JP2000230012A - エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2000230012A
JP2000230012A JP3327299A JP3327299A JP2000230012A JP 2000230012 A JP2000230012 A JP 2000230012A JP 3327299 A JP3327299 A JP 3327299A JP 3327299 A JP3327299 A JP 3327299A JP 2000230012 A JP2000230012 A JP 2000230012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
diene
polymer
copolymer
surfactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3327299A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Harano
芳行 原野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP3327299A priority Critical patent/JP2000230012A/ja
Publication of JP2000230012A publication Critical patent/JP2000230012A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジエン系ブロック共重合体中のビニル基をエ
ポキシ化したエポキシ化ジエン系ブロック共重合体を安
価、且つ、効率的に製造することを課題とする。更に、
反応性に富むエポキシ基を持ち、マトリックス樹脂へ添
加した時のグラフト結合形成等に有利な微粒子状エポキ
シ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロ
ック(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックまたはその部分水添物の重合体ブロック(B)とか
らなるブロック共重合体を溶剤に溶解した後、界面活性
剤水溶液に分散し、酸化剤を用いてエポキシ化すること
を特徴とするエポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃強度を向上
させることを目的に熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に添加
される微粒子状のゴム重合体組成物およびその製造方法
に関する。また、本発明はタイヤ、靴底、チューブ・ホ
ースなどに使用されるエラストマーの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】成形加工に供されるポリスチレン、アク
リロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂など
の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂などの
熱硬化性樹脂などでは、使用目的に応じて必要とされる
耐衝撃強度を確保するためにジエン系、アクリル系やシ
リコン系などのゴム重合体を微小粒径で分散させること
が一般的に行われている。
【0003】ゴム重合体を微小粒径に分散させる方法と
しては、ゴム強化のポリスチレン樹脂やアクリル系樹脂
などで広く行われているように、重合前のモノマーにゴ
ム重合体を溶解し、重合中の溶解性の変化を応用してゴ
ム重合体を析出させ分散させる方法がある。この方法で
は、ゴム重合体と重合前モノマーの溶解性の関係やゴム
重合体の析出状態で粒径が限定される他、耐衝撃強度な
どの特性に好ましいとされるゴム重合体の分散体内部及
びゴム重合体の分散体とマトリックス樹脂の界面での架
橋構造形成をゴム重合体の析出・分散と競合的に行う必
要があるために、架橋密度、架橋状態等を制御すること
が困難である。
【0004】この他、ゴム重合体を重合または硬化前の
液体中で機械的な高剪断力によって分散させる方法があ
る。この方法では、微小粒子分散に必要な高い剪断力が
懸かりにくく、粒径や粒径分布などの分散状態を制御す
るのに制限があり、またゴム重合体の架橋構造の形成も
限定される。
【0005】これらの方法の他に、前もってゴム重合体
の微小粒子を形成し、重合または硬化反応前のモノマー
に分散させる方法がある。形態は少々異なるが、ABS
樹脂製造で一般的に行われている様にポリブタジエンを
乳化重合で合成し、ここにスチレン/アクリロニトリル
樹脂をグラフト重合するのもこの方法の一つである。こ
の方法は、粒径の揃ったゴム重合体を均一に分散するに
は良好な方法であるが、ゴム重合体の微小粒子を効率的
に製造するのが困難であり、また微小粒子のゴム重合体
を安定に貯蔵・操作するのが困難である。
【0006】また、乳化重合で微小粒子状態のゴム重合
体を製造するのは良好な方法ではあるが、乳化重合の際
に大過剰の水を必要とし、最終の目的である樹脂を製造
するにはこれを除去する必要があって、エネルギー的に
無駄が多く、工程的にも煩雑な操作が必要となる。ま
た、大過剰の水の使用に伴って、大量の乳化剤が必要と
なる他、微小粒子を取り出すための析出工程が必要とな
り析出剤を使用するため、これらが最終的な目的である
樹脂中に大量の不純物として含有されるという問題があ
る。
【0007】また、ゴム重合体を添加する目的である耐
衝撃強度の向上については、ゴム特性等からジエン系重
合体が適している。ところが、ジエン系重合体はその分
子中にビニル基を残していることから、特にラジカル重
合によってマトリックス樹脂とのグラフト結合が容易に
形成される利点があるものの、重合反応をマトリックス
成分の添加と同時に行わない場合や、ラジカル重合以外
の重合反応、例えば縮重合やイオン重合、開環付加重合
などでマトリックス樹脂を重合する場合はマトリックス
樹脂とジエン系重合体の界面を結びつけるグラフト結合
を形成するのが困難である。
【0008】その他に、ジエン系重合体は分子中にビニ
ル基をもっていることから、反応し易く、耐候性や耐熱
性、貯蔵安定性に劣るなどの問題がある。
【0009】これらの問題を解決する方法として、ジエ
ン系重合体を化学変性する試みがなされている。例え
ば、ジエン系重合体のビニル基を水素化還元して、耐候
性や耐熱性を改良した樹脂として、水添化スチレン/ブ
タジエン/スチレンブロック共重合体(スチレン/エチ
レンブチレン/スチレンブロック共重合体:SEBS)
や水素化スチレン/ブタジエン共重合ゴム(HSBR)
などが市販されている。また、ジエン系重合体を有機溶
媒中に溶解し、そのビニル基をエポキシ化するなどの方
法が古くから研究されている。これらの化学変性したジ
エン系重合体は特性的には優れているものの、化学変性
方法が煩雑かつ非効率であり、その結果高価格になる欠
点があった。
【0010】この高価格を解決するために、ジエン系重
合体を乳化状態の微粒子状で分散させ、この広い比表面
積を利用して化学変性する方法が行われている。例え
ば、天然ゴムをラテックス中で酸化してエポキシ化する
方法が開発され、エポキシ化天然ゴムが市販されてい
る。また、Rubber Chem. & Tech.,65,245-258(1992) や
ibid,67,288-298(1994) には、乳化重合で製造したアク
リロニトリル/ブタジエン共重合体やスチレン/ブタジ
エン共重合体、ポリブタジエンを乳化状態で還元する方
法が記載されている。これらの方法は、有機溶液中の化
学変性より煩雑さが解消され、効率も向上しているもの
の、ジエン系重合体粒子を製造する過程に起因する非効
率さ、例えばジエン系重合体濃度の低さなどによって依
然として高価格になり、使用される範囲が狭い。また、
ジエン系重合体を製造する過程に支配される不都合、例
えばジエン系重合体の粒子径や形状等から起因する問題
が残る。
【0011】本発明者は、ブロック共重合体を溶剤に溶
解した後、界面活性剤水溶液に分散し、酸化剤を用いて
エポキシ化することを特徴とするエポキシ化ジエン系ブ
ロック共重合の製造方法を見出し本発明に到ったもので
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジエ
ン系ブロック共重合体中のビニル基をエポキシ化したエ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体を安価に効率的に製
造することである。更に、本発明の目的は、反応性に富
むエポキシ基を持ち、マトリックス樹脂へ添加した時の
グラフト結合形成等に有利な微粒子状エポキシ化ジエン
系ブロック重合体の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビニル芳香族
化合物からなる重合体ブロック(A)と共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添物の
重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体を溶
剤に溶解した後、界面活性剤水溶液に分散し、酸化剤を
用いてエポキシ化することを特徴とするエポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体の製造方法に関する。また、本発
明は重量平均粒子径0.05〜10μmであることを特
徴とするエポキシ化ジエン系共重合体微粒子組成物の製
造方法に関する。
【0014】本発明において重要なことは、量的に少な
い界面活性剤水溶液を連続相とし、量的に多いジエン系
共重合体を分散相とする高濃度のジエン系共重合体微粒
子組成物に酸化剤液を作用させ、反応剤の移相によって
ジエン系共重合体をエポキシ化することである。
【0015】また、本発明の方法により高濃度のジエン
系共重合体微粒子のエポキシ化によって製造されるエポ
キシ化ジエン系共重合体微粒子組成物は、反応性に富む
エポキシ基を分子内に有していることから耐衝撃強度向
上などの目的でマトリックス樹脂中に添加するときにグ
ラフト結合の形成に有利である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明におけるエポキシ化ジエン
系共重合体組成物は、ビニル芳香族化合物からなる重合
体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロック
(B)とからなるブロック共重合体を溶剤に溶解した
後、界面活性剤水溶液に分散し、酸化剤を用いてエポキ
シ化することによって製造される。
【0017】本発明におけるブロック共重合体は、ビニ
ル芳香族化合物からなる重合体ブロック(A)と共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分
水添物の重合体ブロック(B)とからなるブロック共重
合体をいい、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の
重量比(ブロック共重合体の重量比)は5/95〜70
/30であり、特に10/90〜60/40の重量比が
好ましい。また、本発明に供するブロック共重合体の数
平均分子量は5,000〜600,000、好ましくは
10,000〜500,000の範囲であり、分子量分
布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn)]は10以下である。またブロック
共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるい
はこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
【0018】例えば、A−B−A、B−A−B−A、
(A−B−)4 Si、A−B−A−B−A等の構造を有
するビニル芳香族化合物(A)ブロック−共役ジエン化
合物(B)ブロック共重合体である。さらにジエン系ブ
ロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は、部
分的に水素添加したものでもよい。
【0019】ジエン系ブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−
ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上が
選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエ
ン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、フェニル−1,3−ブタジエン等のうちから1
種、または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソ
プレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
【0020】本発明に供するブロック共重合体の製造方
法としては上記した構造を有するものであればどのよう
な製造方法もとることもできる。例えば、特公昭40−
23798号、特公昭47−3252号、特公昭48−
2423号、特願昭49−105970号、特願昭50
−27094号、特公昭46−32415号、特開昭5
9−166518号、特公昭49−36957号、特公
昭43−17979号、特公昭46−32415号、特
公昭56−28925号などの各公報に記載された方法
により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル
芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合
成することができる。さらに特公昭42−8704号公
報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59
−133203号公報に記載された方法により、不活性
溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、本発明
に供する部分的に水添したブロック共重合体を合成する
ことができる。
【0021】本発明において用いられる溶媒は、ジエン
系ブロック共重合体が溶解するものなら、どの溶剤でも
よく、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、シ
クロヘキサン等が上げられる。
【0022】ジエン系ブロック共重合体100重量部に
対し溶剤の使用量は10〜70重量部が好ましい。溶剤
量が70重量部より多い場合はジエン系ブロック共重合
体の濃度が低くなり好ましくない。また、10重量部よ
り少ない場合は、溶液の粘度が高くなり扱いにくい。
【0023】本発明において用いられる界面活性剤とし
ては、一般的に親水性が高く、油相を水相が取り囲む形
のいわゆるO/W型エマルジョンを形成するものが好ま
しい。このような界面活性剤としては、アニオン型界面
活性剤の場合は親水性基としてスルホン酸ナトリウム、
スルホン酸カリウムなどのスルホン酸塩またはカルボン
酸ナトリウム、カルボン酸カリウムなどのようなカルボ
ン酸塩を有するものが好ましく、カチオン型界面活性剤
の場合は親水性基としてアンモニウムクロリド、アンモ
ニウムブロミド、アンモニウム酢酸塩などのアンモニウ
ム塩、ヒドロキシエチル基、アミノエチル基のような親
水性の大きな置換基が付いたアンモニウム塩などを有す
るものが好ましい。ノニオン型界面活性剤としてはその
親水性/親油性のバランスを表す目安としてHLB値が
用いられるが、本発明においては好ましくはHLB値1
3以上、特に好ましくは15以上の親水性が大きな界面
活性剤が好ましい。
【0024】使用される界面活性剤としては、例えばア
ニオン型界面活性剤としては、通常の乳化ラジカル重合
に用いられる界面活性剤、例えばステアリン酸、オレイ
ン酸、パルミチン酸、ラウリル酸などの長鎖脂肪酸及び
それらの混合物であるヤシ油、大豆油、牛脂などから得
られる脂肪酸などのナトリウム塩、カリウム塩などの長
鎖脂肪族カルボン酸塩及びドデシル、セチル、ステアリ
ル、オレイル、パルミチル、ラウリルなどの長鎖アルキ
ル基のスルホン酸またはそれらの長鎖アルキル基が付い
たベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩など
のスルホン酸塩などの一般にアニオン型界面活性剤と呼
ばれる有機化合物が挙げられる。
【0025】また、カチオン型界面活性剤としては、ス
テアリルトリメチルアンモニウムクロリド、パルミチル
トリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルア
ンモニウムクロリド、ヤシ油、大豆油、牛脂などの天然
物由来の長鎖アルキル基混合物のトリメチルアンモニウ
ムクロリドなどのモノアルキルアンモニウムクロリド、
ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジパルミ
チルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチル
アンモニウムクロリド、ヤシ油、大豆油、牛脂などの天
然物由来の長鎖アルキル基混合物2当量のジメチルアン
モニウムクロリドなどのジアルキルジメチルアンモニウ
ムクロリドまたは同様の長鎖アルキルモノ(ヒドロキシ
エチル)アンモニウムクロリド、同様の長鎖アルキルビ
ス(ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリドなどの一
般にカチオン型界面活性剤と呼ばれる有機化合物が挙げ
られる。
【0026】また、ノニオン型界面活性剤としては、ノ
ニルフェノール、ステアリルアルコール、セチルアルコ
ールなどの高級アルコールのエチレンオキシド付加物、
ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪
酸、大豆油脂肪酸、牛脂脂肪酸などの長鎖アルキル脂肪
酸のエチレンオキシド付加物、ヤシ油、大豆油、牛脂な
どから誘導される長鎖アルキルアミンのエチレンオキシ
ド付加物などの一般にノニオン型界面活性剤と呼ばれる
有機化合物が挙げられる。
【0027】本発明において使用される界面活性剤水溶
液は、上記の界面活性剤を0.01〜25重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%溶解した水溶液が用いられ
る。ここで、界面活性剤の濃度が少なければ、本発明の
乳化物を形成するのが困難となり、高ければ界面活性剤
の水溶液を作成するのが困難になる他、界面活性剤の粘
度が高くなり、乳化物を形成するのが困難となるが、界
面活性剤の濃度は界面活性剤の物性とも密接な関係があ
り、一概には限定されない。界面活性剤水溶液は、特に
限定されるものではないが25dyn/cm以上の表面
張力を持つことが好ましい。表面張力が小さい場合は乳
化物の形成が困難であったり、生成した乳化物が不安定
である場合が多い。本発明においては界面活性剤水溶液
1〜30重量%、好ましくは5〜26重量%が連続相と
して用いられる。ここで、界面活性剤水溶液の含有量が
多くとも実行することは可能であるが、エポキシ化時の
濃度が低くなり、効率が悪くなる。一方、含有量が少な
ければ、ジエン系共重合体微粒子組成物の安定性が低く
なり、凝集が起こり易い。
【0028】本発明において用いられるジエン系共重合
体は、水に一次粒子として分散して測定した重量平均粒
子径が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μm
の微粒子である。ここで、重量平均粒子径が小さけれ
ば、マトリックス樹脂に添加したときの耐衝撃強度向上
の効果が乏しくなり、大きければジエン系共重合体の比
表面積が小さくなり、エポキシ化の効率が悪くなる。
【0029】本発明において、酸化剤としては、例えば
過酸化水素、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、過酪酸
などの直接ビニル基を酸化してエポキシ化する化合物が
上げられる。本発明において、酸化剤は水溶液として用
いられる。ここにおいて、水溶液とは水に溶解した状態
を示すが、必ずしも溶媒は水だけとは限らない。例え
ば、メタノール、エタノール、酢酸、グリセリン、エチ
レングリコールなどの水溶性有機物を水と混合して使用
することができる。
【0030】本発明において、酸化剤水溶液の量はジエ
ン系共重合体組成物100重量部に対して1〜1300
重量部、好ましくは10〜500重量部、更に好ましく
は50〜200重量部使用される。ここで、反応剤水溶
液の量が少なければ、反応剤の非局在化が起こり易く、
化学変性の効率が低下し、多ければジエン系共重合体の
濃度が低下し、本発明の目的を損なう。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。また下記の説明中、特に断りのない
限り%は重量%を表す。
【0032】実施例1 撹拌装置の付いた300mlガラス製反応器にポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合
体[スチレン/ブタジエン重量比=40/60]100
g、酢酸エチル20gを仕込み、攪拌しながら70℃に
加温して溶解した。一方、撹拌装置の付いた300ml
ガラス製反応器に2%塩化ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)オレイルメチルアンモニウム水溶液16gを入れ、
窒素置換して5分間撹拌した。ここに、ポリスチレン−
ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合体溶液
の入った反応器を保温配管を用いて接続し、加圧下で撹
拌しながら重合体溶液を滴下して均一な白濁したクリー
ム状の乳化状組成物を得た。この乳化状組成物が入った
反応器は80℃の湯浴中で5時間加熱し、含有している
酢酸エチル溶剤を留出除去した。溶剤留出後の乳化状組
成物を赤外線加熱式の加熱減量測定器で150℃で測定
したところ、加熱減量15.3%(不揮発分84.7
%)であった。得られた乳化状組成物1gを純水10g
に投入したところ、速やかに水中で白濁状の筋を生じて
分散した。この液体を超音波分散器で1時間処理して十
分に分散させ、米国コールター社製−モデルN4SD型
粒子径測定器で粒径分布を測定した。その結果、重量平
均粒子径は0.43μm、数平均粒子径は0.34μm
であった。
【0033】得られた乳化状組成物20g、10%過酸
化水素水溶液5g及び10%酢酸水溶液1gを磁気撹拌
子を入れた試験管に入れ、窒素置換して撹拌し、混合し
た。これを50℃の水浴中で5時間加熱し、乳化状組成
物をエポキシ化した。得られた反応物は、150℃で加
熱減量を測定したところ、加熱減量34.8%(固形分
濃度65.2%)であった。得られたエポキシ化乳化状
組成物は、JIS K7236によってオキシラン酸素
濃度を測定し、エポキシ等量を算出した。この結果、反
応混合物のエポキシ含有量は2.0当量/kg(エポキ
シ化樹脂分のエポキシ当量として523)でありエポキ
シ化されていることが分かった。また、得られたエポキ
シ化乳化状組成物は、エポキシ化を行う前の乳化状組成
物と同様に水に分散可能であり、この水分散液を用いて
粒径分布を測定した。その結果、重量平均粒子径が0.
44μm,数平均粒子径が0.34μmで化学変性によ
って粒径分布がほとんど変化しないことが確認された。
【0034】
【発明の効果】実施例から明らかなように、本発明によ
って一次粒子に再分散可能な微粒子状で、かつエポキシ
化されたジエン系共重合体を高濃度で含有するエポキシ
化ジエン系共重合体組成物が容易に安価で製造できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロッ
    ク(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
    クまたはその部分水添物の重合体ブロック(B)とから
    なるブロック共重合体を溶剤に溶解した後、界面活性剤
    水溶液に分散し、酸化剤を用いてエポキシ化することを
    特徴とするエポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】酸化剤に過酸化水素が含まれることを特徴
    とする請求項1記載のエポキシ化ジエン系ブロック共重
    合体の製造方法。
  3. 【請求項3】得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重
    合体の重量平均粒子径が0.05〜10μmであること
    を特徴とする請求項1から請求項2に記載のエポキシ化
    ジエン系ブロック共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重
    合体のエポキシ当量が、320〜8000であることを
    特徴とする請求項1から請求項3に記載のエポキシ化ジ
    エン系ブロック共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】ブロック共重合体100重量部を溶剤10
    〜70重量部に溶解することを特徴とする請求項1から
    請求項4に記載のエポキシ化ジエン系ブロック共重合体
    の製造方法。
JP3327299A 1999-02-10 1999-02-10 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法 Pending JP2000230012A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3327299A JP2000230012A (ja) 1999-02-10 1999-02-10 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3327299A JP2000230012A (ja) 1999-02-10 1999-02-10 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000230012A true JP2000230012A (ja) 2000-08-22

Family

ID=12381906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3327299A Pending JP2000230012A (ja) 1999-02-10 1999-02-10 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000230012A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200068123A (ko) * 2018-12-04 2020-06-15 주식회사 엘지화학 블록 공중합체 라텍스 조성물 제조방법, 이로부터 제조된 블록 공중합체 라텍스 조성물 및 이를 포함하는 종이 코팅액 조성물

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200068123A (ko) * 2018-12-04 2020-06-15 주식회사 엘지화학 블록 공중합체 라텍스 조성물 제조방법, 이로부터 제조된 블록 공중합체 라텍스 조성물 및 이를 포함하는 종이 코팅액 조성물
KR102588750B1 (ko) 2018-12-04 2023-10-13 주식회사 엘지화학 블록 공중합체 라텍스 조성물 제조방법, 이로부터 제조된 블록 공중합체 라텍스 조성물 및 이를 포함하는 종이 코팅액 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5336712A (en) Process for making submicron stable latexes of block copolymers
JP3242110B2 (ja) 無作為にエポキシ化した小さな星形ポリマー
Antonietti et al. Novel amphiphilic block copolymers by polymer reactions and their use for solubilization of metal salts and metal colloids
US5612407A (en) Solvent-free water-based emulsions of anionically polymerized polymers
US4049604A (en) Emulsion polymerization method for preparing aqueous dispersions of organic polymer particles
JPH01500438A (ja) ラテックスの凝集方法、得られた凝集ラテックスおよび熱可塑性母材を改質して耐衝撃性をもたせるための該ラテックスの応用
JPH06136034A (ja) 共役ジエン系重合体から残存触媒を除去する方法
US5567760A (en) Films from aqueous dispersions of block copolymers having hydrogenated conjugated diene block
JPH06506255A (ja) 水素化されたゴムラテックスを含有するゴムラテックスのブレンド
KR20080057539A (ko) 소구경 고무질 중합체 라텍스의 제조방법
EP2283047A1 (en) Filled nanoparticles
JP2022068188A (ja) エポキシ化ポリマーの製造法
JP2000169519A (ja) カップルポリマーおよびその調製方法
JP2000230012A (ja) エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の製造方法
CA2093605A1 (en) Epoxy resin composition
JPH10316715A (ja) エポキシ変性重合体の水性分散液
JP2003522258A (ja) 水添ポリマーから水素添加触媒残渣を除去する方法
CN108778482A (zh) 改性聚合引发剂的制备方法和改性聚合引发剂的制备装置
US5262455A (en) Process for agglomerating a latex, agglomerated latex obtained and its application of the modification of thermoplastic matrices to make them impact-resistant
WO2006022298A1 (ja) 化粧用パフおよびその製造方法
JPH07102041A (ja) 重合体ラテックスおよびその製造方法
ES2280529T3 (es) Caucho terminado con co2.
JPH09208617A (ja) 化学変性ジエン系重合体組成物及びその製造方法
JPS6259137B2 (ja)
JPS6038419A (ja) 耐候性グラフト共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051007

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080228