JP2000230000A - 一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体 - Google Patents

一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体

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JP2000230000A JP11067239A JP6723999A JP2000230000A JP 2000230000 A JP2000230000 A JP 2000230000A JP 11067239 A JP11067239 A JP 11067239A JP 6723999 A JP6723999 A JP 6723999A JP 2000230000 A JP2000230000 A JP 2000230000A
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polyoxyalkylene
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Akira Kitahata
顕 北畠
Ichiro Sakuma
一郎 佐久間
Kunihiko Nakai
邦彦 仲井
Toru Yasukochi
徹 安河内
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Hokkaido University NUC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレ
ン−ヘモグロビン結合体、その製造方法および該結合体
を含有する人工酸素運搬体を提供する。 【解決手段】 ヘモグロビン中にアミノ基にポリオキシ
アルキレン誘導体が結合し、またシステイン残基のチオ
ール基に一酸化窒素代謝物が結合した分子量が100,
000〜2,000,000ダルトンであるヘモグロビ
ン結合体、その製造方法および該ヘモグロビン結合体を
含有する酸素運搬体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、代替血液や臓器かん流
液に有用な一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−
ヘモグロビン結合体、該結合体の製造方法および該結合
体を含有する酸素運搬体に関し、詳しくは血中での安定
性が高く、しかも体内注入時に血圧上昇等の問題の無い
セルフリーヘモグロビン系酸素運搬体に関する。
【0002】
【従来の技術】人や牛の赤血球から抽出したセルフリー
ヘモグロビンを赤血球輸血の代替酸素運搬体として利用
する試みが現在盛んに行われている。セルフリーヘモグ
ロビンをそのまま赤血球輸血代替酸素運搬体として用い
るためには、種々の問題を解決する必要がある。まず赤
血球溶血液には膜断片であるストローマ(strom
a)が残存し、血液凝固を惹起する。この分野では19
67年にRabinerらがヘモグロビン溶液からスト
ローマを除去したストローマフリーヘモグロビンの製造
方法を確立し(Rabiner SF etal,Ev
aluation of a stroma−free
hemoglobin solution for
use as a plasmaexpander,J
Exp Med1967;126:1127−114
2)、播種性血管内凝固症候群(Disseminat
ed IntravascularCoagulati
on:DIC)の問題がほぼ解決した。次に、ヘモグロ
ビン分子が腎糸球体から漏出し腎尿細管に毒性を示す。
1969年にBunnらがヘモグロビンに分子内架橋を
導入することによって糸球体からのヘモグロビンの排泄
を回避できることを見出し(Bunn F etal,
The renalhandling of hemo
globin.J Exp Med1969;129:
909−924)、続いてポリエチレングリコールでヘ
モグロビンを化学修飾し高分子化することによって尿中
への排出を防止し、血管内半減期を延長できること(特
公平5−64128号公報,特公平6−76333号公
報等)などが判明し、腎毒性の問題もほぼ解決された。
これらの技術改良によりセルフリーヘモグロビンの赤血
球代替酸素運搬体としての研究が進み、すでに米国では
数種類のものが臨床試験に入っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうしたヘモ
グロビン誘導体の研究が進むうちに、新たに2つの問題
点が浮上してきた。血管収縮に伴う血圧上昇反応、腸管
収縮に伴う腹痛である。
【0004】第1の血圧上昇反応の原因は、ヘモグロビ
ン誘導体投与によって引き起こされる細動脈を中心とし
た血管収縮がその主なものと考えられている。この現象
は通常の赤血球輸血を行った場合には認められず、また
細動脈の収縮は酸素授受が行なわれる毛細血管への血流
を抑制するため、好ましく無いと考えられている。この
血管収縮については、血管内皮由来弛緩因子〔EDR
F:一酸化窒素または一酸化窒素放出物質と考えられて
いる。(佐久間一郎.血管弛緩因子としてのNO.実験
化学1991;9:1347−1351)〕とセルフリ
ーヘモグロビンが反応し、EDRFが除去されるために
血管が収縮すると考えられている(Motterlin
i R etal Hemoglobin−nitri
coxide interaction and it
s implications.Transfuion
Med Rev1996;10:77−84)。特
に、ヘモグロビン分子が血管内皮間隙から内部に取り込
まれEDRFを血管壁内部で消去することが重要である
(Nakai K et.al.,Permeabll
ity characteristics of he
moglobin derivatives acro
ss cultured endothelial c
ellmonolayers.J Lab Clin
Med 132:313−319,1998.)。
【0005】次に、近年になり人体での臨床試験が開始
され、セルフリーヘモグロビン誘導体による腸管収縮が
新たな問題として注目されはじめている。この原因はま
だ特定されていないが、多くは分子内架橋型ヘモグロビ
ンによる臨床試験で観察され、これらはやはり血管内皮
などより漏洩したセルフリーヘモグロビンにより、非ア
ドレナリン作働性非コリン作働性神経伝達物質の候補で
ある一酸化窒素が除去されることが原因と推定されてい
る(Murray JA,etal Theeffec
ts of recombinant human h
emoglobin on esophageal m
otor functions inhumans.G
astroenterology 1995;109:
1241−1248)。
【0006】これらの副作用は、いずれもヘモグロビン
による一酸化窒素の消去が原因であることから、一酸化
窒素代謝物の運搬と放出性を付与された一酸化窒素代謝
物結合ヘモグロビンが効果的であるとの提案も行われて
いる(Stamler ;WO96/30006)。一
酸化窒素代謝物結合ヘモグロビンはヘモグロビンのβ鎖
のシステイン残基に一酸化窒素代謝物が可逆的に結合さ
れたヘモグロビン修飾体であり、ヘモグロビンのヘムに
よる一酸化窒素消去を代償して生理活性を有する一酸化
窒素代謝物を放出可能である。しかし、この一酸化窒素
代謝物結合ヘモグロビンは分子内架橋型ヘモグロビンで
あり分子量が小さいため、尿中へ排泄されやすく血管内
半減期が短いという問題点が残っている。
【0007】このようにヘモグロビン修飾体は酸素運搬
体としての赤血球代替輸血や臓器還流液などの用途にき
わめて有望でありながら、以上のように、排泄されにく
く体内半減期が長く、しかも血管収縮および腸管収縮と
いった副作用のないものに関しては、未だ提案されてい
ないのが実情である。
【0008】このため安全で自由に使用でき、しかも長
期保存可能なセルフリーヘモグロビン誘導体の開発が待
ち望まれている。
【0009】本発明の目的は、腎糸球体や血管内皮から
の漏出が極めて制限され、しかも血管内皮由来の一酸化
窒素の除去を代償しうる一酸化窒素代謝物放出性を有し
た、安全で自由に使用できる長期保存可能な酸素運搬体
を提供することにある。また本発明の別の目的は、本発
明の一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグ
ロビン結合体(以下、「修飾体」と称することもある)
を特定濃度含有する酸素運搬液を提供することにあり、
簡便に酸素運搬液を調整できるので、緊急時の赤血球代
替輪血や臓器還流液として有用である。
【0010】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、腎毒性や
血圧上昇、腹痛などの副作用の無い安全で自由に使用で
きる酸素運搬体について鋭意検討した結果、人または牛
などに由来する赤血球から抽出したセルフリーヘモグロ
ビンに、特定のポリオキシアルキレン誘導体と、一酸化
窒素代謝物とを結合させた分子量100,000〜2,
000,000ダルトンの誘導体がきわめて有望な酸素
運搬体であることを見出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち本発明は、ヘモグロビン中の結合
可能なアミノ基の総数の10〜30%にポリオキシアル
キレン誘導体が結合し、システイン残基のチオール基の
総数の10〜100%に一酸化窒素代謝物が結合した分
子量が100,000〜2,000,000ダルトンで
ある一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグ
ロビン結合体(修飾体)である。
【0012】さらに詳しくは、式(1)のポリオキシア
ルキレン誘導体を用いることを特徴とする上述の一酸化
窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合
体であり、
【0013】
【化2】
【0014】(ただし、Bは2〜6個の水酸基を持つ化
合物の残基、AOは炭素数3または4のオキシアルキレ
ン基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基または水酸基、
kとmはオキシエチレン基の平均付加モル数で各々0≦
k≦500、0≦m≦500、かつ20≦k+m≦10
00を満足する数、1とnはオキシアルキレン基の平均
付加モル数で各々0≦1≦10、0≦n≦10、かつ0
≦1+n≦10を満足する数、0≦a≦6、1≦b≦
6、かつ2≦a+b≦6を満足する数である。Xは式
(2)、式(3)、式(4)または式(5)に示すアミ
ノ基と結合できる官能基である。)
【0015】−(CH−COOY …(2) (ただし、cは0〜2、Yは水素またはp−ニトロフェ
ニル基またはN−ヒドロキシサクシンイミド残基であ
る。)
【0016】 −OC−(CH−COOY …(3) (ただし、dは2〜6、Yは水素またはN−ヒドロキシ
サクシンイミド残基である。)
【0017】−(CH−CHO …(4) (ただし、eは1〜2である。)
【0018】−COZ…(5) (ただし、Zはイミダゾール基である。)
【0019】また別の本発明は、一酸化窒素代謝物とし
て低分子チオール体のニトロソ体、例えばs−ニトロソ
グルタチオンを用いることを特徴とする前述の一酸化窒
素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体
である。
【0020】また更に別の本発明は、一酸化窒素代謝物
−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体を10g
/L〜200g/L含有することを特徴とする酸素運搬
体である。
【0021】更にまた別の本発明は、1段法、すなわ
ち、ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体に、一
酸化窒素代謝物を反応させること特徴とする、ヘモグロ
ビン中の結合可能なアミノ基の総数の10〜30%にポ
リオキシアルキレン誘導体が結合し、システイン残基の
チオール基の総数の10〜100%に一酸化窒素代謝物
が結合した分子量が100,000〜2,000,00
0ダルトンである一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキ
レン−ヘモグロビン結合体の製造方法である。
【0022】そして、更に別の本発明は、2段法、すな
わち、ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体に、
一酸化窒素代謝物を反応させ、更にポリオキシアルキレ
ン誘導体を反応させることを特徴とする、ヘモグロビン
中の結合可能なアミノ基の総数の10〜30%にポリオ
キシアルキレン誘導体が結合し、システイン残基のチオ
ール基の総数の10〜100%に一酸化窒素代謝物が結
合した分子量が100,000〜2,000,000ダ
ルトンである一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン
−ヘモグロビン結合体の製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に使用するセルフリーヘモ
グロビンは、人あるいは牛など由来のものであればその
ままでも分子内架橋させたものでも使用できるが、倫理
的面を考慮すれば人由来のヘモグロビンを使用するのが
好ましく、さらに好ましくは、ピリドキサール−5’−
燐酸、2−ノルー2−ホルミルピリドキサノール−5’
−燐酸などのピリドキサール燐酸類、あるいはピリドキ
サール−5’−硫酸などのピリドキサール−硫酸類、グ
リセリン−2,3−ジ燐酸などのグリセリン燐酸類、グ
ルコース−6−燐酸、アデノシン−5’−燐酸などの糖
燐酸などで分子内架橋させたものを用いるのが好まし
い。
【0024】また、ヘモグロビン中の結合可能なアミノ
基(リジン残基のアミノ基やN末端アミノ基)数は、使
用するヘモグロビンの種類によって異なる。人ヘモグロ
ビンの場合は4個のN末端アミノ基と44個のリジン残
基のアミノ基があり結合可能なアミノ基としては合計4
8個、牛ヘモグロビンの場合は4個のN末端アミノ基と
46個のリジン残基のアミノ基があり結合可能なアミノ
基としては合計50個あると考えられる。また使用する
ポリオキシアルキレン誘導体の官能基数(b)によって
も異なるため、アミノ基に結合させるポリオキシアルキ
レン誘導体の数は特定できないが、少なすぎると細胞か
らの漏れを充分に防止するまで目的化合物の分子量を上
げることが出来なくなるので好ましくなく、他方、過多
に結合させようとすると過激な反応条件が必要となりヘ
モグロビンの立体構造を壊すため酸素運搬能を低下させ
るので好ましくない。このため、結合可能なアミノ基の
総数の10〜30%の範囲に限定される。好ましい範囲
は15〜25%である。
【0025】また、ヘモグロビン中に2個ある結合可能
なシステイン残基のチオール基に結合させる一酸化窒素
代謝物の数は、少なすぎると血圧上昇作用の抑制効果が
充分ではない。血圧上昇作用を抑制するためにはシステ
イン残基由来のチオール総数の10%〜100%の一酸
化窒素代謝物を結合させる必要がある。本発明に使用で
きる一酸化窒素代謝物としては、低分子チオール体のs
−ニトロソ体なら任意のものを使用できるが、N−Ac
ethyl−DL−penicillamine(N−
アセチル−ペニシルアミン)、N−acetyl−L−
systein(N−アセチル−L−システイン)、s
−ニトロソシステイン、s−ニトロソグルタチオンなど
を列挙することが出来る。しかしながら、反応性等を考
慮するとs−ニトロソグルタチオンを使用すると反応性
が良いので好ましい。
【0026】本発明で得られる一酸化窒素代謝物−ポリ
オキシアルキレン−ヘモグロビン結合体の分子量の範囲
は、100,000〜2,000,000ダルトンであ
り、100,000ダルトンより小さいと血管内皮等か
らの漏れが起こりやすくなり、また2,000,000
ダルトンを超えると粘度が高くなりすぎるため取り扱い
が困難になる。
【0027】好ましい範囲は、150,000〜1,5
00,000ダルトンである。なお、分子量は最大ピー
クのピークトップの分子量である。
【0028】また、式(1)においてBで示される2〜
6個の水酸基を持つ化合物の残基としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリ
ン、ペンタエリスリトール、トリグリセリン、ソルビト
ール、テトラグリセリンなどの残基が列挙される。
【0029】また、AOで示される炭素数3または4の
オキシアルキレン基としては、オキシプロピレン基、オ
キシイソプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソ
ブチレン基が挙げられる。
【0030】また、Rで示される炭素数1〜30の炭化
水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、
イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチ
ル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシ
ル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、エ
イコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシ
ル基、オクタコシル基、トリアコンチル基などがあげら
れ、目的に合わせてどれを使用しても良いが、炭素数が
大きいと界面活性能により、泡立ち等の問題がおきやす
くなるため、炭素数の好ましい範囲は1〜4、さらに好
ましくは1〜2である。
【0031】オキシエチレン基はヘモグロビン誘導体の
周囲に親水層を形成させるために必須であり、その付加
モル数はkとmであらわされ、少なすぎると親水層の大
きさが充分でなくなるため腎糸球からの漏洩が多くなる
ので好ましくなく、大きすぎると粘度が上昇し誘導体の
ハンドリングが困難になるので好ましくない。このため
本発明の目的に使用できる範囲は0<k、m<500か
つ20<k+m<1000の範囲であり、好ましくは0
<k、m<500かつ50<k+m<8000である。
【0032】オキシアルキレン基は、ポリオキシアルキ
レン誘導体とヘモグロビンとの結合部位の安定性を増す
ために導入するものであって、1とnであらわされるオ
キシアルキレン基の付加モル数が多くなりすぎると親水
層の形成を妨害するので0<1、n<10かつ0<1+
n<10の範囲に限定される。好ましい範囲は0<1、
n<4かつ0<1+n<4である。
【0033】aはヘモグロビンと結合できないポリオキ
シアルキレン鎖の数を示し、bはヘモグロビンと結合で
きるポリオキシアルキレン鎖の数を示す。bはヘモグロ
ビンとオキシアルキレン誘導体を結合させるために必ず
1は必要であり、bの数を2以上にすると一酸化窒素代
謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体同士
を部分的に架橋させ分子量を効率的に増加させることが
可能となる。しかしbの数を増やしすぎると架橋が進み
すぎ、ゲル化等の問題が起こりやすくなるため、好まし
いbの範囲は1〜4である。
【0034】Xはヘモグロビンのリジン残基のアミノ基
やN末端アミノ基と結合できるものならば任意の官能基
が使用できるが、反応性等を考慮すると、式(2)また
は式(3)に示される活性化カルボン酸型、または式
(4)に示されるアルデヒド型、または式(5)に示さ
れるイミダゾール型を使用するのが好ましい。また、特
に好ましくは式(2)または式(3)に示される活性化
カルボン酸型が好ましい。
【0035】本発明の一酸化窒素代謝物−ポリオキシア
ルキレン−ヘモグロビン結合体は、凍結乾燥した状態で
は極めて安定に酸素運搬能を維持するので、簡便に長期
保存が可能であり、実際の使用時に生理食塩水等で希釈
して赤血球代替輸血や臓器還流液などに用いることがで
きる。このとき一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレ
ン−ヘモグロビン結合体の濃度は、使用する一酸化窒素
代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体の
分子量や骨格中に組み込まれたポリオキシアルキレン誘
導体の構造により異なり、また使用目的の酸素運搬能に
よっても異なるので必ずしも特定できないが、濃度が1
0g/Lより少ないと溶液中のヘモグロビン誘導体の濃
度が低くなり過ぎ酸素運搬液の酸素運搬能が充分でなく
なる恐れがあり、200g/Lを超えると酸素運搬液の
粘度が高くなりすぎ取り扱いが困難になる恐れがあるた
め10〜200g/Lである。好ましくは50〜150
g/Lであり、特に好ましくは60〜120g/Lであ
る。
【0036】本発明で使用する式(1)のポリオキシア
ルキレン誘導体は、たとえば以下の方法で得ることがで
きる。
【0037】Bで示される2〜6個の水酸基を持つ化合
物に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属ナトリ
ウム、ナトリウムメチラートなどのアルカリ触媒を用い
て常法にしたがってエチレンオキシドと必要に応じて炭
素数3または4のアルキレンオキシドを付加反応させた
後、塩酸、燐酸などの鉱酸を用いてアルカリ触媒を中和
し、脱水後、生成する中和塩をろ過により除去して、末
端に水酸基を持つ一般式(6)の化合物を得る。
【0038】
【化3】
【0039】次に、得られた式(6)の化合物の末端水
酸基を目的に合わせて、式(2)、式(3)、式(4)
または式(5)であるアミノ基と結合できる官能基に変
更する。
【0040】このとき使用できる方法としては、公知の
各種の方法を使用できる。
【0041】たとえば、水酸基を式(2)の末端化合物
に変更するには、アルカリ触媒の存在下、モノクロル酢
酸、モノブロモ酢酸などのハロゲン化カルボン酸と反応
させる方法や水酸基にアルカリ触媒の存在下アクリロニ
トリルを反応させた後加水分解する方法、過酸化水素や
過マンガン酸あるいは白金やパラジウムの炭素担持触媒
を用いて末端水酸基を酸化する方法で、末端がカルボン
酸の化合物を得た後ジシクロヘキシルカルボジイミド等
の脱水剤を用いてN−ヒドロキシサクシンイミドとのエ
ステルを作ることにより得ることができる。また、別の
方法としてはホスゲンなどのクロロホルメートと反応さ
せて末端を酸クロライドの形にしたのちN−ヒドロキシ
サクシンイミドと反応させてもよい。また、水酸基に塩
基性触媒の存在下、直接p−ニトロフェニルクロロホル
メートなどの活性化クロロホルメートを反応させても良
い。これらについては、公知の方法が数多くありそのど
の方法を用いても良い。
【0042】また水酸基を式(3)の末端化合物に変更
するには、無水コハク酸や無水グルタル酸などの2塩基
酸無水物をそのまま、あるいは塩基性触媒の存在下に反
応させて末端がカルボン酸の化合物とした後、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド等の脱水剤の存在下N−ヒドロ
キシサクシンイミドと反応させて活性化エステルとする
ことにより得ることができる。
【0043】また、水酸基を式(4)の末端化合物に変
更するには、ジメチルスルホキシドおよび無水酢酸の存
在下、または過マンガン酸カリウムの存在下で末端水酸
基を酸化して得ることができる。
【0044】また、水酸基を式(5)の末端化合物に変
更するには塩基性触媒の存在下カルボニルジイミダゾー
ルを反応させて得ることができる。
【0045】本発明の一酸化窒素代謝物−ポリオキシア
ルキレン−ヘモグロビン結合体を得るには、まず前述の
方法等により得られた式(1)の化合物(ポリオキシア
ルキレン誘導体)とヘモグロビンを反応させて、ポリオ
キシアルキレン−ヘモグロビン結合体(以下、便宜上、
「前駆修飾体」という)を得る。
【0046】次いで、この前駆修飾体をpH7から10
の緩衝液中で0〜40℃の温度条件下、使用したヘモグ
ロビン1モルに対して2から10倍モルの一酸化窒素代
謝物(例えば、s−ニトロソグルタチオンなど)と反応
させて、一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘ
モグロビン結合体(以下、「目的ヘモグロビン修飾体」
という)を得る。
【0047】この場合、適当な限外ろ過膜で未反応ヘモ
グロビンや未反応ポリオキシアルキレン誘導体、一酸化
窒素代謝物、緩衝塩などを除去する。またこの後、必要
に応じて凍結乾燥させて粉体としてもよい。
【0048】或いは、先ず式(1)のポリオキシアルキ
レン誘導体とヘモグロビンを反応させて、ポリオキシア
ルキレン−ヘモグロビン誘導体(以下、「前駆予備修飾
体」という)を得、次いでこの前駆予備修飾体に上記と
同様に一酸化窒素代謝物を反応させ、更に式(1)の化
合物と反応させて、一酸化窒素代謝物−ポリオキシアル
キレン−ヘモグロビン結合体(目的ヘモグロビン修飾
体)を得る。この場合も、上述と同様に未反応物などを
限外ろ過膜で除去する。また、この後、必要に応じて、
凍結乾燥させて粉体とする。
【0049】上記において、前駆修飾体または前駆予備
修飾体を得るに当たっては、公知方法(例えば特公平6
−76333号公報、特公平5−64128号公報等)
に準じて反応させることによって行う。
【0050】ヘモグロビンと式(1)のポリオキシアル
キレン誘導体との反応時の比率は、ポリオキシアルキレ
ン誘導体の構造や目的とする分子量によっても異なるの
で必ずしも特定できないが、ヘモグロビン1モルに対し
て0.5から70モル程度、好ましくは1から20モル
である。
【0051】図面を概説すると次のとおりである。
【0052】図1は、ヒト由来ヘモグロビンを使用した
s−ニトロソグルタチオン−ポリオキシエチレン−ヘモ
グロビン結合体のゲルパーミュエーションクロマトグラ
フィーの測定成果を示す。
【0053】図2は、s−ニトロソグルタチオン−ポリ
オキシエチレン−ヘモグロビン結合体におけるs−ニト
ロソグルタチオンの導入率の測定結果を示す。
【0054】図3は、ウシ由来ヘモグロビンを使用した
s−ニトロソグルタチオン−ポリオキシエチレン−ヘモ
グロビン結合体のゲルパーミュエーションクロマトグラ
フィーの測定結果を示す。
【0055】図4は、培養ウシ内皮単層を使用した透過
性測定法の簡略説明図である。
【0056】
【発明の効果】本発明の一酸化窒素代謝物−ポリオキシ
アルキレン−ヘモグロビン結合体(目的ヘモグロビン修
飾体)は、ヘモグロビンにポリオキシアルキレンを結合
させ分子量を一定以上にしたことにより、ヘモグロビン
の酸素運搬能力を低下させずかつ安定性を高くし、腎糸
球や血管内皮からの漏れを無くし、しかも一酸化窒素代
謝物を一定量結合させたことにより体内注入時の血圧上
昇等の問題がおきないため、簡便かつ安全に赤血球代替
輸血や臓器還流液として使用できる。
【0057】
【実施例】以下製造例、実施例および比較例により本発
明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例示に
限定されるものではない。
【0058】製造例1 ポリエチレングリコール#6000(日本油脂(株)
製;分子量8500ダルトン)85gとトルエン100
mlおよび酢酸ナトリウム0.2gを窒素吹き込み管・
撹拌装置・温度計・冷却管−検水管を取り付けた4つ口
フラスコに入れ、80℃まで昇温し、完全に溶解するま
で撹拌した。ついで窒素ガスを吹き込みながら溶剤(ト
ルエン)が還流しはじめるまでゆっくりと加熱し、その
まま還流を1時間続けた。ついで検水管に析出してきた
水を廃棄し、検水管を4つ口フラスコから取り外し、冷
却管を再び取り付けた。
【0059】次に無水コハク酸2.4gを入れ、105
℃で3時間撹拌を続けた。ついで100mmHg以下の
減圧下、未反応の無水コハク酸およびトルエンを留去し
た。80℃まで冷却したのち減圧濾過により過剰の酢酸
ナトリウムを除去して、78gのポリエチレングリコー
ルジサクシネートを得た。
【0060】得られたポリエチレングリコールジサクシ
ネートの酸価は12.9、鹸化価は26.1であった。
【0061】ついで、ポリエチレングリコールジサクシ
ネート17.4gとジメチルホルムアミド200mlを
共栓付き三角フラスコに入れ、マグネチックスターラー
で撹拌しながら40℃に昇温した。ついでジシクロヘキ
シルカルボジイミド0.98gとN−ヒドロキシサクシ
ンイミド0.56gを入れ12時間撹拌した。次に反応
混合液をジエチルエーテル1L中に撹拌しながら滴下し
て結晶を析出させ、加圧下ろ過して、ポリエチレングリ
コール#6000の活性化エステルを16.5gの白色
結晶として得た。
【0062】得られた化合物の構造式を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】製造例2 ポリオキシエチレングリセリルエーテル(ユニオックス
G−2000 日本油脂(株)製;分子量2000ダル
トン)1000gを撹拌装置・温度計・窒素吹き込み管
のついた5Lオートクレーブに入れ、60℃に昇温し
た。つぎに、ナトリウムメチラート90gを入れ、10
0℃で3時間100mmHg以下の減圧下で脱メタノー
ルを行った。ついで温度を115℃に上げ、モノブロモ
酢酸メチル252gを滴下槽より徐々に圧入した。全量
圧入後、同温度でさらに5時間撹拌を続けた。
【0065】ついで温度を30℃に下げ、30%水酸化
カリウム水溶液200gを入れ、再び温度を80℃に上
げ5時間撹拌を続け、鹸化反応を行った。
【0066】鹸化反応終了後、反応液を全量4つ口フラ
スコに取りだし、撹拌しながら17.5%塩酸を用いて
pHを2に調整した。ついでクロロホルム1Lで3回ポ
リエチレングリコールモノグリセリルエーテルの末端カ
ルボン酸誘導体を抽出した。得られたクロロホルム層を
エバポレーターで濃縮乾固し、982gの誘導体を得
た。
【0067】ついで得られた誘導体26gを水200g
に溶解したのち、陰イオン交換樹脂Bio−Rad A
GIX2(Bio−Rad Laboratorie
s,USA)にかけ、末端カルボン酸誘導体を一旦樹脂
に吸着させ、イオン交換水で吸着されなかった未反応ポ
リオキシエチレングリコールモノグリセリルエーテル等
の不純物を洗い流し、ついで吸着物を0.05規定塩酸
1Lで溶出させた。溶出液に食塩230gとクロロホル
ム1Lを加え、生成物を再びクロロホルム層に抽出し
た。得られたクロロホルム層をエバポレーターで濃縮乾
固し、22.1gの精製末端カルボン酸誘導体を得た。
得られた末端カルボン酸誘導体の酸価は81.3であっ
た。
【0068】ついで、ジシクロヘキシルカルボジイミド
とN−ヒドロキシサクシンイミドとを用いて製造例1と
同様の方法で末端カルボン酸を活性エステルとした。
【0069】得られた化合物の構造式を表1に示す。
【0070】製造例3 メトキシポリエチレングリコール(分子量20,000
ダルトン)20gをクロロホルム100mlに溶解し、
ピリジン10mlおよびp−ニトロフェニルクロロホル
メート0.3gを加え、室温で5時間反応させた。つい
で、反応液を1Lのジエチルエーテルに撹拌しながら滴
下し、析出する結晶をろ別後、デシケーター中で乾燥し
て19.8gのメトキシポリエチレングリコールモノp
−ニトロフェニルホルメートを得た。
【0071】得られた化合物の構造式を表1に示す。
【0072】実施例1 期限切れ輸血用血液の赤血球100mlを0.9%食塩
水100mlに浮遊させて遠心分離機を用いて4℃で4
回洗浄した。ヒト洗浄赤血球60mlを180mlの注
射用水を用いて溶血し孔径0.22μのフィルター(M
illipore Co.,USA)を用いて膜成分を
除いた。さらに残存する膜成分は遠心分離機で6000
rpmで1時間遠心分離して除いた。
【0073】得られたヒトヘモグロビン3.29g
(0.051mmol)を1000mlのリン酸0.1
モル緩衝液(pH8.6)に溶解し、ついで製造例1で
製造した活性化ポリオキシエチレン4.54g(0.5
1mmol)を加え、アルゴンで酸素分圧1mmHgま
で引き下げ、4℃で2時間反応させて、ポリオキシエチ
レン−ヘモグロビン結合体(いわゆる前駆修飾体)を得
た。
【0074】ついで、この前駆修飾体の反応液に濃度1
mMのEDTA(エチレンジアミン四酢酸)および0.
5mMのDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を加
え、さらに燐酸2ナトリウムを用いて反応液のpHを
8.6に調整した。ついでs−ニトロソグルタチオン
(一酸化窒素代謝物)85.7mg(0.255mmo
l)を加え4℃で12時間反応させた。
【0075】反応後、反応液を分画分子量30000ダ
ルトンの限外ろ過膜(アミコン社製、PM30)にか
け、未反応ポリエチレングリコール誘導体が100pp
m以下になるまで繰り返し精製した。
【0076】次に得られた反応液を凍結乾燥して5.9
5gの本発明の化合物であるs−ニトロソグルタチオン
−ポリオキシエチレン−ヘモグロビン結合体(いわゆる
目的ヘモグロビン修飾体)を得た。
【0077】得られた化合物のゲルパーミュエーション
クロマトグラフィーの結果を図1に示す。
【0078】ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ
ーの測定条件は次の通りである。 カラム:Toso SW4000XL 展開液:50mM NP、0.2モルNaCl、pH
6.8 流速:0.8mL/min サンプル注入量:5μL(0.5%) 測定吸光度:420nm
【0079】図1より、得られた生成物中には原料とし
て用いた未反応ヘモグロビンや未反応ポリオキシエチレ
ンが無いことがわかる。
【0080】また、得られたs−ニトロソグルタチオン
−ポリオキシエチレン−ヘモグロビン結合体(修飾体)
の分子量は870,000ダルトンであった。
【0081】また、得られた本発明の化合物中のメト化
率は1.2%であった。
【0082】メトヘモグロビン率の測定は、シアンメト
化法によった。具体的には、ヘモグロビン試料を1%T
riton X(アルドリッチ社製)を含有する0.1
Mリン酸緩衝液(pH 6.8)にて希釈し4mLと
した後、2本の分光セルに分注する。1本のセルについ
て、630nmの吸収を測定(λM1)し、次いで8%
シアンカリを10uL加え同様に吸光度を測定する(λ
M2)。別のセルは8%フェリシアンカリを10uL加
え吸光度測定(λT1)し、次いで8%シアンカリを同
量加え同様に吸光度を測定(λT2)する。
【0083】メト化率は、(λM1−λM2)/(λT
1−λT2)にて算出した。
【0084】s−ニトロソグルタチオン−ポリオキシエ
チレン−ヘモグロビン結合体の測定は、ゲルパーミッシ
ョンクロマトグラフィーを用いた方法によった(Aka
ike T etal.Nanomolar quan
tification and identifica
tion of various nitrosoth
iols by high performance
liquid chromatography cou
pled with flow reactors o
f metals and griess reage
nt.J.Biochem.122:459−466,
1997)。具体的な測定条件は次の通りである。
【0085】カラム:エイコム GFC−200 展開液:0.1 mM EDTA含有10 mM 酢酸
緩衝液(pH5.5) 1次反応液:EDTAを含まない上記展開液の1.75
mM塩化水銀溶液 1次反応後カラム:エイコム CA−ODS 2次反応液:1%スルファニルアミド/0.1%N−ナ
フチルエチレンジアミン/2%リン酸(Griess反
応液) 測定:540nm吸光度 サンプル注入量:5uL
【0086】標準物質として亜硝酸イオンを同様に測定
し、クロマトグラフィー積分値よりs−ニトロソグルタ
チオン(一酸化窒素代謝物)−ヘモグロビン結合体の量
を算出し、注入したヘモグロビン分子数よりヘモグロビ
ンへのs−ニトロソグルタチオン(一酸化窒素代謝物)
導入率を計算した。
【0087】また、得られた本発明の化合物のs−ニト
ロソグルタチオン(一酸化窒素代謝物)の導入率は図2
より48%であった。
【0088】反応性アミノ基の数をトリニトロベンゼン
スルホン酸を用いて滴定し(A.F.S.A.Habe
eb,Determination of free
amino groups in proteins
by trinitrobenzenesulfoni
c acid,Anal.Biochem.14(19
66)328−336)、ポリオキシアルキレン誘導体
を用いた修飾の前後で比較し修飾率を決定した。
【0089】修飾率の計算式は次の通りである。 修飾率=100 × (1 − 修飾後残存アミノ基数
/修飾前アミノ基数)
【0090】本実施例において測定した結果、修飾率は
18.8%であり、9.02個のアミノ基に製造例1の
化合物(活性化ポリオキシエチレン)が結合したことが
わかる。
【0091】なお、上記のヘモグロビン溶液の調整は、
特公平6−76333号公報記載の方法に準じた。
【0092】実施例2 ウシの新鮮赤血球50mlを0.9%食塩水50mlで
遠心分離機を用いて4℃で4回洗浄した。ついで得られ
た40mlの赤血球溶液に注射用水80mlを加えて溶
血し、8000rpmで1時間遠心分離したのち限外ろ
過膜(排除限界100000ダルトン)で処理して更に
膜成分とヘモグロビンを分離した。
【0093】得られたヘモグロビン3.87g(0.0
6mmol)を0.1M燐酸緩衝液(pH8.0)に溶
解し、全量を25mlにした。ついで酸素分圧が2mm
Hg以下となるまで激しくアルゴンを吹き込むことによ
り脱酸素したのち、公知の方法(R.Benesch
et.al J.Biol.Chem257(3)13
20−1324(1982))によりピリドキサール−
5’−リン酸を付加し、ピリドキサール化ヘモグロビン
を得た。得られたピリドキサール化ヘモグロビン溶液に
0.1Mほう酸緩衝液(pH8.2)を加え全量を1L
とした。
【0094】ついで製造例2で製造した活性化ポリオキ
シエチレン誘導体0.23g(0.09mmol)を加
え、アルゴンで酸素分圧1mmHgまで引き下げ、2℃
で4時間反応させて、ポリオキシエチレン−ピリドキサ
ール化ヘモグロビン結合体(いわゆる前駆予備修飾体)
を得た。
【0095】ついで、この前駆予備修飾体反応液に1m
molのEDTAおよび0.5mmolのDTPAを加
え、さらに燐酸2ナトリウムを用いて反応液のpHを
8.6に調整した。ついでs−ニトロソグルタチオン1
00mg(0.3mmol)を加え室温で4時間反応さ
せて、s−ニトロソグルタチオン−ポリオキシエチレン
−ヘモグロビン結合体(いわゆる前駆修飾体)を得た。
【0096】この前駆修飾体に、さらに製造例3で製造
した活性化ポリオキシアルキレン誘導体24.1g
(1.2mmol)を加え4℃で4時間反応を続行し
た。
【0097】反応液を分画分子量100,000ダルト
ンの限外ろ過膜(アミコン社製、YM100)にかけ、
未反応ポリエチレングリコール誘導体が100ppm以
下になるまで繰り返し精製した。
【0098】次に得られた反応液を凍結乾燥して13.
8gの本発明の化合物であるs−ニトロソグルタチオン
−ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン−ヘモグ
ロビン(いわゆる目的ヘモグロビン修飾体)を得た。
【0099】得られた化合物のゲルパーミュエーション
クロマトグラフィーの結果を図3に示す。
【0100】得られた本発明の化合物の分子量は1,6
70,000ダルトンであり、アミノ基の修飾率は2
0.1%であり、10.1個のアミノ基にポリオキシア
ルキレン鎖が結合していた。
【0101】また、s−ニトロソグルタチオン(一酸化
窒素代謝物)の導入率は19%であった。
【0102】比較例1 特公平6−76333号公報記載の方法に準じて、ポリ
オキシアルキレン−ヘモグロビン結合体の合成をおこな
った。
【0103】まずはじめに、製造例1と同様の方法でポ
リエチレングリコール#4000(日本油脂株製:分子
量3,100ダルトン)の活性化エステルを合成した。
【0104】ポリエチレングリコール62gとトルエン
100mlおよび酢酸ナトリウム0.2gを窒素吹き込
み管・撹拌装置・温度計・冷却管−検水管を取り付けた
4つ口フラスコに入れ、80℃まで昇温し、完全に溶解
するまで撹拌した。ついで窒素ガスを吹き込みながら溶
剤(トルエン)が還流しはじめるまでゆっくりと加熱
し、そのまま還流を1時間続けた。ついで検水管に析出
してきた水を廃棄し、検水管を4つ口フラスコから取り
外し、冷却管を再び取り付けた。
【0105】次に無水コハク酸4.8gを入れ、105
℃で3時間撹拌を続けた。ついで100mmHg以下の
減圧下、未反応の無水コハク酸およびトルエンを留去し
た。80℃まで冷却したのち減圧濾過により過剰の酢酸
ナトリウムを除去して、57gのポリエチレングリコー
ルジサクシネートを得た。
【0106】得られたポリエチレングリコールジサクシ
ネートの酸価は33.9、鹸化価は67.9であった。
【0107】ついで、ポリエチレングリコールジサクシ
ネート13.2gとジメチルホルムアミド200mlを
共栓付き三角フラスコに入れ、マグネチックスターラー
で撹拌しながら40℃に昇温した。ついでジシクロヘキ
シルカルボジイミド1.96gとN−ヒドロキシサクシ
ンイミド1.12gを入れ12時間撹拌した。次に反応
混合液をジエチルエーテル1L中に撹拌しながら滴下し
て結晶を析出させ、加圧下ろ過して、ポリエチレングリ
コール#4000の活性化エステルを10.8gの白色
結晶として得た。
【0108】実施例2と同様の方法で作成した膜成分を
除去したウシヘモグロビン5.16g(0.08mmo
l)を0.1Mほう酸緩衝液(pH7.0)200ml
に溶解し、ポリエチレングリコール#4000の活性化
エステル6.5g(1.84mmol)とリジン113
mg(0.773mmol)を加え、アルゴンで酸素分
圧を2mmHgまで下げたあと4℃で2時間反応させ
た。
【0109】反応液を分画分子量100,000ダルト
ンの限外ろ過膜(アミコン社製、YM100)にかけ、
未反応ポリエチレングリコール誘導体が100ppm以
下になるまで繰り返し精製した。
【0110】次に得られた反応液を凍結乾燥して6.4
6gの化合物を得た。
【0111】得られた化合物の分子量は89,000ダ
ルトンであり、アミノ基の修飾率は12.6%であり、
6.3個のアミノ基にポリオキシアルキレン鎖が結合し
ていた。
【0112】比較例2 比較実験として一酸化窒素代謝物−ヘモグロビン結合体
の合成をおこなった。
【0113】はじめに実施例2と同様の方法で、ピリド
キサール化ヘモグロビン溶液を得た。
【0114】ウシの新鮮赤血球50mlを0.9%食塩
水50mlで遠心分離機を用いて4℃で4回洗浄した。
ついで得られた40mlの赤血球溶液に注射用水80m
lを加えて溶血し、8,000rpmで1時間遠心分離
したのち限外ろ過膜(排除限界100,000ダルト
ン)で処理して更に膜成分とヘモグロビンを分離した。
【0115】得られたヘモグロビン3.87g(0.0
6mmol)を0.1M燐酸緩衝液(pH8.0)に溶
解し、全量を25mlにした。ついで酸素分圧が2mm
Hg以下となるまで激しくアルゴンを吹き込むことによ
り脱酸素したのち、公知の方法(R.Benesch
et.al J.Biol.Chem257(3)13
20−1324(1982))によりピリドキサール−
5’−リン酸を付加し、ピリドキサール化ヘモグロビン
を得た。得られたピリドキサール化ヘモグロビン溶液に
0.1Mほう酸緩衝液(pH8.2)を加え全量を1L
とした。
【0116】次に、反応液に1mmolのEDTAおよ
び0.5mmolのDTPAを加え、さらに燐酸2ナト
リウムを用いて反応液のpHを8.6に調整した。つい
でs−ニトロソグルタチオン100mg(0.3mmo
l)を加え室温で4時間反応させた。
【0117】得られた反応液を分画分子量30,000
ダルトンの限外ろ過膜(アミコン社製、PM30)で未
反応s−ニトロソグルタチオンが5ppm以下になるま
で精製した。
【0118】次に得られた反応液を凍結乾燥して2.6
gの化合物を得た。
【0119】実施例3 実施例1、実施例2、比較例1および比較例2で得られ
た化合物をそれぞれ5%濃度になるように生理食塩水に
溶解させ、wister rat(7〜8週齢、体重2
40〜280g)の静脈に2.5ml/kgを注入し
た。
【0120】各々の注入後の血圧上昇率を表2に記載す
る。
【0121】
【表2】
【0122】実施例4 実施例1、実施例2、比較例1および比較例2で得られ
た化合物について、血管内皮細胞の透過性を次のモデル
実験により測定した。図4は透過性の測定方法の簡略説
明図である。
【0123】ウシ大動脈由来血管内皮細胞を0.4μm
の孔径を有するコラーゲンフィルター(Corning
Coaster 社、Transwell−coll
agen)上に単層培養し、上層を仮想血管内腔、下層
を仮想血管壁側とし、実施例1、実施例2、比較例1お
よび比較例2で得られた化合物について125I標識し
たのち内腔側にヘモグロビン濃度15.5μMとなるよ
うに加えた。一時間後、下層に移動したヘモグロビン結
合体をガンマーカウンターにて定量し、透過性(×10
−6cm/sec)を計算した。
【0124】結果を表3に示す。
【0125】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたヒト赤血球由来ヘモグロ
ビン使用のs−ニトロソグルタチオン−ポリオキシエチ
レン−ヘモグロビン結合体のゲルパーミュエーションク
ロマトグラフィーの測定結果を示す。
【図2】 実施例1で得られたs−ニトロソグルタチオ
ン−ポリオキシエチレン−ヘモグロビン結合体のs−ニ
トロソグルタチオン導入率の測定結果を示す。
【図3】 実施例2で得られたウシ赤血球由来ヘモグロ
ビン使用のs−ニトロソグルタチオン−ポリオキシエチ
レン−ヘモグロビン結合体のゲルパーミュエーションク
ロマトグラフィーの測定結果を示す。
【図4】 実施例4における培養ウシ内皮単層を使用し
た透過性測定法の簡略説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 一郎 北海道札幌市中央区北10条西20丁目1番5 号 (72)発明者 仲井 邦彦 宮城県仙台市青葉区川内亀岡町68番地5番 21号 (72)発明者 安河内 徹 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎東1丁目1番 地3号401 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA06 AA07 BA31 BA37 BA44 DC50 MA44 MA66 NA05 NA06 NA12 ZA522 4H045 AA10 AA20 AA50 BA51 BA57 CA42 EA34 EA61 GA10 GA15 HA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘモグロビン中の結合可能なアミノ基の
    総数の10〜30%にポリオキシアルキレン誘導体が結
    合し、システイン残基のチオール基の総数の10〜10
    0%に一酸化窒素代謝物が結合した分子量が100,0
    00〜2,000,000ダルトンである一酸化窒素代
    謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体。
  2. 【請求項2】 ポリオキシアルキレン誘導体として式
    (1)の化合物を用いることを特徴とする請求項1記載
    の一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロ
    ビン結合体。 【化1】 (ただし、Bは2〜6個の水酸基を持つ化合物の残基、
    AOは炭素数3または4のオキシアルキレン基、Rは炭
    素数1〜30の炭化水素基または水酸基、kとmはオキ
    シエチレン基の平均付加モル数で各々0≦k≦500、
    0≦m≦500、かつ20≦k+m≦1000を満足す
    る数、1とnはオキシアルキレン基の平均付加モル数で
    各々0≦1≦10、0≦n≦10、かつ0≦1+n≦1
    0を満足する数、0≦a≦6、1≦b≦6、かつ2≦a
    +b≦6を満足する数である。Xは式(2)、式
    (3)、式(4)または式(5)に示すアミノ基と結合
    可能な官能基である。) −(CH−COOY …(2) (ただし、cは0〜2、Yは水素またはp−ニトロフェ
    ニル基またはN−ヒドロキシサクシンイミド残基であ
    る。) −OC−(CH−COOY …(3) (ただし、dは2〜6、Yは水素またはN−ヒドロキシ
    サクシンイミド残基である。) −(CH−CHO …(4) (ただし、eは1〜2である。) −COZ…(5) (ただし、Zはイミダゾール基である。)
  3. 【請求項3】 一酸化窒素代謝物として低分子チオール
    体のs−ニトロソ体を用いることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の一酸化窒素代謝物−ポリオキシア
    ルキレン−ヘモグロビン結合体。
  4. 【請求項4】 一酸化窒素代謝物がs−ニトロソグルタ
    チオンである請求項1または請求項2記載の一酸化窒素
    代謝物−ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結合体。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
    求項4記載の一酸化窒素代謝物−ポリオキシアルキレン
    −ヘモグロビン結合体を10g/L〜200g/L含有
    することを特徴とする酸素運搬体。
  6. 【請求項6】 ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結
    合体に、一酸化窒素代謝物を反応させること特徴とす
    る、ヘモグロビン中の結合可能なアミノ基の総数の10
    〜30%にポリオキシアルキレン誘導体が結合し、シス
    テイン残基のチオール基の総数の10〜100%に一酸
    化窒素代謝物が結合した分子量が100,000〜2,
    000,000ダルトンである一酸化窒素代謝物−ポリ
    オキシアルキレン−ヘモグロビン結合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリオキシアルキレン−ヘモグロビン結
    合体に、一酸化窒素代謝物を反応させ、更にポリオキシ
    アルキレン誘導体を反応させることを特徴とする、ヘモ
    グロビン中の結合可能なアミノ基の総数の10〜30%
    にポリオキシアルキレン誘導体が結合し、システイン残
    基のチオール基の総数の10〜100%に一酸化窒素代
    謝物が結合した分子量が100,000〜2,000,
    000ダルトンである一酸化窒素代謝物−ポリオキシア
    ルキレン−ヘモグロビン結合体の製造方法。
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