JP2000226212A - リチウムアルミネート系スピネルの製造方法 - Google Patents

リチウムアルミネート系スピネルの製造方法

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JP2000226212A
JP2000226212A JP11028482A JP2848299A JP2000226212A JP 2000226212 A JP2000226212 A JP 2000226212A JP 11028482 A JP11028482 A JP 11028482A JP 2848299 A JP2848299 A JP 2848299A JP 2000226212 A JP2000226212 A JP 2000226212A
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lithium aluminate
aluminate spinel
metal
acid
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Osamu Ikeda
攻 池田
Kyoji Odan
恭二 大段
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高比表面積でかつ平均細孔径も大
きいリチウムアルミネート系スピネル(特に二価金属を
含有するリチウムアルミネートスピネル)を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、二価金属を含有するリ
チウムアルミネートスピネル(二価金属含有リチウムア
ルミネートスピネル)の前駆体とヒドロキシカルボン酸
を反応させ、次いで複合体を形成させてその複合体を熱
処理することを特徴とするリチウムアルミネート系スピ
ネルの製造方法により解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高比表面積で、平
均細孔径も大きいリチウムアルミネート系スピネル(特
に二価金属を含有するリチウムアルミネートスピネル)
に関する。このようなスピネルは、金属(その化合物を
含む)、特に貴金属(その化合物を含む)を不均一系の
反応で触媒として使用する際の担体として使用すること
ができる。そして、金属成分を高分散させて担持できる
ので、高活性の固体触媒を与えることができる。
【0002】
【従来の技術】各種金属(その化合物を含む)が種々の
反応に触媒として使用されているが、不均一系の反応に
おいては、これら金属成分を高分散させて担持できる触
媒担体が望まれている。特に、パラジウム、白金、ルテ
ニウム、ロジウム、銀等の貴金属(その化合物を含む)
は、例えば、カルボニル化反応(一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルからの炭酸エステル合成反応など)、還元反応
(不飽和炭化水素又はエステルの水素化反応など)、酸
化反応などに数多く触媒として使用されるが、その際、
貴金属は高価であることから、有効に使用されることが
要望されている。このため、不均一系の反応では、貴金
属は、例えば、活性炭、シリカ、シリカアルミナ、ゼオ
ライト、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素等の触媒担
体上に担持して使用される。
【0003】しかし、これらの触媒担体では、比表面積
が大きいものは、細孔径が100オングストローム以下
の微細な細孔が多く存在するため、有機物の付着及び蓄
積、更に炭化が起りやすくなって、触媒が劣化し、長時
間の使用が困難になるという問題が生じてくる。更に、
担持された貴金属の粒径が大きくなって、活性などの低
下が起こるという問題もある。一方、比表面積が小さい
ものは、細孔の数が少ないか又は細孔自体が大きいため
に、貴金属の分散が悪くなり更に担持量も少なくなっ
て、高活性の触媒を得ることが困難になるという問題が
ある。
【0004】また、リチウムアルミネート系スピネル
も、例えば、カルボニル化反応(一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルからの炭酸エステル合成反応など)の触媒担体と
して使用されることが知られている(特開平9−384
88号公報)。しかし、このリチウムアルミネート系ス
ピネルは平均細孔径は大きいものの、比表面積が大きく
なく充分に満足できるものではない。即ち、金属を高分
散させて担持した、更に高活性の触媒が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、貴金属
(その化合物を含む)などの金属(その化合物を含む)
を不均一系の反応で触媒として使用する場合には、高比
表面積で平均細孔径も大きく、これら金属成分を高分散
させて担持できる触媒担体が要望されている。本発明
は、高比表面積でかつ平均細孔径も大きいリチウムアル
ミネート系スピネル(特に二価金属を含有するリチウム
アルミネートスピネル)を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、二価金
属を含有するリチウムアルミネートスピネル(二価金属
含有リチウムアルミネートスピネル)の前駆体とヒドロ
キシカルボン酸を反応させ、次いで複合体を形成させて
その複合体を熱処理することを特徴とするリチウムアル
ミネート系スピネルの製造方法により解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用される、二価金属含
有リチウムアルミネートスピネルの前駆体としては、リ
チウムの塩及び二価金属の塩とアルミニウムのゾルから
リチウムアルミネート系スピネルを調製する際に中間物
質として得られる混合物(スラリー状混合物)が挙げら
れる。即ち、リチウムの塩及び二価金属の塩を含有する
水溶液とアルミニウムのゾルを所定割合で混合して得ら
れる混合物(スラリー状混合物)が挙げられる。
【0008】前記二価金属の塩としては、亜鉛、マグネ
シウム、コバルト、ニッケル、銅等の金属の塩が少なく
とも一種使用されるが、亜鉛及び/又はマグネシウムの
塩が好適に使用される。また、リチウムの塩及び二価金
属の塩としては、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物がそれぞれ
好適に使用される。アルミニウムのゾルとしては、アル
ミナゾル、水酸化アルミニウムが好適に使用される。
【0009】この前駆体において、Li:Al(原子
比)=1:5〜0.5:5であって、二価金属:Al
(原子比)=0.05:5〜0.3:5であることが好
ましい。また、リチウムの塩及び二価金属の塩を含有す
る水溶液とアルミニウムのゾルを混合する際の温度は3
0〜90℃であることが好ましく、その時間は1〜10
時間程度であればよい。圧力や雰囲気は特に制限される
ものではない。なお、前駆体のスラリー濃度は5〜30
重量%程度であることが好ましく、前記水溶液の塩濃度
は所定のスラリー濃度が得られるならば特に制限されな
い。
【0010】本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸
は水溶性であれば特に制限されないが、中でも炭素数2
〜10のヒドロキシカルボン酸が好ましい。例えば、グ
リコール酸、乳酸、グリセリン酸(リンゴ酸)、酒石
酸、クエン酸などが好適に使用される。ヒドロキシカル
ボン酸は前駆体に含まれるアルミニウム1原子に対して
0.1〜2モル使用されることが好ましく、複数で使用
されてもよい。
【0011】二価金属含有リチウムアルミネートスピネ
ルの前駆体とヒドロキシカルボン酸との反応は、前駆体
(スラリー状混合物)にヒドロキシカルボン酸を好まし
くは常温から100℃の範囲で添加して攪拌することに
よって行われる。その際の圧力や雰囲気は特に制限され
ない。攪拌時間は0.5時間以上、更には1時間以上
(例えば、0.5〜10時間、更には1〜10時間程
度)であればよい。
【0012】次に、二価金属含有リチウムアルミネート
スピネルの前駆体とヒドロキシカルボン酸の反応液から
得られる乾固物、例えば、その反応液を常温から100
℃の範囲で乾固又は送風乾燥して得られる乾固物を14
0〜200℃で乾燥することによって、二価金属含有リ
チウムアルミネートスピネルの前駆体とヒドロキシカル
ボン酸から形成される複合体が得られる。このときの圧
力や雰囲気は特に制限されない。
【0013】この複合体は、熱分析(走査範囲20〜5
00℃)において、350〜380℃に1個の発熱ピー
クを示し、350℃に至るまで安定な物質である(図
1、7参照)。そして、図2、8のようなFT−IRス
ペクトルを示す物質である(即ち、1400〜1500
cm-1、1700〜1800cm-1に特性吸収を有す
る)。また、この複合体は、アルミニウムに対して、好
ましくは前記のようなリチウム及び二価金属の原子比を
有するものである。更に、この複合体は前記の乾固物と
は異なった特有の色を呈する。例えば、二価金属が亜鉛
及び/又はマグネシウムであれば、前記の乾固物が白色
であるのに対し、複合体は黄色から褐色(黄色、黄褐
色、褐色など)を呈する。前記の乾固物が青色又は緑色
などに着色している場合は複合体の着色は更に薄い色と
なる。
【0014】次に、前記複合体を熱処理することによっ
て、高比表面積でかつ平均細孔径も大きい、目的のリチ
ウムアルミネート系スピネル(二価金属を含有するリチ
ウムアルミネートスピネル)を得ることができる。熱処
理の温度は500〜900℃の範囲であることが好まし
く、その時間は3〜20時間程度であればよい。また、
熱処理はこの温度範囲で段階的であってもよい。熱処理
の圧力や雰囲気は特に制限されない。
【0015】前記複合体の熱処理によって得られた二価
金属含有リチウムアルミネートスピネルは、高比表面積
でかつ平均細孔径も大きいものである。即ち、この物質
は、比表面積が105m2/g以上であって平均細孔径
が100オングストローム以上であるもの、特に比表面
積が110m2/g以上であって平均細孔径が100オ
ングストローム以上であるもの、更には比表面積が11
0〜150m2/gであって平均細孔径が100〜20
0オングストロームであるものである。そして、この物
質は、X線回折(図4、10)によれば、二価金属アル
ミネート(ZnAl24、MgAl24など)とリチウ
ムアルミネート(LiAl58)の単なる混合物ではな
く、二価金属、リチウム、アルミニウム、及び酸素から
なるスピネル構造体(固溶体)である。また、この物質
は、例えば、図3、9で示されるようなFT−IRスペ
クトルを有するものである。なお、比表面積はBET法
により、平均細孔径は水銀圧入法により測定される。
【0016】また、前記二価金属含有リチウムアルミネ
ートスピネルは、好ましくは、Li:Al(原子比)=
1:5〜0.5:5、二価金属:Al(原子比)=0.
05:5〜0.3:5を有するものである。更に、この
物質においては、スピネル構造体の四面体構造において
組成金属原子の欠陥の少ない(特に欠陥割合が10%以
下、更には実質的に欠陥のない)ことが好ましい。スピ
ネル構造体の四面体サイトにおける組成金属原子の種類
と欠陥量は、プロファイルフィッティング(PF)法に
よる計算から求められる〔J.Ceramic So
c.Jpn.,104,774(1996)参照〕。
【0017】前記二価金属含有リチウムアルミネートス
ピネルは、高比表面積でかつ平均細孔径も大きいことか
ら、例えば、触媒担体として使用することができる。即
ち、本発明の二価金属含有リチウムアルミネートスピネ
ルにより、金属(その化合物を含む)、例えば、パラジ
ウム、白金、ルテニウム、ロジウム、銀等の貴金属(そ
の化合物を含む)を高分散させて(即ち、CO吸着量が
多く)しかも多量に担持した、高活性の固体触媒を調製
することができる。
【0018】パラジウム等の貴金属(その化合物を含
む)であれば、本発明の二価金属含有リチウムアルミネ
ートスピネルを使用して、その担持量が担体に対して金
属として0.1〜5重量%の範囲でしかもCO吸着量が
6×10-7〜20×10-7ml/gの範囲である固体触
媒を調製できる。即ち、本発明によれば、パラジウム等
の貴金属(その化合物を含む)、特にパラジウム(その
化合物を含む)が担体に対して金属として0.5重量%
以上、特に0.5〜2.0重量%で、しかもCO吸着量
が8×10-7ml/g以上、特に8×10-7〜17×1
-7ml/gである、金属が高分散されしかも多量に担
持された固体触媒を調製できる。なお、貴金属としてパ
ラジウムを担持する場合には、塩化パラジウム、臭化パ
ラジウム、テトラアンミン塩化パラジウム、硝酸パラジ
ウム、パラジウムアセチルアセトナートなどが使用され
る。
【0019】本発明の二価金属含有リチウムアルミネー
トスピネルにパラジウム(その化合物を含む)が担持さ
れた触媒は、カルボン酸エステルを水素化してアルコー
ル類を製造する水素化反応や、不飽和炭化水素を水素化
して飽和炭化水素を製造する水素化反応や、一酸化炭素
と亜硝酸エステルを反応させて炭酸エステルを製造する
カルボニル化反応などに高活性の固体触媒として使用す
ることができる。例えば、炭酸エステルを製造するカル
ボニル化では公知の方法で使用することができ、反応温
度80〜150℃、常圧又は加圧、接触時間0.5〜2
0秒程度の反応条件で使用される。カルボン酸エステル
の水素化では、反応温度130〜250℃、常圧又は加
圧、接触時間0.5〜10秒程度の反応条件で使用され
る。
【0020】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、各種分析は以下の装置及び条件
で行った。また、X線回折スペクトルより、前記文献記
載の方法に従って、スピネル構造体の四面体サイトにお
ける組成金属原子の種類と欠陥量(占有割合)をプロフ
ァイルフィッティング(PF)法による計算によって求
めた。
【0021】(1)X線回折スペクトル測定 装置:RAD−RX型粉末X線回折装置(理学電機
製) X線源:CuKα線 管電圧−管電流:50kV−150mA スキャンスピード:5°/分 (2)FT−IRスペクトル測定 装置:FTS−65A(バイオラッドラボラトリーズ
製) 積算回数:100回 検出器:MCT 測定範囲:400〜4000cm-1 分解能:4cm-1 測定法:ATR法 (3)TG−DTA測定 装置:TG/DTA320型(セイコー電子工業製) (4)比表面積測定 装置:ガス流動式比表面積自動測定装置フローソープ
2300型(Micromeritics Co./島
津製作所製) (5)平均細孔径測定 装置:水銀圧入式細孔分布測定装置 Autosca
n−60+500Porosimeter(ユアサアイ
オニクス製) (6)金属組成分析(ICP−AES) 装置:ICAP−575型(日本ジャーレルアッシュ
製) 測定法:固体試料は粉砕した後、リン酸−王水で溶解
し、超純水で定容して測定試料とした。液体試料はその
まま測定試料とした。
【0022】実施例1 硝酸リチウム(LiNO3)4.137gと硝酸マグネ
シウム〔Mg(NO3 2・6H2O〕5.128gを蒸
留水300mlに溶解させ、60〜70℃に加熱した。
次いで、この溶液に、攪拌下、同温度で、Al23換算
で20重量%のアルミニウムを含有するアルミナゾル1
27.55gを10分間で徐々に加えた。生成したスラ
リーに乳酸23.0gを加えて、同温度で約4時間攪拌
した後、スラリーをステンレス製のバットに移して、送
風乾燥器により70〜100℃で乾固させた。得られた
乾固物(黄色を呈する)は空気中110〜150℃で更
に5時間乾燥した。このもの(乾燥品;黄色を呈する)
のTG−DTA図を図1に、FT−IRスペクトルを図
2にそれぞれ示す。
【0023】乾固物を乾燥した後、空気中、350℃で
2時間、更に500℃で2時間熱処理し、最後に800
℃で5時間熱処理した。熱処理物は500℃での熱処理
後に黒色から黒灰色を呈し、800℃での熱処理後に白
色を呈した。得られた熱処理物は、金属組成分析、FT
−IRスペクトル(図3)及びX線回折スペクトル(図
4)より、Li0.6Mg0.2Al58で示される組成を有
するMg含有リチウムアルミネートスピネルで、その比
表面積は123.6m2/g、平均細孔径は136オン
グストロームであった。また、X線回折スペクトルか
ら、PF法によりスピネル構造の四面体サイトの金属原
子及び欠陥量を測定したところ、四面体サイトはMgと
Alが占有していて欠陥は存在しなかった。
【0024】比較例1 実施例1において、乳酸を加えなかったほかは、実施例
1と同様の操作を行って乾固物(白色を呈する)を得
た。そして、この乾固物(白色を呈する)を空気中11
0〜150℃で更に5時間乾燥した。このもの(乾燥
品;白色を呈する)のTG−DTA図を図5に、FT−
IRスペクトルを図6にそれぞれ示す。
【0025】乾固物を乾燥した後、実施例1と同様に熱
処理を行って熱処理物(白色を呈する)を得た。その間
の呈色は変化がなかった。得られた熱処理物は、金属組
成分析、FT−IRスペクトル(図3と同様)及びX線
回折スペクトル(図4と同様)より、Li0.6Mg0.2
58で示される組成を有するMg含有リチウムアルミ
ネートスピネルで、その比表面積は95.0m2/g、
平均細孔径は110オングストロームであった。また、
X線回折スペクトルから、PF法によりスピネル構造の
四面体サイトの金属原子及び欠陥量を測定したところ、
四面体サイトはMgとAlが占有していて欠陥は存在し
ていなかった。
【0026】比較例2 比較例1において、硝酸リチウム使用量を2.758g
に、硝酸マグネシウム使用量を15.36gに、アルミ
ナゾル使用量を127.8gに変えたほかは、比較例1
と同様の操作を行って、乾固物(白色を呈する)を得
た。そして、この乾固物(白色を呈する)を空気中11
0〜150℃で更に5時間乾燥した。このもの(乾燥
品;白色を呈する)のTG−DTA図は図5と、FT−
IRスペクトルは図6とそれぞれ同様であった。
【0027】乾固物を乾燥した後、比較例1と同様に熱
処理を行って熱処理物(白色を呈する)を得た。その間
の呈色は実施例1と同様であった。得られた熱処理物
は、金属組成分析、FT−IRスペクトル(図3と同
様)及びX線回折スペクトル(図4と同様)より、Li
0.4Mg0.6Al58で示される組成を有するMg含有リ
チウムアルミネートスピネルで、その比表面積は56.
5m2/g、平均細孔径は256オングストロームであ
った。また、X線回折スペクトルから、PF法によりス
ピネル構造の四面体サイトの金属原子及び欠陥量を測定
したところ、四面体サイトはZnとAlが占有していて
欠陥は存在しなかった。
【0028】実施例2 実施例1において、硝酸マグネシウムを硝酸亜鉛〔Zn
(NO32・6H2O〕5.95gに代えたほかは、実
施例1と同様の操作を行って、乾固物(黄色を呈する)
を得た。そして、この乾固物(黄色を呈する)を空気中
110〜150℃で更に5時間乾燥した。このもの(乾
燥品;黄色を呈する)のTG−DTA図を図7に示す。
FT−IRスペクトルは図2と同様であった。
【0029】乾固物を乾燥した後、実施例1と同様に熱
処理を行って熱処理物を得た。その間の呈色は実施例1
と同様であった。得られた熱処理物は、金属組成分析、
FT−IRスペクトル(図3と同様)及びX線回折スペ
クトル(図4と同様)より、Li0.6Zn0.2Al58
示される組成を有するZn含有リチウムアルミネートス
ピネルで、その比表面積は117.2m2/g、平均細
孔径は133オングストロームであった。また、X線回
折スペクトルから、PF法によりスピネル構造の四面体
サイトの金属原子及び欠陥量を測定したところ、四面体
サイトはZnとAlが占有していて欠陥は存在しなかっ
た。
【0030】実施例3 実施例2において、酸を酒石酸38.3gに代えたほか
は、実施例2と同様の操作を行って、乾固物(黄色を呈
する)を得た。そして、この乾固物(黄色を呈する)を
空気中110〜150℃で更に5時間乾燥した。このも
の(乾燥品;黄色を呈する)のTG−DTA図は図7
と、FT−IRスペクトルは図2とそれぞれ同様であっ
た。
【0031】乾固物を乾燥した後、実施例2と同様に熱
処理を行って熱処理物を得た。その間の呈色は実施例2
と同様であった。得られた熱処理物は、金属組成分析、
FT−IRスペクトル(図3と同様)及びX線回折スペ
クトル(図4と同様)より、Li0.6Zn0.2Al58
示される組成を有するZn含有リチウムアルミネートス
ピネルであり、その比表面積は131.3m2/g、平
均細孔径は138オングストロームであった。また、X
線回折スペクトルから、PF法によりスピネル構造の四
面体サイトの金属原子及び欠陥量を測定したところ、四
面体サイトはZnとAlが占有していて欠陥は存在しな
かった。
【0032】実施例4 実施例2において、硝酸リチウム使用量を4.826g
に、硝酸亜鉛使用量を2.975gに、アルミナゾル使
用量を127.55gに変えたほかは、実施例2と同様
の操作を行って、乾固物(黄色を呈する)を得た。そし
て、この乾固物(黄色を呈する)を空気中110〜15
0℃で更に5時間乾燥した。このもの(乾燥品;黄色を
呈する)のTG−DTA図は図7と、FT−IRスペク
トルは図2とそれぞれ同様であった。
【0033】乾固物を乾燥した後、実施例1と同様に熱
処理を行って熱処理物を得た。その間の呈色は実施例1
と同様であった。得られた熱処理物は、金属組成分析、
FT−IRスペクトル(図3と同様)及びX線回折スペ
クトル(図4と同様)より、Li0.7Zn0.1Al58
示される組成を有するZn含有リチウムアルミネートス
ピネルであり、その比表面積は112.1m2/g、平
均細孔径は147オングストロームであった。また、X
線回折スペクトルから、PF法によりスピネル構造の四
面体サイトの金属原子及び欠陥量を測定したところ、四
面体サイトはZnとAlが占有していて欠陥は存在しな
かった。
【0034】参考例1 前記の各熱処理物について、パラジウム担持試験を行っ
てパラジウム担持量をそれぞれ測定した。即ち、熱処理
物0.1gに0.02Mのテトラアンミン塩化パラジウ
ム〔Pd(NH34Cl2・H2O〕溶液10mlを加え
て、室温で5日間放置した後、濾過により固型物を分離
して150℃で5時間乾燥した。次いで、この固型物を
粉砕してリン酸−王水で加熱溶解し、超純水で定容にし
て、パラジウム担持量を測定した。測定結果を表1に示
す。なお、パラジウム担持量は熱処理物に対するパラジ
ウム金属の重量%を示す。
【0035】参考例2 前記の各熱処理物にパラジウムを担持したものについ
て、CO吸着試験を行ってCO吸着量をそれぞれ測定し
た。即ち、熱処理物を14〜26meshに製粒し、そ
の2gに0.02Mのテトラアンミン塩化パラジウム
〔Pd(NH34Cl2・H2O〕溶液10mlを加え
て、約50℃で5時間超音波処理した後、濾過により固
型物を分離して150℃で5時間乾燥した。パラジウム
担持量は熱処理物に対してパラジウム金属として1.0
重量%であった。
【0036】この試料について、CO吸着量を測定した
結果を表1に示す。なお、この測定は、試料を1g程度
使用し、酸素ガスを300℃で15分間流通させる前処
理、そして水素ガスを300℃で15分間流通させる還
元処理を行った後、COガスのパルスを5回供給してC
O吸着量を調べることにより行った。装置は、触媒キャ
ラクタリゼーションシステム(Altamira In
struments製)を使用した。
【0037】
【表1】
【0038】参考例4 実施例1及び比較例1で得られた熱処理物にパラジウム
を担持したものについて、炭酸ジメチルの製造試験をそ
れぞれ行った。即ち、熱処理物10gを、塩化パラジウ
ム(PdCl2)1.66gと塩化第二銅(CuCl
2)2.54gを5.6容量%アンモニア水50mlに
溶解させた溶液に室温で10時間浸漬した。その後、溶
液を80℃の温水で加熱して水分を蒸発させ、得られた
固型物を空気中110℃で5時間乾燥し、更に空気中2
00℃で5時間焼成して固体触媒を調製した。パラジウ
ム担持量は担体(Zn含有リチウムアルミネートスピネ
ル)に対して金属として1重量%、銅担持量は担体に対
して金属として1.2重量%であった。
【0039】次に、前記固体触媒5.0g(6.6m
l)を使用して、固定床気相流通反応装置により、一酸
化炭素と亜硝酸メチルから下記の反応条件で炭酸ジメチ
ルを製造した。 (1)反応温度:120℃ (2)反応圧力:1.3kg/cm2 (3)原料ガス組成:一酸化炭素5容量%、亜硝酸メチ
ル20容量%、塩化水素100容量ppm(残余は希釈
用窒素ガス) (4)原料ガス供給速度:3300hr-1
【0040】その結果、実施例1で得られた熱処理物を
使用した場合、炭酸ジメチルの空時収量は715g/l
・hrで、選択率は一酸化炭素基準で97%、亜硝酸メ
チル基準で96%であった。また、比較1で得られた熱
処理物を使用した場合、炭酸ジメチルの空時収量は65
5g/l・hrで、選択率は一酸化炭素基準で93%、
亜硝酸メチル基準で95%であった。
【0041】
【発明の効果】本発明により、高比表面積でかつ平均細
孔径も大きいリチウムアルミネート系スピネル(特に二
価金属を含有するリチウムアルミネートスピネル)を提
供することができる。このようなスピネルは金属成分を
高分散させて担持できるので、金属(その化合物を含
む)、特に貴金属(その化合物を含む)を触媒とする不
均一系の反応において、高活性の固体触媒を与えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた乾固物(乾燥品;
黄色を呈する)のTG−DTA図を示す。
【図2】図2は、実施例1で得られた乾固物(乾燥品;
黄色を呈する)のFT−IRスペクトルを示す。
【図3】図3は、実施例1で得られた熱処理物のFT−
IRスペクトルを示す。
【図4】図4は、実施例1で得られた熱処理物のX線回
折スペクトルを示す。
【図5】図5は、比較例1で得られた乾固物(乾燥品;
白色を呈する)のTG−DTA図を示す。
【図6】図6は、比較例1で得られた乾固物(乾燥品;
白色を呈する)のFT−IRスペクトルを示す。
【図7】図7は、実施例2で得られた乾固物(乾燥品;
黄色を呈する)のTG−DTA図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 AA04 AB02 AC03 4G069 AA01 AA08 AA09 BA01C BA21C BA36A BB06A BB06B BB12C BC04A BC04B BC04C BC10A BC10B BC16A BC16B BC35A BC35B BE08C DA05 EC03X EC03Y EC04X EC05X EC10X EC15X EC15Y EC16X EC17X EC24 EC27 FA01 FB09 FB30 FC02 FC03 FC08 4G076 AA02 AA18 AB07 AC02 BA39 BB08 BC01 BC08 BD02 CA01 CA28 CA33 DA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二価金属を含有するリチウムアルミネー
    トスピネルの前駆体とヒドロキシカルボン酸を反応さ
    せ、次いで複合体を形成させてその複合体を熱処理する
    ことを特徴とするリチウムアルミネート系スピネルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 Li:Al(原子比)=1:5〜0.
    5:5で、二価金属:Al(原子比)=0.05:5〜
    0.3:5である、請求項1記載のリチウムアルミネー
    ト系スピネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 二価金属が亜鉛及び/又はマグネシウム
    である、請求項1記載のリチウムアルミネート系スピネ
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシカルボン酸が、グリコール
    酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、又はクエン酸であ
    る、請求項1記載のリチウムアルミネート系スピネルの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 熱処理温度が500〜900℃である、
    請求項1記載のリチウムアルミネート系スピネルの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 比表面積が105m2/g以上で、平均
    細孔径が100オングストローム以上である、二価金属
    を含有するリチウムアルミネートスピネル。
  7. 【請求項7】 比表面積が110m2/g以上で、平均
    細孔径が100オングストローム以上である、二価金属
    を含有するリチウムアルミネートスピネル。
  8. 【請求項8】 Li:Al(原子比)=1:5〜0.
    5:5で、二価金属:Al(原子比)=0.05:5〜
    0.3:5である、請求項6又は7記載の二価金属を含
    有するリチウムアルミネートスピネル。
  9. 【請求項9】 二価金属が亜鉛及び/又はマグネシウム
    である、請求項6又は7記載の二価金属を含有するリチ
    ウムアルミネートスピネル。
  10. 【請求項10】 二価金属を含有するリチウムアルミネ
    ートスピネルの前駆体とヒドロキシカルボン酸から形成
    され、熱分析において350〜380℃に発熱ピークを
    示すと共に、FT−IRスペクトルにおいて1400〜
    1500cm-1及び1700〜1800cm-1に特性吸
    収を有する複合体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100676762B1 (ko) 2004-09-24 2007-02-01 주식회사 엘지화학 알루미늄-함유 리튬 전이금속 산화물 복합 전구체 및 이의제조방법
JP2007320837A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Denki Kagaku Kogyo Kk リチウムアルミネートの製造方法及びリチウムアルミネート
CN100427380C (zh) * 2005-06-08 2008-10-22 北京化工大学 一种由层状前驱体法制备高比表面积纳米尖晶石的方法
CN102190321A (zh) * 2010-03-10 2011-09-21 中国科学院福建物质结构研究所 一种纳米介孔铝酸镁材料及其制备方法

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