JP2000223343A - 磁芯部材を有する扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグ - Google Patents

磁芯部材を有する扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグ

Info

Publication number
JP2000223343A
JP2000223343A JP11025876A JP2587699A JP2000223343A JP 2000223343 A JP2000223343 A JP 2000223343A JP 11025876 A JP11025876 A JP 11025876A JP 2587699 A JP2587699 A JP 2587699A JP 2000223343 A JP2000223343 A JP 2000223343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
jig
winding
thickness
engaged
magnetic core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11025876A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Nakazato
稔 中里
Takashi Tsuchida
隆 土田
Koichi Ishiyama
宏一 石山
Seiro Hachiman
誠朗 八幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP11025876A priority Critical patent/JP2000223343A/ja
Publication of JP2000223343A publication Critical patent/JP2000223343A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coil Winding Methods And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル本体が巻回された磁芯部材をコイル本
体とともに極めて容易に巻線用ジグから取外すことがで
き、扁平コイルを量産可能にする。 【解決手段】 先ず幅を変更可能な巻線用ジグ12の幅
を拡大した状態で、箔又は薄板の単層体又は積層体に形
成された磁芯部材11aを上記巻線用ジグ12の外面に
沿わせ、巻線用ジグ12の外面に磁芯部材11aを介し
て導線を巻きコイル本体11bを形成する。次にコイル
本体11bの形成後に巻線用ジグ12の幅を縮小して磁
芯部材11aをコイル本体11bとともに巻線用ジグ1
2から取外し、上記コイル本体11bを押し潰して接着
剤により扁平にした状態で固定する。また上記巻線用ジ
グ12の磁芯部材11aに接する外面は凸状に形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイル本体に流れ
る電流が変化したときにコイル本体内に発生する磁力線
の方向が磁芯部材の面方向に一致する扁平コイルの製造
方法及びその巻線用ジグに関する。更に詳しくはIDカ
ードの送受信用アンテナ等に用いられる扁平コイルの製
造方法及びその巻線用ジグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アンテナに用いられるコイルとし
て、磁芯部材を有せず一つの平面内に渦巻き状に巻回さ
れたものが知られている。しかし、このコイルでは、コ
イル内を通る磁力線の方向がコイルの取付面に対して垂
直であるため、上記コイルが内蔵されたIDカードをポ
ケット等に収容し、かつカードの近辺に硬貨やアルミ箔
(タバコ包装用)等の導電性部材が存在すると、カード
認識装置がカードに向って電磁波を発信しても、カード
内のコイルが上記導電性部材の影響を受けて共振せず、
カード認識装置がカードを認識できない場合があった。
【0003】そこで、アモルファス等の薄い磁性金属箔
を積層して磁芯部材を作製し、この磁芯部材に導線を巻
いてコイル本体を形成したコイルが考えられる。このコ
イルでは、コイル本体内を通る磁力線が磁芯部材の面方
向に一致するようになっている。このコイルが内蔵され
たIDカードをポケット等に収容し、かつカードの近辺
に硬貨やアルミ箔(タバコ包装用)等の導電性部材が存
在しても、カード内のコイルはこれらの導電性部材の影
響を受けることが少ない。この結果、カード認識装置が
カードに向って発信した電波によりカード内のコイルが
確実に共振し、カード認識装置がカードを常に認識でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の磁芯部材を
有するコイルでは、このコイルが内蔵されたIDカード
の厚さをできるだけ薄くするために、コイルの厚さを薄
くしなければならない。このため磁芯部材の面積を広く
してその厚さを薄くし、かつコイル本体の導線の直径を
細くする必要がある。しかし、細い導線を薄くかつ面積
の広い磁芯部材に巻くと、導線が磁芯部材の表面に密着
せず浮き上がるため、隣同士の導線が重なる場合があ
る。このため、コイル全体の厚さが厚くなってしまい、
量産することが難しい問題点がある。
【0005】本発明の第1の目的は、コイル本体が巻回
された磁芯部材をコイル本体とともに極めて容易に巻線
用ジグから取外すことができ、量産に適した、磁芯部材
を有する扁平コイルの製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、コイル本体が巻回された磁芯部
材をコイル本体とともに極めて容易に取外すことができ
る巻線用ジグを提供することにある。本発明の第3の目
的は、コイル本体を構成する細い導線を薄くかつ面積の
広い磁芯部材に巻いても、隣同士の導線が重なることが
なく、コイル全体の厚さを薄くできる、磁芯部材を有す
る扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図5に示すように、幅及び厚さのいずれか一方
又は双方を変更可能な巻線用ジグ12の幅及び厚さのい
ずれか一方又は双方を拡大した状態で、箔又は薄板の単
層体又は積層体に形成された磁芯部材11aを上記巻線
用ジグ12の外面に沿わせる工程と、巻線用ジグ12の
外面に磁芯部材11aを介して導線23aを巻きコイル
本体11bを形成する工程と、コイル本体11bの形成
後に巻線用ジグ12の幅及び厚さのいずれか一方又は双
方を縮小して磁芯部材11aをコイル本体11bととも
に巻線用ジグ12から取外す工程と、上記コイル本体1
1bを押し潰して接着剤により扁平にした状態で固定す
る工程とを含む扁平コイルの製造方法である。この請求
項1に記載された扁平コイルの製造方法では、巻線用ジ
グ12に導線23aを巻いてコイル本体11bを形成す
るときには、巻線用ジグ12の幅及び厚さのいずれか一
方又は双方を拡大した状態で行う。一方、コイル本体1
1bが巻回された磁芯用部材11aを巻線用ジグ12か
ら取外すときには、巻線用ジグ12の幅及び厚さのいず
れか一方又は双方を縮小した状態で行う。この結果、コ
イル本体11bが巻回された磁芯部材11aをコイル本
体11bとともに極めて容易に巻線用ジグ12から取外
すことができるので、扁平コイル11を効率良く量産す
ることができる。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1及び図5に示すように、巻線用ジ
グ12の磁芯部材11aに接する外面が凸状に形成され
たことを特徴とする。この請求項2に記載された扁平コ
イルの製造方法では、薄くかつ面積の広い磁芯部材11
aであっても、この磁芯部材11aが巻線用ジグ12の
凸状の外面に沿って凸状になっているので、コイル本体
11bを構成する細い導線23aを巻線用ジグ12に磁
芯部材11aを介して巻いたときに、導線23aが磁芯
部材11aから浮き上がらず、磁芯部材11aの表面に
密着する。この結果、隣同士の導線23aが重なること
がなく、コイル11全体の厚さを薄くすることができ
る。
【0008】請求項3に係る発明は、図1、図2及び図
5に示すように、係合部13aを有する第1ジグ本体1
3と、係合部13aが係合可能な被係合部14aを有す
る第2ジグ本体14とを備え、係合部13aを被係合部
14aに係合した状態で被係合部14aに所定の隙間1
4dが形成され、係合部13aがこの所定の隙間14d
を含む被係合部14a内を移動することにより、第1及
び第2ジグ本体13,14全体の幅又は厚さのいずれか
一方を変更可能に構成された巻線用ジグであって、上記
所定の隙間14dに楔16を挿入することにより第1及
び第2ジグ本体13,14全体の幅又は厚さのいずれか
一方が拡大された状態で固定され、楔16を上記所定の
隙間14dから引抜くことにより第1及び第2ジグ本体
13,14全体の幅又は厚さのいずれか一方が縮小可能
に構成されたことを特徴とする。この請求項3に記載さ
れた巻線用ジグでは、楔16を被係合部14aの所定の
隙間14dに挿入して巻線用ジグ12の幅又は厚さのい
ずれか一方を拡大した状態で、巻線用ジグ12に導線2
3aを巻いてコイル本体11bを形成する。またコイル
本体11bが巻回された磁芯用部材11aを巻線用ジグ
12から取外すときには、楔16を上記所定の隙間14
dから引抜いて巻線用ジグ12の幅又は厚さのいずれか
一方を縮小した状態で行う。この結果、コイル本体11
bが巻回された磁芯部材11aをコイル本体11bとと
もに極めて容易に巻線用ジグ12から取外すことができ
る。
【0009】請求項4に係る発明は、図8に示すよう
に、放射状に延びる複数の被係合部71aを有する支軸
71と、これらの被係合部71aに係合可能な係合部7
3aを有する複数のジグ本体73とを備え、係合部73
aを被係合部71aに係合した状態で係合部71a又は
被係合部に所定の隙間73dが形成され、係合部73a
が上記所定の隙間73d分だけ被係合部71aに対して
移動することにより、複数のジグ本体73全体の幅及び
厚さのいずれか一方又は双方を変更可能に構成された巻
線用ジグであって、上記所定の隙間73dに楔76を挿
入することにより複数のジグ本体73全体の幅及び厚さ
のいずれか一方又は双方が拡大された状態で固定され、
楔76を上記所定の隙間73dから引抜くことにより複
数のジグ本体73全体の幅及び厚さのいずれか一方又は
双方が縮小可能に構成されたことを特徴とする。この請
求項4に記載された巻線用ジグでは、楔76を係合部7
3a又は被係合部の所定の隙間73dに挿入することに
より、巻線用ジグ72の幅又は厚さのいずれか一方のみ
ならず幅及び厚さの双方を拡大できる。またコイル本体
11bが巻回された磁芯用部材11aを巻線用ジグ72
から取外すときには、楔76を上記所定の隙間73dか
ら引抜いて巻線用ジグ72の幅又は厚さのいずれか一方
のみならず幅及び厚さの双方を縮小できる。この結果、
コイル本体11bが巻回された磁芯部材11aをコイル
本体11bとともに更に容易に巻線用ジグ72から取外
すことができる。
【0010】請求項5に係る発明は、図9に示すよう
に、テーパ付軸91と、このテーパ付軸91の円周方向
に延びる係合部94及び被係合部95をそれぞれ有しテ
ーパ付軸91を包囲する複数のジグ本体93とを備え、
各ジグ本体93の係合部94が一方の隣接するジグ本体
93の被係合部95に係合しかつ各ジグ本体93の被係
合部95に他方の隣接するジグ本体93の係合部94が
係合し、係合部94を被係合部95に係合した状態で被
係合部95に所定の隙間95cが形成され、係合部94
が上記所定の隙間95c分だけ被係合部95に対して移
動することにより、複数のジグ本体93全体の幅及び厚
さのいずれか一方又は双方を変更可能に構成された巻線
用ジグであって、係合部94を被係合部95に係合した
状態で複数のジグ本体93の中心にテーパ付軸91を挿
入することにより複数のジグ本体93全体の幅及び厚さ
のいずれか一方又は双方が拡大された状態で固定され、
係合部94を被係合部95に係合した状態で複数のジグ
本体93の中心からテーパ付軸91を引抜くことにより
複数のジグ本体93全体の幅及び厚さのいずれか一方又
は双方が縮小可能に構成されたことを特徴とする。この
請求項5に記載された巻線用ジグでは、係合部94を被
係合部95に係合した状態で複数のジグ本体93の中心
にテーパ付軸91を挿入することにより、巻線用ジグ9
2の幅又は厚さのいずれか一方のみならず幅及び厚さの
双方を拡大できる。またコイル本体11bが巻回された
磁芯用部材11aを巻線用ジグ92から取外すときに
は、複数のジグ本体93の中心からテーパ付軸91を引
抜くことにより、巻線用ジグ92の幅又は厚さのいずれ
か一方のみならず幅及び厚さの双方を縮小できる。この
結果、コイル本体11bが巻回された磁芯部材11aを
コイル本体11bとともに更に容易に巻線用ジグ92か
ら取外すことができる。
【0011】請求項6に係る発明は、請求項3ないし5
いずれかに係る発明であって、更に図1、図2及び図5
に示すように、係合部13aが被係合部14aに係合し
た状態で第1及び第2ジグ本体13,14又は複数のジ
グ本体の全体形状が略楕円柱状に形成されたことを特徴
とする。この請求項6に記載された巻線用ジグでは、薄
くかつ面積の広い磁芯部材11aであっても、この磁芯
部材11aが略楕円柱状の巻線用ジグ12の外面に沿っ
て凸状になっているので、コイル本体11bを構成する
細い導線23aを巻線用ジグ12に磁芯部材11aを介
して巻いたときに、導線23aが磁芯部材11aから浮
き上がらず、磁芯部材11aの表面に密着する。この結
果、隣同士の導線23aが重なることがなく、コイル1
1全体の厚さを薄くすることができる。なお、本明細書
において「略楕円柱」とは、横断面が略楕円状に形成さ
れた柱状体である。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1〜図4に示すように、扁
平コイル11は磁芯部材11aと、この磁芯部材11a
に巻回されたコイル本体11bとを有する。コイル本体
11bを磁芯部材11aに巻回するための巻線用ジグ1
2は係合部13aを有する第1ジグ本体13と、係合部
13aが係合可能な被係合部14aを有する第2ジグ本
体14とを備える。係合部13aが被係合部14aに係
合した状態で第1及び第2ジグ本体13,14の全体形
状が略楕円柱状に形成され、かつ第1及び第2ジグ本体
13,14は巻線用ジグ12の幅方向に並ぶように配置
される。係合部13aは横断面略T字状に形成され、係
止片13bと、この係止片13bを第1ジグ本体13に
連結する連結片13cとを有する(図1(a)、図2及
び図4)。また被係合部14aは横断面略T字状に形成
され、係止片13bを遊挿可能な被係止孔14bと、連
結片13cを摺動可能に挿通する連結溝14cとを有す
る。被係止孔14bには係止片13bを被係止孔14b
に遊挿した状態で所定の隙間14dが形成され、連結片
13cの長さは連結溝14cの深さより長く形成され
る。これにより係止片13bが上記所定の隙間14dを
含む被係止孔14b内を移動可能に構成される。即ち、
係止片13bが被係止孔14b内を巻線用ジグ12の幅
方向に移動することにより、第1及び第2ジグ本体全体
13,14の幅を変更可能に構成される。
【0013】上記所定の隙間14dには楔16を挿入可
能に構成され、この楔16は基端から先端に向うに従っ
て細くなるよう(先細り)に形成される(図1及び図
3)。また上記所定の隙間14dは楔16に相応したテ
ーパ状に形成される、即ち係止片13bは楔16とは逆
に基端から先端に向うに従って太くなるように形成され
る。上記所定の隙間14dに楔16を挿入することによ
り第1及び第2ジグ本体13,14全体の幅が拡大され
た状態で固定され(図1(b)及び図2)、楔16を上
記所定の隙間14dから引抜くことにより第1及び第2
ジグ本体13,14全体の幅が縮小可能に構成される
(図1(d)及び図4)。なお、楔16の基端にはこの
楔16を引抜くための引掛け部16aが形成される(図
1(a)及び図3)。また巻線用ジグ12の一方の端面
中央、即ち第1ジグ本体13の連結片13cの一方の端
面にはシャフト17が突設される(図1〜図4)。
【0014】一方、図5及び図6には、巻線用ジグ12
を回転させかつ巻線用ジグ12に被覆導線23aを供給
する巻線機21が示される。この巻線機21は巻線用ジ
グ12のシャフト17を保持するチャック22と、この
チャック22を回転させる回転機構(図示せず)と、被
覆導線23aが巻回されたボビン23と、ボビン23に
巻回された被覆導線23aをシャフト17の長手方向に
案内する送り機構24とを備える。送り機構24は支柱
24aに摺動可能に挿通されチャック22の回転に同期
し支柱24aに沿って移動する移動体24bと、移動体
24bにステー24cを介して接続され被覆導線23a
を遊挿するガイド筒24dとを有する。図5及び図6の
符号26は被覆導線23aに所定の張力を与えるテンシ
ョン装置である。なお、図3の符号27は巻線用ジグ1
2の第2ジグ本体14の一方の端面に突設された導線仮
止め部であり、この導線仮止め部27に被覆導線23a
の先端が巻き付けられる。この導線仮止め部27は段付
ボルトにより構成されることが好ましい。
【0015】このように構成された巻線用ジグ12及び
巻線機21を用いて扁平コイル11を製造する方法を説
明する。先ず所定の寸法に切断された複数枚の磁性材料
により形成された箔又は板を用意し、これらの箔又は板
を半数ずつ積層して2組の磁芯部材11aを作製する。
複数枚の箔又は板が奇数の場合には、2組の磁芯部材1
1aのうちのいずれか一方の箔又は板が1枚多くなる。
上記箔又は板の積層時には箔又は板の相互の導電を防止
するために、箔又は板間に紙などの絶縁層を挟んで積層
接着する。また上記磁性材料により形成された箔又は板
としては鉄系アモルファス、コバルト系アモルファス、
フェライト、パーマロイ、電磁鋼板等の板又は箔を用い
ることが好ましく、箔又は板の厚さはできるだけ薄い方
がよいが、箔又は板の製作上の都合等により10〜10
0μmの範囲であることが好ましい。なお、箔又は板間
に絶縁性を有する接着剤を均一に塗布し、この接着剤を
絶縁層として利用すれば、特に絶縁層を設けてなくても
よい。また磁芯部材11aは箔又は板の積層体ではな
く、単層体であってもよい。
【0016】一方、巻線用ジグ12の第1ジグ本体13
の係合部13aを第2ジグ本体14の被係合部14aに
係合し(図1(a))、被係合部14aの所定の隙間1
4dに楔16を挿入して、巻線用ジグ12の幅を拡大し
た状態に固定する(図1(b)及び図2)。この状態で
上記2組の磁芯部材11aを巻線用ジグ12の上面及び
下面にそれぞれ沿わせ、磁芯部材11aの両端を粘着テ
ープ11c等で巻線用ジグ12に固定する。
【0017】次いで巻線用ジグ12のシャフト17を巻
線機21のチャック22にて保持し、ボビン23に巻回
された被覆導線23aの先端を導線仮止め部27に巻付
ける(図3)。この状態で上記チャック22を回転さ
せ、かつ送り機構24を作動させることにより、巻線用
ジグ12の外周面に磁芯部材11aを介して被覆導線2
3aを巻きコイル本体11bを形成する(図1
(c))。このとき巻線用ジグ12が楕円柱状に形成さ
れている、即ち巻線用ジグ12の磁芯部材11aに接す
る外面が凸状に形成されている。このため巻線用ジグ1
2の外面に沿う磁芯部材11bが凸状になっているの
で、被覆導線23aが磁芯部材11aから浮き上がら
ず、磁芯部材11aの表面に密着する。この結果、隣同
士の被覆導線23aが重なることはない。なお、被覆導
線23aは絶縁層により被覆された導線であり、この導
線23aの直径はできるだけ細い方がよいが、巻線時の
張力等により導線が切れるのを防止するため、0.01
〜0.2mmの範囲にあることが好ましい。
【0018】また被覆導線23aとして加熱溶着型の被
覆導線を用いることが好ましい。この加熱溶着型の被覆
導線23aは被覆導線の外周面に更に熱可塑性樹脂等の
接着剤層が形成されたものであり、ボビン23より繰出
した被覆導線23aを所定の温度に加熱しながら巻線用
ジグ12に巻いてコイル本体11bを形成すると、コイ
ル本体を構成する被覆導線23aが上記接着剤層により
磁芯部材11aに接着されかつ被覆導線23a同士が互
いに上記接着剤層により接着されて固定される。なお、
上記加熱溶着型の被覆導線を用いない場合には、巻線用
ジグ12の外面に磁芯部材11aを介してコイル本体1
1bを巻回した後に、このまま巻線用ジグ12をチャッ
ク22から外し、コイル本体11bに接着性を有する樹
脂、例えばアクリル樹脂等の樹脂を含む塗料をスプレー
で吹付けて乾燥し、コイル本体11bを磁芯部材11a
に固定することができる。
【0019】次に楔16を巻線用ジグ12から引抜いて
巻線用ジグ12の幅を縮小し(図1(d)及び図4)、
この状態でコイル本体11bが巻回された磁芯部材11
aを巻線用ジグ12から取外す(図1(e))。更に2
組の磁芯部材11aの互いに対向する内面に接着剤を塗
布した後に、コイル本体11bに上下から加圧して押し
潰し、扁平にする(図1(f))。このとき2組の磁芯
部材11aは上記接着剤により互いに接着され、コイル
11は扁平状態に保たれる。この結果、コイル11全体
の厚さを薄くすることができる。
【0020】図7は本発明の第2の実施の形態を示す。
図7において図2と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、巻線用ジグ52が係合部53aを有する
第1ジグ本体53と、係合部53aが係合可能な被係合
部54aを有する第2ジグ本体54とを備え、係合部5
3aが被係合部54aに係合した状態で楕円柱状に形成
され、かつ第1及び第2ジグ本体53,54は巻線用ジ
グ52の厚さ方向に並ぶように配置される。係合部53
aは横断面略T字状に形成され、係止片53bと、この
係止片53bを第1ジグ本体53に連結する連結片53
cとを有する。また被係合部54aは横断面略T字状に
形成され、係止片53bを遊挿可能な被係止孔54b
と、連結片53cを摺動可能に挿通する連結溝54cと
を有する。被係止孔54bには係合片53bを被係合孔
54bに遊挿した状態で所定の隙間54dが形成され、
連結片53cの長さは連結溝54cの深さより長く形成
される。これにより係止片53bが上記所定の隙間54
dを含む被係止孔54b内を移動可能に構成される。即
ち、係止片53bが被係止孔54b内を巻線用ジグ52
の厚さ方向に移動することにより、第1及び第2ジグ本
体53,54全体の厚さを変更可能に構成される。
【0021】上記所定の隙間54dには第1の実施の形
態と同様に楔56を挿入可能に構成される。この所定の
隙間54dに楔56を挿入することにより第1及び第2
ジグ本体53,54全体の厚さが拡大された状態で固定
され、楔56を上記所定の隙間54dから引抜くことに
より第1及び第2ジグ本体53,54全体の厚さが縮小
可能に構成される。このように構成された巻線用ジグ5
2を用いて扁平コイル11を製造するには、巻線用ジグ
52の厚さを拡大した状態で巻線用ジグ52にコイル本
体11bを巻回し、このコイル本体11bが巻回された
磁芯用部材11aを巻線用ジグ52から取外すときには
巻線用ジグ52の厚さを縮小した状態で行う。この結
果、磁芯部材11aをコイル本体11bとともに極めて
容易に巻線用ジグ52から取外すことができるので、扁
平コイル11を効率良く量産することができる。上記以
外の製造方法は第1の実施の形態と同様であるので、繰
返しの説明を省略する。
【0022】図8は本発明の第3の実施の形態を示す。
図8において図2と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、巻線用ジグ72が放射状に延びる複数の
被係合部71aを有する支軸71と、これらの被係合部
71aに係合可能な係合部73aを有する複数のジグ本
体73とを備える。被係合部71a及びジグ本体73は
この実施の形態では4つずつ設けられ、各被係止部71
aは巻線用ジグ72の幅方向に対して約45度傾斜した
方向に延びてそれぞれ設けられる。各係合部73aが各
被係合部71aに係合した状態で4つのジグ本体73の
全体形状は略楕円柱状に形成される。各被係合部71a
は横断面略T字状に形成され、被係止片71bと、この
被係止片71bを支軸71に連結する連結片71cとを
有する。また係合部73aは横断面略T字状に形成さ
れ、被係止片71bに遊嵌可能な係止孔73bと、連結
片71cに摺動可能に嵌入される連結溝73cとを有す
る。
【0023】各係止孔73bにはこの係止孔73bを被
係止片71bに遊嵌した状態で所定の隙間73dが形成
され、連結片71cの長さは連結溝73cの深さより長
く形成される。これにより係止孔73bが上記所定の隙
間73d分だけ被係止片71bに対して移動可能に構成
される。即ち、係止孔73bが巻線用ジグ72の幅方向
に対して約45度傾斜した方向に移動することにより、
4つのジグ本体73全体の幅及び厚さの双方を変更可能
に構成される。上記所定の隙間73dには楔76を挿入
可能に構成され、この楔76は基端から先端に向うに従
って細くなるよう(先細り)に形成される。また上記所
定の隙間73dは楔76に相応したテーパ状に形成され
る、即ち被係止片71bは楔76とは逆に基端から先端
に向うに従って太くなるように形成される。上記所定の
隙間73dに楔76を挿入することにより4つのジグ本
体73全体の幅及び厚さの双方が拡大された状態で固定
され、楔76を上記所定の隙間73dから引抜くことに
より4つのジグ本体73全体の幅及び厚さの双方が縮小
可能に構成される。上記以外は第1の実施の形態と同一
に構成される。
【0024】このように構成された巻線用ジグ72を用
いて扁平コイルを製造するには、巻線用ジグ72の幅及
び厚さの双方を拡大した状態で巻線用ジグ72にコイル
本体11bを巻回し、このコイル本体11bが巻回され
た磁芯用部材11aを巻線用ジグ72から取外すときに
は巻線用ジグ72の幅及び厚さの双方を縮小した状態で
行う。この結果、磁芯部材11aをコイル本体11bと
ともに第1及び第2の実施の形態より更に容易に巻線用
ジグ72から取外すことができるので、扁平コイルを効
率良く量産することができる。上記以外の製造方法は第
1の実施の形態と同様であるので、繰返しの説明を省略
する。
【0025】図9は本発明の第4の実施の形態を示す。
図9において図2と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、巻線用ジグ92がテーパ付軸91と、こ
のテーパ付軸91の円周方向に延びる係合部94及び被
係合部95をそれぞれ有しテーパ付軸91を包囲する複
数のジグ本体93とを備える。ジグ本体93はこの実施
の形態では4つ設けられる。各係合部94が各被係合部
95に係合した状態で4つのジグ本体93の全体形状は
略楕円柱状に形成される。各係合部94はジグ本体93
の一方の平面(一方のジグ本体93が隣接する平面)か
らそれぞれ突設され、各被係合部95はジグ本体93の
他方の平面(他方のジグ本体93が隣接する平面)から
このジグ本体93内部に延びてそれぞれ設けられる。即
ち、各ジグ本体93の係合部94は一方の隣接するジグ
本体93の被係合部95に係合し、各ジグ本体93の被
係合部95に他方の隣接するジグ本体93の係合部94
が係合するように構成される。係合部94は横断面略T
字状に形成され、係止片94aと、この係止片94aを
ジグ本体93の一方の平面に連結する連結片94bとを
有する。また被係合部95は横断面略T字状に形成さ
れ、上記係止片94aを遊挿可能な被係止孔95aと、
上記連結片94bが摺動可能に挿入される連結溝95b
とを有する。
【0026】各被係止孔95aにはこの被係止孔95a
に係止片94aを遊挿した状態で所定の隙間95cが形
成され、連結片94bの長さは連結溝95bの深さより
長く形成される。これにより係止片94aが上記所定の
隙間95c分だけ被係止孔95aに対して移動可能に構
成される。即ち、係止片94aが巻線用ジグ92の幅方
向に対して約45度傾斜した方向に移動することによ
り、4つのジグ本体93全体の幅及び厚さの双方を変更
可能に構成される。またテーパ付軸91の横断面はこの
実施の形態では円形であり、係合部94を被係合部95
に係合した状態で4つのジグ本体93の中心には上記テ
ーパ付軸91を挿入可能な横断面円形のテーパ付孔92
aが形成される。なお、テーパ付軸91及びテーパ付孔
92aの横断面は三角形、四角形、五角形又はその他の
多角形でもよい。上記テーパ付孔92aにテーパ付軸9
1を挿入することにより、4つのジグ本体93全体の幅
及び厚さの双方が拡大された状態で固定され、テーパ付
孔92aからテーパ付軸91を引抜くことにより4つの
ジグ本体93全体の幅及び厚さの双方が縮小可能に構成
される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成され
る。
【0027】このように構成された巻線用ジグ92を用
いて扁平コイルを製造するには、巻線用ジグ92の幅及
び厚さの双方を拡大した状態で巻線用ジグ92にコイル
本体11bを巻回し、このコイル本体11bが巻回され
た磁芯用部材11aを巻線用ジグ92から取外すときに
は巻線用ジグ92の幅及び厚さの双方を縮小した状態で
行う。この結果、磁芯部材11aをコイル本体11bと
ともに第1及び第2の実施の形態より更に容易に巻線用
ジグ92から取外すことができるので、扁平コイルを効
率良く量産することができる。上記以外の製造方法は第
1の実施の形態と同様であるので、繰返しの説明を省略
する。
【0028】なお、第3の実施の形態では、支軸の被係
合部が被係止片及び連結片を有し、ジグ本体の係合部が
係止孔及び連結溝とを有し、係合部を被係合部に係合し
た状態で係合部の係止孔に所定の隙間を形成したが、支
軸の被係合部が被係止孔及び連結溝を有し、ジグ本体の
係合部が係止片及び連結片とを有し、係合部を被係合部
に係合した状態で被係合部の被係止孔に所定の隙間を形
成してもよい。また、第3の実施の形態では、被係合部
及びジグ本体を4つずつ設けたが、被係合部及びジグ本
体を2つずつ、3つずつ又は5つずつ以上設けてもよ
い。被係合部及びジグ本体を2つずつ設けた場合には、
巻線ジグの幅又は厚さのいずれか一方を拡大又は縮小可
能に構成される。更に、第4の実施の形態では、ジグ本
体を4つ設けたが、ジグ本体を2つ、3つ又は5つ以上
設けてもよい。ジグ本体を2つ設けた場合には、巻線ジ
グの幅又は厚さのいずれか一方を拡大又は縮小可能に構
成される。
【0029】
【実施例】次に本発明の実施例を詳しく説明する。 <実施例1>先ず厚さ25μmの鉄系アモルファス箔
(METGLAS2605S−2:アライドシグナル社製)の表面
に、アクリル樹脂を含む塗料をスプレーで吹付けて乾燥
した後に、縦及び横がそれぞれ65mm及び44mmの
長方形に切断することにより、両面にアクリル樹脂の絶
縁層が形成された箔を得た。この箔を3枚ずつ積層接着
することにより、2組の磁芯部材11a(図1(b)及
び図2)を作製した。一方、巻線用ジグ12の第1ジグ
本体13の係合部13aを第2ジグ本体14の被係合部
14aに係合し、被係合部14aの所定の隙間14dに
楔16を挿入して巻線用ジグ12の幅を拡大した状態に
固定した(図1(b)及び図2)。上記2組の磁芯部材
11aを巻線用ジグ12の上面及び下面にそれぞれ沿わ
せ、磁芯部材11aの両端を粘着テープ11cで巻線用
ジグ12に固定した。
【0030】次いで巻線用ジグ12のシャフト17を巻
線機21のチャック22にて保持し、直径が0.1mm
の被覆導線23aの先端を導線仮止め部27に巻付けた
(図3)。この状態で上記チャック22を回転させ、か
つ送り機構24を作動させることにより、巻線用ジグ1
2の外面に磁芯部材11aを介して被覆導線23aを2
60回巻き、コイル本体11bを形成した(図1(c)
及び図2)。コイル本体11bの形成後、巻線用ジグ1
2をチャック22から外し、コイル本体11bにアクリ
ル樹脂を含む塗料をスプレーで吹付けて乾燥し、コイル
本体11bを磁芯部材11aに固定した。次に楔16を
巻線用ジグ12から引抜いて巻線用ジグ12の幅を縮小
し(図1(d)及び図4)、この状態でコイル本体11
bが巻回された磁芯部材11aをジグから取外した(図
1(e))。更に2組の磁芯部材11aの互いに対向す
る内面に接着剤を塗布した後に、コイル本体11bを上
下から加圧して押し潰した(図1(f))。このとき2
組の磁芯部材11aは上記接着剤により互いに接着さ
れ、コイル11は扁平状態に保たれた。
【0031】<試験及び評価>実施例1の扁平コイルの
厚さを測定したところ、コイル本体を含めて0.55m
mと極めて薄く形成することができた。また実施例1の
扁平コイルの自己インダクタンスL及びQ値はそれぞれ
7.259mH及び8.71とほぼ所望の値であった。
更に実施例1の扁平コイルをICに結線して共振回路を
構成し、この共振回路を送受信装置の近傍に位置させ
た。この状態で送受信装置から所定の電波を発信したと
ころ、共振回路が共振してICのメモリに記憶された所
定の事項がコイルから発信されて送受信装置にて受信さ
れた、即ち送受信装置はICのメモリに記憶された所定
の事項を読み取ることができた。なお、Q値とは角周波
数をωとし、共振回路の抵抗分をrとするとき、ωL/
rで定義される数値であり、このQ値が高いほど渦電流
等による損失が少なくなり、共振の幅が鋭くなることが
知られている。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、巻
線用ジグの幅等を拡大した状態でこの巻線用ジグの外面
に磁芯部材を沿わせ、巻線用ジグの外面に導線を巻いて
コイル本体を形成し、コイル本体の形成後に巻線用ジグ
の幅等を縮小して磁芯部材をコイル本体とともに巻線用
ジグから取外し、更にコイル本体を押し潰して接着剤に
より扁平にした状態で固定したので、コイル本体が巻回
された磁芯用部材を巻線用ジグから取外すときに、この
磁芯部材をコイル本体とともに極めて容易に巻線用ジグ
から取外すことができる。この結果、扁平コイルを効率
良く量産することができる。また巻線用ジグの磁芯部材
に接する外面を凸状に形成すれば、磁芯部材が巻線用ジ
グの外面に沿って凸状になるため、コイル本体を構成す
る細い導線を磁芯部材に巻いたときに、導線が磁芯部材
から浮き上がらず磁芯部材の表面に密着する。この結
果、隣同士の導線が重なることがなく、コイル全体の厚
さを薄くすることができる。
【0033】また第1ジグ本体の係合部が第2ジグ本体
の被係合部に係合した状態で、係合部が所定の隙間を含
む被係合部内を移動することにより、第1及び第2ジグ
本体全体の幅又は厚さを変更可能に構成し、上記所定の
隙間に楔を挿入することにより第1及び第2ジグ本体全
体の幅又は厚さを拡大した状態で固定し、更に楔を上記
所定の隙間から引抜くことにより第1及び第2ジグ本体
全体の幅又は厚さを縮小可能に構成すれば、磁芯部材の
外面に導線を巻いてコイル本体を形成するときには、楔
を所定の隙間に挿入して巻線用ジグの幅又は厚さを拡大
した状態で行い、コイル本体が巻回された磁芯用部材を
巻線用ジグから取外すときには、楔を所定の隙間から引
抜いて巻線用ジグの幅又は厚さを縮小した状態で行う。
この結果、コイル本体が巻回された磁芯部材をコイル本
体とともに極めて容易に巻線用ジグから取外すことがで
きる。
【0034】また支軸に複数の被係合部を放射状に設
け、複数のジグ本体にこれらの被係合部に係合可能な係
合部を設け、係合部を被係合部に係合した状態で係合部
又は被係合部に所定の隙間を形成し、更に係合部が上記
所定の隙間分だけ被係合部に対して移動することによ
り、複数のジグ本体全体の幅及び厚さのいずれか一方又
は双方を変更可能に構成すれば、楔を係合部又は被係合
部の所定の隙間に挿入することにより、巻線用ジグの幅
又は厚さのいずれか一方のみならず幅及び厚さの双方を
拡大できる。またコイル本体が巻回された磁芯用部材を
巻線用ジグから取外すときには、楔を上記所定の隙間か
ら引抜いて巻線用ジグの幅又は厚さのいずれか一方のみ
ならず幅及び厚さの双方を縮小できる。この結果、コイ
ル本体が巻回された磁芯部材をコイル本体とともに更に
容易に巻線用ジグから取外すことができる。
【0035】またテーパ付軸を包囲する複数のジグ本体
にテーパ付軸の円周方向に延びる係合部及び被係合部を
それぞれ設け、各ジグ本体の係合部が一方の隣接するジ
グ本体の被係合部に係合しかつ各ジグ本体の被係合部に
他方の隣接するジグ本体の係合部が係合し、係合部を被
係合部に係合した状態で被係合部に所定の隙間を形成
し、更に係合部が上記所定の隙間分だけ被係合部に対し
て移動することにより、複数のジグ本体全体の幅及び厚
さのいずれか一方又は双方を変更可能に構成すれば、係
合部を被係合部に係合した状態で複数のジグ本体の中心
にテーパ付軸を挿入することにより、巻線用ジグの幅又
は厚さのいずれか一方のみならず幅及び厚さの双方を拡
大できる。またコイル本体が巻回された磁芯用部材を巻
線用ジグから取外すときには、複数のジグ本体の中心か
らテーパ付軸を引抜くことにより、巻線用ジグの幅又は
厚さのいずれか一方のみならず幅及び厚さの双方を縮小
できる。この結果、コイル本体が巻回された磁芯部材を
コイル本体とともに更に容易に巻線用ジグから取外すこ
とができる。
【0036】更に係合部が被係合部に係合した状態で第
1及び第2ジグ本体又は複数のジグ本体の全体形状を略
楕円柱状に形成すれば、薄くかつ面積の広い磁芯部材で
あっても、この磁芯部材が略楕円柱状の巻線用ジグの外
面に沿って凸状になっているので、コイル本体を構成す
る細い導線を巻線用ジグに磁芯部材を介して巻いたとき
に、導線が磁芯部材から浮き上がらず、磁芯部材の表面
に密着する。この結果、隣同士の導線が重なることがな
く、コイル全体の厚さを薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の扁平コイルの製造方法を
示す工程図。
【図2】図3のA−A線断面図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】楔を引抜いて巻線用ジグの幅が縮小した状態を
示す図2に対応する断面図。
【図5】その巻線用ジグを含む巻線機の構成を示す図6
のC矢視図。
【図6】図5のD矢視図。
【図7】本発明第2実施形態を示す図2に対応する断面
図。
【図8】本発明第3実施形態を示す図2に対応する断面
図。
【図9】本発明第4実施形態を示す図2に対応する断面
図。
【符号の説明】
11 扁平コイル 11a 磁芯部材 11b コイル本体 12,52,72,92 巻線用ジグ 13,53 第1ジグ本体 13a,53a,73a,94 係合部 14,54 第2ジグ本体 14a,54a,71a,95 被係合部 14d,54d,73d,95c 所定の隙間 16,56,76 楔 23a 被覆導線(導線) 71 支軸 73,93 ジグ本体 91 テーパ付軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石山 宏一 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 八幡 誠朗 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 知 財サービス株式会社内 Fターム(参考) 5E002 AA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅及び厚さのいずれか一方又は双方を変
    更可能な巻線用ジグ(12,52,72,92)の幅及び厚さのいず
    れか一方又は双方を拡大した状態で、箔又は薄板の単層
    体又は積層体に形成された磁芯部材(11a)を前記巻線用
    ジグ(12,52,72,92)の外面に沿わせる工程と、 前記巻線用ジグ(12,52,72,92)の外面に前記磁芯部材(11
    a)を介して導線(23a)を巻きコイル本体(11b)を形成する
    工程と、 前記コイル本体(11b)の形成後に前記巻線用ジグ(12,52,
    72,92)の幅及び厚さのいずれか一方又は双方を縮小して
    前記磁芯部材(11a)を前記コイル本体(11b)とともに前記
    巻線用ジグ(12,52,72,92)から取外す工程と、 前記コイル本体(11b)を押し潰して接着剤により扁平に
    した状態で固定する工程とを含む磁芯部材を有する扁平
    コイルの製造方法。
  2. 【請求項2】 巻線用ジグ(12,52,72,92)の磁芯部材(11
    a)に接する外面が凸状に形成された請求項1記載の磁芯
    部材を有する扁平コイルの製造方法。
  3. 【請求項3】 係合部(13a,53a)を有する第1ジグ本体
    (13,53)と、前記係合部(13a,53a)が係合可能な被係合部
    (14a,54a)を有する第2ジグ本体(14,54)とを備え、 前記係合部(13a,53a)を前記被係合部(14a,54a)に係合し
    た状態で前記被係合部(14a,54a)に所定の隙間(14d,54d)
    が形成され、前記係合部(13a,53a)が前記所定の隙間(14
    d,54d)を含む前記被係合部(14a,54a)内を移動すること
    により、前記第1及び第2ジグ本体全体(13,14,53,54)
    の幅又は厚さのいずれか一方を変更可能に構成された巻
    線用ジグであって、 前記所定の隙間(14d,54d)に楔(16,56)を挿入することに
    より前記第1及び第2ジグ本体(13,14,53,54)全体の幅
    又は厚さのいずれか一方が拡大された状態で固定され、 前記楔(16,56)を前記所定の隙間(14d,54d)から引抜くこ
    とにより前記第1及び第2ジグ本体(13,14,53,54)全体
    の幅又は厚さのいずれか一方が縮小可能に構成されたこ
    とを特徴とする巻線用ジグ。
  4. 【請求項4】 放射状に延びる複数の被係合部(71a)を
    有する支軸(71)と、前記複数の被係合部(71a)に係合可
    能な係合部(73a)を有する複数のジグ本体(73)とを備
    え、 前記係合部(73a)を前記被係合部(71a)に係合した状態で
    前記係合部(73a)又は前記被係合部に所定の隙間(73d)が
    形成され、前記係合部(73a)が前記所定の隙間(73d)分だ
    け前記被係合部(71a)に対して移動することにより、前
    記複数のジグ本体(73)全体の幅及び厚さのいずれか一方
    又は双方を変更可能に構成された巻線用ジグであって、 前記所定の隙間(73d)に楔(76)を挿入することにより前
    記複数のジグ本体(73)全体の幅及び厚さのいずれか一方
    又は双方が拡大された状態で固定され、 前記楔(76)を前記所定の隙間(73d)から引抜くことによ
    り前記複数のジグ本体(73)全体の幅及び厚さのいずれか
    一方又は双方が縮小可能に構成されたことを特徴とする
    巻線用ジグ。
  5. 【請求項5】 テーパ付軸(91)と、前記テーパ付軸(91)
    の円周方向に延びる係合部(94)及び被係合部(95)をそれ
    ぞれ有し前記テーパ付軸(91)を包囲する複数のジグ本体
    (93)とを備え、 各ジグ本体(93)の係合部(94)が一方の隣接するジグ本体
    (93)の被係合部(95)に係合しかつ各ジグ本体(93)の被係
    合部(95)に他方の隣接するジグ本体(93)の係合部(94)が
    係合し、前記係合部(94)を前記被係合部(95)に係合した
    状態で前記被係合部(95)に所定の隙間(95c)が形成さ
    れ、前記係合部(94)が前記所定の隙間(95c)分だけ前記
    被係合部(95)に対して移動することにより、前記複数の
    ジグ本体(93)全体の幅及び厚さのいずれか一方又は双方
    を変更可能に構成された巻線用ジグであって、 前記係合部(94)を前記被係合部(95)に係合した状態で前
    記複数のジグ本体(93)の中心に前記テーパ付軸(91)を挿
    入することにより前記複数のジグ本体(93)全体の幅及び
    厚さのいずれか一方又は双方が拡大された状態で固定さ
    れ、 前記係合部(94)を前記被係合部(95)に係合した状態で前
    記複数のジグ本体(93)の中心から前記テーパ付軸(91)を
    引抜くことにより前記複数のジグ本体(93)全体の幅及び
    厚さのいずれか一方又は双方が縮小可能に構成されたこ
    とを特徴とする巻線用ジグ。
  6. 【請求項6】 係合部(13a,53a,73a,94)が被係合部(14
    a,54a,71a,95)に係合した状態で第1及び第2ジグ本体
    (13,14,53,54)又は複数のジグ本体(73,93)の全体形状が
    略楕円柱状に形成された請求項3ないし5いずれか記載
    の巻線用ジグ。
JP11025876A 1999-02-03 1999-02-03 磁芯部材を有する扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグ Withdrawn JP2000223343A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11025876A JP2000223343A (ja) 1999-02-03 1999-02-03 磁芯部材を有する扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11025876A JP2000223343A (ja) 1999-02-03 1999-02-03 磁芯部材を有する扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000223343A true JP2000223343A (ja) 2000-08-11

Family

ID=12178000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11025876A Withdrawn JP2000223343A (ja) 1999-02-03 1999-02-03 磁芯部材を有する扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000223343A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002246254A (ja) * 2001-02-14 2002-08-30 Toyo Denso Co Ltd 巻線装置
JP2013225539A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Industries Corp コイル巻取り装置の芯金
WO2019075668A1 (en) * 2017-10-18 2019-04-25 Goertek.Inc FLAT COIL, METHOD FOR MANUFACTURING SAME, AND ELECTRONIC APPARATUS

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002246254A (ja) * 2001-02-14 2002-08-30 Toyo Denso Co Ltd 巻線装置
JP2013225539A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Industries Corp コイル巻取り装置の芯金
EP2654050A3 (en) * 2012-04-19 2017-05-31 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Winding core for coil winding device
WO2019075668A1 (en) * 2017-10-18 2019-04-25 Goertek.Inc FLAT COIL, METHOD FOR MANUFACTURING SAME, AND ELECTRONIC APPARATUS
CN109952625A (zh) * 2017-10-18 2019-06-28 歌尔股份有限公司 扁平线圈、其制造方法和电子设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4619953B2 (ja) インダクタンス素子
EP1288016B1 (en) Communication device and its installation structure, manufacturing method, and communication method
JP4117443B2 (ja) Rfid用アンテナコイルの製造方法
KR20040037127A (ko) 안테나 코일 및 그것을 이용한 rfid 용 태그,트랜스폰더용 안테나
JP2011135560A (ja) アンテナコイルとその製造方法
JP2021536688A (ja) コイル及びその製造方法
TW201739102A (zh) Rfid標籤
JP2010219252A (ja) リアクトル用コイル部材及びその製造方法並びにリアクトル
JP2000223343A (ja) 磁芯部材を有する扁平コイルの製造方法及びその巻線用ジグ
WO2009123432A2 (en) Aligned multiple ferrite beads core anti-crack inductor
JP2002334314A (ja) データキャリア構造及びその製造方法
JP2002043131A (ja) インダクタンス素子及びインダクタンス素子の製造方法
JP5645115B2 (ja) アンテナ部材及び低周波アンテナ
US20100212141A1 (en) Method of manufacturing coil and coil device
JPH11186086A (ja) 非接触式電力伝送装置用渦巻型コイルの製造方法
JP2009088224A (ja) コイル部品
JP2002352203A (ja) 非接触icカード用アンテナコイルの製造方法
JPH1013313A (ja) 無線用識別シート
JP2006113944A (ja) データキャリア構造及びその設置構造
JP2004087668A (ja) 鉄心及びこれを用いたコイル装置並びにこれらの製造方法
JP2005184427A (ja) 非接触icカード用アンテナコイルの製造方法
JP5532418B2 (ja) アンテナ用ボビン、および低周波アンテナ
JP2001052138A (ja) Icタグ構造およびその製造方法
JP2014109842A (ja) 非接触ic媒体の製造方法
JP2003272940A (ja) 積層型コアの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060404