JP2000228952A - 乳入り非アルコール性嗜好飲料のオフフレーバー発生防止方法及び透明容器に充填された該嗜好飲料 - Google Patents
乳入り非アルコール性嗜好飲料のオフフレーバー発生防止方法及び透明容器に充填された該嗜好飲料Info
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Abstract
ーの発生を防止する方法及びオフフレーバーが防止され
た透明容器入り非アルコール性嗜好飲料を提供する。 【解決手段】 脂肪分を含有する食品のオフフレーバー
発生を防止するために、有効量のビタミンEを当該食
品、特に非アルコール性嗜好飲料に添加する。
Description
食品の光照射によるオフフレーバー発生を防止するため
の方法、並びに、かかる方法によりオフフレーバー発生
が防止された食品(特に透明容器入り乳入り非アルコー
ル性嗜好飲料)に関する。
ルコール性嗜好飲料として認識されており、多くの人々
に愛飲されている。そして、これらはストレートで飲ま
れることもあるが、砂糖やミルクを混ぜて飲まれること
もある。そのような飲用形態は、一部の人々には白眼視
されることがあるものの、実際には、そこに存在する苦
味や渋み、酸味などを緩和し、消費者の好みに合わせて
風味を調整できるという意味でその意義は大きく、見方
を変えれば、消費者の好みに合わせて嗜好飲料の風味に
新たな趣や嗜好性を加えることにつながる。また、コー
ヒーをストレートでは飲めないといったような人も、ミ
ルクを添加すれば飲めるというようなケースもあり、予
めミルクが添加された嗜好飲料の需要は年毎に増加する
傾向にある。
た嗜好飲料が透明容器に充填されている場合に、それが
比較的長きにわたって陳列されたときには、容器を透過
した光の作用により飲料から樹脂臭様の臭いがするよう
になってしまう場合がある。この臭いは俗にオフフレー
バーと呼ばれるもので、乳脂肪の光酸化が原因であると
考えられているが、商品の品質面では特に問題が無いに
しても、官能面に対する影響からくる購買意欲の減退は
無視することができず、改善が望まれる。
たものであり、その目的は、予めミルクが添加された嗜
好飲料(以下、乳入り嗜好飲料という)が透明容器に充
填されている場合に光照射によるオフフレーバーの発生
を防止できる方法、並びに、そのようなオフフレーバー
の発生が防止された透明容器入りの乳入り非アルコール
性嗜好飲料を提供することにある。
するために、本発明に係る脂肪分含有食品のオフフレー
バー発生防止方法においては、有効量のビタミンEを当
該食品に添加することを特徴とする。
ようなものを提供する。
よるオフフレーバー発生を防止するために、有効量のビ
タミンEを当該食品に添加する方法。
る食品」は、以下に示すような乳入り非アルコール性嗜
好飲料であることが好ましい。
生を防止するための有効量のビタミンEが添加された乳
入り非アルコール性嗜好飲料。
mから5000ppmであることを特徴とする上記
(2)記載の乳入り非アルコール性嗜好飲料。
Eであることを特徴とする上記(2)又は(3)記載の
乳入り非アルコール性嗜好飲料。
抹茶飲料であることを特徴とする上記(2)から(4)
いずれか記載の乳入り非アルコール性嗜好飲料。
有効量のビタミンCが添加されるとともに、光照射によ
るオフフレーバーの発生を防止するための有効量のビタ
ミンEが添加された乳入り非アルコール性嗜好飲料。
に充填されていることを特徴とする上記(2)から
(6)いずれか記載の乳入り非アルコール性嗜好飲料。
は、いわゆる現存の「ミルク」であるが、本明細書で言
う「乳」とは、本発明本来の目的からして、少なくとも
脂肪分(乳脂肪又は植物性脂肪)が含まれているもの
(例えば、生乳、牛乳、山羊乳、脱脂乳、加工乳;アマ
ニ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油等のエマルジョ
ンなど)を意味する。
料に対比して、嗜好性を主とした飲料を言い、典型的な
ものとしては茶、紅茶、コーヒー、ココア飲料、アルコ
ール飲料、炭酸飲料などがあり、茶には緑茶、抹茶、半
発酵茶(包種茶、ウーロン茶)、微生物発酵茶(プーア
ール茶など)といったようなものも含まれる。なお、本
明細書で言う「嗜好飲料」には、このような一般的な嗜
好飲料にある程度の滋養飲料が混合されたものも含まれ
るものとする。
料」というのは、基本的には「予め乳が添加された非ア
ルコール性の嗜好飲料」と同義である。このようなもの
としては、コーヒー乳飲料、紅茶乳飲料、抹茶乳飲料、
フルーツ乳飲料、卵乳飲料、チョコレート乳飲料(ココ
ア乳飲料)などがあるが、予め乳が添加された非アルコ
ール性の嗜好飲料であればこれらに限られない。
有効量のビタミンE」とあり、この「有効量」というの
は、本発明の目的を達成できる量、即ち脂肪分を含有す
る食品(特に透明容器に充填された嗜好飲料)の光酸化
によるオフフレーバー発生を防止できる程度の量を意味
する。この「有効量」というのは要するに、従来からの
飲料(嗜好飲料に限られない)にもビタミンEが添加さ
れ或いは天然に含まれている場合があるところ、このよ
うな場合と本発明を明確に区別するための概念である。
即ち、従来からの飲料について言えば、結果としてビタ
ミンEが含まれているものは存在するものの、オフフレ
ーバーの発生防止のためにビタミンEが添加されている
ものは皆無である。
止する目的で、オフフレーバーの発生を防止できる量の
ビタミンEが食品に添加されていた場合には、本発明の
範囲に含まれることになる。
する物質(抗酸化物質)として機能する脂溶性ビタミン
であり、トコフェロールとも呼ばれている。ビタミンE
には、α、β、γ、δ型のものがあり、それぞれ生体内
における生物活性や脂肪分の酸化を抑制する力(抗酸化
力)が異なる。
有する食品(例えば乳入り非アルコール性嗜好飲料)に
おいて光の作用によるオフフレーバーの発生を防止する
ためには、ビタミンE(中でも特に、δ型ビタミンE)
を用いることが効果的であることを見出した。このと
き、δ型ビタミンEは、単体の形態で用いてもよいし、
δ型ビタミンEとその他のビタミンEとが混合されてな
るミックスビタミンE(例えばδ型ビタミンEを20%
から35%含有するもの)の形態で用いてもよい。
ミンEを用いる場合には、前述した「有効量」の具体的
な量としては、5ppmから5000ppmが挙げられ
るが、それは、5ppm未満の場合にはオフフレーバー
発生の防止効果が十分に得られない一方で、5000p
pmを超えると、ビタミンE特有の苦みが強くなってし
まい、味覚の点で難が出てくるからである。但し、より
好ましい量は300ppm程度である。
ミンEを用いる場合には、前述した「有効量」の具体的
な量としては、δ型ビタミンEの含有量が5ppmから
5000ppm(より好ましくは300ppm程度)と
なる量(この量はδ型ビタミンEの含有率によって異な
る)が挙げられる。しかしながら、δ型ビタミンE以外
のビタミンEの作用も考慮すると、ミックスビタミンE
中のδ型ビタミンEの含有量(5ppm、5000pp
m、300ppm)には多少の“ゆれ”がある。
の有効量のビタミンC」とあるが、「抹茶成分の褐変」
とは、抹茶に含まれる油溶成分が光、酸素、熱等に対し
て非常にセンシティブであるために、抹茶を使用した食
品(即ち、抹茶飲料)において生じる褐色の変化のこと
を言う。この褐変は、商品が陳列されている間の短い期
間に生じ、それがこの商品についての外観の悪化を招
き、事実上品質劣化が生じていなくても、著しい品質劣
化が生じているとの印象を消費者に与えてしまう。従っ
て、内容物がそのまま見える透明容器に充填されて販売
する場合に難点があった。
は、本発明の目的を達成できる量、即ち粉末茶を含有す
る食品、特に透明容器に充填された抹茶飲料の褐変を防
止できる程度の量のビタミンC(或いはアスコルビン酸
ナトリウム)を意味する。この「有効量」というのは要
するに、従来からの飲料(抹茶飲料に限られない)にも
ビタミンC(或いはアスコルビン酸ナトリウム)が添加
され或いは天然に含まれている場合があるところ、この
ような場合と本発明を明確に区別するための概念であ
る。従って、褐変を防止する目的で、褐変を防止できる
量のビタミンCが食品に添加されていた場合には、本発
明の範囲に含まれることになる。
は、0.005重量%から0.5重量%が挙げられる
が、それは、0.005重量%未満の場合には褐変防止
効果が十分に得られない一方で、0.5重量%を超える
と、飲料の塩味(えんみ)が強くなって、舌の全体に広
がるようなまどろっこしさを伴うようになり、味覚の点
で難が出てくるからである。但し、より好ましい量は
0.01重量%から0.5重量%である。
るガラスビン、PETボトルなどを使用することができ
る。本発明は、特に乳入り非アルコール性嗜好飲料とし
ての抹茶飲料において、オフフレーバーの発生を効果的
に防止しただけでなく、褐変を効果的に防止したことに
より、抹茶飲料を透明容器に充填可能にした点に意義を
有する。従って、「内容物がそのまま見える透明容器」
というのは、スモーク処理などの、透明容器に充填され
ている内容物の視認を困難にし或いは妨げるように働く
何らかの処理がなされていないことを意味する。
入り非アルコール性嗜好飲料)と、ビタミンEを含まな
いこと以外は全て同じ組成を有する抹茶飲料について、
光を照射した後にそれぞれ評価を行った。
とにより行った。官能性試験は、5人のパネラーによ
り、下記表2のような評価基準を持って判定を行っても
らい、その平均値を取った。なお、評価は、積算200
万ルクスの光を照射したものと光を照射しないもの(積
算0ルクス(無照射))とを比較して行った。
た。
ルコール性嗜好飲料は、光を照射した場合には、従来と
比較すると、ある程度の期間保存をした場合でも香味の
劣化が小さいことが明らかである。従って、ビタミンE
を添加することにより、光照射によるオフフレーバーの
発生を効果的に防止することができるものと認められ
る。
コール性嗜好飲料のオフフレーバー発生防止方法によれ
ば、有効量のビタミンEが添加されているので、従来と
比較して香味の劣化を小さくすることができ、効果的に
オフフレーバー発生防止が図れる。このように、本発明
に係る乳入り非アルコール性嗜好飲料は、光酸化による
品質劣化を低減できるものであるので、透明容器に充填
して販売することができる。
嗜好飲料は、更に有効量のビタミンCも添加されている
ので、当該飲料が抹茶飲料であるときには、ある程度の
期間保存をした場合でも、抹茶成分の褐変を防止するこ
ともでき、透明容器に充填して販売をした場合でも、購
買意欲の低下を招かない。
Claims (7)
- 【請求項1】 脂肪分を含有する食品の光照射によるオ
フフレーバー発生を防止するために、有効量のビタミン
Eを当該食品に添加する方法。 - 【請求項2】 光照射によるオフフレーバーの発生を防
止するための有効量のビタミンEが添加された乳入り非
アルコール性嗜好飲料。 - 【請求項3】 前記ビタミンEの添加量が5ppmから
5000ppmであることを特徴とする請求項2記載の
乳入り非アルコール性嗜好飲料。 - 【請求項4】 前記ビタミンEが、δ型ビタミンEであ
ることを特徴とする請求項2又は3記載の乳入り非アル
コール性嗜好飲料。 - 【請求項5】 前記非アルコール性嗜好飲料が、抹茶飲
料であることを特徴とする請求項2から4いずれか記載
の乳入り非アルコール性嗜好飲料。 - 【請求項6】 抹茶成分の褐変を防止するための有効量
のビタミンCが添加されるとともに、光照射によるオフ
フレーバーの発生を防止するための有効量のビタミンE
が添加された乳入り非アルコール性嗜好飲料。 - 【請求項7】 内容物がそのまま見える透明容器に充填
されていることを特徴とする請求項2から6いずれか記
載の乳入り非アルコール性嗜好飲料。
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