徴とする請求項1記載の船舶推進機のパ
    ワーチルト・トリム装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8801480B2 (en) 2011-02-25 2014-08-12 Showa Corporation Trim/tilt apparatus for marine vessel propulsion machine

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