JP2005184427A - 非接触icカード用アンテナコイルの製造方法 - Google Patents

非接触icカード用アンテナコイルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 浮遊容量の不斉一を最小限とし、所期のインダクタンスを備え、所望の共振周波数を精確に得ること。
【解決手段】 ICカード用アンテナコイルの隣接するコイル導体10、10相互間に形成される所望の導体素線11、11間の距離Dの1/2に相当する厚さに調整された絶縁被覆層12を該コイル導体10の導体素線11の表面に形成し、このような厚みの絶縁被覆層12の施されたコイル導体10を密接させながら巻回してカードに内蔵させる。絶縁被覆層12を形成する絶縁材はその比誘電率εsを考慮して選定する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、親機に付属するリーダー/ライターと電気的に直接接続することなく、単に接近させるのみで電波を媒体として電子情報の読み書きを行うための非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法に関するものである。
従来のクレジットカード、キャッシュカード、テレホンカードなどの各種カードは磁気媒体に磁気ライターによって予め書き込まれている情報を磁気リーダーによって読み出し、個人情報、金額、有効期間及び暗証番号などの確認を行っていた。しかしこのような磁気媒体によるカード情報は、保存可能な情報量が極めて限られており真正なカード所有者を確認するための個人情報や使用記録の確認のための情報量に限界がある上、カード偽造などの対象になりやすい欠点があった。
このような欠点を解消するために、膨大な情報量の保持並びに処理が可能である非接触ICカードが広く普及しつつある。非接触ICカードはカードにICチップを内蔵させたものであり、従来の磁気媒体に比してはるかに多量かつ多種の情報を保存並びに処理することが可能となり、IC内蔵のキャッシュカード、クレジットカード、各種IDカード又は交通運輸機関のIC内蔵カードなど多くの分野に於いて広く採用され、或いは採用が検討されている。
このような非接触ICカードの場合は、大量の情報伝達を瞬時に行う必要があり、情報の授受を行なうために電波を媒体とするものが主流を占めている。電波を媒体とする情報伝達を正確に行なうためには、カードにアンテナコイルを内蔵させて親機に付属するリーダー/ライター(読み取り・書き込み装置)に接近させるのみでその情報の授受が正確かつ確実に行なわれるものでなければならない。
非接触ICカードでは、アンテナコイルのインダクタンスLと、ICチップ内に形成される静電容量Cとの共振現象を利用し、これらによる共振周波数の電波を搬送波として情報の授受が行われる。この共振周波数fは、f=1/(2π(LC)1/2)〔Hz〕となるため、精確な同調を得るためにはコイルのインダクタンスL及び回路側の静電容量Cとの積が精確でなければならない。ICカードに内蔵されるICチップの静電容量は極めて厳格な条件により管理される半導体製造工程を経てほぼ正確に形成されるが、アンテナコイルは、エナメル線と呼ばれる微小径の絶縁導体を、例えば、カード外形に納まる寸法及び形状のシート上に形成される方形渦巻き状又は円形渦巻状等の扁平コイルに構成してカード内に固定及び内蔵するものとした場合には、その巻回、絶縁及び埋設等の各作業や処理の間にムラが生じ易く、精確なインダクタンスが得られない可能性がある。
コイルによって形成されるインダクタンスは、扁平渦巻きコイルについての式、
L=10-7aR22〔H〕
a:R1/R2の関数、N:総巻数、R1:コイルの内径、R2:コイルの外径
により求められることが知られているが、実際のインダクタンスLはコイルの隣接導体相互間に形成される浮遊静電容量C成分により減殺されたものとなるのが普通である。
静電容量Cは、以下のように、向かい合う電極の面積に比例し、距離に反比例する。
C=ε×S/d〔F〕
S=面積、d=距離、ε=誘電率
コイル形成時に隣接する導体相互間に自然発生する浮遊静電容量(Stray Capacity)は、導体間の距離が一様でないため、そのままの式で計算することはできないが、基本的には同様であり、隣接するアンテナコイル導体間に発生する浮遊静電容量Cは、その間の距離が小さいほど大きなものとなる。その結果、アンテナコイルの合成インダクタンスが大きく減殺されることになり、その巻数を増やさなければならないことになる。また導体間の距離dや誘電率εが変化すると浮遊静電容量Cの精確な制御は困難となる。浮遊静電容量Cが一定していなければ、結果的にアンテナコイルの合成インダクタンスLが不安定になり、予定する共振周波数が得られないことになる。
合成インダクタンスLが不安定であることによる影響は周波数が高いほど大きくなるため、非接触ICカードのようなMHz帯の周波数を用いる装置では実用上大きな障害となる可能性がある。したがって製造される多数の非接触ICカードに於ける各アンテナコイル導体間の浮遊容量Cの不斉一を最小限として正確な誘導係数(インダクタンス)に仕上げ、内蔵ICチップ内に形成されるコンデンサの静電容量Cとの積(L・C)を所定値に特定することにより、いずれの非接触ICカードに於いても所望の共振周波数に正確に同調させるような微調整が不可欠となる。
アンテナコイルの最終的なインダクタンス、即ち、合成インダクタンスを精密に製造するには、コイルの形状、寸法及び導体の線径等を正確に規定することはもとより、隣接する導体間の距離並びに介在物質の比誘電率を微細に制御しなければならない。なお、現行のコイル導体の線径としては、0.06mm、0.08mm、0.1mm程度のエナメル線が多く使用されている。
なおこのようなアンテナコイルの導体間距離を一定にする製造方法として、導体と導体との間に均一太さの線状スペーサを介在させながらコイルを巻回し、導体間距離d、誘電率εをできる限り一定となるように制御する方法が知られている(特許文献1)。また被接触ICカードのアンテナコイルを設計通りに正確なインダクタンスとなるように製造する製造装置も開示されている(特許文献2)。
特開2002‐352203号公報 特開2003‐303731号公報
本発明は、発生する浮遊静電容量をできるだけ小さくし、かつその不斉一もまた最小限として所期の合成インダクタンスLを備え、所望の共振周波数を精確かつ確実に得ることができる非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の1は、ICカード用のアンテナコイル用の導体に、該ICカード用アンテナコイルの構成時に導体相互間に形成される所望導体素線間距離の1/2に相当する厚みに調整した絶縁被覆層を被着させ、この絶縁被覆層の施された導体を密接させながら巻回して構成したアンテナコイルを対応するカードに内蔵させる非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法である。
本発明の2は、本発明の1の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法に於いて、前記アンテナコイル用の導体の絶縁被覆層の厚みを、該絶縁被覆材の比誘電率を考慮して決定することとしたものである。
本発明の3は、本発明の1又は2の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法に於いて、前記アンテナコイル用の導体の絶縁被覆層の厚みを、アンテナコイル導体素線直径の1/8〜1/5の厚みに選定し、密接させて巻回した際の導体間距離が導体直径の1/4〜2/5となるようにしたものである。
本発明の4は、本発明の1、2又は3のIC非接触カード用アンテナコイルの製造方法に於いて、前記アンテナコイル用の導体を、油性エナメル線又は合成樹脂エナメル線のいずれかから選択することとしたものである。
本発明の5は、本発明の1、2、3又は4の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法に於いて、前記アンテナコイルの両端部を各々扁平にプレスした上で、ICチップの各対応する端子に溶接接続することとしたものである。
本発明の1の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法によれば、その製造に際して、予めアンテナコイル用導体の絶縁被覆層の厚みを所望値に調整しておき、隣接する絶縁導体を密接させて巻回することにより隣接する導体素線間の正味距離を常に一定に保持することにより不安定な浮遊静電容量の発生を極力低減し、精確かつ確実な合成インダクタンスを持つ非接触ICカード用アンテナコイルを製造することができることとなる。できるだけ浮遊静電容量を小さくするためには、導体素線間の距離を長くする必要があり、そのため絶縁被覆層の厚みを厚くすることになり、これに用いる絶縁導体の製造コストは若干嵩むこととなるものの、これによって絶縁導体の巻回、シート又は基板への貼付固定処理、絶縁処理等の各製造工程並びに微調整が簡素化されつつ、アンテナコイルの特性が安定化されることとなる結果、歩留まりが大幅に向上することとなる。
本発明の2の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法によれば、絶縁被覆層を構成する絶縁被覆材の比誘電率を考慮することにより、発生する浮遊静電容量の大きさを予測し、アンテナコイル用導体間に発生する浮遊静電容量の値を許容できる値以下にすべく、その厚みを決定することができることとなる。
本発明の3の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法によれば、通常用いられる絶縁被覆層を持ったアンテナコイル用導体を採用して、これを密接して巻回すれば、浮遊静電容量が小さくかつバラツキのないアンテナコイルが得られることとなる。
本発明の4の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法によれば、容易にその絶縁被覆層の厚みを適切に設定して構成し、これを密接して巻回すれば、浮遊静電容量が小さくかつバラツキのないアンテナコイルが得られることとなる。
本発明の5の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法によれば、絶縁被覆層の厚みが若干厚くなっても、その端部のICチップの端子への溶接接合を不都合なく行うことができる。端子への溶接接合は、通常、スポット溶接、抵抗溶接又はレーザー溶接によって行われ、前二者の場合は、アンテナコイルの端部をICチップの端子上に圧接しながら行われるものであるため、その端部が断面円形を保持していると、圧接によって生じた負荷が線状に加わることとなり、そのため、その際に該端子に損傷を生じる虞があるものであり、更には、本発明では、多くの場合、絶縁被覆層が厚くなるため、低温ロウ着性タイプのそれであっても溶接が容易でなくなることもある。本発明の5の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法によれば、このような場合でも、アンテナコイルの端部をプレスして扁平にしてあるので、スポット溶接等によって圧力が加わっても、アンテナコイルの端部はICチップの端子に面的に接触するため、これを損傷させる虞がなくなり、かつ絶縁被覆層も薄くなって加熱が容易になり、溶接接合が容易になるものである。
なお、本発明の5は、前記したように、前記アンテナコイルの両端部を各々扁平にプレスした上で、ICチップの各対応する端子に溶接接続するものであるが、このプレスは、アンテナコイルの端子を概ね断面楕円形以上に押し潰すことを意味するものである。必ずしも完全に扁平にまで押し潰す必要はない。前記特許請求の範囲及び本明細書中では、扁平とは以上の意味で用いている。
以下、添付図を参照しつつ本発明の好適な実施例について開示する。
図1は、本発明の非接触ICカード用アンテナコイルの原理を図示するもので、アンテナコイル用のコイル導体10の断面モデルである。導体素線11の周囲に後述する必要な厚みの絶縁被覆層12が形成され、隣接する両側のコイル導体10、10の絶縁被覆層12、12の外表面が線(図中では点として表れている)13で密接するように巻回され、この部位の導体素線11、11間が距離Dで示される間隔で配置されている状態を示すものである。
図1から明らかなように、コイル導体10の絶縁被覆層12の厚みがD/2に形成されており、隣接する両側のコイル導体10、10の表面相互を線13で密接させてコイルを巻回することにより、隣接する両側の導体素線11、11間は自ずと距離Dになる訳である。
従来のコイル導体20の断面モデルは、図2に示すように、コイル導体20の導体素線21の周囲に施された絶縁被覆層22が、アンテナコイルを構成する際の隣接する導体素線21、21間の間隔を考慮せず、単に必要な絶縁性等の観点から通常の絶縁被覆層厚みで製造されたコイル導体20を使用するものである結果、隣接する両側の導体素線21、21間に必要な距離D1に対して絶縁被覆層22、22間には隙間D2が生じている。
両側の絶縁被覆層22、22間の隙間D2に相当する部分は、空白になっているが、実際には比誘電率εsの異なる接着剤その他の物質が入り込む可能性が高い上、巻回及びその後の処理にあたり隙間D2を一定に維持することが難しくなる。したがって隣接する両側の導体素線21、21間に形成される静電容量が不斉一になり、結果的に浮遊静電容量の影響が大きくなる原因となっている。
これに対して、図1に示した本発明の断面モデルでは、隣接する両側のアンテナコイル用のコイル導体10、10の絶縁被覆層12、12相互が線13で密接しており、導体素線11、11間の距離Dは一定に保持され、かつその間に比誘電率εsの異なる他の物質の入り込む割合も大幅に小さくなる。したがって両側の導体素線11、11間に形成される浮遊静電容量Cもほぼ一定となり、アンテナコイルの合成インダクタンスの誤差を極小となるように構成することができる。
ここに示すような非接触ICカード用アンテナコイルの現行のコイル導体としては、導体素線(軟銅素線)の直径が0.06mm、0.08mm、0.1mm程度のエナメル線が多く使用されている。エナメル線は、上記直径の軟銅素線の表面に絶縁被覆層を焼き付けたもので、油性エナメル線と合成樹脂エナメル線とがある。油性エナメル線は、天然樹脂やフェノール樹脂を油で溶解させて銅線表面に塗布して焼き付け処理を行ったものである。合成樹脂エナメル線は、ホルマール、ポリエステル、ポリアミド又はポリウレタンなどの合成樹脂を適当な溶剤で溶解して銅線表面に塗布して焼きつけたものである。本発明に於いては、いずれのタイプのエナメル線でも可能であるが、所定範囲以上の絶縁被覆層を形成するためにはポリエステル、ポリウレタン又はポリアミドなどの合成樹脂の使用が適している。しかし、天然樹脂やフェノール樹脂を用いる油性エナメル線であっても差し支えない。
図3(a)は、実施例方法によって構成したアンテナコイルを示しており、長方形のICカードに相当する外形の基板30の表面に方形の渦巻扁平コイル31を接着剤により固定した状態を示す平面図である。該渦巻扁平コイル31の一部、即ち、図3(a)中の丸印部分32に、その内端部33と外端部34とが引き出されており、これらの内端部33及び外端部34が各々該渦巻扁平コイル31の内側に配されているICチップ35の各対応する端子に接続され、これらを介して該渦巻扁平コイル31は該ICチップ35内のコンデンサに接続されてLC共振回路を構成しており、所定周波数で共振するようになっている。
具体的には導体素線径0.6mm、絶縁被覆層12の厚み0.1mmのエナメル線(絶縁被覆材:ポリウレタン)を用いて、隣接するエナメル線相互を密着させて、縦外径70mm、横外径45mm、総巻数4で、長方形の渦巻扁平コイル31を作成したところ、この渦巻扁平コイル31とICチップ35内のコンデンサとで構成されるLC共振回路はバラツキなく13.56MHzで共振するものとなった。なおこのときの隣接する導体素線11、11間の距離Dは0.2mmになっていた。なお又このとき、該渦巻扁平コイル31の内端部33と外端部34とは、それぞれを扁平にプレスした上で、前記ICチップ35の各対応する端子に載せてスポット溶接によって電気的に接合したが、ICチップ35の端子に割れ等の損傷が生じることもなく、しかも容易かつ確実に溶接接合できた。
ところで、以上の実施例の渦巻扁平コイル31に於いて、コイル形状、巻数、内端部33及び外端部34の位置等は単なる例示であり、本発明をこれに限定する趣旨ではない。本発明の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法は、図1に示したように、導体素線11の表面の絶縁被覆層12の厚みを、アンテナコイルとして構成した場合の隣接する導体素線11、11間の間隔をそこに発生する浮遊静電容量Cとの関係から設定される所定の間隔にすべく、その間隔の1/2の厚みに調整して構成し、かつこうして構成したコイル導体10を用いて密接状態に巻回して渦巻状のアンテナコイルを構成するものであり、この場合の絶縁被覆材の材質、形状及びコイル用の導体の種類等も任意に選択することができる。
この実施例の方法で前記渦巻扁平コイル31を構成するコイル導体10としてエナメル線を用いる場合は、その絶縁被覆層12の厚みは、当該アンテナコイルを使用する非接触ICカードの用途、カードの許容厚み及び搭載ICチップの性能等により一様ではないが、例えば、図3(b)に示すように、その導体素線11の直径をdとしたとき、これをd/8〜2d/5のように選定することができる。絶縁被覆12の厚みをこのように選定すると、隣接する導体素線11、11間の距離Dは(d/4)〜(2d/5)となる。導体素線11、11間の距離Dを小数表示すれば、0.25d〜0.4dとなる。
このような絶縁被覆層12の厚みを決定するにあたっては、浮遊静電容量Cに影響を与える絶縁被覆層12を形成する素材の比誘電率εsを考慮すべきものであるが、以上のような範囲で絶縁被覆12の厚みを設定すると、以下に説明するように、現在一般に使用されるエナメル線をコイル導体10として採用した場合には、浮遊静電容量Cを比較的小さく抑えつつバラツキを減少させることができるため、アンテナコイルの有する合成インダクタンスを精確かつ確実で安定したものとすることができる。
即ち、以上の絶縁被覆層12の厚みの範囲を、前記した現在使用されているアンテナコイル用のコイル導体に当て嵌めてみると、直径0.06mm線の場合、絶縁被覆層の厚みは7.5〜12μmとなり、直径0.08mm線の場合は10〜16μmとなり、直径0.1mm線の場合は12.5μm〜20μmとなる。大径の導体になるほど上記割合の中でもより薄い方を採用しても良い結果が得られやすくなる。
いずれにしても、前記したように、所望の導体素線間の距離Dの1/2に相当する厚みの絶縁被覆層を施した導体を密接して巻回することにより、導体素線間の距離Dは上記割合で一定となる上、その間に接着剤その他の物質が介在することによる誘電率の不斉一などの影響を最少とすることができる。その結果、コイルの内径及び外径及び巻数等で決まるインダクタンスLと、ほぼ一定範囲となるように制御された浮遊静電容量Cとによる所望の合成インダクタンスLが得られることになる。
非接触ICカード用アンテナコイルの隣接するコイル導体相互の関係を示す断面説明図。 従来技術による非接触ICカード用アンテナコイルの隣接する導体相互の関係を示す断面説明図。 (a)実施例の非接触ICカード用アンテナコイルの構成例を示す概略平面説明図、(b)実施例の非接触ICカード用アンテナコイルの隣接する導体相互の関係を示す拡大断面説明図。
符号の説明
10 コイル導体
11 導体素線
12 絶縁被覆層
13 線
30 基板
31 渦巻扁平コイル
32 丸印部分
33 アンテナコイルの内端部
34 アンテナコイルの外端部
35 ICチップ
D アンテナコイルの隣接する導体素線間の距離
20 従来のコイル導体
21 従来のコイル導体の導体素線
22 従来のコイル導体の絶縁被覆層
D1 従来のアンテナコイルの隣接する導体素線間に必要な距離
D2 従来のアンテナコイルの隣接するコイル導体の絶縁被覆層間の隙間

Claims (5)

  1. ICカード用のアンテナコイル用の導体に、該ICカード用アンテナコイルの構成時に導体相互間に形成される所望導体素線間距離の1/2に相当する厚みに調整した絶縁被覆層を被着させ、この絶縁被覆層の施された導体を密接させながら巻回して構成したアンテナコイルを対応するカードに内蔵させる非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法。
  2. 前記アンテナコイル用の導体の絶縁被覆層の厚みが、該絶縁被覆材の比誘電率を考慮して決定されたものである請求項1の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法。
  3. 前記アンテナコイル用の導体の絶縁被覆層の厚みが、アンテナコイル導体素線直径の1/8〜1/5の厚みに選定され、密接させて巻回した際の導体間距離が導体直径の1/4〜2/5となるようにしたものである請求項1又は2の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法。
  4. 前記アンテナコイル用の導体が、油性エナメル線又は合成樹脂エナメル線のいずれかから選択されたものである請求項1、2又は3の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法。
  5. 前記アンテナコイルの両端部を各々扁平にプレスした上で、ICチップの各対応する端子に溶接接続することとした請求項1、2、3又は4の非接触ICカード用アンテナコイルの製造方法。
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