JP2000232065A - 半導体基板の製造方法および液晶表示装置用半導体基板の製造方法 - Google Patents

半導体基板の製造方法および液晶表示装置用半導体基板の製造方法

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JP2000232065A
JP2000232065A JP19508299A JP19508299A JP2000232065A JP 2000232065 A JP2000232065 A JP 2000232065A JP 19508299 A JP19508299 A JP 19508299A JP 19508299 A JP19508299 A JP 19508299A JP 2000232065 A JP2000232065 A JP 2000232065A
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Tolis Voutsas
ボウトサス トリス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板を構成する多結晶フィルム内の結
晶粒子サイズの制御が容易にできると共に、レーザアニ
ールにおけるレーザのエネルギー密度を増加させること
なくより大きな結晶粒子が得られるような半導体基板の
製造方法を提供する。 【解決手段】 微晶子が埋設された非晶質物質を堆積し
て、微結晶フィルムを基板上に形成する工程(ステップ
S2)と、形成された微結晶フィルムの微晶子を選択的
に溶融するようにアニールする工程(ステップS3)
と、ステップS3で行われたアニールにより加熱溶融さ
れた微結晶フィルムを冷却する工程(ステップS4)と
を含む。これにより、結晶粒子サイズが大きく均一な多
結晶フィルムが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的な薄膜トラ
ンジスタ(TFT)が形成された半導体基板の製造方
法、特に、液晶表示装置に用いられ、微結晶フィルムか
ら製造される多結晶フィルムからなる半導体基板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願は、1998年8月17日出願のN
O. 09/135,393“POLYCRYSTALLINE SILICON FROM THE CR
YSTALLIZATION OF MICROCRYSTALLINE SILICON" (発明
者トリスボウトサス(Tolis Voutsas))の一部継続出願
であり、該出願は、1997年3月7日に出願されたU.
S.特許 NO. 5,827,773“METHOD FOR FORMING POLYCRYST
ALLINE SILICON FROM THE CRYSTALLIZATION OF MICROCR
YSTALLINE SILICON"(発明者トリスボウトサス(Tolis
Voutsas))の分割出願である。
【0003】低温プロセスによるポリシリコン形成技術
は、この10年以上の間、活発に研究されている。これ
らの研究は、フラットパネルディスプレイ関連技術への
適用、特にアクティブマトリクス液晶ディスプレイ(A
MLCDs)の分野への適用の可能性により、ますます
重要視されている。
【0004】上記の低温プロセスにより製造されたポリ
シリコンTFTは以下の特長を有する。
【0005】(a)微小素子寸法による高表示開口率の
達成 (b)TFTにおける高ON電流によりゲートおよびバ
スライン信号遅延に対して過敏性を持たない (c)外部ドライバーの除去および内部連結の除去によ
る収率及びコスト改善の可能性(特に、小型ディスプレ
イの場合)。
【0006】より以前には、SPC法(すなわち低温炉
アニール)によるポリシリコン形成に焦点が当てられて
いた。最近では、アモルファスシリコンフィルムを前駆
物質フィルムとして高品質ポリシリコン物質を形成する
ためのより好適なプロセスとして、エキシマレーザアニ
ール(以下、ELAと称する)が重要視されている。
【0007】ELA技術は、過去10年間にかなり重要
な発展を遂げている。現在、フラットパネルディスプレ
イ製造業者は、ELA技術に関して、多くの汎用ツール
を利用できるようになっている。
【0008】一般的に、LCD(liquid crystal devic
e )は、加熱されたサセプタ上の透明基板に装着するこ
とによって作成される。該透明基板は、シリコン及び水
素元素を含むガス(ソースガス)にさらされる。このソ
ースガスは、分解し、上記透明基板上に固体相シリコン
が残留する。このようにして、透明基板上に薄膜が形成
される。
【0009】上記の薄膜の成膜には、一般的に化学的成
膜法、具体的には化学的気相成長(CVD:Chmical Vap
or Deposition)法が用いられ、なかでもプラズマ化学的
気相成長(PECVD:plasma-enhanced chemical vapo
r deposition) 法が代表的である。
【0010】プラズマCVD法を実現する装置として、
プラズマCVD装置があり、この装置では、ソースガス
の分解は高周波(RF)エネルギーの使用によって助長
される。
【0011】また、他のCVD法としては、低圧プラズ
マCVD(LPCVD)法や超高真空(UHV−CV
D)法があり、これらの方法を実現する低圧プラズマC
VD(LPCVD)装置あるいは超高真空(UHV−C
VD)装置では、ソースガスが低圧で熱分解される。
【0012】さらに、他のCVD法として、光CVD法
があり、この方法を実現する光CVD装置においては、
ソースガスの分解が、光子エネルギーによって助長され
る。
【0013】さらに、他のCVD法としては、高密度プ
ラズマCVD法があり、この方法を実現する高密度プラ
ズマCVD装置では、電磁プラズマ及びヘリコンソース
等の高密度プラズマソースが使用される。
【0014】さらに、他のCVD法としては、ホットワ
イアCVD法があり、この方法を実現するホットワイア
CVD装置では、活性化水素原子の生成がソースガスの
分解を促す。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たELA技術には、未だ問題が存在する。
【0016】すなわち、ELA技術では、粒径(以下、
粒子サイズと称する)のコントロールが難しい。特に、
レーザエネルギー密度の微小なばらつきが粒子サイズの
大きなバラツキをもたらすスーパーラテラル成長(SL
G)組織に近接した領域における操作では、粒子サイズ
のコントロールが難しい。
【0017】また、粒子サイズの均一性が他の主な問題
点となっている。特に、連続するレーザビームスポット
間の重複領域における粒子サイズの均一性が問題となっ
ている。
【0018】さらに、他の問題として、下層基板のダメ
ージが挙げられる。この問題は、特に、アニールされた
ポリシリコン層においてより大きな粒子サイズを得るた
めに、レーザのエネルギー密度を増加させる場合に顕著
となる。
【0019】本発明は、上記の各問題点を解決するため
になされたもので、その目的は、半導体基板を構成する
多結晶フィルム内の結晶粒子サイズの制御が容易にでき
ると共に、レーザアニールにおけるレーザのエネルギー
密度を増加させることなくより大きな結晶粒子が得られ
るような半導体基板の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】これらの問題を考慮し、
ELA技術本来の欠点を補うことができるプロセスを開
発することが好ましい。具体的には、ハードウェア不安
定性及び基板ダメージを避けるために、最小限のレーザ
エネルギーの「負荷(load)」で高品質のポリシリコン
を得ることが望まれる。このことは、ソーダ- 石灰ガラ
スあるいは有機基板等のより廉価な基板を使用する場合
にさらに重要になる。さらに、シリコンフィルム前駆物
質の構造を適切に構成することによって、ポリシリコン
材料特性の変化性を縮小することが望ましい。
【0021】また、大結晶粒を有する微結晶フィルムの
作成においては、非晶質シリコンの透明基板上への堆積
法がまた重要である。シリコンの固体相結晶の分野にお
ける過去の研究によって、堆積フィルムの相に対する材
料技術を通じて、ポリシリコンの構造特性を制御できる
ことが知られている。最近の研究では、フィルムの開始
相がELA(excimer laser annealed)後のポリシリコ
ンの結晶特性に影響を与えることが知られている。
【0022】低レベルのレーザエネルギー密度におい
て、エキシマレーザ結晶化を用いて高品質の多結晶フィ
ルムを入手できれば有益である。
【0023】堆積及びアニールの最適化によって、結晶
化工程数を減少できれば有益である。外乱要因(すなわ
ち、レーザエネルギー密度及び/または他のプロセスパ
ラメータのバラツキ)に反して、低い変位性において、
優れた結晶構造特性を入手できれば有益である。
【0024】150cm2 /Vsあるいはそれ以上の電
子移動度を有する透明基板上に多結晶フィルムを構成で
きれば有益である。
【0025】以上により、高電子移動度と低しきい電圧
を有する多結晶フィルムの形成方法が提案される。該方
法は、以下のステップを含む。
【0026】ステップa:微晶子密度及び微晶子サイズ
の微晶子フィルムを堆積する。
【0027】ステップb:微晶子フィルムのアニールを
行う。
【0028】ステップc:微晶子密度及びサイズ及びア
ニールに応じて、多結晶粒子サイズ及び多結晶粒子サイ
ズ均一性を有する多結晶フィルムを形成する。
【0029】アニールしたことにより残留した埋没微晶
子種結晶(結晶粒)は、多結晶フィルムにおける核形成
サイトを形成する。すなわち、結晶粒は、微晶子サイ
ズ、密度、およびアニールエネルギー等の可量変数に直
接的に関係している。
【0030】具体的には、アニール処理のステップ(ス
テップb)では、微結晶フィルムの加熱、非晶質物質の
溶融、微晶子の選択的溶融、及び微結晶フィルムの冷却
が行われている。このとき、第二の密度を有する未溶融
の微晶子は、溶融非晶質中に埋没して残留する。
【0031】さらに、ステップcでは、核形成サイトと
して上記の第二の密度を有する未溶融の微晶子を用いる
ことにより、上記ステップbで溶融された非晶質物質の
結晶化を含む。上記多結晶フィルムの粒子サイズは、未
結晶微晶子のサイズ及び密度によって決定される。
【0032】一般的に、微結晶は、透明基板に隣接しそ
れを覆う第一の領域に形成される。したがって、ステッ
プbは、微結晶フィルムを選択的に溶融する工程を含
み、第二の密度の微晶子は主として透明基板に隣接する
第一の領域に存在する。
【0033】上記のステップaは、第一の微晶子サイズ
及び第一の微晶子密度から得られる第一の微晶子の結晶
化率を求める工程を含んでいる。このステップaでは、
第一の結晶化率は約0.01から80%の範囲となって
いる。
【0034】本発明において大きなサイズの微晶子が使
用された場合には、溶融以前(堆積状態)の結晶化率は
0.01から25%の範囲にある。一般的な堆積状態の
微晶子サイズは150から300Åであるが、ここで
は、約1000Å程度の大きさの微晶子を用いることが
有用である。
【0035】ステップbは、溶融後の微晶子サイズと溶
融後の微晶子密度を有する微晶子を形成する工程を含ん
でいる。溶融後サイズと密度は、微晶子結晶サイズより
も小さな晶子の消滅と臨界サイズよりも大きな溶融前サ
イズを持つ微晶子の部分的溶融の結果得られる。さら
に、ステップbは、溶融前の微結晶フィルムを形成する
工程を含んでいる。
【0036】上記溶融工程では、臨界サイズよりも小さ
な微晶子を消滅させるため、平均溶融後サイズ未満のサ
イズを持つ微晶子の割合は、平均サイズよりも小さい溶
融前微晶子の割合よりも小さい。このようにして、溶融
後微晶子はより均一なサイズを持つ。より均一化された
サイズをもつ溶融後微晶子は、溶融後微晶子密度に対し
より良い制御をもたらす。
【0037】多結晶粒は、他のプロセス変数の大部分に
対するよりもより直接的に、溶融後結晶化率に対して関
係している。微晶子間の平均離間間隔が約1μmであ
り、少なくとも1平方センチメートルあたり約1×10
8 個の微晶子をもつ溶融後の密度が効果的であることが
分かる。
【0038】好適には、ステップbは、約308nmあ
るいはそれ以下の波長を使用するエキシマレーザ結晶化
(ELC)工程を含み、これにより非晶質物質を溶融
し、微晶子を選択的に溶融するようになっている。溶融
後の結晶化率は、ELCエネルギー密度及び溶融前の結
晶化率に関係している。
【0039】本発明のひとつの態様では、ステップa
は、SiH4 及びH2 の混合ガスを使用するPECVD
方式により、微結晶フィルムを堆積する工程を含んでい
る。該工程では、約320℃の温度において、1cm2
あたり約0.16783Wの電力レベルを用い、約1.
2Torrの合計圧力、及びSiH4 対H2 の流量比、
約100:1が使用される。
【0040】図3は、堆積速度と結晶化率との関係を示
すグラフである。堆積速度は、溶融前の結晶状態の割合
に重要な関係を持つ。微結晶フィルムの堆積速度が1秒
あたり2Å未満の場合は、80%程度の高い結晶化率が
得られる。つまり、0.01%から50%の範囲の結晶
化率を得るためには、より大きい堆積速度が使用され
る。好適には、微結晶フィルムは、PECVD方式を使
用し、10Å/s未満の堆積速度及び約380℃の堆積
温度により堆積される。
【0041】液晶ディスプレイ(LCD)は、透明基板
とそれを覆うTFT多結晶半導体フィルムを含んで構成
され、該フィルムは、150cm2 /Vsを越える電子
移動度を有し、2V未満のしきい電圧をもち、0.5μ
mより大きい粒子サイズと10%未満の粒子サイズの均
一性を有する。
【0042】上記のTFT多結晶フィルムは、前述の方
法(ステップa〜c)により形成される。すなわち、溶
融前の結晶化率を有する微結晶フィルムをもたらす堆積
状態において、非晶質物質を堆積し、該微結晶フィルム
をアニールし、該アニール工程は微晶子を選択的に溶融
して溶融後の結晶化率を求め、さらに、溶融後の結晶化
率に応答する電子移動度を有するTFT多結晶フィルム
を形成する。
【0043】具体的には、本願発明は、以下のような種
々の構成を有している。
【0044】第1の半導体基板の製造方法は、基板上に
多結晶フィルムが形成された半導体基板の製造方法にお
いて、微晶子が埋設された非晶質物質を堆積して、微結
晶フィルムを基板上に形成する第一工程と、上記第一工
程により形成された微結晶フィルムに含まれる微晶子を
選択的に溶融するようにアニールする第二工程と、上記
第二工程で行われたアニールにより加熱溶融された微結
晶フィルムを冷却する第三工程とを含んでいることを特
徴としている。
【0045】上記の構成によれば、第二工程において、
微結晶フィルムに含まれる微晶子を選択的に溶融するこ
とで、第一多結晶粒子サイズと第一多結晶粒子サイズ均
一性を有する多結晶フィルムが形成され、さらに、第三
工程において、加熱溶融された微結晶フィルムを冷却す
ることにより、アニールにより残存し、埋設された微晶
子種結晶は、該多結晶フィルムで核形成サイトを形成す
るようになる。
【0046】これにより、最終的に形成された多結晶フ
ィルムは、微晶子種結晶から結晶粒子を成長させること
ができるので、結晶粒子が大きく、しかも、第二工程に
おけるアニール工程において微結晶フィルムを選択的に
溶融するようになるので、溶融にかかるエネルギー密度
(例えば、レーザアニールのレーザのエネルギー密度)
を大きくする必要がなくなる。
【0047】また、第二工程における微晶子の溶融後の
サイズを制御することにより、簡単に多結晶フィルム内
の結晶粒子サイズの制御が容易にできる。
【0048】また、第2の半導体基板の製造方法は、第
1の半導体基板の製造方法において、上記第二工程は、
上記第一工程で形成された微結晶フィルムが溶融を始め
る臨界温度まで加熱する第四工程と、上記第四工程にお
いて臨界温度まで加熱されたとき、上記第一工程で堆積
された微結晶フィルムに含まれる非晶質物質を溶解させ
ると共に、溶融非晶質物質中に未溶融の微晶子が埋設、
残存するように、選択的に該微結晶フィルム内の微晶子
が溶融するようにさらに加熱する第五工程と、第五工程
で溶融された非晶質物質を臨界温度まで冷却する第六工
程とを含み、上記第三工程は、上記第四工程で未溶融の
微晶子を核形成サイトとして、溶融された非晶質物質を
結晶化することを特徴としている。
【0049】上記の構成によれば、第五工程において加
熱状態を制御するだけで、形成される多結晶フィルムの
結晶の粒子サイズを、未溶融微晶子のサイズ及び密度に
応じて簡単に制御することができる。
【0050】また、第3の半導体基板の製造方法は、第
1の半導体基板の製造方法において、上記第一工程は、
微結晶フィルムからなる第一フィルムを覆うように、非
晶質物質フィルムからなる第二フィルムを堆積する工程
を含み、上記第二工程は、第二フィルムを溶融させるこ
とで、第一フィルムを部分的に溶融させる工程を含むこ
とを特徴としている。
【0051】上記の構成によれば、第二工程において、
第一フィルムの種結晶の密度とサイズを制御することに
よって、第二フィルム中の結晶粒子の形成を規制するこ
とができる。
【0052】また、第4の半導体基板の製造方法は、第
3の半導体基板の製造方法において、上記第一工程で
は、微晶子の密度が第一密度を有する第一フィルムを形
成するとともに、微晶子の密度が上記第一密度よりも小
さい第三密度を有する第二フィルムを形成し、上記第二
工程では、第一フィルムの微晶子の密度が第二密度とな
るように、該第一フィルムに含まれる多数の微晶子を溶
融させるとともに、第二フィルムの微晶子の密度が上記
第二密度よりも小さい選択的に第四密度となるように、
該第二フィルムの多数の微晶子を溶融させ、上記第三工
程では、主に第一フィルムの核形成サイトにおいて、第
一及び第二フィルム中の多結晶粒子を形成することを特
徴としている。
【0053】上記の構成によれば、第二工程により選択
的に微晶子を選択的に溶融することで、第一フィルム中
の微晶子種結晶の数を制御することができ、この結果、
第一及び第二フィルムの双方に対する核形成サイトとし
て使用することができる。
【0054】また、第5の半導体基板の製造方法は、第
4の半導体基板の製造方法において、上記第一工程で
は、第一フィルムは、フィルム厚さが少なくとも100
Å、第二フィルムは、フィルム厚さが900Å未満とな
るように形成されることを特徴としている。
【0055】また、第6の半導体基板の製造方法は、第
2の半導体基板の製造方法において、上記第五工程で
は、未溶融の非晶質物質中の微晶子の密度が所定値より
も小さくならないように、選択的に微晶子を溶融するこ
とを特徴としている。
【0056】上記の構成によれば、数制御された種結晶
を核形成サイトとして形成することができる。
【0057】また、第7の半導体基板の製造方法は、第
6の半導体基板の製造方法において、上記第一工程で
は、基板の第一の表面に隣接し、該第一の表面を覆う第
一の領域を形成するように微結晶フィルムを堆積し、上
記第五工程では、主に、上記第一の表面に隣接する第一
の領域の微晶子の密度が所定値よりも小さくならないよ
うに、選択的に該微結晶フィルムを溶融することを特徴
としている。
【0058】また、第8の半導体基板の製造方法は、第
1の半導体基板の製造方法において、上記第一工程で
は、堆積された微結晶フィルムに含まれる微晶子のサイ
ズを示す第一微晶子サイズと、上記微晶子の密度を示す
第一微晶子密度とに基づいて得られる、上記微結晶フィ
ルム内の微晶子が結晶化されている割合を示す第一微晶
子結晶化率が、約0.01から80%の範囲に設定され
るように、上記微結晶フィルムを堆積することを特徴と
している。
【0059】上記の構成によれば、得られた第一微晶子
結晶化率により、多結晶フィルムにおける結晶粒子のサ
イズ及び分布を規制することができる。
【0060】また、第9の半導体基板の製造方法は、第
1の半導体基板の製造方法において、上記第二工程で
は、微結晶フィルム中に含まれる微晶子のサイズが約1
000Åよりも小さくなるようにアニールすることを特
徴としている。
【0061】また、第10の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程におい
て堆積された微結晶フィルムの非晶質物質と微晶子と
は、シリコンからなることを特徴としている。
【0062】また、第11の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程におい
て堆積された微結晶フィルムの非晶質物質と微晶子と
は、シリコンゲルマニウム化合物からなることを特徴と
している。
【0063】また、第12の半導体基板の製造方法は、
第2の半導体基板の製造方法において、第一工程では、
第一微晶子サイズが平均第一微晶子サイズの周辺に分布
する第一分布関数を有する微晶子を形成することを特徴
としている。
【0064】また、第13の半導体基板の製造方法は、
第12の半導体基板の製造方法において、第五工程で
は、微晶子臨界サイズよりも小さい微晶子の消滅と微晶
子臨界サイズより大きい微晶子溶融前のサイズを有する
微晶子の部分的溶融によって決定された第二微晶子サイ
ズと第二微晶子密度を有する微晶子を形成する工程を含
んでいることを特徴としている。
【0065】上記の構成によれば、第五工程において、
微晶子臨界サイズよりも小さい微晶子の消滅と微晶子臨
界サイズより大きい微晶子溶融前のサイズを有する微晶
子の部分的溶融によって決定された第二微晶子サイズと
第二微晶子密度を有する微晶子を形成することにより、
アニール期間中に核形成サイトの数及び分布を変更する
ことができる。
【0066】また、第14の半導体基板の製造方法は、
第13の半導体基板の製造方法において、第五工程で
は、第二微晶子サイズが溶融後の第二平均微晶子サイズ
の周辺に分布する第二分布関数を有する微晶子を形成す
ることを特徴としている。
【0067】上記の構成によれば、第五工程において、
第二微晶子サイズが溶融後の第二平均微晶子サイズの周
辺に分布する第二分布関数を有する微晶子を形成するこ
とで、第二微結晶フィルムにおける微晶子密度を減少さ
せることができる。
【0068】また、第15の半導体基板の製造方法は、
第14の半導体基板の製造方法において、第一工程で
は、第一平均微晶子サイズ未満のサイズを有する微晶子
を、微結晶フィルム中に第一の割合で含まれるように形
成し、第五工程では、第二平均微晶子サイズ未満のサイ
ズを有する微晶子を、微結晶フィルム中に、上記第一の
割合よりも小さい第二の割合で含まれるように形成する
ことを特徴としている。
【0069】上記の構成によれば、第一工程において形
成された第一平均微晶子サイズ未満のサイズを有する微
晶子の微結晶フィルム中に含まれる割合が、第二工程に
おいて形成された第二平均微晶子サイズ未満のサイズを
有する微晶子の微結晶フィルム中に含まれる割合よりも
大きいことで、第二微結晶中に含まれる小さい微晶子を
溶融消滅させることができる。すなわち、第二微晶子密
度は第一分布関数によって決定される。
【0070】また、第16の半導体基板の製造方法は、
また、第15の半導体基板の製造方法において、第一工
程において、第一微晶子サイズの分布が非対称である第
一分布関数となるように、第一平均微晶子サイズよりも
小さいサイズを有する微晶子を、第一平均微晶子サイズ
よりも大きいサイズを有する微晶子よりも数多く含むよ
うに形成することを特徴としている。
【0071】上記の構成によれば、第五工程における、
微晶子サイズの非対称の配置及び小さい微晶子の溶融が
核形成サイトの密度を規制するように機能する。
【0072】また、第17の半導体基板の製造方法は、
第16の半導体基板の製造方法において、第三工程は、
第二微晶子密度及び第二微晶子サイズに応じて微晶子か
ら多結晶粒子を形成する工程を含むことを特徴としてい
る。
【0073】また、第18の半導体基板の製造方法は、
第17の半導体基板の製造方法において、第三工程で
は、非晶質物質凝固速度に応じて横方向成長速度で多結
晶粒子が形成されることを特徴としている。
【0074】上記の構成によれば、粒子サイズは、微晶
子核作成サイト間の間隔によって決定される最小サイズ
と横方向成長速度によって決定される最大サイズを有す
るようになる。
【0075】また、第19の半導体基板の製造方法は、
第13の半導体基板の製造方法において、第五工程で
は、微晶子間に約1μmの平均分離距離であり、且つ1
cm2あたり約1×108 、あるいはそれ以上の第二微
晶子密度を有する微晶子を形成することを特徴としてい
る。
【0076】また、第20の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程では、
所定の第一の結晶方位を有する微晶子が埋設された微晶
子フィルムを形成する工程を含み、上記第三工程では、
上記第一工程で形成された微晶子の第一結晶方位を持つ
ように、多結晶フィルムを形成する工程を含んでいるこ
とを特徴としている。
【0077】上記の構成によれば、共通の結晶方位の使
用により、粒子境界間にランダムな結晶方位の場合より
も大きな電荷移動が得られる。
【0078】また、第21の半導体基板の製造方法は、
第20の半導体基板の製造方法において、埋設された微
晶子の第一結晶方位は、(110)及び(111)から
なるグループから選ばれる方位であることを特徴として
いる。
【0079】また、第22の半導体基板の製造方法は、
第20の半導体基板の製造方法において、第二工程は、
第一結晶方位を持たない微晶子を選択的に消滅するよう
に、上記第一工程で形成された微晶子フィルムを加熱す
る工程を含み、第三工程は、残存微晶子の第一方位を有
するように多結晶フィルムを形成する工程を含んでいる
ことを特徴としている。
【0080】また、第23の半導体基板の製造方法は、
第13の半導体基板の製造方法において、第二工程は、
非晶質物質を溶融して微晶子を選択的に溶融するため
に、約308nmあるいはそれ以下の波長を有するエキ
シマレーザ結晶化プロセスを使用する工程を含んでいる
ことを特徴としている。
【0081】また、第24の半導体基板の製造方法は、
第23の半導体基板の製造方法において、第二工程は、
エキシマレーザ結晶化プロセスにおけるエネルギー密度
と、上記第一工程で得られた微晶子の第一微晶子結晶化
率とに基づいて得られる第二微晶子結晶化率を有する微
晶子を形成することを特徴としている。
【0082】また、第25の半導体基板の製造方法は、
第24の半導体基板の製造方法において、第四工程、第
五工程、第六工程、及び第三工程の順番のサイクルを複
数回繰り返して均一なサイズの結晶粒子を形成すること
を特徴としている。
【0083】また、第26の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第二工程のアニ
ールは、1から600秒の持続時間で、約800℃未満
の温度が使用できるラピッドサーマルアニールであるこ
とを特徴としている。
【0084】また、第27の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程では、
約1000Å未満の厚さを持つ微結晶フィルムを堆積す
ることを特徴としている。
【0085】上記の構成によれば、堆積される微結晶フ
ィルムの厚みが約1000Å未満であるので、この微結
晶フィルムから形成される多結晶フィルムは薄膜トラン
ジスタの作製に好適なものとなる。
【0086】また、第28の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程では、
SiH4 とH2 の混合ガスを使用するプラズマCVDプ
ロセスによって微結晶フィルムを堆積することを特徴と
している。
【0087】また、第29の半導体基板の製造方法は、
第28の半導体基板の製造方法において、プラズマCV
Dプロセスの堆積条件は、温度が約320℃、パワーレ
ベルが約0.16783W/cm2 、合計圧力が約1.
2Torr、SiH4 対H2の流量比が約100:1で
あることを特徴としている。
【0088】また、第30の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、低
圧CVD、超高真空CVD,及びホットワイアCVDか
らなる方法の何れかによって、微結晶フィルムを堆積す
ることを特徴としている。
【0089】また、第31の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、ジ
シラン(Si2 6 )、構造式SiN 2N+2で表わされ
る高級シラン(N>2)、及びシラン/フッ化シラン化
学物質の組み合わせであり、構造式SiN 2N+2/Si
M 2M+2(N≧1,M≧1)であらわされる組み合わせ
のグループから選ばれる化学物質を用いて、微結晶フィ
ルムを堆積する工程を含むことを特徴としている。
【0090】また、第32の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、基
板としての透明基板上に、微結晶フィルムを堆積する工
程を含むことを特徴としている。
【0091】上記の製造方法により得られる半導体基板
は、液晶表示装置におけるTFT多結晶フィルムを有す
る半導体基板として好適に用いられる。
【0092】また、第33の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、1
秒あたり2Å未満の微結晶フィルムの堆積速度により微
結晶フィルムを堆積することを特徴としている。
【0093】また、第34の半導体基板の製造方法は、
第33の半導体基板の製造方法において、第一工程は、
0.01%から25%の範囲にある第一微晶子結晶化率
を有する微晶子を形成することを特徴としている。
【0094】また、第35の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、プ
ラズマCVD法で微結晶フィルムを堆積する工程を含
み、上記微結晶フィルムの堆積条件は、20Å/s未満
の堆積速度と約100から400℃の範囲にある堆積温
度であることを特徴としている。
【0095】また、第36の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、低
圧CVD法で微結晶フィルムを堆積する工程を含み、上
記微結晶フィルムの堆積条件は、20Å/s未満の堆積
速度と約560℃の堆積温度であることを特徴としてい
る。
【0096】また、第37の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、約
1.8eVあるいはそれ以上の光学的ギャップを有する
微結晶フィルムを堆積することを特徴としている。
【0097】また、第38の半導体基板の製造方法は、
第1の半導体基板の製造方法において、第一工程は、約
470cm-1を越える波数が横方向−光学的フォノンラ
マンピークの中心であり、70cm-1未満の半値全幅を
有する微結晶フィルムを形成する工程を含むことを特徴
としている。
【0098】また、第39の半導体基板の製造方法は、
十分に非晶質な物質からなる透明基板上に多結晶フィル
ムの薄膜トランジスタが形成された半導体基板の製造方
法において、全体の厚さが約500Å未満となるように
微結晶フィルムを得るために、SiH4 とH2 の混合ガ
スを使用するプラズマCVDプロセスにより、約320
℃の温度において、約0.16783W/cm2 のパワ
ーレベルを用い、約1.2Torrの合計圧力、及びS
iH4 対H2 の流量比、約100:1を使用し、10Å
/s未満の堆積速度と約380℃の堆積温度で、非晶質
物質を堆積して微結晶フィルムを形成する第11工程を
含み、約308nmあるいはそれ以下の波長を用いるエ
キシマレーザ結晶化プロセスを使用し上記第11工程で
形成された微結晶フィルムを加熱し、微晶子が結晶化さ
れる割合を示す結晶化率が0.01%から25%の範囲
となるように微晶子を形成する第12工程と、非晶質物
質の臨界温度以上に加熱し、上記第12工程により形成
された微晶子を選択的に溶融した後、非晶質物質の臨界
温度まで冷却することにより、150cm2 /Vsを越
える電子移動度を有する多結晶フィルムを形成する第1
3工程とを含むことを特徴としている。
【0099】また、第40の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、透明基板と、該透明基板を覆うようにし
て形成されたTFT多結晶フィルムを有する液晶表示装
置用半導体基板の製造方法において、上記透明基板を覆
った状態で、第一微晶子結晶化率を有するように第一微
結晶フィルムを堆積するフィルム堆積工程と、第二微晶
子結晶化率を有する第二微結晶フィルムを形成するため
に、堆積された第一微結晶フィルムの微晶子をアニール
して選択的に溶融するアニール工程と、上記アニール工
程により加熱溶融された第二微結晶フィルムを冷却する
ことにより、該第二微結晶フィルム中に残存している微
晶子から多結晶フィルムの結晶粒子を形成する結晶粒子
形成工程とを含み、上記各工程によりTFT多結晶フィ
ルムを形成することを特徴としている。
【0100】上記の構成によれば、TFT多結晶半導体
フィルムは、150cm2 /Vsより大きい電子移動
度、2ボルト未満のしきい電圧、0.5ミクロンをより
大きい粒子サイズ及び10%未満の粒子サイズ均一性を
有するようになり、高電子移動度と低しきい値電圧とを
有する半導体基板を実現することができる。
【0101】また、TFT多結晶フィルムの電子移動度
は第二微晶子密度により決定される。また、第一微結晶
フィルムの堆積条件とアニールプロセスは該第二結晶化
率と第二微晶子密度を規制する。
【0102】また、第41の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程は、第一微結晶フィルム
に含まれる非晶質物質を溶解させ、選択的に微晶子を溶
解させて、溶融非晶質物質中に未溶融の微晶子を埋設、
残存させることを特徴としている。
【0103】上記の構成によれば、多結晶フィルムの粒
子サイズは未溶融微晶子のサイズ及び密度に反応するよ
うになる。
【0104】また、第42の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程は、第一微結晶フィルム
を覆って堆積された第二非晶質物質フィルムを溶融させ
ることにより、第一フィルムを部分的に溶融させること
を特徴としている。
【0105】上記の構成によれば、第一フィルムの種結
晶の密度とサイズを制御することによって、該第二フィ
ルム中の結晶粒子の形成が規制される。
【0106】また、第43の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第42の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、微晶子の密度
が第一密度となるように第一微結晶フィルムを形成する
と共に、微晶子の密度が第一密度未満の第三密度となる
ように第二非晶質物質フィルムを形成し、アニール工程
では、微晶子の密度が第二密度となるように第一微結晶
フィルムの多数の微晶子を溶融させるとともに、微晶子
の密度が該第二密度未満の第四密度となるように、選択
的に第二非晶質物質フィルムの多数の微晶子を溶融さ
せ、結晶粒子成長工程では、主に第一微結晶フィルムの
核形成サイトにおいて、第一微結晶フィルム及び第二非
晶質物質フィルム中に多結晶粒子を形成することを特徴
としている。
【0107】上記構成によれば、第一フィルム中の微晶
子種結晶の数を制御して、第一及び第二フィルムの双方
に対する核形成サイトとして使用することができる。
【0108】また、第44の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第43の半導体基板の製造方法におい
て、フィルム堆積工程では、フィルム厚さは少なくとも
100Åになるように第一微結晶フィルムを堆積すると
共に、フィルム厚さが900Å未満になるように第二非
晶質物質フィルムが上記第一微結晶フィルムを覆うよう
に堆積することを特徴としている。
【0109】また、第45の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第41の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程では、未溶融の非晶質物
質中に微晶子の密度が第二密度となるように、微晶子を
選択的に溶融することを特徴としている。
【0110】上記の構成によれば、アニール工程におい
て、未溶融の非晶質物質中に微晶子の密度が第二密度と
なるように、微晶子を選択的に溶融することで、微晶子
からなる種結晶の数を制限することができる。そして、
この数制御された種結晶を核形成サイトとして形成でき
る。
【0111】また、第46の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第45の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、上記透明基板
に隣接しそれを覆う第一の領域を有する第一微結晶フィ
ルムを堆積し、アニール工程では、上記透明基板に隣接
する第一の領域における微晶子の密度が第二密度となる
ように選択的に上記第一微結晶フィルムを溶融すること
を特徴としている。
【0112】また、第47の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、第一微晶子サ
イズと第一微晶子密度とに基づいて得られる第一微晶子
結晶化率が、約0.01から80%の範囲となるように
第一微結晶フィルムを堆積することを特徴としている。
【0113】上記の構成によれば、フィルム堆積工程で
は、第一微晶子サイズと第一微晶子密度とに基づいて得
られる第一微晶子結晶化率が、約0.01から80%の
範囲となるように第一微結晶フィルムを堆積すること
で、結晶化率は結晶粒子のサイズ及び分布を規制のため
に使用されることが分かる。
【0114】また、第48の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程では、約1000Å未満
のサイズを有する微晶子を形成することを特徴としてい
る。
【0115】また、第49の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、第一微結晶フィルムは、シリコンであ
る非晶質物質及び微晶子を含むことを特徴としている。
【0116】また、第50の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、第一微結晶フィルムは、シリコンゲル
マニウム化合物である非晶質物質及び微晶子を含むこと
を特徴としている。
【0117】また、第51の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第41の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、第一微結晶フィルムは、第一微晶子サ
イズである第一平均微晶子サイズを有するとともに、微
晶子サイズが第一平均微晶子サイズの周辺に分布する第
一分布関数を有する微晶子を含むことを特徴としてい
る。
【0118】また、第52の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第51の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程では、微晶子臨界サイズ
よりも小さい微晶子の消滅と臨界サイズより大きい溶融
前サイズを有する微晶子の部分的溶融により、第二微晶
子サイズ及び密度を有する微晶子を形成することを特徴
としている。
【0119】上記の構成によれば、アニール工程におい
て、微晶子臨界サイズよりも小さい微晶子の消滅と臨界
サイズより大きい溶融前サイズを有する微晶子の部分的
溶融により、第二微晶子サイズ及び密度を有する微晶子
を形成することにより、アニール期間中に核形成サイト
の数及び分布を変更することができる。
【0120】また、第53の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第52の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程では、溶融後の平均微晶
子サイズである第二微晶子サイズが、第二平均微晶子サ
イズの周辺に分布する第二分布関数となるように第一微
結晶フィルムを溶融することを特徴としている。
【0121】上記の構成によれば、アニール工程におい
て、溶融後の平均微晶子サイズである第二微晶子サイズ
が、第二平均微晶子サイズの周辺に分布する第二分布関
数となるように第一微結晶フィルムを溶融することで、
微晶子密度が減少する。
【0122】また、第54の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第53の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程では、上記第一微結晶フ
ィルムは、上記第一平均微晶子サイズ未満のサイズを有
する微晶子の第一割合で堆積され、第二平均微晶子サイ
ズ未満のサイズを有する微晶子の上記第一割合よりも小
さな第二割合で第二微結晶フィルムを形成することを特
徴としている。
【0123】上記の構成によれば、アニール工程におけ
る、微晶子サイズの非対称の配置及び小さい微晶子の溶
融が核形成サイトの密度を規制するように機能する。
【0124】また、第55の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第54の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、第一平均微晶子サイズよりも小さい微
晶子を第一平均微晶子サイズよりも大きい微晶子よりも
数多く含んで、非対称である第一分布関数を有するよう
に第一微結晶フィルムを堆積することを特徴としてい
る。
【0125】上記の構成によれば、微晶子サイズの非対
称の配置及びアニール中のより小さい微晶子の溶融が核
形成サイトの密度を規制するように機能する。
【0126】また、第56の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第55の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、結晶粒子形成工程では、非晶質物質凝
固速度に応答する横方向成長速度に応じて多結晶粒子を
形成することを特徴としている。
【0127】上記の構成によれば、粒子サイズは、微晶
子核作成サイト間の間隔によって決定される最小サイズ
と横方向成長速度によって決定される最大サイズを有す
ることができる。
【0128】また、第57の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第52の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程では、微晶子間に約1μ
mの平均分離距離であり、且つ1cm2 あたり約1×1
8 、あるいはそれ以上の第二微晶子密度を有する微晶
子を形成することを特徴としている。
【0129】また、第58の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程における微結晶フィルム
堆積工程では、所定の第一の結晶方位を有する微晶子を
形成することを特徴としている。
【0130】上記の構成によれば、共通の結晶方位の使
用により、粒子境界間にランダムな結晶方位の場合より
も大きな電荷移動をもたらすことができる。
【0131】また、第59の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第58の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、微晶子の第一結晶方位は、(110)
及び(111)からなるグループから選ばれる方位であ
ることを特徴としている。
【0132】また、第60の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第58の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程は、第一結晶方位を持た
ない微晶子を選択的に消滅するように、該微晶子フィル
ムを加熱し、残存微晶子の第一方位を有するように多結
晶フィルムを形成する工程を含んでいることを特徴とし
ている。
【0133】また、第61の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第52の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程は、非晶質物質を溶融す
るとともに選択的に微晶子を溶融するために、約308
nmあるいはそれ以下の波長を有するエキシマレーザ結
晶化プロセスが用いられていることを特徴としている。
【0134】また、第62の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第61の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程は、エキシマレーザ結晶
化プロセスにおけるエネルギー密度と、上記第一工程で
得られた微晶子の第一微晶子結晶化率とに基づいて得ら
れる第二微晶子結晶化率を有する微晶子を形成すること
を特徴としている。
【0135】また、第63の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第62の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程は、複数回のレーザショ
ットを通じるサイクルを繰り返して行うことを特徴とし
ている。
【0136】また、第64の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、アニール工程では、1から600秒の
持続時間で、約800℃未満の温度を使用するラピッド
サーマルアニール工程により微結晶フィルムを溶融する
ことを特徴としている。
【0137】また、第65の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、1000Å未
満の厚さで第一微結晶フィルムを堆積することを特徴と
している。
【0138】また、第66の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、SiH4 とH
2 の混合ガスを使用するPECVDプロセスによって第
一微結晶フィルムの堆積を行うことを特徴としている。
【0139】また、第67の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第66の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、微結晶フィルムの堆積は、温度が約3
20℃、レーザ出力が約0. 16783W/cm2 、合
計圧力が約1.2Torr、SiH4 対H2 の流量比が
約100:1の条件で行われることを特徴としている。
【0140】また、第68の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、低圧CVD、
超高真空CVD、及びホットワイアCVDからなるグル
ープから選ばれる何れかのプロセスにより第一微結晶フ
ィルムを堆積することを特徴としている。
【0141】また、第69の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、ジシラン(S
26 )、構造式SiN 2N+2であらわされる高級シ
ラン、ここでは、Nは2より大きい、及びシラン/フッ
化シラン化学物質の組み合わせであり、構造式、Si N
2N+2/SiM 2M+2、ここでは、NとMは1以上ある
いは1に等しい、であらわされる組み合わせからなるグ
ループから選ばれる化学物質を用いて、第一微結晶フィ
ルムを堆積することを特徴としている。
【0142】また、第70の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、第一微結晶フ
ィルムの堆積速度が、1秒あたり2Å未満に設定されて
いることを特徴としている。
【0143】また、第71の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第70の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、微結晶フィルムは、微晶子が微結晶フ
ィルム中に含まれる割合を示す結晶化率が0.01%か
ら25%の範囲となるように堆積されることを特徴とし
ている。
【0144】また、第72の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、堆積速度が2
0Å/s未満、堆積温度が約100から400℃の範囲
である堆積条件によりプラズマCVD法で第一微結晶フ
ィルムを堆積することを特徴としている。
【0145】また、第73の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、堆積速度が2
0Å/s未満、堆積温度が約560℃である堆積条件に
より低圧CVD法で第一微結晶フィルムを堆積すること
を特徴としている。
【0146】また、第74の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、約1.8eV
あるいはそれ以上の光学的ギャップをもって第一微結晶
フィルムを堆積することを特徴としている。
【0147】また、第75の液晶表示装置用半導体基板
の製造方法は、第40の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法において、フィルム堆積工程では、約470cm
-1を越える波数が横方向−光学的フォノンラマンピーク
の中心であり、70cm-1未満の半値全幅を有するよう
に第一微結晶フィルムを堆積することを特徴としてい
る。
【0148】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態で
は、半導体基板として、液晶表示装置に用いられるTF
T多結晶シリコンフィルムを含んでいる半導体基板につ
いて説明する。
【0149】本発明では、非晶質シリコン(a−Si)
から多結晶シリコン(p−Si)への相変化の観点から
エキシマレーザアニール(ELA)処理が記述されてい
る。
【0150】微結晶シリコン(μc−Si)をレーザア
ニールして得られた多結晶シリコンフィルムは、レーザ
アニールされた非晶質シリコンフィルムよりも大きな粒
子サイズとなっている。この粒子サイズの向上は、レー
ザアニール中の溶融工程で残存した微結晶フィルム中の
埋没核形成種によりもたらされる。堆積状態の改良を通
じ、堆積フィルム構成を適切に設計することによって、
ELA処理後の多結晶シリコンフィルムの粒子サイズを
すくなくとも2倍に増加することができる。
【0151】ここで、レーザアニール処理前の微結晶シ
リコンフィルムの結晶化率と、PECVD法によるシリ
コンフィルム(微結晶フィルム)の堆積速度との関係を
示すグラフを図3に示す。図3において、●は分光学偏
光解析法、○はラマン分光法による測定結果を示してい
る。
【0152】堆積速度は、溶融前の結晶化率に重要な関
係を有している。つまり、図3において、微結晶フィル
ムの堆積速度が1秒あたり2Å未満の場合は、80%程
度の高い結晶化率が得られる。また、0.01%から5
0%の範囲の結晶化率を得るためには、より大きい堆積
速度が使用される。好適には、微結晶フィルムは、PE
CVD方式を使用し、10Å/s未満の堆積速度及び約
380℃の堆積温度により堆積される。
【0153】そして、上述のように堆積された微結晶シ
リコンフィルムをレーザアニール処理して得られた多結
晶シリコンフィルムの粒子特性の計測は以下のようにし
て行われる。
【0154】多結晶シリコンフィルムの粒子特性の計測
は、デジタル化されたバージョンのTEMマイクログラ
フによって行われる。粒子特性には、粒子面積、粒子周
囲長、粒子長径、粒子短径、及び粒子形状ファクタ等が
ある。最後の特性(粒子形状ファクタ)は、粒子がどの
程度丸いかを示すもので、その計測値(粒子形状ファク
タ)Sfは、以下の(1)式で定義される。
【0155】 Sf= 4π・(area)/(perimeter )2 ・・・(1) ここで、上記(1)式のareaは粒子面積、perimeter は
粒子周囲長を示す。
【0156】この定義によれば、完全円はSf=1.0
の粒子形状ファクタを有し、線はゼロに近い粒子形状フ
ァクタを有していることになる。
【0157】本発明のレーザアニール処理された多結晶
シリコンフィルムの粒子は、平均粒子形状ファクタが
0.72から0.74の範囲にあるので、充分に規則的
形状(等軸)をもつ粒子であることが分かる。
【0158】上記粒子の等価粒径は、計測長径及び短径
に基づいて定義される。この等価粒径は、長径及び短径
の相乗平均によって、以下の(2)式で与えられる。
【0159】 r = √(a・b) ・・・・・・・・・・・(2) ここで、上記(2)式中、rは等価粒径、aは粒子の長
径、及びbは粒子の短径を示す。
【0160】図4は、粒子サイズと粒子数との関係、す
なわち粒子サイズ均一性の概念を示すグラフである。粒
子サイズの均一性は、平均粒子サイズ(μ)に対する標
準偏差(σ)の割合として定義される。図4に示すグラ
フは、非晶質シリコンフィルム(点線)及び微結晶シリ
コンフィルム(実線)を前駆物質として、エキシマレー
ザ結晶化によって得られた多結晶シリコンフィルムの典
型的な粒子サイズの分布を示している。
【0161】図4に示すグラフでは、各分布の平均粒子
サイズ(μ)及び標準偏差(σ)の数値が示される。す
なわち、非晶質シリコンフィルムを前駆物質とした場合
の多結晶シリコンフィルムの平均粒子サイズμは270
nm、標準偏差σは85nmであり、微結晶シリコンフ
ィルムを前駆物質とした場合の多結晶シリコンフィルム
の平均粒子サイズμは305nm、標準偏差σは30n
mとなっている。
【0162】粒子サイズの均一性は、まず、標準偏差を
平均で割り、得られた数値に100がかけられた値で示
される。図4で示した微結晶シリコンフィルムが前駆物
質である場合の多結晶シリコンフィルムの粒子サイズの
均一性は、9.8%となり、図4で示した非晶質シリコ
ンフィルムが前駆物質である場合の多結晶シリコンフィ
ルムの粒子サイズの均一性は、31.5%となる。
【0163】このことから、多結晶シリコンフィルムを
形成する際の前駆物質としては、微結晶シリコンフィル
ムを用いた場合の粒子サイズの均一性がよいことが分か
る。
【0164】ここで、本発明の半導体基板の製造方法に
ついて説明する。なお、この半導体基板は、上述したよ
うに、高電子移動度と低しきい値電圧とを有する多結晶
フィルムを含んでいる。
【0165】高電子移動度と低しきい電圧と有する多結
晶フィルムの製造方法について、図1および2に示すフ
ローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0166】まず、非晶質物質を供給する(ステップS
1)。
【0167】次に、本願発明の第一工程として、微結晶
フィルムを堆積する(ステップS2)。ここでは、所定
の第一の微晶子密度と所定の第一の微晶子サイズを有す
る微晶子を埋没させた非晶質物質を堆積することにより
微晶子フィルムを堆積する。一般的に、堆積される非晶
質物質および微晶子にはシリコンが使用される。また、
堆積される非晶質物質および微晶子はシリコン−ゲルマ
ニウム化合物であってもよい。
【0168】このようにして、微結晶フィルムは堆積さ
れ形成される。一般的に、ステップS2は、約1000
Å未満の厚さを有する微結晶フィルムを堆積する工程を
含んでおり、これによって、得られる多結晶フィルムは
薄膜トランジスタの製造には好適なものとなる。さら
に、堆積された微結晶フィルムの好適な膜厚は、約40
0Å未満である。
【0169】続いて、本願発明の第二工程として、ステ
ップS2で堆積された微結晶フィルムに対してアニール
処理を施す(ステップS3)。なお、微結晶に対するア
ニール処理についての詳細は、後述する。
【0170】次いで、本願発明の第三工程として、ステ
ップS2で堆積された微結晶フィルムの微晶子密度と、
S3でアニール処理された微結晶フィルムの状態とに応
じて、第一粒子サイズ、第一均一性、第一電子移動度を
有するた多結晶シリコンフィルムを生成する(ステップ
S4)。すなわち、形成された微結晶フィルム内の晶子
の第一の密度と晶子の第一のサイズと、ステップS3で
のアニール処理結果とに応じて、0.5μmより大きい
第一の多結晶粒子サイズと10%未満の第一の多結晶粒
子サイズ均一性を有する多結晶フィルムを形成する。
【0171】最後に、生成物、すなわちアニール処理か
ら残存する微晶子の核形成サイトから形成された多結晶
フィルムを得る(ステップS5)。
【0172】上記のステップS1において、供給される
非晶質物質としては、ガラス、水晶、及びプラスチック
からなるグループより選ばれた透明基板が好適に使用さ
れる。
【0173】このように透明基板が使用される場合、ス
テップS2では、ステップS1において供給された透明
基板上に微結晶フィルムを堆積するようになっている。
このようにして、液晶表示装置(LCD)を構成する半
導体基板上のTFT膜に好適な多結晶フィルムが形成さ
れる。
【0174】上記ステップS3におけるアニール処理で
は、図2のフローチャートに示すように、ステップS1
1〜S13までのサブステップが含まれる。
【0175】本願発明の第四工程としてのステップS1
1では、図1に示すステップS2で堆積された微結晶フ
ィルムを臨界温度まで加熱する。臨界温度では、非晶質
物質及び微晶子は溶融し始める。非晶質物質の臨界温度
は、微晶子(単結晶材料)のそれよりも低い。さらに、
以下に説明するように、非晶質物質及び微晶子の溶融速
度は異なっている。したがって、溶融の計算は複雑であ
り、物質、温度、及び溶融速度が関係する。
【0176】本願発明の第五工程としてのステップS1
2では、微結晶フィルムの溶融するようになっている。
すなわち、ステップS12は、アニール処理における溶
融段階を示しており、この段階は、ステップS11での
臨界温度への到達と図1に示すステップS2で堆積され
た第一の微晶子サイズに呼応している。
【0177】つまり、ステップS12では、非晶質物質
が溶融され、微晶子が選択的に溶融されるとともに、溶
融非晶質物質中に埋没した状態で、未溶融の微晶子が残
存する。一般的には、上記非晶質物質は、それが臨界温
度以上に保たれるかぎりは溶融し続ける。
【0178】本願発明の第六工程としてのステップS1
3では、溶融非晶質物質の冷却を行うようになってい
る。すなわち、ステップS13は、アニール処理におけ
る冷却段階を示しており、そこでは、ステップS12で
の溶融物質が臨界温度まで冷却される。
【0179】アニール処理においてレーザが使用される
場合、レーザ照射は一般にステップS11で行なわれ、
微結晶フィルム中に与えられたエネルギーはステップS
12において微結晶フィルムを溶融させる。最後に、微
結晶フィルムは臨界温度まで冷却される。多結晶フィル
ムの一部領域においては、ステップS13の後に、図1
に示すステップS4に移行する。
【0180】しかしながら、フィルムを全体として考慮
すると、該フィルムが異なるフィルム領域で異なる温度
と異なる温度勾配を持つため、ステップS13における
処理と図1に示すステップS4における処理のタイミン
グが一致するか、あるいは、ステップS4の処理がステ
ップS13の処理に先行する場合もある。
【0181】いずれにせよ、ステップS4は、ステップ
S12で溶融された非晶質物質を、未溶融の微晶子を核
形成サイトとして使用することによって、結晶化する工
程を含み、それによって、多結晶フィルム粒子サイズを
未溶融の微晶子のサイズ及び密度に反応させる。
【0182】ステップS4は、物質が温度変化において
必ずしも結晶構造を形成しない点で、ステップS13と
異なっている。該物質は、以下により詳細に述べるよう
に横方向成長速度に沿って、結晶化される。
【0183】具体的には、本発明の方法によれば、ステ
ップS5の処理で得られる生成物は、少なくとも約1ミ
クロンの第一の粒子サイズと、約10%未満の第一の均
一性、すなわち、粒子サイズ差、と約150cm2 /V
sを越える第一の電子移動度を有する。
【0184】図5は、PECVD法におけるSiH4
量と非晶質フィルムの堆積速度間の関係を示すグラフで
ある。
【0185】本発明の一つの態様においては、シリコン
フィルムは、広い範囲の条件にわたってPECVDによ
り堆積される。シリコンフィルムの堆積速度は、堆積層
の微小構造を決定する上で重要なファクタとなる。この
堆積速度に影響を与えるキーファクタは、反応ガス流
(SiH4 及びH2 )と処理圧力である。プラズマパワ
ーが0.15W/cm2 から0.30W/cm2 の範囲
であれば、該プラズマパワーの影響は少ない。堆積温度
が320℃から390℃の範囲であれば、該堆積温度に
対して過敏性は少ない。
【0186】シラン(SiH4 )のプラズマ分解中に
は、複雑な化学反応のネットワークが一般的生じる。し
かしながら、その正味の反応は以下の反応式(3)で示
される。
【0187】 SiHx (plasma)←→Si(solid )+xH(plasma) ・・・・(3) 上記の反応式(3)において、順方向反応はフィルム堆
積を表し、逆方向反応はフィルム“エッチング”を表し
ている。フィルムの正確な成長率は、これら二つの反応
間のバランスに依存する。標準的な堆積条件のもとで
は、該反応はその平衡点から遠ざかり、フィルム堆積を
もたらす。しかしながら、ここで注目すべきは、未希釈
のソースガスの場合でさえ、逆反応“エッチング”は発
生するということである。
【0188】また、シラン流速及び/又は全体圧力の増
加は、順方向反応率の増加(堆積率の増加)をもたら
す。ソースガスに水素を加えることによって、反応式
(3)で述べた反応は反対方向に加速される。こうし
て、水素はフィルム侵食を促進することによって、フィ
ルムの堆積率を効果的に減少させる。この“侵食”機構
は、エネルギー的に非好適である構造の除去をもたら
し、一般的に、シリコン原子の弱い結合を生みがちであ
る。
【0189】また、結晶相は最低エネルギー構造である
ため、それは、しばしば、残存構造となる。高温度での
処理とは異なり、PECVD処理における一般的な低温
での処理は、粒子成長を制限し、獲得される一般的な材
料は、微結晶シリコンである。しかしながら、微細多結
晶シリコン構造を得ることができる。
【0190】プラズマパワーの増加は、“エッチング”
反応率を増加させるためのもうひとつの方法である。し
かしながら、順方向反応速度もまた加速され、その結
果、堆積フィルムの構造特性に対する正味の影響はそれ
ほど重要でなくなる。
【0191】以上のことを鑑みて、図1および図2に示
すアニール処理に戻り、本発明のいくつかの態様につい
て説明する。
【0192】ステップS2は、SiH4 とH2 の混合ガ
スを使用するPECVD処理によって、微結晶フィルム
を堆積する工程を含む。また、ステップS2は、約32
0℃の温度において、1cm2 あたり約0.16783
Wの電力レベルを用い、約1.2Torrの合計圧力、
及びSiH4 対H2 の流量比、約100:1を使用し、
微結晶フィルムを堆積する工程を含む。
【0193】あるいは、ステップS2は、低圧CVD
(LPCVD)、超高真空CVD、及びホットワイアC
VDからなるグループから選ばれるプロセスを通じて微
結晶フィルムを堆積する工程を含むが、好適な方法はP
ECVDである。
【0194】堆積方法にはかかわらず、ステップS2
は、ジシラン(Si2 6 )、化学式SiN 2N+2であ
らわされる高級シランからなるグループから選ばれる化
学物質を通じて、微結晶フィルムを堆積する工程を含
む。ここで、化学式SiN 2N+2であらわされる高級シ
ランは、Nが2より大きく、シラン/フッ化シラン化学
物質の組み合わせであり、構造式、SiN 2N+2/Si
M 2M+2、ここの構造式では、NとMは1以上あるいは
1に等しく、MとNは等しい必要はない。
【0195】上述のように、ステップS2が、1秒あた
り2Å未満の微結晶フィルム堆積速度を有するとき、好
適な結果が得られる。
【0196】具体的には、ステップS2は、PECVD
法で微結晶フィルムを堆積する工程を含んでいる場合、
堆積条件は、堆積速度が20Å/s未満であり、堆積温
度が約100℃から400℃の範囲に設定されている。
約4Å/sの堆積速度と約320℃の堆積温度が効果的
であることが分かっている。
【0197】あるいは、ステップS2は、LPCVD法
で微結晶フィルムを堆積する工程を含んでいる場合、堆
積条件は、堆積速度が20Å/s未満、堆積温度が約5
60℃に設定されている。
【0198】微結晶と堆積条件間の既知の関係に基づ
き、本発明の一つの基本は、堆積状態の微結晶とELA
プロセス後の材料特性(すなわち、粒子サイズ)間の相
互関係にある。
【0199】ここで、多結晶シリコン(Poly-Si)フィル
ムの粒子サイズと照射されたレーザエネルギー密度との
関係のグラフを図6に示す。つまり、図6は、多結晶シ
リコンの平均粒子サイズをレーザエネルギー密度とフィ
ルムの結晶含有率の関数としてまとめたものである。こ
こで、結晶含有率cは、0%、5%、20%の場合につ
いて図示している。一般に、図3に示すように、フィル
ムの結晶含有率は堆積速度によって制御される。レーザ
アニールは、450℃の基板温度において、真空状態で
行なわれる。
【0200】図6から、粒子サイズとフィルムの堆積速
度間の強い相互関係を示していることが分かる。厳密に
言えば、2つの依存体質が区別されることが分かる。す
なわち、図6から、低エネルギー密度値(<240mJ
/cm2 )では、粒子サイズの結晶含有率cに対する目
立った依存性は見られない。しかしながら、中及び高エ
ネルギー密度値では、結晶含有率cが増加する(フィル
ムが低い堆積速度で堆積されるとき)につれて、平均粒
子サイズが益々大きくなる状態で、粒子サイズと結晶含
有率c間に強い相互関係が見られることが分かる。
【0201】以下の説明により、図6の結果について明
らかにする。
【0202】堆積状態のフィルムが埋没晶子を持たない
とき、すなわちフィルムのアニール前の結晶含有率cが
0%のとき、約320mJ/cm2 のレーザエネルギー
密度のもとで達成される最大粒子サイズは、約460n
mである。
【0203】また、フィルムのアニール前の結晶含有率
cが5%のとき、堆積状態のフィルムは微結晶相を有す
る多結晶フィルムとなるので、この多結晶フィルムの粒
子サイズは、ずっと低いエネルギー密度(約280−2
90mJ/cm2 )で改善することができる。同様に、
入力レーザエネルギーの変化に対する粒子サイズの変化
性は、埋没シードの使用により本来的にもたらされる核
形成過程の制御によって、微結晶フィルムにおいてずっ
と優れたものとなる。
【0204】フィルムのアニール前の結晶含有率を改
善、例えばc=20%に改善することによって、多結晶
フィルムの粒子サイズはさらに増大させることができ
る。
【0205】以上のように、アニール前のフィルムの微
結晶含有率及び選択エネルギー密度によっては、アニー
ル後のフィルムの粒子サイズを、非晶質シリコン前駆物
質と比べて、すくなくとも2から3倍増大させることが
できる。
【0206】このモデルにおける一つの重大な予測は、
堆積状態の微小構造の相関要素として最適なレーザエネ
ルギー密度に関連している。同じエネルギー密度におい
て、微結晶材料は、非晶質材料よりも大きな粒径を形成
する傾向にあることが分かる。
【0207】つまり、このことは、同じ品質特性を達成
するためにより小さなレーザエネルギーしか必要としな
いことと同様であると考えられる(例えば、約340n
mの粒子サイズはフィルムが堆積速度10Å/sで堆積
されるとき、310mJ/cm2 を必要とするが、フィ
ルムが堆積速度2Å/sで堆積されるときは、250m
J/cm2 しか必要としない)。
【0208】したがって、最適なエネルギー密度レベ
ル、すなわち粒子サイズを最大化するエネルギー密度レ
ベルは、非晶質フィルムに対するよりも、微結晶フィル
ムに対するほうが小さくてすむ。このことは重要であ
る、なぜなら、操作レーザエネルギー密度の減少は、基
板ダメージとストレス及び使用要件の減少をもたらすか
らである。
【0209】上記内容を考慮し、図1および図2のフロ
ーチャートに戻って説明を加える。
【0210】ステップS13は、選択的に、微晶子を溶
融させ未溶融の非晶質物質中に第二の密度の微晶子を残
留させる工程を含み、これによって核形成サイトとし
て、その数を制御された種結晶を生成する。
【0211】本発明のいくつかの態様では、第一の表面
として透明基板が与えられる。ステップS2では、微結
晶フィルムが第一の表面に堆積される。微結晶フィルム
は、第一表面に隣接しそれを覆う第一領域を有し、ステ
ップS3では、選択的に該微結晶フィルムを溶融させ、
微晶子の第二密度は、主として第一表面に隣接する第一
の領域に存在する。
【0212】すなわち、微晶子は、アニール処理中に、
そのサイズに呼応するばかりでなく、その位置に呼応し
て溶融される。同様のサイズをもつ微晶子は、熱源から
離れるにしたがって、溶融されにくいため、透明基板に
隣接する微晶子は、アニール処理から残存して核形成サ
イトとして機能しやすくなる。つまり、微晶子の熱源か
らの距離、あるいは冷却基板への微晶子の近接している
か否かが、微晶子の溶融のしかたを決定する要因とな
る。
【0213】図7は、一次元的に非晶質物質中の微晶子
の配置を示すした説明図である。
【0214】各微晶子は、距離“x”をもって分離して
いる。図示された16の微晶子に関して、微晶子の面積
密度は16/9x2 として表される。一般的に、以下の
(4)式で表わされる。
【0215】 n2 /(n−1)2 2 ・・・・・・・・・・・(4) ここで、上記(4)式において、nは微晶子の数を示
す。そして、このnが無限値に近づくにつれ、該(4)
式は以下の(5)式のようになる。
【0216】 1/x2 ・・・・・・・・・・・(5) 微晶子サイズに関して、微晶子は円筒形であり、その径
を“d”、その高さを“f・t”であると仮定する(t
はフィルム厚さを示し、fは0と1の間の数である)。
したがって、その体積は以下の(6)式のように表され
る。
【0217】 V =(n・d2 /4)(f・t) ・・・・・・・・・・・(6) n×nの面積、つまりn2 の面積を有するブロックにお
いて、以下の関係が計算される。ここで、nは、センチ
メータ等の寸法長さを示す。 全体積 n2 ・t 微晶子の全体数 n2 /x2 微晶子の体積 (n2 /x2 )(n・d2 /4)(f・t) 結晶の割合 [(n2 /x2 )(n・d2 /4)(f・t)]/n2 ・t =0.8(f・d2 /x2 ) ≒d2 /x2 本発明方法における最も重要な因子の幾つかは、溶融後
の結晶化率、結晶密度および平均結晶サイズに関連す
る。それらは、溶融後のあるいは第二の結晶化率、溶融
後のあるいは第二の微晶子密度および溶融後のあるいは
第二の微晶子サイズと呼ばれる。第二の結晶化率は、必
ずしも第一の(溶融前すなわち堆積状態の)結晶化率と
同じではない。同様に、第二の微晶子密度は、必ずしも
第一の(溶融前すなわち堆積状態の)密度と同じではな
い。さらに、第二の微晶子サイズは、必ずしも第一の
(堆積状態すなわち溶融前の)微結晶サイズと同じでは
ない。
【0218】本発明は、溶融前の結晶条件と多結晶粒径
と粒子均一性との間の関係を構築するものである。
【0219】例えば、もし第一の微晶子サイズが300
Åを越えて大きく、密度が小さいならば、大部分の微晶
子はアニール処理された溶融層に残存されている。この
場合、微晶子はまばらに配置されているので、得られる
多結晶フィルムの粒度は大きくなる。
【0220】しかしながら、もし微晶子があまりに離間
しすぎていれば、横方向成長の現象により多結晶の粒径
は限定されるようになる。すなわち、小さい粒径の粒子
は、微晶子核形成サイトから発生する成長中の粒子間
で、それらが合体する前に瞬時に核化する。もし、第一
の結晶粒径が小さい(150Å未満)ならば、溶融段階
の間に多くの晶子が消滅する。したがって、十分に大き
な第二の微晶子密度を達成するには大きな第一の微晶子
密度が必要とされる。
【0221】非晶質シリコンの溶融速度は1ナノセカン
ド(ns)あたり約6Å、すなわち(6Å/ns)であ
ると考えられる。微晶子シリコンの溶融速度(um )は
(3Å/ns)であると予想される。溶融時間(tm
は、材料が溶融温度にとどまる期間である。したがっ
て、微晶子の溶融“期間”は以下での(7)式で表され
る。
【0222】 lm =um ×tm ・・・・・・・・・・・・・(7) ここで、晶子サイズが上記(7)式で求められたlm
満であれば、該晶子は溶融すると考えられる。
【0223】図8は、PECVD方法におけるシリコン
(Si)フィルムの堆積速度と、アニール処理前の微結
晶シリコン(μc−Si)フィルムにおける微晶子サイ
ズとの関係を示すグラフである。すなわち、PECVD
法により堆積されるシリコンフィルムの晶子サイズと堆
積速度との間の関係を示すグラフである。
【0224】図8のグラフから、PECVD法における
微結晶シリコンフィルム中の晶子サイズは、フィルムの
堆積速度が増加するにしたがって減少することが分か
る。図8に示すように、晶子サイズと堆積速度の依存性
は、非常に非線形的である。
【0225】つまり、100Åを越える晶子サイズを達
成するためには、一秒あたり約2Åよりも低い堆積速度
が必要とされる。一秒あたり2Åより低い堆積速度で
は、速度の小さな変化が結晶サイズの大きな変化をもた
らす場合がある。一秒あたり4Åを越える場合は、晶子
サイズは堆積速度の変化に、限界的にのみ反応する。こ
うして、好適な動作範囲は、一秒あたり4Åより低いこ
とが分かる。このとき、500Åあるいはそれ以上の平
均サイズをもつ晶子が得られる。
【0226】それ未満では微晶子が溶融しやすくなる臨
界(dcrit)サイズは、以下のように表わされる。
【0227】 dcrit≒lm =um ×tm =3×(50から100ns) =150から300(Å) 晶子密度(Nc )は、微晶子間の平均分離の関数とな
る。上記のように、Nc≒1/x2 が成り立つ。最小分
離は、微晶子サイズによって制限されるので、xはdよ
り大きくなければならない。
【0228】上記第一の微晶子サイズの関数は、また溶
融後の結晶の割合、密度、及びサイズ、特に多結晶粒子
サイズの決定に対する因子となる。
【0229】図9(a)(b)〜図11(a)(b)
は、溶融前の密度と溶融後の密度との間の関係を例示す
る説明図である。特に、最も多数の同じサイズの微晶子
が平均、すなわち平均化された第一の微晶子サイズとな
るように、晶子は形成される。晶子ピーク、すなわち、
最大数の晶子を有する晶子サイズは、平均値となる。晶
子サイズは、該晶子ピークにしたがって、自然対数関数
的に分布する。
【0230】ここで、図1および図2のフローチャート
に戻り、簡単に説明すると、ステップS2は、第一の微
晶子サイズである平均サイズを有し、平均サイズ近くに
サイズ分布関数を有する微晶子を形成する工程を含んで
いる。
【0231】図9(a)(b)〜図11(a)(b)に
表されるように、該サイズ関数の幅は、一般に最大値の
半分の全幅(FWHM)として与えられるものである
が、微晶子がどれほどサイズ的に調和しているかを示す
指標である。FWHMには関係なく、サイズ分布は、大
部分の晶子サイズは平均サイズよりも小さいことを示し
ている。適切な第一密度と第一サイズの形成は、非常に
重要であリ、堆積方法と堆積速度に高い依存性を示す。
【0232】図9(a)(b)〜図11(a)(b)
は、アニール処理の溶融段階に続く微晶子の分布を示す
ものである。溶融段階にともなって晶子の平均サイズは
減少し、平均サイズよりも小さな大部分の晶子は消滅す
る。この例では、微晶子サイズの臨界値は、ほぼ平均値
と同じである。しかしながら、平均及び臨界サイズは、
同じである必要はない。第一の晶子密度及び第一の晶子
サイズが分かれば、溶融後の第二の晶子密度が算定され
る。
【0233】図12は、照射レーザエネルギー密度の関
数として溶融前後の晶子密度間の関係を示すグラフであ
る。ここで、●は照射エネルギー密度が260mJ/c
2、○は照射エネルギー密度が290mJ/cm2
示す。
【0234】図12に示すグラフから、溶融後の晶子密
度は、以前に存在した晶子サイズ及び密度の両方に依存
し、同様に照射レーザエネルギー密度にも依存すること
が分かる。最近の研究によって、約 1×108 cm-2
の溶融後の結晶密度が理想的な範囲にあることが分かっ
ている。
【0235】図12に示されるように、上述の目的を到
達するために選択可能な方法がある。低密度の大きな微
結晶子あるいは高密度の小さな晶子が適用される。高い
レーザエネルギー密度は、晶子が占める大きな割合を無
くし、アニール工程の溶融段階の後、結晶化部分を低減
させる。
【0236】ここで、PECVD法にシリコン材料を使
用すれば、より高い密度の晶子がより小さな晶子サイズ
に関連付けられる。例え溶融前の密度が高くても、より
多くの晶子が、その小サイズのためにELC工程中に溶
融される。
【0237】上記の内容を考慮して、図1および図2に
示すフローチャートに戻って説明すれば、以下のように
なる。
【0238】ステップS3は、第二の微晶子サイズと第
二の微晶子密度をもつ微晶子を形成する工程を含んでい
る。第二の微晶子サイズ及び密度は、微晶子結晶サイズ
よりも小さな微晶子の消滅と、臨界サイズよりも大きな
溶融前の晶子サイズを有する微晶子の部分的溶融によっ
てもたらされる。
【0239】すなわち、ステップS3内のサブステップ
であるステップS12は、また、第二の微結晶サイズと
第二の微結晶密度の積である第二の結晶化率を求める工
程を含んでいる。同様に、ステップS12は、溶融後の
平均微晶子サイズである第二の微晶子サイズを含む。微
結晶サイズは、平均第二の微結晶サイズの近くにある第
二分布関数によって形成され、それによって、微晶子密
度は減少される。
【0240】このことは、図9(a)(b)〜図11
(a)(b)における比較によって、アニール中の核形
成サイトの数及び分布が変化することが示されることが
分かる。臨界サイズが第一の平均サイズ未満でなけれ
ば、図9(a)(b)〜図11(a)(b)の比較に示
されるように、溶融段階においては特に平均より小さな
微晶子の数が減少される。
【0241】また、図1および図2に示すフローチャー
トに戻って説明すれば以下のようになる。
【0242】本発明のいくつかの態様によれば、ステッ
プS2において、平均の第一の微結晶サイズ未満のサイ
ズをもつ微晶子の第一の割合が求められる。さらに、ス
テップS12において、平均第二結晶サイズ未満のサイ
ズをもつ第二の微晶子の割合が求められる。一般的に、
第一の割合は、第二の割合よりも大きい。このようにし
て、小さな微晶子の消滅によって、第二微晶子密度は第
一微晶子サイズ分布関数に応答するようになる。
【0243】上述のように、また、図9(a)(b)に
示すように、大部分の微晶子は、平均の第一の微晶子サ
イズよりも小さい。
【0244】図1および図2のフローチャートに戻って
説明すれば、ステップS2において、平均の第一の微晶
子サイズよりも大きいというよりもむしろ、平均の第一
の微晶子サイズよりも小さな多数の微晶子をもち、非対
称である第一微晶子サイズ分布関数を含むように処理さ
れている。
【0245】このようにして、ステップS2における微
晶子サイズの非対称堆積及びステップS12においてよ
り小さな微晶子の溶融は核形成サイトの密度を規制する
ように働く。
【0246】以下に示す表1は、上記の微晶子サイズ、
密度、結晶割合、及びレーザエネルギー密度の上記変数
から、第一の多結晶粒子サイズ及び第一の粒子均一性を
算出する工程を説明するものである。第一の結晶化率
は、20%に設定され、第一の平均微晶子サイズは、図
9(a)(b)に示すように正規対数的に分布され、約
300Åであり、第一の晶子密度は、5.55×1010
cm-2である。
【0247】
【表1】
【0248】溶融期間(lm )は、溶融時間(tm )と
nsあたり3Åの溶融速度の積である。微晶子間の溶融
後の分離距離は、xで表される。凝固時間(tm に等し
い)はts 、lg maxは最大横方向成長長さ、すなわ
ち凝固時間とnsあたり約30Åの凝固速度の積を表
し、そして、gs は、溶融後分離距離x及び最大横方向
成長長さ1g max間の最小値として定義される多結晶
フィルムの粒子サイズである。
【0249】最大多結晶粒子(2690Å)は350の
エネルギー密度で形成され、そのとき、第一密度は20
%であり、平均第一の結晶サイズは300Åであり、図
9(a)(b)と同様に正規対数的に分布する。該デー
タは、より高いELA密度のもとではより大きな多結晶
結晶サイズが形成されることを示唆する。上記の分析で
は、多結晶フィルムをガラス、水晶あるいはプラスチッ
ク等上に多結晶フィルムを形成する際に課せられる制限
を考慮していない。
【0250】図1および図2のフローチャートに戻って
説明すれば、ステップS3において、非晶質物質を溶融
し、微晶子を選択的に溶融するため、約308nmある
いはそれ未満の波長をもつエキシマレーザ結晶化(EL
C)プロセスが使用される。具体的には、ステップS3
では、エネルギー密度を有するELCプロセスを含む。
第二結晶化率は、ELCエネルギー密度とステップS2
の第一結晶化率に関係している上記のように、第一及び
第二の結晶化率には顕著な関係がある。ステップS4に
おいて、第二の微結晶密度及び第二の微結晶サイズに反
応して、多結晶粒子が形成される。具体的には、ステッ
プS4において、非晶質物質凝固速度に応答する横方向
成長長さにおいて多結晶粒子が形成される。
【0251】さらに、ステップS4において、第二の微
晶子密度及び横方向成長速度に関係する多結晶粒子サイ
ズと均一性とが求められる。このようにして、粒子サイ
ズは、微晶子核形成サイト間の間隔によって決定される
最小サイズと横方向成長速度とによって決定される最大
サイズを有している。
【0252】以下に示す表2は、2.5%の第一の結晶
化率、200Åの第一の晶子サイズ、及び1.562×
1010cm-2の第一の密度における本発明の一例を示す
ものである。
【0253】
【表2】
【0254】ELA密度が320mJ/cm2 であると
き、最大多結晶の第一の粒子サイズ6000Åは、60
00Åの横方向成長速度に等しい。すなわち、理想的サ
イズと均一性が達成されている。より大きいエネルギー
密度では、微晶子間の間隔が増加し、微晶子核形成サイ
トにより形成される粒子間に小粒子を核形成する可能性
をもたらす。
【0255】多結晶粒子品質に関するもう一つの改良点
は、電子移動度に関するものである。本発明のいくつか
の態様においては、本発明の多結晶フィルムを使用した
TFTは、150cm2 /Vsを越える電子移動度を持
ち、2ボルト未満のしきい電圧が形成される。この電子
的性能を達成するためには、多結晶粒子サイズは約0.
5から1μmに設定され、粒子サイズ間の均一性は10
%よりも良くなる(少なく)なるよう設定される。
【0256】図13及び図14は、結晶化率、エネルギ
ー密度、及び電子移動度あるいはしきい電圧間の関係を
示すものである。本発明の多結晶フィルムを使用するT
FT装置の性能は、微結晶シリコン前駆物質を結晶化率
の様々な程度において適用することで、電子移動度増加
としきい電圧減少に関して、顕著な違いを見せる。性能
向上は、低レベルのレーザエネルギー密度において、よ
り顕著に見られる。これらの結果は、低レベルのレーザ
エネルギー密度において、等価の微晶子前駆物質性能が
達成されることを示す。
【0257】表1及び表2から分かるように、特に、微
晶子間距離は晶子サイズよりも大きな程度のサイズを持
つ。したがって、溶融段階に続く、微晶子のサイズ及び
サイズ分布は、溶融後密度ほど重要ではない。しかしな
がら、溶融前の晶子サイズ及びサイズ分布は、最終的な
多結晶粒子サイズの決定において重要である。
【0258】図1および図2に示すフローチャートに戻
って説明すると、ステップS2において、第一の微晶子
サイズと第一の微晶子密度とから第一の微晶子結晶化率
が導かれる。第一の結晶化率は約0.01から80%の
範囲にある。より有効な範囲は、約0.01から25%
及び0.01から15%に設定される。さらに、理想的
な範囲は、約0.01から5%である。
【0259】上記の結晶化率が0.01から5%の範囲
は、十分に大きな結晶サイズをもたらし、第一及び第二
の結晶化率、密度及びサイズの違いを減少させる。この
ことが、溶融前後間の工程における不確実性を減少させ
る。さらに重要なことは、ELAエネルギー密度が減少
され、工程を簡便にし、スピード化を達成し、さらに制
限された数の微晶子のみ溶融されるので、ガラスに対す
るストレスが制限される。
【0260】図15は、PECVD及びLPCVD法に
より生成されたシリコンフィルムにおける微晶子サイズ
及び微晶子密度間の関係を示すグラフである。ここで、
横軸は、アニール処理前の微結晶シリコン(μc−S
i)フィルムにおける微晶子のサイズを示し、縦軸は、
アニール処理前の微結晶シリコン(μc−Si)フィル
ムにおける微晶子の密度を示す。
【0261】既に存在している微晶子の密度は、晶子サ
イズに関して、非単調な行動を行なう。この行動は、フ
ィルム堆積中のガス相からの原子流入速度とこれらの原
子の表面拡散率間の競合によるものである。流入速度が
表面拡散率に対して共通点を持つ場合には、小サイズの
多くの晶子が形成される。この場合の堆積速度は2〜1
0Å/sの範囲にある。
【0262】表面拡散率が流入速度よりも大きくなる場
合には、低密度の大きいサイズの晶子が形成される。こ
の場合の堆積速度は2Å/s未満である。いずれにせ
よ、堆積パラメータは、流入速度と表面拡散率に影響す
ることで、結晶粒子のサイズ及び密度を規制するために
使用される。
【0263】図1および図2のフローチャートに戻って
説明すれば、本発明のいくつかの態様においては、ステ
ップS3において、約1000Å未満のサイズを持つ微
晶子が形成される。特に、約150から300Åの範囲
は、大部分のアニール工程の溶融段階において残存可能
な臨界サイズを越える範囲となっている。好適には、ス
テップS12で処理される微結晶フィルムは、晶子間で
約1μmの平均分離を持ち、1cm2 あたり約1×10
8 個の微晶子より多いか、あるいは同等である第二の微
晶子密度を含んでいる。
【0264】低非晶質シリコン堆積速度に関連する明ら
かな問題点は、スループットの減少とプロセスタイムの
増加である。その解決策は、微結晶フィルムの、あるい
は微結晶フィルムと非晶質フィルムの二重層の堆積であ
る。例えば、層の一つが微結晶相(低堆積速度)で堆積
され、もう一方の層が標準的条件で堆積される場合があ
る。二重層フィルムの合計厚さは、通常、約50nmで
ある。トランジスタ性能の特性を改善するためには、考
慮を行なった粒子サイズ拡張を達成するために必要な微
結晶層の合計厚さの削減が望まれる。
【0265】図16は、二重層の堆積の結果を示す図で
ある。図に示すように、理想的なエネルギー密度レベル
においては、微結晶フィルムには少なくとも37.5n
m(合計厚さの75%)の厚さが必要とされた。厚さが
そのレベルを下回る場合は、その特性を完全に失うこと
になる。
【0266】図1および図2のフローチャートに戻って
説明すると、ステップS2において、第一微結晶フィル
ムを覆う第二非晶質物質フィルムが堆積される。
【0267】ステップS3では、第二フィルムを溶融す
る工程と、少なくとも部分的に第一フィルムを溶融する
工程を含み、それによって第一フィルムの種結晶の密度
とサイズを制御することで、第二フィルムの結晶粒子の
形成を規制するようになっている。
【0268】より具体的には、ステップS2は、第一フ
ィルムの第一の微晶子密度を形成する工程を含み、第二
フィルムにおいて、第一の微晶子密度未満の第三の微晶
子密度を形成する工程を含んでいる。
【0269】ステップS3は、第一フィルムの多数の微
晶子を溶融し、第二の微晶子密度を形成する工程を含む
とともに、選択的に第二フィルムの多くの晶子を溶融
し、第二の微晶子密度未満の第四の微晶子密度を形成す
る工程を含んでいる。
【0270】さらに、ステップS4は、主として第一フ
ィルムの核形成サイトに応答して、第一及び第二フィル
ム中の多結晶粒子を形成する工程を含んでいる。
【0271】このようにして、第一フィルムの微晶子種
結晶の数制御が、第一及び第二フィルム双方の核形成サ
イトとして使用される。
【0272】上記のステップS2は、第一及び第二フィ
ルムを、それぞれ、第一フィルムの厚さを少なくとも約
100Åに、また、第二フィルムの厚さを約900Å未
満に制御する工程を含んでいる。一般に、第二フィルム
厚さは300Å未満である。高いスイッチングスピード
を期待する場合には、第一フィルムおよび第二フィルム
の合計厚さが400Å未満に設定されたトランジスタ接
続領域にするのが好ましい。
【0273】本発明のいくつかの態様においては、ステ
ップS2において、所定の第一結晶方位をもつ微晶子が
埋設された微結晶フィルムを形成するようになってい
る。
【0274】さらに、ステップS4は、ステップS2で
形成された微晶子の第一結晶方位を持つように多結晶フ
ィルムを形成するステップを含む。このようにして、共
通の結晶方位の使用が、粒子境界間で、ランダムな結晶
方位よりも大きな電荷移動をもたらす。典型的には、埋
設された微晶子の第一結晶方位は、(110)と(11
1)からなるグループから選ばれる。
【0275】本発明のいくつかの態様においては、ステ
ップS3は、ステップS2で形成された微結晶フィルム
を加熱し、選択的に第一結晶方位を持たない微晶子を消
滅させる工程を含んでいる。
【0276】さらに、ステップS4は、残存した微晶子
の第一結晶方位を持つ多結晶フィルムを形成する工程を
含んでいる。
【0277】本実施の形態では、半導体基板の製造方法
について、ワンショットレーザアニール工程を背景にし
て説明した。一般的に、市販のレーザ装置は、30ns
あるいは220nsのショット持続時間を有している。
本発明の工程は、必ずしもこれらの値に制限されるもの
ではない。本発明の工程は、約1nsから1000ns
のレーザショットパルス幅で行なうことができる。ま
た、溶融時間は必ずしもレーザショット持続時間に関連
するものではない。なぜなら、レーザショット終了後の
期間もアニールされた物質は溶融状態を保つからであ
る。
【0278】一般的に、物質は一連のレーザショットを
通じて結晶化される。第一のショットは、特に全ての非
晶質物質が溶融され、冷却及び凝固時に全ての物質が結
晶化されることにおいて、より重要である。後続のレー
ザショットは、多結晶フィルムの欠点を改善するもので
ある。概して、エネルギー密度を制御して小さな結晶粒
子のみ、あるいは大きい結晶粒子の欠点のみが消滅され
る。
【0279】したがって、本願発明の方法は、図2に示
すステップS11〜13、及び図1に示すステップS4
を通じる複数回のサイクルを含んでいる。
【0280】第一のサイクルは、ステップS12におい
て全ての非晶質物質を十分に溶融する工程と、ステップ
S4において全ての結晶粒子を十分に形成するステップ
を含んでいる。後続サイクルのステップS12では、小
さな結晶粒子と結晶粒子中の欠陥を溶融し、次のサイク
ルであるステップS4において、より均一化された結晶
粒子を形成させる。
【0281】一般的にレーザアニール工程が好適に用い
られる、なぜなら高いエネルギー密度が微結晶中の局部
温度を十分上昇させ、しかも、短い持続時間により下層
の透明基板へのストレスを極小にするためである。
【0282】しかしながら、本願発明の方法は、他のア
ニール方法でも実現される。例えば、適切な予備加熱と
傾斜温度上昇を用いれば、ラピッドサーマルアニール
(RTA)工程を用いることもできる。このとき、ステ
ップS3では、一般に1秒から600秒の持続時間で、
約800℃未満の温度を使用するRTA工程が行われ
る。通常は、上記の持続時間は2分未満に設定されてい
る。
【0283】上記では、主として微晶子サイズ及び密度
に関して、微結晶フィルムの性質を説明した。しかしな
がら、これに限定されるものではなく、堆積状態の微結
晶フィルムについて、選択できる他の方法によって説明
できる。例えば、本発明のいくつかの態様において、約
1.8eVあるいはそれ以上の光学的ギャップを有する
微結晶フィルムを形成する工程を含んでいてもよい。
【0284】好適な光学的ギャップは、約1.8から
2.2eVの範囲である。選択的には、ステップS2に
おいて、約470cm-1を越える波数に横方向−光学的
フォノンラマンピーク(TO−ピーク)の中心を持つと
ともに、70cm-1未満の半値全幅(FWHM)を持つ
微結晶フィルムを形成する工程を含んでいてもよい。好
適な数値は、約470から510cm-1の波数で約15
から70cm-1のFWHKMである。
【0285】ここで、本発明の半導体基板の製造方法を
適用して、液晶表示装置(LCD)を製造する方法につ
いて、図17〜図23を参照しながら以下に説明する。
【0286】図17のLCD110は、透明基板112
と、該透明基板112を覆う多結晶半導体フィルム(図
20参照)を備えている。一般的に、透明基板112は
水晶、ガラス及びプラスチックからなるグループより選
ばれる。多結晶半導体フィルムは、第一の結晶化率をも
つ微結晶フィルム(以下、第一フィルムと称する)11
4の形成をもたらす堆積条件において、透明基板112
上に非晶質物質を堆積することによって形成される。
【0287】上記第一フィルム114は、微晶子(ある
いは小さい種結晶)116が埋設された非晶質115を
含んでいる。第一の結晶化率は、上述のように第一の微
晶子密度及び微晶子サイズから定義される。
【0288】上記の複数の微晶子116は、図17に示
すように、非晶質物質115に浮遊した球体として表わ
されるか、または、透明基板112に隣接するか、ある
いは透明基板112から第一フィルム114を分離する
バリア層111に直接隣接する第一フィルム114中に
位置している。
【0289】バリア層111に隣接する第一フィルム1
14中に位置する微晶子116は、スパイク状の形状を
持ち、第一フィルム114中に浮遊する球状で表される
微晶子116とは異なっている。本発明のいくつかの態
様においては、バリア層111に隣接する第一フィルム
114中の微晶子116、すなわちスパイク状に表され
る微晶子116のみが第一フィルム114に存在する。
【0290】上記第一フィルム114は、厚さ117を
有する。また、一般的に、バリア層111は、第一フィ
ルム114から透明基板112を分離するようになって
いる。LCD110を作製する工程においては、TFT
装置(図示せず)は、第一フィルム114から形成され
る。堆積条件は、比較的大きなサイズを持つ均一な結晶
粒子の形成を促進するように制御される。
【0291】本発明のいくつかの態様においては、第一
フィルム114は、SiH4 とH2の混合ガスを使用す
るPECVD処理によって、約320℃の温度におい
て、約0.16783W/cm2 のパワーレベルを用
い、約1.2Torrの合計圧力、及びSiH4 対H2
の流量比、約100:1を使用し堆積される。あるい
は、上記第一フィルム114は、低圧CVD(LPCV
D)、超高真空CVD、及びホットワイアCVDからな
るグループから選ばれるプロセスを通じて堆積される。
【0292】本発明のいくつかの態様においては、第一
フィルム114は、ジシラン(Si 2 6 )、構造式S
N 2N+2であらわされる高級シラン、ここでは、Nは
2より大きい、及びシラン/フッカシラン化学物質の組
み合わせであり、構造式、SiN 2N+2/Si
M 2N+2、ここでは、NとMは1以上あるいは1に等し
い、であらわされる組み合わせからなるグループから選
ばれる化学物質を通じて、堆積される。
【0293】本発明の特徴点として、第一フィルム11
4は、超高真空環境で堆積され、それにより汚染物質を
減少させ、微晶子116の形成を促進させる。汚染物質
が存在する場合には、シリコン類と不純物の間で基板表
面への吸着に対する競合が起こる。その結果、吸着され
たシリコン類の表面移動度が減少し、ガス状不純物のな
い環境と比べて、結晶クラスタを形成する可能性が少し
残る。
【0294】さらに、透明基板112は第一フィルム1
14が堆積される前にクリーニングされ、それによっ
て、第一フィルム114中の微晶子116の形成が促進
される。クリーニングは、半導体基板の形成装置(例え
ば、蒸着装置)内においては、Ar、O2 、N2 あるい
はH2 を使用するプラズマクリーニングが用いられ、上
記装置外においては、薬品による湿式クリーニングまた
は機械的手段(例えば、ビーズブラスト)が用いられ
る。
【0295】使用される堆積方法にかかわらず、本発明
は、一秒あたり2Å未満の堆積速度を含む堆積条件で有
効に行なわれる。その時、0.01から80%の範囲の
好適な結晶化率が得られる。本発明のいくつかの態様に
おいては、好適な結晶化率の範囲は0.01から25
%、さらに好ましくは、0.01から5%までの範囲で
ある。
【0296】非晶質物質がPECVD法によって堆積さ
れる際には、堆積速度は10Å/s未満で、堆積温度は
約380℃に設定される。非晶質物質がLPCVD法に
よって堆積される際には、堆積速度は20Å/s未満
で、堆積温度は約560℃に設定される。
【0297】図18は、図20に示す多結晶TFTフィ
ルムを形成するために、第一フィルム114をアニール
する工程を示す説明図である。
【0298】第一フィルム114の表面に垂直に示され
る118で示される矢印は、図示しないエキシマレーザ
からの光線を表す。レーザの開口サイズの制限により、
アニール期間中に第一フィルム114の表面を横断して
レーザビーム118を移動させることが一般的に行われ
ている。
【0299】レーザビーム118の移動方向は、第一フ
ィルム114に平行に示される矢印120によって表さ
れる。第一フィルム114の非晶質物質115は、レー
ザビーム118による溶融状態の領域(溶融領域)12
2が含まれている。一般的には、溶融領域122中の多
くの微晶子116がアニール期間中に選択的に溶融され
る。これにより、より小さい微晶子116は消滅され、
いくらかの微晶子116は、部分的に溶融されて未溶融
状態で残存するが、より小さい微晶子124は溶融領域
122中に埋設される。
【0300】上述のように、結晶サイズ未満の微晶子
は、一般的に溶融されるが、微晶子の溶融は、またフィ
ルムの位置(熱源からの距離)に関連する。
【0301】残存する微晶子124は、溶融領域122
に結晶粒子を形成させる種結晶となる。すなわち、未溶
融の微晶子124は、核形成サイトとして機能し、多結
晶フィルムを結晶化させるのに使用される。
【0302】本発明の特徴として、第一フィルム114
は、アニールされて選択的に微晶子124を溶融し、第
二の溶融後の結晶化率と第二の微晶子密度を形成する。
該堆積工程とアニール工程は、第二の微晶子密度と結晶
化率の形成を規制する。
【0303】具体的には、第一フィルム114は、図1
8に示すように、透明基板112に隣接しそれを覆う第
一領域125を有する。アニール工程は選択的に第一フ
ィルム114を溶融し、その結果、第二の微晶子密度、
すなわち溶融後の微晶子密度は、透明基板112に隣接
する第一領域125に主として存在する微晶子124に
よって決定される。
【0304】図19は、図18のLCD110におい
て、図17で始まったアニール工程の状態を示す説明図
である。第一フィルム114は、冷却されて種結晶(図
示せず)の周りに結晶粒子128が形成され、フィルム
領域130では、結晶化して微晶子124の周りに粒子
を形成する。このため、、結晶粒子128は、多結晶粒
子となり、そのサイズは未溶融の微晶子124の密度に
よって決定される。
【0305】図20は、アニール後のLCD110を示
す。TFTポリクリスタル半導体フィルム(以下、多結
晶フィルムと称する)131は、透明基板112に積層
された状態となっている。
【0306】上記多結晶フィルム131は、結晶粒子1
28及びフィルム領域130を含む大結晶粒子からなっ
ている。また、多結晶フィルム131は、150cm2
/Vsを越える電子移動度、0.5μmより大きい粒子
サイズ、及び10%未満の粒子サイズ均一性を有する。
このような多結晶フィルム131を使用して完成したT
FTトランジスタは、2ボルト未満のしきい電圧を有す
る。
【0307】また、上記多結晶フィルム131は、非晶
質物質115(図17参照)中に埋設された種結晶とな
る微晶子116を含むことによって、大きな結晶サイズ
を持つ均一化されたサイズの結晶粒子128およびフィ
ルム領域130が形成される。また、多結晶フィルム1
31の品質は電子移動度に関して表される。上記に示す
ように、多結晶フィルム131の電子移動度は第二微晶
子密度により決定される。
【0308】図21は、図17のLCD110を示し、
第一フィルム114を覆う第二の非晶質物質フィルム
(以下、第二フィルムと称する)132が備えられてい
る。上記第一フィルム114は厚さ134を有し、第二
フィルム132は厚さ136を有している。
【0309】本発明のいくつかの態様においては、第二
フィルム132は完全な非晶質材料からなっていてもよ
い。また、他の態様においては、第二フィルム132
は、微晶子(図示せず)が埋設された微結晶フィルムで
あってもよい。第二フィルム132が完全な非晶質材料
である場合には、複雑な工程がより少なくなるので、フ
ィルムの堆積工程は第二フィルム132に完全な非晶質
材料を使用することによりスピードアップを図ることが
できる。すなわち、完全な非晶質材料からなる第二フィ
ルム132の堆積はより速く行なわれる。
【0310】上記アニール工程は、結晶領域を第一フィ
ルム114から第二フィルム132へ伸張させる工程を
含んでおり、これによって、第一フィルム114使用の
長所が利用される。
【0311】第二フィルム132の厚さ136は、一般
的に第一フィルム114の厚さ134および第二フィル
ムの厚さ136の合計の約25%未満に設定される。具
体的には、第一フィルム114の厚さ134が約100
Åであれば、第二フィルム132の厚さ136は約90
0Åあるいはそれ以下である。好適には、第二フィルム
132の厚さ136は約300Åに設定される。
【0312】上記アニール工程は、第二フィルム132
を溶融させる工程と、少なくとも部分的に第一フィルム
114を溶融させる工程を含んでいる。第一フィルム1
14の微晶子のサイズ及び密度を制御することにより、
第二フィルム132の結晶粒子の形成を規制することが
できる。現在、堆積工程をより速くするため、第一フィ
ルム114の厚さ134と相対的に第二フィルム132
の厚さ136を増加させる研究が進められている。
【0313】図22は、特に第二フィルム132が微結
晶フィルムで構成された図21のLCD110を示して
いる。ここで、微晶子116の第一密度は、微結晶フィ
ルムからなる第一フィルム114中の密度であり、微晶
子116の第三密度は第二フィルム132中の密度であ
る。この第三密度は、第一密度未満の大きさとなってい
る。
【0314】図23は、図22のLCD110を示し、
ここではアニール工程の溶融段階に続く状態が示され
る。
【0315】上記アニール工程は、第一フィルム114
の選択された数の微晶子124を溶融し微晶子の第二密
度を形成する工程と、第二フィルム132の選択された
数の微晶子124を溶融し微晶子の第二密度未満の第四
密度を形成する工程を含んでいる。
【0316】上記第二フィルム132の微晶子密度は、
第二フィルム132がエネルギー源により近い位置にあ
ることと、初期により小さい溶融前密度を持つことによ
り、より小さくなる。多結晶粒子は、主として第一フィ
ルム114中の核形成サイトに反応して、第一フィルム
114及び第二フィルム132中に形成される。すなわ
ち、第一フィルム114中の制御された数の微晶子種結
晶が、第一フィルム114及び第二フィルム132の両
方に対して核形成サイトとして使用される。
【0317】図17から図20に戻って説明すると、第
一フィルム114中の微晶子含有率を計測するのには多
くの方法がある。
【0318】本発明のいくつかの態様においては、第一
フィルム114中の微晶子116は、上述のように、約
0.01から80%の範囲の結晶化率を有し、これによ
って、結晶粒子の分布及びサイズは、第一フィルム11
4中の種結晶116の数に反応して規制される。本発明
のいくつかの態様においては、約0.01から25%の
範囲の結晶化率、あるいは、約0.01から5%の範囲
の結晶化率に設定されている。
【0319】さらに、上記の結晶化率に関して、微晶子
116のサイズは、約1000Å、あるいはそれ以下の
範囲にある。上記の結晶化率と微晶子サイズに関して、
効果的な溶融後の第二密度は、1cm2 あたり約1×1
8 、あるいは約1μmの溶融後の平均微晶子間距離よ
りも大きい。
【0320】本発明のいくつかの態様において、制御さ
れた堆積条件により形成された第一フィルム114は、
1.8eVあるいはそれ以上の光学的ギャップを有す
る。該光学的ギャップ計測は、微結晶フィルム114の
微晶子含有率を計測するもう一つの方法となる。好適に
は、光学的ギャップは、1.8eVから2.2eVの範
囲に設定される。
【0321】本発明のいくつかの態様において、第一フ
ィルム114は、約470cm-1を越える波数に横方向
−光学的フォノンラマンピーク(TO−ピーク)の中心
を持ち、70cm-1未満の半値全幅(FWHM)を有す
るように形成される。TO−ピークおよびFWHMは、
微晶子含有率を計測する選択的な方法である。好適に
は、第一フィルム114は、約470から510cm-1
の範囲の波数にTO−ピークの中心を持ち約15から7
0cm-1の範囲にFWHKM値を持つように形成され
る。
【0322】本発明は、透明基板上に非晶質フィルムを
形成する際の不確実性に対応するため、また、特にエキ
シマレーザを使用する際のアニール工程における均一性
の欠如に対応するために、開発されたものである。エキ
シマレーザはシリコンフィルムの加熱に対しより多くの
選択を可能にするため、アニール工程においてより多く
のオプションを与える。
【0323】しかしながら、エキシマレーザは、エネル
ギーが高いこと、持続時間が短いこと、照射領域が小さ
いことにより、アニール工程において非均一性をもたら
す。そこで、アニール工程を規制するための微晶子11
6の使用により、第一フィルム114の化学組成、第一
フィルム114の厚さ、及び加熱及びアニール工程にお
ける非一貫性に対する依存性を減少させることができ
る。
【0324】本発明のひとつの態様では、非晶質物質1
15及び微晶子116としてシリコンを用いてもよい。
【0325】また、本発明の他の態様では、非晶質物質
115及び微晶子116として、シリコンゲルマニウム
化合物を用いてもよい。
【0326】本発明のひとつの態様では、第一フィルム
114に埋設された微晶子116は、所定の第一結晶方
位を有する。図20を参照すれば、多結晶フィルム13
1は、図17の微晶子116の第一結晶方位を持つ。多
結晶フィルム131全体での共通の結晶方位の使用によ
って、電子の流れに対する粒子境界抵抗を極小にするこ
とができる。好適には、埋設された微晶子116の第一
結晶方位は(110)あるいは(111)で表される。
【0327】上記のプロセスでは、微晶子116が第一
フィルム114に埋設される前に微晶子116の結晶方
位は決定される。好適な結晶方位、すなわち組織は、フ
ィルム堆積条件の適切な選択によって、開発される。堆
積された微晶子の該好適な組織は、アニール工程後に形
成される結晶粒子に転移される。
【0328】本発明の他の態様においては、微晶子11
6は、それらがアニール前に第一フィルム114に埋設
される際に、ランダムな結晶方位を有する。第一フィル
ム114は、選択的に加熱されて、所定の第一の結晶方
位を持たない微晶子116が消滅される。第一フィルム
114は、アニールされ、残存微晶子116の第一の結
晶方位を十分持つようになる。
【0329】図20に示すように、多結晶フィルム13
1の全体での共通の結晶方位は粒子境界を減少させる。
すなわち、アニール工程での加熱は、第一の結晶方位を
もつ微晶子116を除いて、全ての微晶子116を溶融
させるように選択される。第一結晶方位をもつ微晶子1
16は、他の結晶方位を有する微晶子116よりも高い
温度で溶融するため、アニール工程から残存する。好適
には、埋設された微晶子116の第一結晶方位は(11
0)あるいは(111)で示される。
【0330】図18に戻って説明すれば、本発明のひと
つの態様においては、非晶質物質115を溶融させ微晶
子116を選択的に溶融させるため、微結晶フィルム1
14は、約308nmあるいはそれ以下の波長を有する
光118を使用するエキシマレーザによって、アニール
される。
【0331】本発明の他の態様においては、第一フィル
ム114は、図示しないラピッドサーマルアニール(R
TA)結晶化工程を用いて、約800℃以下の温度で一
般に1から100秒の範囲の持続時間をもって、アニー
ルされる。
【0332】再び図17に戻れば、本発明のひとつの態
様によれば、微結晶フィルム114は約1000Å未満
の厚さ117を有する。
【0333】再び図20に戻れば、この厚さの多結晶フ
ィルム131は、薄膜トランジスタの製作に好適であ
る。多結晶フィルム131は、この微小厚さをもつ薄膜
トランジスタの製作に非常に適切である。同様に、微晶
子116のサイズあるいは直径は、好適には、1000
Åあるいはそれ以下に設定される。
【0334】低温p−SiTFTの性能改善のために
は、堆積及びレーザアニール工程の同時的な最適化が重
要である。p−Si材料の微小構造特性の改善及び最適
レーザエネルギー密度範囲の減少のためには、低率PE
CVD−Si前駆物質(以下、低率前駆物質と称する)
が最適である。両方の要素は、高体積の製造におけるE
LAプロセスの適用に重要な関係がある。
【0335】上記の低率前駆物質の利点は、レーザアニ
ール中の結晶成長過程を改善する高度の微結晶性による
ものである。この観点から、μc−Si前駆物質を堆積
するために、その他の堆積方法も利用される。
【0336】こうして、ELAプロセス後のp−Si材
料の特性は、堆積状態のフィルム中に既に存在する結晶
のサイズ及び密度のより良い制御を考慮した堆積技術と
薬品の使用によって、さらに改良される。
【0337】本発明は、新世代の高性能TFTに対して
新しい可能性を提供するものである。本発明によって作
成された多結晶フィルムは、大型の均一な形状をもつ結
晶粒子により、高い電子移動度と低いしきい電圧を有す
る。非常に低い堆積率でのシリコンフィルムの堆積によ
って、微晶子の最適な形成が行なわれる。
【0338】本発明は、結晶粒子サイズを制御する、溶
融前結晶化率、溶融後結晶化率及びアニールエネルギー
密度間の関係に基づいている。この微結晶フィルムは、
より大きな結晶粒子(1μmを越える)及び比較的均一
なサイズ(10%未満の均一性)をもつ多結晶フィルム
を供給する。大型の均一な粒子により、トランジスタは
優れたスイッチング特性、高い電子移動度、フィルム全
体での動作一貫性を備える。
【0339】このように、多結晶フィルムから作製さ
れ、改善されたスイッチング特性を有するトランジスタ
によって、トランジスタ基板の周辺に既設される駆動回
路を、直接基板上に配置することができる。このように
して、LCDのサイズ及び複雑化を軽減することができ
る。
【0340】本発明のその他の実施態様は当業者であれ
ばなしえるものである。
【0341】本願発明は、透明基板上に、液晶ディスプ
レイに好適な多結晶シリコンの薄膜トランジスタ半導体
フィルムを作成する工程を持つ。非常に低い速度でのシ
リコンフィルムの堆積によって、理想的な微晶子形成の
条件が得られる。非晶質シリコンがアニールされる際、
結晶粒子は、種結晶から始まって、結果として得られる
多結晶シリコン中に形成される。該種結晶は、アニール
工程の規制を助長し、精細な堆積及び加熱方法に対する
プロセス依存性を軽減する。この微結晶フィルムは、よ
り大きい結晶粒子を持つ多結晶フィルムと比較的均一サ
イズの結晶粒子をもたらす。本発明は、溶融前結晶化率
及び晶子密度、溶融後結晶化率及び晶子密度、及びアニ
ール中のELA密度間の定量化可能な関係に基づくもの
である。また、種結晶を分散した状態で有する十分に非
晶質なシリコンをアニールすることによって、透明基板
上に形成されたTFT多結晶フィルム層を持つLCDが
供給される。
【0342】したがって、本願の第1の発明は、高電子
移動度と低しきい電圧を有する多結晶フィルムを有する
半導体基板を製造する方法であって、所定の第一微晶子
密度と所定の第一微晶子サイズをもつ微晶子が埋設され
た非晶質物質を堆積して、微結晶フィルムを形成する第
一工程と、第一工程において堆積された微晶子フィルム
をアニールする第二工程と、第一工程で形成された微晶
子第一密度と微晶子第一サイズに反応し、第二工程で行
なわれたアニールに反応して、第一多結晶粒子サイズと
第一多結晶粒子サイズ均一性を有する多結晶フィルムを
形成し、それによって、アニールから残存し埋設された
微晶子種結晶は、該多結晶フィルムで核形成サイトを形
成する第三の工程を含んでいる構成である。
【0343】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明において、上記第二工程は、以下の工程を含んでい
る。すなわち第一の工程で堆積された該微結晶フィルム
を臨界温度まで加熱し、それによって、該微結晶フィル
ムが溶融を始める第四工程と、第四工程での臨界温度へ
の到達と第一工程で堆積された微結晶フィルムの第一微
晶子サイズに反応して、該非晶質物質を溶解させ、選択
的に微晶子を溶解させて、溶融非晶質物質中に未溶融の
微晶子を埋設、残存させる第五工程と、第五工程で溶融
された物質を臨界温度まで冷却する第六工程を含んでい
る。
【0344】上記第三工程は、第五工程で溶融された該
非晶質物質を、未溶融の微晶子を核形成サイトとして結
晶化する工程を含み、それによって該多結晶フィルムの
粒子サイズは未溶融微晶子のサイズ及び密度に反応する
ようになる。
【0345】また、本願の第3の発明は、上記第1の発
明において、第一工程が、該第一微結晶フィルムを覆っ
て、第二非晶質物質フィルムを堆積する工程を含み、第
二工程は、第二フィルムを溶融させるとともに、少なく
とも部分的に第一フィルムを溶融させる工程を含み、そ
れによって、第一フィルムの種結晶の密度とサイズを制
御することによって、第二フィルム中の結晶粒子の形成
を規制する構成である。
【0346】また、本願の第4の発明は、上記第3の発
明において、第一工程は第一フィルムの微晶子の第一密
度を形成するとともに、第一密度未満の、第二フィルム
の微晶子の第三密度を形成する工程を含み、第二工程は
第一フィルムの多数の微晶子を溶融させ微晶子の第二密
度を形成するとともに、選択的に第二フィルムの多数の
微晶子を溶融させ、該第二密度未満の、微晶子の第四密
度を形成する工程を含み、また第三工程は主として第一
フィルムの核形成サイトに反応して、第一及び第二フィ
ルム中の多結晶粒子を形成する工程を含み、それによっ
て、第一フィルム中の微晶子種結晶の数を制御して、第
一及び第二フィルムの双方に対する核形成サイトとして
使用する構成である。
【0347】また、本願の第5の発明は、上記第4の発
明において、第一工程の第一フィルムのフィルム厚さは
少なくとも約100Åであり、第二フィルムのフィルム
厚さは約900Å未満となる構成である。
【0348】また、本願の第6の発明は、第2の発明に
おいて、第五工程が、選択的に微晶子を溶融し、未溶融
の非晶質物質中に微晶子の第二密度を残存させる工程を
含み、それによって、数制御された種結晶を核形成サイ
トとして形成する構成である。
【0349】また、本願の第7の発明は、第6の発明に
おいて、第一の表面を備え、第一工程が、上記第一の表
面を覆って該微結晶フィルムを堆積する工程を含み、該
微結晶フィルムは第一の表面に隣接しそれを覆う第一の
領域を有し、第五工程が選択的に該微結晶フィルムを溶
融し、主として該第一の表面に隣接する第一の領域に微
晶子の該第二密度を存在させる工程を含む構成である。
【0350】また、本願の第8の発明は、第1の発明に
おいて、第一工程が、第一微晶子サイズと第一微晶子密
度の積である第一微晶子結晶化率を形成する工程を含
み、該第一結晶化率は約0.01から80%の範囲に設
定され、それによって、該結晶化率は結晶粒子のサイズ
及び分布を規制するために使用される構成である。
【0351】また、本願の第8の発明は、第1の発明に
おいて、第二工程が、約1000Å未満のサイズを持つ
微晶子を形成する工程を含む構成である。
【0352】また、本願の第10の発明は、第1の発明
において、第一工程で堆積された該非晶質物質及び微晶
子はシリコンである。
【0353】また、本願の第11の発明は、第1の発明
において、第一工程で堆積された該非晶質物質及び微晶
子はシリコンゲルマニウム化合物である。
【0354】また、本願の第12の発明は、第2の発明
において、第一工程が、第一微晶子サイズである平均サ
イズを有するとともに該平均サイズの周辺にサイズ分布
関数を有する微晶子を形成する工程を含む構成である。
【0355】また本願の第13の発明は、第12の発明
において、第五工程が、第二微晶子サイズと第二微晶子
密度を有する微晶子を形成する工程を含み、該第二微晶
子サイズ及び密度は微晶子臨界サイズよりも小さい微晶
子の消滅と臨界サイズより大きい溶融前サイズを有する
微晶子の部分的溶融によって形成され、第六工程が、第
二微晶子サイズと第二微晶子密度の積である第二結晶化
率を形成する工程を含み、それによって、アニール期間
中に核形成サイトの数及び分布が変更される構成であ
る。
【0356】また、本願の第14の発明は、第13の発
明において、第五工程が、溶融後の平均微晶子サイズで
ある第二微晶子サイズを含み、そこでは、微晶子サイズ
は第二平均微晶子サイズの周辺の第二分布関数において
形成され、それによって、微晶子密度は減少される構成
である。
【0357】また、本願の第15の発明は、第14の発
明において、第一工程が、該平均第一微晶子サイズ未満
のサイズを有する微晶子の第一パーセントを含むととも
に、第二工程は、該平均第二微晶子サイズ未満のサイズ
を有する微晶子の第二パーセントを含み、そこでは、第
一パーセントは第二パーセントよりも大きく設定され、
それにより、小さい微晶子の消滅によって、第二微晶子
密度は第一微晶子サイズ分布関数に反応するようになる
構成である。
【0358】また、本願の第16の発明は、第15の発
明において、第四工程が、平均第一微晶子サイズよりも
小さい微晶子を平均第一微晶子サイズよりも大きい微晶
子よりも数多く含んで、非対称である第一微晶子サイズ
分布関数を含み、それによって、第一工程における微晶
子サイズの非対称の配置及び第五工程におけるより小さ
い微晶子の溶融が核形成サイトの密度を規制するように
機能する構成である。
【0359】また、本願の第17の発明は、第16の発
明において、第三工程が、第二微晶子密度及び第二微晶
子サイズに反応して多結晶粒子を形成する工程を含む構
成である。
【0360】また、本願の第18の発明は、第17の発
明において、第三工程が、非晶質物質凝固速度に応答す
る横方向成長長さにおいて形成される多結晶粒子を含
み、該多結晶粒子サイズと均一性は第二微晶子密度及び
横方向成長速度に反応し、それによって、粒子サイズ
は、微晶子核作成サイト間の間隔によって決定される最
小サイズと横方向成長速度によって決定される最大サイ
ズを有する構成である。
【0361】また、本願の第19の発明は、第13の発
明において、第五工程が、微晶子間に約1ミクロンの平
均分離を持ち、1cm2 あたり約1×108 、あるいは
それ以上の微晶子を有する微晶子第二密度を含む構成で
ある。
【0362】また、本願の第20の発明は、第1の発明
において、第一工程が、所定の第一の結晶方位を有する
微晶子が埋設された微晶子フィルムを形成する工程を含
むとともに、第三工程は、第一工程で形成された該微晶
子の第一結晶方位を持つように、多結晶フィルムを形成
する工程を含み、それによって、共通の結晶方位の使用
により、粒子境界間にランダムな結晶方位の場合よりも
大きな電荷移動をもたらす構成である。
【0363】また、本願の第21の発明は、第20の発
明において、埋設された微晶子の第一結晶方位は、(1
10)及び(111)からなるグループから選ばれる方
位である。
【0364】また、本願の第22の発明は、第20の発
明において、第二工程が、第一結晶方位を持たない微晶
子を選択的に消滅するように、第一工程で形成された微
晶子フィルムを加熱する工程を含み、第三工程が、残存
微晶子の第一方位を有するように多結晶フィルムを形成
する工程を含む構成である。
【0365】また、本願の第23の発明は、第13の発
明において、第二工程が、非晶質物質を溶融するととも
に選択的に微晶子を溶融するために、約308nmある
いはそれ以下の波長を有するエキシマレーザ結晶化(E
LC)プロセスを使用する工程を含む構成である。
【0366】また、本願の第24の発明は、第23の発
明において、第二工程が、エネルギー密度を有するEL
Cプロセスを含み、第二結晶化率は該エネルギー密度と
ステップa)の第一結晶化率に反応する構成である。
【0367】また、本願の第25の発明は、第24の発
明において、第四工程、第五工程、第六工程、および第
三工程を通じるサイクルを複数回繰り返し、そこでは、
第一サイクルは第五工程で非晶質物質の全てを十分に溶
融し、第三工程で十分に全ての結晶粒子を形成し、次の
サイクルの第五工程では、小さい結晶粒子及び該結晶粒
子中の欠陥を溶融し、後続のサイクルの第三工程におい
てより均一なサイズの結晶粒子を形成する構成である。
【0368】また、本願の第26の発明は、第1の発明
において、第二工程が、一般に1から600秒の持続時
間で、約800℃未満の温度を使用するラピッドサーマ
ルアニール(RTA)工程を含む構成である。
【0369】また、本願の第27の発明は、第1の発明
において、第一工程が、約1000Å未満の厚さを持つ
微結晶フィルムを堆積する工程を含み、それによって、
該多結晶フィルムは薄膜トランジスタの作製に好適なも
のとなる構成である。
【0370】また、本願の第28の発明は、第1の発明
において、第一工程が、SiH4 とH2 の混合ガスを使
用するPECVDプロセスによって該微結晶フィルムを
堆積する工程を含む構成である。
【0371】また、本願の第29の発明は、第28の発
明において、第一工程が、約320℃の温度において、
約0.16783W/cm2 のパワーレベルを用い、約
1.2Torrの合計圧力、及びSiH4 対H2 の流量
比、約100:1を使用して該微結晶フィルムを堆積す
る工程を含む構成である。
【0372】また、本願の第30の発明は、第1の発明
において、第一工程が、低圧CVD(LPCVD),超
高真空CVD,及びホットワイアCVDからなるグルー
プから選ばれるプロセスを通じて堆積される構成であ
る。
【0373】また、本願の第31の発明は、第1の発明
において、第一工程が、ジシラン(Si2 6 )、構造
式SiN 2N+2であらわされる高級シラン、ここでは、
Nは2より大きい、及びシラン/フッ化シラン化学物質
の組み合わせであり、構造式、SiN 2N+2/SiM
2M+2、ここでは、NとMは1以上あるいは1に等しい、
であらわされる組み合わせ、からなるグループから選ば
れる化学物質を通じて、微結晶フィルムを堆積する工程
を含む構成である。
【0374】また、本願の第32の発明は、第1の発明
において、透明基板が備えられ、第一工程が該透明基板
上に該微結晶フィルムを堆積する工程を含み、それによ
り、LCD上のTFTに好適な多結晶フィルムが形成さ
れる構成である。
【0375】また、本願の第33の発明は、第1の発明
において、第一工程が、1秒あたり2Å(Å/s)未満
の微結晶フィルムの堆積速度を含む構成である。
【0376】また、本願の第34の発明は、第33の発
明において、第一工程が、0.01%から25%の範囲
にある第一の結晶化率を作成する工程を含む構成であ
る。
【0377】また、本願の第35の発明は、第1の発明
において、第一工程が、PECVD法で該微結晶フィル
ムを堆積する工程を含み、そこでは、該堆積条件は、2
0Å/s未満の堆積速度と約100から400℃の範囲
にある堆積温度を含む構成である。
【0378】また、本願の第36の発明は、第1の発明
において、第一工程が、LPCVD法で該微結晶フィル
ムを堆積する工程を含み、そこでは、該堆積条件は、2
0Å/s未満の堆積速度と約560℃の堆積温度を含む
構成である。
【0379】また、本願の第37の発明は、第1の発明
において、第一工程が、約1.8eVあるいはそれ以上
の光学的ギャップを有する微結晶フィルムを作成する工
程を含む構成である。
【0380】また、本願の第38の発明は、第1の発明
において、第一工程が、約470cm-1を越える波数に
横方向−光学的フォノンラマンピーク(TO−ピーク)
の中心を持ち、70cm-1未満の半値全幅(FWHM)
を持つ微結晶フィルムを形成する工程を含む構成であ
る。
【0381】また、本願の第39の発明は、十分に非晶
質な物質から透明基板上に多結晶フィルムの薄膜トラン
ジスタを形成する方法であって、以下の工程を含んでい
る。SiH4 とH2 の混合ガスを使用するPECVDプ
ロセスにより、約320℃の温度において、約0.16
783W/cm2 のパワーレベルを用い、約1.2To
rrの合計圧力、及びSiH4 対H2 の流量比、約10
0:1を使用して該透明基板上に微結晶フィルムを堆積
する第一工程と、10Å/s未満の堆積速度と約380
℃の堆積温度で、ステップa)の非晶質物質を堆積する
第二工程と、第一工程の該微結晶フィルムを約500Å
未満の全体厚さに堆積する第三工程と、約308nmあ
るいはそれ以下の波長を用いるELCプロセス使用し第
一工程で堆積されたフィルムを加熱し、0.01%から
25%の範囲にある結晶化率を形成する第四工程と、1
50cm2 /Vsを越える電子移動度を有する多結晶フ
ィルムを形成する第五工程とを含む構成である。
【0382】また、本願の第40の発明は、液晶表示装
置(LCD)であって、透明基板と、該透明基板を覆う
ように形成されたTFT多結晶半導体フィルムとからな
る半導体基板を有し、上記TFT多結晶半導体フィルム
は、150cm2 /Vsより大きい電子移動度、2ボル
ト未満のしきい電圧、0.5ミクロンをより大きい粒子
サイズ及び10%未満の粒子サイズ均一性を有し、該透
明基板を覆った状態で、第一の結晶化率を持つ微結晶フ
ィルムをもたらす堆積条件で堆積され、該微結晶フィル
ムをアニールすることによって形成され、該アニール工
程は第二結晶化率を形成するように微晶子の選択的溶融
工程を含み、該多結晶TFTフィルムの電子移動度は該
第二の微晶子密度に反応し、それによって、該堆積条件
とアニール工程は該第二結晶化率と第二微晶子密度を規
制する構成である。
【0383】また、本願の第41の発明は、第40の発
明において、アニール工程は、該非晶質物質を溶解さ
せ、選択的に微晶子を溶解させて、溶融非晶質物質中に
未溶融の微晶子を埋設、残存させる加熱工程を含み、該
多結晶は未溶融の微晶子を核形成サイトとして使用して
結晶化され、それによって該多結晶フィルムの粒子サイ
ズは未溶融微晶子のサイズ及び密度に反応する構成であ
る。
【0384】また、本願の第42の発明は、第40の発
明において、第一微結晶フィルムを覆って、第二非晶質
物質フィルムが堆積され、該アニール工程は第二フィル
ムを溶融させるとともに、少なくとも部分的に第一フィ
ルムを溶融させる工程を含み、それによって、第一フィ
ルムの種結晶の密度とサイズを制御することによって、
該第二フィルム中の結晶粒子の形成を規制する構成であ
る。
【0385】また、本願の第43の発明は、第42の発
明において、微晶子の第一密度が第一フィルムに形成さ
れるとともに、第一密度未満の、微晶子の第三密度が第
二フィルムに形成され、該アニール工程は第一フィルム
の多数の微晶子を溶融させ微晶子の第二密度を形成する
とともに、選択的に第二フィルムの多数の微晶子を溶融
させ、該第二密度未満の、微晶子の第四密度を形成する
工程を含み、また主として第一フィルムの核形成サイト
に反応して、第一及び第二フィルム中の多結晶粒子が形
成され、それによって、第一フィルム中の微晶子種結晶
の数を制御して、第一及び第二フィルムの双方に対する
核形成サイトとして使用する構成である。
【0386】また、本願の第44の発明は、第43の発
明において、該第一および第二フィルムは各厚さを持
ち、第一フィルムのフィルム厚さは少なくとも約100
Åであり、第二フィルムのフィルム厚さは約900Å未
満となる構成である。
【0387】また、本願の第45の発明は、第41の発
明において、アニール工程は選択的に微晶子を溶融し、
未溶融の非晶質物質中に微晶子の第二密度を残存させる
工程を含み、それによって、数制御された種結晶を核形
成サイトとして形成する構成である。
【0388】また、本願の第46の発明は、第45の発
明において、微結晶フィルムは該透明基板に隣接しそれ
を覆う第一の領域を有し、該アニール工程は選択的に該
微結晶フィルムを溶融し、主として該透明基板に隣接す
る第一の領域に微晶子の該第二密度を存在させる工程を
含む構成である。
【0389】また、本願の第47の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムの堆積時、第一微晶子サイ
ズと第一微晶子密度の積である第一微晶子結晶化率が形
成され、該第一結晶化率は約0.01から80%の範囲
に設定され、それによって、該結晶化率は結晶粒子のサ
イズ及び分布を規制するために使用される構成である。
【0390】また、本願の第48の発明は、第40の発
明において、アニール工程は、約1000Å未満のサイ
ズを持つ微晶子を形成する工程を含む構成である。
【0391】また、本願の第49の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、シリコンである非晶質
物質及び微晶子を含む構成である。
【0392】また、本願の第50の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、シリコンゲルマニウム
化合物である非晶質物質及び微晶子を含む構成である。
【0393】また、本願の第51の発明は、第41の発
明において、微結晶フィルムは、第一微晶子サイズであ
る平均サイズを有するとともに該平均サイズの周辺にサ
イズ分布関数を有する微晶子を含む構成である。
【0394】また、本願の第52の発明は、第51の発
明において、アニール工程は、第二微晶子サイズと第二
微晶子密度を有する微晶子を形成する工程を含み、該第
二微晶子サイズ及び密度は微晶子臨界サイズよりも小さ
い微晶子の消滅と臨界サイズより大きい溶融前サイズを
有する微晶子の部分的溶融によって形成され、該アニー
ル工程は、さらに、第二微晶子サイズと第二微晶子密度
の積である第二結晶化率を形成する工程を含み、それに
よって、アニール期間中に核形成サイトの数及び分布が
変更される構成である。
【0395】また、本願の第53の発明は、第52の発
明において、アニール工程は溶融後の平均微晶子サイズ
である第二微晶子サイズを含み、そこでは、微晶子サイ
ズは第二平均微晶子サイズの周辺の第二分布関数を持
ち、それによって、微晶子密度は減少される構成であ
る。
【0396】また、本願の第54の発明は、第53の発
明において、微結晶フィルムは該平均第一微晶子サイズ
未満のサイズを有する微晶子の第一パーセントを持って
堆積され、該アニール工程は該平均第二微晶子サイズ未
満のサイズを有する微晶子の第二パーセントを形成する
工程を含み、そこでは、第一パーセントは第二パーセン
トよりも大きく設定され、それにより、小さい微晶子の
消滅によって、第二微晶子密度は第一微晶子サイズ分布
関数に反応するようになる構成である。
【0397】また、本願の第55の発明は、第54の発
明において、第一微晶子サイズ分布関数は、平均第一微
晶子サイズよりも小さい微晶子を平均第一微晶子サイズ
よりも大きい微晶子よりも数多く含んで、非対称であ
り、それによって、微晶子サイズの非対称の配置及びア
ニール中のより小さい微晶子の溶融が核形成サイトの密
度を規制するように機能する構成である。
【0398】また、本願の第56の発明は、第55の発
明において、多結晶粒子は、非晶質物質凝固速度に応答
する横方向成長長さを有して形成され、該多結晶粒子サ
イズと均一性は第二結晶化率及び横方向成長速度に反応
し、それによって、粒子サイズは、微晶子核作成サイト
間の間隔によって決定される最小サイズと横方向成長速
度によって決定される最大サイズを有する構成である。
【0399】また、本願の第57の発明は、第52の発
明において、アニール工程は、微晶子間に約1ミクロン
の平均分離を持ち、1cm2 あたり約1×108 、ある
いはそれ以上の微晶子を有する微晶子第二密度を形成す
る工程を含む構成である。
【0400】また、本願の第58の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムの堆積は、所定の第一の結
晶方位を有する微晶子の形成を含み、該多結晶フィルム
は該微晶子の第一結晶方位を持つ結晶粒子を含み、それ
によって、共通の結晶方位の使用により、粒子境界間に
ランダムな結晶方位の場合よりも大きな電荷移動をもた
らす構成である。
【0401】また、本願の第59の発明は、第58の発
明において、微晶子の第一結晶方位は、(110)及び
(111)からなるグループから選ばれる方位である。
【0402】また、本願の第60の発明は、第58の発
明において、アニール工程は、第一結晶方位を持たない
微晶子を選択的に消滅するように、該微晶子フィルムを
加熱し、残存微晶子の第一方位を有するように多結晶フ
ィルムを形成する工程を含む構成である。
【0403】また、本願の第61の発明は、第52の発
明において、アニール工程は、非晶質物質を溶融すると
ともに選択的に微晶子を溶融するために、約308nm
あるいはそれ以下の波長を有するエキシマレーザ結晶化
(ELC)プロセスを使用する工程を含む構成である。
【0404】また、本願の第62の発明は、第61の発
明において、アニール工程は、エネルギー密度を有する
ELCプロセスを含み、該第二結晶化率は該ELCエネ
ルギー密度と該堆積された微結晶フィルムの第一結晶化
率に反応する構成である。
【0405】また、本願の第63の発明は、第62の発
明において、アニール工程は、複数回のレーザショット
を通じるサイクルを繰り返し、そこでは、第一レーザシ
ョットは該微結晶フィルムの非晶質物質の全てを十分に
溶融し、十分に全ての結晶粒子を形成し、続くレーザシ
ョットでは、小さい結晶粒子及び該結晶粒子中の欠陥を
溶融し、より均一なサイズの結晶粒子を形成する構成で
ある。
【0406】また、本願の第64の発明は、第40の発
明において、アニール工程は、一般に1から600秒の
持続時間で、約800℃未満の温度を使用するラピッド
サーマルアニールRTA工程を含む構成である。
【0407】また、本願の第65の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、約1000Å未満の厚
さを持って堆積され、それによって、該多結晶フィルム
は薄膜トランジスタの作製に好適なものとなる構成であ
る。
【0408】また、本願の第66の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、SiH4 とH2 の混合
ガスを使用するPECVDプロセスによって堆積され
る。
【0409】また、本願の第67の発明は、第66の発
明において、微結晶フィルムは、約320℃の温度にお
いて、約0. 16783W/cm2 のパワーレベルを用
い、約1.2Torrの合計圧力、及びSiH4 対H2
の流量比、約100:1を使用して堆積される構成であ
る。
【0410】また、本願の第68の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、低圧CVD(LPCV
D),超高真空CVD,及びホットワイアCVDからな
るグループから選ばれるプロセスを通じて堆積される構
成である。
【0411】また、本願の第69の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、ジシラン(Si
2 6 )、式SiN 2N+2であらわされる高級シラン、
ここでは、Nは2より大きい、及びシラン/フッ化シラ
ン化学物質の組み合わせであり、構造式、SiN 2N+2
/SiM 2M+2、ここでは、NとMは1以上あるいは1
に等しい、であらわされる組み合わせ、からなるグルー
プから選ばれる化学物質を通じて、堆積される構成であ
る。
【0412】また、本願の第70の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、1秒あたり2Å(Å/
s)未満の微結晶フィルムの堆積速度で堆積される構成
である。
【0413】また、本願の第71の発明は、第70の発
明において、微結晶フィルムは、0.01%から25%
の範囲にある結晶化率で堆積される構成である。
【0414】また、本願の第72の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムはPECVD法で堆積さ
れ、そこでは、該堆積条件は、20Å/s未満の堆積速
度と約100から400℃の範囲にある堆積温度を含む
構成である。
【0415】また、本願の第73の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムはLPCVD法で堆積さ
れ、そこでは、該堆積条件は、20Å/s未満の堆積速
度と約560℃の堆積温度を含む構成である。
【0416】また、本願の第74の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、約1.8eVあるいは
それ以上の光学的ギャップをもって堆積される構成であ
る。
【0417】また、本願の第75の発明は、第40の発
明において、微結晶フィルムは、約470cm-1を越え
る波数に横方向−光学的フォノンラマンピーク(TO−
ピーク)の中心を持ち、70cm-1未満の半値全幅(F
WHM)を持って堆積される構成である。
【0418】
【発明の効果】本願発明の半導体基板の製造方法は、基
板上に多結晶フィルムが形成された半導体基板の製造方
法において、微晶子が埋設された非晶質物質を堆積し
て、微結晶フィルムを基板上に形成する第一工程と、上
記第一工程により形成された微結晶フィルムに含まれる
微晶子を選択的に溶融するようにアニールする第二工程
と、上記第二工程で行われたアニールにより加熱溶融さ
れた微結晶フィルムを冷却する第三工程とを含む構成で
ある。
【0419】これにより、最終的に形成された多結晶フ
ィルムは、微晶子種結晶から結晶粒子を成長させること
ができるので、結晶粒子が大きく、しかも、第二工程に
おけるアニール工程においてっ微結晶フィルムを選択的
に溶融するようになるので、溶融にかかるエネルギー密
度(例えば、レーザアニールのレーザのエネルギー密
度)を大きくする必要がなくなる。
【0420】また、第二工程における微晶子の溶融後の
サイズを制御することにより、簡単に多結晶フィルム内
の結晶粒子サイズの制御が容易にできるという効果を奏
する。
【0421】他の発明の液晶表示装置用半導体基板の製
造方法は、透明基板と、該透明基板を覆うようにして形
成されたTFT多結晶フィルムを有する液晶表示装置用
半導体基板の製造方法において、上記透明基板を覆った
状態で、第一微晶子結晶化率を有するように第一微結晶
フィルムを堆積するフィルム堆積工程と、第二微晶子結
晶化率を有する第二微結晶フィルムを形成するために、
堆積された第一微結晶フィルムの微晶子をアニールして
選択的に溶融するアニール工程と、上記アニール工程に
より加熱溶融された第二微結晶フィルムを冷却すること
により、該第二微結晶フィルム中に残存している微晶子
から多結晶フィルムの結晶粒子を形成する結晶粒子形成
工程とを含み、上記各工程によりTFT多結晶フィルム
を形成する構成である。
【0422】これにより、TFT多結晶半導体フィルム
は、150cm2 /Vsより大きい電子移動度、2ボル
ト未満のしきい電圧、0.5ミクロンをより大きい粒子
サイズ及び10%未満の粒子サイズ均一性を有するよう
になり、高電子移動度と低しきい値電圧とを有する半導
体基板を実現することができる。
【0423】また、TFT多結晶フィルムの電子移動度
は第二微晶子密度により決定され、、第一微結晶フィル
ムの堆積条件とアニールプロセスは該第二結晶化率と第
二微晶子密度を規制することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】高い電子移動度と低いしきい電圧を有する多結
晶フィルム形成のための本発明の製造方法を説明するフ
ローチャートである。
【図2】図1で示した製造方法の処理におけるアニール
処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図3】堆積率対結晶化率のパーセントを示すグラフで
ある。
【図4】粒子サイズ均一性の概念を示すグラフである。
【図5】SiH4 流量と非晶質フィルム堆積率の関係を
示すグラフである。
【図6】レーザエネルギー密度とフィルムの結晶含有率
の関数として、ポリシリコンの平均粒子サイズをまとめ
たグラフである。
【図7】微晶子の非晶質中の配置を一次元的に示す説明
図である。
【図8】PECVD方式により堆積されたシリコンフィ
ルムの、微晶子サイズと堆積率の関係を示すグラフであ
る。
【図9】溶融後密度と溶融前結晶サイズ間の関係を例示
する説明図である。
【図10】溶融後密度と溶融前結晶サイズ間の関係を例
示する説明図である。
【図11】溶融後密度と溶融前結晶サイズ間の関係を例
示する説明図である。
【図12】溶融後密度と溶融前結晶サイズ間の関係を、
使用されたレーザエネルギー密度の関数として示すグラ
フである。
【図13】結晶化率、エネルギー密度、及び電子移動度
あるいはしきい電圧の関係を示すグラフである。
【図14】結晶化率、エネルギー密度、及び電子移動度
あるいはしきい電圧の関係を示すグラフである。
【図15】PECVD及びLPCVDシリコンフィルム
における、微晶子サイズ及び微晶子密度間の関係を示す
グラフである。
【図16】二重層堆積の結果を示すグラフである。
【図17】LCD形成方法におけるステップを示す説明
図である。
【図18】LCD形成方法におけるステップを示す説明
図である。
【図19】LCD形成方法におけるステップを示す説明
図である。
【図20】LCD形成方法におけるステップを示す説明
図である。
【図21】微結晶フィルムを覆う第二の非晶質物質を含
めた場合の図17のLCDを示す説明図である。
【図22】第二のフィルムが特に微結晶フィルムである
場合の図21のLCDを示す説明図である。
【図23】アニールの溶融段に続いた場合の図22のL
CDの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
110 LCD(液晶表示装置) 112 透明基板(基板) 114 第一フィルム 115 非晶質(非晶質物質) 116 微晶子 122 溶融領域 124 微晶子 125 第一領域 128 結晶粒子 130 フィルム領域 131 多結晶フィルム 132 第二フィルム

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に多結晶フィルムが形成された半導
    体基板の製造方法において、 非晶質物質を堆積してなり、微晶子を含む微結晶フィル
    ムを基板上に形成する第一工程と、上記第一工程により
    形成された微結晶フィルムをアニールする第二工程と、
    上記第二工程でアニールにより加熱された微結晶フィル
    ムを冷却する第三工程とを含み、 上記第二工程では、上記微晶子の粒度および密度に応じ
    て、上記微晶子の少なくとも一部が核種として残るよう
    に加熱処理することを特徴とする半導体基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記第二工程は、上記第一工程で形成され
    た微結晶フィルムが溶融を始める臨界温度まで加熱する
    第四工程と、 上記第四工程において臨界温度まで加熱されたとき、上
    記第一工程で堆積された微結晶フィルムに含まれる非晶
    質物質を溶解させると共に、溶融非晶質物質中に未溶融
    の微晶子が埋設、残存するように、選択的に該微結晶フ
    ィルム内の微晶子が溶融するようにさらに加熱する第五
    工程と、 第五工程で溶融された非晶質物質を臨界温度まで冷却す
    る第六工程とを含み、 上記第三工程は、上記第四工程で未溶融の微晶子を核形
    成サイトとして、溶融された非晶質物質を結晶化するこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。
  3. 【請求項3】上記第一工程は、微結晶フィルムからなる
    第一フィルムを覆うように、非晶質物質フィルムからな
    る第二フィルムを堆積する工程を含み、 上記第二工程は、第二フィルムを溶融させることで、第
    一フィルムを部分的に溶融させる工程を含むことを特徴
    とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。
  4. 【請求項4】上記第一工程では、微晶子の密度が第一密
    度を有する第一フィルムを形成するとともに、微晶子の
    密度が上記第一密度よりも小さい第三密度を有する第二
    フィルムを形成し、 上記第二工程では、第一フィルムの微晶子の密度が第二
    密度となるように、該第一フィルムに含まれる多数の微
    晶子を溶融させるとともに、第二フィルムの微晶子の密
    度が上記第二密度よりも小さい選択的に第四密度となる
    ように、該第二フィルムの多数の微晶子を溶融させ、 上記第三工程では、主に第一フィルムの核形成サイトに
    おいて、第一及び第二フィルム中の多結晶粒子を形成す
    ることを特徴とする請求項3記載の半導体基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】上記第一工程において、第一フィルムは、
    フィルム厚さが少なくとも100Å、第二フィルムは、
    フィルム厚さが900Å未満となるように形成されるこ
    とを特徴とする請求項4記載の半導体基板の製造方法。
  6. 【請求項6】上記第五工程では、未溶融の非晶質物質中
    の微晶子の密度が所定値よりも小さくならないように、
    選択的に微晶子を溶融することを特徴する請求項2記載
    の半導体基板の製造方法。
  7. 【請求項7】上記第一工程では、基板の第一の表面に隣
    接し、該第一の表面を覆う第一の領域を形成するように
    微結晶フィルムを堆積し、 上記第五工程では、主に、上記第一の表面に隣接する第
    一の領域の微晶子の密度が所定値よりも小さくならない
    ように、選択的に該微結晶フィルムを溶融することを特
    徴とする請求項6記載の半導体基板の製造方法。
  8. 【請求項8】上記第一工程では、堆積された微結晶フィ
    ルムに含まれる微晶子のサイズを示す第一微晶子サイズ
    と、上記微晶子の密度を示す第一微晶子密度とに基づい
    て得られる、上記微結晶フィルム内の微晶子が結晶化さ
    れている割合を示す第一微晶子結晶化率が、約0.01
    から80%の範囲に設定されるように、上記微結晶フィ
    ルムを堆積することを特徴とする請求項1記載の半導体
    基板の製造方法。
  9. 【請求項9】上記第二工程において、微結晶フィルム中
    に含まれる微晶子のサイズが約1000Åよりも小さく
    なるようにアニールすることを特徴とする請求項1記載
    の半導体基板の製造方法。
  10. 【請求項10】上記第一工程において堆積された微結晶
    フィルムの非晶質物質と微晶子とは、シリコンからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造方
    法。
  11. 【請求項11】上記第一工程において堆積された微結晶
    フィルムの非晶質物質と微晶子とは、シリコンゲルマニ
    ウム化合物からなることを特徴とする請求項1記載の半
    導体基板の製造方法。
  12. 【請求項12】上記第一工程では、第一微晶子サイズが
    平均第一微晶子サイズの周辺に分布する第一分布関数を
    有する微晶子を形成することを特徴とする請求項2記載
    の半導体基板の製造方法。
  13. 【請求項13】上記第五工程では、微晶子臨界サイズよ
    りも小さい微晶子の消滅と微晶子臨界サイズより大きい
    微晶子溶融前のサイズを有する微晶子の部分的溶融によ
    って決定された第二微晶子サイズと第二微晶子密度を有
    する微晶子を形成する工程を含んでいることを特徴とす
    る請求項12記載の半導体基板。
  14. 【請求項14】上記第五工程では、第二微晶子サイズが
    溶融後の第二平均微晶子サイズの周辺に分布する第二分
    布関数を有する微晶子を形成することを特徴とする請求
    項13記載の半導体基板の製造方法。
  15. 【請求項15】上記第一工程では、第一平均微晶子サイ
    ズ未満のサイズを有する微晶子を、微結晶フィルム中に
    第一の割合で含まれるように形成し、上記第五工程で
    は、第二平均微晶子サイズ未満のサイズを有する微晶子
    を、微結晶フィルム中に、上記第一の割合よりも小さい
    第二の割合で含まれるように形成することを特徴とする
    請求項14記載の半導体基板の製造方法。
  16. 【請求項16】上記第一工程において、第一微晶子サイ
    ズの分布が非対称である第一分布関数となるように、第
    一平均微晶子サイズよりも小さいサイズを有する微晶子
    を、第一平均微晶子サイズよりも大きいサイズを有する
    微晶子よりも数多く含むように形成することを特徴とす
    る請求項15記載の半導体基板の製造方法。
  17. 【請求項17】上記第三工程は、第二微晶子密度及び第
    二微晶子サイズに応じて微晶子から多結晶粒子を形成す
    る工程を含むことを特徴とする請求項16記載の半導体
    基板。
  18. 【請求項18】上記第三工程では、非晶質物質凝固速度
    に応じて横方向成長速度で多結晶粒子が形成されること
    を特徴とする請求項17記載の半導体基板。
  19. 【請求項19】上記第五工程では、微晶子間に約1μm
    の平均分離距離であり、且つ1cm2あたり約1×10
    8 、あるいはそれ以上の第二微晶子密度を有する微晶子
    を形成することを特徴とする請求項13記載の半導体基
    板の製造方法。
  20. 【請求項20】上記第一工程では、所定の第一の結晶方
    位を有する微晶子が埋設された微晶子フィルムを形成す
    る工程を含み、 上記第三工程では、上記第一工程で形成された微晶子の
    第一結晶方位を持つように、多結晶フィルムを形成する
    工程を含んでいることを特徴とする請求項1記載の半導
    体基板の製造方法。
  21. 【請求項21】埋設された微晶子の第一結晶方位は、
    (110)及び(111)からなるグループから選ばれ
    る方位であることを特徴とする請求項20記載の半導体
    基板の製造方法。
  22. 【請求項22】上記第二工程は、第一結晶方位を持たな
    い微晶子を選択的に消滅するように、上記第一工程で形
    成された微晶子フィルムを加熱する工程を含み、 上記第三工程は、残存微晶子の第一方位を有するように
    多結晶フィルムを形成する工程を含んでいることを特徴
    とする請求項20記載の半導体基板の製造方法。
  23. 【請求項23】上記第二工程は、非晶質物質を溶融して
    微晶子を選択的に溶融するために、約308nmあるい
    はそれ以下の波長を有するエキシマレーザ結晶化プロセ
    スを使用する工程を含んでいることを特徴とする請求項
    13記載の半導体基板の製造方法。
  24. 【請求項24】上記第二工程は、エキシマレーザ結晶化
    プロセスにおけるエネルギー密度と、上記第一工程で得
    られた微晶子の第一微晶子結晶化率とに基づいて得られ
    る第二微晶子結晶化率を有する微晶子を形成することを
    特徴とする請求項23記載の半導体基板の製造方法。
  25. 【請求項25】上記第四工程、上記第五工程、上記第六
    工程、及び第三工程の順番のサイクルを複数回繰り返し
    て均一なサイズの結晶粒子を形成することを特徴とする
    請求項24記載の半導体基板の製造方法。
  26. 【請求項26】上記第二工程のアニールは、1から60
    0秒の持続時間で、約800℃未満の温度が使用できる
    ラピッドサーマルアニールであることを特徴とする請求
    項1記載の半導体基板の製造方法。
  27. 【請求項27】上記第一工程では、約1000Å未満の
    厚さを持つ微結晶フィルムを堆積することを特徴とする
    請求項1記載の半導体基板の製造方法。
  28. 【請求項28】上記第一工程では、SiH4 とH2 の混
    合ガスを使用するプラズマ化学的成膜プロセスによって
    微結晶フィルムを堆積することを特徴とする請求項1記
    載の半導体基板の製造方法。
  29. 【請求項29】上記プラズマ化学的成膜プロセスの堆積
    条件は、温度が約320℃、パワーレベルが約0.16
    783W/cm2 、合計圧力が約1.2Torr、Si
    4 対H2 の流量比が約100:1であることを特徴と
    する請求項28記載の半導体基板の製造方法。
  30. 【請求項30】上記第一工程は、低圧化学的成膜、超高
    真空化学的成膜、及びホットワイア化学的成膜からなる
    方法の何れかによって、微結晶フィルムを堆積すること
    を特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。
  31. 【請求項31】上記第一工程は、ジシラン(Si
    2 6 )、構造式SiN 2N+2で表わされる高級シラン
    (N>2)、及びシラン/フッ化シラン化学物質の組み
    合わせであり、構造式SiN 2N+2/SiM 2M+2(N
    ≧1,M≧1)であらわされる組み合わせのグループか
    ら選ばれる化学物質を用いて、微結晶フィルムを堆積す
    る工程を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体基
    板の製造方法。
  32. 【請求項32】上記第一工程は、基板としての透明基板
    上に、微結晶フィルムを堆積する工程を含むことを特徴
    とする請求項1記載の半導体基板の製造方法。
  33. 【請求項33】上記第一工程は、1秒あたり2Å未満の
    微結晶フィルムの堆積速度により微結晶フィルムを堆積
    することを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造
    方法。
  34. 【請求項34】上記第一工程は、0.01%から25%
    の範囲にある第一微晶子結晶化率を有する微晶子を形成
    することを特徴とする請求項33記載の半導体基板の製
    造方法。
  35. 【請求項35】上記第一工程は、プラズマ化学的成膜法
    で微結晶フィルムを堆積する工程を含み、 上記微結晶フィルムの堆積条件は、20Å/s未満の堆
    積速度と約100から400℃の範囲にある堆積温度で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製造
    方法。
  36. 【請求項36】上記第一工程は、低圧CVD法で微結晶
    フィルムを堆積する工程を含み、 上記微結晶フィルムの堆積条件は、20Å/s未満の堆
    積速度と約560℃の堆積温度であることを特徴とする
    請求項1記載の半導体基板の製造方法。
  37. 【請求項37】上記第一工程は、約1.8eVあるいは
    それ以上の光学的ギャップを有する微結晶フィルムを堆
    積することを特徴とする請求項1記載の半導体基板の製
    造方法。
  38. 【請求項38】上記第一工程は、約470cm-1を越え
    る波数が横方向−光学的フォノンラマンピークの中心で
    あり、70cm-1未満の半値全幅を有する微結晶フィル
    ムを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載
    の半導体基板の製造方法。
  39. 【請求項39】十分に非晶質な物質からなる透明基板上
    に多結晶フィルムの薄膜トランジスタが形成された半導
    体基板の製造方法において、 全体の厚さが約500Å未満となるように微結晶フィル
    ムを得るために、SiH4 とH2 の混合ガスを使用する
    プラズマ化学的成膜プロセスにより、約320℃の温度
    において、約0.16783W/cm2 のパワーレベル
    を用い、約1.2Torrの合計圧力、及びSiH4
    2 の流量比、約100:1を使用し、10Å/s未満
    の堆積速度と約380℃の堆積温度で、非晶質物質を堆
    積して微結晶フィルムを形成する第11工程を含み、 約308nmあるいはそれ以下の波長を用いるエキシマ
    レーザ結晶化プロセスを使用し上記第11工程で形成さ
    れた微結晶フィルムを加熱し、微晶子が結晶化される割
    合を示す結晶化率が0.01%から25%の範囲となる
    ように微晶子を形成する第12工程と、 非晶質物質の臨界温度以上に加熱し、上記第12工程に
    より形成された微晶子を選択的に溶融した後、非晶質物
    質の臨界温度まで冷却することにより、150cm2
    Vsを越える電子移動度を有する多結晶フィルムを形成
    する第13工程とを含むことを特徴とする半導体基板の
    製造方法。
  40. 【請求項40】透明基板と、該透明基板を覆うようにし
    て形成された薄膜トランジスタ多結晶フィルムを有する
    液晶表示装置用半導体基板の製造方法において、 上記透明基板を覆った状態で、第一微晶子結晶化率を有
    するように第一微結晶フィルムを堆積するフィルム堆積
    工程と、 第二微晶子結晶化率を有する第二微結晶フィルムを形成
    するために、堆積された第一微結晶フィルムの微晶子を
    アニールして選択的に溶融するアニール工程と、 上記アニール工程により加熱溶融された第二微結晶フィ
    ルムを冷却することにより、該第二微結晶フィルム中に
    残存している微晶子から多結晶フィルムの結晶粒子を形
    成する結晶粒子形成工程とを含み、 上記各工程により薄膜トランジスタ多結晶フィルムを形
    成することを特徴とする液晶表示装置用半導体基板の製
    造方法。
  41. 【請求項41】上記アニール工程は、第一微結晶フィル
    ムに含まれる非晶質物質を溶解させ、選択的に微晶子を
    溶解させて、溶融非晶質物質中に未溶融の微晶子を埋
    設、残存させることを特徴とする請求項40記載の液晶
    表示装置用半導体基板の製造方法。
  42. 【請求項42】上記アニール工程は、上記第一微結晶フ
    ィルムを覆って堆積された第二非晶質物質フィルムを溶
    融させることにより、第一フィルムを部分的に溶融させ
    ることを特徴とする請求項40記載の液晶表示装置用半
    導体基板の製造方法。
  43. 【請求項43】上記フィルム堆積工程では、微晶子の密
    度が第一密度となるように第一微結晶フィルムを形成す
    ると共に、微晶子の密度が第一密度未満の第三密度とな
    るように第二非晶質物質フィルムを形成し、 上記アニール工程では、微晶子の密度が第二密度となる
    ように第一微結晶フィルムの多数の微晶子を溶融させる
    とともに、微晶子の密度が該第二密度未満の第四密度と
    なるように、選択的に第二非晶質物質フィルムの多数の
    微晶子を溶融させ、 上記結晶粒子成長工程では、主に第一微結晶フィルムの
    核形成サイトにおいて、第一微結晶フィルム及び第二非
    晶質物質フィルム中に多結晶粒子を形成することを特徴
    とする請求項42記載の液晶表示装置用半導体基板の製
    造方法。
  44. 【請求項44】上記フィルム堆積工程では、フィルム厚
    さは少なくとも100Åになるように第一微結晶フィル
    ムを堆積すると共に、フィルム厚さが900Å未満にな
    るように第二非晶質物質フィルムが上記第一微結晶フィ
    ルムを覆うように堆積することを特徴とする請求項43
    記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  45. 【請求項45】上記アニール工程において、未溶融の非
    晶質物質中に微晶子の密度が第二密度となるように、微
    晶子を選択的に溶融することを特徴とする請求項41記
    載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  46. 【請求項46】上記フィルム堆積工程では、上記透明基
    板に隣接しそれを覆う第一の領域を有する第一微結晶フ
    ィルムを堆積し、 上記アニール工程では、上記透明基板に隣接する第一の
    領域における微晶子の密度が第二密度となるように選択
    的に上記第一微結晶フィルムを溶融することを特徴とす
    る請求項45記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方
    法。
  47. 【請求項47】上記フィルム堆積工程では、第一微晶子
    サイズと第一微晶子密度とに基づいて得られる第一微晶
    子結晶化率が、約0.01から80%の範囲となるよう
    に第一微結晶フィルムを堆積することを特徴とする請求
    項40記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  48. 【請求項48】上記アニール工程では、約1000Å未
    満のサイズを有する微晶子を形成することを特徴とする
    請求項40記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方
    法。
  49. 【請求項49】上記第一微結晶フィルムは、シリコンで
    ある非晶質物質及び微晶子を含むことを特徴とする請求
    項40記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  50. 【請求項50】上記第一微結晶フィルムは、シリコンゲ
    ルマニウム化合物である非晶質物質及び微晶子を含むこ
    とを特徴とする請求項40記載の液晶表示装置用半導体
    基板の製造方法。
  51. 【請求項51】上記第一微結晶フィルムは、第一微晶子
    サイズである第一平均微晶子サイズを有するとともに、
    微晶子サイズが第一平均微晶子サイズの周辺に分布する
    第一分布関数を有する微晶子を含むことを特徴とする請
    求項41記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  52. 【請求項52】上記アニール工程では、微晶子臨界サイ
    ズよりも小さい微晶子の消滅と臨界サイズより大きい溶
    融前サイズを有する微晶子の部分的溶融により、第二微
    晶子サイズ及び密度を有する微晶子を形成することを特
    徴とする請求項51記載の液晶表示装置用半導体基板の
    製造方法。
  53. 【請求項53】上記アニール工程では、溶融後の平均微
    晶子サイズである第二微晶子サイズが、第二平均微晶子
    サイズの周辺に分布する第二分布関数となるように第一
    微結晶フィルムを溶融することを特徴とする請求項52
    記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  54. 【請求項54】上記アニール工程では、上記第一微結晶
    フィルムは、上記第一平均微晶子サイズ未満のサイズを
    有する微晶子の第一割合で堆積され、 第二平均微晶子サイズ未満のサイズを有する微晶子の上
    記第一割合よりも小さな第二割合で第二微結晶フィルム
    を形成することを特徴とする請求項53記載の液晶表示
    装置用半導体基板の製造方法。
  55. 【請求項55】第一平均微晶子サイズよりも小さい微晶
    子を第一平均微晶子サイズよりも大きい微晶子よりも数
    多く含んで、非対称である第一分布関数を有するように
    第一微結晶フィルムを堆積することを特徴とする請求項
    54記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  56. 【請求項56】上記結晶粒子形成工程では、非晶質物質
    凝固速度に応答する横方向成長速度に応じて多結晶粒子
    を形成することを特徴とする請求項55記載の液晶表示
    装置用半導体基板の製造方法。
  57. 【請求項57】上記アニール工程では、微晶子間に約1
    μmの平均分離距離であり、且つ1cm2 あたり約1×
    108 、あるいはそれ以上の第二微晶子密度を有する微
    晶子を形成することを特徴とする請求項52記載の液晶
    表示装置用半導体基板の製造方法。
  58. 【請求項58】上記アニール工程における微結晶フィル
    ム堆積工程では、所定の第一の結晶方位を有する微晶子
    を形成することを特徴とする請求項40記載の液晶表示
    装置用半導体基板の製造方法。
  59. 【請求項59】上記微晶子の第一結晶方位は、(11
    0)及び(111)からなるグループから選ばれる方位
    であることを特徴とする請求項58記載の液晶表示装置
    用半導体基板の製造方法。
  60. 【請求項60】上記アニール工程は、第一結晶方位を持
    たない微晶子を選択的に消滅するように、該微晶子フィ
    ルムを加熱し、残存微晶子の第一方位を有するように多
    結晶フィルムを形成する工程を含んでいることを特徴と
    する請求項58記載の液晶表示装置用半導体基板の製造
    方法。
  61. 【請求項61】上記アニール工程は、非晶質物質を溶融
    するとともに選択的に微晶子を溶融するために、約30
    8nmあるいはそれ以下の波長を有するエキシマレーザ
    結晶化プロセスが用いられていることを特徴とする請求
    項52記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  62. 【請求項62】上記アニール工程は、エキシマレーザ結
    晶化プロセスにおけるエネルギー密度と、上記第一工程
    で得られた微晶子の第一微晶子結晶化率とに基づいて得
    られる第二微晶子結晶化率を有する微晶子を形成するこ
    とを特徴とする請求項61記載の液晶表示装置用半導体
    基板の製造方法。
  63. 【請求項63】上記アニール工程は、複数回のレーザシ
    ョットを通じるサイクルを繰り返して行うことを特徴と
    する請求項62記載の液晶表示装置用半導体基板の製造
    方法。
  64. 【請求項64】上記アニール工程では、1から600秒
    の持続時間で、約800℃未満の温度を使用するラピッ
    ドサーマルアニール工程により微結晶フィルムを溶融す
    ることを特徴とする請求項40記載の液晶表示装置用半
    導体基板の製造方法。
  65. 【請求項65】上記フィルム堆積工程では、1000Å
    未満の厚さで第一微結晶フィルムを堆積することを特徴
    とする請求項40記載の液晶表示装置用半導体基板の製
    造方法。
  66. 【請求項66】上記フィルム堆積工程では、SiH4
    2 の混合ガスを使用するPECVDプロセスによって
    第一微結晶フィルムの堆積を行うことを特徴とする請求
    項40記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  67. 【請求項67】上記微結晶フィルムの堆積は、温度が約
    320℃、レーザ出力が約0. 16783W/cm2
    合計圧力が約1.2Torr、SiH4 対H2 の流量比
    が約100:1の条件で行われることを特徴とする請求
    項66記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  68. 【請求項68】上記フィルム堆積工程では、低圧化学的
    成膜、超高真空化学的成膜、及びホットワイア化学的成
    膜からなるグループから選ばれる何れかのプロセスによ
    り第一微結晶フィルムを堆積することを特徴とする請求
    項40記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  69. 【請求項69】上記フィルム堆積工程では、ジシラン
    (Si2 6 )、構造式SiN 2N+2であらわされる高
    級シラン、ここでは、Nは2より大きい、及びシラン/
    フッ化シラン化学物質の組み合わせであり、構造式、S
    N 2N+2/SiM 2M+2、ここでは、NとMは1以上
    あるいは1に等しい、であらわされる組み合わせからな
    るグループから選ばれる化学物質を用いて、第一微結晶
    フィルムを堆積することを特徴とする請求項40記載の
    液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  70. 【請求項70】上記フィルム堆積工程では、第一微結晶
    フィルムの堆積速度が、1秒あたり2Å未満に設定され
    ていることを特徴とする請求項40記載の液晶表示装置
    用半導体基板の製造方法。
  71. 【請求項71】上記微結晶フィルムは、微晶子が微結晶
    フィルム中に含まれる割合を示す結晶化率が0.01%
    から25%の範囲となるように堆積されることを特徴と
    する請求項70記載の液晶表示装置用半導体基板の製造
    方法。
  72. 【請求項72】上記フィルム堆積工程では、堆積速度が
    20Å/s未満、堆積温度が約100から400℃の範
    囲である堆積条件によりプラズマ化学的成膜法で第一微
    結晶フィルムを堆積することを特徴とする請求項40記
    載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  73. 【請求項73】上記フィルム堆積工程では、堆積速度が
    20Å/s未満、堆積温度が約560℃である堆積条件
    により低圧化学的成膜法で第一微結晶フィルムを堆積す
    ることを特徴とする請求項40記載の液晶表示装置用半
    導体基板の製造方法。
  74. 【請求項74】上記フィルム堆積工程では、約1.8e
    Vあるいはそれ以上の光学的ギャップをもって第一微結
    晶フィルムを堆積することを特徴とする請求項40記載
    の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
  75. 【請求項75】上記フィルム堆積工程では、約470c
    -1を越える波数が横方向−光学的フォノンラマンピー
    クの中心であり、70cm-1未満の半値全幅を有するよ
    うに第一微結晶フィルムを堆積することを特徴とする請
    求項40記載の液晶表示装置用半導体基板の製造方法。
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