JP2000231902A - 放電灯電極及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

放電灯電極及びその製造方法並びに製造装置

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JP2000231902A
JP2000231902A JP11034087A JP3408799A JP2000231902A JP 2000231902 A JP2000231902 A JP 2000231902A JP 11034087 A JP11034087 A JP 11034087A JP 3408799 A JP3408799 A JP 3408799A JP 2000231902 A JP2000231902 A JP 2000231902A
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努 櫻井
Shinichiro Ishizuka
眞一郎 石塚
Kinbun Saeki
欽文 佐伯
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電灯電極における電極棒に対するワイヤの
接合及び電極棒の先端加工をレーザー加工によって行う
製造方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 パルスレーザー発振器14から出射され
るレーザー光6を集光レンズ18によって集光した所定
径の集光スポット位置に、ワイヤ2を巻回した電極棒1
を配してワイヤ2の表面の溶融により電極棒1にワイヤ
2を接合させる。また、集光スポット位置に電極棒1の
先端部を配して溶融させ、再凝固させて凸面の先端形状
に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明の用に供され
る放電灯における電極構造とその製造方法並びに製造装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水銀放電灯等の放電灯の電極は、図11
に示すように、電極棒31の先端部はアール面に形成し
て放電性を高めると共に、電極棒31にワイヤ32をコ
イル状に巻回して放熱性の向上が図られる。尚、図11
において、ワイヤ32は巻回の隣接間で密着させた密着
巻きにしているが、間隔を設けた粗巻きにする場合もあ
る。
【0003】前記ワイヤ32は、図12に示すように、
電極棒31に抵抗溶接により接合される。前記電極棒3
1及びワイヤ32は、タングステンにより形成されてお
り、抵抗溶接の溶接電極33も耐熱性のあるタングステ
ンにより形成される。溶接電極33、33の間でワイヤ
32を電極棒31に対して加圧すると同時に溶接電流を
流し、ワイヤ32と電極棒31との接触点がジュール熱
によって溶融することにより両者間が接合される。
【0004】また、電極棒31の先端部は、図13に示
すように、先端に形成する半球状のアールに対応する曲
面が形成された研磨台34に、電極棒31の先端部を押
し当てて回転させることにより所定の半球面が形成され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術におけるワイヤ32の接合方法では、溶接時に溶
接電極33、33にワイヤ32が付着することが多く、
溶接機のメンテナンスが頻繁に必要となるばかりでな
く、溶接不良の多発や加工品質のばらつきから歩留りの
悪い製造方法となる問題点があった。
【0006】また、電極棒31の先端部の加工におい
て、研磨台34の磨耗によりアール面形状やアール面の
粗さが一定の状態に加工されない問題点があり、放電灯
としての放電特性にばらつきが生じる問題点があった。
【0007】本発明が目的とするところは、レーザー加
工により放電特性に優れ、且つ安定した品質の放電灯電
極とこれを製造する製造方法並びに製造装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願の第1発明に係る放電灯電極は、円柱状に形成さ
れた電極棒に、この電極棒の直径の数分の1以下の直径
に形成されたワイヤをコイル状に巻回し、このワイヤを
電極棒に接合して形成された放電灯電極において、前記
ワイヤを溶融させたフィレット状の溶融部によってワイ
ヤが電極棒に接合されてなることを特徴とする。
【0009】上記放電灯電極は、ワイヤを溶融させた溶
融部がフィレット状になった状態にして電極棒に接合さ
れるので、接合強度の高いワイヤ接合がなされ、安定し
た品質の放電灯電極が提供される。
【0010】また、本願の第2に係る放電灯電極は、円
柱状に形成された電極棒の端面が、電極棒の中心軸上を
頂点とする凸面に形成されてなる放電灯電極において、
前記電極棒の端面が、レーザー照射による溶融により電
極棒の中心軸上を頂点とする凸面に形成されてなること
を特徴とする。
【0011】上記放電灯電極は、その先端面をレーザー
照射によって溶融させた後、再凝固させることにより、
任意の凸面形状に形成することができる。この凸面形状
によって放電灯電極に適した放電特性を得ることができ
る。
【0012】電極の先端面は、凸面が中心軸を中心とす
る複数の同心円の段差によって形成することにより、放
電性のよい放電灯電極が得られる。
【0013】また、電極の先端面は、凸面の表面を鏡面
に形成することにより、長寿命の放電灯電極が得られ
る。
【0014】また、本願の第3発明に係る放電灯電極の
製造方法は、円柱状に形成された電極棒に、この電極棒
の直径の数分の1以下の直径に形成されたワイヤをコイ
ル状に巻回し、このワイヤを電極棒に接合して形成され
る放電灯電極の製造方法において、前記ワイヤの任意部
位をレーザー照射によって溶融し、この溶融部がレーザ
ー照射によって加熱された電極棒に流動接着することに
より、ワイヤを電極棒に接合することを特徴とする。
【0015】上記製造方法によれば、電極棒とワイヤと
の接合部位にレーザー照射すると、電極棒が加熱される
と同時に熱容量の小さいワイヤは溶融する。この溶融部
は加熱された電極棒上に流れて接着するので、接合部位
は溶融部がフィレット状になって接合強度の高い状態に
してワイヤが電極棒に接合される。
【0016】また、本願の第4発明に係る放電灯電極の
製造方法は、円柱状に形成された電極棒に、この電極棒
の直径の数分の1以下の直径に形成されたワイヤをコイ
ル状に巻回し、このワイヤを電極棒に接合して形成され
る放電灯電極の製造方法において、レーザー光のビーム
強度分布がガウシアン分布であり、このガウシアン分布
の最大値の半値以上の領域となるビーム径の外周部が、
前記ワイヤに接するようにして、ワイヤの直径より大き
な集光スポットで且つ10ms以上のパルス幅のレーザ
ー光を前記電極棒上に照射して、少なくともワイヤを溶
融させ、その溶融物が加熱もしくは溶融した電極棒上の
所定範囲に流動することにより、ワイヤを電極棒に接合
することを特徴とする。
【0017】上記製造方法によれば、ガウシアン分布の
レーザー光の最大値の半値以上の領域により電極棒が加
熱され、最大値の半値以下の領域でワイヤが加熱され
る。ワイヤは熱容量が小さいため容易に溶融して、溶融
物は加熱された電極棒上に流れるので、溶融物は電極棒
に濡れ性よく接着して溶融物によるフィレットが形成さ
れる。このフィレット形状による接合によりワイヤと電
極棒との間の接合強度の高い放電灯電極が得られる。
【0018】また、本願の第5発明に係る放電灯電極の
製造方法は、円柱状に形成された電極棒に、この電極棒
の直径の数分の1の直径に形成されたワイヤをコイル状
に巻回し、電極棒とワイヤとの間を接合して形成される
放電灯電極の製造方法において、レーザー光のビーム強
度分布がガウシアン分布であり、このガウシアン分布の
最大値の半値以上の領域となるビーム径の部分が、前記
ワイヤ上になるようにして、ワイヤの直径より大きな集
光スポットで且つ10ms以上のパルス幅のレーザー光
を照射して、ワイヤの余剰部を溶融により切断して切り
離すと同時に、ワイヤの溶融による溶融物が加熱もしく
は溶融した電極棒上の所定範囲に流動することにより、
ワイヤを電極棒に接合することを特徴とする。
【0019】上記製造方法によれば、電極棒に対してワ
イヤを巻回した後、ワイヤにレーザー光の集光スポット
の中心が位置するようにレーザー光を照射すると、ワイ
ヤが溶断されると共に、切断端は溶融により電極棒に接
合される。従って、ワイヤの巻回に引き続いて接合がな
されると同時に、ワイヤの余剰部が切り離される。
【0020】また、本願の第6発明に係る放電灯電極の
製造方法は、円柱状に形成された電極棒の端面が、電極
棒の中心軸上を頂点とする凸面に形成されてなる放電灯
電極の製造方法において、前記電極棒の中心軸方向から
所定角度に集光されたレーザー光を照射し、レーザー光
の集光スポットの直径が、電極棒の直径より大となる位
置から小となる任意位置に電極棒の端面が位置するよう
に配置してレーザー光により電極棒の端部を溶融させた
後、溶融部位を凝固させることにより、電極棒の端面が
中心軸上を頂点とする任意形状の凸面に形成することを
特徴とする。
【0021】上記製造方法によれば、電極棒の端面がレ
ーザー光照射によって溶融されることにより、溶融部分
の表面張力により凸面形状が形成され、溶融温度の低い
周囲から同心円状に凝固が進行することにより、電極棒
の端面は同心円状の段差が形成された凸面に形成され
る。この溶融及び凝固は、レーザー光の集光スポット上
における強度分布やレーザー出力の調整によって制御で
き、任意の端面形状を形成することができる。
【0022】また、本願の第7発明に係る放電灯電極の
製造方法は、円柱状に形成された電極棒の端面が、電極
棒の中心軸上を頂点とする凸面に形成されてなる放電灯
電極の製造方法において、前記電極棒を不活性ガス中に
配設し、電極棒の中心軸方向から所定角度に集光された
レーザー光を照射し、レーザー光の集光スポットの直径
が、電極棒の直径より大となる位置から小となる任意位
置に電極棒の端面が位置するように配置してレーザー光
により電極棒の端部を溶融させた後、溶融部位を凝固さ
せることにより、電極棒の端面が中心軸上を頂点とする
任意形状の凸面に形成することを特徴とする。
【0023】上記製造方法によれば、電極棒の端面が不
活性ガス中でレーザー光照射によって溶融されることに
より、溶融部分の表面張力により形成された凸面形状の
表面が分子配列が揃った鏡面となり、放電による耐久性
に優れた放電面となり、放電灯の長寿命化を図ることが
できる。
【0024】上記製造方法において、レーザー光の集光
スポット断面上の強度分布を調整するフィルタをレーザ
ー光の光路上に配設して溶融状態を変化させることによ
り、任意の端面形状に形成できるよう制御することがで
きる。
【0025】また、溶融した電極棒の先端部に中心軸方
向と直交する方向から噴射されたガスにより溶融部分を
吹き飛ばして先端部を平面状態にすることにより、ニッ
パーカット等の機械的切断によって先端部が平面状態に
ない電極棒に凸面を形成するとき、凸面を形成するため
に必要な平面を先端部に形成することができる。
【0026】また、レーザー光の波形制御により溶融状
態を変化させることにより、任意の加工状態が得られ
る。
【0027】また、本願の第8発明に係る放電灯電極の
製造装置は、パルスレーザー発振器から出力されたレー
ザー光を、その波長光のみを選択的に反射させるミラー
で所定方向に反射させ、このレーザー光を集光レンズに
より集光するレーザー照射手段と、電極棒を保持して、
電極棒のレーザー加工位置を前記集光レンズによって集
光された所定のスポット径位置に所定角度にして配置す
るワークハンドリング手段と、電極棒のレーザー加工位
置から前記集光レンズ及びミラーを透過してきた光をカ
メラによって検出することにより、前記レーザー照射手
段による電極棒の加工状態を認識し、この認識結果に基
づいて前記レーザー照射手段及びワークハンドリング手
段を制御する加工制御手段とを備えてなることを特徴と
する。
【0028】上記製造装置によれば、レーザー光照射に
よる加工状態は加工制御手段によって認識されるので、
この認識結果に基づいてレーザー照射手段及びワークハ
ンドリング手段を制御することにより、自動化された製
造により一定品質の放電灯電極を製造することができ
る。
【0029】上記構成において、レーザー照射手段に、
パルスレーザー発振器から出力されるレーザー光の波形
を制御する出力波形制御手段を設けることにより、レー
ザー光照射による溶融状態の制御が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であ
って、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0031】図1は、放電灯電極をレーザー加工する製
造装置の構成を示すもので、電極棒1に螺旋状に巻回し
たワイヤ2をレーザー溶接により電極棒1に接合する工
程を示している。本実施形態においては、タングステン
により直径が数100μmの丸棒に形成された電極棒1
に、同じくタングステンにより直径が数10μmの丸線
に形成されたワイヤ2をレーザー光照射により接合す
る。
【0032】図1において、パルスレーザー発振器14
から10ms以上のパルス幅でレーザー光6を出射し、
このレーザー光6は屈折率分布型の光ファイバー15に
よりガウシアン分布の強度分布に変換される。光ファイ
バー15から出射されたレーザー光6はコリメートレン
ズ16により平行光にして投射ミラー17に入射され
る。投射ミラー17は、前記パルスレーザー発振器14
から出力されるレーザー光6の波長光を全反射させるも
ので、この投射ミラー17により投射方向が変換された
レーザー光6は、集光レンズ18によって集光されて接
合位置に投射される。
【0033】一方、ワイヤ2が巻回された電極棒1は、
ワークハンドリングロボット20によって保持され、図
2(a)に示すように、レーザー光がワイヤ2の直径よ
り大きな集光スポット径で照射される接合位置に位置決
めされる。レーザー光6は、そのビーム強度分布がガウ
シアン分布であるため、中心位置での強度が最大とな
り、ビーム強度の最大値pの半値となる強度領域の半値
スポット8aの外周部が、図示するようにワイヤ2に接
するような位置に電極棒1は位置決めされる。図2
(a)に示す状態は、ワイヤ2の端部を接合位置とした
場合で、この状態で10ms以上のパルス幅のレーザー
光6が照射されると、半値スポット8aで照射された電
極棒1の表面は加熱される。一方、ワイヤ2は集光スポ
ット8の周囲のビーム強度の低い部分で照射されること
になるが、電極棒1に比して熱容量が小さいため容易に
溶融する。ワイヤ2の溶融による溶融物は、電極棒1が
加熱されているため両者間の濡れ性のよい状態となり、
電極棒1上に流動して、図2(b)に示すように、なだ
らかな傾斜面を呈するフィレット形状を形成した接合状
態に接合される。このように溶融物がフィレット形状と
なる接合状態は接合強度が高く、ワイヤ2は電極棒1に
確実に接合された状態が得られる。
【0034】ワイヤ2は所定長さに切断された状態でな
く、図3に示すように、所定巻回数に巻回した後の延長
部2aが残された状態であってもよく、図示するように
集光スポット8の中心がワイヤ2の中心軸の近傍になる
ようにしてレーザー照射すると、ワイヤ2は溶断される
と同時に、切断端の溶融と共に電極棒1の加熱により同
様の接合状態が得られ、ワイヤ2の延長部2aは分離さ
れる。従って、電極棒1上にワイヤ2を巻回する工程に
おいて、所定巻回数で切断することが困難な状態であっ
ても、この接合工程において巻回後に所定寸法に切断す
る加工が接合と同時になされる。
【0035】また、ワイヤ2の接合位置は、図4に示す
ように、ワイヤ2の側部に設定してもよく、レーザー光
6の半値スポット8aがワイヤ2に触れるようにしてレ
ーザー照射すると、同様の接合状態が得られる。
【0036】また、ワイヤ2は丸棒状であるため、図5
に示すように、レーザー光6の照射方向から見てワイヤ
2の側部から電極棒1との接触点に至る部分に影となる
領域sが生じる。この領域sに対応する電極棒1の表面
は加熱され難いので、ワイヤ2の溶融物との濡れ性が低
下する。そこで、図6に示すように、電極棒1の軸心方
向zがレーザー光6の照射方向yと交差し、電極棒1の
中心軸線上から距離dだけ位置ずれした位置に位置決め
することによって、電極棒1の表面上を斜めに巻回され
たワイヤ2の電極棒1との接触部の近傍に半値スポット
8aが位置するようになる。尚、図6(a)に示すよう
に、レーザー光の照射方向yに対して、電極棒1の中心
軸方向zとが直交するように配置しないで、図6(c)
に示すように、ワークハンドリングロボット20により
電極棒1をレーザー光照射方向yに対して所定の傾斜角
度に保持しても、集光スポット8の中心を電極棒1とワ
イヤ2との接触部の近傍に位置させることができ、この
ときには前記距離dを設ける必要はない。
【0037】上記製造装置において、照明部12からの
照明光を観測ミラー21、投射ミラー17、集光レンズ
18を通してレーザー加工位置を照明し、加工位置から
の光が集光レンズ18、投射ミラー17を通り、観測ミ
ラー21を透過したものをカメラ13によって捉えるこ
とにより、位置決め状態及び加工状態を観測することが
できる。このカメラ13による画像が入力される認識装
置19は、位置決め状態及び加工状態を認識して、その
認識結果に基づいてワークハンドリングロボット20を
制御して位置決めし、パルスレーザー発振器14の出力
を制御することができるので、電極棒1にワイヤ2を接
合するレーザー加工を自動制御することができる。ま
た、出力波形コントローラ22を設けて、パルスレーザ
ー発振器14からのレーザー光出力を時間とともに変化
させる制御を行うことにより、溶融状態の調整が可能と
なる。
【0038】図7は、電極棒1の先端部に軸心上を頂点
とする凸面をレーザー加工により形成する工程を示して
いる。加工装置の構成は、電極棒1へのワイヤ2の接合
と同一であり、ワークハンドリングロボット20によっ
て電極棒1を所定位置に所定方向に向けて位置決めする
ことにより、電極棒1の先端加工の工程に切り換えるこ
とができる。この電極棒1の先端加工においては、図示
するように電極棒1の中心軸をレーザー光6の照射中心
軸に一致するように位置決めする。このレーザー加工で
は、平面カットされた電極棒1の先端を、図8(a)
(b)に示すように、中心軸心上を頂点とする任意形状
の凸面に形成する。
【0039】図7に示すように、電極棒1の先端部がレ
ーザー光の集光スポット8内に配置して、ガウシアン分
布のレーザー光をパルス幅が10ms以上のロングパル
スとなるようにして照射すると、先端部は溶融して表面
張力により半球状になり、これが再凝固するとき、図8
(a)(b)に示すような先端形状に形成することがで
きる。即ち、ガウシアン分布のレーザー光強度の変化に
より溶融状態が半径方向に異なるため、再凝固が周囲か
ら段階的になされる結果、図示するように1μm以上の
段差のある縞模様が同心円状に形成される。
【0040】図8に示す先端形状の変化は、ワークハン
ドリングロボット20により電極棒1を軸心方向に移動
させてレーザー光照射の焦点深度を変化させ、あるいは
レーザー強度を調整することによって任意に形成するこ
とができる。また、図7に示すように、コリメートレン
ズ16の先に、二次元的な透過率分布が異なるモードフ
ィルター23を配設することにより、レーザー光の集光
スポット8における強度分布を変化させることができる
ので、モードフィルター23を選択交換して所望の先端
形状に形成することもできる。
【0041】図8(a)に示すように、電極棒1の先端
部の凸面形状に縞模様が形成されていることによって、
放電灯の放電分布を均質化させることができる。また、
図8(b)に示すように突出部を形成することによっ
て、放電灯の放電ビームが突出部分に集中するので、放
電効率の向上を図ることができる。
【0042】放電灯電極の先端部は、一般的には上記の
ように段差形成などによって適当な粗さを設けた方が放
電特性の向上を図ることができるが、長寿命化を図る場
合には、先端部を鏡面とすることが要求される。この電
極棒1の先端部を凸面と同時に鏡面に形成する方法を次
に説明する。
【0043】図9は、電極棒1の先端部に形成する凸面
の表面が鏡面となるようにするために、電極棒1に対す
るレーザー光照射をアルゴン(Ar)ガス雰囲気中で行
うようにしたものである。図7の構成において示した集
光レンズ18をチャンバ24内に配設し、レーザー光6
をチャンバ24内の所定位置に集光させると共に、チャ
ンバ24内に給気ポート25からArガスを導入する。
電極棒1は先端部をレーザー光の照射方向に向けてレー
ザー光6の集光スポット8内に先端部の平面が位置する
ように配置される。また、パルスレーザー発振器14か
ら出力されるレーザー光6は、出力波形コントローラ2
2によって、図10に示すように、出力制御されて電極
棒1に照射される。図10に示す波形制御の例では、照
射開始時の10msでのレーザー出力により予熱がなさ
れ、出力を上昇させた5msの照射で溶融し、出力を下
げた10msの照射によって溶融部分の焼鈍がなされ
る。
【0044】このような波形制御されたレーザー光6の
照射をArガスの雰囲気中で行うことによって、電極棒
1の先端部は鏡面の任意形状の凸面に形成される。尚、
図10に示す制御波形は具体的な一例であって、2段階
の出力変化やパルス幅の変化は自在に変更して所望の鏡
面状態を得ることが可能である。
【0045】以上説明した電極棒1の先端部の加工は、
端面が平面カットされていることにより、溶融による凸
面が形成されるので、機械的なニッパーカットやシャー
リングカットでは切断端面が平面にないため、溶融によ
る凸面の形成は安定してなされない。そこで、電極棒1
を所定長さに切断するとき、レーザー光6の照射により
溶融させ、溶融部を噴射ガスによって吹き飛ばすと平面
カットされた状態の先端部を有する電極棒1が得られ
る。また、ニッパーカット等の機械的な切断により端面
に割れやバリ、ひび等がある状態では、レーザー光照射
により端面を溶融させ、電極棒1の軸方向と直交する方
向からの噴出ガスによって溶融部を吹き飛ばすと、端面
が平面カットされた状態の電極棒1が得られるので、こ
の電極棒1に対して前述した先端部を凸面にする加工を
行うことができる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、放電
灯電極における電極棒に対するワイヤの接合が確実にな
され、電極棒の先端面が放電性に優れた形状に安定して
形成され、これを1つのレーザー加工装置によって製造
することができ、優れた放電特性を備えた放電灯の製造
に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極棒にワイヤを接合するレーザー加工装置の
構成を示す構成図。
【図2】(a)はレーザー照射状態を説明する説明図、
(b)は接合された状態を示す斜視図。
【図3】接合と同時にワイヤを切断するときの照射位置
の説明図。
【図4】レーザー光の照射位置の変化例を示す説明図。
【図5】レーザー光の照射による影の発生を説明する模
式図。
【図6】影の発生を少なくした照射角度の設定を示す説
明図。
【図7】電極棒の先端加工するレーザー加工装置の構成
を示す構成図。
【図8】電極棒の形状例を(a)(b)に示す側面図。
【図9】電極棒の先端部を鏡面加工する構成を示す断面
図。
【図10】鏡面加工するための波形制御の例を示すグラ
フ。
【図11】放電灯電極の例を示す側面図。
【図12】従来技術におけるワイヤの接合方法を示す側
面図。
【図13】従来技術における電極棒の先端加工の方法を
示す側面図。
【符号の説明】
1 電極棒 2 ワイヤ 6 レーザー光 8 集光スポット 8a 半値スポット 14 パルスレーザー発振器 15 光ファイバー 18 集光レンズ 20 ワークハンドリングロボット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 眞一郎 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 佐伯 欽文 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 Fターム(参考) 4E068 BH00 CA02 CA17 CB08 CC01 CD07 CD08 CG01 DA00 5C015 JJ01 JJ08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状に形成された電極棒に、この電極
    棒の直径の数分の1以下の直径に形成されたワイヤをコ
    イル状に巻回し、このワイヤを電極棒に接合して形成さ
    れた放電灯電極において、 前記ワイヤを溶融させたフィレット状の溶融部によって
    ワイヤが電極棒に接合されてなることを特徴とする放電
    灯電極。
  2. 【請求項2】 円柱状に形成された電極棒の端面が、電
    極棒の中心軸上を頂点とする凸面に形成されてなる放電
    灯電極において、 前記電極棒の端面が、レーザー照射による溶融により電
    極棒の中心軸上を頂点とする凸面に形成されてなること
    を特徴とする放電灯電極。
  3. 【請求項3】 凸面が中心軸を中心とする複数の同心円
    の段差によって形成されてなる請求項2記載の放電灯電
    極。
  4. 【請求項4】 凸面の表面が鏡面に形成されてなる請求
    項2記載の放電灯電極。
  5. 【請求項5】 円柱状に形成された電極棒に、この電極
    棒の直径の数分の1以下の直径に形成されたワイヤをコ
    イル状に巻回し、このワイヤを電極棒に接合して形成さ
    れる放電灯電極の製造方法において、 前記ワイヤの任意部位をレーザー照射によって溶融し、
    この溶融部がレーザー照射によって加熱された電極棒に
    流動接着することにより、ワイヤを電極棒に接合するこ
    とを特徴とする放電灯電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 円柱状に形成された電極棒に、この電極
    棒の直径の数分の1以下の直径に形成されたワイヤをコ
    イル状に巻回し、このワイヤを電極棒に接合して形成さ
    れる放電灯電極の製造方法において、 レーザー光のビーム強度分布がガウシアン分布であり、
    このガウシアン分布の最大値の半値以上の領域となるビ
    ーム径の外周部が、前記ワイヤに接するようにして、ワ
    イヤの直径より大きな集光スポットで且つ10ms以上
    のパルス幅のレーザー光を前記電極棒上に照射して、少
    なくともワイヤを溶融させ、その溶融物が加熱もしくは
    溶融した電極棒上の所定範囲に流動することにより、ワ
    イヤを電極棒に接合することを特徴とする放電灯電極の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 円柱状に形成された電極棒に、この電極
    棒の直径の数分の1以下の直径に形成されたワイヤをコ
    イル状に巻回し、このワイヤを電極棒に接合して形成さ
    れる放電灯電極の製造方法において、 レーザー光のビーム強度分布がガウシアン分布であり、
    このガウシアン分布の最大値の半値以上の領域となるビ
    ーム径の部分が、前記ワイヤ上になるようにして、ワイ
    ヤの直径より大きな集光スポットで且つ10ms以上の
    パルス幅のレーザー光を照射して、ワイヤの余剰部を溶
    融により切断して切り離すと同時に、ワイヤの溶融によ
    る溶融物が加熱もしくは溶融した電極棒上の所定範囲に
    流動することにより、ワイヤを電極棒に接合することを
    特徴とする放電灯電極の製造方法。
  8. 【請求項8】 円柱状に形成された電極棒の端面が、電
    極棒の中心軸上を頂点とする凸面に形成されてなる放電
    灯電極の製造方法において、 前記電極棒の中心軸方向から所定角度に集光されたレー
    ザー光を照射し、レーザー光の集光スポットの直径が、
    電極棒の直径より大となる位置から小となる任意位置に
    電極棒の端面が位置するように配置してレーザー光によ
    り電極棒の端部を溶融させた後、溶融部位を凝固させる
    ことにより、電極棒の端面を中心軸上を頂点とする任意
    形状の凸面に形成することを特徴とする放電灯電極の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 円柱状に形成された電極棒の端面が、電
    極棒の中心軸上を頂点とする凸面に形成されてなる放電
    灯電極の製造方法において、 前記電極棒を不活性ガス中に配設し、電極棒の中心軸方
    向から所定角度に集光されたレーザー光を照射し、レー
    ザー光の集光スポットの直径が、電極棒の直径より大と
    なる位置から小となる任意位置に電極棒の端面が位置す
    るように配置してレーザー光により電極棒の端部を溶融
    させた後、溶融部位を凝固させることにより、電極棒の
    端面を中心軸上を頂点とする任意形状の凸面に形成する
    ことを特徴とする放電灯電極の製造方法。
  10. 【請求項10】 レーザー光のスポット断面上の強度分
    布を調整するフィルタをレーザー光の光路上に配設して
    溶融状態を変化させることにより、任意の端面形状に形
    成できるようにした請求項8または9記載の放電灯電極
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 溶融した電極棒の先端部に中心軸方向
    と直交する方向から噴射されたガスにより溶融部分を吹
    き飛ばして先端部を平面状態にした後、溶融による凸面
    を形成する請求項8〜10いずれか一項に記載の放電灯
    電極の製造方法。
  12. 【請求項12】 レーザー光の波形制御により溶融状態
    を変化させるようにした請求項3〜11いずれか一項に
    記載の放電灯電極の製造方法。
  13. 【請求項13】 パルスレーザー発振器から出力された
    レーザー光を、その波長光のみを選択的に反射させるミ
    ラーで所定方向に反射させ、このレーザー光を集光レン
    ズにより集光するレーザー照射手段と、 電極棒を保持して、電極棒のレーザー加工位置を前記集
    光レンズによって集光された所定のスポット径位置に所
    定角度にして配置するワークハンドリング手段と、 電極棒のレーザー加工位置から前記集光レンズ及びミラ
    ーを透過してきた光をカメラによって検出することによ
    り、前記レーザー照射手段による電極棒の加工状態を認
    識し、この認識結果に基づいて前記レーザー照射手段及
    びワークハンドリング手段を制御する加工制御手段とを
    備えてなることを特徴とする放電灯電極の製造装置。
  14. 【請求項14】 レーザー照射手段に、パルスレーザー
    発振器から出力されるレーザー光の波形を制御する出力
    波形制御手段が設けられてなる請求項13記載の放電灯
    電極の製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1286383A2 (en) * 2001-08-06 2003-02-26 Nec Corporation High-pressure discharge lamp
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JP2011070879A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Iwasaki Electric Co Ltd 高圧放電ランプの電極の製造方法及び高圧放電ランプ
US9952489B2 (en) 2015-08-21 2018-04-24 Seiko Epson Corporation Discharge lamp, light source device, and projector

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