JP2000229979A - インドカルバゾスタチン - Google Patents

インドカルバゾスタチン

Info

Publication number
JP2000229979A
JP2000229979A JP3408499A JP3408499A JP2000229979A JP 2000229979 A JP2000229979 A JP 2000229979A JP 3408499 A JP3408499 A JP 3408499A JP 3408499 A JP3408499 A JP 3408499A JP 2000229979 A JP2000229979 A JP 2000229979A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indocarbazostatin
culture
strain
formula
acetone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3408499A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Ubukata
信 生方
Nobuyasu Matsuura
信康 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP3408499A priority Critical patent/JP2000229979A/ja
Publication of JP2000229979A publication Critical patent/JP2000229979A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 NGFにより誘導される神経突起伸展を阻害
する新規生理活性物質を提供すること。 【解決手段】 下記構造を有する生理活性物質インドカ
ルバゾスタチン 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、新規な生理活性を
有するインドカルバゾスタチンに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明のインドカルバゾスタチンに関す
る報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、NG
F(Nerve Growth Factor)により誘導される神経突起伸
展を阻害する新規生理活性物質を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、NGFにより
誘導される神経突起伸展を阻害する新規生理活性物質の
探索を目的として多数の土壌微生物を培養し、その産生
する生理活性物質を分離探索し、ストレプトミセス属に
属する微生物の培養液及び培養菌体に文献未載の新規生
理活性物質インドカルバゾスタチンが産生、蓄積される
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は式(1)
【0006】
【化2】
【0007】で表される生理活性物質インドカルバゾス
タチンである。
【0008】本発明において用いる微生物は、生理活性
物質インドカルバゾスタチンの生産能を有するものであ
り、ストレプトミセス属に属する菌種である。その一例
として、ストレプトミセス・エスピーTA-0403株(Strep
tomyces sp. TA-0403株(以下”TA-0403株”という)と
呼称される微生物は上記の特性を有し、本発明の生理活
性物質インドカルバゾスタチンを有利に生産するもので
あり、本発明に有効に利用し得るものである。
【0009】また、上記TA-0403株の自然的及び人工的
変異株は勿論、ストレプトミセス属に属する菌種で後述
の生理活性物質インドカルバゾスタチンの生産能を有す
る微生物はすべて本発明において使用することができ
る。
【0010】TA-0403株は、高知県安芸郡で採取された
土壌中より発見された土壌放線菌であり、微生物の名称
Streptomyces sp. TA-0403」及び微生物寄託番号「FE
RM P-17190」として工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託されている。
【0011】
【発明の実施の形態】この菌株の菌学的性状を以下に示
す。 <形態>TA-0403株は菌株同定試験用寒天培地上で、基
生菌糸はよく生育し分岐しているが、分断は見られな
い。気菌糸の形成及び胞子の形成は、スターチ・無機塩
寒天培地で良好であるが、その他の培地では弱いもしく
は見られない。寒天培地中の胞子形成は認められない。
気菌糸より単純分岐した螺旋状の分節胞子の連鎖(20
〜40胞子又はそれ以上)を形成する。胞子の形はほぼ
球形もしくは卵形で、長さが0.8〜1.2μm、幅が
0.7〜0.8μm、表面は棘状である。胞子嚢や菌核
の形成及び胞子の運動性は認められない。
【0012】<各種培地上における生育状態>各種培地
上で、28℃、14日間培養した場合の肉眼的観察結果
を次の表1に示した。なお色の表示は日本規格協会、J
IS色名帳(1985年)の系統色名を引用した。
【0013】
【表1】
【0014】<炭素源の資化性> L−アラビノース:+ L−ラムロース :+ D−キシロース :± ラフィノース :+ D−グルコース :+ イノシトール :+ D−フラクトース:± D−マンニトール:+ シュクロース :+ <その他の生理的性質>生育温度試験は1週間、その他
は28℃、2週間培養後に観察した。 生育温度範囲:16〜40℃、最適生育温度:32〜
36℃ ゼラチンの液化:陰性 脱脂乳の凝固:陰性 脱脂乳のペプトン化:陽性 メラニン様色素の生産:陰性 でんぷんの加水分解 :陽性。
【0015】<化学分類学的性質> ジアミノピメリン酸の有無と光学異性型:LL型のジ
アミノピメリン酸が検出された。 メナキノン: MK−9(H8) が主成分として、ま
たMK−9(H6)もわずかに検出された。
【0016】以上の性状からTA-0403株は、Streptomyce
s属に属する放線菌に分類することができるので、本菌
株を Streptomyces sp. TA-0403と命名した。
【0017】<培養法及び精製法>本発明の生理活性物
質インドカルバゾスタチンを得るに当っては、ストレプ
トミセス属に属する上記生理活性物質生産菌を、生理活
性物質を生産する通常の方法で培養することにより行い
得る。培養の形態は液体培養でも固体培養でもよく、工
業的に有利に培養するためには、前記生産菌の胞子懸濁
液又は培養液を培地に接種し、通気撹拌培養を行えばよ
い。培地の窒素源としては特に限定されることはなく、
微生物の培養に通常用いられる炭素源、窒素源その他を
培地中に含有させることができる。炭素源としては、澱
粉、デキストリン、グリセリン、グルコース、シュクロ
ース、ガラクトース、イノシトール、マンニトールなど
が、また窒素源としては、ペプトン、大豆粉、肉エキ
ス、米ぬか、麩、尿素、コーンスティープリカー、アン
モニウム塩、硝酸塩、その他の有機または無機の窒素化
合物が用いられる。その他、無機塩類、たとえば食塩、
燐酸塩類、カリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄
等の金属塩類等を適宜に添加してもよく、必要に応じて
消泡剤として、動、植、鉱物油等を添加してもよい。培
養温度、培養時間等の培養条件は使用菌の発育に適し、
しかもインドカルバゾスタチンの生産が最高となるよう
な条件が選ばれる。たとえば、培地のpHは4〜9、特に
6〜7付近がよく、培養の適温は25〜35℃程度がよい。
しかし、これらの培養組成物、培地の水素イオン濃度、
培養温度、撹拌条件などの培養条件は使用する菌株の種
類や、外部の条件などに応じて好ましい結果が得られる
ように適宜調節されるべきであることはいうまでもな
い。このようにして得られる培養物から、インドカルバ
ゾスタチンを得るには、代謝産物を採取するのに通常用
いられる手段を適宜に利用して採取し得る。たとえば、
インドカルバゾスタチンと不純物との溶解度差を利用す
る手段、イオン結合力の差を利用する手段、吸着親和力
の差を利用する手段、分子量の差を利用する手段のいず
れも、それぞれ単独、又は、適宜組合わせて、あるいは
反復して使用される。具体的には、インドカルバゾスタ
チンの活性画分は、大部分がその培養菌体に存在し、ア
セトン抽出後アセトンを留去して得られる。培養液に活
性が確認される場合は、これと合わせ、クロロホルム抽
出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相液体ク
ロマトグラフィー、結晶化等を組合せて精製すると純粋
なインドカルバゾスタチンを得る。 <インドカルバゾスタチンの理化学的性質、生物学的性
質> (1)形状:黄色粉末 (2)融点:256℃以上で分解する。
【0018】(3)分子式:C28H21N307 FAB・マススペクトル:m/z 512 (M+H)+ 高分解能FAB・マススペクトル:m/z 512.1439(C28H21N3
07, Calcd.512.1458) (4)比旋光度:25[α]D +51.25(c 0.0005, MeOH) (5)溶解性:アセトンに易溶 (6)核磁気共鳴スペクトル:1H−NMR(400MHz、
溶媒:重アセトン、標準:d6-acetone、2.06pp
m):図1のとおり (7)赤外吸収スペクトル:KBr錠剤法:図2のとお
り (8)紫外・可視スペクトル:λMeOHmax nm (logε)
236(7.07), 283(7.15), 290(7.16), 326(7.21):図3の
とおり (9)呈色反応:アニスアルデヒド試薬に陽性 (10)PC12細胞のNGFによる神経突起誘導の阻害活
性: 10%FBS(Fetal Bovine Serum)と10%HS(Horse Serum)を
加えたDMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)培地を
用いて37℃、5%CO2存在下で培養したPC12細胞をト
リプシン処理し、シャーレから剥がして懸濁細胞とし
た。4℃、1000rpm、4分間遠心分離を行った後、1.5x1
04 cells/mlの濃度に調整し、コラーゲンTypeIコート96
ウェルマルチプレートに200μlづつ分注し、検定プレー
トとした。12時間後、10%ジメチルスルホキシドに溶
かしたサンプル並びに2倍希釈系列の濃度に調整したサ
ンプルを上記検定プレートの各ウェルに2μlづつ添加
した。本化合物は6nMという低濃度で、PC12細胞のNGF
による神経突起誘導を阻害した。
【0019】以上、本発明の生理活性物質インドカルバ
ゾスタチンの理化学的性質及び生物学的性質を、既知物
質と比較し、新規物質であると結論した。本化合物は、
各種神経疾患治療薬あるいは細胞増殖にも影響を与える
ことから、例えばタキソール等との併用による制癌剤と
しての利用が期待される。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって説明する。
【0021】500ml容積の円筒型フラスコにグルコース
0.29%、可溶性澱粉1.44%、ファーマメディア1.58%、
大豆粉0.79%、コーンスティープリカー0.32%、酵母
エキス0.3%、食塩0.3%、硫酸マグネシウム1.05%、炭
酸カルシウム1.3%(pH7.0)の組成よりなる培地70ml(x1
200本)に、あらかじめグルコース0.5%、可溶性澱粉2
%、NZ Case 0.3%、酵母エキス0.3%、魚粉0.5%、炭酸
カルシウム0.2%(pH6.5)の組成よりなる培地に、TA-0
403株を接種して30℃、2日間、撹拌回転数200rpmにて、
振盪培養を行った培養液を、各フラスコ2mlづつ接種し
て同様な培養条件にて3日間振盪培養を行った。
【0022】培養終了後、培養液を7500rpm、15分間遠
心分離し菌体と濾液に分けた。菌体はアセトンを用いて
抽出し、これを減圧濃縮してアセトンを留去し水溶液を
得た。得られた溶液をクロロホルムにて抽出し、減圧濃
縮し8.94gの粗抽出物を得た。シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(担体:シリカゲル60N、カラムサイズ:
8Φx18cm、溶出液:ヘキサン:アセトン=3:2)を
行い110mgの活性画分を得た。得られた活性画分を逆相H
PLC(マイティーシルRP-18, 65%MeOH)にて活性画分を
分取し、4mgの粗インドカルバゾスタチンを得た。この
ものをアセトンーベンゼン溶媒にて結晶化を行うことに
より純粋なインドカルバゾスタチン1.58mgを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 重アセトン中、400MHzで測定したイン
ドカルバゾスタチンの1H−NMRスペクトルを示す。
【図2】 KBr法で測定したインドカルバゾスタチン
の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図3】 メタノール中で測定したインドカルバゾスタ
チンの紫外・可視スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 1/20 C12N 1/20 A (C12P 17/18 C12R 1:465) (C12N 1/20 C12R 1:465) C07M 7:00 Fターム(参考) 4B064 AD76 AE58 CA04 CE03 CE08 CE10 DA01 DA13 4B065 AA50X AC12 AC14 AC16 BA22 BB03 BB15 BB18 BB23 BB27 BB29 BC01 BC02 BC03 BC26 BD14 BD15 BD16 BD50 CA18 CA44 CA46 4C072 AA07 BB04 BB08 CC03 CC11 EE09 FF16 GG09 UU01 4C086 AA02 AA03 CB22 GA16 GA17 NA14 ZA01 ZB21 ZB26 ZC41 ZC75

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式で表される生理活性物質インド
    カルバゾスタチン 【化1】 (立体化学は相対立体配置を表す)
JP3408499A 1999-02-12 1999-02-12 インドカルバゾスタチン Pending JP2000229979A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3408499A JP2000229979A (ja) 1999-02-12 1999-02-12 インドカルバゾスタチン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3408499A JP2000229979A (ja) 1999-02-12 1999-02-12 インドカルバゾスタチン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000229979A true JP2000229979A (ja) 2000-08-22

Family

ID=12404408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3408499A Pending JP2000229979A (ja) 1999-02-12 1999-02-12 インドカルバゾスタチン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000229979A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10130269A (ja) カルボリン誘導体
US4550021A (en) Antitumor antibiotic 81-484 and process for its production
US4336249A (en) Antibiotic substance
JP2000229979A (ja) インドカルバゾスタチン
KR100433888B1 (ko) HMG-CoA 환원효소 저해제의 제조법
JP4380913B2 (ja) 新規ft−0554物質及びその製造法
JP2002037790A (ja) インドカルバゾスタチンb
JPH0374677B2 (ja)
JPH06234784A (ja) 新規抗生物質sf2768物質及びその製造法
JP3380595B2 (ja) 新規抗生物質sf2741a物質及びsf2741b物質並びにそれらの製造法
WO2005111055A1 (ja) 新規抗生物質キガマイシン類とその用途
JP3892427B2 (ja) ヒドロキシクエン酸の製造方法
KR830001245B1 (ko) 항생물질 마이코플라네신의 제조방법
JP2573018B2 (ja) 抗生物質wk−1875およびその製造法
JPS62186787A (ja) 新規な微生物
JPH06339395A (ja) 新規生理活性物質及びその製造法
JPH04248989A (ja) 8−ヒドロキシカルボスチリル及び/または8−ヒド            ロキシクマリンの製造方法
JPH0411535B2 (ja)
JPS6188885A (ja) 新規抗生物質sf−2370物質及びその製造法
JPS6135788A (ja) 生理活性物質ss20846a及びその製造法
JPH0637519B2 (ja) 新規抗生物質グロボペプチンおよびその製造法
WO2003050104A1 (fr) Nouvelle substance fki-1083 et son procede de production
JPH0656875A (ja) 新規マクロライド抗生物質sf2757物質及びその製造法
JP2001055386A (ja) 抗生物質ツベラクトマイシンb、dおよびeとその製造法
JPH0254074B2 (ja)