JP2000229100A - 冷却袋 - Google Patents

冷却袋

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JP2000229100A
JP2000229100A JP11032472A JP3247299A JP2000229100A JP 2000229100 A JP2000229100 A JP 2000229100A JP 11032472 A JP11032472 A JP 11032472A JP 3247299 A JP3247299 A JP 3247299A JP 2000229100 A JP2000229100 A JP 2000229100A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 密封した袋中に、(A)水と反応して吸
熱する冷却剤、(B)水及び/又は含水塩、(C)酸及
び(D)炭酸塩を、これらの成分が反応しないように隔
離して封入し、使用時に成分(A)〜(D)を当該袋中
で混合することにより膨らむ冷却袋。 【効果】 冷却作用と同時に、炭酸ガスが発生して膨ら
むので、携帯用水枕、クッションや、身体に固定して疲
れやむくみを緩和するのに用いるのに好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却作用と同時に
炭酸ガスが発生して膨らむ冷却袋に関する。
【0002】
【従来の技術】身体各部を冷却して、疲れやむくみを緩
和するための製品が数多く知られている。例えば足の疲
れやむくみを改善するために、水分の気化熱を利用して
冷却するジェルシート等が市販されている。しかし、単
に冷却するだけでは、疲れやむくみに対して十分な効果
は得られない。また、冷却剤と水又は含水塩とを隔離し
て包装し、使用時に混合して冷却する冷却袋も知られて
いるが、これも単に冷却するだけで、疲れやむくみに対
する効果は十分でなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、疲れ
やむくみを改善する効果に優れた冷却袋を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、冷却剤と
水との吸熱反応による冷却と同時に、炭酸塩と酸の反応
による炭酸ガスの発生により袋を膨らませ、身体の一部
を圧迫すれば、冷却作用と圧迫開放の相剰効果で、高い
血流改善効果が得られ、疲れやむくみを大きく改善でき
ることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、密封した袋中に
(A)水と反応して吸熱する冷却剤、(B)水及び/又
は含水塩、(C)酸及び(D)炭酸塩を、これらの成分
が反応しないように隔離して封入し、使用時に成分
(A)〜(D)を当該袋中で混合することにより膨らむ
冷却袋を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる成分(A)の冷却
剤としては、水と混合したときに吸熱反応により冷却作
用を示すものであれば特に制限されず、例えば硝酸アン
モニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リ
ン酸水素2アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アン
モニウム等の無機アンモニウム塩や、尿素などが挙げら
れる。これらのうち、硝酸アンモニウム、尿素が好まし
い。
【0007】また、成分(B)のうち、含水塩として
は、例えば炭酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム
7水和物、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸2ナトリ
ウム12水和物等が挙げられる。
【0008】成分(C)の酸としては、例えばコハク
酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フ
マル酸、マロン酸等の有機酸;ホウ酸、ケイ酸、リン
酸、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酸性
ピロリン酸等の無機酸が挙げられ、これらのうち、有機
酸、特にコハク酸、クエン酸が好ましい。
【0009】成分(D)の炭酸塩としては、例えば炭酸
ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、セ
スキ炭酸ナトリウム等が挙げられ、特に炭酸水素ナトリ
ウムが好ましい。成分(C)に対する成分(D)の割合
は、0.1〜10重量倍が好ましい。また、成分
(C)、(D)の封入量は、これらの反応により発生す
る炭酸ガスと密封する袋の体積の関係から適宜決定され
る。さらに、成分(A)〜(D)を混合した液のpHは酸
性〜弱アルカリ性、特にpH2〜7が好ましい。
【0010】これらの4成分は、保存中、使用時まで、
(A)冷却剤と(B)水;(C)炭酸塩と(D)酸がそ
れぞれ反応しないよう、すなわち、吸熱反応及び炭酸ガ
ス発生反応が起こらないように隔離して袋中に封入され
る。好ましくは、成分(A)と(B)が接触しないよ
う、また成分(B)、(C)及び(D)の3成分が接触
しないように隔離して封入される。従って、例えば成分
(C)又は(D)は成分(B)と一緒にして水溶液とし
て封入することができる。また、成分(B)として、炭
酸塩水和物を用いた場合には、成分(D)を兼ねること
ができ、その際には、成分(A)、(B)及び(C)の
3成分が接触しないように隔離して封入する。例えば二
室に隔離する場合、一室に成分(B)、他室に成分
(A)及び(C)を封入することができる。各成分の封
入量は、目的とする冷却温度、冷却時間、袋の体積等に
応じて適宜決定できるが、成分(B)は反応する水の量
として、成分(A)の0.5重量倍以上、特に2〜10
重量倍であるのが好ましい。また、成分(C)及び
(D)との関係で、1〜100重量倍が好ましい。
【0011】袋を構成する材料としては特に制限され
ず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリアミド等の合成樹脂フィルムの単層又は多層フ
ィルムや、これらに金属箔をラミネートしたり、金属蒸
着したフィルムなどが挙げられる。また、袋の外側を、
天然繊維、合成繊維の織布、不織布等で被覆して、より
優れた感触を得ることもできる。前記のように封入する
方法としては、例えば外袋と内袋とを構成する二重袋構
造にする方法、隔壁を設けて二室以上に分けて隔離する
方法等が挙げられ、常法により行うことができる。
【0012】二重袋構造とする場合、内袋は外袋を構成
するフィルムに比べ強度が相対的に弱いものが使用さ
れ、通常の保存状態においては簡単に破けることなく、
使用時に必要な強度を加えたときに破袋する程度の強度
が必要である。また、内袋のシール部がこのような強度
であっても良い。例えば内袋に成分(B)を充填し、外
袋に成分(A)、(C)及び(D)を封入して密封す
る;内袋に成分(B)と(C)又は(D)を充填し、外
袋に成分(A)と(C)又は(D)を封入して密封する
方法などにより、二重袋構造の冷却袋が得られる。
【0013】また、二室以上に隔離する場合、隔壁を構
成するフィルム等は他の部分のフィルム等に比べ強度が
相対的に弱いものが使用され、二重袋構造の場合の内袋
と同様の強度が必要である。二室に隔離するには、一室
に成分(B)を、他室に成分(A)、(C)及び(D)
を密封する;一室に成分(B)と(C)又は(D)を、
他室に成分(A)と(C)又は(D)を密封する方法に
より、冷却袋が得られる。三室以上に隔離するには、例
えば第一室に成分(B)を、第二室に成分(A)及び
(D)を、第三室に成分(C)を密封する;成分(A)
〜(D)をそれぞれ一室に密封する方法等が挙げられ
る。
【0014】本発明の冷却袋は、使用時に内袋又は隔壁
をたたく、押圧する、折曲げる、引張る等により破袋
し、当該密封した袋中で(A)〜(D)の4成分を混合
する。これにより、成分(A)と(B)が反応して、冷
却作用が得られると同時に、成分(C)と(D)の反応
により炭酸ガスが発生して、袋が膨らむ。
【0015】本発明の冷却袋には、その外側の少なくと
も片面、例えば身体の一部に固定して使用する場合等に
皮膚に直接又は衣類等を介して間接的に接する面には、
薬剤層を設けることができる。薬剤としては、例えば酸
性ムコポリサッカライド、カミツレ、セイヨウトチノ
キ、イチョウ、ハマメリスエキス、ビタミンE、ニコチ
ン酸誘導体、アルカロイド化合物等の血行促進剤;セイ
ヨウトチンキ、フラボン誘導体、ナフタリンスルホン酸
誘導体、アントシアニジン、ビタミンP、きんせんか、
コンコリット酸、シラノール、テルミナリア、ビスナ
ガ、マユス等のむくみ改善剤;アミノフィリン、茶エキ
ス、カフェイン、キサンチン誘導体、イノシット、デキ
ストラン硫酸誘導体、セイヨウトチノキ、エスシン、ア
ントシアニジン、有機ヨウ素化合物、オトギリ草、シモ
ツケ草、スギナ、マンネンロウ、朝鮮人参、セイヨウキ
ヅタ、チオムカーゼ、ヒアルウロニダーゼ等のスリム化
剤;インドメタシン、dl−カンフル、ケトプロフェ
ン、トウガラシエキス、ピロキシカム、フェルビナッ
ク、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等の鎮痛
剤;ラベンダー、ローズマリー、シトロン、ジェニパ
ー、ペパーミント、ユーカリ、ベルガモット、イランイ
ラン、ローズウッド、オレンジ等の香料などが挙げら
れ、1種以上を用いることができる。また、薬剤を含有
する層を袋の外側に設けるには、例えば上述の薬剤を含
むパップ、プラスター剤等の薬剤層をあらかじめ作成
し、ヒートシール、接着剤等の手段により袋に付設した
り、あるいは直接冷却袋に薬効剤を含浸させることによ
り、行うことができる。
【0016】また、例えば図1に示すように、更に冷却
剤を封入した袋又は室を連結することにより、多段階に
冷却効果を得ることができる。すなわち、図1におい
て、まず、室(1)と(2)の間のシール部aを破り、
成分(A)〜(D)を混合して冷却反応及び炭酸ガス発
生反応を行う。この反応が終了した後、シール部bを破
り、当該混合液を、室(3)に封入しておいた成分
(B)以外の成分、特に成分(A)と混合して、冷却
(及び炭酸ガス発生)反応を行う。更に、同様のシール
部により隔離した複数の室に成分(B)以外の成分を封
入して、このような操作をくり返せば、2回以上の多段
階に冷却反応を行うことができ、長時間にわたり冷却効
果が得られる。
【0017】本発明の冷却袋は、冷却作用と同時に袋が
膨らむことから、携帯用水枕、クッション等として利用
できる。また、この冷却袋に、腕、足、肩等の身体の一
部に固定するための手段、例えば面ファスナー、バン
ド、テープ等を設け、身体の一部に固定して使用するこ
ともできる。これらの固定手段を冷却袋に取付ける方法
は特に制限されず、例えばヒートシール、テープ、の
り、接着剤、ホットメルト、縫合等により取り付けるこ
とができる。身体の一部に固定して使用するには、例え
ば土踏まずやふくらはぎ等に巻くようにして固定した
後、内袋又は隔壁を破袋して4成分を混合することによ
り、当該部位を冷却すると同時に圧迫でき、一定時間経
過後、固定手段をはずすことにより、圧迫が解除されそ
の結果、開放効果が得られる。この冷却作用と圧迫開放
の相剰効果で、高い血流改善効果が得られ、足の疲れや
むくみを十分に改善できる。
【0018】
【発明の効果】本発明の冷却袋は、冷却作用と同時に、
炭酸ガスが発生して膨らむ。携帯用水枕、クッション
や、身体の一部に固定して疲れやむくみを改善するのに
用いるのに好適である。特に身体の一部に固定して使用
する場合には、身体各部に対する冷却作用に、圧迫開放
作用を併用し、血流促進・改善効果を向上し、その結果
疲れやむくみを改善することができる。ここで言う圧迫
作用とは、人体外部から圧力を加える作用をいう。これ
によって、老廃物を含んだ体液の再吸収を促進する効果
がある。開放作用とは、圧迫作用を解除したときの作用
であり、圧力を解除することにより、新鮮血流を組織に
供給することができる。
【0019】
【実施例】実施例1 図2に本発明の冷却袋の一例を示す。すなわち、ポリエ
チレン/ポリプロピレンのフィルムからなる二室を有す
る袋で、一室に成分(B)及び(C)として、2.6重
量%コハク酸水溶液250g、他室に成分(A)及び
(D)として、硝酸アンモニウム170g及び炭酸水素
ナトリウム6.5gが密封されている。二室の間は弱い
シールで隔離されており、使用時にこのシール部をやぶ
り両室の成分を混合する。混合液はpH4.3であった。
冷却袋は、冷却作用を示すと同時に、袋中で炭酸ガスが
発生して膨らみ、簡便に、冷却枕・クッションが得られ
た。
【0020】実施例2 図3に身体の一部に固定して使用する本発明の冷却袋の
一例を示す。すなわち、ポリエチレン/ポリプロピレン
のフィルムからなる二室を有する袋で、一室に成分
(B)及び(D)として、0.8重量%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液50g、他室に成分(A)及び(C)とし
て、硝酸アンモニウム9g及びコハク酸0.4gが密封
され、さらに両端に面ファスナーのオス・メスがそれぞ
れ設けられている。二室の間は弱いシールで隔離されて
おり、使用時にこのシール部をやぶり、両室の成分を混
合する。混合液はpH4.6であった。混合後すぐに、土
踏まずに固定すると、土踏まずが冷却されるとともに圧
迫され、足の疲れを改善する効果に優れていた。
【0021】試験例1 35歳代男性を対象に、1日立ち仕事をした後に、サン
プル装着前と後の血流量を測定した。すなわち、温度;
20℃、湿度;40RH%にコントロールされた部屋
で、仰臥位で30分間馴化した。馴化後、定常状態の足
の母指球の血流量を血流型(PERIFLUX PER
IMED)で5分間測定し、その平均を定常状態の血流
量とした。その後、土踏まずに実施例2の冷却袋の両室
の成分を混合して固定し、5分間装着した後に冷却袋を
取り外した。取り外した後の血流量を5分間測定しその
平均を装着後の血流量とした。比較例として市販品の冷
却シート(休足時間、ライオン社製)についても同様の
実験をした。次式に従い血流量変化率を求めた。
【0022】
【数1】
【0023】その結果、市販品冷却シート使用後の血流
量は、定常状態に比較し17%低下したのに対して、本
発明の冷却袋の場合は、35%増加し、血行促進効果が
認められた。
【0024】試験例2 20〜30歳代の女性15人を対象に、1日立ち仕事を
した後に、実施例2の冷却袋を15分間土踏まずに使用
し、使用後の足疲れ改善度及びむくみ改善度に関し、以
下の5段階で評価した。比較品として、冷却作用のみの
袋(実施例2で炭酸水素ナトリウムを除いた袋、他の条
件は同一)も同時に評価した。その結果、本発明品は、
足疲れ・むくみに関し高い改善効果があることが判明し
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多段階に冷却できる冷却袋の一例を示
す断面図である。
【図2】本発明の冷却袋の一例を示す平面図及び断面図
である。
【図3】身体の一部に固定して使用する本発明の冷却袋
の一例を示す平面図及び断面図である。
フロントページの続き (72)発明者 土屋 秀一 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 3L044 AA04 BA09 CA18 DD02 FA00 KA01 KA04 4C099 AA02 CA01 EA05 GA02 GA11 GA21 HA08 JA03 JA05 LA08 LA11 LA12 NA02 TA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密封した袋中に、(A)水と反応して吸
    熱する冷却剤、(B)水及び/又は含水塩、(C)酸及
    び(D)炭酸塩を、これらの成分が反応しないように隔
    離して封入し、使用時に成分(A)〜(D)を当該袋中
    で混合することにより膨らむ冷却袋。
  2. 【請求項2】 成分(A)〜(D)の混合液のpHが酸性
    である請求項1記載の冷却袋。
  3. 【請求項3】 身体に固定するための手段を有する請求
    項1又は2記載の冷却袋。
  4. 【請求項4】 袋の外側の少なくとも片面に、薬剤層を
    有する請求項1〜3のいずれか1項記載の冷却袋。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101961282A (zh) * 2010-10-22 2011-02-02 李丽霞 冷敷用盐水袋

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101961282A (zh) * 2010-10-22 2011-02-02 李丽霞 冷敷用盐水袋

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