JP2000228119A - シース下遮水ケーブルとその製造方法 - Google Patents

シース下遮水ケーブルとその製造方法

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JP2000228119A
JP2000228119A JP11337596A JP33759699A JP2000228119A JP 2000228119 A JP2000228119 A JP 2000228119A JP 11337596 A JP11337596 A JP 11337596A JP 33759699 A JP33759699 A JP 33759699A JP 2000228119 A JP2000228119 A JP 2000228119A
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JP11337596A
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Susumu Sakuma
進 佐久間
Hideji Muto
秀二 武藤
Tetsuo Matsumoto
鉄男 松本
Teruyoshi Tanabe
輝義 田辺
Yuji Tateno
祐二 舘野
Noboru Ishii
登 石井
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、課通電時における長期信頼性も高い
シース下遮水ケーブルとその製造方法を提供する。 【解決手段】 ケーブルコア1と、その外側に縦添え包
被され、かつ周方向では一部が重なり合ってラップ部4
を形成している遮水テープ3と、その遮水テープ3の外
側に押出被覆して形成されたプラスチックシース5とか
ら成り、遮水テープ3とプラスチックシース5は互いに
熱融着して一体化しているシース下遮水ケーブルにおい
て、遮水テープ3は、内側から半導電性プラスチック層
3a,アルミニウム箔3b,および接着性プラスチック
層3eをこの順序で積層した構造のラミネートテープで
あり、ラップ部4で外側に位置する遮水テープの端面B
1と、内側に位置する遮水テープの外周面B3とのなす
角度θが120度以上の鈍角であるシース下遮水ケーブ
ル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシース下遮水ケーブ
ルに関し、更に詳しくは、長期信頼性の向上を実現した
安価なシース下遮水ケーブル、とりわけ、架橋ポリエチ
レン絶縁塩化ビニルシースケーブル(以下、CVケーブ
ルという)の遮水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧電力ケーブルとしてCVケーブルが
実用化されている。このCVケーブルの場合、課通電時
に絶縁体層の中に水トリーが発生すると、長期寿命特性
に悪影響の及ぶことが知られている。そのため、通常は
図3で示したような遮水構造をケーブルコアの外側に形
成し、外部環境からの水分の侵入を防止する処置が採ら
れている。
【0003】まず、ケーブルコア1は、図3で示したよ
うに、通常、導体1aの外側を被覆して内部半導電層1
b,架橋ポリエチレンから成る絶縁体層1c、および外
部半導体層1dが一体成形されることにより構成されて
いる。ここで、内部半導電層1b,外部半導電層1d
は、いずれも、エチレン系重合体に通常は所定量のカー
ボンブラックを分散せしめたコンパウンドから成る層で
あり、電界緩和のために設けられる。
【0004】ケーブルコア1の外周には、通常、半導電
性座床テープ層2a、金属遮蔽層2b、半導電性押えテ
ープ層2cがこの順序で設けられ、更にその外周に、前
記ケーブルコア1に外部から水分が侵入することを防止
するために、後述する遮水テープ3が縦添え包被され、
かつ周方向ではその一部を重ね合わせてラップ部4が形
成される。
【0005】このときに用いる遮水テープ3の端面は、
厚み方向と直角に切断した面になっているのが一般的で
ある。したがって、この遮水テープ3をケーブルコア1
の外側に縦添え包被して形成したラップ部4において
は、図3で示したように、ラップ部の外側に位置してい
る遮水テープ3の端面A1は、内側に位置している遮水
テープ3の外周面A2に対して略垂直に立ち上がる面に
なっている。
【0006】ついで、この遮水テープの外側に塩化ビニ
ル樹脂を押出被覆してシース5が形成される。この押出
被覆時の余熱で、遮水テープ3とシース5の間、および
ラップ部4の遮水テープの相互間が熱融着し、前記ラッ
プ部4がシース5の中に完全に埋設された状態の遮水構
造が形成される。ここで、遮水テープ3としては、図3
で示したように、金属箔3bの内側に半導電性プラスチ
ック層3aが形成され、金属箔3bの外側には接着性プ
ラスチック層3eが積層されている多層構造のラミネー
トテープ3が用いられている。
【0007】このラミネートテープ3において、金属箔
3bは外部から侵入する水分を遮断する遮水層であり、
半導電性プラスチック層3aは金属遮蔽層2bと金属箔
3bを同電位に保持するために設けられる。また、接着
性プラスチック層3eは、この遮水テープ3の上に押出
被覆して形成されるシース5との接着・一体化のためで
あると同時に、ラップ部4における遮水テープ相互間の
接着・一体化を目的にして設けられる層である。
【0008】なお、接着性プラスチック層3eには、シ
ース5との接着性が要求されるため、通常は、図3で示
したように、絶縁プラスチック層3cとその外側に位置
する接着剤層3dとから成る2層フィルムが用いられる
が、熱融着が可能でかつ絶縁性を備えている場合には、
単層フィルムを用いてもよい。そして、遮水層として機
能する金属箔3bとしては、その機械的特性が優れ、化
学的に極めて安定で腐食しにくいということから、通
常、鉛箔が使用されている。
【0009】しかしながら、鉛箔それ自体は高価であ
る。そのためそれを用いたラミネートテープも高価とな
り、ひいては製造した遮水CVケーブルも高価になって
しまうという問題がある。また近年では環境保全の立場
から、鉛の毒性が問題となっており、更に上記した鉛ラ
ミネートテープの資源再利用や、分別回収の困難さなど
の点が指摘されている。
【0010】このようなことから、最近では、鉛箔に代
えて、金属箔3bとしてアルミニウム箔を用いた遮水テ
ープと、それを適用して製造したシース下遮水ケーブル
の研究が進められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】鉛箔に代えてアルミニ
ウム箔を用いた遮水テープを適用した場合、アルミニウ
ム箔は鉛箔よりも安価であるため、遮水CVケーブルの
製造コストは低減する。しかしながら、その遮水テープ
を用いて製造した遮水CVケーブルの場合、遮水層であ
るアルミニウム箔の腐食が課通電時に進行し、鉛箔の遮
水テープを用いた遮水CVケーブルの場合に比べると、
長期信頼性が低下するということが指摘され、その改善
が強く要求されている。
【0012】本発明は、アルミラミネートテープである
遮水テープを用いて遮水構造を形成した遮水CVケーブ
ルにおける上記した問題を解決し、アルミニウム箔の腐
食の進行が抑制され、運転中、とくにケーブルが水没し
ているような場合における長期信頼性が向上したシース
下遮水ケーブル、とりわけシース下遮水CVケーブルの
提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために鋭意研究を重ねる過程で、本発明者らは遮水テー
プにおけるアルミニウム箔の腐食状態を観察した。その
結果、次のような事態が判明した。 1)腐食は液相の水分と接触しているアルミニウム箔の
部分で発生する; 2)図3で示した遮水構造において、遮水テープ3がシ
ース5と一体化している部分では腐食は起こっておら
ず、ラップ部4で上側に位置している遮水テープの端面
A1に表出しているアルミニウム箔3bの端面3Bにケ
ーブルの長手方向に延びる腐食が発生する場合がある;
ということである。また、従来の鉛箔を用いた遮水テー
プで製造したシース下遮水CVケーブルとアルミニウム
箔を用いた遮水テープで製造したシース下遮水CVケー
ブルにおけるラップ部4を観察したところ、次の事実が
判明した。
【0014】3)前者のシース下遮水CVケーブルのラ
ップ部4の端面A1(鉛)は比較的滑らかで、そこにシ
ース5が密着していて、上記端面A1(鉛)とシース5
の間には隙間がほとんど存在していない場合が多かった
が、これに反し、後者の遮水CVケーブルの場合は、ラ
ップ部4の端面A1(アルミニウム)には微小な隙間が
存在している場合が多い、ということである。
【0015】以上の観察結果に基づき、本発明者はアル
ミニウム箔の腐食のメカニズムに関して次のような考察
を行った。まず、アルミニウム箔は鉛箔に比べて塑性変
形しにくい材料であるので、この遮水テープ3でケーブ
ルコア1の外側を縦添え包被したのちその上にシース5
を押出被覆しても、当該遮水テープ3は径方向に広がろ
うとする。そのため、ラップ部4では外側に位置する遮
水テープの端面A1と押出被覆されたシース5の間に、
図4で示したように、微小な隙間Cがテープの長手方向
に沿って発生することがある。
【0016】そして、外部からシース5を透過してきた
水分はこの隙間Cで液相に転化してラップ部4の端面A
1と接触する。すなわち、液相の水分は端面A1に表出
しているアルミニウム箔3bの端面3Bと接触し、当該
アルミニウム箔3bを腐食させる。このとき、アルミニ
ウム箔3bの下に位置する半導電性プラスチック層3a
にはカーボンブラックのような導電材が混入されている
ので、この導電材とアルミニウム箔3bとの間に局部電
池が形成され、当該アルミニウム箔3bの腐食は一層加
速するものと考えられる。
【0017】なお、上記したラップ部4以外の箇所にお
けるアルミニウム箔では、その上に位置するシースを透
過する水分は分子レベルに拡散した状態で当該アルミニ
ウム箔に接触するので、アルミニウム箔の腐食は起こら
ない。以上の知見と考察に基づき、本発明者らは、アル
ミニウム箔を用いた遮水テープでシース下遮水CVケー
ブルを製造する場合、上記したラップ部4の端面A1に
液相水分が接触しないようにすることが、アルミニウム
箔の腐食防止、ひいてはシース下遮水CVケーブルの長
期信頼性の確保のために必要であると着想し、その着想
に基づいて鋭意研究を重ねることにより、本発明のシー
ス下遮水ケーブルとその製造方法を開発するに至った。
【0018】すなわち、本発明のシース下遮水ケーブル
は、ケーブルコアと、前記ケーブルコアの外側に縦添え
包被され、かつ周方向では一部が重なり合ってラップ部
を形成している遮水テープと、前記遮水テープの外側に
押出被覆して形成されたプラスチックシースとから成
り、前記遮水テープと前記プラスチックシースは互いに
熱融着して一体化しているシース下遮水ケーブルにおい
て、前記遮水テープは、内側から半導電性プラスチック
層,アルミニウム箔,および接着性プラスチック層をこ
の順序で積層した構造のラミネートテープであり、前記
ラップ部で外側に位置する遮水テープの端面と、内側に
位置する遮水テープの外周面とのなす角度が120度以
上の角度をなす鈍角であることを特徴とするシース下遮
水ケーブル(以下、第1ケーブルという)が提供され
る。
【0019】また、本発明においては、ケーブルコア
と、前記ケーブルコアの外側に縦添え包被され、かつ周
方向では一部が重なり合ってラップ部を形成している遮
水テープと、前記遮水テープの外側に押出被覆して形成
されたプラスチックシースとから成り、前記遮水テープ
と前記プラスチックシースは互いに熱融着して一体化し
ているシース下遮水ケーブルにおいて、前記遮水テープ
は、内側から半導電性プラスチック層,アルミニウム
箔,および接着性プラスチック層をこの順序で積層した
構造のラミネートテープであり、前記ラップ部には、外
側に位置する遮水テープの少なくとも端面を被覆する樹
脂層が形成されていることを特徴とするシース下遮水ケ
ーブル(以下、第2ケーブルという)が提供される。
【0020】また、本発明においては、ケーブルコアの
外側に、半導電性プラスチック層,アルミニウム箔,お
よび接着性プラスチック層をこの順序で積層した構造の
ラミネートフィルムから成る遮水テープを、その前記半
導電性プラスチック層側を内側にし、かつ前記遮水テー
プを一部重ね合わせてラップ部を形成しながら連続的に
たて添え包被したのちその外側にシース材料を押出被覆
する際に、形成されつつあるラップ部に、液状の接着剤
を連続的に滴下するか、または接着性もしくは熱融着性
の紐状テープを連続的に縦添え配置することを特徴とす
る前記第2ケーブルの製造方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】最初に、第1ケーブルを図1に基
づいて説明する。この第1ケーブルの場合、導体,内部
半導電層(いずれも図示しない),架橋ポリエチレンの
絶縁体層1c、および外部半導電層1dから成るケーブ
ルコア1の外側には、半導電性座床テープ層2a、金属
遮蔽層2b、半導電性押えテープ層2cがこの順序で設
けられ、更にその外側に、半導電性プラスチック層3
a,アルミニウム箔3b,および接着性プラスチック層
3eから成る多層構造のラミネートテープである遮水テ
ープ3がラップ部4を形成して配置され、更にこの遮水
テープ3の外側には塩化ビニル樹脂を押出被覆してシー
ス5が形成されている。
【0022】ここで、接着性プラスチック層3eには、
シース5との接着性が要求されるため、通常は、絶縁プ
ラスチック層3cとその外側に位置する接着剤層3dと
から成る2層フィルムを用いるが、熱融着が可能でかつ
絶縁性を備えている場合には、単層フィルムのまま用い
ることができる。そして、このシース5の形成時の余熱
で、遮水テープ3の接着剤層3dとシース5の間、更に
はラップ部4で内側に位置する遮水テープの接着剤層3
dと外側に位置する遮水テープの半導電性プラスチック
層3aの間は熱融着され、遮水テープ3とシース5とは
一体化した構造になっている。
【0023】この第1ケーブルでは、遮水テープのラッ
プ部4において、その外側に位置する遮水テープの端面
B1が、内側に位置する遮水テープの外周面B3に対し
て120度以上の角度θである鈍角になっている。端面
B1と外周面B3とで形成する角度θが上記したような
鈍角になっていると、端面B1と外周面B3とは滑らか
な連続面であるため、ここに塩化ビニル樹脂を押出被覆
したときに、塩化ビニル樹脂はこの滑らかな連続面に密
着しやすくなり、もって形成されたシース5と遮水テー
プの端面B1の間に隙間が生じにくくなる。すなわち、
端面B1に液相水分は発生しづらく、そのため端面B1
に表出しているアルミニウム箔3bの腐食は抑制される
ようになる。
【0024】この角度θが大きければ大きいほど、上記
した端面B1と外周面B3の連続面が滑らかになり、シ
ース5との隙間も形成されないようになるが、角度θが
大きいということは、ラップ部4の幅も広くなることで
あるため用いる遮水テープ3も広幅なものになってコス
ト上昇を招き、また切断により角度θが大きい端面を形
成することも実際問題としては難しいので、角度θの上
限は150度程度に設定すればよい。
【0025】次に第2ケーブルとその製造方法について
説明する。図2は、第2ケーブルのラップ部近辺を示す
断面図である。この第2ケーブルの場合、ラップ部4で
外側に位置している遮水テープの端面B2を被覆して後
述する樹脂層6が形成され、その樹脂層6を含めてラッ
プ部4がシース5の中に埋設された遮水構造になってい
る。
【0026】ここで、樹脂層6は、図2のように端面B
2の全体を被覆して形成されていることが好適である
が、端面B2から表出しているアルミニウム箔3bの端
面のみを被覆して形成されていてもよい。この第2ケー
ブルは次のようにして製造することができる。まず、連
続的に供給されてくるケーブルコア1の外側(半導電性
押えテープ層2cの外周)の長手方向に遮水テープが連
続的に縦添え包被され、その一部を重ね合わせてラップ
部4が連続的に形成される。
【0027】そして、形成されていくラップ部4におい
て、外側に位置する遮水テープと内側に位置する遮水テ
ープとの境界部付近に、液状の接着剤を連続的に滴下し
て少なくともアルミニウム箔の表出端面を連続的に被覆
していく。または上記境界部付近に接着性または熱融着
性を有する紐状テープを連続的に縦添え配置していく。
【0028】接着剤の滴下または前記紐状テープの縦添
え配置後、つぎに、遮水テープの上に塩化ビニルを連続
的に押出被覆する。このときの余熱で、滴下した接着剤
は、熱硬化もしくは熱融着し、ラップ部4の端面B2を
被覆して長手方向に延びる樹脂層6に転化し、また上記
紐状テープも、ラップ部4の端面B2に接着または熱融
着して長手方向に延びる樹脂層6に転化する。
【0029】この第2ケーブルの場合、形成されていく
ラップ部4の外側に位置する遮水テープの端面B2に樹
脂層6が連続的に密着形成されていくので、端面B2の
アルミニウム箔3bとシース5の間に隙間は形成され
ず、当該アルミニウム箔3bが液相水分と接触する可能
性を確実に消すことができる。この第2ケーブルの製造
に用いる遮水テープ3の端面B2は、ラップ部4で内側
に位置する遮水テープの外周面B3に対して垂直な面
(図2の場合)であってもよいが、できれば若干の鈍角
になっている方が好ましい。接着剤の滴下や紐状テープ
の縦添え配置の作業が行いやすいからである。
【0030】また、図1で示した第1ケーブルにおける
端面B1に対し、第2ケーブルの場合のような樹脂層6
を形成すると、遮水テープにおけるアルミニウム箔3b
の腐食を略完全に防止することができ、とくにケーブル
が水没しているような場合でも、ケーブルとしての長期
信頼性を格段に高めることができて好適である。
【0031】
【実施例】実施例1 次のようにして第1ケーブルを製造した。厚み50μm
のアルミニウム箔3bの内側に、ポリエチレンとエチレ
ンビニルアセテート共重合体とカーボンブラックのコン
パウンドから成る厚み100μmの半導電性プラスチッ
ク層3aが形成され、外側に50μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)から成る絶縁プラスチック層3
cが形成され、更にその上に変性ポリオレフィン(住友
化学工業(株)性のボンドファスト)から成る厚み50
μmの接着剤層3dが形成されている合計厚み250μ
mの遮水テープ3を用意した。
【0032】半導電性押えテープ層2cが形成されてい
るケーブルコア1の外側に上記遮水テープ3を縦添え包
被して幅20mmのラップ部4を形成したのち、その上に
塩化ビニル樹脂を押出被覆してシース5を形成し、77
KV2000mm2のシース下遮水CVケーブルを製造し
た。このとき、ケーブルの製造長を200mとし、用い
る遮水テープ3に関しては、前半の100m部分の端面
は通常の垂直切断の面とし、後半の100m部分の端面
B1は、ラップ部4で角度θが135度となるような切
断面とした。
【0033】製造したケーブルを2.5m毎に切断して
断面観察を行った。遮水テープの前半100mの部分に
おける39箇所の切断面では、ラップ部4の外側に位置
する遮水テープの端面とシース5の間には、8個の微小
隙間が認められた。しかし、実施例である遮水テープの
後半100mの部分における切断面では、端面B1とシ
ース5の間には隙間は存在せず両者は密着していること
が確認された。
【0034】次に、両端を密封した第1ケーブルの5m
を温度60℃の温水に6ヶ月間浸漬したのち解体し、ラ
ップ部を観察した。ラップ部4の全長に亘り、端面B1
とシース5の間に隙間はなく、アルミニウム箔の腐食や
液相水分の残留は全く認められなかった。
【0035】実施例2〜4,比較例1,2 次のようにして第2ケーブルを製造した。実施例1で用
いた層構造の遮水テープの長さ20m毎に、ラップ部を
形成したときにその外側の遮水テープの端面B2と内側
の遮水テープの外周面B3の間に形成される角度θが表
1で示した値となるような切断面を形成した。
【0036】半導電性押えテープ層2cが形成されてい
るケーブルコアの外側に上記遮水テープを縦添え包被し
て幅20mmのラップ部を形成し、更にそこに変性ポリオ
レフィン(住友化学工業(株)製のボンドファスト)か
ら成る接着剤を溶融滴下し、その後、その上に塩化ビニ
ル樹脂を押出被覆してシース5を形成して端面B2が樹
脂層6で被覆されているケーブルを製造した。得られた
ケーブルを切断してその切断面を観察した。切断は、表
1の角度θの部分(20m)につき50cm毎の39箇所
で行った。その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、ラップ部におけ
る角度θが120度以上でしかもそこに樹脂層を形成す
ると、遮水テープの端面は確実に樹脂層で密着・被覆さ
れ、アルミニウム箔の腐食を進める場である隙間は全く
形成されなくなる。
【0039】実施例5 実施例1のケーブルの製造時に、遮水テープを縦添え包
被してラップ部を形成しながら、そのラップ部の箇所
に、幅8mm,厚み0.15mmの変性ポリオレフィン(住
友化学工業(株)製のボンドファスト)から成る接着テ
ープを縦添え配置しながらシースを形成した。
【0040】得られたケーブルにつき実施例1と同じ態
様で切断し、その切断面を観察した。その結果、遮水テ
ープの前半100mの部分(垂直切断面)でも、また後
半100mの部分(端面B1が130度になるような切
断面)でも、ラップ部では、遮水テープ相互間,外側遮
水テープの端面と接着テープの間,外側遮水テープとシ
ースの間,接着テープとシースの間はいずれも密着して
熱融着しており、隙間は全く認められなかった。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
シース下遮水ケーブルは、遮水テープの金属箔が鉛箔に
比べて安価なアルミニウム箔で形成されているので安価
に製造できるとともに、アルミニウム箔の腐食を防止す
る遮水構造を備えているので課通電時における長期信頼
性が高い。
【0042】これは、遮水テープのラップ部の端面に、
外部から侵入する水分の液相が発生しないように、当該
端面における微小隙間を生じさせないようにしたことの
もたらす効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1ケーブルのラップ部近辺の断面構
造を示す断面図である。
【図2】本発明の第2ケーブルのラップ部近辺の断面構
造を示す断面図である。
【図3】従来のケーブルのラップ部近辺の断面構造を示
す断面図である。
【図4】従来のラップ部における遮水テープの重なり部
分を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ケーブルコア 1a 導体 1b 内部半導電層 1c 絶縁体層 1d 外部半導電層 2a 半導電性座床テープ層 2b 金属遮蔽層 2c 半導電性押えテープ層 3 遮水テープ(ラミネートテープ) 3a 半導電性プラスチック層 3b 金属箔(アルミニウム箔) 3B 金属箔3bの端面 3c 絶縁プラスチック層 3d 接着剤層 3e 接着性プラスチック層 4 ラップ部 5 シース 6 樹脂層 A1,B1,B2 ラップ部4で外側に位置する遮水テ
ープ3の端面 A2,B3 ラップ部4で外側に位置する遮水テープの
外周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 鉄男 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 田辺 輝義 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 舘野 祐二 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 石井 登 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーブルコアと、前記ケーブルコアの外
    側に縦添え包被され、かつ周方向では一部が重なり合っ
    てラップ部を形成している遮水テープと、前記遮水テー
    プの外側に押出被覆して形成されたプラスチックシース
    とから成り、前記遮水テープと前記プラスチックシース
    は互いに熱融着して一体化しているシース下遮水ケーブ
    ルにおいて、 前記遮水テープは、内側から半導電性プラスチック層,
    アルミニウム箔,および接着性プラスチック層をこの順
    序で積層した構造のラミネートテープであり、 前記ラップ部で外側に位置する遮水テープの端面と、内
    側に位置する遮水テープの外周面とのなす角度が120
    度以上の鈍角であることを特徴とするシース下遮水ケー
    ブル。
  2. 【請求項2】 ケーブルコアと、前記ケーブルコアの外
    側に縦添え包被され、かつ周方向では一部が重なり合っ
    てラップ部を形成している遮水テープと、前記遮水テー
    プの外側に押出被覆して形成されたプラスチックシース
    とから成り、前記遮水テープと前記プラスチックシース
    は互いに熱融着して一体化しているシース下遮水ケーブ
    ルにおいて、 前記遮水テープは、内側から半導電性プラスチック層,
    アルミニウム箔,接着性プラスチック層をこの順序で積
    層した構造のラミネートテープであり、 前記ラップ部には、外側に位置する遮水テープの少なく
    とも端面を被覆する樹脂層が形成されていることを特徴
    とするシース下遮水ケーブル。
  3. 【請求項3】 ケーブルコアの外側に、半導電性プラス
    チック層,アルミニウム箔,および接着性プラスチック
    層をこの順序で積層した構造のラミネートフィルムから
    成る遮水テープを、その前記半導電性プラスチック層側
    を内側にし、かつ前記遮水テープを一部重ね合わせてラ
    ップ部を形成しながら連続的にたて添え包被したのちそ
    の外側にシース材料を押出被覆する際に、形成されつつ
    あるラップ部に、液状の接着剤を連続的に滴下するか、
    または接着性もしくは熱融着性の紐状テープを連続的に
    縦添え配置することを特徴とするシース下遮水ケーブル
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008071641A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Tokyo Electric Power Co Inc:The ゴム又はプラスチック絶縁電力ケーブル

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