JP2000233319A - バリ取り加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの周縁や打ち抜き穴の周縁に発生して
いるバリを除去した際にワークの表面に傷を付けないよ
うにしたバリ取り装置を提供することにある。 【解決手段】 ワークＷを搬入出せしめるワーク搬入コ
ンベア３，ワーク搬出コンベア５を設け、このワーク搬
入コンベア３とワーク搬出コンベア５との間にワークＷ
に発生しているバリを除去せしめる回転可能な下部ロー
ラ２１とこの下部ローラ２１に対して上下動可能かつ回
転可能な上部ローラ２３とからなるバリ取り装置７を設
け、前記ワーク搬出コンベア５の上方にワークＷから除
去されバリを集塵せしめる集塵ダクト４９を設けて、前
記ワーク搬出コンベア５の上方に、前記集塵ダクト４９
に隣接してワークＷの上面に押えローラ６３により押し
つけながらワークＷ上のバリの粉を吸着せしめる粘着手
段５１を設けてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ワークに打ち抜
き加工をしたり、切断加工した際に発生するバリを除去
せしめるバリ取り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のバリ取り装置１０１としては、図
３および図４に示されているように、駆動プーリ１０３
とこの駆動プーリ１０３に離隔して従動プーリ１０５と
が設けられており、この駆動プーリ１０３と従動プーリ
１０５とにコンベアベルト１０７が巻回されている。こ
のコンベアベルト１０７の上方には回転自在な回転ホイ
ール１０９が設けられている。

【０００３】上記構成により、コンベアベルト１０７上
に、図７に示したような周囲あるいは打ち抜き穴の周囲
にバリＢが発生しているワークＷを載置せしめた状態
で、駆動プーリ１０３を回転せしめてコンベアベルト１
０７を図３において右方向へ走行せしめると共に、回転
ホイール１０９を図３において反時計方向廻りに回転せ
しめることによって、ワークＷの周囲あるいは打ち抜き
穴の周囲に発生しているバリＢが除去される。

【０００４】また、従来の他のバリ取り装置１１１は、
図５および図６に示されているように、駆動プーリ１１
３とこの駆動プーリ１１３に離隔して従動プーリ１１５
とが設けられており、この駆動プーリ１１３と従動プー
リ１１５とにコンベアベルト１１７が巻回されている。
このコンベアベルト１１７の上方には回転自在な回転研
磨ベルト１１９が設けられている。

【０００５】上記構成により、コンベアベルト１１７上
に、図７に示したような周囲あるいは打ち抜き穴の周囲
にバリＢが発生しているワークＷを載置せしめた状態
で、駆動プーリ１１３を回転せしめてコンベアベルト１
１７を図５において右方向へ走行せしめると共に、回転
研磨ベルト１１９を図５において反時計方向廻りに回転
せしめることによって、ワークＷの周囲あるいは打ち抜
き穴の周囲に発生しているバリＢが除去される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のバリ取り装置１０１では、図８に示されているよう
に、回転ホイール１０９がワークＷの表面全体を削りな
がらバリＢを除去するため、ワークＷの表面に例えば図
８において一部Ｗ_A に傷をつけてしまうという問題があ
る。また、従来のバリ取り装置１１１を用いた場合にも
同様にワークＷの表面に傷を付けてしまうという問題が
ある。したがって、表面処理鋼板やＳＵＳの鏡面材など
の表面に傷を付けてはならないワークＷについては、工
具による手作業でバリＢを除去しているのである。

【０００７】この発明の目的は、ワークの周縁や打ち抜
き穴の周縁に発生しているバリを除去した際にワークの
表面に傷を付けないようにしたバリ取り装置を提供する
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１によるこの発明のバリ取り加工装置は、ワー
クを搬入出せしめるワーク搬入コンベア，ワーク搬出コ
ンベアを設け、このワーク搬入コンベアとワーク搬出コ
ンベアとの間にワークに発生しているバリを除去せしめ
る回転可能な下部ローラとこの下部ローラに対して上下
動可能かつ回転可能な上部ローラとからなるバリ取り装
置を設け、前記ワーク搬出コンベアの上方にワークから
除去されバリを集塵せしめる集塵ダクトを設けてなるこ
とを特徴とするものである。

【０００９】したがって、バリの発生しているワークの
バリ部を上に向けてワークを搬入コンベアにて一対の下
部ローラと上部ローラとの間に搬入せしめると、上部ロ
ーラと下部ローラとでバリがつぶされてワークから離さ
れ、次いで、搬出コンベアで搬出される。しかも、搬出
コンベア上で集塵ダクトによりバリが集塵される。

【００１０】請求項２によるこの発明のバリ取り加工装
置は、請求項１のバリ取り加工装置において、前記ワー
ク搬出コンベアの上方に、前記集塵ダクトに隣接してワ
ークの上面に押えローラにより押しつけながらワーク上
のバリの粉を吸着せしめる粘着手段を設けてなることを
特徴とするものである。

【００１１】したがって、搬出コンベア上で集塵ダクト
によりバリが集塵されると共に集塵ダクトに隣接して設
けられた粘着手段をワークの上面に押えローラにより押
つけることによってワークの表面に付着しているバリの
粉が除去される。

【００１２】請求項３によるこの発明のバリ取り加工装
置は、請求項１又は２のバリ取り加工装置において、前
記搬入コンベアの上方にワークの上面にタッチせしめる
タッチセンサを設けてなることを特徴とするものであ
る。

【００１３】したがって、搬入コンベアの上方にタッチ
センサが設けられているから、搬入コンベア上のワーク
の表面にタッチセンサがタッチすることによりワークの
板厚が検出され、さらにこの検出された板厚により上部
ローラが上下方向へ移動されて、上部ローラの下面がワ
ークの上面に位置決め調整されて、ワークに発生してい
るバリが上部ローラと下部ローラとの作用で押しつぶさ
れて容易に除去される。

【００１４】請求項４によるこの発明のバリ取り加工装
置は、請求項１，２又は３のバリ取り加工装置におい
て、前記ワーク搬出コンベアの脇にワークサポートを備
えた集積台車を設けてなることを特徴とするものであ
る。

【００１５】したがって、ワーク搬出コンベアの脇には
ワークサポートを備えた集積台車が設けられているか
ら、ワーク搬出コンベアにてバリを除去したワークが搬
出されてワークサポート上に一時的に載置された後、ワ
ークサポートを例えば水平方向へ移動せしめると、ワー
クは落下して集積台車上に搬出されて集積される。

【００１６】請求項５によるこの発明のバリ取り加工装
置は、請求項１，２，３又は４のバリ取り加工装置にお
いて、前記上部ローラ，下部ローラの脇にスクレーパを
設けると共に前記下部ローラの下方にダストボックスを
設けてなることを特徴とするものである。

【００１７】したがって、上部ローラ，下部ローラに付
着したバリの粉塵が各々のスクレーパにより削り取られ
てダストボックスに収納される。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基いて詳細に説明する。

【００１９】図１を参照するに、バリ取り加工装置１は
搬入コンベア３と搬出コンベア５を備えており、この搬
入コンベア３と搬出コンベア５との間にはワークＷに発
生しているバリを除去せしめるバリ取り装置７が設けら
れている。前記搬入コンベア３としては駆動プーリ９と
この駆動プーリ９に離隔して設けられた従動プーリ１１
とにベルト１３が巻回されている。

【００２０】前記搬出コンベア５としては駆動プーリ１
５とこの駆動プーリ１５に離隔して設けられた従動プー
リ１７とにベルト１９が巻回されている。前記バリ取り
装置７としては、図２も併せて参照するに、回転可能な
下部ローラ２１とこの下部ローラ２１に対して回転可能
でかつ上下動可能な上部ローラ２３とで構成されてい
る。なお、搬入コンベア３，下部ローラ２１および搬出
コンベア５は図示省略の下部フレームに取付けられてい
ると共に、上部ローラ２３は図示省略の上部フレームに
取付けられている。

【００２１】図２に示されているように、上部ローラ２
３の回転軸２５の図２において右端には回転用モータ２
７が連結されていると共に前記回転軸２５を支承した支
持フレーム２９は、図示省略の上部フレームに設けられ
た上下用モータ３１で回転されるボールねじ３３に螺合
されている。また、前記搬入コンベア３の上方にはタッ
チセンサ３５が設けられ、図２に示されているように、
このタッチセンサ３５を支持している支持アーム３７の
上端が前記支持フレーム２９に取付けられている。

【００２２】前記下部ローラ２１，上部ローラ２３の図
１において右側の下部にはスクレーパ３９，４１が隣接
して設けられている。また、スクレーパ３９の下方には
ダストボックス４３が設けられている。

【００２３】前記搬出コンベア５における従動プーリ１
７の図１において右側にはワークサポート４５が設けら
れており、このワークサポート４５は例えば水平方向へ
回動（移動）されるようになっている。このワークサポ
ート４５の下方位置には集積台車４７が移動位置決め可
能に設けられている。

【００２４】前記搬出コンベア５における上方の右側位
置には集塵ダクト４９が設けられており、この集塵ダク
ト４９には図示省略の集塵機へ連結されている。また、
前記搬出コンベア５における上方の前記集塵ダクト４９
の右側には、粘着手段５１が設けられている。この粘着
手段５１としては、強度粘着テープＴが巻かれている繰
り出しリール５３と、この繰り出しリール５３より図１
において右側に離隔して強度粘着テープＴを巻き取る巻
き取りリール５５と、ガイドローラ５７，５９と、この
ガイドローラ５７と５７との間に複数のスプリング６１
で下方へ付勢された各押えローラ６３と、この各押えロ
ーラ６３と対応した上側のベルト１９の下方位置に設け
られたサポートローラ６５と、で構成されている。な
お、集塵ダクト４９、繰り出しリール５３、巻き取りリ
ール５５、ガイドローラ５７，５９およびスプリング６
１などは図示省略の上部フレームに取付けられている。

【００２５】上記構成により、バリの発生しているワー
クＷのバリ部を上に向けて搬入コンベア３のベルト１３
上に載せる。この状態で駆動プーリ９を図１において時
計方向廻りに回転せしめると、ベルト１３が図１におい
て右方向へ走行回転してワークＷが下部ローラ２１と上
部ローラ２３との間に搬入される。このとき、上下用モ
ータ３１が駆動されてボールねじ３３が回転して支持フ
レーム２９が上下動すると共に支持アーム３７も上下動
してタッチセンサ３５がワークＷの上面にタッチしてワ
ークＷの板厚が検出される。この検出されたワークＷの
板厚に応じて上部ローラ２３が上下動して、上部ローラ
２３の下面位置が調整されて、回転用モータ２７によっ
て回転している下部ローラ２１と上部ローラ２３との間
にワークＷが搬入し、ワークＷに発生しているバリがつ
ぶされた後、搬出コンベア５のベルト１９上に搬出され
る。

【００２６】搬出コンベア５の駆動プーリ１５を図１に
おいて矢印で示したごとく時計方向廻りに回転せしめて
ベルト１９を右方向へ走行回転せしめることにより、ベ
ルト１９上のワークＷは図１において右方向へ搬出され
てワークサポート４５に一旦支持された後、ワークサポ
ート４５を水平方向へ回動せしめると、バリが除去され
たワークＷは集積台車４７上に次々と集積されることに
なる。

【００２７】ワークＷがベルト１９を図１において右方
向へ走行される際、ワークＷよりつぶされたバリを図示
省略の集塵機の作動により、集塵ダクト４９で集塵せし
めることができる。また、ワークＷを載置したベルト１
９が図１において走行されているときに、繰り出しリー
ル５３から強度粘着テープＴが繰り出されてガイドロー
ラ５７を通り、複数の押えローラ６３とサポートローラ
６５との間を通り、さらにガイドローラ５９を経て巻き
取りリール５５に巻き取られるようになっているから、
走行中のワークＷの表面（上面）に強度粘着テープＴが
押えローラ６３により押しつけられてワークＷ上のバリ
の粉を吸着せしめて除去せしめることができる。

【００２８】下部ローラ２１，上部ローラ２３の表面に
付着したバリの粉塵はスクレーパ３９，４１で削り取ら
れてダストボックス４３に落下させて収納せしめること
ができる。

【００２９】而して、下部ローラ２１と上部ローラ２３
との協働にワークＷに発生しているバリをつぶすことが
できる。つぶされたバリの粉は集塵ダクト４９で集塵せ
しめることができると共に強度粘着テープＴに付着せし
めて回収することができる。

【００３０】しかも、プログラムレスの加工ができ、ワ
ークＷの任意形状に対応せしめることができると共に搬
入，搬出コンベア３，５によりワークＷのバリ取り除去
を連続的に行うことができ、生産性を向上せしめること
ができる。また、ワークサポート４５と集積台車４７を
設けることによって、ワークＷに傷を付けることなく無
傷対応ができる。タッチセンサ３５を設けたことによ、
ワークＷの任意の板厚に対して上部ローラ２３の高さ位
置決めを自動的に行うことができる。

【００３１】なお、この発明は、前述した発明の実施の
形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによ
り、その他の態様で実施し得るものである。本実施の形
態で上部ローラ２３を上下動せしめる駆動手段として上
下用モータ３１とボールねじ３３で説明したが、エアシ
リンダ，油圧シリンダであっても構わない。上部ローラ
２３の位置検出としてタッチセンサ３５を用いて説明し
たが、エンコーダやリミットスイッチを用いても構わな
い。

【００３２】

【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明よ
り理解されるように、請求項１の発明によれば、バリの
発生しているワークのバリ部を上に向けてワークを搬入
コンベアにて一対の下部ローラと上部ローラとの間に搬
入せしめると、上部ローラと下部ローラとでバリがつぶ
されてワークから離され、次いで、ワークを搬出コンベ
アで搬出せしめることができる。しかも、搬出コンベア
上で集塵ダクトによりバリの粉を集塵せしめることがで
きる。

【００３３】請求項２の発明によれば、搬出コンベア上
で集塵ダクトによりバリが集塵されると共に集塵ダクト
に隣接して設けられた粘着手段をワークの上面に押えロ
ーラにより押つけることによってワークの表面に付着し
ているバリの粉を除去せしめることができる。

【００３４】請求項３の発明によれば、搬入コンベアの
上方にタッチセンサが設けられているから、搬入コンベ
ア上のワークの表面にタッチセンサがタッチすることに
よりワークの板厚が検出され、さらにこの検出された板
厚により上部ローラが上下方向へ移動されて、上部ロー
ラの下面がワークの上面に位置決め調整されて、ワーク
に発生しているバリを上部ローラと下部ローラとの作用
で押しつぶされて容易に除去せしめることができる。

【００３５】請求項４の発明によれば、ワーク搬出コン
ベアの脇にはワークサポートを備えた集積台車が設けら
れているから、ワーク搬出コンベアにてバリを除去した
ワークが搬出されてワークサポート上に一時的に載置さ
れた後、ワークサポートを例えば水平方向へ移動せしめ
ると、ワークは落下して集積台車上に搬出されて集積せ
しめるこができ、バリを除去したワークを連続的に加工
でき、生産性の向上を図ることができる。

【００３６】請求項５の発明によれば、上部ローラ，下
部ローラに付着したバリの粉塵を各々のスクレーパによ
り削り取ってダストボックスに収納せしめることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のバリ取り加工装置の側面図である。

【図２】下部ローラと上部ローラとからなるバリ取り装
置とタッチセンサのみの正面図である。

【図３】従来のバリ取り装置の正面図である。

【図４】図３における回転ホイールの斜視図である。

【図５】従来の他のバリ取り装置の正面図である。

【図６】図５における回転研磨ベルトの斜視図である。

【図７】バリが発生している一例のワークの斜視図であ
る。

【図８】バリが発生しているワークを回転ホイールでバ
リを除去せしめる一例を示した説明図である。

【符号の説明】

１ バリ取り加工装置 ３ 搬入コンベア ５ 搬出コンベア ７ バリ取り装置 ２１ 下部ローラ ２３ 上部ローラ ３５ タッチセンサ ３９，４１ スクレーパ ４３ ダストボックス ４５ ワークサポート ４７ 集積台車 ４９ 集塵ダクト ５１ 粘着手段 ５３ 繰り出しリール ５５ 巻き取りリール ５７，５９ ガイドローラ ６１ スプリング ６３ 押えローラ ６５ サポートローラ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークを搬入出せしめるワーク搬入コン
   ベア，ワーク搬出コンベアを設け、このワーク搬入コン
   ベアとワーク搬出コンベアとの間にワークに発生してい
   るバリを除去せしめる回転可能な下部ローラとこの下部
   ローラに対して上下動可能かつ回転可能な上部ローラと
   からなるバリ取り装置を設け、前記ワーク搬出コンベア
   の上方にワークから除去されバリを集塵せしめる集塵ダ
   クトを設けてなることを特徴とするバリ取り加工装置。
2. 【請求項２】 前記ワーク搬出コンベアの上方に、前記
   集塵ダクトに隣接してワークの上面に押えローラにより
   押しつけながらワーク上のバリの粉を吸着せしめる粘着
   手段を設けてなることを特徴とする請求項１記載のバリ
   取り加工装置。
3. 【請求項３】 前記搬入コンベアの上方にワークの上面
   にタッチせしめるタッチセンサを設けてなることを特徴
   とする請求項１又は２記載のバリ取り加工装置。
4. 【請求項４】 前記ワーク搬出コンベアの脇にワークサ
   ポートを備えた集積台車を設けてなることを特徴とする
   請求項１，２又は３記載のバリ取り加工装置。
5. 【請求項５】 前記上部ローラ，下部ローラの脇にスク
   レーパを設けると共に前記下部ローラの下方にダストボ
   ックスを設けてなることを特徴とする請求項１，２，３
   又は４記載のバリ取り加工装置。