JP2000229225A - 中空糸膜モジュール - Google Patents

中空糸膜モジュール

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JP2000229225A JP11029396A JP2939699A JP2000229225A JP 2000229225 A JP2000229225 A JP 2000229225A JP 11029396 A JP11029396 A JP 11029396A JP 2939699 A JP2939699 A JP 2939699A JP 2000229225 A JP2000229225 A JP 2000229225A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸束の最外周に位置する中空糸膜にポッ
ティング材の硬化収縮の応力が集中することがなく、リ
ークを防止できる耐久性能の高い中空糸膜モジュール。 【解決手段】 複数本の中空糸膜が収束した中空糸束1
2が、その端部が開口した状態でポッティング材16に
よりハウジング14の内部に固定した中空糸膜モジュー
ル10において、中空糸束の表面の、ポッティング材に
より固定される部分の縁部30を少なくとも含む箇所
に、弾性を有する応力緩和部材18が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体からの溶存気
体の脱気、液体への気体の溶解等に用いる中空糸膜モジ
ュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、液体からの溶存気体の脱気、液
体への気体の溶解等に用いられる中空糸膜モジュール
は、複数本の中空糸膜が収束され、その両方の端部が中
空糸膜が開口した状態で、ポッティング材によりハウジ
ングの内部に固定されている。そして、液体と気体は、
中空糸膜を隔壁として接し、気体を加圧または減圧する
ことにより中空糸膜を通して気体の移動が行われる。こ
れらの中空糸膜モジュールは、そのコンパクトさ、清浄
性等の特徴を活かし、例えば、超純水、ビル給水、食品
用水等の脱気や、炭酸ガスの溶解等に用いられている。
【0003】こうした中空糸膜モジュールは、液体の濾
過や、混合気体からの気体の分離等に用いられる一般の
中空糸膜モジュールとは異なり、中空糸膜の両側に物性
が大きく異なる液体と気体が接した状態で使用される。
そのため、液体の流入や気体の圧力を変化させた際には
中空糸膜の揺動が特に大きい。そのため、中空糸膜モジ
ュールを長期間使用すると、中空糸束の最外周に位置す
る中空糸膜が、ポッティング材による固定部と非固定部
の境界において損傷しリークを引き起こす場合があっ
た。
【0004】また、上述した中空糸膜モジュールは、複
数本の中空糸膜を収束した中空糸束をハウジングの内部
に装填し、その端部にポッティング材を注入し硬化させ
た後、硬化したポッティング材の端部を固定した中空糸
膜と共に切断して、中空糸膜の開口部が形成することに
より製造される。この製造過程において、ポッティング
材は、個々の中空糸膜間及び中空糸束とハウジングの間
に浸透し、硬化することにより、中空糸膜とハウジング
を一体化する。その結果、中空糸束とハウジングの間に
はポッティング材のみからなる樹脂層が形成される。
【0005】一般に、ポッティング材は硬化の際に収縮
を伴うが、中空糸束の内部では多くの中空糸膜があるこ
とからその硬化収縮の応力が分散されるものの、中空糸
束の最外周に位置する中空糸膜はポッティング材のみか
らなる樹脂層と接しているので、硬化収縮の応力が集中
することになる。その結果、こうした理由からも、この
ような中空糸膜モジュールを、前述した液体からの溶存
気体の脱気、または液体への気体の溶解等に供して長期
間使用すると、上述したように、中空糸束の最外周に位
置する中空糸膜は、ポッティング材による固定部と非固
定部の境界において損傷し、リーク発生の原因となるこ
とがあった。
【0006】そこで、中空糸膜モジュールを作製する際
に、中空糸束外周部の中空糸膜を短く刈り込み、その開
口端をポッティング材中に埋没させた中空糸膜モジュー
ルが特開平1−143604号公報に提案されている。
この技術は、その刈り込んだ中空糸膜に、その本来の機
能を発揮させるためではなく、保護層として機能させる
ことで、上述した損傷等を防ぐものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では、上記のように中空糸束外周部の中空糸膜の開口
端がポッティング材中に埋没することにより、ポッティ
ング材が、その開口端から中空糸膜の内部に侵入し、中
空糸束のポッティング材による固定部と非固定部の境界
まで達する。その結果、その中空糸膜がポッティング材
と同様に固くなって弾性が無くなり、収縮応力を分散、
吸収することができなくなり、実際上、上述した損傷等
の問題を解決することができず、このような中空糸膜モ
ジュールを液体からの溶存気体の脱気、液体への気体の
溶解等に供し長期間使用すると、保護層の内部にある中
空糸束の最外周に位置する中空糸膜は、ポッティング材
による固定部と非固定部の境界において損傷しリークを
生じてしまうおそれがあった。本発明は前記課題を解決
するためになされたもので、中空糸束の最外周に位置す
る中空糸膜にポッティング材の硬化収縮の応力が集中す
ることがなく、リークを防止できる耐久性能の高い中空
糸膜モジュールの提供を目的としてなされたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の中空糸膜モジュ
ールは、複数本の中空糸膜が収束した中空糸束が、その
端部が開口した状態でポッティング材によりハウジング
の内部に固定した中空糸膜モジュールにおいて、中空糸
束の表面の、前記ポッティング材により固定される部分
の縁部を少なくとも含む箇所に、弾性を有する応力緩和
部材が設けられていることを特徴とするものである。こ
こで、応力緩和部材としては、端部が塞がれた中空糸膜
を用いたシートが望ましい。また、中空糸束が、複数箇
所でポッティング材により固定されている場合には、各
箇所のポッティング材に応じて独立して応力緩和部材を
設けることが望ましい。その場合、応力緩和部材は、そ
の幅が10〜80mmのものが望ましい。本発明の中空
糸膜モジュールは、特に、液体からの溶存気体の脱気
用、または、液体への気体の溶解用に適している。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の中空糸膜モジュー
ルを詳細に説明する。図1に示す本発明の中空糸膜モジ
ュールの一例である中空糸膜モジュール10において
は、中空糸膜が収束してなる中空糸束12が、円筒状の
ハウジング14の内部に収容されている。この際、中空
糸束12は、その両方の端部が開口した状態で、ポッテ
ィング材16、16により、円筒状のハウジング14の
内部に固定されている。
【0010】本発明に用いられる中空糸膜としては、そ
の中空糸膜モジュールの用途に応じて適当なものを用い
ることができ、例えば、液体からの溶存気体の脱気また
は液体への気体の溶解等用の中空糸膜モジュールであれ
ば、その中空糸膜としては、気体を透過するものであれ
ばその材質に制限はない。例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ(4―メチルペンテン−1)、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリス
チレン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエ
ーテルエーテルケトン等の疎水性高分子からなる多孔質
中空糸膜等が用いられる。しかし、このような疎水性の
多孔質中空糸膜を用いて長時間の処理を行うと、水蒸気
が多孔部内に凝縮し、その結果水分の透過を生じる。従
って、中空糸膜としては薄い非多孔質膜を、気体透過の
抵抗がなく十分な機械的強度を有する多孔質膜で両側か
ら挟み込んだ三層複合中空糸膜が特に好ましく用いられ
る。三層複合中空糸膜は、例えば非多孔質膜を形成する
ポリマーと多孔質膜を形成するポリマーを、非多孔質膜
形成用ポリマーを多孔質膜形成用ポリマーで両側から挟
み込むポリマー配置の多重円筒状の紡糸ノズルを用いて
溶融紡糸し、多孔質膜形成用ポリマーのみを多孔質化す
る条件で延伸することにより得ることができる。
【0011】非多孔質膜形成に用いるポリマーとして
は、ポリジメチルシロキサン、シリコンとポリカーボネ
ートのコポリマー等のシリコン系ポリマー、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ(4―メチルペンテン−1)
等のポリオレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セ
ルロース系ポリマー、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
4−ビニルピリジン、ウレタン系ポリマー、またはこれ
らのコポリマーあるいはブレンドポリマー等が挙げられ
る。また、多孔質膜形成に用いるポリマーとしては、前
記のポリオレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー等が
挙げられる。非多孔質膜形成に用いるポリマーと多孔質
膜形成に用いるポリマーとの組み合わせには、特に制限
はなく、同種または異種のポリマーの任意の組み合わせ
であってもよい。
【0012】ポッティング材としては、十分な接着強度
を有し、各用途で求められる要求性能を満たすものを適
宜選定することができる。例えば、ウレタン系、エポキ
シ系、シリコン系、不飽和ポリエステル系等のポッティ
ング材を挙げることができる。なかでも、エポキシ系樹
脂は耐熱性、耐薬品性に優れることから特に好ましく用
いられる。ハウジングについても同様に、各用途の要求
性能にあわせ適宜選定し使用することができる。例え
ば、ポリオレフィン、ポリカーボネート、変性ポリフェ
ニレンオキサイド、塩化ビニル等が挙げられ、ポッティ
ング材との接着性が低い場合にはプライマー処理を施し
て使用することも可能である。
【0013】本発明の中空糸膜モジュールにおいては、
中空糸束12を固定するポッティング材が形成される部
分である固定部26とポッティング材のない部分である
非固定部28の境界、即ち固定部26の縁部30を少な
くとも含むように、中空糸束12に、応力緩和部材18
が設けられている。この応力緩和部材18は、図1に示
すように、中空糸束12を固定する2箇所のポッティン
グ材16、16に応じて、それぞれの縁部30を含むよ
うに、複数設けても良いし、また、図2に示すように、
複数箇所のポッティング材16,16に渡って応力緩和
部材20を設けても良い。但し、図1に示すように、そ
れぞれの箇所に、独立した応力緩和部材16を設けるよ
うにすることにより、中空糸膜の大部分が露出するよう
になり、中空糸膜における脱気や溶解または濾過等の機
能をより効率的に発揮させることができるので望まし
い。このようにして応力緩和部材を設けることで、中空
糸束の最外周においても中空糸膜がポッティング材のみ
からなる樹脂層と接することがなく。ポッティング材の
硬化収縮による応力が分散、吸収され、リークが起き易
い中空糸束12の外周部であって、ポッティング材16
による固定部26と非固定部28の境界部分が保護さ
れ、損傷を防止できるようになる。
【0014】応力緩和部材は、少なくとも固定部26の
縁部30を含む箇所に設けられるが、ポッティング材で
5mm以上の幅で被覆されるようにして、応力緩和部材
がポッティング材中に埋没するようにすることが好まし
い。5mmよりも短い場合は、ポッティング材の硬化収
縮の応力を十分に分散できないからである。また、応力
緩和部材18は、ポッティング材よりも5mm以上はみ
出して露出していることが好ましい。5mmよりも短い
場合にはポッティング材のはい上がり等により、その露
出部全体がポッティング材に覆われ、応力を十分に分散
できない場合があるからである。したがって、これらの
要件を簡易に満たすために、図1に示すように、幅が1
0〜80mmの矩形状の応力緩和部材18を用い、これ
を中空糸束12のポッティング材16による固定部26
の縁部30を含む部分に巻回して設けることが好まし
い。この場合、応力緩和部材18の幅が10mm未満で
は、中空糸束のポッティング材による固定部と非固定部
の境界を確実に内包することが困難であり、80mmを
超えると有効膜面積が減少するからである。この幅は1
5〜80mmであればより好ましく、20〜60mmで
あればさらに好ましい。
【0015】この応力緩和部材18は、ポッティング材
の硬化収縮による応力を分散、吸収できるような弾性を
もったものであればよく、ゴムや、ポリプロピレン、ポ
リウレタン、ポリスチレン等の各種樹脂の発泡材などか
らなるシートの他、両端の開口部を塞いだ中空糸膜(以
下、塞口中空糸膜と略記する)を用いたシートを適用で
きる。特に図2に示すように中空糸束12全体を覆うよ
うに応力緩和部材20を配備するときには、中空糸束1
2の機能を十分に確保するために、中空糸膜を用いるこ
とが望ましい。塞口中空糸膜としては、中空糸束を損傷
せず、ポッティング材の硬化収縮の応力を分散すること
ができるものであれば、特に制限無く使用することがで
き、前述ポリマー等を用いた多孔質中空糸膜、非多孔質
中空糸膜、三層複合中空糸膜等を使用することができ
る。さらには、中空糸束と同一の中空糸膜を用いると、
別途部材を用意する必要もなく、コスト増を殆ど伴わ
ず、好ましい。応力緩和部材としてそのような塞口中空
糸膜を用いる場合には、例えば、図4に示すように、塞
口中空糸膜24をかがり糸22で織り込んだものが適用
できる。この場合、図示例のように、1本の塞口中空糸
膜24を折り返しながら、かがり糸22によりかがりな
がら形成することもできるし、また、任意の本数の塞口
中空糸膜を一束として、これらをまとめて折り返し形成
することもできる。なお、この手段は、中空糸束12を
形成する際にも適用することができ、同様に中空糸膜を
シート状編んだ後に、すし巻き状に巻いて巻層体と成す
ことにより、中空糸束12を形成することもできる。か
がり糸の種類としては、ポリエステル繊維等の合成繊維
製のマルチフィラメント糸など、柔軟性があり、中空糸
膜を損傷しなければ特に制限無く使用することができ
る。
【0016】このように、応力緩和部材として中空糸膜
を用いる場合であっても、その端部が開口していないの
で、中空糸の内部にポッティング材が侵入しない。その
為、ポッティング材で固定後も、中空糸膜自身のもつ弾
性を失うことがなく、ポッティング材の硬化収縮の応力
を十分に分散することができる。また、シート状の中空
糸膜を用いることで、中空糸束の最外周に位置する中空
糸膜を確実且つ容易に内包することが可能となる。
【0017】上述したような中空糸膜モジュールは例え
ば次のようにして製造される。まず、図3に示すよう
に、所定の中空糸膜を収束して中空糸束12とする。そ
して、後工程でポッティング材を注入して固定部と非固
定部を形成した際に、その固定部と非固定部の境界とな
る部分を少なくとも含むように、所定の応力緩和部材1
8,18を巻回する。これを、円筒状のハウジング内に
装填した後、ポッティング材を注入して、硬化させる。
ポッティング材が硬化した後に、各固定部の末端部を切
断することにより、中空糸膜の端部が開口した中空糸膜
モジュールを得ることができる。
【0018】尚、上記説明は、円筒状の中空糸膜モジュ
ールを例示しているが、本発明の中空糸膜モジュール
は、他の形状であってもよく、中空糸束の外周部にポッ
ティング材のみからなる樹脂層が形成される形態であれ
ば同様の効果が得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 [実施例1]中空糸膜として、三層複合中空糸膜(「M
HF200TL」三菱レイヨン(株)製、内径:200
μm、外径:280μm、材質:セグメント化ポリウレ
タン(非多孔質中間層)・ポリエチレン(多孔質内外層))
を用い、シート状の編み地を作製した(編み幅:265
mm、フィラメント数:32fil、コース数:51
2)。同様に、三層複合中空糸膜「MHF200TL」
を用いて、図4に示すような形態の端部が開口していな
い中空糸膜からなるシート状の応力緩和部材18を作製
した(編み幅30mm、フィラメント数:32fil、
コース数:180、枚数:2枚)。
【0020】このシート状の編み地及びシート状の応力
緩和部材をそれぞれ熱セットした後に、シート状の中空
糸膜をすし巻き状に巻いて巻層体とした中空糸束12を
作成した。このようにして作製した中空糸束の、ポッテ
ィングした際にポッティング材による固定部と非固定部
の境界となる部分を覆うように、応力緩和部材を2カ所
に巻き、図3に示すような中空糸束を作製した。
【0021】これを、壁面に多数の孔を有する内径64
mm、外径72mm、長さ215mmのハウジング(材
質:変性ポリフェニレンオキサイド)内に収容した。ポ
ッティング材として、「エピコート828」(油化シェ
ルエポキシ(株)製)、「TSR−243」(大日本イン
キ化学工業(株)製)、「チオコールLP−2」(東レチ
オコール(株)製)、「AmicurePACM」(BTRジャパン
(株)製)を重量比27.2:45.3:9.1:18.4で
混合、脱泡したものを用い、これを樹脂ポットに注入し
た後、遠心ポッティング装置にてハウジング両端からポ
ッティングを行った。ポッティング材の硬化後、ポッテ
ィング部の端部を、固定した中空糸膜と共に切断し、中
空糸膜の両端が開口した図1に示すような構造の中空糸
膜モジュール10を得た。2カ所に巻いた応力緩和部材
18は、いずれも片方の端部が10mmずつポッティン
グ材16中に埋没していた。
【0022】得られた中空糸膜モジュールを使用して耐
圧試験を行った。耐圧試験は、中空糸膜モジュールを繰
り返し耐圧試験装置にセットし、圧力:0.5MPa、
温度:60℃、サイクル:10秒オン/10秒オフ、加
圧方向:インアウト、上限1500回の条件で、中空糸
膜モジュールにリークが生じるまでのサイクル数を測定
した。その結果を表1に示した。また、この中空糸膜モ
ジュールは、ビル給水の脱気モジュールとして、また、
炭酸ガスの溶解モジュールとして好適であった。
【0023】[実施例2]応力緩和部材として、端部が
開口していない中空糸膜を用い、編み幅215mmのも
のを1枚使用し、図2に示すようなものとしたこと以外
は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュール11を得
た。この中空糸膜モジュールにおいては、応力緩和部材
20は、その両方の端部がポッティング材16中に9m
mずつ埋没していた。得られた中空糸膜モジュールの繰
り返し耐圧試験の結果を表1に示す。また、この中空糸
膜モジュールは、ビル給水の脱気モジュールとして、ま
た、炭酸ガスの溶解モジュールとして好適であった。
【0024】[比較例]中空糸膜モジュールを作製する
際に、シート状の応力緩和部材を巻かなかったこと以外
は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを得た。
得られた中空糸膜モジュールの繰り返し耐圧試験の結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】 表1からも明らかなように、本実施例の中空糸膜モジュ
ールであれば、リークが生じにくく、耐久性能の高いも
のであることがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の中空糸膜モジュールによれば、
中空糸束の最外周においても中空糸膜がポッティング材
のみからなる樹脂層と接することがなく硬化収縮の応力
が分散されるので、脱気やガス溶解等の用途に使用して
も、固定部と非固定部の境界における中空糸膜リークを
防止することができる。特に、応力緩和部材として、端
部が塞がれた中空糸膜を用いたシートを用いることによ
り、応力の分散効果を十分に発揮させつつ、コスト増加
をきわめて最小限に抑えることができる。中空糸束が、
複数箇所でポッティング材により固定されている場合に
は、各箇所のポッティング材に応じて独立して応力緩和
部材を設けて、中空糸束のポッティング材による固定部
と非固定部の境界を含む部分のみに設けることにより、
中空糸膜モジュールの有効膜面積を減少させることなく
硬化収縮の応力を分散させることができ、特に、応力緩
和部材の幅が10〜80mmであることにより、中空糸
膜モジュールの有効膜面積を十分に確保しつつ硬化収縮
の応力を分散させることが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す断
面図である。
【図2】 本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す断
面図である。
【図3】 応力緩和部材を巻いた中空糸束を示す斜視図
である。
【図4】 塞口中空糸膜を用いた応力緩和部材の一例を
示す平面図である。
【符号の説明】
10 中空糸膜モジュール 11 中空糸膜モジュール 12 中空糸束 14 ハウジング 16 ポッティング材 18 応力緩和部材 20 応力緩和部材 22 かがり糸 24 塞口中空糸膜 26 固定部 28 非固定部 30 縁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久留嶋 剛 愛知県額田郡幸田町大字大草字稲場8 エ ムアールシー幸田株式会社内 (72)発明者 亘 謙治 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 新川 健二 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA02 GA32 GA35 HA03 HA93 JA10A JA10B JA13Z JB05 MA01 MA06 MA30 MA40 MB03 MB16 MB19 MC16 MC22 MC22X MC23 MC24 MC28 MC29 MC30 MC44 MC47 MC49 MC53 MC53X MC62 MC65 PA10 PB02 PB06 PB62 PB63 PB64 PC02 PC11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の中空糸膜が収束した中空糸束
    が、その端部が開口した状態でポッティング材によりハ
    ウジングの内部に固定した中空糸膜モジュールにおい
    て、 前記中空糸束の表面の、前記ポッティング材により固定
    される部分の縁部を少なくとも含む箇所に、弾性を有す
    る応力緩和部材が設けられていることを特徴とする中空
    糸膜モジュール。
  2. 【請求項2】 前記応力緩和部材は、端部が塞がれた中
    空糸膜を用いたシートであることを特徴とする請求項1
    記載の中空糸膜モジュール。
  3. 【請求項3】 前記中空糸束は、複数箇所でポッティン
    グ材により固定され、各箇所のポッティング材に応じて
    独立して応力緩和部材が設けられていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の中空糸膜モジュール。
  4. 【請求項4】 前記応力緩和部材は、その幅が10〜8
    0mmであることを特徴とする請求項3記載の中空糸膜
    モジュール。
  5. 【請求項5】 液体からの溶存気体の脱気用、または、
    液体への気体の溶解用であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
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Cited By (7)

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