JP2000229356A - 樹脂成型品のシボの決定方法 - Google Patents

樹脂成型品のシボの決定方法

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JP2000229356A
JP2000229356A JP3132399A JP3132399A JP2000229356A JP 2000229356 A JP2000229356 A JP 2000229356A JP 3132399 A JP3132399 A JP 3132399A JP 3132399 A JP3132399 A JP 3132399A JP 2000229356 A JP2000229356 A JP 2000229356A
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molded product
resin molded
grain
hardness
pleasant
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JP3132399A
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English (en)
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Nobuhiko Todaka
信彦 戸▲高▼
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂成型品の触感の向上とコストダウンとを
両立させる。 【解決手段】 材料の硬度と表面粗さとの関係における
触感の官能評価は、シボ粗さの観点から見ると、シボ粗
さが細かい場合の「べたべた」の領域と、シボ粗さが粗
い場合の「がさがさ」の領域との間に挟まれた一定の領
域が、好ましい触感である「しっとり(さらっと)」の
領域となっている。また、基材硬度の観点からは、より
硬くなるほど好触感の領域は狭くなり、ある一定の硬度
以上では、「べたべた」又は「がさがさ」の領域のみと
なる。受け取る感覚の強さの観点からは、基材が軟らか
くなるほど、「しっとり(さらっと)」と感じる強さは
大きくなる。上記観点から、シボ粗さを決定する際に、
材料毎に最も好ましい触感が得られるシボ粗さを決定す
ることにより、好触感の樹脂成型品を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両内装用樹脂成
型品の触感向上とコストダウンとを両立させるための技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のドアの内張りとデザ
イン上の連続性を持たせるために、図4に示すウインド
ウスイッチベース1等の樹脂成型品の表面に、シボを形
成している。また、艶を落した風合いを求めるような場
合にも、部品の表面にシボを形成する。さらに、部品の
傷付きを防止することに役立つため、部品の表面にシボ
を形成する場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、車両内装部品の
うち直接手を触れる部品に対しては、見た目のみなら
ず、触感についても高い評価を得ることが要求される。
ところが、従来のごとくデザインの連続性の確保、艶落
とし、傷つき防止等を目的としてシボの諸元を選択する
と、触感の向上を図ることが困難であった。このため、
特に高い質感が要求される高級車用の部品には、成形基
材の表層に触感改善のための表面素材を一体成形した
り、塗装を施す等の二次加工を行っていた。このような
部品は当然に部品コストが高くなり、いわゆる大衆車へ
の使用が困難となっていた。
【0004】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、樹脂成型品のシボの決
定方法を工夫することにより、樹脂成型品の触感の向上
とコストダウンとを両立させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1に係る樹脂成型品のシボの決定方法
は、直接手で触れる部品を樹脂成型品として得る際に、
材料の硬度を考慮してシボ粗さを決定することを特徴と
する。
【0006】本発明においては、材料の硬度を、シボ粗
さを決定する際の判断基準として取り入れ、成形する樹
脂材料の硬度に応じて変化する、シボ粗さと良好な触感
との関係から、最も好ましい触感が得られるシボ粗さを
決定する。
【0007】また、上記課題を解決するための本発明の
請求項2に係る樹脂成型品のシボの決定方法は、直接手
で触れる部品を樹脂成型品として得る際に、材料の硬度
と表面粗さとの関係における触感の官能評価で高い評価
が得られる範囲を求め、当該範囲内からシボの諸元を選
択することを特徴とする。
【0008】本発明によると、材料の硬度と表面粗さと
をグラフ化して触感の官能評価を行い、ここで高い評価
が得られる範囲内からシボの諸元を選択することによ
り、好触感の樹脂成型品を得る。
【0009】また、本発明の請求項3に係る樹脂成型品
のシボの決定方法では、ロックウェルRスケール70〜90
の材料に対し、表面粗さRmax 10〜14μmの梨地シボを
選択する。この関係を満たすとき、好触感の樹脂成型品
を得ることができる。
【0010】さらに、本発明の請求項4に係る樹脂成型
品のシボの決定方法では、ショアかたさHS 47〜60の材
料に対し、表面粗さRmax 7〜9μmの梨地シボを選択
する。この関係を満たすとき、好触感の樹脂成型品を得
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0012】本発明者は、材料の硬度と表面粗さとの関
係における触感の官能評価において、次のような関係を
得ることができた。図1にこの関係を示しているが、X
軸にはシボ粗さを、Y軸には基材硬度を、Z軸に受け取
る触感の強さを示している。なお、受け取る触感の種類
を、「べたべた」、「しっとり(さらっと)」、「がさ
がさ」の三種類に分けている。これらの関係をシボ粗さ
の観点から見ると、シボ粗さが細かい場合の「べたべ
た」の領域と、シボ粗さが荒い場合の「がさがさ」の領
域との間に挟まれた一定の領域が、好ましい触感である
「しっとり(さらっと)」の領域となっている。また、
基材硬度の観点から見ると、より硬くなるほど「しっと
り(さらっと)」の領域は狭くなり、ある一定の硬度以
上では、「べたべた」又は「がさがさ」の領域のみとな
ってしまう。さらに、受け取る感覚の強さの観点から見
ると、基材が軟らかくなるほど、「しっとり(さらっ
と)」と感じる強さは大きくなることがわかる。
【0013】なお、ポリプロピレン系の材料等、ロック
ウェルRスケール70〜90の材料(硬質材料)の場合に
は、表面粗さRmax 10〜14μmの梨地シボを選択すれ
ば、「しっとり(さらっと)」の領域に入る。よって、
この関係を満たすとき、成形基材の表層に触感改善のた
めの表面素材を一体成形したり、塗装を施す等の二次加
工を行うことなく、部品表面に直接シボ加工を施すこと
のみにより、好触感の樹脂成型品を得ることができる。
参考までに、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン)のロックウェルRスケールは 105〜 110であ
り、良好な触感を得ることができる表面粗さの範囲は、
Rmax 12μm近辺に限定される。
【0014】発明者らは、さらに軟質材料として、スチ
レン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマーを選択し、材料の硬度と表面粗
さとの関係における触感の官能評価を実施した。なお、
上記軟質材料の場合は、変形に対する復元力が大きく、
ロックウェルかたさ試験(基準球形状をなす圧子を試験
材に押し付けたときにできるくぼみの深さから、かたさ
を判断する。)を有効に実施することができない。この
ため、材料の硬度を、ショアかたさ試験(基準高さから
一定重量のハンマを試験材に落下させたとき、そのハン
マがはね上がる高さをもってかたさを判断する。)によ
る値で表示している。
【0015】図2、図3には、その結果を示している。
評価方法はSD法(sematic differential)による。ま
た、試験方法は、ASTM D2240に基づく。この
結果から、ショアかたさHS 47〜60の材料に対し、表面
粗さRmax 7〜9μmの梨地シボを選択すれば、良好な
触感を得ることがわかる。そして、以上の関係を満たす
とき、部品表面に直接シボ加工を施すことのみにより、
好触感の樹脂成型品を得ることができる。
【0016】以上のごとく、硬質材料、軟質材料に係ら
ず、樹脂成型品の材料の硬度を、シボ粗さを決定する際
の判断基準として取り入れ、材料毎に最も好ましい触感
が得られるシボ粗さを決定することにより、好触感の樹
脂成型品を得ることができる。なお、上記官能評価で
は、「しっとり(さらっと)」を好ましい触感とした
が、他の感触、例えば「温かみのある」等を好ましい触
感として官能評価を行うことも可能である。また、必要
に応じて梨地以外のシボの形態を用いることも可能であ
る。
【0017】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
樹脂成型品のシボの決定方法によれば、材料の硬度に応
じて変化するシボ粗さと良好な触感との関係から、最も
好ましい触感が得られるシボ粗さを決定することができ
る。よって、従来のごとく成形基材の表層に触感改善の
ための表面素材を一体成形したり、塗装を施す等の二次
加工を行う必要がなくなり、部品表面に直接シボ加工を
施すことで、好触感の樹脂成型品を得ることができる。
よって、樹脂成型品の触感の向上とコストダウンとを両
立させることが可能となる。
【0018】また、本発明の請求項2に係る樹脂成型品
のシボの決定方法によっても、従来のごとく成形基材の
表層に触感改善のための表面素材を一体成形したり、塗
装を施す等の二次加工を行う必要がなくなり、部品表面
に直接シボ加工を施すことで、好触感の樹脂成型品を得
ることができる。よって、樹脂成型品の触感の向上とコ
ストダウンとを両立させることが可能となる。
【0019】さらに、本発明の請求項3または請求項4
に係る樹脂成型品のシボの決定方法によれば、好触感の
樹脂成型品を得ることが可能となり、樹脂成型品の触感
の向上とコストダウンとを両立させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る樹脂成型品のシボの
決定方法において、材料の硬度と表面粗さとをパラグラ
フとして触感の官能評価を行い、好触感が得られる材料
の硬度と表面粗さの範囲を求めた図である。
【図2】軟質材料に対し、官能評価を行った結果を示す
図表である。
【図3】図2に示す結果をグラフ表示した図である。
【図4】表面にシボを形成した樹脂成型品の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 ウインドウスイッチベース

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接手で触れる部品を樹脂成型品として
    得る際に、材料の硬度を考慮してシボ粗さを決定するこ
    とを特徴とする樹脂成型品のシボの決定方法。
  2. 【請求項2】 直接手で触れる部品を樹脂成型品として
    得る際に、材料の硬度と表面粗さとの関係における触感
    の官能評価で高い評価が得られる範囲を求め、当該範囲
    内からシボの諸元を選択することを特徴とする樹脂成型
    品のシボの決定方法。
  3. 【請求項3】 ロックウェルRスケール70〜90の材料に
    対し、表面粗さRmax 10〜14μmの梨地シボを選択する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂成型品の
    シボの決定方法。
  4. 【請求項4】 ショアかたさHS 47〜60の材料に対し、
    表面粗さRmax 7〜9μmの梨地シボを選択することを
    特徴とする請求項1または2記載の樹脂成型品のシボの
    決定方法。
JP3132399A 1999-02-09 1999-02-09 樹脂成型品のシボの決定方法 Pending JP2000229356A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012169233A1 (ja) * 2011-06-07 2012-12-13 日産自動車株式会社 物品の表面構造
WO2012176502A1 (ja) 2011-06-24 2012-12-27 日産自動車株式会社 物品の表面構造

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012169233A1 (ja) * 2011-06-07 2012-12-13 日産自動車株式会社 物品の表面構造
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