JP2573018B2 - 抗生物質wk−1875およびその製造法 - Google Patents
抗生物質wk−1875およびその製造法Info
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- JP2573018B2 JP2573018B2 JP63055558A JP5555888A JP2573018B2 JP 2573018 B2 JP2573018 B2 JP 2573018B2 JP 63055558 A JP63055558 A JP 63055558A JP 5555888 A JP5555888 A JP 5555888A JP 2573018 B2 JP2573018 B2 JP 2573018B2
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は抗生物質に関し、特に新規抗生物質WK−1875
およびその製法に関する。
およびその製法に関する。
従来の技術 抗真菌性抗生物質として、例えば、アムホテリン、グ
リセオフルビン、ピロールニトリン等の医薬や、ブラス
チシジンS、ポリオキシン、バリダマイシン、テトラナ
クチン等の農薬が知られている。しかし公知の抗真菌性
抗生物質は、例えば、薬効、毒性、抗菌性等の点におい
てなお改良の余地がある。本発明は、発明者が土壌から
分離した放線菌が、特に植物病原菌に対して強い活性を
もつ抗真菌性抗生物質を生産する能力を有するという知
見に基ずいている。
リセオフルビン、ピロールニトリン等の医薬や、ブラス
チシジンS、ポリオキシン、バリダマイシン、テトラナ
クチン等の農薬が知られている。しかし公知の抗真菌性
抗生物質は、例えば、薬効、毒性、抗菌性等の点におい
てなお改良の余地がある。本発明は、発明者が土壌から
分離した放線菌が、特に植物病原菌に対して強い活性を
もつ抗真菌性抗生物質を生産する能力を有するという知
見に基ずいている。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、新規抗生物質WK−1875およびその製
法を提供することにある。
法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明により、抗生物質WK−1875が提供される。本抗
生物質の理化学的性質は次の通りである。
生物質の理化学的性質は次の通りである。
融点:116−119℃ 元素分析:実測値(%) C 64.7±1.0 H 9.1±0.3 分子量:740.97 分子式:C40H68O12 比旋光度:▲[α]18 D▼−12.1゜ (c=0.5,メタノール) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中):末端吸収 赤外線吸収スペクトル(KBr法):第1図の通り プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中):第2
図の通り C−13核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中):第3図
の通り 溶剤に対する溶解性 可溶:メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホ
ルム 不溶:水、n−ヘキサン 呈色反応 陽性:H2SO4 陰性:エールリッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応 酸性、中性、塩基性の別:弱酸性物質 物質の色:白色 本抗生物質の生物学的性質は次の通りである。
図の通り C−13核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中):第3図
の通り 溶剤に対する溶解性 可溶:メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホ
ルム 不溶:水、n−ヘキサン 呈色反応 陽性:H2SO4 陰性:エールリッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応 酸性、中性、塩基性の別:弱酸性物質 物質の色:白色 本抗生物質の生物学的性質は次の通りである。
1)抗菌活性 第1表は、寒天希釈法による本抗生物質の最小発育阻
止濃度(MIC、単位μg/ml)を示す。
止濃度(MIC、単位μg/ml)を示す。
第 1 表 被験菌 MIC エシェリチア・コリ(Escherichia coli) >100 KB176(NIHJ,JC−2,IFO 12734)* シュードモナス・エルギナーザ >100 (Pseudomonas aeruginosa)P−3 KB105* キサントモナス・オリザエ >100 (Xanthomonas oryzae)KB88** ミクロコッカス・ルテウス >100 (Micrococcus luteus)KB40(PCI 1001)* スタフィロコッカス・アウレウス >100 (Staphylococcus aureus)KB34 (FDA 209P)* ミコバクテリウム・スメグマチス >100 (Mycobacterium smegmatis)KB42 (ATCC 607)* バチルス・スブチリス >100 (Bacillus subtilis)KB27(PCI 219)* カンジダ・アルビカンス >100 (Candida albicans)KF1** サッカロミセス・サケ >100 (Saccharomyces sake)KF26** アスペルギルス・ニガー >100 (Aspergillus niger)KF103 (ATCC 6275)** ピリキュラリア・オリザエ 6.25 (Piricularia oryzae)KF180** ムコール・ラセモスス 3.12 (Mucor rasemosus)KF223 (IFO 4581)** フィトフィトーラ・パラシチカ 1.56 (Phytophthora parasitica) KF265(IF04783)** 注:* 感受性寒天培地(日水製)37℃、pH7.0、24時
間目に判定。
間目に判定。
** ポテトグルコース寒天培地 27℃、pH6.0、3日
目に判定。
目に判定。
本抗生物質は、前記の通り、例えばピラキュラリア
(Piricularia)属の真菌に対して強い活性を示す。
(Piricularia)属の真菌に対して強い活性を示す。
2)毒性 マウスに投与した場合の本抗生物質の急性毒性(L
D50)は、30mg/kg(腹腔内)以上または100mg/kg(経
口)以上であった。
D50)は、30mg/kg(腹腔内)以上または100mg/kg(経
口)以上であった。
次に本発明により、ストレプトミセス属に属しかつ抗
生物質WK−1875産生能力を有する微生物を培地に好気的
に培養し、培養物中に抗生物質WK−1875を蓄積し、培養
物からこれを採取する工程からなる、抗生物質WK−1875
の製法が提供される。
生物質WK−1875産生能力を有する微生物を培地に好気的
に培養し、培養物中に抗生物質WK−1875を蓄積し、培養
物からこれを採取する工程からなる、抗生物質WK−1875
の製法が提供される。
本発明の抗生物質WK−1875を生産するために使用され
る菌株としては、1例として、本発明者らによって東京
湾岸の土壌から新たに分離された、ストレプトミセス・
エスピー・WK−1875株が挙げられる。
る菌株としては、1例として、本発明者らによって東京
湾岸の土壌から新たに分離された、ストレプトミセス・
エスピー・WK−1875株が挙げられる。
本菌株の菌学的性状は次のとおりである。
(I) 形態的性質 栄養菌糸は各種寒天培地上でよく発達し、分断は観察
されない。気菌糸は酵母エキス・麦芽エキス寒天やグリ
セロール・アスパラギン寒天等で中程度に着生し、ホワ
イト系からグレイ系の色調を呈する。顕微鏡下の観察で
は、気菌糸はら旋状を呈し、20個以上の胞子の連鎖が認
められる。胞子の大きさは1.0×0.7μmで円柱状であ
る。胞子の表面はトゲ状である。菌核、胞子のうおよび
遊走子は見出されない。
されない。気菌糸は酵母エキス・麦芽エキス寒天やグリ
セロール・アスパラギン寒天等で中程度に着生し、ホワ
イト系からグレイ系の色調を呈する。顕微鏡下の観察で
は、気菌糸はら旋状を呈し、20個以上の胞子の連鎖が認
められる。胞子の大きさは1.0×0.7μmで円柱状であ
る。胞子の表面はトゲ状である。菌核、胞子のうおよび
遊走子は見出されない。
(II) 各種培地上での性状 イー・ビー・シャーリング(E.B.Shirling)とデー・
ゴットリーブ(D.Gottlieb)の方法(インターナショナ
ル・ジャーナル・オブ・システィマティック・バクテリ
オロジー,16巻,313頁,1966年)によって調べた本生産菌
の培養性状を次表に示す。色調は標準色として、カラー
・ハーモニー・マニュアル第4版(コンテナー・コーポ
レーション・オブ・アメリカ・シカゴ,1958年)を用い
て決定し、色票名とともに括弧内にそのコードを併せて
記した。以下は特記しない限り、27℃、2週間目の各培
地における観察の結果である。
ゴットリーブ(D.Gottlieb)の方法(インターナショナ
ル・ジャーナル・オブ・システィマティック・バクテリ
オロジー,16巻,313頁,1966年)によって調べた本生産菌
の培養性状を次表に示す。色調は標準色として、カラー
・ハーモニー・マニュアル第4版(コンテナー・コーポ
レーション・オブ・アメリカ・シカゴ,1958年)を用い
て決定し、色票名とともに括弧内にそのコードを併せて
記した。以下は特記しない限り、27℃、2週間目の各培
地における観察の結果である。
(III) 生理学的諸性質 (1)メラニン色素の生成 (イ)チロシン寒天 陰性 (ロ)ペプトン・イースト鉄寒天 陰性 (ハ)グルコース・ペプトン・ ゼラチン培地(21〜23℃) 陰性 (ニ)トリプトン・イースト液 陰性 (2)チロシナーゼ反応 陽性 (3)硫化水素の生産 陰性 (4)硝酸塩の還元 陰性 (5)ゼラチンの液化(21〜23℃) (グルコース・ペプトン・ゼラチン培地) 陽性 (6)スターチの加水分解 陽性 (7)脱脂乳の凝固(37℃) 陰性 (8)脱脂乳のペプトン化(37℃) 陽性 (9)生育温度範囲 17℃〜40℃ (10)炭素源の利用法 (プリーダム・ゴトリーブ寒天培地) 利用する:D−グルコース、L−アラビノース、ラフィノ
ース、メリビオース、D−マンニトール、D−キシロー
ス、L−ラムノース、i−イノシトール、スクロース やや利用する:D−フルクトース (11)セルロースの分解 陰性 (IV) 細胞壁組成 細胞壁のシアミノピメリン酸はLL型である。
ース、メリビオース、D−マンニトール、D−キシロー
ス、L−ラムノース、i−イノシトール、スクロース やや利用する:D−フルクトース (11)セルロースの分解 陰性 (IV) 細胞壁組成 細胞壁のシアミノピメリン酸はLL型である。
以上、本菌の菌学的性状を要約すると次のとおりであ
る。細胞壁中のジアミノピメリン酸はLL型である。気菌
糸の形態はらせん状で、長い胞子鎖を形成する。胞子の
表面はトゲ状である。培養状の諸性質としては、栄養菌
糸はイエロー系あるいはブラウン系の色調を呈し、気菌
糸はホワイト系あるいはグレイ系の色調を呈する。可溶
性色素はチロシン寒天培地でのみブラウン系の色素を産
生する。
る。細胞壁中のジアミノピメリン酸はLL型である。気菌
糸の形態はらせん状で、長い胞子鎖を形成する。胞子の
表面はトゲ状である。培養状の諸性質としては、栄養菌
糸はイエロー系あるいはブラウン系の色調を呈し、気菌
糸はホワイト系あるいはグレイ系の色調を呈する。可溶
性色素はチロシン寒天培地でのみブラウン系の色素を産
生する。
これらの結果から、本菌株はストレプトミセス属に属
する菌種であり、プリドハムとトレスナーの分類(バー
ジス・マニュアル・オブ・デターミネーティブ・バクテ
リオロジー,第8版,748〜829頁,1974年)によるグレイ
あるいはレッドシリーズに属する菌種であると考えられ
る。なお、本菌株はストレプトミセス・エスピー・(St
reptomyces sp.)WK−1875として、昭和63年2月8日、
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されている(微
工研菌寄第9859号)。
する菌種であり、プリドハムとトレスナーの分類(バー
ジス・マニュアル・オブ・デターミネーティブ・バクテ
リオロジー,第8版,748〜829頁,1974年)によるグレイ
あるいはレッドシリーズに属する菌種であると考えられ
る。なお、本菌株はストレプトミセス・エスピー・(St
reptomyces sp.)WK−1875として、昭和63年2月8日、
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されている(微
工研菌寄第9859号)。
本発明による抗生物質WK−1875生産菌を培養するため
の培地としては、ストレプトミセス属の微生物の培養に
適する炭素源、窒素源、無機物、必要に応じてその他の
栄養物を程よく含有する合成培地または天然培地を使用
することができる。
の培地としては、ストレプトミセス属の微生物の培養に
適する炭素源、窒素源、無機物、必要に応じてその他の
栄養物を程よく含有する合成培地または天然培地を使用
することができる。
培地に使用される炭素源、窒素源は、使用菌株の利用
可能なものならばいずれの種類でもよい。例えば、炭素
源としてはグルコース、グリセロール、フラクトース、
マルトース、マンニット、キシロース、ガラクトース、
リボース、澱粉またはその加水分解物等の種々の炭水化
物が使用できる。その濃度は通常、培地に対して0.2%
〜5%(グルコース換算)が好ましい。また、グルコン
酸、ピルビン酸、乳酸、酢酸等の各種有機酸、グリシ
ン、グルタミン酸、アラニン等の各種アミノ酸、さらに
はメタノール、エタノール等のアルコール類やノルマル
パラフィン等の各種の非芳香族炭化水素、あるいは植物
性もしくは動物性の各種の油脂等も使用可能である。
可能なものならばいずれの種類でもよい。例えば、炭素
源としてはグルコース、グリセロール、フラクトース、
マルトース、マンニット、キシロース、ガラクトース、
リボース、澱粉またはその加水分解物等の種々の炭水化
物が使用できる。その濃度は通常、培地に対して0.2%
〜5%(グルコース換算)が好ましい。また、グルコン
酸、ピルビン酸、乳酸、酢酸等の各種有機酸、グリシ
ン、グルタミン酸、アラニン等の各種アミノ酸、さらに
はメタノール、エタノール等のアルコール類やノルマル
パラフィン等の各種の非芳香族炭化水素、あるいは植物
性もしくは動物性の各種の油脂等も使用可能である。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、燐
酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム
等の各種の無機酸あるいは有機酸のアンモニウム塩類、
尿素、ペプトン、NZ−アミン、肉エキス、酵母エキス、
乾燥酵母、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解
物、フィッシュミールあるいはその消化物、大豆粉ある
いはその消化物、脱脂大豆あるいはその消化物、蛹加水
分解物等の含窒素有機物、さらにはグリシン、グルタミ
ン酸、アラニン等の各種アミノ酸が使用可能である。
酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム
等の各種の無機酸あるいは有機酸のアンモニウム塩類、
尿素、ペプトン、NZ−アミン、肉エキス、酵母エキス、
乾燥酵母、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解
物、フィッシュミールあるいはその消化物、大豆粉ある
いはその消化物、脱脂大豆あるいはその消化物、蛹加水
分解物等の含窒素有機物、さらにはグリシン、グルタミ
ン酸、アラニン等の各種アミノ酸が使用可能である。
無機物としては各種燐酸塩、硫酸マグネシウム、食塩
等、さらに微量の重金属塩が使用される。
等、さらに微量の重金属塩が使用される。
栄養要求性を示す変異株を用いる場合には、当然その
栄養要求を満足させる物質を培地に加えなければならな
いが、この種の栄養素は、天然物を含む培地を使用する
場合には特に添加を必要としない場合がある。
栄養要求を満足させる物質を培地に加えなければならな
いが、この種の栄養素は、天然物を含む培地を使用する
場合には特に添加を必要としない場合がある。
発酵は振盪培養または通気攪拌深部培養等の好気条件
下で行なう。培養温度は通常20℃〜40℃で、pHは4〜9
(特に7付近)である。培養期間は通常1〜7日で菌体
内外にWK−1875が生成蓄積する。
下で行なう。培養温度は通常20℃〜40℃で、pHは4〜9
(特に7付近)である。培養期間は通常1〜7日で菌体
内外にWK−1875が生成蓄積する。
培養終了後に培養物よりWK−1875を例えば次の方法で
採取する。
採取する。
培養物を遠心分離により濾液と沈殿物とに分離する。
濾液から多孔性高分子樹脂に吸着させ、溶出さることに
より抽出する。抽出物を適宜濃縮乾固することによりWK
−1875の粗物質を得る。粗物質はさらに、脂溶性物質の
精製に通常用いられる公知の方法、例えばシリカゲル等
の吸着剤、ゲル濾過剤などを用いる各種クロマトグラフ
ィー法、濃縮法、塩析法等を単独または適宜組み合わせ
ることにより精製する。WK−1875の精製に好適な例とし
て、シリカゲルを用い、溶出溶液としてクロロホルムと
メタノールの混液を用いる直線濃度勾配溶出法によるカ
ラムクロマトグラフィー法があげられる。これらの方法
で得られる活性画分を濃縮乾固することによりWK−1875
の精製粉末を得ることができる。
濾液から多孔性高分子樹脂に吸着させ、溶出さることに
より抽出する。抽出物を適宜濃縮乾固することによりWK
−1875の粗物質を得る。粗物質はさらに、脂溶性物質の
精製に通常用いられる公知の方法、例えばシリカゲル等
の吸着剤、ゲル濾過剤などを用いる各種クロマトグラフ
ィー法、濃縮法、塩析法等を単独または適宜組み合わせ
ることにより精製する。WK−1875の精製に好適な例とし
て、シリカゲルを用い、溶出溶液としてクロロホルムと
メタノールの混液を用いる直線濃度勾配溶出法によるカ
ラムクロマトグラフィー法があげられる。これらの方法
で得られる活性画分を濃縮乾固することによりWK−1875
の精製粉末を得ることができる。
本明細書において、WK〜1875の検出および定量は、シ
リカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社製、シリカ
ゲル、薄層板No.5554、厚さ0.2mm、展開溶媒:クロロホ
ルム/メタノール=5:1、WK−1875のRf値0.60付近)お
よびフィトフトーラ・パラシチカ・バール・ニコチアナ
エ(Phytophthora parasitica var.nicotianae)KF−26
5およびムコール・ラセモサス(Mucor racemosus)KF−
223を用いる生物学的検定法によった。
リカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社製、シリカ
ゲル、薄層板No.5554、厚さ0.2mm、展開溶媒:クロロホ
ルム/メタノール=5:1、WK−1875のRf値0.60付近)お
よびフィトフトーラ・パラシチカ・バール・ニコチアナ
エ(Phytophthora parasitica var.nicotianae)KF−26
5およびムコール・ラセモサス(Mucor racemosus)KF−
223を用いる生物学的検定法によった。
以下に実施例を示す。
実施例1 ストレプトミセス・エスピー(Streptomyces sp.)WK
−1875株(微工研菌寄第9859号)の斜面培養から1白金
耳を100mlの種培地(グリセロール2%、キナ粉2%、N
aCl0.3%、pH 7)を入れた500ml容の坂口フラスコに
接種し、27℃で2日間振盪培養して種培養液を得た。
−1875株(微工研菌寄第9859号)の斜面培養から1白金
耳を100mlの種培地(グリセロール2%、キナ粉2%、N
aCl0.3%、pH 7)を入れた500ml容の坂口フラスコに
接種し、27℃で2日間振盪培養して種培養液を得た。
こうして得られた種培養液400mlを、種培地と同一組
成(PH 7)の培地20を入れた30のジャーファーメ
ンターに移植し、27℃で3日間通気攪拌培養(通気量:1
0/分、攪拌:250rpm)を行なった。発泡を押えるため
にアデカノールLG−109(旭電化社製)を適宜添加し
た。
成(PH 7)の培地20を入れた30のジャーファーメ
ンターに移植し、27℃で3日間通気攪拌培養(通気量:1
0/分、攪拌:250rpm)を行なった。発泡を押えるため
にアデカノールLG−109(旭電化社製)を適宜添加し
た。
培養液15に等量の酢酸エチルを加えて活性物質を抽
出し、酢酸エチル層を濃縮乾固して油状物質45gを得
た。油状物質を200mlのクロロホルムに溶解し、不溶物
を除去した。クロロホルムに懸濁したシリカゲル(約1k
g)を充填したカラム(約2、6cm×75cm)の上端に、
上記の油状物質を少量のシリカゲルとともに負荷し、ク
ロロホルム/メタノール(5:1,v/v)(3)、クロロ
ホルム/メタノール(3:1,v/v)(2)で溶出した。
分画容量は約20mlとした。活性画分(No.106〜185)を
集め、減圧下で濃縮することにより、淡褐色の粉粉末3.
5gを得た。この粗粉末(3.0g)を常法により少量のシリ
カゲルに吸着させた。これを、ベンゼンに懸濁したシリ
カゲルを充填したカラム(230ml、1.1cm×60cm)の上端
に負荷し、 ベンゼン/アセトン 50:1(v/v) 〃 20:1(v/v) 〃 10:1(v/v) 〃 5:1(v/v) 〃 2:1(v/v) の順に溶出溶培を順次変えながら、各々約150〜200mlず
つ溶出した。分画容量は約10mlであった。活性画分(N
o.29〜78)のうち、最も活性の高い画分(No.46〜51)
を集め、減圧下で濃縮することにより、WK−1875の白色
精製粉末440mgをえた。本試料はシリカゲル薄層クロマ
トグラフィーにおいてクロロホルム/メタノール(5:1,
v/v)、ベンゼン/アセトン(10:1,v/v)で展開した場
合、単一スポットを与えた。また逆相型カラムを用いる
高速液体クロマトグラフィーで単一ピークを与えた。
出し、酢酸エチル層を濃縮乾固して油状物質45gを得
た。油状物質を200mlのクロロホルムに溶解し、不溶物
を除去した。クロロホルムに懸濁したシリカゲル(約1k
g)を充填したカラム(約2、6cm×75cm)の上端に、
上記の油状物質を少量のシリカゲルとともに負荷し、ク
ロロホルム/メタノール(5:1,v/v)(3)、クロロ
ホルム/メタノール(3:1,v/v)(2)で溶出した。
分画容量は約20mlとした。活性画分(No.106〜185)を
集め、減圧下で濃縮することにより、淡褐色の粉粉末3.
5gを得た。この粗粉末(3.0g)を常法により少量のシリ
カゲルに吸着させた。これを、ベンゼンに懸濁したシリ
カゲルを充填したカラム(230ml、1.1cm×60cm)の上端
に負荷し、 ベンゼン/アセトン 50:1(v/v) 〃 20:1(v/v) 〃 10:1(v/v) 〃 5:1(v/v) 〃 2:1(v/v) の順に溶出溶培を順次変えながら、各々約150〜200mlず
つ溶出した。分画容量は約10mlであった。活性画分(N
o.29〜78)のうち、最も活性の高い画分(No.46〜51)
を集め、減圧下で濃縮することにより、WK−1875の白色
精製粉末440mgをえた。本試料はシリカゲル薄層クロマ
トグラフィーにおいてクロロホルム/メタノール(5:1,
v/v)、ベンゼン/アセトン(10:1,v/v)で展開した場
合、単一スポットを与えた。また逆相型カラムを用いる
高速液体クロマトグラフィーで単一ピークを与えた。
本精製粉末の理化学的性質は、前記のとおりであっ
た。
た。
発明の効果 抗生物質WK−1875は、主として植物病原性真菌に活性
を示すので、例えば農薬として有用であることが期待さ
れる。
を示すので、例えば農薬として有用であることが期待さ
れる。
第1図はWK〜1875の赤外線吸収スペクトル(KBr法)、
第2図はプロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中)、
第3図はC−13核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中)を示
す。
第2図はプロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中)、
第3図はC−13核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中)を示
す。
Claims (2)
- 【請求項1】次の理化学的性質を有する抗生物質WK−18
75。 融点:116−119℃ 元素分析:実測値(%) C 64.7±1.0 H 9.1±0.3 分子量:740.97 分子式:C40H68O12 比旋光度:▲[α]18 D▼−12.1゜ (c=0.5,メタノール) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中):末端吸収 赤外線吸収スペクトル(KBr法):第1図の通り プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中):第2
図の通り C−13核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中):第3図
の通り 溶剤に対する溶解性 可溶:メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホ
ルム 不溶:水、n−ヘキサン 呈色反応 陽性:H2SO4 陰性:エールリッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応 酸性、中性、塩基性の別:弱酸性物質 物質の色:白色 - 【請求項2】ストレプトミセス属に属し、抗生物質WK−
1875を生産する能力を有する菌株を培地に培養し、培養
物中に抗生物質WK−1875を生成蓄積させ、該培養物から
WK−1875を採取することを特徴とする抗生物質WK−1875
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63055558A JP2573018B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 抗生物質wk−1875およびその製造法 |
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JP63055558A JP2573018B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 抗生物質wk−1875およびその製造法 |
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JPH01228484A JPH01228484A (ja) | 1989-09-12 |
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1988
- 1988-03-09 JP JP63055558A patent/JP2573018B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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