JP2000223832A - セラミックス基板 - Google Patents

セラミックス基板

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JP2000223832A
JP2000223832A JP37481099A JP37481099A JP2000223832A JP 2000223832 A JP2000223832 A JP 2000223832A JP 37481099 A JP37481099 A JP 37481099A JP 37481099 A JP37481099 A JP 37481099A JP 2000223832 A JP2000223832 A JP 2000223832A
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JP
Japan
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paste
green sheet
hole
substrate
filled
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JP37481099A
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English (en)
Inventor
Masaki Matsuoka
正記 松岡
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ペーストの充填によって形成されたスルーホー
ル内導体回路の密着性を向上させたセラミックス基板を
提供することにある。 【解決手段】セラミックス粉末からなるグリーシートに
透設されたスルーホール形成用孔には、タングステンを
含むペーストが充填される。ペーストには、イットリア
系の物質、セラミックス、Ti、チタン化合物から選ば
れる一種以上の添加剤が加えられる。このペーストをス
ルーホール形成用孔に充填した後、グリーンシートとペ
ーストとを常圧下で加熱することにより、グリーンシー
トを焼成すると共にペーストを定着させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体パッケージ、静
電チャック、ホットプレートなどスルーホールを有する
セラミックス基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の基板の製造方法では、窒
化アルミニウム等のセラミックス粉末からグリーンシー
トが成形され、そのグリーンシートにはスルーホール形
成用孔が透設される。そして、スルーホール形成用孔内
には、導体回路を形成するため、例えばタングステン等
の導電性金属を含むペーストが充填され、その後、前記
グリーンシートは所定温度に加熱されて焼結体となる。
一方、タングステンは自己焼結力を備えていないため、
焼成時におけるグリーンシートの収縮に伴うアンカー効
果によって、前記スルーホール形成用孔内に物理的に定
着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、グリーンシ
ートを常圧下で焼成したとしても、グリーンシートを充
分に収縮させることができず、ペーストの定着に必要な
物理的作用を確保することが困難である。その結果、ス
ルーホール形成用孔と導体回路との密着性が悪化して、
両者の界面に微細な隙間が生じ易くなる。
【0004】また、このような基板を用いて半導体パッ
ケージ等を製造したとしても、パッケージ内に充填され
たガスが前記隙間からリークする虞れがあり好適でな
い。一方、ホットプレス法により高温加圧下でグリーン
シートを焼成する方法によれば、上述した導体回路の密
着性悪化に関する問題は解消され得る。しかし、この方
法では、ホットプレス焼成のための装置が大掛かりにな
り、また製造コスト的にも不利である。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みて成されたもの
であり、その目的は、ペーストの充填によって形成され
たスルーホール内導体回路の密着性を向上させたセラミ
ックス基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の課題を解
決するために、本発明では、セラミックス粉末からなる
グリーンシートにスルーホール形成用孔を透設し、その
スルーホール形成用孔に充填されるペーストには、イッ
トリア系の物質、セラミックス、Ti、チタン化合物か
ら選ばれる一種以上の添加剤を加え、そのペーストを前
記スルーホール形成用孔に充填した後、前記グリーンシ
ートと前記ペーストとを常圧下で加熱することにより、
グリーンシートを焼成すると共にペーストを定着させて
いる。
【0007】この方法によると、ペースト中の添加剤と
グリーンシート中の特定成分とが反応して、スルーホー
ル形成用孔とペーストとの界面付近に反応相が形成され
る。そして、両者は前記反応相の介在によって、化学的
に確実に接合される。従って、ホットプレス法によらな
くとも、スルーホール形成用孔と導体回路との間に好適
な密着性を確保することができ、その際、両者の間に微
細な隙間が形成されることはない。
【0008】以下に本発明のスルーホールを有するセラ
ミックス基板の製造方法を工程順に説明する。グリーン
シートを形成するためのセラミックス粉末としては、窒
化アルミニウム、アルミナ、炭化珪素、窒化ホウ素粉末
等があり、中でも電気絶縁性、熱伝導性に優れた窒化ア
ルミニウム粉末を選択することが好適である。セラミッ
クス粉末には、酸化イットリウム(Y23)に代表され
る焼結助剤、バインダ及び溶剤等が配合され、これらを
充分に混練することにより高粘度スラリーが形成され
る。前記スラリーをプレス成形、押出成形またはドクタ
ーブレード成形することにより、シート状のグリーンシ
ートが形成される。このグリーンシートには、ドリル加
工等の常法によりスルーホール形成用孔が透設される。
【0009】充填用のペーストは、導電性金属の粉末に
バインダ、分散剤及びグリーンシート中の成分と反応し
て反応相を形成する添加剤等を配合し、それらを均一に
混練することにより製造される。
【0010】導電性金属としては、タングステン
(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオ
ブ(Nb)等から選択される少なくとも何れか一種のも
のが使用される。中でも特に導電性に優れるタングステ
ン粉末を用いることが導体回路の低抵抗化を図るうえで
好適である。
【0011】また、前記添加剤には、焼結助剤として用
いられるイットリア系の物質、窒化アルミニウム等に代
表されるセラミックス、及びチタン化合物等が使用可能
である。
【0012】この場合、イットリア系の物質とは、例え
ば、Y23,YAlO3,Y3Al512,2Y23・A
23等が該当する。前記物質は加熱によってグリーン
シート中の金属陽イオン(Alイオン等)と反応して、
スルーホール形成用孔とペーストとの界面付近にガラス
相を形成する性質を有する。
【0013】また、窒化アルミニウム、アルミナ等のセ
ラミックスは、加熱によりグリーンシート中の焼結助剤
(Y23等)と反応する。その際、スルーホール形成用
孔とペーストとの界面付近にガラス相を形成する性質を
有する。
【0014】また、Ti,TiN,TiO2等のチタン
化合物は、グリーンシート中の窒素イオン及び焼成時の
窒素雰囲気と反応して、TiNのような化合物を形成す
る。前記チタン化合物は加熱によってグリーンシート側
に拡散する性質を有している。
【0015】添加剤の添加量は0.5重量%〜10重量
%の範囲であることが好ましい。その理由は、前記範囲
を越えると導体回路の抵抗値が増大するためである。一
方、前記範囲未満であると、反応相の形成量が充分でな
いため、密着性が向上しないからである。
【0016】上述のペーストはスクリーン印刷等の常法
によりグリーンシート表面に印刷される。そして、スル
ーホール形成用孔内にはペーストが充填され、かつグリ
ーンシート表面には回路パターンが形成される。ペース
トを乾燥した後、グリーンシートは脱脂され、常圧下で
所定温度条件にて焼成される。尚、グリーンシートはラ
ミネート装置等を用いて、脱脂前に適宜積層しても良
い。
【0017】以上の工程を経ることにより、スルーホー
ル形成用孔と導体回路との密着性に優れたスルーホール
を有するセラミックス基板が製造される。
【0018】
【実施例】以下に本発明を具体化した一実施例について
図面に基づき詳細に説明する。 〔実施例1〕本実施例1では、平均粒径が約10μmの
窒化アルミニウム(AlN)粉末に、焼結助剤としての
酸化イットリウム(Y23)粉末を5重量%と、溶剤と
してのアルコールを30重量%〜40重量%と、バイン
ダとしてのアクリル系ポリマーを11重量%と、可塑剤
としてのDBP(ジブチルフタレート)を2重量%と、
ノニオン系の分散剤を0.5重量%とを添加した後、そ
の混合物をボールミルで混練して高粘度スラリーを作製
した。次いで、ドクターブレード法によって前記スラリ
ーからグリーンシート1を製造した。次いで、得られた
グリーンシート1に打ち抜き及びドリル加工によって複
数のスルーホール形成用孔2を形成した。
【0019】次に、平均粒径が3.5μmのタングステ
ン粒子に、ジエチレングリコール系の溶剤3重量%〜4
重量%と、バインダとしてのアクリル系ポリマーを2重
量%と、ノニオン系の分散剤を0.1重量%と、添加剤
としての酸化イットリウムを3重量%とを配合した混合
物を三本ロール混合機を使用し、充分に混合してタング
ステンペーストPを作製した。
【0020】そのペーストPをスクリーン印刷によりグ
リーンシート1に印刷して、グリーンシート1表面に厚
さ約20μmの表層回路パターン3を形成すると共に、
スルーホール形成用孔2内にペーストPを充填した。次
いで、ペーストPを乾燥した後に、グリーンシート1を
真空雰囲気下にて、400℃〜600℃で2時間加熱し
て脱脂した。次に、グリーンシート1を窒素雰囲気下に
て、1300℃〜1600℃で10時間加熱して仮焼成
した。
【0021】そして、グリーンシート1を常圧下かつ窒
素ガス雰囲気下にて、1800℃〜1850℃で5時間
加熱することにより、グリーンシート1を焼成した。焼
成時の高温によってペーストP中のY23がグリーンシ
ート1中のAlイオンと反応し、スルーホール形成用孔
2とペーストPとの界面付近にはY,Al,Oからなる
ガラス相5が形成されていた(図2(a)参照)。そし
て、このガラス相5の形成により、スルーホール形成用
孔2内にペーストPが化学的に確実に定着されていた。
スルーホール形成用孔2の中心部では従来と同様にペー
ストPは物理的に定着されている。
【0022】以上の工程を経ることにより、図1に示す
ようなスルーホール内導体回路4を有する窒化アルミニ
ウム基板10を得た。そして、スルーホール内導体回路
3の密着性を調査するために、前記基板10に対してヘ
リウム(He)リーク試験を行った。この試験では、図
1にて2点鎖線で示すように、先ず基板10上に実装さ
れたICチップ6に封止用キャップ8を被せてICパッ
ケージを作成した。また、基板10とキャップ8とはハ
ンダ7によって接合され、キャップ8内は気密状態に保
持されている。次に、キャップ8と基板10とがなす空
間9内に加圧したヘリウムガスを充填した後、この基板
10を真空中に放置して、スルーホールを介してリーク
するヘリウムの量(atm・cc/sec.(He))を測定した。
尚、基板10を構成する焼結したグリーンシート1とキ
ャップ8との間の密着性は保証されており、接合部分か
らヘリウムがリークすることはない。
【0023】更に、前記基板10のシート抵抗値(mΩ
/□)についても測定を行った。それらの結果を表1に
示す。 〔実施例2〕実施例2では、添加剤としてY23を用い
た前記実施例1に代えて、平均粒径約1.0μmの窒化
アルミニウム粉末3重量%が配合されたタングステンペ
ーストPを作成した。また、その他の材料及び条件等に
ついては前記方法に準じ、グリーンシート1にペースト
Pの印刷、脱脂及び焼成を施した。
【0024】焼成時の高温によってペーストP中のAl
Nがグリーンシート1中のY23と反応し、スルーホー
ル形成用孔2とペーストPとの界面付近にはY,Al,
Oからなるガラス相5が形成されていた(図2(a)参
照)。そして、このガラス相5の形成により、実施例1
と同様にスルーホール形成用孔2内にはペーストPが化
学的に確実に定着されていた。
【0025】前記方法により得られた窒化アルミニウム
基板10に対し、前述の試験を行った結果を表1に共に
示す。 〔実施例3〕また、実施例3では、Ti粉末3重量%を
添加剤として用い、タングステンペーストPを作成し
た。また、その他の材料及び条件等については実施例1
の方法に準じ、グリーンシート1にペーストPの印刷、
脱脂及び焼成を施した。
【0026】こうして得られた基板10では、焼成時の
高温によってペーストP中のTiがグリーンシート1中
のNイオンと反応し、スルーホール形成用孔2とペース
トPとの界面付近にはTiN相5が形成されていた(図
2(a)参照)。そして、このTiN相5の形成により、
実施例1と同様にスルーホール形成用孔2内にはペース
トPが化学的に確実に定着されていた。この基板10に
対し、前述の試験を行った結果を表1に共に示す。 〔比較例〕尚、比較例では、前記各実施例のような添加
剤を一切配合せずにタングステンペーストを作成した。
このような従来タイプのペーストを用いたことを除き、
他の材料及び条件等については、実施例1の方法に従っ
た。
【0027】こうして得られた比較例の基板では、スル
ーホール形成用孔2とペーストPとの界面付近に、図2
(a)のような反応相5の形成は認められなかった。ま
た、図2(b)に示すように、微細な隙間Cが生じている
スルーホールもいくつか観察された。この基板に対して
前述の試験を行った結果を表1に共に示す。
【0028】
【表1】 表1から明らかなように、ヘリウムリーク試験を行った
結果、前記各実施例1〜3のリーク量は10-9atm・cc/
sec.(He)という小さい値であった。それに対して、比較
例では前記測定値よりも数オーダー大きい値を示し、各
実施例の基板が比較例の基板に比して封止性に優れるこ
とが判った。また、シート抵抗を測定した結果、各実施
例1〜3のシート抵抗値は比較例とほぼ同程度であり、
添加剤の混入量が各実施例程度の少なさであれば、シー
ト抵抗値は増大しないことが判明した。
【0029】以上の結果を総合すると、各実施例1〜3
の基板10が比較例の基板に比して優れた特性を備えて
いることは明白である。また、本方法によればホットプ
レス装置を必要としないため、製造コストの高騰を招く
こともない。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ペーストの充填によって形成されたスルーホール内導体
回路の密着性が向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した窒化アルミニウム基板を示
す概略断面図である。
【図2】(a)は実施例1〜3の基板を示す要部拡大図
であり、(b)は比較例の基板を示す要部拡大図であ
る。
【符号の説明】
2 スルーホール、P ペースト、4 導体回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルーホールを有するセラミックス基板に
    おいて、前記スルーホールはイットリア系の物質、セラ
    ミックス、Ti、チタン化合物から選ばれる一種以上を
    添加したペーストが焼成されて導体回路が形成されてい
    ることを特徴とするセラミックス基板。
JP37481099A 1999-01-01 1999-12-28 セラミックス基板 Pending JP2000223832A (ja)

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