JP2000221485A - 液晶ディスプレー用基板およびその製造方法 - Google Patents

液晶ディスプレー用基板およびその製造方法

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JP2000221485A
JP2000221485A JP2148999A JP2148999A JP2000221485A JP 2000221485 A JP2000221485 A JP 2000221485A JP 2148999 A JP2148999 A JP 2148999A JP 2148999 A JP2148999 A JP 2148999A JP 2000221485 A JP2000221485 A JP 2000221485A
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liquid crystal
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substrate
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JP2148999A
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English (en)
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Yasuhiro Saito
靖弘 斉藤
Masahiro Uno
雅弘 宇野
Yasuto Sakai
康人 阪井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス基板上にカラーフィルターの画素を配
列し、画素間の光遮蔽性下地膜として樹脂製のブラック
マトリックスを用いたとき、この樹脂ブラックマトリッ
クスはガラス表面との密着性が弱く、ブラックの微細な
パターン形成が安定してできなかった。 【解決手段】 ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合物
の膜を被覆する。この有機珪素化合物の膜の表面に樹脂
性の光遮蔽性ブラックを設ける。この有機珪素化合物の
膜は、一般式が(RSi(R4−n(R
炭素数1〜6の炭化水素、ビニル基、メタクリロキシ
基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素基、
フッ素または塩素を有する有機基であり、Rはアルコ
キシ基、アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種も
しくは複数の結合基であり、nは0〜4である。)を水
あるいはアルコールに溶かし溶液とし、これをガラス表
面に塗布、乾燥して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレー
に用いる基板およびその製造方法に関する。とりわけカ
ラーフィルター層に先立ち設けられる樹脂製ブラックマ
トリックスを有するカラー液晶ディスプレー用の基板お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレーに用いる基板の
基本的な構造は、透明ガラス基板、ブラックマトリック
ス及びカラーフィルター層、オーバーコート層、透明導
電膜を設けたものである。このうちブラックマトリック
スは、有効領域以外からのもれ光を抑制して表示特性を
向上させる役割を持つ。近年では樹脂製のブラックマト
リックス材料が多く使われる様になり、特にフォトリソ
プロセスによってパターニングされるのが一般的であ
る。しかしながら、ブラックマトリックスとして樹脂材
料を用いた場合、無機材料である透明ガラス基板と樹脂
材料との相互作用が小さいために密着性が不十分とな
り、その結果ブラックマトリックスのパターニングプロ
セスにおいて、ブラックマトリックスに剥離が生じやす
いとの問題点があった。すなわち、ブラックマトリック
ス原料をコーティングした後に露光,現像するプロセス
において、現像条件のばらつきにより局部的にブラック
マトリックスの剥離が生じることがあった。これによっ
て、特に工業的に生産する際には工程のあらゆる条件を
厳しく管理する必要が生じ、また場合によっては歩留り
の低下を導いていた。これを回避するため、例えば樹脂
材料からなるブラックマトリックスに透明ガラス基板と
の相互作用が大きい官能基を付与するなどの方法で透明
ガラス基板との密着性を向上させる対策が実施されてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
カラー液晶ディスプレーが高精細化されるに伴い、ブラ
ックマトリックスにより微細なパターン形成が要求され
るようになり、パターニング時の剥離がさらに発生しや
すくなってきた。さらに、樹脂材料においても密着性を
考慮した材料に制限されるため、近年のブラックマトリ
ックスの高遮光性化、低反射化、低コスト化への要求に
対応する上で障壁になっていた。
【0004】本発明は、従来のカラー液晶ディスプレー
用基板における上記課題を解決して、製造を容易に実施
可能とするものであり、さらにはコストダウンやディス
プレーの高精細化が行える基板を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶ディスプレ
ー用基板は、透明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合
物の膜が被覆されたことを特徴とする。本発明における
疎水性とは、清浄なガラス表面よりもより疎水化された
性質を有する性質をいい、これにより有機樹脂と清浄な
ガラスとの密着性が増加する。
【0006】ガラス表面を疎水化する有機珪素化合物の
膜は、下記の一般式で表わされる有機珪素化合物または
その加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたもの
であることが好ましい。 一般式:(RSi(R4−n 但し、一般式中、Rは炭素数1〜6の炭化水素、ビニ
ル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メル
カプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基
であり、Rはアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元
素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは
0〜4である。
【0007】前記有機珪素化合物の膜は、単分子層で被
覆される。また、それ以上の層で被覆されていてもよ
い。また、ガラス基板の全面を必ずしも被覆する必要が
無く、密着性を改善するに必要な程度に部分的に被覆さ
れていてもよい。
【0008】また、透明ガラス基板のガラス中にアルカ
リ成分が含有される場合、透明ガラス基板と有機珪素化
合物の膜の間に、ガラス中のアルカリ成分がその表面に
溶出し、有機珪素化合物の膜とガラス基板との密着性が
低下するのを防止するために、二酸化珪素膜を介在する
ように設けるのが好ましい。
【0009】本発明のカラー液晶ディスプレー用基板
は、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ディスプレー
用基板の一方の表面に、樹脂製ブラックマトリックス、
カラーフィルター層、オーバーコート層、ITO透明導
電膜が順次設けられたことを特徴とする。
【0010】用いられる樹脂製ブラックマトリックスと
しては、黒色物質が樹脂中に混入されているものであれ
ば特に限定されないが、有機珪素化合物の膜との密着性
を良くし、精密パターン加工においてそのエッジ部分を
シャープにする観点から、アクリル樹脂が好んで用いら
れる。
【0011】本発明の液晶ディスプレー用基板の製造方
法は、透明ガラス基板上に有機珪素化合物の膜が被覆さ
れた液晶ディスプレー用基板の製造方法において、前記
有機珪素化合物の膜を、透明ガラス基板上に下記の一般
式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を
含有する溶液を塗布、乾燥させて被覆することを特徴と
する。 一般式:(RSi(R4−n 但し、一般式中、Rは炭素数1〜6の炭化水素、ビニ
ル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メル
カプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基
であり、R はアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元
素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは
0〜4である。
【0012】また、前記有機珪素化合物の膜を被覆する
に先立ち、透明ガラス板を二酸化珪素が過飽和状態にあ
る珪フッ化水素酸を含む液に浸漬して、前記二酸化珪素
膜を被覆するのが、ガラス中のアルカリ成分による汚染
を防止するので好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の透明ガラス基板として
は、透明で平坦な表面を有するものであれば特に限定さ
れない。たとえば二酸化珪素および酸化アルミニウムを
主成分とするアルミノ珪酸系の無アルカリガラスや、二
酸化珪素と酸化ナトリウムと酸化カルシウムを主成分と
するソーダライムシリカ系のガラスなどを用いることが
できる。
【0014】しかしながら、アルカリ金属酸化物を含有
するガラス基板を用いる場合には、アルカリ金属イオン
が表面に拡散するのを防ぐために、有機珪素化合物の膜
とガラス基板との密着性をよくするために、二酸化珪素
あるいは二酸化珪素を主成分とする膜を被覆するのが好
ましい。
【0015】本発明の樹脂製ブラックマトリックスとし
ては、微粉カーボンのような黒色物質が樹脂内に分散混
入されたものが用いることができる。黒色物質の担体と
なる樹脂マトリックスとしては、有機珪素化合物の膜と
の密着性がよく、そのパターン形成工程で剥離が生じる
ことなく、寸法精度よくパターン形成できるという観点
から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリエステル樹脂等が例示でき、とりわけアクリル樹脂
が透明性が良いので好ましい。また、アクリル樹脂を親
水性の官能基であるカルボン酸等で変性させたものは、
上記の有機珪素化合物の膜との結合が強いので好まし
い。
【0016】本発明のカラーフィルター層は、液晶表示
ディスプレーに使用されている公知のものを用いること
ができ、特に限定されない。またその形成方法について
も、顔料分散法、フィルム転写法、染色法、印刷法、電
着法その他いかなるものも用いることができる。
【0017】本発明のオーバーコート層は、樹脂製ブラ
ックマトリックスの上に設けられるカラーフィルター層
のR、G、B画素の境界で生じる凹凸を平坦化するため
に設けられる。アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂等の公知のものを用いることができる。
【0018】本発明の有機珪素化合物の膜は、無機化合
物であるガラスあるいは二酸化珪素膜の表面を改質し
て、樹脂製ブラックマトリックスの密着性を向上させ
る。有機珪素化合物の材料は、樹脂製ブラックマトリッ
クスの材料に合わせて密着性が好適になるよう材料を選
定するのが好ましい。材料の選定においては、後述する
ように樹脂材料と有機珪素化合物の表面自由エネルギー
ができるだけ近い材料を選定するのが望ましい。
【0019】本発明の有機珪素化合物をガラス基板上に
被覆する方法としては、透明ガラス基板上に、上記の一
般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物
を含有する溶液を塗布,乾燥場合により加熱する方法が
あげられる。
【0020】通常、揮発性の分散媒、例えば、水、アル
コール類に有機珪素化合物またはその加水分解物を溶解
させた後、ディッピング、シャワー等の方法で基板表面
にこの液を塗布した後、温風乾燥等の乾燥手段を用いて
形成することができる。
【0021】また、前記一般式:(RSi
(R4−nで表わされる有機珪素化合物としては、
テトラメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニ
ルメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−(βアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピル(メチル)ジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カトプロピルトリメトキシシラン、3.3.3−トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3.4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルト
リクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルク
ロロシラン、テトラクロロシラン等がその代表例として
あげられる。
【0022】これらの一般式で表わされる有機珪素化合
物の加水分解物とは、上記有機珪素化合物中のアルコキ
シ基、アセトキシ基、塩素元素の一部または全部が水酸
基に置換されたもの、および置換された水酸基同士が一
部自然に結合したものを含んでいる。これらの加水分解
物は、例えば水、もしくは水とアルコール等の混合液中
で得ることができ、加水分解を促進させるために酸を添
加することもできる。
【0023】なかでも、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
は、水を溶媒として均質な溶液とすることができるの
で、液の調整が容易かつ安価であり、また樹脂製ブラッ
クマトリックスとの密着性が広い濃度範囲で良好な結果
を得ることができるので好ましい。
【0024】樹脂製ブラックマトリックスとガラス基板
の密着力は、有機珪素化合物の被覆量(塗布量)により
適切に調整することができる。これによって、例えば一
定現像条件下において、ブラックマトリックスの剥離が
発生し始めるまでの現像時間等を自由に制御することが
できる。また、有機珪素化合物の被覆量の制御は、有機
珪素化合物またはその加水分解物の濃度調整のほか、塗
布,乾燥時の温度等のプロセスパラメータによって自由
に調整することができる。
【0025】ここで、有機珪素化合物の最適な被覆量も
しくは最適な被覆条件は、ブラックマトリックスの材質
及び有機珪素化合物の種類によって異なるので一概に言
えないが、例えば被覆量が少ないと効果が得られず、ま
た被覆量が多いと現像時に残渣が生じる不具合が発生す
るので、それぞれの場合においてあらかじめ最適被覆量
及び被覆条件を調査しておく。なお、ここでいう残渣と
は、樹脂製ブラックマトリックスが完全にエッチングさ
れずに、凹凸状態でガラス基板上に残ったものをいう。
【0026】また、ガラス基板がアルカリ成分を含有す
る場合、ガラス表面に被覆する二酸化珪素の被覆方法
は、ゾルゲル法、スパッタリング法、液相成膜法などが
あげられる。その中でも、二酸化珪素が過飽和状態にあ
る珪フッ化水素酸を含む処理液中に基板を浸漬して二酸
化珪素膜を被覆した膜は緻密であるうえに、本発明の有
機珪素化合物の膜との密着性がよいのでとりわけ好まし
い。この理由として、液相析出法によって被覆された二
酸化珪素膜はその表面にシラノール基が多く形成されお
り、これが有機珪素化合物の膜と結合力が大きいからと
考えられる。
【0027】前記の液相析出法において、溶解した二酸
化珪素を過飽和状態にする方法としては、液中にホウ酸
を添加する方法、金属アルミニウムを溶解する方法、水
を添加する方法、処理液の温度を変えるなど公知の方法
を用いることができる。
【0028】有機珪素化合物の膜を被覆することで密着
性を制御できる理由は、界面化学理論から以下のように
推察される。物質表面は表面自由エネルギーで表わされ
る固有の表面状態を有し、2種類の物質を接触させた場
合、互いの表面自由エネルギーが近いほど相互作用が大
きくなる。すなわち、よく似た物質間ほど密着力が強く
なることが界面化学で知られている。
【0029】ガラス基板の表面は、一般にシラノール基
および吸着水で覆われており、水素結合により表面自由
エネルギーも高い状態になっている。他方、樹脂製ブラ
ックマトリックスは樹脂を担体としているので、一般に
水との濡れ性が悪く、表面自由エネルギーも親水性の表
面とは大きく異なる。そのため、親水性のガラス表面
は、一般に疎水性である樹脂との密着力が低い。その結
果、樹脂製ブラックマトリックスのパターン形成時に、
部分的に剥離が生じやすくなり、高精細化する上で不都
合が生じる。
【0030】そこで、上述の有機珪素化合物でガラス表
面を処理することで、ガラスの表面状態、すなわち表面
自由エネルギーを樹脂ブラックマトリックスに近づける
ことで、有機珪素化合物の膜が実質上接着剤と同じよう
な働きを示し、高い密着力を得ることができるようにな
る。その結果、樹脂製ブラックマトリックスのより細か
いパターンを形成を歩留り良くすることができるように
なり、高精細な液晶ディスプレーの作製が可能になる。
【0031】また、上記の効果は、樹脂製ブラックマト
リックスを用いないカラーフィルター層がガラス基板上
に直接設けられるときでも、密着性が同じように向上す
る。
【0032】以下に本発明を実施例と比較例により詳述
する。 (樹脂製ブラックマトリックスのパターン形成実験) 実施例1 100mm×100mmのアルミノシリケート系の無ア
ルカリガラス基板を、市販のアルカリ洗剤及び純水で洗
浄し乾燥した。続いて、0.01重量%濃度のγ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン水溶液にガラス基板を室
温で1分間浸漬して基板表面に吸着させた後、過剰の塗
布液を乾燥空気を用いて除去した。乾燥後、アルカリ洗
剤及び純水を用いて再度洗浄を行い、未反応のγ−アミ
ノプロピルトリエトキシシランを除去した。次にアクリ
ル樹脂系液に黒色物質としてカーボンブラックを混入さ
せたブラックマトリックス原料液をその使用条件でスピ
ンコーティングした後に、マスクを介して露光、現像
し、未露光部分のブラックマトリックスをアルカリ剥離
溶液でエッチング除去して、幅30μm、間隔100μ
mのストライプ状の光遮蔽性のブラックパターンを形成
しサンプル1を得た。また、現像時にパターンが形成さ
れた時間およびブラックマトリックスの剥離が開始した
時間を測定した。パターン形成が完了(未露光ブラック
マトリックスが完全に除去される時点)して後、充分経
過してから露光部分と未露光部分の主として境界で剥離
が開始することが認められた。処理条件と結果を表1に
まとめて示す。
【0033】実施例2 実施例1とは、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
水溶液の濃度を0.001重量%とした以外は同じよう
にして、ブラックマトリックスのパターンを形成し、良
好なサンプル2を得た。また、現像時にパターンが形成
された時間およびブラックマトリックスの剥離が開始し
た時間を測定した結果を表1に示す。この場合において
も、パターン形成が完了後充分経過してから、ブラック
マトリックスの剥離が開始することが認められた。
【0034】実施例3 実施例1とは、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
水溶液の濃度を0.1重量%とした以外は同じようにし
て、ブラックマトリックスのパターンを形成し、サンプ
ル3を得た。現像時にパターンが形成された時間および
ブラックマトリックスの剥離が開始した時間を測定した
結果を表1に示す。パターン形成が完了してから剥離が
開始することが認められた。また、このブラックマトリ
ックスには、残渣が局部的に認められた。
【0035】実施例4 100mm×100mmのソーダライム製ガラス基板
(組成:SiO、72.6%、Al1.8%、
NaO13.5%、CaO8.9%、MgO3.09
%、Fe0.1%)を実施例2と同様の方法で洗
浄した後に、二酸化珪素が過飽和状態になった2.6m
ol/lの濃度の珪フッ化水素酸水溶液に所定の時間浸
漬し、約40nm厚の二酸化珪素膜を形成した。この時
の処理液の温度は30℃であった。続いて、このガラス
基板を0.01重量%のγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン水溶液に室温で1分間浸漬した後、乾燥空気で
乾燥させた。次に、実施例2と同じようにしてブラック
マトリックスのパターンを形成し、良好なサンプル4を
得た。現像時にパターンが形成された時間およびブラッ
クマトリックスの剥離が開始した時間を測定した結果を
表1に示す。パターン形成が完了してから充分経過して
ブラックマトリックスの剥離が開始することが認められ
た。
【0036】実施例5 実施例4とは、有機珪素化合物として0.1重量%のγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いたこ
とのほかは同じようにして、パターン形成を行った。表
1に示すように良好な結果が得られた。
【0037】実施例6 実施例4とは、有機珪素化合物として1.0重量%のγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いたこ
とのほかは同じようにして、パターン形成を行った。表
1に示すように良好な結果が得られた。
【0038】比較例1 実施例1とは、有機珪素化合物膜を被覆しなかったこと
のほかは同じようにして、ブラックマトリックスのパタ
ーンを形成し、比較サンプル1を得た。この比較サンプ
ルでは、居所的なブラックマスクの剥離が認められた。
また、剥離開始時間がパターン形成時間とほぼ同じであ
り、剥離を生じさせることなくパターン形成を安定して
完了することが困難であった。
【0039】
【表1】 ================================== 例 評価結果 カ゛ラス基板 有機珪素化合物および パターン形成 剥離開始 外観 処理濃度(重量%) 時間(秒) 時間(秒) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (実施例) 1 無アルカリ γ-アミノフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン 25 38 ○ 0.001 2 無アルカリ γ-アミノフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン 25 50 ○ 0.01 3 無アルカリ γ-アミノフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン 25 75 ○ 0.1 (局部的残渣あり) 4 ソータ゛ライム γ-アミノフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン 25 75 ○ シリケート 0.01 5 ソータ゛ライム γ-ク゛リシト゛キシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン 25 40 ○ シリケート 0.1 6 ソータ゛ライム γ-ク゛リシト゛キシフ゜ロヒ゜ルトリエトキシシラン 25 60 ○ シリケート 1.0 (比較例) 1 無アルカリ 処理せず 25 24 × 0.1 (剥離有り) 2 ソータ゛ライム 処理せず 25 25 × シリケート 0.01 (剥離有り) =================================== 注)ソータ゛ライムシリケートのカ゛ラスは、いずれも二酸化珪素被膜付き。
【0040】比較例2 実施例4とは、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
水溶液による処理を行わなかったことのほかは同じよう
にして、比較サンプル2を得た。この比較サンプルにつ
いても、居所的なブラックマスクの剥離が認められた。
剥離開始時間がパターン形成時間と同じであり、剥離を
生じさせることなくパターン形成を安定して完了するこ
とが困難であった。
【0041】表1から明らかなように、ブラックマトリ
ックスのパターンが形成される時間は、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランやγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランの水溶液の処理の有無に拘わらず一定
の値を示したが、剥離が始まるまでの時間は、これらの
水溶液の処理によって飛躍的に増加することが分かっ
た。すなわち、ガラス基板表面に有機珪素化合物の膜を
形成することにより、ブラックマトリックスの剥離を発
生させることなく、精細なパターン形成を行うことがで
きることが分かった。また、これらのシランの水溶液処
理の濃度は、0.001重量%〜1重量%の溶液で処理
するのがよい。
【0042】(カラー液晶ディスプレー用基板の作製) 実施例7 実施例4で得た樹脂製ブラックマトリックスを設けた基
板に、顔料と染料を着色剤とし、アクリル樹脂をそれら
の担体とするR、G、B3原色のストライプ状の画素か
らなるカラーフィルター層を設け、さらにその上に約1
μmの厚みのアクリル樹脂製のオーバーコート層を塗布
した。最後に約20Ω/□のITO透明導電膜を設け
た。このITO透明導電が膜を塩酸水溶液で所定形状の
透明電極にエッチング加工した。得られたカラー液晶デ
ィスプレー基板は、画素間のブラック領域には密着不良
による脱落が無く、光の漏れがないものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の液晶ディスプレー用基板は、透
明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合物の膜を被覆す
るようにしたので、カラーフィルター層に先立って設け
る樹脂製ブラックマトリックスは、それと親和性のある
有機珪素化合物の膜の上に設けられる。
【0044】その結果、樹脂製ブラックマトリックスと
ガラス基板との密着力が大きくなる。この密着力の増大
は、樹脂製ブラックマトリックスのパターン形成時に、
ブラックマトリックスの剥離の発生の抑制効果を生じ、
寸法精度の優れたパターン形成をすることができる。
【0045】本発明の液晶ディスプレー用基板の製造方
法によれば、有機珪素化合物の膜を所定のシラン化合物
またはその加水分解物を含有する溶液を、ガラス基板表
面に塗布、乾燥させて有機珪素化合物の膜とするので、
親水性のガラス表面を経済的に疎水性に改質することが
できる。
【0046】また、ガラス基板を有機珪素化合物の膜を
被覆するに先立ち、二酸化珪素が過飽和状態にある珪フ
ッ化水素酸を含む液にガラス基板を浸漬して、二酸化珪
素膜を被覆すると、ガラス基板に樹脂製ブラックマトリ
ックスを密着力が大きく、かつガラス中のアルカリによ
る汚染がない基板を経済的に得ることができる。
【0047】本発明の液晶ディスプレー用基板の樹脂製
ブラックマトリックスのガラス基板への密着性は大きい
ので、パターン形成時に剥離やピンホールが生じにく
い。このため、表示欠陥のないカラー液晶表示素子を歩
留り良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶ディスプレー用基板の断面図であ
る。
【図2】本発明のカラー液晶ディスプレー用基板の断面
図である。
【符号の説明】
1・・・液晶ディスプレー用基板 2・・・ガラス板 3・・・有機珪素化合物の膜 4・・・樹脂製ブラックマトリックス 5・・・カラーフィルター層 6・・・オーバーコート層 7・・・透明導電膜 8・・・二酸化珪素膜 10・・・カラー液晶ディスプレー用基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪井 康人 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA14 AB13 AC01 AD01 BC31 BC51 CC12 FA03 FA17 2H048 BA11 BA45 BA47 BA48 BB01 BB14 BB15 BB44 2H091 FA02Y FA35Y FB02 FD06 GA01 LA02 LA30 2H096 AA27 AA28 BA05 BA06 BA20 EA00 GA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化
    合物の膜が被覆された液晶ディスプレー用基板。
  2. 【請求項2】 前記疎水性の有機珪素化合物の膜は、下
    記の一般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水
    分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたものであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレー用基
    板。 一般式:(RSi(R4−n 但し、一般式中、Rは炭素数1〜6の炭化水素、ビニ
    ル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メル
    カプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基
    であり、Rはアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元
    素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは
    0〜4である。
  3. 【請求項3】 前記透明ガラス基板のガラスにアルカリ
    成分を含有し、かつ前記透明ガラス基板と前記有機珪素
    化合物の膜の間に二酸化珪素膜が介在するように設けら
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の液
    晶ディスプレー用基板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶デ
    ィスプレー用基板の前記疎水性の有機珪素化合物の膜表
    面に、樹脂製ブラックマトリックス、カラーフィルター
    層、オーバーコート層、ITO透明導電膜が順次設けら
    れたカラー液晶ディスプレー用基板。
  5. 【請求項5】 前記樹脂製ブラックマトリックスは、黒
    色物質がアクリル樹脂中に混入されたものであることを
    特徴とする請求項4に記載のカラー液晶ディスプレー用
    基板。
  6. 【請求項6】 透明ガラス基板上に有機珪素化合物の膜
    が被覆された液晶ディスプレー用基板の製造方法におい
    て、前記有機珪素化合物の膜を、前記透明ガラス基板上
    に下記の一般式で表わされる有機珪素化合物またはその
    加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させて被覆する
    ことを特徴とする液晶ディスプレー用基板の製造方法。 一般式:(RSi(R4−n 但し、一般式中、Rは炭素数1〜6の炭化水素、ビニ
    ル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メル
    カプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基
    であり、Rはアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元
    素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは
    0〜4である。
  7. 【請求項7】 前記有機珪素化合物の膜を被覆するに先
    立ち、前記透明ガラス板を二酸化珪素が過飽和状態にあ
    る珪フッ化水素酸を含む液に浸漬して、前記二酸化珪素
    膜を被覆することを特徴とする請求項6に記載の液晶デ
    ィスプレー用基板の製造方法。
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