JP2000225152A - 便座付介護用ベッド - Google Patents

便座付介護用ベッド

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JP2000225152A
JP2000225152A JP11027487A JP2748799A JP2000225152A JP 2000225152 A JP2000225152 A JP 2000225152A JP 11027487 A JP11027487 A JP 11027487A JP 2748799 A JP2748799 A JP 2748799A JP 2000225152 A JP2000225152 A JP 2000225152A
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toilet
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に昇降でき、用便時に心地好くフィット
する上、着座するときの動作及び立ち上がるときの動作
が楽な便座を備えた便座付介護用ベッドを提供すること
にある。 【解決手段】 便座部5が、ベッド体10を椅子状に折
り曲げた状態で、便座15の前端側を下腿受部3のマッ
ト8上端部上方に被せ且つ便座15上面を尻載部2のマ
ット8上面と略面一にする着座位置と、便蓋用マット3
5を尻載部2のマット8上面と略面一にして便座15を
尻載部2の枠12内の便座収納部12aに収納する収納
位置との間で、便蓋25の回動に連動して便座15を斜
めに昇降させる昇降機構45と、昇降機構45を前記着
座位置で係止するロック機構55とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、読書や食事又は用
便時に椅子状に折り曲げて座った姿勢で使用できる便座
付介護用ベッド、特に、便座が昇降する機構を備えた便
座付介護用ベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、便座付介護用ベッドは、背受部、
尻載部、下腿受部、足載部の各部がそれぞれ枠上にマッ
トを敷設してなり、それぞれの枠を折曲自在に連結する
ことにより椅子状に折り曲げ可能なベッド体を構成し、
前記尻載部の枠の一画に便座部を設けた様様なものが提
案されている。これらの中には、ベッド体の下方にハン
ドル操作により垂直状に伸縮するスライダーを設け、こ
のスライダーの上部に便座を載置して、便座を上昇して
マット上面と便座面とを略面一にすることにより、お年
寄りや体の不自由な方がマット面から便座面に移動する
負担を軽減するように構成されたものがある(実開昭5
9−76223)。
【0003】しかしながら、昇降可能な便座を備える上
記従来の便座付介護用ベッドでは、便座を昇降するハン
ドルがベッド体の下方にあるため、ベッド使用者が自分
で便座を昇降させるにはベッドから降りる必要があり、
お年寄りや体の不自由な方にとっては困難な上、用便の
度に介護人を呼び付けるのは羞恥心が伴う。その上、用
便時に、垂直に上昇した便座の前側には、折り曲げられ
た下腿受部におけるマットの上端部があるため、その上
端部に膝裏から上腿にかけての脚裏部分が接触して座り
心地が悪く、しかも、尻位置が後方すぎるので、着座す
るときの動作及び立ち上がるときの動作が困難である。
また、上記昇降可能な便座に駆動手段を設け、昇降操作
用スイッチの操作により便座を昇降させることも考えら
れるが、お年寄りや体の不自由な方がマット上を移動し
た際等に昇降操作用スイッチに触れてしまい、意図せず
に便座が上昇してしまうという危険がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来事情
に鑑みてなされたものであり、その目的は、便蓋を開き
上げる動作で容易に便座を上昇でき、しかも、該便座が
用便時に心地好くフィットする上、該便座に着座すると
きの動作及び該便座から立ち上がるときの動作が楽な便
座付介護用ベッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的手段として、請求項1は、背受部、尻
載部、下腿受部、足載部の各部がそれぞれ枠上にマット
を有し、前記それぞれの枠を折曲自在に連結することに
より椅子状に折り曲げ可能なベッド体を構成し、前記尻
載部の一画が便座部からなる便座付介護用ベッドにおい
て、前記便座部は、便座と、手動で開閉回動する便蓋
と、該便蓋上面に一体的に敷設した便蓋用マットと、そ
して、ベッド体を椅子状に折り曲げた状態で、便座の前
端側を下腿受部のマット上端部上方に被せ且つ便座上面
を尻載部のマット上面と略面一にする着座位置と、便蓋
用マット上面を尻載部のマット上面と略面一にして便座
を尻載部枠内の便座収納部に収納する収納位置との間
で、便蓋の回動に連動して便座を斜めに昇降させる昇降
機構と、該昇降機構を前記着座位置で係止するロック機
構とを具備し、前記昇降機構は、前記便座収納部の前端
近傍に一端を軸着すると共に、便座における前端から略
マット厚分後方側に他端を軸着した前側リンクと、前記
収納位置にて略水平状な水平状片部を便蓋の後端に連続
状に固定する共に、垂直状片部の先端を便座後端に軸着
し、且つ同垂直状片部の後端を、前記便座収納部の後端
から突出させた軸支部に軸着した略L型を呈する連動リ
ンクとからなり、前記ロック機構は、一端部同士を軸着
した一対の後側リンクを、その両他端部の各々で便座後
端部と前記便座収納部後端部とに軸着して、前記収納位
置にて上向き山形状に折りたたみ可能に構成し、そし
て、一方の後側リンクの上辺部に、前記着座位置にて両
後側リンクが開き伸びた際に他方の後側リンクの上辺部
と係止する係止部を形成し、更に、両後側リンク間の軸
着部に、前記着座位置にて上方に牽引して前記係止状態
を解除するワイヤーを取付け、便蓋に、該ワイヤーを牽
引操作するワイヤー操作機構を設けてなることを要旨と
する。請求項2は、背受部、尻載部、下腿受部、足載部
の各部がそれぞれ枠上にマットを有し、それぞれの枠を
折曲自在に連結することにより椅子状に折り曲げ可能な
ベッド体を構成し、前記尻載部の一画が便座部からなる
便座付介護用ベッドにおいて、前記便座部は、便座と、
開閉回動する便蓋と、該便蓋上面に一体的に敷設した便
蓋用マットと、そして、ベッド体を椅子状に折り曲げた
状態で、便座の前端側を下腿受部のマット上端部上方に
被せ且つ便座上面を尻載部のマット上面と略面一にする
着座位置と、便蓋用マット上面を尻載部のマット上面と
略面一にして便座を尻載部枠内の便座収納部に収納する
収納位置との間で、便蓋の回動に連動して便座を斜めに
昇降させる昇降機構とを具備し、前記昇降機構は、前記
便座収納部の前端近傍に一端を軸着すると共に、便座に
おける前端から略マット厚分後方側に他端を軸着した前
側リンクと、前記収納位置にて略水平状な水平状片部を
便蓋の後端に連続状に固定する共に、垂直状片部の先端
を便座後端に軸着し、且つ同垂直状片部の後端を前記便
座収納部の後端から突出させた軸支部に軸着した略L型
を呈する連動リンクと、そして、モータの主軸にねじ機
構を介して伸縮可能に連接した伸縮ロッドを有し、伸縮
方向の遊びを持たせた状態で、該モータを尻載部の枠に
取りつけると共に、該伸縮ロッドの先端を便座後端側に
軸着した駆動部と、便座の開き始めの動作を感知する所
要な箇所に設けた検出手段と、便蓋に設けた便座下降用
操作スイッチとからなり、前記検出手段からの信号によ
って前記駆動部が便座を前記収納位置から前記着座位置
まで上昇させると共に、前記便座下降用操作スイッチか
らの信号によって前記駆動部が便座を前記着座位置から
前記収納位置まで下降させるように構成したことを要旨
とする。尚、前記伸縮方向の遊びは、具体的には、伸縮
ロッドの先端に軸方向に長い長孔を設け、この長孔に連
動リンクと便座後端を軸着している軸を挿通してもよい
し、あるいは、駆動部と尻載部の枠との取り付け箇所に
おいて、前記伸縮方向に遊びをもたせるようにしてもよ
い。
【0006】上記技術的手段によれば下記の作用を奏す
る。 (請求項1)マット体を椅子状に折り曲げた状態で便座
を上昇させる際、便蓋を開き上げると、連動リンクが便
座収納部後端から突出した軸支部を支点に回動して、便
座後端の軸着部を便座収納部後端側から前方斜め上に向
かって円運動させる。そして、この円運動に伴って、前
側リンクが、便座収納部の前端近傍の軸着部を支点にし
て、その他端側を後方から前方斜め上に向かって円運動
する。従って、便座は、便蓋の回動と連動して斜めに上
昇し、前端側を下腿受部のマット上端部上方に被せ且つ
上面を尻載部のマット上面と面一にする着座位置とな
る。この際、連動リンクの水平状片部から便蓋にかけて
の部位が連動リンクの垂直状片部より長いため、便蓋の
開閉動作が軸支部を支点とした梃子の作用により便座の
上昇動作に伝動される。そして、ロック機構における二
つの後方リンクが、それら両リンク間の軸着部で便座か
ら受けた荷重により下方に折曲しようとする力を上辺側
の係止部で係止することにより着座位置を保持する。ま
た、便座を下降させる際には、ワイヤー操作機構により
ワイヤーを牽引することにより、二つの後方リンク間の
軸着部を上方に折曲するので係止部が外れると共に、両
後方リンク間の軸着部を折曲しようとする力の方向が下
方から上方に変わるため、両後方リンクが便座の荷重を
受けて上方に折曲し、それに伴って、連動リンクが便座
側の端部を便座収納部の後端側に円運動すると共に、前
側リンクが便座側の端部を後方に円運動して、便座が収
納位置となる。 (請求項2)マット体を椅子状に折り曲げた状態で便座
を上昇させる際、便蓋を開き上げると、便蓋が伸縮ロッ
ドの伸縮方向の遊び分開くと共にその開き始めの動作を
検出手段が感知して駆動部が駆動する。そして、伸縮ロ
ッドの先端が便座後端側を押し、連動リンクが、便座収
納部後端から突出した軸支部を支点に回動して、便座後
端の軸着部を便座収納部後端側から前方斜め上に向かっ
て円運動させる。そして、この円運動に伴って、前側リ
ンクが、便座収納部の前端近傍の一端を支点にして、他
端側を後方から前方斜め上に向かって円運動する。従っ
て、便座は、便蓋の回動と連動して斜めに上昇し、前端
側を下腿受部のマット上端部上方に被せ且つ上面を尻載
部のマット上面と面一にする着座位置となる。そして、
駆動部における伸縮ロッドは、ねじ機構により伸縮する
ので、着座位置にてモータが停止したときに、便座から
荷重を受けても縮むことがなく、着座位置を保持する。
また、便座を下降させる際には、便座下降用操作スイッ
チの操作により駆動部が駆動して、伸縮ロッドが縮むの
で、それに伴って、連動リンクがその回動端を便座収納
部後端側に円運動すると共に、前側リンクがその回動端
を後方に円運動して、便座が収納位置となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至9は、本発明に係わる便
座付介護用ベッドの実施の一形態を示す。又、図10
は、本発明に係わる便座付介護用ベッドの他の一形態を
示す。便座付介護用ベッドは、椅子状に折り曲げ可能な
ベッド体10と、このベッド体10を床面との間で支持
する支持体6とを備える。
【0008】ベッド体10は、身体各部に対応する背受
部1、尻載部2、下腿受部3、足載部4からなり、これ
ら各部1,2,3,4は、それぞれに対応する枠11,
12,13,14をヒンジ101により椅子状に折り曲
げ可能に連結し、前記尻載部2における左右何れかの一
画を便座部5で構成すると共に、他方の一画を格子状の
スペーサ22で構成し、その他の各枠11,12,1
3,14内の空洞箇所を格子部材102で塞ぎ、連結さ
れた各部1,2,3,4の上面に、各部毎に折れ曲ると
共に便座部5の部位が切欠されたマット8を敷設してあ
る。尚、マット8は、各部毎に分割したものでも構わな
い。
【0009】また、足載部4の枠14の先端には、ベッ
ド体10を椅子状に折り曲げた状態で、お年寄りや体の
不自由な方が手を掛けて左右に移動したり立ち上がった
りする動作を補助できるように、ベッド体10の左右方
向に長尺な手摺部材107を、着脱可能に取付けてあ
る。
【0010】便座部5は、便座15と、便蓋25と、便
蓋用マット35と、便座15と便座収納部12a間にお
ける左右の昇降機構45及びロック機構55とを備えて
なり、尻載部2の枠12内における左右何れかの一画の
便座収納部12aに着脱可能に取付けてあり、枠12内
における他方の一画に着脱可能に取付けた格子状のスペ
ーサ22と位置交換することにより、左右の使い勝手を
変更できるようにしてある。
【0011】便座15は、矩形状板の中央部を開口した
一般的な洋式便座であり、下面側には有底状の便器5a
が取付けられる。尚、この便器5aは、床面に上部を開
口した便器を置くことにより省いても構わない。
【0012】便蓋25は、便座15に覆い被さる矩形状
を呈し、内部に後述するワイヤー操作機構7を備えてい
る。
【0013】便蓋用マット35は、スポンジ等のクショ
ン材からなり、上述したマット8の切欠部分を塞ぐよう
に便蓋25の上面に一体的に敷設してある。
【0014】昇降機構45は、両端に軸着部を有する前
側リンク145と、略L型を呈する連動リンク245と
を備えてなる。
【0015】前側リンク145は、便座収納部12aの
前端近傍に一端を軸着すると共に、便座15下面におけ
る前端から略マット8の厚さ分後方側に他端を軸着して
ある。また、連動リンク245は、便座15が便座収納
部12aに収納された状態(以降収納位置と称する)で
略水平状な水平状片部245aを便蓋25の後端に連続
状に固定する共に、略垂直状な垂直状片部245bの先
端側を便座15後端に軸着し、且つ同垂直状片部245
bの後端側を、便座収納部12a後端側から突出させた
軸支部345に軸着してある。
【0016】よって、上記構成の昇降機構45は、ベッ
ド体10を椅子状に折り曲げた状態で、連動リンク24
5が軸支部345を支点に回動して、便座15後端の軸
着部を便座収納部12a後端側から前方斜め上に向かっ
て円運動させる。そして、この円運動に伴って、前側リ
ンク145が、便座収納部12aの前端近傍の軸着部を
支点にして、その他端側を後方から前方斜め上に向かっ
て円運動する。
【0017】従って、便座15は、便蓋25の回動と連
動して斜めに上昇し、前端側を下腿受部3上のマット8
の上端部8aに被せ且つ上面を尻載部2上のマット上面
と面一にする着座位置となる。この際、便蓋25と一体
化した連動リンク245の水平状片部245aが垂直状
片部245bより長いため、便蓋25の開閉動作が軸支
部345を支点とした梃子の作用により便座15の上昇
動作に伝動される。
【0018】ロック機構55は、一端部同士が軸着され
ると共に、前記収納位置にて上向き山形状におりたたみ
可能に構成された一対の後側リンク155,255と、
この軸着部に取付けたワイヤー7aと、ワイヤー7aを
牽引操作することによりロック状態を解除するワイヤー
操作機構7とからなる。
【0019】一方の後側リンク155は、上辺部に、前
記着座位置にて他方の後側リンク255の上辺部と係止
する係止部155aを形成してあり、他方の後側リンク
255と逆側の端部を便座15後端側の下面における連
動リンク245の軸着箇所に併せて軸着してある。
【0020】また、他方の後側リンク255は、前記後
側リンク155と逆側の端部を便座収納部12aの後端
近傍に軸着してある。
【0021】そして、上記構成のロック機構55は、着
座位置にて便座15から受けた荷重により一対の後側リ
ンク155,255間の軸着部が下方に折曲しようとす
るのを、係止部155aが係止することにより、着座位
置を保持する。
【0022】また、便座15を下降させる際には、ワイ
ヤー操作機構7によりワイヤー7aを牽引することによ
り、一対の後側リンク155,255間の軸着部を上方
に折曲するので係止部155aが外れると共に、両後方
リンク155,255間の軸着部を折曲しようとする力
の方向が下方から上方に変わるため、両後方リンク15
5,255が便座15の荷重を受けて上方に折曲し、そ
れに伴って、連動リンク245が便座15側の端部を便
座収納部12a後端側に円運動すると共に、前側リンク
145が便座15側の端部を後方に円運動して、便座1
5が収納位置となる。
【0023】ワイヤー操作機構7は、便蓋25の回動端
側に、一端を該回動端から突出させて、スライド自在に
軸部材17を支持し、この軸部材17の突出端部に略半
球状の操作部材27を連接し、その他端側の便蓋25上
に、該軸部材17をその突出端方向に付勢するように圧
縮バネ37を設け、該軸部材17の長手方向の中途部に
二つの牽引リンク47,47を、軸部材17の軸方向に
並設させて各々一端側で軸着し、これら牽引リンク4
7,47の他端に、一端を一対の後側リンク155,2
55間の軸着部に取り付けたワイヤー7aの他端を止着
すると共に、牽引リンク47,47の各々を、略中央部
で便蓋25内面に軸着してなる。
【0024】上記構成のワイヤー操作機構7は、便座1
5が着座位置を保持している状態において、圧縮バネ3
7の付勢に抗するように操作部材27を押すと、軸部材
17の圧縮バネ37側へのスライドに連動して二つの牽
引リンク47,47が回動し、それぞれの牽引リンク4
7におけるワイヤー7aの止着部にてワイヤー7aを牽
引する。そして、一対の後側リンク155,255が、
上方へ折れ曲がることにより、便座15左右のワイヤー
7a,7aが弛むため、操作部材27は、圧縮バネ37
に付勢されて元の位置に戻る。
【0025】支持体6は、四隅側の各々に脚を有する枠
体であり、上部前方側に、前記尻載部2の枠12を一体
に形成することで、ベッド体10と一体的に構成され
る。そして、この支持体6の下側には、ベッド体10を
椅子状に折り曲げ駆動する駆動部103と駆動部104
を取付けてある。
【0026】駆動部103及び駆動部104は、それぞ
れモータの主軸にねじ機構を介して伸縮ロッドを伸縮可
能に連接してある。そして、駆動部103は、伸縮ロッ
ド103aの先端を、背受部1の回動と連動するように
構成したアーム105の下端に軸着してあり、伸縮ロッ
ド103aの伸縮動作により背受部1の枠11を回動さ
せる。尚、アーム105は、側面視くの字形を呈し、そ
の上端に、背受部1の枠11下面に設けた側面視矩形枠
状の案内部11a内で回動自在なローラ105aを有す
ると共に、その折れ曲り部分を支持体6の左右から支持
されており、伸縮ロッド103aの伸縮動作により回動
して、ローラ105aを案内部11a内で枠11と平行
にスライドさせながら枠11を昇降回動する。また、駆
動部104は、伸縮ロッド104aの先端を、下腿受部
3における枠13の裏側に軸着してあり、伸縮ロッド1
04aの伸縮動作により下腿受部3を回動させる。そし
て、この下腿受部3の回動は、一端を支持体6の前端側
に軸着し他端を足載部4における枠14の裏側に軸着し
た左右二つのアーム106,106によって、足載部4
を、その水平状態を常に維持するように回動させる。
【0027】而して、上記構成の便座付介護用ベッド
は、下記の作用効果を奏する。駆動部103及び駆動部
104を駆動させてベッド体10を椅子状に折り曲げた
状態で、便蓋25を開き上げると、便蓋25の開閉動作
が軸支部345を支点とした梃子の作用により便座15
の上昇動作に伝動されるため、お年寄りや体の不自由な
方等の腕力の弱い方でも自力で容易に便座を上昇でき、
便座15の下降操作も、操作部材27によりワンタッチ
で行える。
【0028】しかも、便座15を上昇させた着座位置に
て、便座15の前端側が、下腿受部3上のマット8上端
部上方に被さり、その上端部に膝裏から上腿にかけての
脚裏部分が接触することがないので、用便時に便座15
が脚裏に心地良くフィットする上、便座15が前方より
に位置するため、便座15に着座するときの動作及び便
座15から立ち上がるときの動作が楽に行える。
【0029】次に、本発明に係わる便座付介護用ベッド
の他の態様について説明する。この態様の便座付介護用
ベッドは、上述した態様に対し、便座部5を、便座15
の昇降を駆動部により行えるようにした便座部5’に置
き換えたものであり、同一構成部分の重複説明を省略す
る。
【0030】図10に示すように、便座部5’は、便座
15と、便蓋25’と、便蓋用マット35と、昇降機構
45’とを備えてなり、上述した態様と同様に尻載部2
の枠12内における格子状のスペーサ22と位置を交換
することにより、左右の使い勝手を変えられるようにし
てある。便座15及び便蓋用マット35については、上
述した態様のものと同一構成のものである。
【0031】便蓋25’は、便座15に覆い被さる矩形
状を呈し、先端側に後述する昇降機構45’の便座下降
用操作スイッチ108を取付けてある。
【0032】昇降機構45’は、上述した態様と同一構
成の前側リンク145及び連動リンク245と、尻載部
2の枠12の後部下側に上下首振り自在に取付けた駆動
部9と、検出手段109と、便座下降用操作スイッチ1
08とからなる。
【0033】駆動部9は、モータ19の主軸にねじ機構
を介して伸縮可能に連設した伸縮ロッド29を有し、こ
の伸縮ロッド29の先端に軸方向に長い長孔29aを形
成して、この長孔29aを、便座15後端下側の中央部
に軸着してなる。この駆動部9は、伸縮ロッド29の最
大長さ位置と最小長さ位置において自動的に停止するよ
うに構成してある。
【0034】検出手段109は、一般的なリミットスイ
ッチであり、便座15の後端面に、収納位置にて連動リ
ンク245の垂直状片部245bにおける側辺部に押さ
れるように取付けられている。また、便座下降用操作ス
イッチ108は、便蓋25’に先端部に取付けた押しボ
タンスイッチである。
【0035】そして、上記構成の昇降機構45’は、便
座15の収納位置にて、長孔29aによる伸縮方向の遊
び分便蓋25が開かれると、その開き始めの動作を検出
手段109が感知して、この検出手段109からの信号
によって伸縮ロッド29が伸びて便座15を着座位置に
し、また、便座15の着座位置にて、便座下降用操作ス
イッチ108を押されると、その便座下降用操作スイッ
チ108からの信号によって伸縮ロッド29が縮んで便
座15を収納位置にするように、駆動部9のモータ19
を制御してある。尚、便座15を下降させる際、駆動部
9は、前記伸縮方向の遊びにより、便蓋25が完全に締
り切るまで作動しないが、便蓋25は、前記遊び分を自
重により回動するため、便座15を完全に閉鎖する。
【0036】よって、この態様の便座付介護用ベッド
は、便座15を若干開き上げる動作により、駆動部9が
駆動して便座15が上昇するため、お年寄りや体の不自
由な方が意図せずに便座15を上昇させてしまう危険が
なく、しかも、上述した態様の便座付介護用ベッドと同
様に、用便時に便座15が脚裏に心地良くフィットする
上、便座15が前方よりに位置するため、便座15に着
座するときの動作及び便座15から立ち上がるときの動
作が楽に行える。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。 (請求項1)便蓋を開閉する動作により、お年寄りや体
の不自由な方がリハビリも兼ねて自力で便座を昇降でき
る上、便蓋の開閉動作が軸支部を支点とした梃子の作用
により伝動されるため、その昇降動作を楽に行える。し
かも、便座を上昇させた着座位置にて、便座の前端側
が、下腿受部のマット上端部上方に被さるため、その上
端部に膝裏から上腿にかけての脚裏部分が接触すること
がなく、用便時に便座が心地好くフィットする上、便座
が前方よりに位置するため、便座に着座するときの動作
及び便座から立ち上がるときの動作を楽に行える。 (請求項2)便蓋を若干開き上げる動作により、駆動部
が駆動して便座が上昇するため、お年寄りや体の不自由
な方が昇降操作用スイッチに触れてしまうことにより便
座を上昇させてしまうという誤操作の危険がない上、そ
の便蓋を若干開き上げる動作が、お年寄りや体の不自由
な方のリハビリにもなる。しかも、便座を上昇させた着
座位置にて、便座の前端側が、下腿受部のマット上端部
上方に被さるため、その上端部に膝裏から上腿にかけて
の脚裏部分が接触することがなく、用便時に便座が心地
好くフィットする上、便座が前方よりに位置するため、
便座に着座するときの動作及び便座から立ち上がるとき
の動作を楽に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる便座付介護用ベッドの実施の一
形態を示す側面図。
【図2】同便座付介護用ベッドの枠組みを示す斜視図。
【図3】同便座付介護用ベッドの枠組みを示す平面図。
【図4】図3における(4)―(4)線断面図。
【図5】図3における(5)―(5)線断面図。
【図6】便座部の収納位置の状態を示す側面図。
【図7】便座部の収納位置の状態を示す平面図。
【図8】便座部の着座位置の状態を示す側面図。
【図9】便座部の着座位置にてワイヤー操作機構の操作
状態を示す平面図であり、(イ)はワイヤーを牽引する
前の状態を示し、(ロ)はワイヤーを牽引した状態を示
す。
【図10】本発明に係わる便座付介護用ベッドにおける
他の実施の形態を示す側面図であり、(イ)は便座部に
おける収納位置を示し、(ロ)は便座部における着座位
置を示す。
【符号の説明】
1:背受部 2:尻載部 3:下腿受部 4:足載部 5,5’:便座部 8:マット 9:駆動部 7:ワイヤー操作機構 7a:ワイヤー 10:ベッド体 12a:便座収納部 25,25’:便蓋 35:便蓋用マット 45,45’:昇降機構 108:便座下降用操作スイッチ 109:検出手段 145:前側リンク 155,255:後側リンク 155a:係止部 245:連動リンク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背受部、尻載部、下腿受部、足載部の各
    部がそれぞれ枠上にマットを有し、前記それぞれの枠を
    折曲自在に連結することにより椅子状に折り曲げ可能な
    ベッド体を構成し、前記尻載部の一画が便座部からなる
    便座付介護用ベッドにおいて、 前記便座部は、便座と、手動で開閉回動する便蓋と、該
    便蓋上面に一体的に敷設した便蓋用マットと、そして、
    ベッド体を椅子状に折り曲げた状態で、便座の前端側を
    下腿受部のマット上端部上方に被せ且つ便座上面を尻載
    部のマット上面と略面一にする着座位置と、便蓋用マッ
    ト上面を尻載部のマット上面と略面一にして便座を尻載
    部枠内の便座収納部に収納する収納位置との間で、便蓋
    の回動に連動して便座を斜めに昇降させる昇降機構と、
    該昇降機構を前記着座位置で係止するロック機構とを具
    備し、 前記昇降機構は、前記便座収納部の前端近傍に一端を軸
    着すると共に、便座における前端から略マット厚分後方
    側に他端を軸着した前側リンクと、前記収納位置にて略
    水平状な水平状片部を便蓋の後端に連続状に固定する共
    に、垂直状片部の先端を便座後端に軸着し、且つ同垂直
    状片部の後端を、前記便座収納部の後端から突出させた
    軸支部に軸着した略L型を呈する連動リンクとからな
    り、 前記ロック機構は、一端部同士を軸着した一対の後側リ
    ンクを、その両他端部の各々で便座後端部と前記便座収
    納部後端部とに軸着して、前記収納位置にて上向き山形
    状に折りたたみ可能に構成し、そして、一方の後側リン
    クの上辺部に、前記着座位置にて両後側リンクが開き伸
    びた際に他方の後側リンクの上辺部と係止する係止部を
    形成し、更に、両後側リンク間の軸着部に、前記着座位
    置にて上方に牽引して前記係止状態を解除するワイヤー
    を取付け、便蓋に、該ワイヤーを牽引操作するワイヤー
    操作機構を設けてなることを特徴とする便座付介護用ベ
    ッド。
  2. 【請求項2】 背受部、尻載部、下腿受部、足載部の各
    部がそれぞれ枠上にマットを有し、それぞれの枠を折曲
    自在に連結することにより椅子状に折り曲げ可能なベッ
    ド体を構成し、前記尻載部の一画が便座部からなる便座
    付介護用ベッドにおいて、 前記便座部は、便座と、開閉回動する便蓋と、該便蓋上
    面に一体的に敷設した便蓋用マットと、そして、ベッド
    体を椅子状に折り曲げた状態で、便座の前端側を下腿受
    部のマット上端部上方に被せ且つ便座上面を尻載部のマ
    ット上面と略面一にする着座位置と、便蓋用マット上面
    を尻載部のマット上面と略面一にして便座を尻載部枠内
    の便座収納部に収納する収納位置との間で、便蓋の回動
    に連動して便座を斜めに昇降させる昇降機構とを具備
    し、 前記昇降機構は、前記便座収納部の前端近傍に一端を軸
    着すると共に、便座における前端から略マット厚分後方
    側に他端を軸着した前側リンクと、前記収納位置にて略
    水平状な水平状片部を便蓋の後端に連続状に固定する共
    に、垂直状片部の先端を便座後端に軸着し、且つ同垂直
    状片部の後端を前記便座収納部の後端から突出させた軸
    支部に軸着した略L型を呈する連動リンクと、そして、
    モータの主軸にねじ機構を介して伸縮可能に連接した伸
    縮ロッドを有し、伸縮方向の遊びを持たせた状態で、該
    モータを尻載部の枠に取りつけると共に、該伸縮ロッド
    の先端を便座後端側に軸着した駆動部と、便座の開き始
    めの動作を感知する所要な箇所に設けた検出手段と、便
    蓋に設けた便座下降用操作スイッチとからなり、 前記検出手段からの信号によって前記駆動部が便座を前
    記収納位置から前記着座位置まで上昇させると共に、前
    記便座下降用操作スイッチからの信号によって前記駆動
    部が便座を前記着座位置から前記収納位置まで下降させ
    るように構成したことを特徴とする便座付介護用ベッ
    ド。
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