JP2000222870A - 電子機器 - Google Patents

電子機器

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JP2000222870A
JP2000222870A JP11024831A JP2483199A JP2000222870A JP 2000222870 A JP2000222870 A JP 2000222870A JP 11024831 A JP11024831 A JP 11024831A JP 2483199 A JP2483199 A JP 2483199A JP 2000222870 A JP2000222870 A JP 2000222870A
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  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の車載用電子機器などにおいて表示部や
操作部を有する可動部材を、ケース内での収納姿勢から
ケース前方へ立ち上げる対面姿勢とするのに複段の動力
伝達切換えが必要であり、動作がスムーズでなく、また
動作時間が長くなり、さらに動力伝達のための機構が複
雑である。 【解決手段】 モータ29の第1の方向への回転と、第
2の方向への回転のそれぞれにおいて、往復移動部材2
3が一往復する。この一往復動作の間に、往復移動部材
23に支持されている可動部材が、ケース内に収納され
る収納姿勢から対面姿勢へ、また対面姿勢から収納姿勢
へ移動する。よって可動部材の対面姿勢と収納姿勢との
間の移動がスムーズである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示部材および/
または操作部材が設けられた可動部材が、ケースに収納
されている収納姿勢から、ケース外方で使用者が目視可
能あるいは操作可能な対面姿勢に移動する電子機器に関
する。
【0002】
【従来の技術】車載用または家庭用あるいは業務用など
の電子機器では、表示部材および/または操作部材が設
けられた可動部材が、ケース内に収納されている姿勢か
ら前方へ移動してケースの外部に出て、それから使用者
が目視あるいは操作できるように垂直な向きあるいは斜
めの向きに回動できるようにしたものがある。
【0003】例えば、特開平1−266024号公報に
は、車載用の機器として、記録媒体の駆動装置およびC
PU装置が内蔵されたケースの前方に電子表示部が設け
られたものが開示されている。この電子表示部は、ケー
スに収納されている状態から前方へ突出させることがで
き、その後に電子表示部をその上端を支点として垂直な
向きに回動させることができるようになっている。
【0004】しかし、前記特開平1−266024号公
報に開示されている発明では、電子表示部がケースから
引き出された状態で、電子表示部がその上端の軸を支点
として下向きに回動する構造であるため、下向きに回動
した電子表示部が上端の1点のみで支持されることにな
り不安定である。
【0005】また電子表示部をケース内に収納させると
きに電子表示部を水平姿勢に回動させるが、このとき電
子表示部は上端の1点を支点として回動するのみである
ため、電子表示部が確実に水平姿勢に回動していない状
態でケース内に押し込まれることがある。このような操
作を行うと、電子表示部をケース内に収納させることが
できなかったり、あるいは電子表示部やケースに余分な
摺動力が作用し、これらを傷付けることがある。
【0006】また、特開平6−64484号公報には、
モータの動力を用いて、表示部材をケースから突出さ
せ、さらに画面を目視可能な状態に表示部材を立ち上げ
る車載用電子機器が開示されている。
【0007】前記公報に記載されているものは、ケース
内を前進および後退するスライダ上に、表示部材を支持
する移動部材が設けられている。この移動部材にはモー
タで駆動されるピニオン歯車が、ケースには前記歯車に
噛み合うラックが設けられ、前記ピニオン歯車の回転に
よりスライダがケース内を前進して停止する。その後に
前記ピニオン歯車がスライダに設けられたラックと噛み
合い、停止しているスライダ上を移動部材が前進し、こ
の前進動作により、表示部材をケースの前方へ突出させ
るとともに表示部材を立ち上げ回動させるようになって
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平6
−64484号公報に開示されているものでは、移動部
材に設けられたピニオン歯車を最初にケース内のラック
に噛み合わせ、その後に前記ピニオン歯車をスライダに
設けられたラックに噛み合わせるという非常に複雑な機
構が必要になる。またラックはスライダや移動部材の移
動方向に沿ってある程度長くする必要があるため、ケー
ス内にラックを配置するための広いスペースが必要にな
る。
【0009】また、表示部材がケース外方へ突出した時
点、および表示部材がケース内を後退した時点で、モー
タを停止させる必要があり、モータを停止させるタイミ
ングの設定が微妙になり、モータの停止制御にスイッチ
などを用いた正確な制御が必要となる。
【0010】さらに、スライダが前進して停止した後
に、移動部材が前進して表示部材が立ち上げ回動させら
れ、また表示部材を収納するときも、移動部材を後退さ
せ、表示部材が水平姿勢になってからスライダを後退さ
せるものであり、表示部材の立ち上げ動作と収納動作を
複段の過程を経て行っているため、動作完了までの時間
が長くなる。
【0011】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、モータの第1の方向への回転と第2の方向への回
転により、共に往復運動を生じさせ、この往復運動によ
り、ケース内の可動部材を対面姿勢に移動させ、また対
面姿勢の可動部材を収納姿勢に移行させることにより、
可動部材を一連の動作でスムーズに移行させることがで
きる電子機器を提供することを目的としている。
【0012】また本発明は、狭いスペースに設けられた
運動変換手段を用い、簡単なモータ制御で可動部材を収
納姿勢と対面姿勢とに移行させることができる電子機器
を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケースと、表
示部材および/または操作部材を備えた可動部材と、前
記可動部材をケース内に収納される収納姿勢とケース外
へ突出した後に前記収納姿勢と垂直な向きあるいは所定
の角度で傾斜した向きとなる対面姿勢との間で移動させ
る姿勢制御手段とを備えた電子機器において、前記姿勢
制御手段には、モータ駆動部と、前記可動部材を側方に
て支える第1の支持点および第2の支持点と、前記第1
の支持点に回動自在に連結されてケースに沿って前進お
よび後退する往復移動部材と、前記モータ駆動部の第1
の方向の回転動力で前記往復移動部材を前進と後退に一
往復させ、前記モータ駆動部の第2の方向の回転動力で
前記往復移動部材を同じく前進と後退に一往復させる運
動変換手段と、前記モータ駆動部が前記第1の方向へ回
転する際の前記往復移動部材の一往復動作により、前記
対面姿勢にある可動部材を回動させて前記収納姿勢に移
行させ、前記モータ駆動部が前記第2の方向へ回転する
際の前記往復移動部材の一往復動作により、前記収納姿
勢にある可動部材をケース外へ突出させさらに前記対面
姿勢へ回動させるように、前記第2の支持点の移動経路
を振り分ける振り分け手段と、が設けられていることを
特徴とするものである。
【0014】本発明は、液晶TV画面などの表示部材を
備えた可動部材を、ケース内に収納させた状態からケー
ス前方へ突出させ、さらに垂直姿勢や傾斜姿勢などに回
動させて画面を目視可能とする車載用表示装置や、実施
の形態において説明するように、ケースの前方に設置さ
れている操作部材を有する可動部材(可動ノーズ)をケ
ース内に収納して、盗難防止機能とする車載用の電子機
器、あるいは家庭用や業務用の電子機器として使用でき
る。
【0015】本発明では、モータ駆動部の第1の方向へ
の回転動力と第2の方向への回転動力により、それぞれ
往復移動部材を一往復させ、この一往復の間、可動部材
を対面姿勢から収納姿勢へ、また収納姿勢から対面姿勢
へ移動させている。このように回転運動を往復運動に変
換する運動変換手段を用いているため、ケース内の小ス
ペース内で機構を構成できる。
【0016】また可動部材が収納姿勢から対面姿勢に至
る間、および対面姿勢から収納姿勢に至る間、それぞれ
モータ駆動部を一方向へ駆動するのみで往復移動部材が
一往復するため、往復移動部材の前進または後退のとき
にモータを停止させたり反転させる必要がなく、モータ
駆動部の制御が簡単である。
【0017】さらに、往復移動部材の前進と後退の一連
の動作において、制御姿勢の経路を振り分けるだけで可
動部材を収納姿勢あるいは対面姿勢にできる。よって可
動部材の一連の動作がスムーズであり、また動作も短時
間に完了できる。
【0018】前記運動変換手段は、モータ駆動部の前記
第1の方向の回転動力により一方向へ前記第2の方向の
回転動力により他方向へ回転駆動される回転体と、前記
往復移動部材と前記回転体との一方に設けられた駆動カ
ム部と他方に設けられて前記駆動カム部を摺動しこれに
より前記往復移動部材を往復動作させる摺動体とから構
成されるものとすることができる。
【0019】例えば回転体に摺動体を、往復移動部材に
移動方向と直交する方向に直線的に延びる駆動カム部を
設けることで、往復移動部材を往復運動させることがで
き、運動変換手段を簡単に構成できるようになる。また
は往復移動部材に摺動体を設け、回転体にカム溝などの
駆動カム部を設けて、前記運動変換手段を構成してもよ
い。なお往復移動部材は前進と後退を連続的に行うこと
が好ましいが、往復移動部材が前進した後に短時間停止
してから後退動作に移行してもよい。
【0020】例えば、前記振り分け手段には、前記第2
の支持点に回動自在に連結される姿勢切換え部材に設け
られた制御支点と、前記往復移動部材が前進位置から後
退するときに、前記制御支点をケースの後方へ案内して
前記可動部材を前記収納姿勢に移行させる収納姿勢案内
部、前記往復移動部材が前進位置から後退するときに、
前記制御支点の後方への移動を規制して前記可動部材を
前記対面姿勢に移行させる対面姿勢案内部、および前記
収納姿勢案内部と対面姿勢案内部とを振り分ける分岐部
を有する振り分け部材と、前記往復移動部材が前進位置
から後退するときに、前記制御支点を前記収納姿勢案内
部へ至らせるか前記対面姿勢案内部に至らせるかを選択
する選択部材と、が設けられたものとなる。
【0021】上記手段では、前記選択部材を用いて制御
支点の移動経路を、対面姿勢案内部と収納姿勢案内部に
振り分けることにより、可動部材を対面姿勢と収納姿勢
とに確実に移行させることができる。
【0022】また、前記モータ駆動部が前記第1の方向
へ回転する際の前記往復移動部材の一往復動作の途中、
または前記モータ駆動部が前記第2の方向へ回転する際
の前記往復移動部材の一往復動作の途中で前記モータ駆
動部を停止させることにより、前記可動部材をケースの
外で任意の向きで停止させることができる。
【0023】このように、前記可動部材が移動している
途中で、前記モータ駆動部の動力を停止させることによ
り、可動部材はケース外方の任意の向きで停止可能とさ
れると、可動部材を目視しやすく操作しやすい向きで止
めることができる。
【0024】また、ケースの前面パネルの任意の側辺に
沿う方向の一方を第1の側、他方を第2の側としたとき
に、前記前面パネルには、前記第1の側に寄った位置に
開口部が設けられ、前記第1の支持点は可動部材の第1
の側に、前記第2の支持点は前記第1の支持点よりも第
2の側に離れた位置に設けられ、前記振り分け部材の前
記対面姿勢案内部は、前記収納姿勢案内部よりも第2の
側に設けられ、前記対面姿勢から往復移動部材が前進す
るときに、前記可動部材の第1の側の端部が前方へ進ん
で第2の側の端部が前記第1の側へ接近するように回動
動作し、次に往復移動部材が後退するときに、前記第2
の側の端部から先に前記開口部内へ入って前記収納姿勢
に至るようにすることが可能である。
【0025】例えば前記第1の側は下側、第2の側は上
側であるが、第1の側が右側(または左側)で第2の側
が左側(または右側)であってもよい。すなわち、可動
部材は、制御面が上向きとなる傾斜姿勢からほぼ水平と
なるように回動し、そのままケース内に引き込まれる。
あるいは可動部材は制御面が右側または左側に向いた傾
斜姿勢からほぼ側方へ回動し、そのままケース内に引き
込まれる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、可動部材が対面姿勢のと
きの車載用電子機器を示す斜視図、図2は、可動部材が
収納姿勢のときの車載用電子機器を示す斜視図、図3
は、可動部材を移動させる姿勢制御手段の構造を示す分
解斜視図、図4、図5、図6は可動部材が対面姿勢から
収納姿勢に移動するときの姿勢制御手段のうちの往復駆
動手段の動作を示す平面図、図7(A)から図10
(B)までは、可動部材が対面姿勢−収納姿勢−対面姿
勢に移行する際の一連の動作を示す部分側面図である。
【0027】この車載用電子機器のケース1は、筐体2
とその前面に固定された前面パネル3とから構成されて
いる。筐体2は1DINサイズであり、この筐体2は例
えば自動車の車室内のダッシュボードやインストルメン
トパネル内に埋設される。このとき前面パネル3は、ダ
ッシュボードやインストルメントパネルの表面とほぼ一
致する。
【0028】この実施の形態では、Y1方向が下側(第
1の側)で、Y2方向が上側(第2の側)である。また
X方向が左右方向、Z1方向が前方、Z2方向が後方で
ある。図7(A)に示すように、ケース1および筐体2
の内部では、下側(Y1側)が可動部材の収納領域4と
なっており、この収納領域4は空間である。また上側
(Y2側)が内部機器の設置領域5である。この設置領
域5には、オーディオ用、画面表示用、ラジオ用などの
各種電子回路が設置される。またこの設置領域5にはC
DやDVD、MDなどの記録媒体の駆動装置が設置され
る。図に示す実施の形態では、前記設置領域5の前方
(Z1側)に前記記録媒体の駆動装置が設置されてい
る。
【0029】図2に示すように、ケース1の一部を構成
する前面パネル3のパネル前面6の下側(第1の側:Y
1側)に片寄った位置に開口部7が形成されている。こ
の開口部7は高さ方向の開口幅寸法がHであり、左右方
向(X方向)に細長いほぼ長方形状に開口している。図
7(A)に示すように、前記開口部7は、筐体2内の前
記収納領域4に通じている。
【0030】また、前記パネル前面6の上側(第2の
側:Y2側)に寄った位置には、記録媒体の挿入・排出
口8が開口している。この挿入・排出口8は、前記設置
領域5内に設置された記録媒体の駆動装置に対して記録
媒体(ディスク)を挿入・排出できる位置に開口してい
る。
【0031】また前記パネル前面6には、クッション材
9,9が貼り付けられている。このクッション材9,9
は、パネル前面6の前方に可動部材10が設置されたと
きに、対面姿勢となった可動部材10とパネル前面6と
の間に収縮して介在し、車体振動などの影響で可動部材
10ががたつきを生じるのを防止するためのものであ
る。クッション材9,9はゴム板、発泡樹脂板などの弾
性収縮性の板材で形成されている。
【0032】パネル前面6には表示部材が設けられてお
らず、実質的に表示面や操作面として機能しない。ただ
し、パネル前面6に、可動部材を対面姿勢と収納姿勢と
の間で移動させるモータ駆動部を動作させる隠しスイッ
チを設けることが可能である。
【0033】図1に示すように、前面パネル3の前方に
は、可動部材10が設置可能となっている。この可動部
材10は、パネル前面6とほぼ同じ面積を占める大きさ
である。可動部材10の表面(前面)は制御面10aで
あり、この制御面10aのほぼ全面が、表示および/ま
たは操作面となっている。前記制御面10aには、表示
部材11aおよび、操作部材11b,11cが配列され
ている。前記表示部材11aは例えばイコライザー表示
を行うもの、ラジオの受信周波数を表示するもの、ある
いは液晶TVであって、TV受信画像やナビゲーション
システムの地図表示画像などを表示するものである。す
なわち、この制御面10aには記録媒体の挿入・排出口
などが設けられていないため、大きな画面の表示部材1
1aを配置できる。
【0034】また制御面10aに設けられた操作部材1
1bおよび11cは、筐体2内に収納されている記録媒
体の駆動装置やTVチューナの制御操作、筐体2以外の
箇所に設けられた記録媒体駆動装置やディスクチェンジ
ャなどを操作するものや、カーナビゲーション操作など
を行うものである。前記操作部材11bは回転操作式で
あり、操作部材11cはキースイッチである。
【0035】前記可動部材10は、下側(第1の側:Y
1側)の端部10bに、前方(Z1方向)へ突出する突
出部10eが設けられて、前記端部10bが可動部材1
0の他の部分よりも厚さ寸法Wが大きくなっている。こ
の厚さWは、前記パネル前面6に開口する開口部7の縦
方向の開口幅寸法Hとほぼ一致するか、あるいは前記開
口幅寸法Hよりもわずかに小さくなっている。
【0036】よって、図2および図8(B)に示すよう
に、可動部材10が開口部7から筐体2内の収納領域4
内に収納された状態で、前記可動部材10の端部10b
により開口部7が塞がれ、端部10bと開口部7との間
にはほとんど隙間が形成されない。またこのとき可動部
材10の端部10bの面(端面)と、パネル前面6はほ
ぼ同一面となる。よって、図2の収納姿勢では、パネル
前面6から可動部材10が外されているように偽装で
き、電子機器の車内からの盗難を防止できる。
【0037】さらに、図7(C)に示すように、前記可
動部材10の前記下端10bにおいて前方へ突出する突
出部10eと、前記制御面10aとの高さの差Tは、前
記制御面10aに設けられた前記表示部材11aおよび
操作部材11b,11cの前記制御面10aからの突出
高さよりも大きく形成されている。
【0038】したがって、図8(A)(B)に示すよう
に、水平姿勢となった可動部材10が上端10c(第2
の側の端部)から開口部7内を後方(Z2方向)へ向っ
て収納されるときに、前記表示部材11aおよび操作部
材11b,11cが開口部7の縁に当たることがなく、
しかも収納を完了したときに、可動部材10の下端10
bと開口部7の縁との間に余分な隙間が生じなくなる。
【0039】パネル前面6を覆う対面姿勢(図7
(A))にある可動部材10が収納されるときには、図
7(B)に示すように、可動部材10が傾斜することな
く前方へ所定距離移動した後、さらに下端10bが前方
へ移動し、その間に上端10cが下側(第1の側)に回
動する。そして可動部材10の制御面10aがパネル前
面6とほぼ垂直となった水平状態(図8(A))で、可
動部材10が筐体2内の収納領域4へ収納させられる。
また収納姿勢の可動部材10が対面姿勢に至る過程は、
図9から図10に示すように前記と逆である。
【0040】以下、上記のように可動部材10を対面姿
勢と収納姿勢の間で移動させる姿勢制御手段20の構造
および動作を説明する。上記姿勢制御手段は、主に往復
駆動手段(往復駆動機構)21と、可動部材を対面姿勢
と収納姿勢とに振り分ける振り分け手段(振り分け機
構)22とから構成されている。図4ないし図6は主に
前記往復駆動手段21の構造および動作を示し、図3は
主に振り分け手段22の構造を示し、図7以下は振り分
け手段22の動作を示す。
【0041】図3および図4に示すように、前記可動部
材10の左右方向の両側面10d,10dでは、下端
(第1の側の端部)10b側に第1の支持点を構成する
第1の支持ピン12,12が固定されている。前記往復
駆動手段21では、ケース1の底部側において前後方向
(Z1−Z2方向)へ往復移動自在に設けられた往復移
動部材23が設けられている。この往復移動部材23
は、底板部23aとその左右両側に立ち上がるように折
り曲げ形成された折曲片23b,23bとが1枚の金属
板から一体に折り曲げ形成されたものである。
【0042】前記折曲片23b,23bの先端には支持
穴23c,23cが形成されており、前記可動部材10
の両側面10d,10dの下端10b側に設けられた前
記第1の支持ピン12,12がこの支持穴23c,23
cに回動自在に支持されている。すなわち、可動部材1
0の下端(第1の側の端部)は、前記往復移動部材23
に回動自在に支持されている。
【0043】また、前記往復移動部材23の底板23a
には、前後方向(Z1−Z2方向)へ長く形成された長
穴23dが4箇所設けられ、各長穴23dは、筐体2の
底板上に固定して設けられたガイドピン14に挿通され
ている。その結果、往復移動部材23が前後方向へ直線
的に往復移動可能となっている。
【0044】図4に示すように、筐体2の底板上には、
回転体24が前記底板に固定された中心軸25によって
回動自在に支持されている。回転体24の周囲には、前
記中心軸25を中心とする円弧状の所定モジュールの歯
24aが形成され、回転体24は部分歯車を構成してい
る。
【0045】前記歯24aには、減速歯車列28の出力
段のピニオン歯車28aが噛み合っており、減速歯車列
28の入力段の歯車28bには、モータ29の出力軸に
固定されたウオーム歯車29aが噛み合っている。すな
わち、前記減速歯車列28とモータ29とによって、前
記回転体24を往復回動させるモータ駆動部が構成され
ている。
【0046】前記回転体24の歯24aが設けられてい
ない部分には、回動アーム24bが一体に形成され、そ
の先部に摺動体となる摺動ピン26が固定されている。
前記往復移動部材23の底板23aには、駆動カム部と
して機能する左右方向へ直線的に延びる駆動カム長穴2
3eが形成されており、前記摺動ピン26が前記駆動カ
ム長穴23e内に摺動自在に挿入されている。回動アー
ム24bと摺動ピン26および前記駆動カム長穴23e
によって、回転体24の回転運動を往復移動部材23の
往復運動に変換する運動変換手段27が構成されてい
る。
【0047】図4に示すように、回転体24が時計方向
へ最も回動したときには、往復移動部材23が後方(Z
2方向)へ引き込まれている。このとき、可動部材10
はパネル前面6を覆う対面姿勢(図7(A))である。
図5は回転体24が図4の状態から反時計方向(第1の
方向)へほぼ90度(回転体24の回動範囲のほぼ中間
点)まで回動した状態であり、このとき往復移動部材2
3は前方(Z1方向)へ最も突出している。これは可動
部材10の引き込み途中であり、図8(A)の状態であ
る。図6は回転体24がさらに反時計方向(第1の方
向)の最終点まで回動した状態である。このとき可動部
材10はケース1内に完全に引き込まれる(図8
(B))。
【0048】また、回転体24が図6の状態から時計方
向(第2の方向)へ回動して図4に至る間に、収納姿勢
の可動部材10がケース1の前方へ突出し、さらに立ち
上がり姿勢になって対面姿勢に移行する。
【0049】図3に示すように、前記可動部材10の両
側面10d,10dでは、前記第1の支持ピン12より
も上端10c側に固定された第2の支持点を構成する第
2の支持ピン13が設けられている。図3には姿勢切換
え部材として機能する姿勢切換えアーム31が示されて
いる。この姿勢切換えアーム31の一端には穴31aが
形成され、前記第2の支持ピン13はこの穴31a内に
回動自在に連結されている。前記姿勢切換えアーム31
の他端には制御支点を構成する制御ピン32が固定され
ている。
【0050】前記往復移動部材23の両折曲片23b,
23bには、長穴による案内部33が形成されている。
この案内部33は、前後(Z1−Z2)方向へ水平に延
びる直線案内部33aと、その前方(Z1方向)で上方
へ斜めに延びる上方傾斜案内部33bと、前記直線案内
部33aの後方(Z2方向)で下方へ斜めに延びる下方
傾斜案内部33cとから構成されている。
【0051】前記姿勢切換えアーム31と制御ピン32
は、前記可動部材10の左右両側に一対設けられてお
り、前記それぞれの制御ピン32が前記各案内部33内
に摺動自在に挿入されている。
【0052】図4では、振り分け手段22の詳しい構造
が省略されているが、この振り分け手段22は左右方向
(Y方向)の両側において、前記一対の姿勢切換えアー
ム31に対応して、それぞれ設けられているが、以下で
は図3に示す一方の側に設けられた振り分け手段22に
ついてのみ説明する。他方の側に設けられた振り分け手
段の構造は図3に示すものとY方向で対称である。
【0053】前記振り分け手段22には振り分け部材3
4が設けられている。この振り分け部材34は、金属板
によりL字状に折り曲げられたものであり、縦方向へ垂
直に延びる制御板部34aと、水平に延びる固定板部3
4bとからなる。図4に示すように、前記固定板部34
bが筐体2の底板上に固定されている。
【0054】前記制御板部34aには、長穴により形成
された振り分け路35が設けられており、前記折曲片2
3bの案内部33内に挿通された前記制御ピン32は、
前記振り分け路35内に摺動自在に挿通されている。
【0055】前記振り分け路35は、前後方向(Z方
向)へ短く延びる対面姿勢案内部35aと、それよりも
下方で同じく後方へ、対面姿勢案内部35aと平行に延
び、且つ対面姿勢案内部35aよりも十分に長い収納姿
勢案内部35bとが設けられている。また対面姿勢案内
部35aと収納姿勢案内部35bの前端部は縦方向に垂
直に延びる分岐部35cによって連結されている。
【0056】前記振り分け部材34の制御板部34aの
外側には、選択部材37が設けられている。この選択部
材37に形成された穴37aは、制御板部34aに固定
された支持軸36に回動自在に支持されている。さらに
前記選択部材37の穴37aに挿通された前記支持軸3
6の先部には、トーションばね38の巻き部が外挿され
ており、前記支持軸36の先端に設けられた図示しない
抜け止め部材により、トーションばね38の巻き部は前
記支持軸36から抜け止めされている。
【0057】トーションばね38の一方の付勢腕38a
は、選択部材37に形成されたばね掛け片37bに掛け
られ、トーションばね38の他方の付勢腕38bは、前
記制御板部34aの上端に折り曲げ形成されたばね掛け
片34cに掛けられている。このトーションばね38の
前記付勢腕38aにより、選択部材37は前記支持軸3
6を支点として反時計方向(F1方向)すなわち図8
(B)などに示すような規制姿勢へ回動するように付勢
されている。なお、選択部材37の上辺37cが、前記
ばね掛け片34cに当たることにより、選択部材37の
反時計方向への回動限界が決められている。
【0058】また、前記トーションばね38の巻き部は
圧縮ばねとしての機能を有している。この巻き部が選択
部材37と、支持軸36の先端の抜け止め部材との間で
圧縮されて介装されていることにより、前記選択部材3
7は、前記制御板部34aに対して常にG方向へ弾性的
に押し付けられている。前記選択部材37の後端には、
前記制御板部34aの方向へ突出する小突起39が設け
られている。この小突起39は選択部材37からエンボ
ス加工などにより隆起形成されている。
【0059】一方、前記制御板部34aには、前記支持
軸36を中心とする円弧軌跡上に沿って長穴状に形成さ
れた円弧案内部41と、その下方の前記円弧軌跡の延長
線上に形成された丸穴のロック部42とが形成されてい
る。前記小突起39が前記円弧案内部41内に入ってい
るときには、前記選択部材37は前記円弧案内部41の
長さ範囲内で回動可能である。また前記小突起39が前
記円弧案内部41を乗り出して前記ロック部42に嵌合
されると、前記トーションばね38の巻き部のG方向へ
の付勢力により、小突起39がロック部42に押し付け
られ、小突起39がロック部42内で動かないように保
持される。このとき選択部材37は、図7(A)(B)
(C)などに示すように規制解除姿勢に回動して軽ロッ
ク状態になる。
【0060】前記選択部材37の前端は、溝44を介し
て分岐され、下方の分岐片が前方(Z1方向)に延びて
いる。この分岐片の先端が選択規制部43aである。こ
の選択規制部43aよりも上側に形成された前記溝44
の上辺が第1の摺動部43bである。また前記選択規制
部43aよりも下側の前記選択部材37の下辺が第2の
摺動部43cである。
【0061】次に可動部材10の姿勢制御動作について
説明する。図1に示す対面姿勢では、ケース1の前面
に、可動部材10の制御面10aが現れている。この状
態で、制御面10aの表示部材11aに、例えばイコラ
イザー表示や、ラジオの受信周波数表示や、TV受像画
面や、カーナビゲーションシステムの地図表示などが映
し出される。また操作部材11bや11cにより、ラジ
オチューナ選択、TVチャンネル選択、カーナビゲーシ
ョンシステムの操作、あるいはディスクチェンジャの操
作、さらには音量や音質の調整などが行われる。
【0062】図4および図7(A)は、可動部材10が
対面姿勢のときの、姿勢制御手段20の動作状態を示し
ている。図4に示すように、往復駆動手段21では、モ
ータ29により回転体24が時計方向(第2の方向)へ
回動させられた位置で停止しており、往復移動部材23
は後方(Z2方向)に引き込まれて停止している。
【0063】このとき、図7(A)に示すように、可動
部材10の側面10dに回動自在に連結されている姿勢
切換えアーム31の基端部に設けられた制御ピン32
は、前記往復移動部材23の折曲片23bに形成された
案内部33のうちの前方の上方傾斜案内部33bの先端
に位置している。また制御ピン32は、制御板部34a
に形成された振り分け路35のうちの上方の対面姿勢案
内部35aのZ2側端部に位置している。さらに、前記
制御ピン32は、選択部材37の第1の摺動部43bを
摺動して溝44内に入り込んでいる。よって選択部材3
7は時計方向(F2方向)へ回動させられており、選択
部材37の後端に設けられた小突起39は、前記制御板
部34aに形成されたロック部42に嵌合し、選択部材
37は時計方向(F2方向)へ回動した姿勢で軽ロック
状態となっている。
【0064】可動部材10を対面姿勢から収納姿勢へ移
動させる際には、可動部材10の制御面10aに設けら
れた収納操作釦などを押す。この操作で、図4に示すモ
ータ29により回転体24が反時計方向(第1の方向)
へ駆動される。対面姿勢から収納姿勢までを連続的に行
わせるときには、回転体24は図4の状態から図5の状
態を経て、図6に示すように反時計方向へ最も回動する
状態に至り、このときモータ29が停止する。
【0065】図4、図5、図6の過程で、回転体24の
回動アーム24b、これに固定された摺動ピン26なら
びに往復移動部材23に形成された駆動カム部23eと
から構成される運動変換手段27により、往復移動部材
23が一往復移動させられる。図5は往復移動部材23
が前方(Z1方向)へ最も突出した位置であり、往復移
動部材23が図4から図5に至る突出動作の間、可動部
材10は図7(A)から図8(A)の姿勢となる。さら
に回転体24が図5から図6の姿勢まで回動し、往復移
動部材23が後方へ引き込まれるときに、可動部材10
は図8(A)に示す状態から図8(B)に示す収納姿勢
に至る。
【0066】まず図4と図7(A)に示す対面姿勢か
ら、往復移動部材23がZ1方向へ突出する最初の過程
では、往復移動部材23がZ1方向へ直線的に前進し、
また姿勢切換えアーム31に設けられた制御ピン32
は、振り分け手段22を構成する制御板部34aの対面
姿勢案内部35a内をZ1方向へ直線的に前進する。よ
って、可動部材10は、図7(B)に至る間、傾斜する
ことなく平行にZ1方向へ前進する。
【0067】図7(B)では、制御ピン32が、対面姿
勢案内部35aの前端に至り、制御ピン32はそれ以上
Z1方向へ前進できなくなる。よってさらに往復移動部
材23がZ1方向へ前進すると、可動部材10を支持し
ている第1の支持ピン12が前進し、第2の支持ピン1
3はそれ以上前進できなくなるため、往復移動部材23
の前進にともなって、可動部材10の上端(第2の側の
端部)が下側(第1の側)に向けて回動する。
【0068】図7(C)は可動部材10が回動している
途中を示すが、この状態では、制御ピン32は、往復移
動部材23に形成された直線案内部33a内を摺動して
おり、また制御ピン32は、制御板部34aの振り分け
路35のうちの分岐部35c内に位置している。図7
(C)から図8(A)に至るときに、往復移動部材23
の前進により制御ピン32は下方傾斜案内部33cに沿
って下降するため、図8(A)では制御ピン32は制御
板部34aの収納姿勢案内部35bの前端に位置する。
よって、図8(A)に示す往復移動部材23が最も前進
した状態で、可動部材10は制御面10aがパネル前面
6と垂直に向けられた水平姿勢となる。
【0069】図8(A)から往復移動部材23がZ2方
向へ後退するとき、制御ピン32は、制御板部34aの
収納姿勢案内部35bに沿って後方(Z2方向)へ移動
するため、可動部材10は水平姿勢のまま、ケース1お
よび筐体2内の収納領域4内に収納される。図8(B)
に示す収納姿勢で、可動部材10の下端10bの端面が
パネル前面6とほぼ一致する。
【0070】図8(A)から図8(B)に至る間、制御
ピン32は、制御板部34aの振り分け路35のうちの
収納姿勢案内部35b内を後方へ移動するが、このと
き、制御ピン32が選択部材37の下辺の第2の摺動部
43cに当たって摺動する。よって、選択部材37は反
時計方向(F1方向)へ回動させられ、選択部材37の
後端に設けられた小突起39が制御板部34aのロック
部42から外れて円弧案内部41に入る。よって、選択
部材37の軽ロックは解除され、前記円弧案内部41の
移動範囲内において、選択部材37は支持軸36を支点
として回動可能になる。ただし、トーションばね38に
より常に反時計方向(F1方向)へ弾性付勢されてい
る。
【0071】上記において、回転体24が所定の回転位
置になったことを検知し、あるいは往復移動部材23が
所定の移動位置となったことを検知してモータ29を停
止させることにより、可動部材10を図7(C)の傾斜
姿勢になった状態で停止させることができ、あるいは可
動部材10を図8(A)に示す水平姿勢となったときに
停止させることができる。図7(C)に示す状態では、
可動部材10の制御面10aが斜め上向きであり、この
制御面10aに設けられた表示部材11aを見ることが
でき、また操作部材11b,11cを操作することがで
きる。
【0072】また図7(C)では、傾斜姿勢で停止する
可動部材10の上端10cに隣接する位置にパネル前面
6が現れており、上端10cに隣接する位置に記録媒体
の挿入・排出口8が現れている。よって、可動部材10
の上方から前記挿入・排出口8を介して記録媒体(ディ
スク)の挿入と排出が可能である。また、図8(A)に
示すように、可動部材10が水平姿勢で突出している状
態で停止させると、可動部材10の上向きの制御面10
aを見て操作することができる。
【0073】また、図2に示すように、可動部材10が
ケース1内に収納された状態では、可動部材10の下端
面10bがパネル前面6とほぼ同一面であるため、パネ
ル前面6全体がひとつの面のように見ることができ、可
動部材10がパネル前面6から外されたように偽装でき
る。よって電子機器の盗難を防止できる。
【0074】次に、収納姿勢の可動部材を突出させて対
面姿勢とするには、図6と図8(B)の収納姿勢で、可
動部材10の後端10bを押して可動部材を介してスイ
ッチを動作させ、またはパネル前面6に設けられたスイ
ッチを操作する。
【0075】これらの操作によりモータ29が始動し、
回転体24が時計方向(第2の方向)へ回動し始める。
回転体24が図5に示す位置まで回動すると、往復移動
部材23が前方(Z1方向)へ最も前進する。この間、
図8(B)から図9(A)に示すように、制御ピン32
が、制御板部34aの収納案内経路35b内をZ1方向
へ前進する。また制御ピン32が前方まで移動するとき
に、選択部材37の第2の摺動部43cに当たるため、
選択部材37は一旦時計方向(F2方向)へ回動する。
ただしこの回動範囲は、選択部材37の小突起39が制
御板部34a内の円弧案内部41内を移動する範囲内で
ある。よって、図9(A)に示すように、制御ピン32
が収納案内経路35bの前端まで移動し、制御ピン32
が選択部材37から外れると、選択部材37はトーショ
ンばね38により反時計方向(F1方向)へ回動させら
れ、選択部材37の前端の選択規制部43aにより収納
案内部35bの前端が塞がれる。すなわち選択部材37
は規制姿勢となる。
【0076】図5の状態からさらに回転体24が時計方
向(第2の方向)へ回転すると、往復移動部材23が後
方(Z2方向)移動するが、図9(A)に示すように、
このとき制御ピン32は、規制姿勢となっている前記選
択部材37の選択規制部43aにより収納案内経路35
b内に戻るのを阻止される。したがって、制御ピン32
は、後方へ移動する往復移動部材23に形成された下方
傾斜案内部33cにより持ち上げられ、制御板部34a
に設けられた振り分け路35の分岐部35cに移動する
(図9(B)参照)。よって往復移動部材23が後退し
ていくと、往復移動部材23の直線案内部33aが制御
ピン32を摺動する。
【0077】往復移動部材23が後退するとき、制御ピ
ン32が前記分岐部35c内に保持され、往復移動部材
23と可動部材10との連結点である第1の支持ピン1
2が後方へ移動するため、可動部材10の上端(第2の
側の端部)10cが上方へ持ち上げられる。よって図9
(B)に示すように、可動部材10が傾斜姿勢となって
反時計方向へ回動していくが、図10(A)に至ると、
往復移動部材23に設けられた上方傾斜案内部33bに
より制御ピン32が持ち上げられ、制御ピン32が対面
姿勢案内部35aに入ることができる高さに移動する。
この時点で、可動部材10は制御面10aがパネル前面
6と平行な向きの垂直姿勢となる。
【0078】さらに往復移動部材23が後退すると、図
10(A)から図10(B)に示すように、制御ピン3
2は制御板部34aの対面姿勢案内部35a内を後方へ
移動し、可動部材10はパネル前面6を覆う対面姿勢と
なる。図10(B)に至る間に、制御ピン32が選択部
材37の溝44内に入るとともに第1の摺動部43bに
当たる。制御ピン32が対面姿勢案内部35aの後端に
移動すると、選択部材37が時計方向(F2方向)へ回
動させられ、小突起39が円弧案内部41から抜け出
て、ロック部42に嵌合し、選択部材37が軽ロック状
態となる。このとき選択部材37は規制解除姿勢とな
り、選択部材37の選択規制部43aは収納姿勢案内部
35bを開放する。
【0079】このように選択部材37は円弧案内部41
の範囲内で回動自在であるとともに、トーションばね3
8により反時計方向(F1方向)へ付勢されており、し
かも時計方向へ回動したときには前記ロック部42によ
り軽ロックされる。前記軽ロックにより選択部材37が
規制解除姿勢で保持されるため、図7(A)から図8
(A)に至る間は、制御ピン32が、制御板部34aの
振り分け路35の収納姿勢案内部35bに入り込むこと
ができる。また図8(B)から図9(B)に至る間は、
反時計方向へ回動して規制姿勢となっている選択部材3
7の選択規制部43aにより制御ピン32が規制され
て、制御ピン32が収納姿勢案内部35b内に戻るのを
防止でき、往復移動部材23の後退により、可動部材1
0を立ち上げることができる。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明では、モータ駆動部
の第1の方向の回転動力と、第2の方向への回転動力
で、それぞれ往復移動部材を一往復させることにより、
この一連の動作で、可動部材を収納姿勢から対面姿勢
へ、また対面姿勢から収納姿勢へスムーズに移行させる
ことができる。また可動部材を収納姿勢から対面姿勢
へ、また対面姿勢から収納姿勢へ移行させる際にモータ
を一方向へのみ動作させればよいため、モータの制御が
容易である。また運動変換手段は狭いスペースで構成で
きるため、ケース内のスペースに余裕を持たすことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可動部材が対面姿勢となった状態を示す車載用
電子機器の斜視図、
【図2】可動部材が収納姿勢となった状態を示す車載用
電子機器の斜視図、
【図3】可動部材を支持している振り分け手段の構造を
示す分解斜視図、
【図4】往復駆動手段の動作を示すものであり、可動部
材の対面姿勢の状態を示す平面図、
【図5】往復駆動手段の動作を示すものであり、可動部
材が突出した状態を示す平面図、
【図6】往復駆動手段の動作を示すものであり、可動部
材の収納姿勢の状態を示す平面図、
【図7】(A)(B)(C)は、可動部材が対面姿勢か
ら傾斜姿勢に至るまでの動作を示す側面図、
【図8】(A)(B)は、可動部材が突出状態から収納
姿勢に至るまでの動作を示す側面図、
【図9】(A)(B)は、可動部材が収納姿勢から突出
する際の回動動作を示す側面図、
【図10】(A)(B)は、可動部材が垂直姿勢となっ
た状態から対面姿勢に至るまでを示す側面図、
【符号の説明】
1 ケース 2 筐体 3 前面パネル 4 収納領域 5 設置領域 6 パネル前面 7 開口部 8 挿入・排出口 9 クッション材 10 可動部材 10a 制御面 10b 下端(第1の側の端部) 10c 上端(第2の側の端部) 11a 表示部材 11b,11c 操作部材 20 姿勢制御手段 21 往復駆動手段 22 振り分け手段 23 往復移動部材 23e 駆動カム部 24 回転体 24a 歯 24b 回動アーム 26 摺動ピン(摺動体) 27 運動変換手段 29 モータ 31 姿勢切換えアーム 32 制御ピン 33 案内部 33a 直線案内部 33b 上方傾斜案内部 33c 下方傾斜案内部 34 振り分け部材 35 振り分け路 35a 対面姿勢案内部 35b 収納姿勢案内部 35c 分岐部 37 選択部材 38 トーションばね 43a 選択規制部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースと、表示部材および/または操作
    部材を備えた可動部材と、前記可動部材をケース内に収
    納される収納姿勢とケース外へ突出した後に前記収納姿
    勢と垂直な向きあるいは所定の角度で傾斜した向きとな
    る対面姿勢との間で移動させる姿勢制御手段とを備えた
    電子機器において、 前記姿勢制御手段には、モータ駆動部と、 前記可動部材を側方にて支える第1の支持点および第2
    の支持点と、 前記第1の支持点に回動自在に連結されてケースに沿っ
    て前進および後退する往復移動部材と、 前記モータ駆動部の第1の方向の回転動力で前記往復移
    動部材を前進と後退に一往復させ、前記モータ駆動部の
    第2の方向の回転動力で前記往復移動部材を同じく前進
    と後退に一往復させる運動変換手段と、 前記モータ駆動部が前記第1の方向へ回転する際の前記
    往復移動部材の一往復動作により、前記対面姿勢にある
    可動部材を回動させて前記収納姿勢に移行させ、前記モ
    ータ駆動部が前記第2の方向へ回転する際の前記往復移
    動部材の一往復動作により、前記収納姿勢にある可動部
    材をケース外へ突出させさらに前記対面姿勢へ回動させ
    るように、前記第2の支持点の移動経路を振り分ける振
    り分け手段と、 が設けられていることを特徴とする電子機器。
  2. 【請求項2】 前記運動変換手段は、モータ駆動部の前
    記第1の方向の回転動力により一方向へ前記第2の方向
    の回転動力により他方向へ回転駆動される回転体と、前
    記往復移動部材と前記回転体との一方に設けられた駆動
    カム部と他方に設けられて前記駆動カム部を摺動しこれ
    により前記往復移動部材を往復動作させる摺動体とから
    構成される請求項1記載の電子機器。
  3. 【請求項3】 前記振り分け手段には、 前記第2の支持点に回動自在に連結される姿勢切換え部
    材に設けられた制御支点と、 前記往復移動部材が前進位置から後退するときに、前記
    制御支点をケースの後方へ案内して前記可動部材を前記
    収納姿勢に移行させる収納姿勢案内部、前記往復移動部
    材が前進位置から後退するときに、前記制御支点の後方
    への移動を規制して前記可動部材を前記対面姿勢に移行
    させる対面姿勢案内部、および前記収納姿勢案内部と対
    面姿勢案内部とを振り分ける分岐部を有する振り分け部
    材と、 前記往復移動部材が前進位置から後退するときに、前記
    制御支点を前記収納姿勢案内部へ至らせるか前記対面姿
    勢案内部に至らせるかを選択する選択部材と、 が設けられている請求項1または2記載の電子機器。
  4. 【請求項4】 前記モータ駆動部が前記第1の方向へ回
    転する際の前記往復移動部材の一往復動作の途中、また
    は前記モータ駆動部が前記第2の方向へ回転する際の前
    記往復移動部材の一往復動作の途中で前記モータ駆動部
    を停止させることにより、前記可動部材をケースの外で
    任意の向きで停止させる請求項1ないし3のいずれかに
    記載の電子機器。
  5. 【請求項5】 ケースの前面パネルの任意の側辺に沿う
    方向の一方を第1の側、他方を第2の側としたときに、
    前記前面パネルには、前記第1の側に寄った位置に開口
    部が設けられ、 前記第1の支持点は可動部材の第1の側に、前記第2の
    支持点は前記第1の支持点よりも第2の側に離れた位置
    に設けられ、 前記振り分け部材の前記対面姿勢案内部は、前記収納姿
    勢案内部よりも第2の側に設けられ、 前記対面姿勢から往復移動部材が前進するときに、前記
    可動部材の第1の側の端部が前方へ進んで第2の側の端
    部が前記第1の側へ接近するように回動動作し、次に往
    復移動部材が後退するときに、前記第2の側の端部から
    先に前記開口部内へ入って前記収納姿勢に至る請求項1
    ないし4のいずれかに記載の電子機器。
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