JP3908052B2 - 中空糸膜組立体及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の選択透過性を有する高分子製中空糸膜で形成された中空糸膜組立体及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、除湿器や加湿器、濃縮器、分離器、フィルタ−、燃料電池等に使用する中空糸膜組立体とその製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の高分子製中空糸膜は、その機能によって逆浸透膜、限外濾過膜、精密濾過膜、気体分離膜、透析膜等に分けることができ、処理装置のハウジング内に組み込まれて各種の流体処理に使用されるが、上記ハウジングに組み込むに当たってはモジュ−ル化する必要がある。
【0003】
上記中空糸膜をモジュ−ル化する具体例として、例えば特開昭62−74434号公報には、ガス分離用の中空糸膜を複数本束ねて形成した糸束の両端部を、熱硬化性のエポキシ樹脂で遠心成形した樹脂板内に一体に埋設、固着することにより糸束エレメントを形成し、この糸束エレメントを上記樹脂板によりハウジング内に内蔵するようにしたものが開示されている。
【0004】
ところが、このような従来の糸束エレメントは、複数の中空糸膜をフリーの状態にしたままそれらの端部にポッティング材である樹脂板を固着しているため、各中空糸膜の配列が乱れた状態になり易く、中空糸膜内外の流路の圧力損失がばらついたり、中空糸膜束に対する流体の偏流が発生して性能を十分発揮することができなくなるという欠点がある。特に、上記樹脂板の成形時に、遠心力の作用によって中空糸膜の配列が乱れ易く、極端な場合には左右に大きく二分されてしまうこともある。そして、このように中空糸膜が偏った状態で樹脂板に取り付けられると、この中空糸膜の膨潤や収縮による力が樹脂板に局部的に作用してこの樹脂板の端面が隆起や陥没等の変形を生じ易くなり、それがクラックの発生や剥離等へと進行して最終的にシールが不完全となり、リークにつながり易い。このような問題は、処理装置が大形化するほど顕著になるため、中空糸膜を均等に配列したり、ポッティング材の強度を高めるといったことは、安定した動作特性と耐久性とを備えた処理装置を得る上で非常に重要な要素である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、中空糸膜の配列に乱れがなくかつポッティング材の強度が高められた中空糸膜組立体を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によれば、流体の選択透過性を有する中空糸膜を複数本ずつ束ねた状態の複数の中空糸膜束、複数の多角形又は円形の支持孔を有し、これらの支持孔内に上記中空糸膜束の端部をそれぞれ挿入することによって複数の中空糸膜束を整列状態に支持する多孔状の支持体、上記支持体に支持された中空糸膜束の端部に、この支持体全体を軸方向中間部に内蔵させて固着された円柱状のポッティング材を含み、上記ポッティング材が、環状のポッティングリング内に密に嵌合されていると共に、上記支持体が、その外周を該ポッティングリングに係止させて、該ポッティングリング内に収容されていることを特徴とする中空糸膜組立体が提供される。
【0007】
このような中空糸膜組立体は、複数の中空糸膜束が、それらの端部を支持体の各支持孔内に挿入されることによって整列状態に支持されているから、端部にポッティング材を固着してもそれらの配列に乱れを生じることがなく、複数の中空糸膜束を均一に分散させた状態で上記ポッティング材により固結することができる。この結果、中空糸膜の湿潤収縮挙動によって生じる力がポッティング材の端面に均一にかかるため、安定したポッティング端面を得ることができる。また、支持体の埋設によってポッティング材の強度も増大するため、その変形防止に非常に有効である。
【0008】
このとき、上記ポッティング材を熱硬化性樹脂により形成し、上記中空糸膜を含フッ素系イオン交換樹脂により形成することができる。
【0009】
また、本発明によれば、複数の多角形又は円形の支持孔を有する多孔状の支持体の上記支持孔内に、流体の選択透過性を有する中空糸膜を複数本束ねた状態の中空糸膜束の端部をそれぞれ挿入することにより、複数の中空糸膜束をこの支持体によって整列状態に支持させ、その状態でこれら中空糸膜束の端部を上記支持体と共に液状の熱硬化性樹脂内に埋入させたあと、この樹脂を熱処理して硬化させることにより、上記中空糸膜束の端部に円柱状のポッティング材を、その軸方向中間部に上記支持体全体を内蔵させた状態で固着する中空糸膜組立体の製造方法であって、上記支持体を、その外周を環状のポッティングリングに係止させて、該ポッティングリングの内部に収容し、このポッティングリングの内部において中空糸膜束の端部にポッティング材を固着することにより、このポッティング材の固着と同時にこのポッティング材の外周に上記ポッティングリングを装着することを特徴とする中空糸膜組立体の製造方法が提供される。
【0010】
このような本発明の方法によれば、複数の中空糸膜束を支持体により整列状態に支持した状態でポッティング材を固着するようにしているため、その固着に遠心成形法を用いる場合でも、遠心力によって上記中空糸膜束の配列に乱れを生じることがなく、複数の中空糸膜束を均一かつ整然と配列した状態でその端部にポッティング材を固着することができる。
【0011】
また、本発明によれば、環状のポッティングリングの内部と、このポッティングリングの端部に分離自在に連設された凹形のダミーキャップの内部とに、複数の支持孔を備えた支持体をそれぞれ収容すると共に、これらの各支持体の支持孔内に、流体の選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねた状態の中空糸膜束の端部をそれぞれ挿入することにより、複数の中空糸膜束をこれらの支持体によって整列状態に支持させる工程、上記ポッティングリング及びダミーキャップの内部に液状の熱硬化性樹脂を充填し、熱処理して硬化させることにより、上記中空糸膜束の端部にポッティング材を、その軸方向中間部に上記各支持体全体を内蔵させた状態で固着する工程、上記ダミーキャップを取り外し、上記ポッティングリングから露出するポッティング材の端部をポッティングリングに合わせて切除する工程、を有することを特徴とする中空糸膜組立体の製造方法が提供される。
【0012】
なお、上記中空糸膜組立体の製造方法においては、上記中空糸膜を含フッ素系イオン交換樹脂により形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の中空糸膜組立体を用いた流体処理装置を示すもので、この流体加湿装置は加湿装置として構成されている。この流体処理装置は、円筒形をしたハウジング1の内部に上記中空糸膜組立体2Aを組み込むことにより構成されている。
【0014】
上記ハウジング1は、円筒形をした金属製の外筒5と、この外筒5の軸方向両端部にそれぞれ螺着等の手段で取り付けられたヘッドキャップ6,7とにより構成されている。一方のヘッドキャップ6には、例えば水素ガスなどの被加湿用流体8を供給するための第1供給口10aが設けられ、他方のヘッドキャップ7には、加湿された被加湿用流体8を取り出すための第1排出口10bが設けられており、また、上記外筒5には、例えば水蒸気などの加湿用流体9を供給するための第2供給口11aと、該加湿用流体9を取り出すための第2排出口11bとが設けられている。
【0015】
上記中空糸膜組立体2Aは、図2からもわかるように、流体の選択透過性を有する中空糸膜14aを複数本束ねた状態の複数の中空糸膜束14を、それらの両端部において多孔状の支持体15により整列状態に支持させ、その状態でこれら中空糸膜14aの両端部に、短円柱状をした樹脂製のポッティング材16を、上記支持体15を内蔵するように固着したもので、このポッティング材16を環状のポッティングリング17内に密に嵌合して保持させると共に、このポッティングリング17を上記外筒5の端部に密嵌させて固定することにより、上記ハウジング1内に収容されている。上記ポッティングリング17は、上記ポッティング材16をできるだけ小径化して樹脂使用量を減らす目的と、中空糸膜組立体2Aと金属製の外筒5との接着性を高める目的のために、この外筒5の内周面と上記ポッティング材16の外周面との間に介設されるものである。
【0016】
上記支持体15は、合成樹脂や金属等の硬質又は半硬質の素材によって、平面的なネット状や穿孔プレート状あるいは立体的なスケルトン状などに形成されたもので、円形や多角形あるいはその他の適宜形状をした複数の支持孔20を有している。そして、図2に示すように、各支持孔20内にそれぞれ複数の中空糸膜14aの端部を挿入することにより、これらの中空糸膜14aを複数の中空糸膜束14に区分した状態で、整列状態に保持している。
【0017】
また、上記中空糸膜は、ガスや水蒸気あるいは液体等の流体を選択的に透過させ得るものであればどのような素材からなるものであっても良く、その素材としては、例えばポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、フッ素系のイオン交換性樹脂等の高分子材料が使用される。その中でも特に、含フッ素系イオン交換樹脂製の中空糸膜束は、水蒸気選択透過性に非常に富んでいるため、加湿又は除湿用途に好適に使用することができる。このような中空糸膜14aが複数本束ねられて一つの中空糸膜束14が構成されているが、これらの中空糸膜14aは、接着材や線条等で互いに結束されている訳ではなく、相互に分離した状態で単に集合しているだけである。しかし、必要であればそれらを結束することもできる。
【0018】
上記構成を有する流体処理装置において、第1供給口10aから被加湿用流体8を供給すると共に、第2供給口11aから加湿用流体9を供給すると、上記被加湿用流体8は、各中空糸膜束14における各中空糸膜内を流れて第1排出口10bから排出され、一方の加湿用流体9は、上記各中空糸膜の間を流れて第2排出口11bから排出されるが、このとき該加湿用流体9の一部が中空糸膜を透過して被加湿用流体8中に混合するため、加湿された被加湿用流体8が第1排出口10bから取り出される。なお、上記被加湿用流体8と加湿用流体9とが中空糸膜を介して向流的に接触するように、上記第2供給口11aが第1排出口10b側に設けられ、第2排出口11bは第1供給口10a側に設けられている。
【0019】
ここで、上記中空糸膜14aの端部、換言すれば中空糸膜束14の端部に、上記ポッティング材16を固着する方法としては、各種の方法がある。その第1の方法は、上記中空糸膜束14の端部の支持体15で支持された部分を凹状の型内に収容し、この型を回転させて膜束の端部方向に遠心力を作用させながら、該型内に液状の熱硬化性樹脂を流入させて60〜100℃の温度に加熱し、硬化させることにより、上記中空糸膜束14の端部に短円柱状をした上記ポッティング材16を固着したあと、上記型から取り出す方法である。しかし、このように遠心力を作用させることなく、中空糸膜束14の端部を挿入した型内に液状の熱硬化性樹脂を充填して熱硬化させることにより、上記ポッティング材16を固着することもできる。
【0020】
また、第2の方法として、上記ポッテングリング17を型として使用し、その外側の開口端17aをダミーキャップで覆った状態で、このポッテングリング17の内部に上記支持体15を配設すると共に、この支持体15に上記中空糸膜束14の端部を支持させ、必要に応じてその端部方向に遠心力を作用させながら、このポッテングリング17内に液状の熱硬化性樹脂を流入させてそれを熱硬化させたあと、上記ダミーキャップを取り除く方法がある。この方法によれば、ポッティング材16の回りに、その成形と同時に上記ポッテングリング17を一体に装着することができる。
【0021】
この場合、ポッテングリング17内に上記支持体15を予め収容し、係止させたあと、この支持体15の各支持孔20内に中空糸膜束14を挿入するようにしても、中空糸膜束14を予め支持した状態の支持体15をポッテングリング17内に収容させて係止させるようにしても良い。また、上記ポッテングリング17内に支持体15を係止させる方法は、接着剤による方法や、ポッテングリング17の内周に設けた凹部に支持体15の外周を係止させる方法、ポッテングリング17を2分割し、それらの間に支持体15の外周を挟持した状態で相互に連結する方法等がある。さらに、上記支持体15と中空糸膜束14とを、成形時にそれらがずれ動かないように、必要に応じて接着剤等で仮止めすることもできる。また、上記ポッテングリング17の内面の少なくとも一部にねじ溝のような凹部を形成しておくことにより、このポッテングリング17に対するポッティング材16の接合性が非常に強固になる。
【0022】
上記第2の方法は、その変形例として、図1に示すように、上記ポッテングリング17を予め流体処理装置の外筒5内に組み込んだ状態で、第2供給口11aあるいは第2排出口11bから外筒5の内部を通じて液状の熱硬化性樹脂を供給し、加熱処理することにより行うこともでき、これにより、ポッティング材16の固着と同時に中空糸膜組立体2Aを外筒5の内部に組み込むことができる。この場合、上記外筒5をその軸線と直交する軸線の回りに回転させることにより、中空糸膜の両端部方向に遠心力を作用させながら上記成形処理を行うことが望ましい。また、熱硬化性樹脂を上記第2供給口11a又は第2排出口11bから供給する代わりに、上記ダミーキャップに供給口を設けてこの供給口から供給することもできる。そして、成形が終わって上記ダミーキャップを取り外した後、ヘッドキャップ6,7が取り付けられる。
【0023】
なお、上記第2の方法の変形例において、外筒5内に中空糸膜束14と支持体15とをセットする好ましい方法として、例えば、外筒5の一端側だけにポッテングリング17とダミーキャップとを取り付けた状態で、支持体15で両端を支持された中空糸膜束14の一端を、外筒5の開放する他端側から挿入し、上記支持体15をポッテングリング17に係止させたあと、外筒5の他端側にポッテングリング17とダミーキャップとを取り付ける方法がある。
【0024】
図3及び図4には、ポッティング材16を固着するための第3の方法が示されている。この方法は、上記第2の方法の変形例と同様に、ポッテングリング17を型として使用するもので、このポッテングリング17を予め流体処理装置の外筒5内に組み込んだ状態で使用する場合が示されている。この方法においては、図3に示すように、装置の外筒5の端部に、ヘッドキャップ6,7の代わりに凹形のダミーキャップ21が、ポッテングリング17の開放端17aを覆うようにそれぞれ分離自在に取り付けられる。そして、これらのポッティングリング17の内部とダミーキャップ21の内部とに、複数の支持孔20を備えた支持体15,15aがそれぞれ収容されると共に、これらの支持体15,15aによって上記中空糸膜束14の両端部がそれぞれ支持される。換言すれば、複数の中空糸膜束14の両端部を軸線方向の異なる位置で支持する複数の支持体15,15aのうち、内側の支持体15がポッティングリング17の内部に収容されると共に、外側の支持体15aがダミーキャップ21の内部に収容される。
【0025】
上記内側の支持体15と外側の支持体15aとは、それらの取り扱いを容易にするため、切断可能な細い複数の連結線で相互に連結された状態に形成しておいても良い。また、ポッテングリング17及びダミーキャップ21の内部に上記支持体15,15aを収容したあと、これらの支持体15,15aに中空糸膜束14を支持させるようにしても、中空糸膜束14を支持させた状態で支持体15,15aをポッテングリング17及びダミーキャップ21の内部に収容するようにしても良いことなどは、前述した通りである。
【0026】
次に、上記外筒5をその軸線と直交する軸線の回りに回転させることにより中空糸膜束14の両端部方向に遠心力を作用させながら、液状の熱硬化性樹脂を、第2供給口11a又は第2排出口11bからこの外筒5の内部を通じて上記ポッティングリング17及びダミーキャップ21の内部に充填するか、あるいはこのダミーキャップ21に設けた図示しない供給口から充填し、それを熱処理して硬化させることにより、上記中空糸膜束14の両端部にそれぞれ上記複数の支持体15,15aを内蔵した状態でポッティング材16を固着する。
【0027】
続いて、図4に示すように、上記ダミーキャップ21を取り外し、上記ポッティングリング17から露出するポッティング材16の端部を、ポッティングリング17の端面に合わせて切断線Lの位置で切除する。これにより、ポッティング材16の内部には、ポッティングリング17内の支持体15だけが残り、上記ポッティング材16の切断面には、各中空糸膜14aの端部が開口する。なお、内外の支持体15,15aが連結線で相互に連結されている場合は、この連結線も同時に切断される。そして、図1に示すように外筒5の両端部に上記ヘッドキャップ6,7を取り付けることにより、中空糸膜組立体2Aの形成と同時に、この中空糸膜組立体2Aを内蔵した流体処理装置が得られる。
【0028】
上記第3の方法として、図示した例では、ポッテングリング17を予め流体処理装置の外筒5内に組み込んだ状態で行う方法が示されているが、このポッテングリング17を外筒5に組み込むことなく、他の場所において上記工程を行うことによりポッティングリング17と一体となった中空糸膜組立体2Aを得、それを外筒5内に組み込むようにすることもできる。
【0029】
図5は本発明の中空糸膜組立体の第2実施例を示すもので、この中空糸膜組立体2Bは、図1に示す中空糸膜組立体2Aとは、支持体による中空糸膜端部の支持構造が異なっている。即ち、図1に示す中空糸膜組立体2Aでは、中空糸膜束14の両端部がそれぞれ平面プレート状に形成された支持体15で支持されているのに対し、この中空糸膜組立体2Aでは、スケルトン状に形成された立体構造を持つ支持体15によって、中空糸膜束14の端部が支持されている。この支持体15は、図6及び図7から分かるように、矩形の支持孔20を有する短円柱状の二つの支持部材24,24を、結合線27で一体に結合することによって形成したもので、このような三次元的な立体構造を持つ支持体15を使用して中空糸膜束14の端部を複数点で支持させることにより、その支持がより確実かつ安定的なものとなる。
【0030】
上述した中空糸膜組立体2A,2Bを備えた流体処理装置は、例えば固体高分子型燃料電池本体や、固体高分子型燃料電池用加湿器等に好適に使用することができる。この固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜を用いており、この固体高分子電解質膜は、プロトン伝導性を維持するための水分を外部より補給する必要があるため、燃料電池用の加湿器が用いられる。また、その運転条件が、100℃以下の温度で水蒸気に曝されるといったような過酷なものであり、前記加湿器に使用される中空糸膜は湿潤収縮性を有しているため、両端のポッティング部分は安定したものでなければならないが、上記中空糸膜組立体2Aは、複数の中空糸膜束14の端部を支持体15で均一に分散させた状態に支持してポッティング材16により固結しているため、ポッティング部分が非常に安定しており、安定した燃料電池用加湿器を得ることができる。
しかし、上記中空糸膜組立体は、その他の除湿器や加湿器、濃縮器、分離器、フィルタ−等にも使用できるものである。
【0031】
また、上記実施例では、中空糸膜の両端にそれぞれポッティング材を固着しているが、中空糸膜組立体の用途によっては、中空糸膜の何れか一端だけにポッティング材16を固着することもある。
【0032】
【発明の効果】
このように本発明によれば、複数の中空糸膜束の端部を多孔状の支持体に整列状態に支持させた状態で、これらの中空糸膜束の端部に上記支持体全体を内蔵するようにポッティング材を固着したので、上記中空糸膜の配列に乱れがなく、かつポッティング材の強度も高められた、安定した動作特性と耐久性とを兼ね備えた中空糸膜組立体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中空糸膜組立体を備えた流体処理装置の一つの例を示す断面図である。
【図2】図1の中空糸膜組立体を支持体の位置で断面にした要部拡大断面図である。
【図3】中空糸膜組立体を製造する方法の一つの工程を説明する断面図である。
【図4】中空糸膜組立体を製造する方法の他の工程を説明する断面図である。
【図5】本発明に係る中空糸膜組立体を用いた流体処理装置の他の例を示す断面図である。
【図6】図5の中空糸膜組立体の要部拡大図である。
【図7】図6のA−A線での断面図である。
【符号の説明】
2A,2B 中空糸膜組立体
14 中空糸膜束
15,15a 支持体
16 ポッティング材
17 ポッティングリング
20 支持孔
21 ダミーキャップ

Claims (5)

  1. 流体の選択透過性を有する中空糸膜を複数本ずつ束ねた状態の複数の中空糸膜束、
    複数の多角形又は円形の支持孔を有し、これらの支持孔内に上記中空糸膜束の端部をそれぞれ挿入することによって複数の中空糸膜束を整列状態に支持する多孔状の支持体、
    上記支持体に支持された中空糸膜束の端部に、この支持体全体を軸方向中間部に内蔵させて固着された円柱状のポッティング材を含み、
    上記ポッティング材が、環状のポッティングリング内に密に嵌合されていると共に、上記支持体が、その外周を該ポッティングリングに係止させて、該ポッティングリング内に収容されている、
    ことを特徴とする中空糸膜組立体。
  2. 上記ポッティング材が熱硬化性樹脂から成り、上記中空糸膜が含フッ素系イオン交換樹脂から成る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜組立体。
  3. 複数の多角形又は円形の支持孔を有する多孔状の支持体の上記支持孔内に、流体の選択透過性を有する中空糸膜を複数本束ねた状態の中空糸膜束の端部をそれぞれ挿入することにより、複数の中空糸膜束をこの支持体によって整列状態に支持させ、その状態でこれら中空糸膜束の端部を上記支持体と共に液状の熱硬化性樹脂内に埋入させたあと、この樹脂を熱処理して硬化させることにより、上記中空糸膜束の端部に円柱状のポッティング材を、その軸方向中間部に上記支持体全体を内蔵させた状態で固着する中空糸膜組立体の製造方法であって、
    上記支持体を、その外周を環状のポッティングリングに係止させて、該ポッティングリングの内部に収容し、このポッティングリングの内部において中空糸膜束の端部にポッティング材を固着することにより、このポッティング材の固着と同時にこのポッティング材の外周に上記ポッティングリングを装着することを特徴とする中空糸膜組立体の製造方法。
  4. 環状のポッティングリングの内部と、このポッティングリングの端部に分離自在に連設された凹形のダミーキャップの内部とに、複数の支持孔を備えた支持体をそれぞれ収容すると共に、これらの各支持体の支持孔内に、流体の選択透過性を有する複数の中空糸膜を束ねた状態の中空糸膜束の端部をそれぞれ挿入することにより、複数の中空糸膜束をこれらの支持体によって整列状態に支持させる工程、
    上記ポッティングリング及びダミーキャップの内部に液状の熱硬化性樹脂を充填し、熱処理して硬化させることにより、上記中空糸膜束の端部にポッティング材を、その軸方向中間部に上記各支持体全体を内蔵させた状態で固着する工程、
    上記ダミーキャップを取り外し、上記ポッティングリングから露出するポッティング材の端部をポッティングリングに合わせて切除する工程、
    を有することを特徴とする中空糸膜組立体の製造方法。
  5. 上記中空糸膜が含フッ素系イオン交換樹脂から成る、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の中空糸膜組立体の製造方法。
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