JP2000227435A - 電子装置の表面信号操作用プローブ及びその製造方法 - Google Patents

電子装置の表面信号操作用プローブ及びその製造方法

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JP2000227435A JP11116939A JP11693999A JP2000227435A JP 2000227435 A JP2000227435 A JP 2000227435A JP 11116939 A JP11116939 A JP 11116939A JP 11693999 A JP11693999 A JP 11693999A JP 2000227435 A JP2000227435 A JP 2000227435A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 走査型プローブ顕微鏡に使用できる高分解能
で高剛性・高曲げ弾性のプローブを実現し、高分解能の
表面原子像を撮像する。また、高密度の磁気情報処理装
置に使用できる高精度の入出力用プローブを実現する。 【解決手段】 電子装置の表面信号操作用プローブは、
ナノチューブ24と、このナノチューブ24を保持する
ホルダー2aと、ナノチューブ24の先端部24aを突
出させた状態でその基端部24bをホルダー面に固着さ
せる固定手段から構成され、ナノチューブ24の先端部
24aを探針として使用する。また、固定手段の一例と
してコーティング膜29を形成する。中間部24cにも
コーティング膜を形成すると、探針強度と分解能が増加
する。ナノチューブにはカーボンナノチューブ(CN
T)、BCN系ナノチューブ、BN系ナノチューブ等の
一般のナノチューブを使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーボンナノチュー
ブ、BCN系ナノチューブ、BN系ナノチューブ等のナ
ノチューブを探針として使用する電子装置の表面信号操
作用プローブに関し、更に詳細には、ナノチューブをホ
ルダーに固着させる具体的方法を実現して、例えば、試
料表面の物理的・化学的作用を検出して試料表面像を撮
像する走査型プローブ顕微鏡の探針として用いたり、磁
気ディスク装置の入出力用探針として用いることの出来
る電子装置の表面信号操作用プローブ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料表面を高倍率に観察する顕微
鏡として電子顕微鏡があったが、真空中でなければ電子
ビームが飛ばないために実験技術上で種々の問題があっ
た。ところが、近年、大気中でも表面を原子レベルで観
察できる走査型プローブ顕微鏡と云う顕微鏡技術が開発
されるに到った。プローブの最先端にある探針を試料表
面に原子サイズで極微接近させると、個々の試料原子か
らの物理的・化学的作用を探針で検出し、探針を表面上
に走査させながら検出信号から試料表面像を現出させる
顕微鏡である。
【0003】その最初のものは走査型トンネル顕微鏡
(STMとも略称する)で、先端の先鋭な探針を試料表
面からの引力を感知する距離、例えば約1nm(引力領
域)まで接近させると、試料原子と探針間にトンネル電
流が流れ出す。試料表面には原子レベルで凹凸があるか
ら、トンネル電流が一定になるように探針を遠近させな
がら、探針を試料表面に対し走査させる。探針の遠近信
号が表面の凹凸に対応するので、試料表面像を原子レベ
ルで撮像できる装置である。その弱点は、分解能を上げ
るために、導電性材料からなる探針の先端を先鋭化しな
ければならない点である。
【0004】STMの探針は、白金、白金イリジウム、
タングステンなどの線材を先鋭化処理して形成される。
先鋭化処理には機械的研磨法と電解研磨法が用いられ
る。例えば、白金イリジウムは工具のニッパで切断する
だけで鋭い破断面が得られる。しかし、再現性が不確定
であるだけでなく、その先端曲率半径は100nm前後
と大きく、凹凸のある試料表面の鮮明な原子像を得るに
は不十分である。
【0005】電解研磨法はタングステン探針に利用され
る。図19は電解研磨装置の概略図である。白金電極8
0と探針となるタングステン電極81を交流電源82に
接続して亜硝酸ナトリウム水溶液83中に吊り下げる。
タングステン電極81は電流が流れるにつれて次第に溶
液中で溶解され、先端が針状に仕上がる。研磨終了時に
は先端が液面から離れ、図20に示すタングステン探針
84が完成する。しかし、このタングステン探針でも先
端曲率半径は100nm程度で、数原子以上の凹凸を鮮
明に撮像することは出来ない。
【0006】次に開発された走査型プローブ顕微鏡は原
子間力顕微鏡(AFMと略称する)である。STMでは
トンネル電流を流すために探針及び試料が原則として導
電体でなければならない。そこで、非導電性物質の表面
を見るためにAFMが開発された。この装置では図21
に示すカンチレバー85が用いられる。このカンチレバ
ー85の後方はサブストレート86に固定され、前方に
はピラミッド状の探針87が形成されている。探針の先
端には先鋭化処理により先鋭部88が形成される。サブ
ストレート86は走査駆動部に装着される。先鋭部88
を試料表面に3A(0.3nm)位まで接近させると、
試料原子から斥力を受ける状態になる。この状態で探針
を試料表面に沿って走査すると、表面の凹凸に応じて前
記斥力により探針87が上下変動し、カンチレバー85
が「てこ」のようにそれに応じて撓む。この撓みをカン
チレバー85の背面に照射されたレーザービームの反射
角度のずれにより検出して表面像を現出させるものであ
る。
【0007】図22は、前記探針の半導体プレーナ技術
による製造工程図である。シリコンウェハ89の両面に
酸化膜90を形成し、その一部にリソグラフィーとエッ
チングで凹部91を作り、その部分も酸化膜92で被覆
する。酸化膜90、92を窒素処理によりSi
93に変化させ、裏面全体および一部をエッチングして
切断部94を作る。一方、ガラス95に大凹部96を形
成し、前記Si膜93上に陽極接合させる。この
後、ガラス部97をカットし、シリコン部98をエッチ
ング除去して、レーザー反射用の金膜99を形成する
と、目的の探針が出来上がる。即ち、カンチレバー8
5、サブストレート86、探針87および先鋭部88が
完成する。
【0008】このプレーナ技術は量産に向いているが、
先鋭部88をどこまで先鋭化できるかが問題である。結
局凹部91の先端を鋭利にエッチング処理するか、又は
探針87の先端をエッチングして鋭利化することにな
る。しかし、これらのエッチング処理でも、先鋭部88
の先端曲率半径を10nmより小さくすることは困難で
あった。試料表面の凹凸は原子サイズであり、これを鮮
明に映像化するには10nm以下にする必要があるが、
この技術では達成することは不可能であった。
【0009】人工研磨やプレーナ技術が無理となれば、
プローブの決め手となる探針に何を用いるかが重要な問
題になる。一つはウィスカー(ひげ結晶)を用いる方向
である。実際、酸化亜鉛ウィスカーが探針として利用さ
れた。プレーナ技術によるピラミッド探針よりも、ウィ
スカー探針は先端角や先端曲率が小さいためにシャープ
な映像が得られる。しかし、ウィスカーの製造法が確立
しておらず、同時にSTM用の導電性ウィスカーを作る
ことはまだ試されていない。また、断面直径が10nm
以下の望まれるウィスカーはまだ得られていない現状で
ある。また、これらの探針は試料表面との強い接触で容
易に壊れたり、通常の使用状態でもすぐに摩耗して使用
不能になるなど問題が多かった。
【0010】そこで、近年になってカーボンナノチュー
ブを探針に利用しようとするアイデアが出現した。カー
ボンナノチューブは導電性であるため、AFMにもST
Mにも利用することが出来る。J.Am.Chem.S
oc.120巻(1998年)603頁に、生物システ
ムを映像化する高分解能プローブとしてカーボンナノチ
ューブ探針が提案されている。しかし、一番重要な点、
即ちカーボン混合物中からカーボンナノチューブだけを
どのように収集するか、どのようにしてホルダーにカー
ボンナノチューブを固定するのかについては全く未解決
である。この文献においても、たまたまカーボンナノチ
ューブがホルダーに付着したものをAFMに利用してい
るに過ぎないのである。また、カーボンナノチューブ以
外に、ナノチューブとしてBCN系ナノチューブやBN
系ナノチューブが開発されているが、これらのナノチュ
ーブの利用法については全く未知の領域であった。
【0011】また話は変わるが、近年、コンピュータの
メモリ容量が増大するにつれ、メモリ装置がフロッピー
ディスク装置からハードディスク装置へ、更に高密度デ
ィスク装置へと進化しつつある。小さな空間により高密
度に情報を詰め込むと、1情報当たりのサイズが小さく
なるため、その入出力用の探針もより微細なものが必要
になってくる。従来の磁気ヘッド装置では一定以上に小
さくすることは不可能であり、高密度化への動向に対し
限界が生じていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、探針
を先鋭化する系統的な従来技術は、金属線材の電解研磨
加工や半導体のリソグラフィーとエッチング処理であ
る。しかし、これらの処理では探針の先端曲率半径を1
00nm程度にしか先鋭化できないので、試料表面の数
原子以上の凹凸を鮮明に映像化することはとても困難で
あった。また、金属線材をニッパなどの工具で機械的に
切断して得られる先鋭度も凹凸像を鮮明に捉えるには不
十分であった。ウィスカーもまだ不確定な技術であり、
カーボンナノチューブ等のナノチューブ探針に到って
は、今後の課題であった。また、従来の磁気ヘッド装置
もサイズ的には限界に近づいていた。
【0013】従って、本発明が目的とするものは、ナノ
チューブを表面信号操作用の探針として利用することを
提案し、ナノチューブ探針のプローブの具体的構造とそ
の製造方法を確立することである。このナノチューブ探
針が、探針走査時に原子凸部に当たっても簡単に破損し
たりしない探針であること、その時に探針がホルダーか
ら外れないように探針をホルダーに強固に固定できるこ
と、更に探針を安価に量産できることを示すことであ
る。また、従来高分解能の観察が不可能だった生体試料
を鮮明に観察できる事を示すことである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を達成
するためになされたものであり、本発明に係る電子装置
の表面信号操作用プローブは、ナノチューブと、このナ
ノチューブを保持するホルダーと、前記ナノチューブの
先端部を突出させた状態でその基端部をホルダー面に固
着させる固定手段から構成され、前記先端部を探針とし
て表面信号を操作する点に特徴を有する。前記固定手段
がコーティング膜であり、このコーティング膜により前
記基端部を含む所要領域を被覆してナノチューブをホル
ダーに固着させる表面信号操作用プローブを提案する。
また、複数本のナノチューブを束ね、しかもその中の1
本を一番前方に突出させたNT束を形成し、このNT束
を前記ナノチューブとしてホルダーに固着させた表面信
号操作用プローブを提案する。同時に、ナノチューブの
先端部のうち基端部に近い中間部にも補強用のコーティ
ング膜を形成した表面信号操作用プローブを提案する。
【0015】前記電子装置が走査型プローブ顕微鏡であ
り、前記ナノチューブが探針として試料表面の物理的・
化学的作用を検出する表面信号操作用プローブを提案す
る。この走査型プローブ顕微鏡には、走査型トンネル顕
微鏡や原子間力顕微鏡などが含まれている。また、前記
電子装置が磁気情報処理装置であり、前記ナノチューブ
により磁気記録媒体に対し磁気情報を入出力する表面信
号操作用プローブを提案する。更に、前記ナノチューブ
がカーボンナノチューブ、BCN系ナノチューブまたは
BN系ナノチューブである表面信号操作用プローブを提
案する。
【0016】このプローブの製造方法として、探針とな
るナノチューブを分散させた電気泳動液内の電極間に電
圧を印加して電極にナノチューブを突出状に付着させる
第1工程と、このナノチューブを突出状に付着させた電
極とホルダーを極微接近させ、ナノチューブの先端部が
突出した状態でその基端部がホルダー面に付着するよう
にナノチューブをホルダーに転移させる第2工程と、ホ
ルダー面に付着したナノチューブの基端部領域を含む所
要領域をコーティング処理してこのコーティング膜によ
りナノチューブをホルダーに固着させる第3工程からな
る電子装置の表面信号操作用プローブの製法を提案す
る。
【0017】前記第2工程を走査型電子顕微鏡内で実観
察しながら操作し、必要な場合には電極とホルダー間に
電圧を印加してナノチューブの転移を促進させるプロー
ブの製法を提案する。複数本のナノチューブを束ね、し
かもその中の1本を一番前方に突出させたNT束を形成
し、このNT束を前記ナノチューブとしてホルダーに固
着させた上記の表面信号操作用プローブの製法を提案す
る。更に、前記ナノチューブがカーボンナノチューブ、
BCN系ナノチューブまたはBN系ナノチューブである
表面信号操作用プローブの製法を提案する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明における電子装置とは、表
面信号を操作するプローブを用いた電子装置を云う。例
えば、走査型プローブ顕微鏡は本電子装置に含まれ、こ
れはプローブを用いて試料の表面原子配列を撮像する装
置である。また、磁気情報処理装置も本電子装置に含ま
れ、例えばハードディスクなどの磁気ディスク装置は磁
気ヘッドをプローブとして、磁気情報を入出力してい
る。従って、この発明の表面信号操作用プローブは、相
手表面の状態や信号を検出するだけでなく、相手表面と
の間に信号をやりとりする場合も含んでいる。以下に
は、本発明における電子装置として、主に走査型プロー
ブ顕微鏡を取り上げて本発明を詳しく説明する。
【0019】走査型プローブ顕微鏡とは、プローブの探
針により試料表面の原子から受ける物理的・化学的作用
を検出し、探針を表面上に走査させながら検出信号から
試料表面像を現出させる顕微鏡のことである。探針は物
理的・化学的作用を検出するセンサーであり、プローブ
はその探針を取り付けたものを云う。プローブの構造は
検出する物理的・化学的作用、即ち顕微鏡の種類毎に異
なるが、共通するものは、微小な探針とこの探針を一体
に固着した探針ホルダーである。本発明では探針として
ナノチューブを用いる。
【0020】走査型プローブ顕微鏡には、トンネル電流
を検出する走査型トンネル顕微鏡(STM)、ファンデ
ルワールス力で表面凹凸を検出する原子間力顕微鏡(A
FM)、表面の違いを摩擦力で検出する水平力顕微鏡
(LFM)、磁性探針と試料面の磁界領域間の磁性相互
作用を検出する磁気力顕微鏡(MFM)、試料と探針間
に電圧を印加して電界力勾配を検出する電界力顕微鏡
(EFM)、化学官能基の表面分布を画像化する化学力
顕微鏡(CFM)等がある。これらの顕微鏡はその特有
の物理的・化学的作用を探針で検出して表面の原子配置
を撮像しようとする点で共通する。
【0021】図1は本発明が適用される走査型トンネル
顕微鏡(STM)の構成図である。ナノチューブ探針1
はホルダー2aに固着されて検出用のプローブ2とな
る。固着法は後述する。このホルダー2aをホルダーセ
ット部3の切り溝3aに嵌合してバネ圧で着脱自在に固
定する。Xピエゾ4x、Yピエゾ4y、Zピエゾ4zか
らなる走査駆動部4はホルダーセット部3をXYZの3
次元方向に伸縮走査してナノチューブ探針1の試料5に
対する走査を実現する。6はバイアス電源、7はトンネ
ル電流検出回路、8はZ軸制御回路、9はSTM表示装
置、10はXY走査回路である。
【0022】各XY位置においてトンネル電流が一定に
なるようにZ軸制御回路でナノチューブ探針1をZ方向
に伸縮制御し、この移動量がZ軸方向の凹凸量になる。
ナノチューブ探針1をXY走査するに従いSTM表示装
置に試料5の表面原子像が表示される。本発明ではナノ
チューブ探針1を交換する場合には、ホルダー2aをホ
ルダーセット部3から取り外してプローブ2として一体
で交換する。
【0023】図2は原子間力顕微鏡(AFM)の構成図
で、ナノチューブ探針1はカンチレバー2bの先端にあ
る直角三角形状ピラピッドのホルダー2aに固着され、
試料5に垂直に当接して正確に試料信号を読み取る。カ
ンチレバー2bはサブストレート2cに固定され、図示
しないホルダーセット部に着脱自在に固定される。この
形式では、ナノチューブ探針1、ホルダー2a、カンチ
レバー2bおよびサブストレート2cが一体としてプロ
ーブ2を構成して、探針の交換時にはプローブ2の全体
が交換される。例えば、図20に示す従来のピラミッド
状の探針87をホルダー2aとして活用すれば、これに
ナノチューブ探針を後述する方法で固着すればよい。試
料5はピエゾ素子からなる走査駆動部4によりXYZ方
向に駆動される。11は半導体レーザー装置、12は反
射ミラー、13は二分割光検出器、14はXYZ走査回
路、15はAFM表示装置、16はZ軸検出回路であ
る。
【0024】試料5をナノチューブ探針1に対し所定の
斥力位置になるまでZ軸方向に接近させ、その後、Z位
置を固定した状態で走査回路14で走査駆動部4をXY
方向に走査する。このとき、表面原子の凹凸でカンチレ
バー2bが撓み、反射したレーザービームLBが二分割
光検出器13に位置変位して入射する。上下の検出器1
3a、13bの光検出量の差からZ軸方向の変位量をZ
軸検出回路16で算出し、この変位量を原子の凹凸量と
してAFM表示装置15に表面原子像を表示する。この
装置では、試料5をXYZ走査する構成にしているが、
探針側、即ちプローブ2をXYZ走査しても構わない。
また、ナノチューブ探針1が試料5の表面を軽く叩くよ
うに振動させてもよい。
【0025】図1および図2に示されたナノチューブ探
針1はカーボンナノチューブ、BCN系ナノチューブ、
BN系ナノチューブ等のナノチューブそのものである。
その中でもカーボンナノチューブ(以下、CNTとも称
する)が最初に発見された。従来、カーボンの安定な同
素体としてダイヤモンド、グラファイトおよび非晶質カ
ーボンが知られており、それらの構造もX線解析等によ
りほとんど決定された状態にあった。ところが、198
5年にグラファイトを高エネルギーレーザーで照射して
得られた蒸気冷却物の中に、炭素原子がサッカーボール
状に配列したフラーレンが発見され、C60で表記され
ることになった。更に、1991年には直流アーク放電
によって生成される陰極堆積物の中に、炭素原子が筒状
に配列したカーボンナノチューブが発見されるに至っ
た。
【0026】このカーボンナノチューブの発見に基づい
てBCN系ナノチューブが合成された。例えば、非晶質
ホウ素とグラファイトの混合粉末をグラファイト棒に詰
め込み、窒素ガス中で蒸発させる。また、焼結BN棒を
グラファイト棒に詰め込み、ヘリウムガス中で蒸発させ
る。更に、BCNを陽極、グラファイトを陰極にして
ヘリウムガス中でアーク放電させる。これらの方法でカ
ーボンナノチューブ中のC原子が一部B原子とN原子に
置換されたBCN系ナノチューブが合成されたり、BN
層とC層が同心状に積層した多層ナノチューブが合成さ
れた。
【0027】またごく最近では、BN系ナノチューブが
合成された。これはC原子をほとんど含有しないナノチ
ューブである。例えば、カーボンナノチューブとB
粉末をるつぼの中に入れて窒素ガス中で加熱する。こ
の結果、カーボンナノチューブ中のC原子のほとんどが
B原子とN原子に置換されたBN系ナノチューブに変換
できる。従って、本発明のナノチューブとしては、カー
ボンナノチューブのみならず、BCN系ナノチューブや
BN系ナノチューブ等の一般のナノチューブが利用でき
る。
【0028】これらのナノチューブはカーボンナノチュ
ーブとほぼ同様の物質構造をとっているから、構造説明
はカーボンナノチューブを例にして以下に述べる。カー
ボンナノチューブ(CNT)は、直径が約1nm〜数十
nmで長さが数μmの擬一次元的構造を有する円筒状炭
素物質であり、透過型電子顕微鏡写真から図3に示すよ
うな各種の形状のものが確認されている。(a)は先端
が多面体で閉じており、(b)は先端が開いており、
(c)は先端が円錐形で閉じており、(d)は先端がく
ちばし形で閉じている。この他に半ドーナツ型のものが
存在することも知られている。
【0029】カーボンナノチューブの原子配列は、グラ
ファイトシートをずらせて丸めたラセン構造を持つ円筒
であることが分かっている。CNTの円筒の端面を閉じ
るためには、五員環を6個ずつ入れればよいことが分か
る。図3のように先端形状が多様であるのは、五員環の
配置の仕方が多様であることと相応している。図4はカ
ーボンナノチューブの先端構造の一例を示しており、五
員環の周りに六員環が配置されることによって平面から
曲面に変化し、先端が閉じた構造になっていることが分
かる。丸は炭素原子で、実線部分が表側を示し、点線部
分が裏側に対応している。五員環の配置方式には各種あ
るため、先端構造の多様性が出現する。
【0030】カーボンナノチューブのみならず一般のナ
ノチューブがこのようなチューブ構造をしているため
に、ナノチューブは中心軸方向や曲げ方向への剛性が極
めて強く、グラファイト等と同様に化学的・熱的に極め
て安定である。従って、探針として利用したとき、走査
時に表面の原子凸部と衝突しても破断し難い。また、断
面直径は前述したように約1nmから数十nmに分布し
ているから、曲率半径の小さなナノチューブを選択すれ
ば、原子レベルでの微細構造を鮮明に撮像できる探針と
して最も適切な材料となる。しかも、導電性を有してい
るから、AFM用探針としてだけでなく、STM用探針
としても活用できる。更に、折れにくいことから水平力
顕微鏡など他の走査型プローブ顕微鏡の探針としても利
用できる。
【0031】ナノチューブの中でも製法が簡単なために
安価な大量生産に向いているのはカーボンナノチューブ
である。カーボンナノチューブはアーク放電の陰極堆積
物中に生成されることが分かっている。また、アーク放
電法を改良して陽極中に触媒金属を混入させると、単層
のカーボンナノチューブが得られることも分かってき
た。アーク放電法以外でも、ニッケルやコバルト等の触
媒金属微粒子を基材としたCVD法でもカーボンナノチ
ューブが合成できる。更に、触媒金属を混入させたグラ
ファイトに高温下で高出力レーザー光を照射すると単層
カーボンナノチューブが合成できることも分かってい
る。また、これらのカーボンナノチューブには金属を内
包したものが存在することも分かってきた。また、前述
したように、BCN系ナノチューブやBN系ナノチュー
ブ等もアーク放電法やるつぼ加熱法などで安価に製造で
きることが分かってきたし、ナノチューブの中に金属原
子を内包させる技術も開発されつつある。
【0032】しかし、例えばカーボンナノチューブの製
造過程では、カーボンナノチューブだけが単体で生成さ
れるのではなく、大量のカーボンナノ粒子(以下、CP
とも略称する)と混合して生成されることが分かってい
る。従って、この混合物からCNTを如何に高密度に回
収できるかが本発明の前提となる。
【0033】この点に関し、本発明者等は特願平10−
280431号において、電気泳動法によるCNTの精
製方法と精製装置を既に提案している。電気泳動液中に
カーボン混合物を分散させ、直流電圧又は交流電圧を印
加するとCNTを精製することができる。直流電圧を印
加すると、陰極にCNTが直列状に配列する。交流電圧
を印加すると、不均一電場の形成によって陰極及び陽極
の両者にCNTが直列状に配列する。CPの電気移動度
はCNTよりも小さいため、この差を利用した電気泳動
法によりCNTの精製が可能となった。この電気泳動法
はカーボンナノチューブのみならず、BCN系ナノチュ
ーブやBN系ナノチューブでも精製に利用できることが
確認できた。
【0034】この電気泳動法は本発明の実施においても
利用される。つまり、上記方法により精製回収されたナ
ノチューブを別の清浄な電気泳動液中に分散させる。こ
の中にナイフエッジ等の金属板を電極として対向配置さ
せ、これに直流電圧を印加すると、陰極にナノチューブ
が直交状に付着するのである。交流電圧の場合には不均
一電場を形成するように電極を配置すると、両極にナノ
チューブが直交状に付着する。この付着した電極を本発
明の製造工程に利用する。勿論、ナノチューブをナイフ
エッジ状の金属板に付着させる他の方法を用いても構わ
ない。
【0035】前記電気泳動液としてはナノチューブを分
散でき、ナノチューブが電気泳動するものなら何でも利
用できる。即ち、溶媒は分散液であると同時に泳動液で
もある。この溶媒としては、水性溶媒や有機溶媒あるい
はそれらの混合溶媒が利用でき、例えば水、酸性溶液、
アルカリ性溶液、アルコール、エーテル、石油エーテ
ル、ベンゼン、酢酸エチル、クロロホルム等公知の溶媒
が利用できる。より具体的には、イソプロピルアルコー
ル(IPA)、エチルアルコール、アセトン、トルエン
等の汎用の有機溶媒が利用できる。例えば、IPAの場
合には電気泳動のイオン種としてカルボキシル基を有し
ている。このように、溶媒としてはナノチューブの電気
泳動性能や分散性能、分散の安定性や安全性等を総合的
に考慮して選択すればよい。
【0036】図5に直流電気泳動法の一例としてCNT
の場合を示す。CNTを分散させた電気泳動液20をガ
ラス基板21のホール内に溜める。液の中にナイフエッ
ジ22、23を対向配置させ、直流電源18を印加す
る。電気泳動液の中には、肉眼には見えないが極めて小
さなカーボンナノチューブ(CNT)が無数に存在す
る。このCNTが陰極のナイフエッジ22の先端縁22
aに直交状に付着してくる。このことは電子顕微鏡で確
認できる。この装置では、両電極間にナイフエッジ平面
に対し直交する方向に電気力線が湾曲した不均一電場を
形成しているが、均一電場を形成しても直流電気泳動装
置として利用できる。不均一電場では泳動速度が一定で
ないだけで、電気泳動が可能だからである。
【0037】図6に交流電気泳動法の一例としてCNT
の場合を示す。CNTを分散させた電気泳動液20をガ
ラス基板21のホール内に溜める。液中にナイフエッジ
22、23を対向配置させ、交流電源19を増幅器26
を介して印加する。両極間には図5と同様の不均一電場
が作用する。意図的に不均一電場を構成しなくても、実
際には局所的な不均一電場が形成されるので、電気泳動
が実現できる。この図では5MHz、90Vの交流を印
加している。両電極のナイフエッジの先端縁22a、2
3aにCNTが直交状に付着する。
【0038】図7はナイフエッジ23の先端縁23aに
ナノチューブ24が付着した状態の概念図である。ナノ
チューブ24は先端縁23aにほぼ直交状に付着してい
るが、斜交しているものもある。また複数のナノチュー
ブが寄り集まって束状に付着している場合もあり、これ
をNT束25(ナノチューブ束と云ってもよい)と称す
る。ナノチューブの曲率半径は約1nmから数十nmに
まで分布している。この中で、余りに細いナノチューブ
を探針として選んだときには、原子面の凹凸を細かく観
察できる利点を有するが、逆にナノチューブが固有モー
ドで振動を始めることがあり、そのときには分解能が低
下する。そこで、NT束25を探針として用いれば、そ
の中で一番前方に突出しているナノチューブが直接の探
針機能を奏し、他のナノチューブは振動を抑制する作用
をする。従って、このようなNT束を探針として利用す
ることもできる。
【0039】図8はCNTが付着したナイフエッジの走
査型電子顕微鏡像である。電気泳動操作だけでナイフエ
ッジにCNTが簡単に付着するのが分かるであろう。し
かし、CNTは先端縁に直交するよりも、斜交して付着
している方が多い。
【0040】図8で示されたナイフエッジに強度試験の
ために特殊な処理をする。この電子顕微鏡装置内には不
純物としての有機物質がかなり含まれている。そこで、
このナイフエッジに対して電子ビームを照射すると、こ
のナイフエッジ表面に前記不純物を源泉とするカーボン
膜が形成されることが分かった。この詳細は後述する
が、このカーボン膜がCNTを一部だけ被覆してナイフ
エッジ表面に形成される。つまり、単にナイフエッジに
付着していたにすぎないCNTを、カーボン膜がナイフ
エッジに固着させる機能を果たす。CNT以外の他のナ
ノチューブも同様に処理できる。
【0041】このナイフエッジ上のCNTの機械的強度
を試験してみた。CNTに対し先端が鋭角な部材で押し
てみる。図9および図10は押す前と押した後の走査型
電子顕微鏡像である。図10から明瞭に分かるように、
CNTは半円形状に湾曲しても折れないほどの曲げ弾性
を有している。押すのを止めると図9の状態に復帰す
る。このことは、カーボン膜がCNTを強固に固定して
いることをも実証している。このように湾曲してもCN
Tをナイフエッジから離脱させない程の固着力を有して
いるのである。この高強度や高弾性はナノチューブに共
通した性質で、CNTと同様にBCN系ナノチューブや
BN系ナノチューブ等の一般のナノチューブがプローブ
の探針に利用できる最大の長所である。
【0042】図11はAFM用のホルダーにナノチュー
ブを転移させる装置図である。カンチレバー2bの先端
にホルダー2aがピラミッド状に突設されている。これ
は半導体プレーナ技術によって製造されたシリコン製部
材である。通常はピラミッド状の凸部がAFM探針とし
て用いられているのであるが、本発明ではこのピラミッ
ド状凸部をホルダー2aに転用する。このホルダー2a
にナイフエッジ23のナノチューブ24を転移させ、こ
のナノチューブ24を探針とする。ナイフエッジ上のナ
ノチューブは単に付着しているだけで、膜で固着させて
いないことは当然である。これらの操作は走査型電子顕
微鏡室27内で実時間観察しながら行われる。カンチレ
バー2bはXYZの3次元方向に移動でき、ナイフエッ
ジ23はXYの2次元方向に移動操作できる。従って、
極めて微細な操作が可能となる。
【0043】図12はナノチューブの転移直前の配置図
である。電子顕微鏡で直接観察しながら、ホルダー2a
の先端をナノチューブ24に極微に接近させる。ホルダ
ー2aの最先端によって、ナノチューブ24が先端部長
Lおよび基端部長Bに分割されるように、ホルダー2a
を配置する。また、転移促進用の転移直流電源28を配
設し、カンチレバー2bを陰極側に設定する。但し、直
流電源の極性はナノチューブの材質にも依存するので、
転移を促進する方向に極性を合わせる。この電圧を印加
するとナノチューブの転移が促進される。電圧値は数ボ
ルトから数十ボルトでよいが、転移状況に合わせて可変
すればよい。また、この電源28は無くても構わない。
接近距離Dが特定距離よりも小さくなると、両者間に引
力が作用して、ナノチューブ24がホルダー2aに自然
に飛跳して転移する。接近距離Dを短くするほど、長さ
L、Bの実現値が予定の設計値に近づく。
【0044】図13は、ナノチューブ24がホルダー2
aに付着した状態の配置図である。その先端部24aは
先端部長Lだけ突出し、その基端部24bは基端部長B
の長さでホルダー2aに付着している。その先端部24
aが探針となる。1本のナノチューブ24を付着させる
代わりに、NT束25を付着させることもできる。ま
た、1本のナノチューブ24を何回にも分けて転移付着
させれば、NT束25を付着させるのと同じになる。何
回にも分けた場合には、1本1本のナノチューブを任意
に調節して付着できるから、一番前方に突出したナノチ
ューブが探針となり、周りのナノチューブは探針全体の
共振を抑制し、安定で高分解能のプローブを作成するこ
とができる。
【0045】次に、基端部24bを含む所要領域にコー
ティング膜を形成し、ナノチューブ24をホルダー2a
に強固に固着させる。図14から分かるように、コーテ
ィング膜29は基端部24bを上から被覆して形成され
る。コーティング膜29により、探針となる先端部24
aが原子凸部に引っかかっても、探針は前述したように
湾曲状態に撓むだけで、ホルダー2aから外れたり、折
れたり等の破損を防止できる。このコーティング膜29
が無ければ、先端部24aが引っかかると同時に、ナノ
チューブ24がホルダー2aから脱離するであろう。
【0046】次にコーティング膜29の成形方法を説明
する。一つは、前述した様に、基端部24bに対し電子
ビームを照射すると、電子顕微鏡室27内に浮遊する炭
素物質が基端部近傍に堆積してカーボン膜を形成する。
このカーボン膜をコーティング膜とする。第2には、電
子顕微鏡室27内に反応性のコーティングガスを微量導
入し、これを電子ビームで分解し、所望物質のコーティ
ング膜を形成する。これ以外に、一般的なコーティング
方法を採用することができる。例えば、CVD(化学気
相析出法とも云う)やPVD(物理蒸着法とも云う)が
利用できる。CVD法では予め材料を加熱しておき、反
応性のコーティングガスをそこへ流し、材料表面で皮膜
を反応成長させる。また、反応ガスをプラズマ化し、材
料表面に皮膜形成させる低温プラズマ法もCVDの一つ
である。他方、PVD法には単純な蒸着法からイオンプ
レーティング法やスパッタリング法など各種の方法があ
る。本発明にはこれらの方法が選択的に適用でき、皮膜
材料には、絶縁性材料から導電性材料までその用途に応
じて広く利用できる。
【0047】図15は完成したプローブの走査型電子顕
微鏡像である。CNTがホルダーに設計通りに固着して
いるのが分かる。発明者等は、このプローブの分解能と
安定度を測定するため、デオキシリボ核酸(DNA)の
AFM画像を撮影してみた。図16はDNAのAFM画
像で、DNAが交差したり、捩れたりしているのが明瞭
に撮影できた。今まで、このようにクリアーなDNA像
が得られたのは、発明者等の知る限り初めてである。図
16から判断する限り、本発明により作成されたプロー
ブは、先端曲率半径が1.2nm以下であり、科学研究
上においても極めて有効であることが理解できる。
【0048】図18はコーティング膜の他の成形方法で
ある。高分解能の映像を得るためには、ナノチューブ2
4の先端曲率半径は小さい方がよい。しかし、前述した
ように、細長いと先端部が微小振動して映像がぼやける
場合もある。そこで、細いナノチューブ24を用いた場
合には、先端部24aの基端部24bに近い領域、即ち
中間部24cにもコーティング膜30を形成する。コー
ティング膜30により、中間部24cが厚く且つ太くな
るので、微小振動を押さえる効果がある。このコーティ
ング膜30は、コーティング膜29作成時に同時に同じ
材料で形成してもよいし、また他の材料で形成してもよ
い。こうすれば、ナノチューブ24の最先端は細く、し
かも根本の太い1本のナノチューブからなる探針が作成
できる。つまり、NT束25を用いなくても、細いナノ
チューブ一本で高分解能かつ高信頼性の探針が作成でき
るのである。
【0049】図18は走査型トンネル顕微鏡のプローブ
2の要部斜視図である。ナノチューブ24は先端部24
aを突出させて、この部分が探針となる。基端部24b
はホルダー2a上にコーティング膜29により固着され
ている。図1のプローブ2と対応させると分かりやす
い。その作用と効果は図14と同様であるからその詳細
を省略する。
【0050】図18と同様のプローブが、磁気ディスク
装置の入出力用プローブとして利用できる。この時に
は、ナノチューブの先端に鉄原子を埋め込んで、ナノチ
ューブに磁気的作用を付与する。ナノチューブは筒状構
造であるから、筒の中に各種の原子を含有させることが
できる。この一つとして、強磁性原子を含有させて、ナ
ノチューブに磁気感受性を与えるのである。勿論、鉄以
外の強磁性原子でも構わない。ナノチューブの先端曲率
半径は約1nm〜数十nmまでと極めて小さいから、微
小空間中に高密度に記録されたデータの入出力を高精度
に行うことが出来る。
【0051】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種
々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含す
るものである。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように、ナノチュ
ーブと、このナノチューブを保持するホルダーと、前記
ナノチューブの先端部を突出させた状態でその基端部を
ホルダー面に固着させる固定手段から構成され、前記ナ
ノチューブの先端部を探針とする電子装置の表面信号操
作用プローブとその製法に関している。その固定手段の
一つとしてコーティング膜を使用している。このよう
に、ナノチューブを探針とするから先端曲率半径が小さ
く、走査型プローブ顕微鏡に用いると高分解能の表面原
子像を撮像でき、また磁気情報処理装置の探針に用いた
場合には高密度の磁気情報を高精度に入出力制御でき
る。
【0053】ナノチューブは剛性や曲げ弾性が極めて高
いから、相手物体に当たっても破損する事が無く、プロ
ーブの長寿命化を図ることができる。また、カーボンナ
ノチューブはアーク放電の陰極堆積物中に大量に存在
し、他のBCN系ナノチューブやBN系ナノチューブも
類似の方法で用意に製造できるから、原材料費は極めて
安価である。しかも本発明の製造方法では、プローブを
安価に大量生産できるから、プローブの低価格化を実現
でき、研究や経済の活性化を図ることが出来る。特に、
新物質創製に必要なSTMやAFMの長寿命プローブを
大量にしかも安価に提供できるから、新技術開発の促進
に寄与することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は走査型トンネル顕微鏡(STM)の構成
図である。
【図2】図2は原子間力顕微鏡(AFM)の構成図であ
る。
【図3】図3はカーボンナノチューブ(CNT)の先端
多形の斜視図である。
【図4】図4はCNTの五員環と六員環の配置の一例を
示した斜視図である。
【図5】図5は直流電気泳動法の一例を示す構成図であ
る。
【図6】図6は交流電気泳動法の一例を示す構成図であ
る。
【図7】図7はナイフエッジにナノチューブが付着した
状態の概念図である。
【図8】図8はCNTが付着したナイフエッジの走査型
電子顕微鏡像のコンピュータ画像である。
【図9】図9は先端が鋭角な部材でCNTを押す前の走
査型電子顕微鏡像のコンピュータ画像である。
【図10】図10は先端が鋭角な部材でCNTを押した
直後の走査型電子顕微鏡像のコンピュータ画像で、CN
Tが湾曲している。
【図11】図11はAFMのカンチレバーにナノチュー
ブを転移させる装置の構成図である。
【図12】図12はナノチューブの転移直前の配置図で
ある。
【図13】図13はナノチューブの転移直後の配置図で
ある。
【図14】図14はナノチューブを被覆してコーティン
グ膜を形成した配置図である。
【図15】図15は完成したAFM用プローブの走査型
電子顕微鏡像のコンピュータ画像である。
【図16】図16は完成したAFM用プローブで撮像し
たDNA像のコンピュータ画像である。
【図17】図17は、ナノチューブの先端部の基端部側
の領域である中間部にもコーティング膜を形成した場合
の配置図である。
【図18】図18はSTM用プローブの要部斜視図であ
る。
【図19】図19は従来の電界研磨装置の概略図であ
る。
【図20】図20は電界研磨が終了したときの状態図で
ある。
【図21】図21は従来のAFM用探針の概略図であ
る。
【図22】図22は従来のAFM用探針の半導体プレー
ナ技術による工程図である。
【符号の説明】
1はナノチューブ探針、2aはホルダー、2bはカンチ
レバー、2cはサブストレート、2はプローブ、3aは
切り溝、3はホルダーセット部、4xはXピエゾ、4y
はYピエゾ、4zはZピエゾ、4は走査駆動部、5は試
料、6はバイアス電源、7はトンネル電流検出回路、8
はZ軸制御回路、9はSTM表示装置、10はXY走査
回路、11は半導体レーザ装置、12は反射ミラー、1
3は2分割光検出器、14はXYZ走査回路、15はA
FM表示装置、16はZ軸検出回路、18は直流電源、
19は交流電源、20は電気泳動液、21はガラス基
板、22aは先端縁、22・23はナイフエッジ、24
はナノチューブ、24aは先端部、24bは基端部、2
4cは中間部、25はNT束、26は増幅器、27は走
査型電子顕微鏡室、28は転移直流電源、29・30は
コーティング膜、Bは基端部長、Dは接近距離、Lは先
端部長、LBはレーザービームである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/127 G11B 5/127 F (72)発明者 秋田 成司 大阪府和泉市池田下町1248番地の4 (72)発明者 原田 昭雄 大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナノチューブ24と、このナノチューブ
    24を保持するホルダー2aと、前記ナノチューブ24
    の先端部24aを突出させた状態でその基端部24bを
    ホルダー面に固着させる固定手段から構成され、前記先
    端部24aを探針として表面信号を走査することを特徴
    とした電子装置の表面信号走査用プローブ。
  2. 【請求項2】 前記固定手段はコーティング膜29であ
    り、そのコーティング膜により前記基端部24bを含む
    所要領域を被覆してナノチューブ24をホルダー2aに
    固着させる請求項1記載の表面信号操作用プローブ。
  3. 【請求項3】 複数本のナノチューブ24を束ね、しか
    もその中の1本を一番前方に突出させたNT束25を形
    成し、このNT束25を前記ナノチューブ24としてホ
    ルダー2aに固着させた請求項1記載の表面信号操作用
    プローブ。
  4. 【請求項4】 前記ナノチューブ24の突出した先端部
    24aの基端部24bに近い中間部24cに補強用コー
    ティング膜30を形成した請求項2又は3記載の表面信
    号操作用プローブ。
  5. 【請求項5】 前記電子装置が走査型プローブ顕微鏡で
    あり、前記ナノチューブ24が探針として試料表面の物
    理的・化学的作用を検出する請求項1ないし4記載の表
    面信号操作用プローブ。
  6. 【請求項6】 前記ホルダー2aを導電性材料から形成
    した請求項5記載の走査型トンネル顕微鏡のプローブ。
  7. 【請求項7】 前記ホルダー2aをカンチレバー2bに
    突設している請求項5記載の原子間力顕微鏡のプロー
    ブ。
  8. 【請求項8】 前記電子装置が磁気情報処理装置であ
    り、前記ナノチューブ24により磁気記録媒体に対し磁
    気情報を入出力する請求項1ないし4記載の表面信号操
    作用プローブ。
  9. 【請求項9】 前記ナノチューブ24はカーボンナノチ
    ューブ、BCN系ナノチューブまたはBN系ナノチュー
    ブである請求項1ないし8記載の表面信号操作用プロー
    ブ。
  10. 【請求項10】 探針となるナノチューブ24を分散さ
    せた電気泳動液20内の電極22・23間に電圧を印加
    して電極にナノチューブを突出状に付着させる第1工程
    と、このナノチューブ24を突出状に付着させた電極と
    ホルダー2aを極微接近させ、ナノチューブの先端部2
    4aが突出した状態でその基端部24bがホルダー面に
    付着するようにナノチューブ24をホルダー2aに転移
    させる第2工程と、ホルダー面に付着したナノチューブ
    の基端部を少なくとも含む所要領域をコーティング処理
    してこのコーティング膜29によりナノチューブ24を
    ホルダー2aに固着させる第3工程からなることを特徴
    とする電子装置の表面信号操作用プローブの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第2工程を電子顕微鏡内で実観察
    しながら操作し、必要な場合には電極とホルダー間に電
    圧を印加してナノチューブの転移を促進させる請求項1
    0記載の表面信号操作用プローブの製造方法。
  12. 【請求項12】 複数本のナノチューブを束ね、しかも
    その中の1本を一番前方に突出させたNT束25を形成
    し、このNT束25を前記カーボンナノチューブ24と
    してホルダー2aに固着させた請求項10又は11記載
    の表面信号操作用プローブの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ナノチューブ24はカーボンナノ
    チューブ、BCN系ナノチューブまたはBN系ナノチュ
    ーブである請求項10ないし12記載の表面信号操作用
    プローブの製造方法。
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